JPH0977748A - アシクロヌクレオシド誘導体の製造方法 - Google Patents

アシクロヌクレオシド誘導体の製造方法

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JPH0977748A
JPH0977748A JP7232811A JP23281195A JPH0977748A JP H0977748 A JPH0977748 A JP H0977748A JP 7232811 A JP7232811 A JP 7232811A JP 23281195 A JP23281195 A JP 23281195A JP H0977748 A JPH0977748 A JP H0977748A
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JP
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compound
group
iodide
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cor
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Application number
JP7232811A
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English (en)
Inventor
Masaru Ubasawa
賢 姥澤
Hideaki Takashima
秀昭 高嶋
Koichi Sekiya
浩一 関谷
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 式: W-H (W は2-位及び/又は4-位に水
酸基及び/又はアミノ基を有する1-ピリミジニル基ある
いは2-位及び/又は6-位に水酸基を有する9-プリニル
基)で示される化合物を溶媒の存在下にシリル化剤で処
理してシリル化合物を含む反応液を得た後、得られたシ
リル化合物を単離することなく、ヨウ化金属化合物及び
硫酸アンモニウムの存在下に該反応液中の該シリル化合
物を CH3CO-O-CH2-O-(CH2)n -O-COR (n は 1〜5 の整
数, R はアルキル基)で示される化合物で処理して式:W
-CH2-O-(CH2)n -O-CORのアシクロヌクレオシド誘導体を
製造する方法。 【効果】 工業的規模でアシクロヌクレオシド誘導体を
簡便かつ効率的に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアシクロヌクレオシ
ド誘導体の新規な製造方法に関するものである。より詳
しくいうと、抗ウイルス剤、抗癌剤、抗菌剤またはそれ
らの合成中間体として有用なアシクロヌクレオシド誘導
体を簡便かつ効率的に製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アシクロヌクレオシド誘導体は、抗ウイ
ルス剤、抗癌剤、抗菌剤またはそれらの合成中間体とし
て重要な化合物である。アシクロヌクレオシド誘導体の
製造方法としては、従来より種々の方法が提案されてい
る。例えば、下記式(III) で示されるピリミジン塩基の
フェノール性水酸基を適当なシリル化剤で保護してビス
(トリメチルシリル)化合物(IV)とした後、1,3-ジオキ
ソランと無水酢酸とを反応させて得られる2-アセトキシ
エチルアセトキシメチルエーテルと化合物(IV)とを種々
の触媒の存在下に反応させて、アシクロヌクレオシド誘
導体(V) に変換する方法が知られている(下記スキーム
参照:スキーム中、R は水素原子、アルキル基、又はハ
ロゲン原子等の置換基を示す)。
【0003】
【化1】
【0004】上記スキーム中、化合物(IV)から化合物
(V) を製造する工程に用いられる触媒としては、例え
ば、四塩化錫、シアン化水銀(II)、ヨウ化亜鉛、または
ヨウ化セシウムなどが利用可能であることが報告されて
いる。しかしながら、四塩化錫を用いる方法(J. Med. C
hem., 24, 1177, 1981) は、四塩化錫が易吸湿性かつ易
分解性であり、加えて、反応後に生じる難溶性の水酸化
錫の取扱いが難しく収率が低い(約50-60%程度)という
問題を有しており、シアン化水銀(II)を用いる方法(J.
Med. Chem., 28, 356, 1985)では、収率が著しく低いう
え(約23%)、シアン化水銀(II)が人体に有害であり、環
境汚染等の観点から工業化には困難を伴うという問題が
ある。
【0005】また、ヨウ化亜鉛を用いる方法 (Heterocy
cles, 27, 71, 1988) では、ヨウ化亜鉛の吸湿性が非常
に高く、取り扱いが難しい点が問題である。ヨウ化セシ
ウムを用いる方法(Chemistry Letters, 1045, 1988)
は、反応の副生成物が少なく、収率よく目的物が得られ
るという特徴を有している。しかしながら、この方法に
おいては、化合物(IV)を製造するために、少量の硫酸ア
ンモニウムの存在下にシリル化剤であるヘキサメチルジ
シラザン中で化合物(III) を数時間還流した後、大過剰
のヘキサメチルジシラザンを完全に留去する方法が採用
されており、大量の溶媒を用いる工業的規模の製造方法
としての実用性は低い。
【0006】
【発明が解決しようとるす課題】本発明の課題は、アシ
クロヌクレオシド誘導体を簡便かつ効率的に製造する製
造方法を提供することにあり、工業的に利用価値の高い
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】本発明者らは上記した従来のアシクロヌク
レオチド誘導体の製造法について検討したところ、上記
スキーム中の化合物(III) をアセトニトリル等の有機溶
媒中で少量のビス(トリメチルシリル)アセトアミドと
室温で10分から2時間程度反応させると、効率よくシリ
ル化合物(化合物IV) が得られるが、化合物(IV)を含む
反応液の溶媒を留去せずにヨウ化セシウムの存在下で2-
アセトキシエチルアセトキシメチルエーテルと化合物(I
V)との反応を行うと、目的化合物(V) がほとんど生成せ
ずに、原料化合物(III) を回収してしまうという問題に
直面した。
【0009】そこで、シリル化合物(IV)と2-アセトキシ
エチルアセトキシメチルエーテルとの反応が効率よく進
行する条件を種々検討した結果、反応溶液中に小量の硫
酸アンモニウムを添加すると、2-アセトキシエチルアセ
トキシメチルエーテルとシリル化合物(IV)との反応がヨ
ウ化セシウム及び溶媒の存在下で極めて効率よく進行
し、目的化合物(V) が収率よく得られることを見いだし
た。また、ヨウ化セシウムに換えてより安価なヨウ化カ
リウムやヨウ化ナトリウムを用いた場合にもヨウ化セシ
ウムの場合と同様に反応が進行すること、並びにピリミ
ジン塩基のみならずプリン塩基にも本反応を適用できる
ことを見いだした。本発明はこれらの知見を基にして完
成されたものである。
【0010】すなわち本発明は、下記式(I): W-H (式中、W は2-位及び/又は4-位に水酸基及び/又はア
ミノ基を有する1-ピリミジニル基、あるいは9-プリニル
基を示し、これらのピリミジン塩基またはプリン塩基は
1個又は2個以上の置換基を有していてもよい)で示さ
れる化合物を溶媒の存在下にシリル化剤で処理してシリ
ル化合物を含む反応液を得た後、得られたシリル化合物
を単離することなく、ヨウ化金属化合物及び硫酸アンモ
ニウムの存在下に該反応液中の該シリル化合物を下記
式: CH3-CO-O-CH2-O-(CH2)n -O-COR (式中、n は 1〜5 の整数を示し、R は炭素数 1〜5 個
のアルキル基を示す)で示される化合物で処理して下記
式(II): W-CH2-O-(CH2)n -O-COR (式中、W, n, 及びR は上記と同じである)で示される
アシクロヌクレオシド誘導体を製造する方法を提供する
ものである。
【0011】この発明の好ましい態様によれば、該シリ
ル化合物を含む反応液にヨウ化金属化合物、硫酸アンモ
ニウム、及び式:CH3-CO-O-CH2-O-(CH2)n -O-CORの化合
物(式中、n およびR は上記と同じである)を添加する
工程を含む方法;式:CH3-CO-O-CH2-O-(CH2)n -O-CORの
化合物が2-アセトキシエチルアセトキシメチルエーテル
である上記方法;該シリル化合物を含む反応液から溶媒
及び/又はシリル化剤を留去する工程を含まない上記方
法;並びに、ヨウ化金属化合物が、ヨウ化セシウム、ヨ
ウ化ルビジウム、ヨウ化カリウム、及びヨウ化ナトリウ
ムからなる群から選ばれる上記方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】上記式(I) 及び(II)において、W
は、2-位及び/又は4-位に水酸基及び/又はアミノ基を
有するピリミジン塩基により構成される1-ピリミジニル
基(ただし、ピリミジン環の2個窒素原子のいずれかを
1-位とする)、あるいは9-プリニル基を示す。これらの
ピリミジン塩基またはプリン塩基はそれぞれ1若しくは
2個以上の置換基を有していてもよい。2個以上の置換
基を有する場合には、それらは同一でも異なっていても
よい。置換基としては、例えば、炭素数1〜5個の直鎖
若しくは分枝鎖のアルキル基、炭素数1〜5個の直鎖若
しくは分枝鎖のアルケニル基、又はハロゲン原子などを
用いることができる。
【0013】例えば、1-ピリミジニル基として下記式(V
I)で示される基を用いることができ、9-プリニル基とし
ては下記式(VII) で示される基を用いることができる。
【化2】
【0014】上記の式(VI)において、R1及びR2は同一で
も異なっていてもよく、それぞれ独立に水素原子;メチ
ル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ
チル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert- ブチル
基、n-ペンチル基等の炭素数 1〜5 個のアルキル基;ビ
ニル基、アリル基、1-プロペニル基、2-ブテニル基、1,
3-ブタジエニル基、2-ペンテニル基、2-ヘキセニル基等
の炭素数 2〜6 個のアルケニル基;またはハロゲン原子
を示す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、またはヨウ素原子のいずれを用いてもよ
い。Y は水酸基またはアミノ基を示す。上記式(VII) に
おいて、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、水酸基
またはアミノ基を表す。
【0015】より具体的にいうと、1-ピリミジニル基を
構成するピリミジン塩基としては、例えば、シトシン
(4-アミノ-2- オキシピリミジン)、ウラシル (2,4-ジ
オキシピリミジン)、5-ヨードウラシル、チミン (2,4-
ジオキシ-5- メチルピリミジン)、5-メチルシトシン
(4-アミノ-2- オキシ-5- メチルピリミジン)、又はオ
キシメチルシトシン (4-アミノ-2- オキシ-5- オキシメ
チルピリミジン)などを挙げることができ、9-プリニル
基を構成するプリン塩基としては、例えば、アデニン、
グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、カフェイン、
テオフィリン、テオブロミン、イソグアニンなどを挙げ
ることができる。
【0016】なお、上記の式(VI)又は(VII) の基におい
て Y, R3, 及び/又はR4がヒドロキシル基を表す場合、
ケト−エノール互変異性により以下の3種の異性体が存
在するが、本発明の方法はいずれの互変異性体に対して
も適用可能である。
【化3】
【0017】本発明の方法では、W-H で示される式(I)
の化合物 (W は上記の定義のとおりであり、好ましくは
上記の式(VI)又は(VII) で示される残基を示す)を、溶
媒の存在下でシリル化剤で処理して、1-ピリミジニル基
又は9-プリニル基の水酸基(ケト−エノール互変異性に
よる場合にはカルボニル基)及び場合によってアミノ基
がシリル化されたシリル化合物を製造し、ついで、その
反応液からシリル化合物を単離することなく、ヨウ化金
属化合物及び硫酸アンモニウムの存在下に該反応液中で
式:CH3-CO-O-CH2-O-(CH2)n -O-COR (式中、n は 1〜5
の整数を示し、R は炭素数 1〜5 個のアルキル基を示
す)で示される化合物で処理し、下記式(II): W-CH2-O-
(CH2) n -O-COR (式中の記号の意味は上記と同じであ
る)で示されるアシクロヌクレオシド誘導体を製造する
ことを特徴としている。
【0018】溶媒の種類は、上記反応において実質的に
不活性であって、反応終了後に容易に留去可能なもので
あれば特に限定されない。例えば、アセトニトリル、ジ
メチルホルムアミド、ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、又はテトラヒドロフラン等の溶媒を好適に用いるこ
とができる。シリル化剤としては、例えば、ビス(トリ
メチルシリル)アセトアミド等を好適に用いることがで
きる。シリル化剤の量は特に限定されないが、反応効率
や後処理などの観点から、化合物(I) に対して約2〜6
当量程度を用いることが好適である。シリル化反応は、
一般的には、室温で10分から20時間程度で終了する。
【0019】シリル化反応の後、得られた反応液から該
シリル化合物を単離することなく、得られた反応液中で
ヨウ化金属化合物及び硫酸アンモニウムの存在下に式:
CH3-CO-O-CH2-O-(CH2)n -O-COR(式中、n およびR は上
記と同じである)で示される化合物とシリル化合物とを
反応させることにより、式(II)のアシクロヌクレオシド
誘導体を製造することができる。本明細書において、シ
リル化合物の単離とは、反応液中の液体成分を実質的に
完全に留去ないし除去することにより、結晶状態又は油
状の粗シリル化合物又は精製シリル化合物を得ることを
いう。
【0020】式:CH3-CO-O-CH2-O-(CH2)n -O-COR(式
中、n およびR は上記と同じである)で示される化合物
の添加に先立って、溶媒や過剰のシリル化剤の一部を留
去しておいてもよいが、工業的な観点からは、溶媒や過
剰のシリル化剤を全く留去することなしに上記反応を行
うことが好ましい。本発明の方法の利点の一つは、溶媒
や過剰のシリル化剤を全く留去せずに反応を行っても、
所望の化合物(II)を非常に収率よく製造できる点にあ
る。
【0021】上記反応において用いられる式:CH3-CO-O
-CH2-O-(CH2)n -O-CORの化合物において、n は 1〜5 の
整数を示し、R は上記R1及びR2で定義した炭素数 1〜5
のアルキル基と同じものを示すが、これらの中で、2-ア
セトキシエチルアセトキシメチルエーテルを用いるのが
好ましい。式:CH3-CO-O-CH2-O-(CH2)n -O-CORで示され
る化合物の量は特に限定されないが、一般的には、化合
物(I) に対して約 1.0〜1.4 当量程度を用いることが好
ましい。ヨウ化金属化合物としては、例えば、セシウ
ム、ルビジウム、カリウム、又はナトリウム等のアルカ
リ金属とヨウ素との塩;マグネシウム、又はバリウム等
のアルカリ土類金属とヨウ素との塩、好ましくはヨウ化
カリウム等を用いることができる。ヨウ化金属化合物の
量は特に限定されないが、一般的には、化合物(I) に対
して約 0.5〜1.0 当量程度を用いることが好ましい。硫
酸アンモニウムの量も特に限定されないが、一般的に
は、化合物(I) に対して約 0.1〜0.4 当量程度である。
【0022】上記反応は、一般的には、各試薬の必要量
を一時に、あるいは分割して該反応液中に添加した後、
室温から溶媒の還流温度で 1〜40時間行えばよい。各試
薬は同時に加えてもよいが、適宜の順序で順次添加して
もよい。反応終了後、化合物(II)を含む反応液を常法に
よる後処理に付し、例えば、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー、抽出、適当な溶媒を用いた結晶化あるいは
再結晶等の精製法により精製した化合物(II)を得ること
ができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定され
ることはない。
【0024】例1:1-(2- アセトキシエトキシメチル)
チミンの合成 チミン 630 mg (5 mmol)をアセトニトリル 50 mlに懸濁
し、ビス(トリメチルシリル)アセトアミド 2.7 ml (1
1 mmol) を加え、室温で30分間攪拌した。得られた均一
溶液に、2-アセトキシエチルアセトキシメチルエーテル
1.13 ml (5.5mmol) 、ヨウ化カリウム 830 mg (5 mmo
l)、及び硫酸アンモニウム 50 mgを加え、還流温度に加
熱して2時間攪拌した。反応液に飽和重曹水 50 mlを加
え、クロロホルム(50 ml×3 回) で目的物を抽出し、有
機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して得られ
た残留物よりクロロホルム:エーテルを用いて目的物の
結晶1.004 g を得た(収率83%, m.p. 123 〜124 ℃)。 UV(MeOH):λmax 263 nm1 H-NMR (DMSO-d6,δ): 1.75(s,3H), 1.98(s,3H), 3.67
(t,2H), 4.08(t,2H), 5.05(s,2H), 7.57(s,1H)
【0025】例2: 1-(2-アセトキシエトキシメチル)
チミンの合成 例1において用いたヨウ化カリウムに換えてヨウ化ナト
リウム 750 mg (5 mmol)を用い、他は全て同様にして目
的物を得た。得られた目的物の物理化学的性状は、例1
に記載したものと同じであった。
【0026】例3: 1-(2-アセトキシエトキシメチル)
チミンの合成 例1において用いたヨウ化カリウムに換えてヨウ化セシ
ウム 1.3 g (5 mmol)を用い、他は全て同様にして目的
物を得た。得られた目的物の物理化学的性状は、例1に
記載したものと同じであった。
【0027】例4:1-(2- アセトキシエトキシメチル)-
5-ヨードウラシルの合成 例1において用いたチミンに換えて5-ヨードウラシル
1.19 g (5 mmol)を用い、他は全て同様にして目的物 1.
363 gを得た(収率77%, m.p.122〜123 ℃)。 UV(MeOH):λmax 280 nm1 H-NMR (DMSO-d6,δ): 1.99(s,3H), 3.70(t,2H), 4.09
(t,2H), 5.09(s,2H), 8.26(s,1H), 11.7(b,1H)
【0028】例5: 1-(2-アセトキシエトキシメチル)
シトシンの合成 例1で用いたチミンに換えてシトシン 555 mg (5 mmol)
を用い、他は全て同様にして反応した後、反応液に重曹
末2 g を加え、室温で1時間攪拌した。重曹末を濾過し
て除き、溶媒を留去して残留物を得た。この残留物を小
量のクロロホルム:メタノール=9:1(V/V) に溶解してシ
リカゲルカラムに吸着させ、クロロホルム:メタノール
=9:1(V/V) で溶出した。目的物を含むフラクションを集
めて減圧濃縮した後、残留物をメタノール:エーテルか
ら結晶化して目的物 942 mg を得た(収率83%, m.p.183
〜185 ℃)。 UV(MeOH):λmax 268 nm1 H-NMR (DMSO-d6,δ): 2.00(s,3H), 3.67(t,2H), 4.08
(t,2H), 5.08(s,2H), 5.70(d,J=7.3Hz,1H), 7.23(b,2
H), 7.61(d,J=7.3Hz,1H)
【0029】例6:9 -(2-アセトキシエトキシメチル)
アデニンの合成 アデニン 675 mg (5 mmol)をアセトニトリル 50 mlに懸
濁し、ビス(トリメチルシリル)アセトアミド 4.05 ml
(15 mmol)を加え、室温で6時間攪拌した。得られた均
一溶液に2-アセトキシエチルアセトキシメチルエーテル
1.13 ml (5.5mmol) 、ヨウ化カリウム 830 mg (5 mmo
l)、硫酸アンモニウム 50 mgを加え、還流温度に加熱し
て19時間攪拌した。さらに2-アセトキシエチルアセトキ
シメチルエーテル 0.3 ml を追加して加熱還流を9時間
行なった後、反応液に飽和重曹水50 ml を加え、クロロ
ホルム(50 ml×3 回) で目的物を抽出した。抽出液を減
圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムに吸着さ
せ、クロロホルムで溶出した。目的物を含むフラクショ
ンを集めて減圧濃縮した後、残留物をクロロホルム:エ
ーテルから結晶化して目的物 843 mg を得た(収率 67.
2%, m.p. 156〜157℃)。 UV(MeOH):λmax 260 nm1 H-NMR (DMSO-d6,δ): 1.92(s,3H), 3.70(t,2H), 4.06
(t,2H), 5.56(s,2H), 7.31(b,2H), 8.17(s,1H), 8.28
(s,1H)
【0030】例7:9-(2- アセトキシエトキシメチル)
グアニンの合成 グアニン 755 mg (5 mmol)をアセトニトリル 50 mlに懸
濁し、ビス(トリメチルシリル) アセトアミド 5.4 ml
(20 mmol) を加え、室温で8時間攪拌した。得られた均
一溶液に、2-アセトキシエチルアセトキシメチルエーテ
ル 1.13 ml (5.5 mmol)、ヨウ化カリウム 830 mg (5 mm
ol)、硫酸アンモニウム 50 mgを加え、還流温度に加熱
して19時間攪拌した。反応液に重曹末 2 gを加え、室温
で1時間攪拌した。重曹末を濾過して除き、溶媒を留去
して残留物を得た。この残留物を小量のクロロホルム:
メタノール=19:1(V/V)に溶解してシリカゲルカラムに吸
着させ、クロロホルム:メタノール=9:1(V/V) で溶出し
た。目的物を含むフラクションを集めて減圧濃縮した
後、残留物をメタノール:エーテルから結晶化して目的
物 879 mg を得た(収率65.8%)。 UV(MeOH):λmax 254 nm1 H-NMR (DMSO-d6,δ): 1.93(s,3H), 3.62(t,2H), 4.04
(t,2H), 5.32(s,2H), 6.47(b,2H), 7.18(s,1H)
【0031】
【発明の効果】本発明の製造方法により、アシクロヌク
レオシド誘導体を簡便かつ効率的に製造することができ
る。本発明の方法に従えば、反応過程で溶媒や過剰のシ
リル化剤を留去する必要がないので、工業的規模で目的
物を非常に収率よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 473/34 C07D 473/34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I): W-H (式中、W は2-位及び/又は4-位に水酸基及び/又はア
    ミノ基を有する1-ピリミジニル基あるいは9-プリニル基
    を示し、これらのピリミジン塩基またはプリン塩基は1
    個又は2個以上の置換基を有していてもよい)で示され
    る化合物を溶媒の存在下にシリル化剤で処理してシリル
    化合物を含む反応液を得た後、得られたシリル化合物を
    単離することなく、ヨウ化金属化合物及び硫酸アンモニ
    ウムの存在下に該反応液中の該シリル化合物を下記式: CH3-CO-O-CH2-O-(CH2)n -O-COR (式中、n は 1〜5 の整数を示し、R は炭素数 1〜5 個
    のアルキル基を示す)で示される化合物で処理して下記
    式(II): W-CH2-O-(CH2)n -O-COR (式中、W, n,及び Rは上記と同じである)で示される
    アシクロヌクレオシド誘導体を製造する方法。
  2. 【請求項2】 シリル化合物を含む反応液にヨウ化金属
    化合物、硫酸アンモニウム、及び下記式: CH3-CO-O-CH2-O-(CH2)n -O-COR (式中、n は 1〜5 の整数を示し、R は炭素数 1〜5 個
    のアルキル基を示す)で示される化合物を添加する工程
    を含む請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 シリル化合物を含む反応液から溶媒及び
    /又はシリル化剤を留去する工程を含まない請求項1又
    は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ヨウ化金属化合物が、ヨウ化セシウム、
    ヨウ化ルビジウム、ヨウ化カリウム、及びヨウ化ナトリ
    ウムからなる群から選ばれる請求項1ないし3のいずれ
    か1項に記載の方法。
JP7232811A 1995-09-11 1995-09-11 アシクロヌクレオシド誘導体の製造方法 Pending JPH0977748A (ja)

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