JP7199082B2 - 台車 - Google Patents

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Description

本発明は、段積み可能な台車に関し、さらには、段積みする際に上側の台車の車輪を受入れるための車輪受入部材に関する。
従来、この種の台車として、段積みする際に上側の台車の車輪を受入れ可能な凹部が、台盤の上面に形成されたものが知られている(特許文献1)。
特開2002-145074号公報
しかし、前述した従来の台車は、キャスターの種類(たとえば、固定キャスターや自在キャスター)が変更されたり、あるいは、車輪の径や太さが変更されたりすると、段積みする際に上側の台車の車輪を凹部に受入れることができないため、段積みすることができない。
したがって、従来の台車は、キャスターの種類が変更されたり、車輪の径や太さが変更されたりする毎に、その変更に対応した凹部を有する台盤を製造しなければならないという問題を有する。
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために創出されたものであって、キャスターの種類が変更されたり、キャスターに設けられた車輪の径や太さが変更されたりした場合であっても、その変更に対応した凹部を有する台盤を製造する必要の無い台車を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明の台車は、物品を載置する載置面を上面に有する台盤と、台盤の下面に設けられたキャスターと、が備えられており、段積み可能な台車であって、段積みする際に上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れ可能であり、かつ、上側の台車のキャスターの種類または上側の台車のキャスターに設けられた車輪の種類に応じた形状の車輪受入部材が備えられており、上面には、車輪受入部材を着脱可能に収容する凹部が形成されていることを第1の特徴とする。
また、本発明の台車は、物品を載置する載置面を上面に有する台盤と、台盤の下面に設けられたキャスターと、が備えられており、段積み可能な台車であって、上面には、段積みする際に上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れ可能であり、かつ、上側の台車のキャスターの種類または上側の台車のキャスターに設けられた車輪の種類に応じた形状の車輪受入部材を収容可能な凹部が形成されていることを第2の特徴とする。
車輪受入部材は、段積みする際に上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れ可能であり、かつ、上側の台車のキャスターの種類または上側の台車のキャスターに設けられた車輪の種類に応じた形状である。台盤の上面に形成された凹部は、車輪受入部材を着脱可能に収容する。
したがって、キャスターの種類が変更されたり、キャスターに設けられた車輪の径や太さが変更されたりした場合であっても、その変更に対応する車輪受入部材を製造するだけで良いため、変更に対応した台盤を製造する必要がない。このため、台車の製造コストを低減することができる。
また、本発明の台車は、前述した第1または第2の特徴において、凹部は、上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れ可能であることを第3の特徴とする。
凹部が上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れ可能であるため、上側の台車の車輪の一部を車輪受入部材に受入れ、その他の車輪を直接凹部に受入れることができる。
したがって、車輪受入部材を必要に応じて総ての凹部に収容したり、一部の凹部に収容したりすることができるため、台車の製造コストを抑制することができる。
また、本発明の台車は、前述した第1ないし第3の特徴のいずれかにおいて、車輪受入部材の下面は略平面であり、下面を上に向けた状態で車輪受入部材を凹部に収容した際に、載置面と凹部に収容された車輪受入部材の下面とが略面一になることを第4の特徴とする。
上に台車を段積みしない場合は、車輪受入部材を上下逆さまにして凹部に収容することにより、車輪受入部材の下面と台車の載置面とが略面一にすることができるため、略面一の面積を増大させることができる。
したがって、載置面を増大させることができるため、載置面に載置する物との接触面積を増加させることができるので、その分、物品を安定して運搬することができる。
また、本発明の台車は、前述した第1ないし第4の特徴のいずれかにおいて、凹部に収容された車輪受入部材を凹部に保持するための保持手段が備えられていることを第5の特徴とする。
凹部に収容された車輪受入部材を凹部に保持するための保持手段が備えられているため、台車の走行中に車輪受入部材が凹部から外れ難い。
また、本発明の台車は、前述した第1ないし第5の特徴のいずれかにおいて、凹部の底部には、上下に貫通する貫通孔が形成されていることを第6の特徴とする。
凹部の底部には、上下に貫通する貫通孔が形成されているため、その貫通孔から何かを挿通して車輪受入部材を押し上げれば、車輪受入部材を凹部から外すことができる。
また、凹部の底部に溜まった雨水や、台車を洗浄したときに凹部の底部に溜まった洗浄水などを貫通孔から排水することができる。
また、本発明の車輪受入部材は、物品を載置する載置面を上面に有する台盤と、台盤の下面に設けられたキャスターと、上面に形成された凹部と、が備えられており、段積み可能な台車に取付ける部材であって、凹部に対して着脱可能であり、段積みする際に上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れ可能であり、かつ、上側の台車のキャスターの種類または上側の台車のキャスターに設けられた車輪の種類に応じた形状であることを特徴とする。
車輪受入部材は、段積みする際に上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れ可能であり、かつ、上側の台車のキャスターの種類または上側の台車のキャスターに設けられた車輪の種類に応じた形状である。
したがって、キャスターの種類が変更されたり、キャスターに設けられた車輪の径や太さが変更されたりした場合であっても、その変更に対応する車輪受入部材を製造するだけで良いため、変更に対応した台盤を製造する必要がない。このため、台車の製造コストを低減することができる。
本発明の台車を実施すれば、キャスターの種類が変更されたり、キャスターに設けられた車輪の径や太さが変更されたりした場合であっても、その変更に対応した凹部を有する台盤を製造する必要の無い台車を提供することができる。
本発明の実施形態に係る台車に備えられた台盤を斜め上方から見た斜視図である。 図1に示す台盤を斜め下方から見た斜視図である。 図1の領域E1を拡大して示す説明図である。 (A)は固定キャスターを斜め下方から見た斜視図であり、(B)は自在キャスターを斜め下方から見た斜視図である。 (A)は第1車輪受入部材を斜め上方から見た斜視図であり、(B)は第1車輪受入部材を斜め下方から見た斜視図である。 (A)は第2車輪受入部材を斜め上方から見た斜視図であり、(B)は第2車輪受入部材を斜め下方から見た斜視図である。 台車が段積みされた状態を斜め上方から見た斜視図である。 図7のA-A矢視断面図である。 台車が段積みされた状態を斜め上方から見た斜視図である。 変更例の台車を斜め上方から見た斜視図である。
本発明の実施形態に係る台車および車輪受入部材について図を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1において、図面の中心から斜め右上方向を前方、斜め左下方向を後方、斜め右下方向を右方、斜め左上方向を左方とする。他の図では、図1に示す方向を基準とする。
[台車の主要構造]
図1および図7に示すように、本実施形態に係る台車1は、台盤10と、4つの凹部20と、一対の自在キャスター30と、一対の固定キャスター40と、一対の第1車輪受入部材50と、一対の第2車輪受入部材60とを備えている。
[台盤の主要構造]
台盤10は、天板壁11と、前後に相対向する一対の短側壁12と、左右に相対向する一対の長側壁13と、4つの凹部20とを備えている。図1および図7では、前方の短側壁12と、左方の長側壁13とは現れていない。台盤10は、平面視矩形に形成されている。天板壁11は、平面視矩形に形成されており、その上面、つまり台車1の上面には、台車1により運搬する物品を載置する載置面11aが形成されている。また、天板壁11の中央には、台盤10の軽量化を図るための開口部14が上下に貫通形成されている。天板壁11の前後に相対向する短手側縁12aからは、短側壁12がそれぞれ垂下している。天板壁11の左右に相対向する長手側縁13aからは、長側壁13がそれぞれ垂下している。各凹部20は、それぞれ天板壁11の四隅において、それぞれ載置面11aから下方に陥没形成されている。載置面11aのうち、開口部14および各凹部20を除く範囲は略平面に形成されている。図2に示すように、天板壁11の下面と、各短側壁12の各内壁面と、各長側壁13の各内壁面との間には、台盤10を補強するための補強リブ15が格子状に張り巡らされている。本実施形態では、台盤10は合成樹脂により形成されている。
[固定キャスターの主要構造]
図4(A)に示すように、固定キャスター40は、座板41と、相対向する一対の脚部42と、車輪43とを備えている。座板41は板状に形成されており、上下に貫通形成されたボルト挿通孔41aが四隅に配置されている。図4(A)では、左後方のボルト挿通孔41aは現れていない。座板41の左右の各端縁からは脚部42がそれぞれ垂下している。各脚部42間には、車輪43が回転可能に軸支されている。固定キャスター40は、車輪43が回転するのみであり、各脚部42が座板41に対して水平方向に旋回しない構造である。
[自在キャスターの主要構造]
図4(B)に示すように、自在キャスター30は、座板31と、相対向する一対の脚部32と、車輪33と、環状フレーム34と、旋回部35とを備えている。図4(B)では、左方の脚部32は現れていない。座板41は板状に形成されており、上下に貫通形成されたボルト挿通孔31aが四隅に配置されている。座板31の下面からは環状フレーム34が垂下しており、その環状フレーム34に旋回部35が旋回可能に軸支されている。旋回部35の下面からは各脚部32が垂下しており、各脚部32間には、車輪33が回転可能に軸支されている。自在キャスター30は、車輪33が回転し、かつ、各脚部32が座板31に対して水平方向に旋回する構造である。各脚部32の旋回中心軸が車輪33の回転中心軸から偏心しているため、車輪33が回転しながら各脚部32が自在に旋回する。このため、各脚部32の旋回位置により、車輪33の接地位置が、各脚部32の旋回方向に変化する。
[第1車輪受入部材の主要構造]
図5に示すように、第1車輪受入部材50は、平面視、前後に延びる長方形で、かつ、上面開口の箱状に形成されている。第1車輪受入部材50の内部空間は、仕切り52によって前後に仕切られており、前方に第1受入部50Aが、その後方に第2受入部50Bがそれぞれ形成されている。第1受入部50Aおよび第2受入部50Bは、それぞれ台車1を段積みする際に、上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れる部分である。以下、第1受入部50Aおよび第2受入部50Bに共通の事項を説明する場合は、単に車輪受入部という場合がある。
上述したように、2つの車輪受入部が前後異なる位置に設けられているのは、自在キャスター30の各脚部32の旋回位置によって各車輪33の接地位置が前後するためである。台車1を段積みする際に、上側の台車の各車輪33の接地位置が前方の場合は、各車輪33を前方の各第1受入部50Aに受入れ、接地位置が後方の場合は、各車輪33を後方の各第2受入部50Bに受入れるようにする。図7に示す例では、上側の台車1の前方に設けられた各車輪33の接地位置が後方であるため、各車輪33が後方の各第2受入部50Bに受入れられている。
図5に示すように、第1受入部50Aおよび第2受入部50Bは、一対の底壁51と、仕切り52と、相対向する一対の内側長側壁53と、相対向する一対の内側短側壁54と、各内側長側壁53と相対向する一対の外側長側壁55と、各内側短側壁54と相対向する一対の外側短側壁56と、二対の係止手段58とにより構成されている。図5では、右方の内側長側壁53と、左方の外側長側壁55と、前方の外側短側壁56とが現れていない。本実施形態では、第1車輪受入部材50は合成樹脂により形成されている。
仕切り52は、第1受入部50Aを構成する底壁51に向けて下り勾配に形成された仕切り傾斜部52aと、第2受入部50Bに向けて下り勾配に形成された仕切り傾斜部52aと、各仕切り傾斜部52aの上端間を接続する仕切り頂部52bとを備えている。仕切り52は、車輪受入部の内部空間を第1受入部50Aおよび第2受入部50Bに仕切る他、図7に示すように、受入れた車輪が前後に移動することを制止する役割をする。
第1車輪受入部材50の左右の各側壁は、外側長側壁55および内側長側壁53から成る2重構造であり、前後の各側壁は、外側短側壁56および内側短側壁54から成る2重構造である。左右の外側長側壁55および内側長側壁53の各上端間は、長手上面57aによってそれぞれ接続されており、前後の外側短側壁56および内側短側壁54の各上端間は、短手上面57bによってそれぞれ接続されている。各長手上面57aおよび短手上面57bは連続形成されており、かつ、第1車輪受入部材50を凹部20(図1)に収容した際に載置面11aと略面一になる。各内側長側壁53は、それぞれ各底壁51および仕切り52に対して下り勾配に形成されている。また、各内側短側壁54は、それぞれ各底壁51に対して下り勾配に形成されている。各外側長側壁55は、それぞれ長手上面57aの外縁から垂下しており、各外側短側壁56は、それぞれ短手上面57bの外縁から垂下している。図5(B)に示すように、各底壁51と、各外側長側壁55と、各内側長側壁53と、各外側短側壁56と、各内側短側壁54との間は、第1車輪受入部材50の強度を高めるための複数の補強リブ59によって接続されている。
各外側短側壁56には、第1車輪受入部材50を凹部20の係止孔24(図3)に係止するための係止手段58が一対ずつ形成されている。係止手段58は、係止突部58aと係止片58bとを備えている。係止手段58は外側短側壁56と一体形成されており、係止片58bは、外側短側壁56の一部を利用したものである。外側短側壁56には、その下端から上方に向けて形成された溝56aが、左右方向に所定間隔で2本設けられており、各溝56a間に係止手段58が形成されている。外側短側壁56のうち、各溝56a間の上方部分が、係止片58bであり、その係止片58bの下に係止突部58aが形成されている。各係止突部58aは、それぞれ外側短側壁56の外面から突出している。各係止突部58aは、それぞれ上端から下端に向けて先細りの略楔状に形成されており、外面は、それぞれ逆テーパになっている。各係止突部58aは、各係止突部58aの先端は上方を向いている。係止手段58は、合成樹脂の弾性を利用することにより、係止片58bの上端を基端にして前後方向に変位可能になっている。
[第2車輪受入部材の主要構造]
図6に示すように、第2車輪受入部材60は、台車1を段積みする際に上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れる車輪受入部60Aを備えている。第2車輪受入部材60は、車輪受入部を前後に2つ有する第1車輪受入部材50とは異なり、前後方向に長い車輪受入部60Aを1つのみ有する。これにより、受入れる車輪の径の変化に対応することができる。また、受入れる車輪の接地位置が前後に移動した場合でも、車輪を受入れることができる。
車輪受入部60Aは、底壁61と、相対向する一対の長側壁62と、相対向する一対の短側壁63と、一対の突部66とにより構成されている。本実施形態では、第2車輪受入部材60は合成樹脂により形成されている。
第2車輪受入部材60は、平面視、前後に延びる長方形で、かつ、上面開口の箱状に形成されている。各長側壁62の上面には長手上面64がそれぞれ形成されており、各短側壁63の上面には短手上面65がそれぞれ形成されている。各長手上面64および短手上面65は連続形成されており、かつ、第2車輪受入部材60を凹部20(図1)に収容した際に載置面11aと略面一になる。各短側壁63の外面からは、突部66がそれぞれ突出形成されている。各突部66は、第2車輪受入部材60を凹部20に収容する際に、凹部20の各凹部短側壁23に形成された嵌合凹部(図示せず)に嵌合される。
図6(B)に示すように、底壁61の下面は平面に形成されている。図10に示すように、第2車輪受入部材60は、底壁61の下面を上に向けた姿勢、つまり、上下逆さまにした姿勢で凹部20に収容することができる構造である。このとき、第2車輪受入部材60の底壁61の下面と台盤10の載置面11aとが略面一になる。以下、第1車輪受入部材50および第2車輪受入部材60に共通の事項を説明する場合は、単に車輪受入部材という場合がある。
[凹部の主要構造]
図3に示すように、凹部20は、凹部底壁21と、相対向する一対の凹部長側壁22と、相対向する一対の凹部短側壁23と、二対の係止孔24と、4つの貫通孔25と、一対のボルト固定部26とを備えている。図3では、右方の凹部長側壁22と、後方の凹部短側壁23と、後方の凹部短側壁23に形成された一対の係止孔24とが現れていない。各凹部長側壁22は、それぞれ前後方向に形成されており、各凹部短側壁23は、それぞれ左右方向に形成されている。各凹部長側壁22および各凹部短側壁23は、それぞれ載置面11aから凹部底壁21に向けて垂下している。凹部底壁21は載置面11aと平行である。各凹部短側壁23には、それぞれ一対の係止孔24が開口形成されている。各係止孔24は、凹部20に第1車輪受入部材50を収容する際に、第1車輪受入部材50に設けられた各係止手段58の各係止突部58aと対応する位置にそれぞれ形成されている。
第1車輪受入部材50を凹部20に収容しようとすると、各係止突部58aの外面の下部が凹部20の各凹部短側壁23の上端縁に掛かる状態になるが、そのまま第1車輪受入部材50を下方に押圧すると、各係止片58bがそれぞれ内側に弾性変形し、第1車輪受入部材50が下降する。そして、第1車輪受入部材50の各係止突部58aの各先端が、それぞれ対応する係止孔24の開口部上端を下方に乗り越えると、各係止片58bがそれぞれ原点に復帰し、各係止突部58aが、それぞれ対向する各係止孔24の開口部上端に係止される。これにより、第1車輪受入部材50が凹部20に保持された状態になる。また、第1車輪受入部材50の長手上面57aおよび短手上面57b(図5(A))と載置面11aとが略面一になる(図8)。つまり、第1車輪受入部材50の各係止手段58と、凹部20の各係止孔24とは、第1車輪受入部材50を凹部20に収容した際に、各係止手段58が対応する各係止孔24にそれぞれ係止され、かつ、第1車輪受入部材50の各長手上面57aおよび各短手上面57bと台盤10の載置面11aとが略面一になるように配置されている。
凹部20の構造は、第1車輪受入部材50を収容する場合と第2車輪受入部材60を収容する場合とで異なる。第2車輪受入部材60を収容する凹部20は、前述したように、各係止孔24(図3)を備えず、第2車輪受入部材60に設けられた各突部66(図6)を嵌合する嵌合凹部(図示せず)を各凹部短側壁23に備えている。図1に示す台盤10の各凹部20は、総て第1車輪受入部材50を収容する構造の凹部である。
凹部底壁21には4つの貫通孔25が上下に貫通形成されている。各貫通孔25は、凹部20に収容された第1車輪受入部材50を凹部20から取り外す際に、ドライバーなどの工具の先端や指などを挿入するためのものである。そのうち2つの貫通孔25は、凹部底壁21の前端寄りの箇所に、左右方向に所定間隔を置いて配置されており、他の2つの貫通孔25は、凹部底壁21の後端寄りの箇所に、左右方向に所定間隔を置いて配置されている。図2に示すように、各貫通孔25は、台盤10の下面に露出している。凹部20から第1車輪受入部材50を取り外す際は、各係止孔24に係止されている各係止手段58をそれぞれ内側に弾性変形させつつ、台盤10の下面から各貫通孔25へドライバーの先端などを挿通し、第1車輪受入部材50を押し上げて取り外す。
また、凹部底壁21には2つのボルト固定部26が形成されている。各ボルト固定部26は、台盤10の下面にキャスター(図4)を固定するためのボルトを挿通する部分である。各ボルト固定部26は、ボルトの頭部を収容する頭部収容部26aと、ボルトを挿通するボルト挿通孔26bとをそれぞれ備えている。ボルトをボルト挿通孔26bに挿通すると、そのボルトの頭部が頭部収容部26aに収容され、ボルトの頭部が凹部底壁21から突出しないように構成されている。図示の例では、頭部収容部26aは、六角ボルトの頭部を収容するために平面視六角形に形成されている。また、図1および図2に示すように、台盤10の前方に設けられた2つの凹部20では、各ボルト固定部26は前方寄りに配置されており、台盤10の後方に設けられた2つの凹部20では、各ボルト固定部26は後方寄りに配置されている。
図2に示すように、台盤10の下面のうち、各凹部底壁21の下面と対向する部分には、一対の第1挾持部材16と、第2挾持部材17とがそれぞれ設けられている。各第1挾持部材16および第2挾持部材17は、自在キャスター30の座板31(図4(B))または固定キャスター40の座板41(図4(A))を挾持するための部材である。第1挾持部材16は、所定間隔を置いて左右方向に配置されており、第2挾持部材17は、左右方向に連続形成されている。各第1挾持部材16と第2挾持部材17との間には、自在キャスター30の座板31または固定キャスター40の座板41の端部を挿入可能な隙間(図には現れていない)が形成されている。
台盤10の下面の後方2箇所に自在キャスター30を固定する場合は、自在キャスター30の座板31(図4(B))の前端を各第1挾持部材16および第2挾持部材17間の隙間に挿入し、その前端を各第1挾持部材16および第2挾持部材17によって挾持する。このように、座板31の前端が各第1挾持部材16および第2挾持部材17によって挾持された状態になると、座板31の後方に配置された各ボルト挿通孔31a(図4(B))と凹部底壁21に配置された各ボルト挿通孔26bとが上下方向で一致した状態になる。そして、ボルトを凹部底壁21の各ボルト挿通孔26bから座板31の各ボルト挿通孔31aに挿通し、各ボルトにそれぞれナットを締結する。
また、台盤10の下面の前方2箇所に自在キャスター30を固定する場合は、座板31の後端を各第1挾持部材16および第2挾持部材17間の隙間に挿入し、その後端を各第1挾持部材16および第2挾持部材17によって挾持する。このように、座板31の後端が各第1挾持部材16および第2挾持部材17によって挾持された状態になると、座板31の前方に配置された各ボルト挿通孔31a(図4(B))と凹部底壁21に配置された各ボルト挿通孔26bとが上下方向で一致した状態になる。そして、ボルトを凹部底壁21の各ボルト挿通孔26bから座板31の各ボルト挿通孔31aに挿通し、各ボルトにそれぞれナットを締結する。
このように、本実施形態では、座板31に配置された4つのボルト挿通孔31aのうち、前方または後方に配置された2つのボルト挿通孔31aを使って自在キャスター30を台盤10の下面に固定する。また、台盤10の下面に固定キャスター40(図4(A))を固定する場合も上記と同様の手順により固定する。
なお、第1車輪受入部材50の各係止手段58および凹部20の各係止孔24が、本発明の保持手段の一例である。また、第2車輪受入部材60の各突部66および各凹部短側壁23の嵌合凹部(図示せず)が、本発明の保持手段の一例である。
[台車の段積み例1]
図7は、台車1が段積みされた状態を示す斜視図である。図示の各台車1は、台盤10の下面に固定された4つのキャスターのうち、前方の左右両端の2つが自在キャスター30であり、後方の左右両端の2つが固定キャスター40である。また、台盤10の4つの凹部20に収容された4つの車輪受入部材のうち、前方の左右両端の2つが第1車輪受入部材50であり、後方の左右両端の2つが第2車輪受入部材60である。前述したように、自在キャスター30は、各脚部32の旋回位置により、車輪33の接地位置が前後する。図示の例では、上側の台車1の各自在キャスター30の接地位置が後方側になっており、各自在キャスター30の各車輪33が、下側の台車1の各第1車輪受入部材50に設けられた各第2受入部50Bに受入れられている。また、各車輪33の外周面が底壁51に接地するとともに第1車輪受入部材50の仕切り52に当接し、かつ、後方の内側短側壁54に当接している。これにより、各車輪33が、それぞれ底壁51、仕切り52および後方の内側短側壁54によって挾持された状態になるため、段積み状態で各台車1を運搬する際に、各車輪33が前後に移動し難いので、安定した状態で各台車1を運搬することができる。
[台車の段積み例2]
図9は、台車2が段積みされた状態を示す斜視図である。図示の各台車2は、台盤10の下面に固定された4つのキャスターが総て固定キャスター40である。また、台盤10の4つの凹部20のうち、前方の各凹部20には第2車輪受入部材60が収容されており、後方の各凹部20には、いずれの車輪受入部材も収容されていない。下側の台車2の前方に設けられた各第2車輪受入部材60には、上側の台車2に設けられた前方の各車輪43が受入れられており、下側の台車2の後方に設けられた各凹部20には、上側の台車に設けられた後方の各車輪43が受入れられている。たとえば、上側の台車2に設けられた4つの車輪のうち、前後の一方の車輪の幅が太く、車輪受入部材によっては受入れることができないが、直接凹部20には受入れることができるような場合には、凹部20から車輪受入部材を取り外すことにより、車輪を受入れるようにすることができる。
[台車の変更例]
図10は、台車の変更例を示す斜視図である。図示の台車3の台盤10に設けられた4つの凹部20には、それぞれ第2車輪受入部材60が底壁61の下面を上に向けた状態で収容されている。載置面11aと、各第2車輪受入部材60の各底壁61の各下面とが略面一になっている。これにより、載置面11aの面積が増加するため、その分、載置面11aに載置する物品と載置面11aとの接触面積が増加するので、安定した状態で物品を運搬することができる。また、載置面11aが増加する分、接地面積の大きい物品を載置することができるし、載置する物品数を増やすこともできる。
つまり、上述した台車3を実施すれば、台車を段積みしない場合は、第2車輪受入部材60を上下逆さまにして各凹部20に収容することにより、載置面11aの面積を増加させることができる。また、第2車輪受入部材60の内部に塵芥や雨水が溜まらないようにすることができる。さらに、台車3を洗浄する際に、洗浄水が第2車輪受入部材60の内部に残留しないようにすることもできる。
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態の台車では、車輪受入部材は、段積みする際に上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れ可能であり、かつ、上側の台車のキャスターの種類または上側の台車のキャスターに設けられた車輪の種類に応じた形状である。そして、台盤10の上面に形成された凹部20は、車輪受入部材を着脱可能に収容する。
したがって、上述した実施形態の台車を実施すれば、キャスターの種類が変更されたり、キャスターに設けられた車輪の径や太さが変更されたりした場合であっても、その変更に対応する車輪受入部材を製造するだけで良いため、変更に対応した台盤を製造する必要がない。このため、台車の製造コストを低減することができる。
(2)また、前述した実施形態の台車では、凹部20が上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れ可能であるため、上側の台車の車輪の一部を車輪受入部材に受入れ、その他の車輪を直接凹部に受入れることができる。
したがって、前述した実施形態の台車を実施すれば、車輪受入部材を必要に応じて総ての凹部に収容したり、一部の凹部に収容したりすることができるため、台車の製造コストを抑制することができる。
(3)さらに、前述した実施形態の台車を実施すれば、上側の台車のキャスターの種類が固定キャスターおよび自在キャスターのどちらであっても、そのキャスターに応じた形状の車輪受入部材を製造すれば段積みを行うことができるため、キャスターの種類毎に台盤10を製造する必要がない。このため、台車の製造コストを低減することができる。
(4)さらに、前述した実施形態の台車は、凹部20に収容された車輪受入部材を凹部20に保持するための保持手段を備えているため、車輪受入部材が台車の走行中に凹部20から外れ難い。
(5)さらに、前述した実施形態の台車では、凹部底壁21に、上下に貫通する貫通孔25が形成されているため、その貫通孔25から何かを挿通して車輪受入部材を押し上げれば、車輪受入部材を凹部20から外すことができる。
また、凹部底壁21に溜まった雨水や、台車を洗浄したときに凹部底壁21に溜まった洗浄水などを貫通孔25から排水することができる。
(6)つまり、前述した実施形態の台車および車輪受入部材を実施すれば、キャスターの種類が変更されたり、キャスターに設けられた車輪の径や太さが変更されたりした場合であっても、その変更に対応した凹部を有する台盤を製造する必要の無い台車を提供することができる。
〈他の実施形態〉
(1)仕切り52(図5)が前後方向に移動可能となるように第1車輪受入部材50を構成することもできる。たとえば、仕切り52を着脱可能とし、仕切り52の下面に突部を設け、底壁51の前後方向の複数箇所に上記突部と嵌合可能な嵌合凹部を設ける。この構成を実施すれば、キャスターの種類や車輪の径の変更に対応して仕切り52を前後に移動させれば良いため、複数種類の車輪受入部材を製造する必要がない。したがって、台車の製造コストを低減することができる。なお、仕切りの形状は前述した実施形態の仕切り52の形状以外の形状、たとえば、底壁51から上方に延びる板状でも良い。また、仕切り側に嵌合凹部を設け、凹部底壁に突部を設けても良い。
(2)第2車輪受入部材60の底壁61に仕切りを設けることもできる。また、第2車輪受入部材60が凹部20の前後方向を回動軸にして回動可能となるように構成することもできる。たとえば、第2車輪受入部材60の各突部66に変えて軸部材をそれぞれ突出形成し、各軸部材を挿通する挿通孔を凹部20の各凹部短側壁23に形成し、各挿通孔に各軸部材を挿通する。この構成を実施すれば、凹部20に収容された第2車輪受入部材60を回動させることにより、必要に応じて車輪受入部60Aの開口面を上に向けたり、底壁61の下面を上に向けたりすることができる。なお、第2車輪受入部材60の各短側壁63の少なくとも一方の外面に突部を設け、かつ、その突部が嵌合する嵌合凹部を凹部20の凹部短側壁23の少なくとも一方に設けることにより、台車の使用中に第2車輪受入部材60が回動し難いようにすることもできる。この場合、突部を凹部20の凹部短側壁23の少なくとも一方に設け、嵌合凹部を各短側壁63の少なくとも一方の外面に設けることもできる。
(3)台車が備える凹部20および車輪受入部材の数は、台車に設けられたキャスターの数(たとえば、5個、6個など)に応じて変更することができる。
(4)自在キャスター30の車輪33を左右方向に旋回させた状態(車輪33が左右方向に進む状態)で台車を段積みする場合は、それに合わせて凹部20を形成すれば良い。たとえば、凹部20を左右方向に長い形状(横向き)に形成する。
(5)第1車輪受入部材50を平面視十字形状に形成し、その第1車輪受入部材50を収容可能な形状に凹部20を形成することもできる。第1車輪受入部材50の十字形状を形成する2本の構の各1本は、上側の台車のキャスターが自在キャスター30であった場合に、その自在キャスターに設けられた車輪33を受入れ可能な幅および深さをそれぞれ有する。この構成を備えた台車または車輪受入部材を実施すれば、上側の台車のキャスターが自在キャスター30であった場合に、その自在キャスター30に設けられた車輪33が十字方向のどの方向に旋回した状態であっても、その状態の車輪33を第1車輪受入部材50に受入れることにより、上側の台車を段積みすることができる。また、第1車輪受入部材50の下面を平面に形成し、その下面を上に向けた状態で凹部20に収容可能にすることもできる。
(6)第1車輪受入部材50を平面視、円形の中に十字形状の溝、または、十字形状の仕切りを有する形状に形成し、その第1車輪受入部材50を収容可能な形状に凹部20を形成することもできる。第1車輪受入部材50の十字形状の溝を形成する2本の溝の各1本、または、十字形状の仕切りを形成する2組の仕切りの各1組は、上側の台車のキャスターが自在キャスター30であった場合に、その自在キャスター30に設けられた車輪33を受入れ可能な幅および深さをそれぞれ有する。この構成を備えた台車または車輪受入部材を実施すれば、上側の台車のキャスターが自在キャスター30であった場合に、その自在キャスター30に設けられた車輪33が十字方向のどの方向に旋回した状態であっても、その状態の車輪33を第1車輪受入部材50に受入れることにより、上側の台車を段積みすることができる。また、第1車輪受入部材50の下面を平面に形成し、その下面を上に向けた状態で凹部20に収容可能にすることもできる。
また、当該実施形態(6)に記載の各第1車輪受入部材50は、凹部20の内部で水平方向に回動可能に設けることもできる。この構成を実施すれば、上側の台車の自在キャスター30がどの方向に旋回した状態であっても、それに合わせての状態で自在キャスター30を受入れ、上側の台車を段積みすることができる。
1 台車
10 台盤
11 天板壁
11a 載置面
16 第1挾持部材
17 第2挾持部材
20 凹部
24 係止孔
25 貫通孔
26 ボルト固定部
30 自在キャスター
31 座板
33 車輪
40 固定キャスター
41 座板
43 車輪
50 第1車輪受入部材
52 仕切り
58 係止手段
60 第2車輪受入部材
61 底壁
66 突部

Claims (5)

  1. 物品を載置する載置面を上面に有する台盤と、
    前記台盤の下面に設けられたキャスターと、が備えられており、段積み可能な台車であって、
    段積みする際に上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れ可能であり、かつ、前記上側の台車のキャスターの種類または前記上側の台車のキャスターに設けられた車輪の種類に応じた形状の車輪受入部材が備えられており、
    前記上面には、前記車輪受入部材を着脱可能に収容する凹部が形成されており、
    前記車輪受入部材の下面は略平面であり、
    前記下面を上に向けた状態で前記車輪受入部材を前記凹部に収容した際に、前記載置面と前記凹部に収容された前記車輪受入部材の前記下面とが略面一になることを特徴とする台車。
  2. 物品を載置する載置面を上面に有する台盤と、
    前記台盤の下面に設けられたキャスターと、が備えられており、段積み可能な台車であって、
    前記上面には、
    段積みする際に上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れ可能であり、かつ、前記上側の台車のキャスターの種類または前記上側の台車のキャスターに設けられた車輪の種類に応じた形状の車輪受入部材を収容可能な凹部が形成されており、
    前記車輪受入部材の下面は略平面であり、
    前記下面を上に向けた状態で前記車輪受入部材を前記凹部に収容した際に、前記載置面と前記凹部に収容された前記車輪受入部材の前記下面とが略面一になることを特徴とする台車。
  3. 前記凹部は、前記上側の台車のキャスターに設けられた車輪を受入れ可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の台車。
  4. 前記凹部に収容された前記車輪受入部材を前記凹部に保持するための保持手段が備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の台車。
  5. 前記凹部の底部には、上下に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の台車。
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