以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体記憶装置を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
(実施形態)
実施形態にかかる半導体記憶装置は、例えばSRAM(Static Random Access Memory)であり、複数のビットセルを有する。複数のビットセルのそれぞれには、データを保持するために電力が継続的に供給され、低消費電力化・低電圧動作が要求され得る。各ビットセルへの電源電位が低電圧化すると、各ビットセルからデータをリードする際にデータが破壊されることがある。
具体的には、半導体記憶装置1は、図1に示すように構成され得る。図1は、半導体記憶装置1の構成を示す図である。半導体記憶装置1は、ビットセルアレイ2、複数のワード線WL、複数の1対のビット線BLt,BLb、ロウデコーダ(RDEC)3、複数のセンスアンプ(S/A)6、コントロールブロック7、ダミーワード線DWL、ダミーセルDC、ダミービット線DBLを有する。
図1では、図示の簡略化のため、ビットセルアレイ2において2ロウ×1カラムのビットセルBCの配列が示され、1カラム分のセンスアンプ6が示されている。ビットセルアレイ2では、n,mをそれぞれ2以上の任意の整数とするとき、nロウ×mカラムのビットセルBCが配列されていてもよい。また、mカラムに対応してm個のセンスアンプ6が設けられてもよい。
ロウデコーダ3は、ワード線デコーダ(WL DEC)31、ダミーワード線ドライバ(DWL Driver)DDV、複数のワード線ドライバ(WL Driver)DV、及びワード線レベル変調回路(WLレベル変調回路)33を有する。コントロールブロック7は、内部パルス生成回路71を有する。ワード線デコーダ31は、内部パルス生成回路71に電気的に接続された入力ノードを有する。ワード線デコーダ31は、複数のワード線ドライバDVに電気的に接続された出力ノードを有する。内部パルス生成回路71は、ダミービット線DBLに電気的に接続された第1の入力ノード、及びクロックCLKを受ける第2の入力ノードを有する。内部パルス生成回路71は、各センスアンプ6に電気的に接続された第1の出力ノード、及び、ワード線デコーダ31及びダミーワード線ドライバDDVに電気的に接続された第2の出力ノードを有する。複数のワード線ドライバDVは、複数のワード線WLを介して複数のビットセルBCに接続されている。ダミーワード線ドライバDDVは、ダミーワード線DWLを介してダミーセルDCに電気的に接続されている。
ワード線レベル変調回路33は、各ワード線ドライバDVに電気的に接続されている。ワード線レベル変調回路33は、各ワード線ドライバDVで生成される制御信号のレベルを変調する。ワード線レベル変調回路33は、ワード線のレベルを段階的に変化させるように、各ワード線ドライバDVを制御してもよい。ワード線レベル変調回路33は、各ワード線ドライバDVが後述するリードアシスト動作を行うように制御してもよい。
複数のワード線WLは、それぞれロウ方向に延びているとともに、カラム方向に配列されている。各ワード線WLは、同一ロウのビットセルBCに共通に接続される。ダミーワード線DWLは、ロウ方向に延びている。
各センスアンプ6は、一対のビット線BLt,BLbを介して複数のビットセルBCに接続されている。センスアンプ6は、内部パルス生成回路71からアクティブレベルのセンスアンプイネーブル信号SAEを受けた際に、カラムデコーダで選択されたカラムのデータを検知するセンス動作を行う。センスアンプ6は、ビット線BLtの電位とビットBLbの電位との差分を取ることで、データを検知してもよい。センスアンプ6は、センス動作で検知されたデータを出力データDataOutとして出力する。
複数の一対のビット線BLt,BLbは、それぞれカラム方向に延びているとともに、ロウ方向に配列されている。各一対のビット線BLt,BLbは、同一カラムのビットセルBCに共通に接続される。ダミービット線DBLは、主として、カラム方向に延びている。
各ビットセルBCは、図2に示すように構成される。図2は、ビットセルBCの構成を示す図である。
ビットセルBCは、負荷トランジスタT3、T5、駆動トランジスタT4、T6及び転送トランジスタT1、T2を有する6トランジスタ型のSRAMセルである。負荷トランジスタT3と駆動トランジスタT4とはインバータINV1を構成し、負荷トランジスタT5と駆動トランジスタT6とはインバータINV2を構成する。インバータINV1の出力端子は反転記憶ノードNcを介してインバータINV2の入力端子に接続され、インバータINV2の出力端子は記憶ノードNtを介してインバータINV1の入力端子に接続されている。インバータINV1とインバータINV2は、フリップフロップを構成する。
フリップフロップの記憶ノードNtとビット線BLtとの間には、転送トランジスタT1が接続されている。フリップフロップの反転記憶ノードNcと反転ビット線BLbとの間には、転送トランジスタT2が接続されている。転送トランジスタT1、T2はそれぞれ、ワード線ドライバ4からワード線WLにアクティブレベルの制御信号が供給された際にオンする。これにより、記憶ノードNt及び反転記憶ノードNcとビット線BLt及び反転ビット線BLbとがそれぞれ電気的に接続される。
また、ダミーセルDCは、図3に示すように構成される。図3は、ダミーセルDCの構成を示す図である。
ダミーセルDCは、ビットセルBCのレプリカであり、ビットセルBCに対応した構成を有する。ダミーセルDCは、負荷トランジスタDT3、DT5、駆動トランジスタDT4、DT6及び転送トランジスタDT1、DT2を有する6トランジスタ型のSRAMセルに対応している。負荷トランジスタDT3と駆動トランジスタDT4とはインバータDINV1を構成し、負荷トランジスタDT5と駆動トランジスタDT6とはインバータDINV2を構成する。インバータDINV1の出力端子は反転記憶ノードDNcを介してインバータDINV2の入力端子に接続され、インバータDINV2の出力端子は記憶ノードDNtを介してインバータDINV1の入力端子に接続されている。インバータDINV1とインバータDINV2は、フリップフロップを構成する。
フリップフロップの記憶ノードDNtとダミービット線DBLとの間には、転送トランジスタDT1が接続されている。フリップフロップの反転記憶ノードDNcと反転ビットノードNBLbとの間には、転送トランジスタDT2が接続されている。転送トランジスタDT1、DT2はそれぞれ、ワード線ドライバ4からワード線WLにアクティブレベルの制御信号が供給された際にオンする。これにより、記憶ノードDNt及び反転記憶ノードDNcとダミービット線DBL及び反転ビットノードNBLbとがそれぞれ電気的に接続される。なお、反転ビットノードNBLbは、ビットセルBCに接続される反転ビット線BLbに対応しており、フローティング状態になっていてもよい。
例えば、ビットセルBCにおいて、記憶ノードNtにLレベルが保持され、反転記憶ノードNcにHレベルが保持されている場合を例示する。リード動作において、転送トランジスタT1、T2がオンされると、記憶ノードNt、Ncに保持されたデータがビット線BLt及び反転ビット線BLbへ転送される。これにより、ビットセルBCにより保持されたデータがビット線BLt及び反転ビット線BLbを介してカラムデコーダ(図示せず)へ読み出される。
このとき、ビットセルBCへの電源電位が低電圧化すると、Hレベル及びLレベルの判定レベルの電位も低電圧化する。これに伴い、転送トランジスタT1、T2がオンしてビット線BLt及び反転ビット線BLbから記憶ノードNt及び反転記憶ノードNcへ移動し得る電荷により、記憶ノードNt及び/又は反転記憶ノードNcの電位が論理的に反転する可能性がある。すなわち、記憶ノードNt及び/又は反転記憶ノードNcに保持されたデータが破壊される可能性がある。
それに対して、ワード線ドライバDVは、図4に実線の波形で示すように、リード動作期間TPrd中の期間TPastにおいて、ワード線レベル変調回路33の制御により、リードアシスト動作を行う。リードアシスト動作は、ビットセルBCに保持されたデータの破壊を抑制するための動作であり、転送トランジスタT1、T2のドライブ能力を下げるような動作を含む。図4は、半導体記憶装置1の動作を示す波形図である。
タイミングt1になると、ワード線ドライバDVは、ワード線WLへ供給する制御信号のレベルをハイレベルVH(例えば、1.2V)より低いリードアシストレベルVRAST(例えば、1.0V)に制御する。ワード線ドライバDVは、期間TPastにおいて、ワード線WLへ供給する制御信号のレベルをリードアシストレベルVRASTに維持する。これにより、転送トランジスタT1、T2のゲート電圧が低く抑えられるので、転送トランジスタT1、T2のドライブ能力が下がる。これにより、ビット線BLt及び反転ビット線BLbから記憶ノードNt及び反転記憶ノードNcへの電荷の移動が抑制されるので、記憶ノードNt及び/又は反転記憶ノードNcの電位が論理的に反転しにくくなる。すなわち、記憶ノードNt及び/又は反転記憶ノードNcに保持されたデータの破壊を抑制できる。
ビット線BLtの電位がある程度下がったタイミングt2になると、記憶ノードNt及び反転記憶ノードNcの電位が論理的に反転しにくくなっているため、ワード線ドライバDVは、ワード線WLへ供給する制御信号のレベルをハイレベルVHに制御する。ワード線ドライバDVは、リード動作期間TPrd中の期間TPnrmにおいて、ワード線WLへ供給する制御信号のレベルをハイレベルVHに維持する。これにより、記憶ノードNt及び反転記憶ノードNcに保持されたデータがビット線BLt及び反転ビット線BLbへ読み出され、反転ビット線BLbがHレベルに維持されたままビット線BLtの電位がLレベルに下がる。
このとき、ダミーセルDCのセル電流を利用してビットセルBCに対するセンス動作のタイミングを制御する。
例えば、ダミーワード線ドライバDDVが、タイミングt1にダミーワード線へハイレベルVHの制御信号を供給し、リード動作期間TPrd中ダミーワード線をハイレベルVHに維持することが考えられる。この場合、ダミーセルDCにおける転送トランジスタDT1、DT2のドライブ能力は下げていないので、ダミービットDBLの電位は、ビット線BLtの電位よりも早くLレベルに下がる。このため、ダミービットDBLのセル電流に応じた電位をそのまま利用して内部パルス生成回路71でセンスアンプイネーブル信号SAEを生成すると、ビット線BLtの電位と反転ビット線BLbの電位との差分がセンスアンプ6で検知するのに適切なレベルまで確保されないうちに、センスアンプイネーブル信号SAEがアクティブレベル(例えば、Hレベル)に立ち上がる。これにより、センスアンプ6が内部パルス生成回路71からのセンスアンプイネーブル信号SAEに応じてセンス動作を行うと、センスアンプ6が適切にデータを検知することが困難になる(例えば、データ“1”を誤ってデータ“0”と検知してしまう)。
それに対して、ダミービット線DBLと内部パルス生成回路71との間に、遅延素子の段数でその遅延量が予め設定され得るロジックディレイ回路を電気的に接続することが考えられる。この場合、ビットセルBCとロジックディレイ回路とは、製造プロセスによる回路素子のばらつきや電圧・温度などの動作環境の変動による変動特性が互いに異なるため、変動特性におけるワースト条件で動作できるような過剰なマージンが確保される。
すなわち、ロジックディレイ回路には、過剰なマージンに対応した過剰な遅延量が予め設定され得る。これにより、半導体記憶装置1におけるリード動作の開始から完了までのリード動作期間TPrdが長時間化し、半導体記憶装置1の動作の高速化が困難になる可能性がある。
また、過剰に遅延されたタイミングでセンスアンプ6によるセンス動作が行われると、ビット線BLtの電位と反転ビット線BLbの電位との差分が適切なレベルを超えて大きくなり、センスアンプ6で無駄に電力が消費される可能性がある。
また、ロジックディレイ回路には、遅延量の設定可能な範囲を確保するために多数の遅延素子が搭載されることがあり、半導体記憶装置1の回路面積が増大する可能性がある。
そこで、本実施形態では、半導体記憶装置1において、ワード線WLのレベルの変調時にダミーワード線DWLのレベルをワード線WLのレベルに連動させて変調することで、ワード線WLのレベルの変調時のセンス動作のタイミングの適切化を図る。
具体的には、半導体記憶装置1において、ロウデコーダ3は、ダミーワード線レベル変調回路(DWLレベル変調回路)34をさらに有する。ダミーワード線レベル変調回路34は、ダミーワード線ドライバDDVに電気的に接続されている。ダミーワード線レベル変調回路34は、ワード線レベル変調回路33によるワード線WLのレベルの変化パターンに対応した変化パターンでダミーワード線DWLを変化させるように、ダミーワード線ドライバDDVを制御する。ダミーワード線レベル変調回路34は、ダミーワード線DWLのレベルを段階的に変化させるように、ダミーワード線ドライバDDVを制御してもよい。ダミーワード線レベル変調回路34は、ダミーワード線ドライバDDVがリードアシスト動作と同様の動作を行うように制御してもよい。
ダミーワード線ドライバDDVは、図4に点線の波形で示すように、リード動作期間TPrd中の期間TPastにおいて、ダミーワード線レベル変調回路34の制御により、リードアシスト動作と同様の動作を行う。
タイミングt1になると、ダミーワード線ドライバDDVは、ダミーワード線DWLへ供給する制御信号のレベルをハイレベルVH(例えば、1.2V)より低いリードアシストレベルVRAST(例えば、1.0V)に制御する。ダミーワード線ドライバDDVは、期間TPastにおいて、ダミーワード線DWLへ供給する制御信号のレベルをリードアシストレベルVRASTに維持する。これにより、ダミーセルDCにおける転送トランジスタDT1,DT2のドライブ能力が下がり、ダミービット線DBLの電位は、ビット線BLtの電位と同様に緩やかに減少する。
ビット線BLtの電位がある程度下がったタイミングt2になると、ダミーワード線ドライバDDVは、ダミーワード線DWLへ供給する制御信号のレベルをハイレベルVHに制御する。ダミーワード線ドライバDDVは、リード動作期間TPrd中の期間TPnrmにおいて、ダミーワード線DWLへ供給する制御信号のレベルをハイレベルVHに維持する。これにより、ダミービット線DBLの電位は、ビット線BLtの電位と同様なやや急激な傾斜で減少する。
ビット線BLt及びダミービット線DBLがほぼ同時にLレベルに下がるタイミングt3の直前において、内部パルス生成回路71は、センスアンプイネーブル信号SAEをノンアクティブレベル(例えば、Lレベル)からアクティブレベル(例えば、Hレベル)に立ち上げる。例えば、内部パルス生成回路71は、Lレベルの判定閾値VthLを有し、ダミービット線DBLの電位と判定閾値VthLとをコンパレータ等で比較する。内部パルス生成回路71は、ダミービット線DBLの電位が判定閾値VthLを下回ったことに応じて、センスアンプイネーブル信号SAEをアクティブレベルに立ち上げる。内部パルス生成回路71は、センスアンプイネーブル信号SAEをセンスアンプ6へ供給する。
タイミングt3において、センスアンプ6は、アクティブレベルのセンスアンプイネーブル信号SAEに応じて、センス動作を行う。これにより、センスアンプ6は、適切にレベルに確保されたビット線BLtの電位と反転ビット線BLbの電位との差分を適切なタイミングで検知できる。
図4に示されるように、ダミーワード線DWLの変化パターンをワード線WLの変化パターンに連動させることで、ダミーセルDCの動作をビットセルBCの動作に連動させることができ、それに応じて、ダミービット線DBLの電位変化をビット線BLtの電位変化にアナログ的に追従させることができる。すなわち、ビットセルBCとダミーセルDCとは、製造プロセスによる回路素子のばらつきや電圧・温度などの動作環境の変動による変動特性が互いに似ているため、確保すべきタイミングマージンを大幅に削減できる。これにより、半導体記憶装置1におけるリード動作の開始から完了までのリード動作期間TPrdを短縮でき、半導体記憶装置1の動作を容易に高速化できる。
また、適切なタイミングでセンスアンプ6によるセンス動作を行うことができるので、ビット線BLtの電位と反転ビット線BLbの電位との差分が適切なレベルでセンス動作を行うことができ、センスアンプ6を低消費電力化できる。
また、ダミービット線DBLと内部パルス生成回路71との間にロジックディレイ回路を設ける必要がないので、半導体記憶装置1の回路面積の増大を抑制できる。
以上のように、半導体記憶装置1において、ワード線WLのレベルの変調時にダミーワード線DWLのレベルをワード線WLのレベルに連動させて変調する。これにより、ワード線WLのレベルの変調時のセンス動作のタイミングを適切化できる。
なお、図5に示すように、半導体記憶装置1iのロウデコーダ3iにおける複数のワード線ドライバDV、ダミーワード線ドライバDVV、ワード線レベル変調回路33、及びダミーワード線レベル変調回路34は、チャージシェア型の回路で構成されてもよい。図5は、実施形態の第1の変形例におけるロウデコーダ3iの構成を示す回路図である。図5では、ワード線WLが128本設けられる場合について例示しているが、ワード線WLの本数は、128本より少なくてもよいし、128本より多くてもよい。
ロウデコーダ3iは、ダミードライバブロック341i、ドライバブロック331i、及びドライバブロック332iを有する。
ドライバブロック331iは、スイッチSW11及び複数のワード線ドライバDV<0>~DV<63>を含む。スイッチSW11は、ワード線ドライバDV<0>~DV<63>の各電源ノードを電源電位に接続する。複数のワード線ドライバDV<0>~DV<63>の電源ノードが共通接続された共通電源ノードは、寄生容量として容量Cdrvを有する。これにより、共通電源ノードの容量Cdrvには、電源電位に応じた電荷が蓄積され得る。スイッチSW11は、PMOSトランジスタT11を含む。PMOSトランジスタT11は、ソースが電源電位に電気的に接続され、ゲートがワード線デコーダ31に電気的に接続され、ドレインがワード線ドライバDV<0>~DV<63>の共通電源ノードに電気的に接続されている。
ドライバブロック332iは、スイッチSW12及び複数のワード線ドライバDV<64>~DV<127>を含む。スイッチSW12は、ワード線ドライバDV<64>~DV<127>の各電源ノードを電源電位に接続する。複数のワード線ドライバDV<64>~DV<127>の電源ノードが共通接続された共通電源ノードは、寄生容量として容量Cdrvを有する。これにより、共通電源ノードの容量Cdrvには、電源電位に応じた電荷が蓄積され得る。スイッチSW12は、PMOSトランジスタT12を含む。PMOSトランジスタT12は、ソースが電源電位に電気的に接続され、ゲートがワード線デコーダ31に電気的に接続され、ドレインがワード線ドライバDV<64>~DV<127>の共通電源ノードに電気的に接続されている。
ダミードライバブロック341iは、スイッチSW2、スイッチSW3、及びダミーワード線ドライバDDVを含む。スイッチSW2は、ダミーワード線ドライバDDVの電源ノードを電源電位に接続する。ダミーワード線ドライバDDVの電源ノードは、寄生容量として容量Cddrvを有する。これにより、電源ノードの容量Cddrvには、電源電位に応じた電荷が蓄積され得る。スイッチSW2は、PMOSトランジスタDT11を含む。PMOSトランジスタDT11は、ソースが電源電位に電気的に接続され、ゲートがワード線デコーダ31に電気的に接続され、ドレインがダミーワード線ドライバDDVの電源ノードに電気的に接続されている。
スイッチSW3は、ドライバブロック331i及びドライバブロック332iのうちワード線の駆動に用いられていなドライバブロックを選択して接続する。
例えば、ドライバブロック331iがワード線の駆動に用いられている場合、スイッチSW3は、一点鎖線で示す状態に切り替えられ、ダミードライバブロック341iにおけるダミーワード線ドライバDDVの電源ノードをドライバブロック331iの共通電源ノードに電気的に接続する。これにより、ダミードライバブロック341iとドライバブロック332iとの間でチャージ(電荷)をシェアすることが可能である。
このとき、ダミードライバブロック341i及びドライバブロック332iでは、スイッチSW2、スイッチSW3、スイッチSW12を含む構成がダミーワード線レベル変調回路34として機能する。すなわち、容量Cddrv及び容量Cdrvの合成容量とワード線WL<64>~WL<127>の容量Cwlの合成容量との比に応じて電荷が再配分され、ワード線WLの電位がハイレベルVH(例えば、1.2V)より低いリードアシストレベルVRAST(例えば、1.0V)に制御される。また、ドライバブロック331iでは、容量Cdrvとワード線WL<0>~WL<63>の容量Cwlの合成容量との比に応じて電荷が再配分され、ワード線WLの電位がハイレベルVH(例えば、1.2V)より低いリードアシストレベルVRAST(例えば、1.0V)に制御される。
より具体的には、図6に示すように、タイミングt11より前の期間において、トランジスタT12,DT11がオン状態に維持され、容量Cddrv,容量Cdrvにそれぞれ電荷が蓄積され得る。
タイミングt11において、トランジスタT12,DT11がオフする。
タイミングt12において、ダミードライバブロック341iにおけるダミーワード線ドライバDDVとドライバブロック331iにおける選択ワード線に対応したワード線ドライバDVとへLレベルの制御信号が供給される。また、ダミードライバブロック341iにおけるスイッチSW3が(例えば、図5に一点鎖線で示す状態に)オンされる。
タイミングt13において、ダミードライバブロック341i及びドライバブロック332iにおいて、容量Cddrv及び容量Cdrvの合成容量とワード線WL<64>~WL<127>の容量Cwlの合成容量との比に応じて電荷が再配分されるチャージシェア動作が行われる。これにより、ワード線ドライバDVの共通電源ノードとダミーワード線ドライバDDVの電源ノードとが、例えばハイレベルVHより所定レベル低いリードアシストレベルVRASTになる。これにより、例えば期間TPastにおいて、ダミーワード線ドライバDDVがリードアシスト動作と同様の動作を行う(図4参照)。また、ドライバブロック331iにおいて、容量Cdrvとワード線WL<0>~WL<63>の容量Cwlの合成容量との比に応じて電荷が再配分されるチャージシェア動作が行われる。これにより、ワード線ドライバDVの共通電源ノードが、例えばハイレベルVHより所定レベル低いリードアシストレベルVRASTになる。これにより、例えば期間TPastにおいて、ワード線ドライバDVがリードアシスト動作を行う(図4参照)。
タイミングt14において、スイッチSW3がオフし、トランジスタT12,DT11がオンする。
タイミングt14より後の期間において、トランジスタT12,DT11がオン状態に維持され、ワード線ドライバDVの共通電源ノードとダミーワード線ドライバDDVの電源ノードとが、例えばハイレベルVHになる。
図5に戻って、例えば、ドライバブロック332iがワード線の駆動に用いられている場合、スイッチSW3は、点線で示す状態に切り替えられ、ダミードライバブロック341iにおけるダミーワード線ドライバDDVの電源ノードをドライバブロック332iの共通電源ノードに電気的に接続する。これにより、ダミードライバブロック341iとドライバブロック331iとの間でチャージ(電荷)をシェアすることが可能である。
このとき、ダミードライバブロック341i及びドライバブロック331iでは、スイッチSW2、スイッチSW3、スイッチSW11を含む構成がダミーワード線レベル変調回路34として機能する。すなわち、容量Cddrv及び容量Cdrvの合成容量とワード線WL<0>~WL<63>の容量Cwlの合成容量との比に応じて電荷が再配分され、ワード線WLの電位がハイレベルVH(例えば、1.2V)より低いリードアシストレベルVRAST(例えば、1.0V)に制御される。また、ドライバブロック332iでは、容量Cdrvとワード線WL<64>~WL<127>の容量Cwlの合成容量との比に応じて電荷が再配分され、ワード線WLの電位がハイレベルVH(例えば、1.2V)より低いリードアシストレベルVRAST(例えば、1.0V)に制御される。
このように、ダミーワード線レベル変調回路34(図1参照)は、スイッチSW3の接続切替えに応じて、時分割的に、ワード線レベル変調回路33の異なる一部の構成を共有して構成される。これにより、ロウデコーダ3iの回路面積を容易に低減できる。
また、この場合、ロウデコーダ3iにおけるダミードライバブロック341i、ドライバブロック331i、及びドライバブロック332iは、図7に示すように、ロウデコーダ3iの配置領域において、互いに近接して配置されてもよい。図7は、実施形態の第1の変形例におけるロウデコーダ3iの実装形態を示す平面図である。これにより、ロウデコーダ3iのレイアウト面積を容易に低減できる。
あるいは、半導体記憶装置1jのロウデコーダ3jにおける複数のワード線ドライバDV、ダミーワード線ドライバDVV、ワード線レベル変調回路33、及びダミーワード線レベル変調回路34は、図8に示すようなチャージシェア型の回路で構成されてもよい。図8は、実施形態の第2の変形例におけるロウデコーダ3jの構成を示す回路図である。ロウデコーダ3jは、ダミードライバブロック341i、ドライバブロック331j、ドライバブロック332j、及び複数のドライバブロック333j-<0>~333j-<125>を有する。ドライバブロック331jは、図5に示すドライバブロック331iにおける複数のワード線ドライバDV<0>~DV<63>をワード線ドライバDV<127>で置き換えることで得られる。ドライバブロック332jは、図5に示すドライバブロック332iにおける複数のワード線ドライバDV<64>~DV<127>をワード線ドライバDV<126>で置き換えることで得られる。
ドライバブロック333j-<0>~333j-<125>は、それぞれ、1つのワード線ドライバDV<0>~DV<125>を含む。
ドライバブロック333j-<0>~333j-<125>のうち偶数番目のドライバブロック333jにおけるワード線ドライバDVの電源ノードは、ドライバブロック331iにおける共通電源ノードに電気的に接続されている。これにより、図5に示すドライバブロック331iと同様の回路構成が実現され得る。
ドライバブロック333j-<0>~333j-<125>のうち奇数番目のドライバブロック333jにおけるワード線ドライバDVの電源ノードは、ドライバブロック332iにおける共通電源ノードに電気的に接続されている。これにより、図5に示すドライバブロック332iと同様の回路構成が実現され得る。
また、この場合、ロウデコーダ3jにおけるダミードライバブロック341i、ドライバブロック331j、ドライバブロック332j、及び複数のドライバブロック333j-<0>~333j-<125>は、図9に示すように、ロウデコーダ3jの配置領域において、互いに近接して配置されてもよい。図9は、実施形態の第2の変形例におけるロウデコーダ3jの実装形態を示す平面図である。すなわち、図9に示す構成では、ドライバブロック331iと同様の回路構成とドライバブロック332iと同様の回路構成とが交互に分割配置されていると見なすことができる。これにより、ドライバブロック331iと同様の回路構成とドライバブロック332iと同様の回路構成とで、ワード線デコーダ31からの配線長を揃えることができ、配線の伝送遅延等の回路特性を均等化できる。
あるいは、図10に示すように、ワード線レベル変調回路33及びダミーワード線レベル変調回路34でそれぞれ変調されるワード線WL及びダミーワード線DWLの電圧波形は、多段階的に変化する電圧波形であってもよい。図10は、実施形態の第3の変形例にかかる半導体記憶装置の動作を示す波形図である。
図10(a)では、期間TP1において、LレベルVLから徐々にHレベルVHに上がっていき、期間TP2において、HレベルVHに維持され、期間TP3において、HレベルVHより高いライトアシストレベルVWASTに制御される。あるいは、図10(b)では、期間TP1において、HレベルVHより低いリードアシストレベルVRASTに制御され、期間TP2において、HレベルVHに維持され、期間TP3において、HレベルVHより高いライトアシストレベルVWASTに制御される。このような変調についても、実施形態の考え方を適用可能であり、実施形態と同様の効果を実現できる。
なお、ライトアシストレベルVWASTは、ライトアシスト動作が行われるようなレベルである。ライトアシスト動作は、ビットセルBCへのデータの書き込みを促進するための動作であり、転送トランジスタT1,T2,DT1,DT2のドライブ能力を上げるような動作を含む。すなわち、ライトアシスト動作により、ワード線WLのレベルを上げることで転送トランジスタT1、T2のドライブ能力を上げることができ、ダミーワード線DWLのレベルを上げることで転送トランジスタDT1、DT2のドライブ能力を上げることができる。これにより、ビットセルBCの記憶ノードNt及び反転記憶ノードNcへのデータの書き込みを促進できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。