JP7195524B2 - 茶園管理機における走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、茶畝を跨いで走行しながら摘採などの適宜の茶園管理作業を行うようにした茶園管理機(茶畝跨走型茶園管理機)に関するものであって、特に様々な走行制御が合理的に行えるようにした新規な走行制御装置に係るものである。
茶園管理の省力化を図る有力な手段として茶畝を跨ぐように走行しながら摘採や剪枝あるいは施肥・防除作業等の適宜の茶園管理作業を行うようにした茶園管理機が普及している。このものは、例えば茶畝を跨ぐように門型状を成す走行機体のフレーム下部にクローラタイプの走行体を配置し、一方フレーム上にエンジンと走行体の駆動源となるHSTポンプを搭載し、また走行機体の適宜位置に、例えば摘採機体等の茶園管理機体を配置して成る。
このような茶園管理機の走行機能についてみると、前記エンジンによりHSTポンプが駆動され、これによる作動油の流れにより、油圧モータを駆動して走行を図る。
そして、この走行制御にあたっては、一般的には、操作ハンドルを操作してHSTポンプから油圧モータ間での作動油の流れの一部を、油圧モータへ回さずバイパスさせて、HSTポンプに戻し、結果的に油圧モータ駆動のための作動油を変化させ、左右いずれかのクローラ速度を変えて操向制御している。(例えば特許文献1・2参照)。
しかしながら、これら従来の制御手法では、自動的に走行制御を行おうとする場合、まずシリンダーなどのアクチュエータでポンプの操作軸を回転し、油の流れを発生させ、その後バイパス経路に設けた電磁弁(比例電磁弁)により油量を逃がす制御(アンロード)が必要となる。このため従来の制御手法では、走行制御を行う場合、HSTポンプの流量条件を一定に決めておかなければ、精度の高い走行制御が行い難いものであった。
また走行体の駆動に直接関与しない不要な作動油をバイパス経路に流し、油圧モータに供給される作動油量を調節することから、制御の応答性が良くないことも挙げられる。
更に、このようなバイパス経路は、上記のように直接、走行体を駆動するものではないため、この回路自体が無駄な回路とも言え、これがエンジンの効率低下につながるとも考えられていた。
特開平9-322628号公報 特開2005-21127号公報
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、例えば自動運転化の実現など、茶園管理機における走行制御の多様化を図り、また走行制御が合理的に行えるようにした新規な走行制御装置の開発を試みたものである。
すなわち請求項1記載の茶園管理機における走行制御装置は、
クローラを走行体として適用して成る走行機体に、摘採機体等の適宜の茶園管理機体を取り付け、茶畝を跨いで走行しながら、目的とする茶園管理を行う茶園管理機における走行制御装置であって、
前記走行体は、HSTポンプから供給される作動油によって走行駆動されるものであり、且つ走行体を駆動する走行モータは、左右別々の油圧回路で構成され、
当該左右別々の油圧回路には、前記走行モータに流す作動油をバイパスさせるバイパス経路が設けられていないものであり、
なお且つHSTポンプ内には、左右の油圧回路に別々に作用する比例電磁弁が各々設けられ、HSTポンプと左右の走行モータとが一つの閉回路で接続されて成り、オイルタンクへのリターン経路が、前記HSTポンプからオイルタンクへのリターン経路と、前記走行モータからオイルタンクへのリターン経路とによって構成されていることを特徴として成るものである。
また請求項2記載の茶園管理機における走行制御装置は、前記請求項1記載の要件に加え、
前記茶園管理機には、茶畝の曲がり具合を検出する茶畝センサ、機体の傾き具合を検出する傾斜センサ、走行中にブレーキを掛けて走行を停止させるとともに停止状態を維持する駐車ブレーキスイッチ、操作ハンドルが切られていない中立の状態を検出する中立検出センサのうちのいずれか一つまたは複数が設けられ、これらセンサやスイッチから得られる出力値に基づいて前記比例電磁弁の開閉度とHSTポンプの作動油の吐出量とが制御されることを特徴として成るものである。
これら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
すなわち、本発明では、従来の油圧回路(走行体駆動用の油圧回路)において、バイパス経路を排除し、且つHSTポンプ内に各油圧回路に作用する比例電磁弁を設け、HSTポンプと各走行モータとを一つの閉回路で接続したため、操作信号を電気的に変換し、直接HSTポンプを電気的に流量制御することで、より精度の高い走行制御が実現でき、また走行制御内容のバリエーションも増える。また、バイパス経路が不要であるため、コストダウンが図れ、設計レイアウトの自由度向上につながるものである。特に小型の茶園管理機においては、HSTポンプから走行モータ間の設計レイアウトの自由度が増し、大きな効果を奏する。
また走行体の駆動に直接関与しないバイパス経路を無くし、走行モータに供給される作動油量を、言わばダイレクトに調節することから、制御の応答性が向上し、更にはエンジンの効率アップにも寄与する。もちろん傾斜地では、斜度に応じて左右の走行体を駆動する走行モータの油量が正確に制御でき、より安定した走行制御が行える。
本発明の走行制御装置を適用した茶園管理機の一例を示す斜視図(a)、並びに走行制御装置の主要構造を成す油圧回路を骨格的に示す説明図(b)である。 茶畝センサ周辺及びカウンターウェイトを拡大して示す斜視図(a)、並びにカウンターウェイト周辺を示す平面図(b)、並びにカウンターウェイトを示す正面図(c)である。 自動操舵制御の一態様を示す流れ図である。 駐車ブレーキ制御の一態様を示す流れ図である。 従来の油圧回路を示す説明図である。
本発明を実施するための形態は、以下の実施例に述べるものをその一つとするとともに、更にその技術思想内において改良し得る種々の手法をも含むものである。
なお、説明にあたっては、本発明の茶園管理機における走行制御装置1(以下、単に走行制御装置1とする)の説明に先立ち、本発明を適用した茶園管理機Mから説明する。
茶園管理機Mとしては、一例として図1に示すように、作業者が搭乗して運転する乗用型の茶畝跨走型茶園管理機が挙げられるが、この他にも例えば作業者が搭乗することなく遠隔操縦される茶園管理機M等も挙げることができ、このような茶園管理機Mにも本発明の走行制御装置1を適用することができる。
乗用型の茶園管理機Mは、例えば上記図1に示すように、茶畝Tを跨ぐように走行する走行機体2と、この走行機体2によって茶畝T上面に位置するように支持される茶園管理機体3(ここでは主に摘採機体を例示するものであり、茶園管理機体と同じ符号「3」を付す)とを具え、更には上記走行機体2(より詳細には後述する走行体21)の制御を行う走行制御装置1を具えるものである。
また、本実施例では茶園管理機体3として摘採機体3を具えることから、摘採した茶葉を収容するためのコンテナ型の収容部4と、摘採機体3から収容部4まで摘採茶葉を移送する中継移送装置5とを具える。
なお、茶園管理機Mは、目的の茶園管理作業に応じて、色々な茶園管理機体3が付け替えられるものであり、例えば上記摘採機体3の他にも、樹形を整え樹勢の回復を図るため枝幹を剪除する際には剪枝機体が挙げられる。また、肥料や薬剤を散布する際には施肥・防除機体が取り付けられ、茶畝Tに被せた寒冷紗等の被覆資材を巻き取る際には巻取展開機体が取り付けられる。因みに、これら各種の機体を茶園管理機体3と総称するものであり、これらの茶園管理機体3は、茶園管理機Mに対しユニットとして容易に取り付け・取り外しできるように構成される。なお、「摘採機体(摘採作業)」と「剪枝機体(剪枝作業)」とを総称して「茶刈機体(茶刈作業)」と称することがある。
また本明細書において部材の左右を区別して示したい場合には、各符号の末尾に「L」・「R」を付して区別するものであり、ここでの左右とは茶園管理機Mに搭乗した作業者から視た状態(搭乗した作業者が正面進行方向を向いた状態)での左右を意味する。
以下、茶園管理機Mを構成する各構成部について説明する。
まず走行機体2について説明する。
走行機体2は、茶畝Tを跨いで畝間(畝地)を接地走行するものであり、走行方向(茶畝Tの長手方向)から見て概ね門型状に形成されたフレーム20を骨格部材とする。このフレーム20は、畝間に立ち上げ状態に設けられる左右の脚部フレーム20Aと、左右の脚部フレーム20Aを繋ぐ連結フレーム20Bと、脚部フレーム20Aに対し昇降自在に取り付けられる昇降ブラケット20Cとを具えて成る。因みに、昇降ブラケット20Cには、例えば上記摘採機体3を取り付けることができ、この場合、摘採機体3は走行機体2のほぼ中間(前後方向における中間)位置に設けられる。
また、脚部フレーム20Aの下端には一例としてクローラを適用した走行体21が設けられる。もちろん、走行体21は、このようなクローラに限らず、畝地を過剰に押し付けないような空気タイヤ、あるいは双方を適用した形態(例えば前側に空気タイヤ、後側にクローラを適用した形態)等が適宜採り得る。
更に連結フレーム20Bの上部には、茶園管理機Mに搭乗した作業者が座る操縦席(操縦者用シート)23が設けられ、その正面側には操作ハンドル23Aや駐車ブレーキスイッチ25等が設けられる。
ここで操作ハンドル23Aによる茶園管理機Mの操縦方法について説明すると、一例として操作ハンドル23Aを前後に倒す操作で、茶園管理機Mを前進または後退させ、操作ハンドル23Aを左右に回動させる操作で、茶園管理機Mを左右に曲げる操縦態様となる。因みに、操作ハンドル23Aが前後左右に切られていない状態を中立と称し、この状態を検出するセンサを中立検出センサ28とする。
また、上記操作ハンドル23Aの近傍には、上述したように駐車ブレーキスイッチ25が設けられるものであり、このものは走行中、走行体21にブレーキを掛け、走行中の走行体21の停止を行うとともに、停止の維持を行うための操作スイッチである。すなわち、駐車ブレーキスイッチ25は、機体停止時における操作ハンドル23Aの誤操作による機体の動き出しを防止する作用をも担うものである。この点、「駐車ブレーキスイッチ」という呼称は、対象物が自動車ではなく、またほとんど人が搭乗したままでいるため、いわゆる「駐車」の概念に必ずしもそぐわないかも知れないが、茶園管理作業の分野で一般にこのような呼称が慣用されているため、本明細書においてもこの呼称を用いる。
また、走行機体2には、左右の傾斜角度を計測する傾斜センサが設けられ(図1(b)参照)、この傾斜センサの出力値により、畝地が左右いずれかにどの程度傾いているのかが検出される。
また操縦席23の側傍には、例えばディーゼルエンジン等を適用した原動機22が搭載され、この原動機22によりHSTポンプ(HSTは、hydro-static transmission の略で、可変容量型の斜板式オイルポンプとオイルモータによる油圧駆動変速機)71を駆動し、このHSTポンプ71により供給される作動油によって前記走行体21の駆動や、摘採機体3の刈刃30の駆動、更には前記昇降ブラケット20Cの昇降動を担うシリンダ(図示略)の駆動等を行う。なお、HSTポンプ71を具え、走行体21を駆動させる油圧回路7については後述する。
また摘採機体3によって刈った茶葉を風送するためのファン26を前記連結フレーム20B上に設けるものであり、ファン26は一例として上記原動機22の回転により駆動される。そしてファン26からは、送風ダクト27を通じて圧力風が摘採機体3側に供給される。
また脚部フレーム20Aには茶畝センサ6が設けられるものであり、以下これについて説明する。
茶畝センサ6は、茶畝Tの両側部位置を検知して茶畝Tの曲がり具合を検出するためのものであり、茶畝Tの側部に接触する検知板60の動きに応じた電気信号を出力する、いわゆるポテンショメータ等を適用したセンサユニット61を具えて成る。
具体的には、一例として図1・図2に示すように、左右両側の脚部フレーム20AL・20ARに対して、それぞれ左右の茶畝センサ6L・6Rが設けられ、回動軸62をほぼ鉛直状に左右一対で具え、この回動軸62に固定した二本の支持杆63に対して前記検知板60を固定して成る。この検知板60は、例えば金属板をほぼ半円筒状に形成して成るものであり、半円筒状の内側に適宜補強材が設けられる。
そして、回動軸62には図示しない付勢体(例えばスプリング等)の作用によって、一定方向の回転力(回動力)が付与され、検知板60を常時内側(茶畝T側)に回動させるように付勢する。なお、検知板60の回動は、回動軸62に具えた規制杆64と、脚部フレーム20Aに具えたフック65とが係合することにより、検知板60がそれ以上、内側に回動しないように規制される。
このように検知板60は、走行機体2の下部において、水平面内で回動自在に取り付けられ、茶畝側部との接触度合いに応じて回動するため、茶畝Tの曲がり具合によって左右の検知板60L・60Rの回動角度が異なってくるものであり、この回動角度差をセンサユニット61L・61Rが変動値として出力し、これを利用して茶畝Tの曲がり具合を検出する。
また上述したように構成される茶畝センサ6に対してカウンターウェイト66を具えるものであり、このカウンターウェイト66は、茶園管理機Mが傾斜面に植生された茶畝Tの管理作業(例えば摘採作業)を行う際に、前記検知板60が受ける重力によって回動軸62に生起する回転力を打ち消すための部材である。具体的には図2に示すように、前記回動軸62における支持杆63よりも前方の部分に対してウェイト支持杆66Aを接続し、このウェイト支持杆66Aの先端部分にウェイト片66Bを一例として着脱自在に具えるものである。なお、前記ウェイト片66Bの重量は、茶畝仕立地の傾斜角度に応じて適宜選択され得る。
次に摘採機体3について説明する。
摘採機体3は、茶葉の摘採を行うものであり、バリカン型やロータリーカッター型の刈刃30を具えて成るものである。
この摘採機体3は、上述したように、例えば前記昇降ブラケット20Cに取り付けられることにより、昇降動自在に構成される。もちろん、昇降ブラケット20Cへの取り付けは着脱自在の取り付けである。
なお、摘採機体3を取り付ける昇降ブラケット20Cには、適宜のコロが設けられ、このものが脚部フレーム20Aに沿って転接するように構成され、摘採機体3、収容部4、中継移送装置5を全体的にチェーン等により吊持した状態で、昇降動するように構成される。
次に収容部4について説明する。
収容部4は、例えば摘採作業時に収穫された茶葉を収容する部位であり、図1に示す実施例においては、上方が開口されたコンテナ41を主要部材として構成される。
次に中継移送装置5について説明する。
中継移送装置5は、刈刃30で刈った茶葉を摘採機体3の後方から収容部4の上部まで上昇移送するものであり、例えば図1に示すように、摘採機体3から収容部4まで立ち上げられた中継ダクト51を主要部材として構成される。なお、この中継ダクト51の移送開始部には、前記ファン26による移送風が吹き込まれ、摘採した茶葉を収容部4まで上昇移送するように構成される。
次に走行制御装置1について説明する。
走行制御装置1は、茶園管理機Mの走行制御を担うものであり、走行機体2の走行体21を駆動する油圧回路7を主要部材とする。
油圧回路7は、一例として図1に示すように、左側の走行体21Lを駆動する油圧回路7Lと、右側の走行体21Rを駆動する油圧回路7Rとを具えて成り、これらが各々独立して駆動される。
そして、二つの油圧回路7L・7Rは、上述したように原動機22によって回転駆動されるHSTポンプ71と、このHSTポンプ71から供給される作動油によって走行体21L・21Rを駆動する走行モータ72L・72Rとを具えて成る。
なおHSTポンプ71内には、左右の油圧回路7L・7Rに作用する比例電磁弁74L・74Rが設けられ、このHSTポンプ71と左右の走行モータ72L・72Rとが、各々一つ(一本)の閉回路で接続されている。
すなわち、従来の油圧回路7′では、例えば図5に示すように、走行モータ72′に流れる作動油をバイパスさせるバイパス経路BPが設けられており、このバイパス経路BPに比例電磁弁74′が設けられていた。もちろん、このバイパス経路BPは、HSTポンプ71′の外部に形成された回路である。
これに対し、図1に示す油圧回路7は、従来、左右の油圧回路7L′・7R′に設けられていたバイパス経路BPを排除するとともに、当該油圧回路7L′・7R′に設けられていた比例電磁弁74L′・74R′を、HSTポンプ71内に設けたものである。
因みに、図1中の符号75は、走行モータ72から排出される作動油を一時的に貯留するオイルタンクであり、また符号76は作用済みの作動油をオイルタンクに戻すためのリターン経路である。
比例電磁弁74は、経路が開放でき、その開放量に比例して、当該経路中を流れる作動油の油量を調整することができる弁であり、これによりHSTポンプ71から各走行モータ72L・72Rに供給される作動油の油量を調整するものである。
なお、比例電磁弁74L・74Rは、例えば図1に示すように、茶畝センサ6L・6R(左右の検知板60L・60Rのポテンション値)、駐車ブレーキスイッチ25、傾斜センサ及び中立検出センサ28等の入力値を基に、コントローラCから発せられる指令信号値に応じて比例的に開放量が調節され、この比例電磁弁74L・74Rを通過する作動油の量が比例制御されるものである。つまり、本明細書において、比例電磁弁出力というときには、このものに対する励磁電力の状況(指令信号値)に応じて設定されることとなる弁開放状況を実質的に意味するものである。
本発明に係る油圧回路7は、以上のように構成され、以下これによる効果について述べる。
本発明では、操作信号を電気的に変換し、直接HSTポンプ71を電気的に流量制御することで、より精度の高い走行制御が実現でき、また走行制御内容のバリエーションも増える。また、各油圧回路7L・7Rには、バイパス経路BPが不要であるため、コストダウンが図れ、設計レイアウトの自由度向上につながるものである。特に小型の茶園管理機Mにおいては、HSTポンプ71から走行モータ72間の設計レイアウトの自由度が増し、大きな効果を奏する。
因みに、本発明では、従来のバイパス経路BPの比例電磁弁74′からオイルタンク75′に設けていたリターン経路76′も不要となる。
また走行体21の駆動に直接関与しないバイパス経路BPを無くし、走行モータ72L・72Rに供給される作動油量を、言わばダイレクトに調節することから、制御の応答性が向上し、更にはエンジンの効率アップにも寄与する。もちろん傾斜地では、斜度に応じて左右の走行体21を駆動する走行モータ72L・72Rの油量が正確に制御でき、より安定した走行制御が行える。
本発明の走行制御装置1は、以上のような基本構造を有するものであり、以下、この装置による種々の制御態様について説明する。
〈1〉自動操舵制御
まず自動操舵制御の態様について図3に基づき説明する。まず図3(a)に示すステップS1で、スイッチ操作等により自動操舵制御が開始されると、ステップS2の判断ステップで、自動操舵のスイッチがONの状態であるか否かが判断される。ここで自動操舵のスイッチがONの場合は、ステップS3で茶畝センサ6によって茶畝Tの感知が行われているか否かが判断される。その結果、茶畝Tの感知が行われていない場合には、ステップS5で茶畝センサ6が無感知の状態であることを知らせる警告ブザーを鳴動させる。一方、ステップS3で茶畝Tの感知が行われている場合には、ステップS4で、左右の検知板60L・60Rにより検出された左右ポテンション値(左右の茶畝センサ6L・6Rの検出値)の比較が行われる。
なお、ステップS2で自動操舵のスイッチがONの状態でない場合には、ステップS14に進み、自動操舵のスイッチがOFFの状態であるか否かが判断される。ここで自動操舵がOFFであれば、ステップS15に進み左右の比例電磁弁74L・74RはOFFとされ、ステップS16で自動操舵制御の終了となる。また、ステップS14で自動操舵のスイッチがOFFでなければ、ステップS3に戻る。
上記ステップS4で、左右の検知板60L・60Rのポテンション値の比較により、ステップS6の左が大きい場合(左>右)、ステップS9の右が大きい場合(左<右)、ステップS12のほぼ等しい場合(左≒右)に分かれる。ただし実際のフローでは、左右のポテンション値の比較をした後、まずステップS6で左>右であるか否かが判断され、その後、左>右でない場合にステップS9で左<右であるかが判断され、その後、左<右でもない場合に左≒右と判断されステップS12に進む。
なおステップS6の左が大きい場合(左>右)には、その後、ステップS7で定義済みの比例電磁弁出力判定処理が行われた後、ステップS8で左比例電磁弁出力を行う。
またステップS9の右が大きい場合(左<右)には、その後、ステップS10で定義済みの比例電磁弁出力判定処理が行われた後、ステップS11で右比例電磁弁出力を行う。
更にステップS12のほぼ等しい場合(左≒右)には、その後、ステップS13で左右の比例電磁弁74L・74RをOFFとする。
ここでステップS6とステップS9における定義済みの比例電磁弁出力判定処理について説明すると、図3(b)に示す流れ図が比例電磁弁出力判定処理のフローチャートである。すなわち、左右いずれかに傾いた傾斜地であるか否かの判断処理が傾斜センサの出力値により行われ、傾斜地であれば、その傾斜度合いに応じて比例電磁弁74L・74Rの出力が補正されるものである。これは上述したように傾斜地において茶畝センサ6のポテンション値に多少なりの狂いが生じるためである。
そして前記ステップS8の左の比例電磁弁74Lの出力か、ステップS11の右の比例電磁弁74Rの出力か、ステップ13の左右の比例電磁弁74L・74RをOFFとするか、あるいはステップS5の検知板60が無感知であるかも知れないことを知らせる警告ブザーを鳴動させる出力のいずれかを行った後、ステップS14において自動操舵がOFFであるか否かの判断を行う。その結果、自動操舵がOFFとなっていないのならば、再びステップS4の左右の検知板60L・60Rのポテンション値の比較判断に戻り、一方ステップS14で自動操舵がOFFとなっているのならば、ステップS15に進み、左右の比例電磁弁74L・74RをOFFとして、ステップS16に至り、自動操舵制御の終了となる。
〈2〉駐車ブレーキ制御
次に駐車ブレーキ制御の態様について図4に基づき説明する。
駐車ブレーキは、上述したように、油圧回路7L・7Rを流れる作動油(HSTポンプから走行モータ72L・72Rに供給される作動油)を、比例電磁弁74L・74Rに全て流し(走行モータ72L・72Rには流さないようにし)、これにより機体停止時の操作ハンドル23Aの誤操作による機体の動き出しを防止する作用を担うものである。
なお、この駐車ブレーキ制御は、前記自動操舵制御に優先されるもので、自動操舵制御中にこの駐車ブレーキ制御が開始されると、自動操舵制御は解除もしくは中断される。
まずステップS1において駐車ブレーキスイッチ25を操作することにより駐車ブレーキ制御が開始されると、ステップS2において駐車ブレーキがONとなっているか否かの判断が行われる。駐車ブレーキがONとされている場合にはステップS3に進み、定義済みの比例電磁弁出力処理が行われ、ステップS4の左右の比例電磁弁74L・74Rへの出力が行われ、ステップS8で走行の停止が行われる。
また上記ステップS4の左右の比例電磁弁出力制御が行われると同時に、ステップS5において操作ハンドル23Aが中立位置であるか否かの判断が行われ、操作ハンドル23Aが中立位置であれば、ステップS6で警告ブザーはOFFの状態とされ、一方操作ハンドル23Aが中立位置でなければ、ステップS7で警告ブザーが鳴動されるように出力される。
またステップS8において走行停止がされた後は、ステップS9において駐車ブレーキがOFFとされているか否かの判断が行われ、駐車ブレーキがOFFとされている場合には、ステップS10に進んで操作ハンドル23Aが中立位置であるか否かの判断が行われる。一方、ステップS9で駐車ブレーキがOFFとされていない場合には、ステップS4とステップS5に戻り、左右の比例電磁弁74L・74Rの出力と、操作ハンドル23Aが中立位置であるか否かの判断がなされる。またステップS10において操作ハンドル23Aが中立位置であればステップS11に進み、定義済みの比例電磁弁解除処理が行われるとともに、ステップS12の警告ブザーがOFFの状態とされ、ステップS13にて終了となる。
また前記ステップS10において操作ハンドル23Aが中立位置でなければ、再びステップS4とステップS5に戻り、左右の比例電磁弁74L・74Rの出力と、操作ハンドル23Aが中立位置であるか否かの判断がなされる。
なお、前記ステップS3の定義済みの比例電磁弁出力処理と、ステップS11の定義済みの比例電磁弁解除処理は、図4(b)(c)に示すようないわゆるCR遅延回路による求められた仕様に応じたパラメータが設定されており、ステップS3の定義済みの比例電磁弁出力処理においては、図4(b)に示されるように、予め設定された経過時間に応じて比例電磁弁74L・74Rの出力値が0%から100%へと出力制御されるものである。一方、ステップS11の定義済みの比例電磁弁解除処理においては、図4(c)に示されるように予め設定された経過時間に応じて比例電磁弁74L・74Rの出力値が100%から0%へと出力制御されるものである。
なお傾斜センサにより限界傾斜角度(車体の転倒の危険のある角度)が検出された場合には、駐車ブレーキスイッチ25を手動操作しなくても自動停止が行われる。この場合の停止にも、機体にショックを与えない前記CR遅延回路による緩停止が行われる。
M 茶園管理機
1 走行制御装置(茶園管理機における走行制御装置)
2 走行機体
3 茶園管理機体(摘採機体)
4 収容部
5 中継移送装置
6 茶畝センサ
7 油圧回路

2 走行機体
20 フレーム
20A 脚部フレーム
20B 連結フレーム
20C 昇降ブラケット
21 走行体
22 原動機
23 操縦席(操縦者用シート)
23A 操作ハンドル
25 駐車ブレーキスイッチ
26 ファン
27 送風ダクト
28 中立検出センサ

3 茶園管理機体(摘採機体)
30 刈刃

4 収容部
41 コンテナ

5 中継移送装置
51 中継ダクト

6 茶畝センサ
60 検知板
61 センサユニット
62 回動軸
63 支持杆
64 規制杆
65 フック
66 カウンターウェイト
66A ウェイト支持杆
66B ウェイト片

7 油圧回路
71 HSTポンプ
72 走行モータ
74 比例電磁弁
75 オイルタンク
76 リターン経路

T 茶畝
C コントローラ
BP バイパス経路

Claims (2)

  1. クローラを走行体として適用して成る走行機体に、摘採機体等の適宜の茶園管理機体を取り付け、茶畝を跨いで走行しながら、目的とする茶園管理を行う茶園管理機における走行制御装置であって、
    前記走行体は、HSTポンプから供給される作動油によって走行駆動されるものであり、且つ走行体を駆動する走行モータは、左右別々の油圧回路で構成され、
    当該左右別々の油圧回路には、前記走行モータに流す作動油をバイパスさせるバイパス経路が設けられていないものであり、
    なお且つHSTポンプ内には、左右の油圧回路に別々に作用する比例電磁弁が各々設けられ、HSTポンプと左右の走行モータとが一つの閉回路で接続されて成り、オイルタンクへのリターン経路が、前記HSTポンプからオイルタンクへのリターン経路と、前記走行モータからオイルタンクへのリターン経路とによって構成されていることを特徴とする、茶園管理機における走行制御装置。
  2. 前記茶園管理機には、茶畝の曲がり具合を検出する茶畝センサ、機体の傾き具合を検出する傾斜センサ、走行中にブレーキを掛けて走行を停止させるとともに停止状態を維持する駐車ブレーキスイッチ、操作ハンドルが切られていない中立の状態を検出する中立検出センサのうちのいずれか一つまたは複数が設けられ、これらセンサやスイッチから得られる出力値に基づいて前記比例電磁弁の開閉度とHSTポンプの作動油の吐出量とが制御されることを特徴とする請求項1記載の、茶園管理機における走行制御装置。
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