JP6879900B2 - 作業車 - Google Patents
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Description
[1] 油圧ポンプから分流弁を経て、優先回路にパワーステアリング装置が接続され、余剰回路にモアー装置の昇降用油圧シリンダや、PTOクラッチの操作弁が接続されている。パワーステアリング装置からの排出油が静油圧式無段変速装置のチャージ回路に供給され、昇降用油圧シリンダや、PTOクラッチの操作弁かの排出油はタンクへ戻されている(例えば特許文献1参照。)。
[2] チャージポンプから吐出された圧油が、パワーステアリング装置を経てモアー装置の昇降用油圧シリンダに供給されるように、パワーステアリング装置の制御弁における中立ポートと昇降用油圧シリンダの制御弁とが直列に接続されている。パワーステアリング装置の制御弁及び昇降用油圧シリンダの制御弁は、双方が中立位置にある場合だけ静油圧式無段変速装置のチャージ回路に供給され、いずれかの制御弁が使用状態であると、圧油はタンクに戻されるようになっている(例えば特許文献2参照。)。
しかしながら、この構造のものでは、パワーステアリング装置による操向駆動中には、圧油供給ポンプからの供給油の一部がタンクポートへ戻されてしまうので、操向駆動中にモアー装置の昇降用油圧シリンダが操作されると、静油圧式無段変速装置のチャージ回路への供給油量が不足する虞があり、この点で改善の余地がある。
したがって、パワーステアリング装置を経た圧油を作業装置の油圧アクチュエータに供給して、動力ロスや装置の大型化を避け得るものでありながら、そのパワーステアリング装置の作動の有無や油圧アクチュエータの作動の有無に関係なく、静油圧式無段変速装置のチャージ回路に供給される油量を不足のないように確保し易い利点がある。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した作業車の一例である乗用型草刈機の作業走行時における前進側の進行方向(図1における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。
図1には作業車としての乗用型草刈機の全体側面が、図2には乗用型草刈機の全体平面が示されている。この乗用型草刈機は、走行機体1における機体フレーム10の前側に左右一対の操向操作自在な前輪11,11(操向輪に相当する)を備え、後側に左右一対の駆動自在な後輪12,12(駆動輪に相当する)を備えて自走するよう構成されている。
機体フレーム10の下方で、前後方向における前輪11と後輪12の間に、リヤディスチャージ型式のモアー装置4が昇降操作可能に吊り下げ装着されている。その走行機体1の後方側に、モアー装置4(作業装置に相当する)で刈り取られた刈草を収容する集草装置5(作業装置に相当する)が設けられている。
原動部2では、エンジン20が、エンジンボンネット21に内装された状態で機体フレーム10に搭載されている。エンジン20の後方側から取り出された動力は、主伝動軸22を介して後方位置の静油圧式無段変速装置6に入力され、静油圧式無段変速装置6からの出力が、ギヤ伝動機構を内装したミッションケース23を介して、左右の後車軸ケース24に支持された後車軸12aに伝達され、後輪12が駆動される。
前輪11の操向操作は、搭乗運転部3に備えたステアリングホイール31の操作に伴って作動するパワーステアリング装置7(図3参照)によって行われる。
このガードフレーム10Aには、複数個のバランスウェイトを装着可能な、バランスウェイト取付部14が、設けられている。
モアー装置4は、前リンク13a及び後リンク13bの対を左右両側に備えたリンク機構13を介して、機体フレーム10に対して昇降可能に吊り下げ支持されたハウジング40を備えている。
リンク機構13のうち、前リンク13aの上端部には、モアー昇降シリンダ43が連結されている。このモアー昇降シリンダ43の伸縮作動に伴ってハウジング40の機体フレーム10に対する上下高さ位置を変更することができる。
図1及び図2に示されるように集草装置5は、刈草を収容する集草容器50と、その集草容器50を走行機体に対して昇降作動及び刈草排出作動が可能であるように操作する昇降駆動機構51とを備えている。
集草容器50は、モアー装置4側から搬送ダクト42を介して供給される刈草を受け入れる受入口(図示せず)を前端側に備え、後端側に排出用の排出口50aと、その排出口50aを覆う開閉蓋50bとを備えている。
昇降リンク52は、左右一対のアッパーリンク52aと、左右一対のロアーリンク52bとを備え、各アッパーリンク52aとロアーリンク52bの前端側がロプス34の上部に着脱可能に連結され、後部側が集草容器50の後端側近くの下部に連結されている。そして、油圧シリンダで構成されているリフトシリンダ53の上端部はロアーリンク52bに対して連結され、リフトシリンダ53の伸縮作動によって、昇降リンク52が揺動し、集草容器50の昇降作動が行われる。
上記のリフトシリンダ53及びダンプシリンダ54も左右一対備えられていて、左右で同時作動するように油圧回路に配備されている。
上記の静油圧式無段変速装置6、パワーステアリング装置7、リフトシリンダ53、ダンプシリンダ54、及びモアー昇降シリンダ43には、エンジン20の動力によって駆動される圧油供給ポンプ8からの圧油が供給される。この圧油供給ポンプ8からの圧油が給排される圧油給排回路80(図3参照)について説明する。
操向制御バルブ70は、ステアリングホイール31の操作に伴って、中立位置70Nと、右旋回位置70Rと、左旋回位置70Lとの三位置に切り換え操作される。このとき、ステアリングホイール31の操作量に応じて、メータリングポンプ71がステアリングホイール31の操作量に応じた量の圧油をパワーステアリング装置7のステアリングシリンダ72に送り込み、前輪11をステアリングホイール31の操作量に応じた角度に操舵する。
この状態では、圧油供給ポンプ8からの供給油のうち、一部が前記第一油路81に流れ、他の一部が第二油路82に流れる。つまり、圧油供給ポンプ8からの供給油が第一油路81と第二油路82との双方に供給され、このうち、第二油路82に流れた圧油が静油圧式無段変速装置6のチャージ回路63に供給される。
選択切換弁56は、リフトシリンダ53とダンプシリンダ54とのいずれを制御対象とするが択一的に切り換えるためのものであり、人為操作可能なソレノイド弁で構成されている。
モアー昇降操作弁44は、モアー昇降シリンダ43を駆動上昇、又は自重下降させるように切り換えるためのものであり、三位置切換弁によって構成されている。
選択切換弁56が、図3に示すように、リフトシリンダ53を選択接続し、モアー昇降操作弁44が中立位置44Nにある状態で、上記昇降操作弁55の各操作位置における圧油の流れをみると、次の通りである。
下降位置44Dにある状態では、モアー昇降シリンダ43の上昇室43aの圧油が、モアー装置4の自重で第九油路89を介してモアー昇降操作弁44に戻されたのち、第四油路84に供給され、タンクに流れることになる。
そして、リフトシリンダ53やダンプシリンダ54への圧油供給経路においても、リフトシリンダ53やダンプシリンダ54からの戻り油を、全量がタンクに還元されるようにするのではなく、第三油路83を介して静油圧式無段変速装置6のチャージ回路63に供給している。
実施の形態では、モアー装置4を上昇及び下降させるシリンダとして、単動シリンダで構成されたモアー昇降シリンダ43を示したが、この構造に限定されるものではない。
例えば、モアー装置4を上昇及び下降させるシリンダとして、複動型のものを採用して、リフトシリンダ53やダンプシリンダ54の場合と同様にチャージ回路63に戻すようにしても良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
実施の形態では、モアー側絞り88や集草側絞り87を設けた構造のものを例示したが、この構造に限られるものではなく、これらの絞りを省いたものであっても差し支えない。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
実施の形態では、作業装置として、集草装置5やモアー装置4を採用した構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、作業装置として、図示はしないが、耕耘装置、クレーン装置、リフトフォーク、ダンプ荷台、揚送装置、放水装置など、各種のものを採用することができる。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
4 モアー装置
5 集草装置
6 静油圧式無段変速装置
7 パワーステアリング装置
8 圧油供給ポンプ
11 操向輪
12 駆動輪
43 油圧アクチュエータ(モアー昇降シリンダ)
44 モアー昇降操作弁
53 油圧アクチュエータ(リフトシリンダ)
54 油圧アクチュエータ(ダンプシリンダ)
55 昇降操作弁
56 選択切換え弁
50 集草容器
63 チャージ回路
80 圧油給排回路
81 第一油路
82 第二油路
83 第三油路
87,88 絞り部
Claims (2)
- 走行機体に、
操向輪及び駆動輪を備えた走行装置と、
前記駆動輪を駆動する静油圧式無段変速装置と、
前記操向輪を操舵するパワーステアリング装置と、
所定の作業を行う作業装置と、
前記作業装置を操作する油圧アクチュエータと、
前記パワーステアリング装置及び前記油圧アクチュエータに対して圧油を供給する圧油供給ポンプと、
前記圧油供給ポンプから、前記パワーステアリング装置、及び前記油圧アクチュエータに対して圧油を給排する圧油給排回路と、が備えられ、
前記圧油給排回路に、
前記圧油供給ポンプから前記パワーステアリング装置を経て、前記油圧アクチュエータに対して圧油を供給する第一油路と、
前記パワーステアリング装置からの戻り油路を前記静油圧式無段変速装置のチャージ回路に接続する第二油路と、
前記油圧アクチュエータからの戻り油路を前記静油圧式無段変速装置のチャージ回路に接続する第三油路と、が備えられ、
前記作業装置がモアー装置と集草装置であり、
前記油圧アクチュエータが、前記モアー装置を昇降作動させるモアー昇降シリンダ、前記集草装置の集草容器を昇降作動させるリフトシリンダ、前記集草容器を姿勢変更させるダンプシリンダであり、
前記リフトシリンダおよび前記ダンプシリンダに選択切換弁を介して接続され、前記リフトシリンダを制御対象にする状態と前記ダンプシリンダを制御対象にする状態とに前記選択切換弁によって切り換えられる昇降操作弁が備えられ、
前記モアー昇降シリンダを操作するモアー昇降操作弁、及び、前記昇降操作弁は、センターバイパス形に構成され、かつ、直列に接続する状態で前記第一油路に設けられている作業車。 - 前記第一油路における前記パワーステアリング装置から前記油圧アクチュエータへの圧油供給油路部分に絞り部を設けて、前記圧油供給油路部分における余剰油を前記第三油路に供給するように構成されている請求項1に記載の作業車。
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