JP7195446B2 - 多段回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

多段回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7195446B2
JP7195446B2 JP2021541402A JP2021541402A JP7195446B2 JP 7195446 B2 JP7195446 B2 JP 7195446B2 JP 2021541402 A JP2021541402 A JP 2021541402A JP 2021541402 A JP2021541402 A JP 2021541402A JP 7195446 B2 JP7195446 B2 JP 7195446B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stage
low
compression mechanism
stage compression
partition plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021541402A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021033283A1 (ja
Inventor
卓也 平山
武士 知念
茂喜 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Carrier Corp
Original Assignee
Toshiba Carrier Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Carrier Corp filed Critical Toshiba Carrier Corp
Publication of JPWO2021033283A1 publication Critical patent/JPWO2021033283A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7195446B2 publication Critical patent/JP7195446B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C23/00Combinations of two or more pumps, each being of rotary-piston or oscillating-piston type, specially adapted for elastic fluids; Pumping installations specially adapted for elastic fluids; Multi-stage pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C23/001Combinations of two or more pumps, each being of rotary-piston or oscillating-piston type, specially adapted for elastic fluids; Pumping installations specially adapted for elastic fluids; Multi-stage pumps specially adapted for elastic fluids of similar working principle
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C23/00Combinations of two or more pumps, each being of rotary-piston or oscillating-piston type, specially adapted for elastic fluids; Pumping installations specially adapted for elastic fluids; Multi-stage pumps specially adapted for elastic fluids
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/12Arrangements for admission or discharge of the working fluid, e.g. constructional features of the inlet or outlet
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/12Arrangements for admission or discharge of the working fluid, e.g. constructional features of the inlet or outlet
    • F04C29/124Arrangements for admission or discharge of the working fluid, e.g. constructional features of the inlet or outlet with inlet and outlet valves specially adapted for rotary or oscillating piston pumps

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Description

本発明の実施形態は、多段回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置に関する。
従来、偏心部の回転により作動流体を段階的に圧縮する多段回転式圧縮機が知られている。例えば、多段回転式圧縮機は、低圧の作動流体を中間圧に圧縮する低段圧縮機構部と、低段圧縮機構部で圧縮した中間圧の作動流体を高圧に圧縮する高段圧縮機構部と、を備えている。多段回転式圧縮機は、圧縮要素および駆動要素を収容する密閉ケースを備えている。密閉ケース内には、高段圧縮機構部で圧縮された高圧の作動流体が吐出される。
多段回転式圧縮機において、低段側の吐出孔と吐出弁装置とを仕切板に設け、高段側の吐出孔と吐出弁装置とを高段側の軸受に設けたものがある。仕切板内部には中間圧空間が設けられる。低段圧縮機構部から吐出される中間圧の作動流体の脈動を抑えるために、中間圧空間は大きく確保したい。そのためには、仕切板の厚さを増すことが考えられる。しかし、単に仕切板の厚さを増すと、低段側および高段側の両軸受間の距離が増大し、回転軸の撓みが生じやすくなる。
また、仕切板における回転軸を挿通する貫通孔の内径を小さくする等により、ローラ端面と仕切板とのシール面積を増やすことが考えられる。前記シール面積の確保により、圧縮室の気密性を向上させることで、多段回転式圧縮機の効率の向上が図られる。しかし、前記シール面積を確保するためには、回転軸偏心部およびローラ等の寸法関係を見直す必要がある。
また、中間圧空間に吐出された作動流体が、マフラ空間を経由してケース内部に吐出される例もある。この場合、高温・高圧となった圧縮流体が、十分冷却されることなく、ケース内部に吐出されることがある。すると、電動モータの過熱を招き、モータ効率の低下や磁石の減磁等につながる虞がある。
特許第6176782号公報
本発明が解決しようとする課題は、仕切板に形成される中間圧空間を確保し、ローラ端面のシール面積を確保し、吐出流体の冷却性を高めることができる多段回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置を提供することである。
実施形態の多段回転式圧縮機は、ケースの内部に回転軸と、回転軸の軸方向一端側に設けられる駆動要素と、回転軸の軸方向他端側に設けられる圧縮要素と、を持つ。圧縮要素は、低圧の作動流体を中間圧に圧縮する低段圧縮機構部と、中間圧の作動流体を高圧に圧縮する高段圧縮機構部と、両圧縮機構部間を仕切る仕切板と、を持つ。各圧縮機構部の仕切板と反対側には、それぞれ第一軸受および第二軸受を持つ。仕切板には、低段圧縮機構部にて圧縮された中間圧の作動流体が吐出される中間圧空間が設けられる。仕切板には、低段吐出孔および低段側吐出弁装置が設けられる。高段圧縮機構部側の第二軸受には、高段吐出孔および高段側吐出弁装置が設けられる。仕切板における低段弁座を形成する部位の厚みは、第二軸受における高段弁座を形成する部位の厚みよりも小さい。
実施形態の多段回転式圧縮機の断面図を含む、冷凍サイクル装置の概略構成図。 実施形態の多段回転式圧縮機の圧縮要素の断面図。 図2のIII-III断面図。 実施形態の多段回転式圧縮機の回転軸に低段側ローラを組み付ける手順を(a)~(d)の順に示す説明図。 図1の要部拡大図。
以下、実施形態の多段回転式圧縮機および冷凍サイクル装置を、図面を参照して説明する。
まず、冷凍サイクル装置について説明する。
図1は、実施形態の多段回転式圧縮機の断面図を含む、冷凍サイクル装置の概略構成図である。実施形態の冷凍サイクル装置1は、圧縮機本体11とアキュムレータ(気液分離器)12とを有して作動流体であるガス冷媒を圧縮する多段回転式圧縮機2と、圧縮機本体11の吐出部15に接続されて圧縮機本体11から吐出された高温高圧のガス冷媒を冷却する放熱器3と、放熱器3の下流側に接続されて冷媒を減圧する膨張装置(膨張弁)4と、膨張装置4とアキュムレータ12の導入部12aとの間に接続されて冷媒を蒸発させる蒸発器(吸熱器)5と、を有している。図中符号13は、圧縮機本体11の吐出部15からアキュムレータ12の導入部12aまで延びる導入通路を示す。
アキュムレータ12の導出部12bと圧縮機本体11の吸込部14とは、吸込管6により接続されている。アキュムレータ12で気液分離されたガス冷媒は、吸込管6を介して圧縮機本体11の後述する低段圧縮機構部37へ導かれる。
図1に示す冷凍サイクル装置1は、圧縮機本体11の低段圧縮機構部37で圧縮した中間圧のガス冷媒をインタークーラー7aに導く中間圧通路7を有している。中間圧通路7は、圧縮機本体11の低段圧縮機構部37で圧縮した中間圧のガス冷媒を、圧縮機本体11の高段圧縮機構部38に導く。中間圧通路7は、低段圧縮機構部37に連通する第二吐出部15aから、高段圧縮機構部38に連通する第二吸込部14aまで延びている。
冷凍サイクル装置1は、膨張装置4と蒸発器5との間に、第二アキュムレータ(気液分離器)8および第二膨張装置(膨張弁)9を有している。第二アキュムレータ8と圧縮機本体11の高段圧縮機構部38の第二吸込部14aとの間には、第二アキュムレータ8で気液分離されたガス冷媒を高段圧縮機構部38に導くバイパス通路8aが設けられている。なお、図1のバイパス通路8aは、中間圧通路7の途中に合流している。
第二アキュムレータ8で気液分離されたガス冷媒の圧力は、圧縮機本体11の低段圧縮機構部37で圧縮したガス冷媒の中間圧と同等とされる。なお、中間圧通路7、バイパス通路8a、第二アキュムレータ8および第二膨張装置9を無くした構成としてもよい。
多段回転式圧縮機2は、いわゆるロータリ式の圧縮機である。多段回転式圧縮機2は、内部に取り込まれた低圧の気体冷媒を二段階で圧縮して高温・高圧の気体冷媒とする。多段回転式圧縮機2の具体的な構成については後述する。
作動流体である冷媒は、気体冷媒と液体冷媒とに相変化しながら冷凍サイクル装置1内を循環する。冷媒は、液体冷媒から気体冷媒に相変化する過程で吸熱する。この吸熱を利用して冷凍や冷蔵などが行われる。例えば、冷媒は、R410AやR32等のHFC系冷媒、R1234yfやR1234ze等のHFO系冷媒、CO2等の自然冷媒等、を用いることが可能である。
放熱器3は、多段回転式圧縮機2から送り込まれる高温・高圧の気体冷媒から熱を放熱させる。
膨張装置4は、放熱器3から送り込まれる高圧の冷媒の圧力を下げ、低温・低圧の液体冷媒にする。
蒸発器5は、膨張装置4から送り込まれる低温・低圧の液体冷媒を気化させ、低圧の気体冷媒にする。蒸発器5において、低圧の液体冷媒が気化する際に周囲から気化熱を奪い、周囲が冷却される。蒸発器5を通過した低圧の気体冷媒は、上述した多段回転式圧縮機2内に取り込まれる。
冷凍サイクル装置1では、第二アキュムレータ8で気液分離した中間圧のガス冷媒を、バイパス通路8aを介して圧縮機本体11の高段圧縮機構部38内に導く。これにより、圧縮機本体11の圧縮性能を高めている。
次に、多段回転式圧縮機2について説明する。
図1に示すように、実施形態の多段回転式圧縮機2は、圧縮機本体11と、アキュムレータ12と、を備えている。
アキュムレータ12は、いわゆる気液分離器である。アキュムレータ12は、上述した蒸発器5と圧縮機本体11との間に設けられている。アキュムレータ12は、吸込管6を通して圧縮機本体11に接続されている。アキュムレータ12は、蒸発器5で気化された気体冷媒、および蒸発器5で気化されなかった液体冷媒のうち、気体冷媒のみを圧縮機本体11に供給する。
圧縮機本体11は、回転軸31と、電動モータ(駆動要素)32と、圧縮要素33と、これら回転軸31、電動モータ32および圧縮要素33を収納する密閉ケース34と、を備えている。圧縮機本体11は、回転軸31および密閉ケース34の軸方向を上下方向として配置されている。回転軸31は、回転中心軸線Cを密閉ケース34の中心軸線と一致させている。なお、以下の説明では、回転軸31および密閉ケース34の中心軸線Cに沿う方向を単に軸方向と称し、軸方向に直交する方向を径方向と称し、軸線C回りの方向を周方向と称する。
密閉ケース34は、円筒体の軸方向の両端部が閉塞されて密閉容器を形成している。密閉ケース34内には、上部側に電動モータ32が収容され、下部側に圧縮要素33が収容されている。これらの電動モータ32と圧縮要素33とは、回転軸31を介して連結されている。密閉ケース34内において、回転軸31の一端側に電動モータ32が設けられ、回転軸31の他端側に圧縮要素33が設けられている。密閉ケース34内において、電動モータ32と圧縮要素33との間には、密閉ケース34の内壁面に固定された環状のフレーム34aが設けられている。
密閉ケース34の底部内には、圧縮要素33を潤滑するための潤滑油Jが貯留されている。密閉ケース34の底部は、潤滑油Jを貯留した潤滑油貯留部34bを構成している。潤滑油J内には、圧縮要素33の一部が浸漬されている。密閉ケース34内において、高段圧縮機構部38で圧縮された高圧のガス冷媒は、密閉ケース34内の空間に吐出される。
電動モータ32は、いわゆるインナーロータ型のDCブラシレスモータである。電動モータ32は、固定子35と回転子36とを備えた電動機である。固定子35は、密閉ケース34の上部の内壁面に固定されている。回転子36は、固定子35の内側に径方向の間隔を空けた状態で配置され、回転軸31の上部に固定されている。
図2は、多段回転式圧縮機2の圧縮要素33の断面図である。図3は、図2のIII-III断面図である。
図2、図3に示すように、圧縮要素33は、複数のシリンダ37a,38aを有する多気筒の圧縮要素である。例えば、圧縮要素33は、軸方向に並ぶ一対(複数)のシリンダ37a,38aを有する二気筒(多気筒)の圧縮要素である。実施形態の圧縮要素33は、軸方向上側(電動モータ32側)に位置する低段圧縮機構部37と、軸方向下側(電動モータ32と反対側)に位置する高段圧縮機構部38と、これら低段圧縮機構部37および高段圧縮機構部38の間を上下方向(軸方向)で仕切る仕切板39と、を備えている。低段圧縮機構部37は、アキュムレータ12から吸入した低圧の作動流体を中間圧に圧縮(昇圧)する。高段圧縮機構部38は、低段圧縮機構部37で圧縮した中間圧の作動流体を高圧に圧縮(昇圧)する。
低段圧縮機構部37は、回転軸31と軸方向を平行にして設けられて回転軸31を上下方向で貫通させる低段側シリンダ37aを備えている。低段側シリンダ37aは、回転軸31の回転中心軸線Cと中心軸線を一致させる円形の低段側シリンダ孔37bを形成している。低段圧縮機構部37は、低段側シリンダ37aの上側(軸方向で仕切板39と反対側)に、低段側シリンダ孔37bの上端開口を閉塞するとともに回転軸31の上側の第一主軸31aを回転可能に支持する第一軸受41を備えている。
高段圧縮機構部38は、回転軸31と軸方向を平行にして設けられて回転軸31を上下方向で貫通させる高段側シリンダ38aを備えている。高段側シリンダ38aは、回転軸31の回転中心軸線Cと中心軸線を一致させる円形の高段側シリンダ孔38bを形成している。すなわち、高段側シリンダ孔38bと低段側シリンダ孔37bとは、互いに同軸に配置され、かつ回転軸31と同軸に配置されている。高段圧縮機構部38は、高段側シリンダ38aの下側(軸方向で仕切板39と反対側)に、高段側シリンダ孔38bの下端開口を閉塞するとともに回転軸31の下側の第三主軸31eを回転可能に支持する第二軸受42を備えている。
低段側シリンダ37aの外周部は、フレーム34aの下面に当接した状態で、下方から挿通したボルトB1によりフレーム34aに締結固定されている。フレーム34aの内周側には、第一軸受41が配置されている。第一軸受41は、低段側シリンダ37aの上面に当接した状態で、上方から挿通したボルトB2により低段側シリンダ37aに締結固定されている。ボルトB2は、低段側シリンダ37aを貫通して下方に延び、さらに仕切板39および高段側シリンダ38aを貫通した後、第二軸受42のネジ孔に螺入されて締め込まれる。これにより、第一軸受41、低段側シリンダ37a、仕切板39、高段側シリンダ38aおよび第二軸受42が積層状態で一体的に締結されるとともに、これらの積層体がフレーム34aに固定される。フレーム34aひいては密閉ケース34に固定した第一軸受41および第二軸受42によって、回転軸31が回転可能に支持されている。
低段側シリンダ37aは、低段側シリンダ孔37bの上端開口が第一軸受41により閉塞され、低段側シリンダ孔37bの下端開口が仕切板39により閉塞されている。低段側シリンダ37a、第一軸受41および仕切板39に区画された空間は、低段側シリンダ室37cとされる。
高段側シリンダ38aは、高段側シリンダ孔38bの下端開口が第二軸受42により閉塞され、高段側シリンダ孔38bの上端開口が仕切板39により閉塞されている。高段側シリンダ38a、第二軸受42および仕切板39に区画された空間は、高段側シリンダ室38cとされる。
低段側シリンダ37aと高段側シリンダ38aとは、仕切板39を間に挟んで軸方向で突き合わされている。仕切板39の具体的な構成については後述する。
回転軸31は、低段側シリンダ室37c内に位置する部位に、中心軸線Cに対して径方向一側に偏心した低段側偏心部31bを備えている。回転軸31は、高段側シリンダ室38c内に位置する部位に、中心軸線Cに対して径方向他側に偏心した高段側偏心部31dを備えている。
回転軸31は、中心軸線Cを中心に延びる主軸として、低段側偏心部31bの上方に延びる第一主軸31aと、低段側偏心部31bおよび高段側偏心部31dの間を延びる第二主軸31cと、高段側偏心部31dの下方に延びる第三主軸31eと、を備えている。第一主軸31aは、上方へ大きく延び、この第一主軸31aに電動モータ32の回転子36が固定されている。
各偏心部31b,31dは、互いに同径の円柱形をなしている。各偏心部31b,31dは、互いに周方向に180°の位相差をもって配置されている。各偏心部31b,31dは、中心軸線Cに対する偏心量を互いに同一にしている。
低段側偏心部31bには、円筒状の低段側ローラ45が回転可能に外挿されている。低段側偏心部31bおよび低段側ローラ45は、偏心部31bの中心軸線回りに回転する。
高段側偏心部31dには、円筒状の高段側ローラ46が回転可能に外挿されている。高段側偏心部31dおよび高段側ローラ46は、偏心部31dの中心軸線回りに回転する。
第一軸受41は、回転軸31の第一主軸31aを回転可能に支持する円筒状の筒部41aと、筒部41aの下端部の外周側に拡径形成されるフランジ部41bと、を備えている。第一軸受41には、上部側マフラ部材(第2のマフラ部材)43が例えば前記ボルトB2により固定されている。
第二軸受42は、回転軸31の第三主軸31eを回転可能に支持する円筒状の筒部42aと、筒部42aの上端部の外周側に拡径形成されるフランジ部42bと、を備えている。第二軸受42には、底部側マフラ部材(第1のマフラ部材)44が固定されている。
第一軸受41および第二軸受42における回転軸31との摺動部分の軸方向長さL1,L2の内、第一軸受41の摺動部分長さL1は、第二軸受42の摺動部分長さL2よりも長い。そのため、第一軸受41側の回転軸31の撓みを小さくすることができ、低段側偏心部31b及び低段側ローラ45の傾きを小さくすることができる。
低段圧縮機構部37の偏心部31bは、低段側シリンダ室37c内において、軸方向で第一軸受41側に片寄って配置されている。換言すれば、低段圧縮機構部37の偏心摺動部(偏心部31bとローラ45との摺動部分)の軸方向中央位置cp1は、低段圧縮機構部37の低段側シリンダ37aの軸方向中央位置cp2よりも、軸方向で第一軸受41に近い位置にある。これによっても、第一軸受41側の回転軸31の撓みを小さくすることができる。
低段圧縮機構部37は、低段側シリンダ室37cを吸込室16と圧縮室17とに二分するブレード(低段側ブレード)18を備えている。ブレード18は、低段側シリンダ37aに形成されたブレード溝18cに設けられ、シリンダ室37cに対して進退移動可能である。ブレード18は、ローラ45側の先端面(ローラ当接面)18aをローラ45の外周面に当接させた状態を維持する。このブレード18とローラ45とにより、シリンダ室37c内が吸込室16と圧縮室17とに区画される。
低段圧縮機構部37のブレード18は、例えば軸方向に重ねて設けられた複数(実施形態では上下一対)のブレード部材(低段側ブレード部材)19a,19bから構成されている。以下、上下ブレード部材19a,19bを単にブレード部材19と称することがある。
ブレード18(ブレード部材19)は、シリンダ室37cの径方向(進退方向)で先端面18aと反対側の背面18bにケース内圧を受けることでのみ、ローラ45に向けて付勢される。ブレード18の背面18b側には、バネ等の付勢部材は設けられていない。ブレード18の先端面18aは、軸方向から見て例えば円弧状をなしている。ブレード18の先端面18aには、DLCコーティング等の表面硬化処理が施されている。ブレード18の背面18bは、軸方向から見て例えば進退方向と直交する平坦状をなしている。図中符号34cは密閉ケース34内に連通してケース内圧が作用するケース内連通部を示す。
ブレード溝18c内には、ブレード18(一対のブレード部材19a,19b)がスライド可能に保持されている。一対のブレード部材19a,19bは、ブレード溝18cに対して、径方向に沿って個々にスライド移動(進退移動)可能である。
ブレード18は、密閉ケース34内の高圧のガス冷媒の圧力(ケース内圧)によって、径方向内側に向けて(ローラ45に向けて)付勢される。これにより、ブレード18は、偏心回転するローラ45の外周面に当接した状態を維持する。
低段圧縮機構部37は、ローラ45の偏心回転動作およびブレード18の進退動作により、低圧側シリンダ室37c内で圧縮動作を行う。
低段側シリンダ37aの周方向の一部には、低段側シリンダ37aを径方向に貫通する吸込孔18dが形成されている。吸込孔18dは、ローラ45の偏心回転方向(図3中矢印F方向、回転軸31の回転方向でもある)でブレード溝18cよりも下流側(図3におけるブレード溝18cよりも左側)に位置している。吸込孔18dの径方向外側には、アキュムレータ12から延びる吸込管6が接続されている。
なお、高段圧縮機構部38について図3同様の図示は略すが、図2を参照し、高段圧縮機構部38も低段圧縮機構部37と同様に、シリンダ室38cを吸込室16と圧縮室17とに二分するブレード(高段側ブレード)21を備えている。高段圧縮機構部38のブレード21は、1個のブレード部材(高段側ブレード部材)22で構成されている。図中符号21aはブレード21の先端面、符号21bはブレード21の背面をそれぞれ示す。
ブレード部材22は、背面21bにケース内圧を受けることで、ローラ46に向けて付勢されるとともに、背面21b側に縮設した付勢バネ23(例えばコイルスプリング)によっても、ローラ46に向けて付勢されている。高段圧縮機構部38は、ブレード部材22を付勢する付勢バネ23を備えることで、多段回転式圧縮機2の起動時等でケース内圧が低い状態でも、ブレード部材22をローラ46に向けて付勢し、吸入した冷媒を圧縮、昇圧することが可能である。
各圧縮機構部37,38では、ローラ45,46の偏心回転によって、吸込室16に気体冷媒を吸い込む吸込動作と、圧縮室17で気体冷媒を圧縮する圧縮動作と、が行われる。
低段圧縮機構部37では、吸込動作によりアキュムレータ12から低圧のガス冷媒が吸い込まれる。低段圧縮機構部37では、吸い込んだガス冷媒を圧縮動作により圧縮して中間圧に昇圧する。低段圧縮機構部37で昇圧したガス冷媒は、仕切板39に設けた吐出孔47aを通じて、仕切板39の中間圧室39c内に吐出される。
高段圧縮機構部38では、吸込動作により中間圧室39cから中間圧のガス冷媒が吸い込まれる。高段圧縮機構部38では、吸い込んだガス冷媒を圧縮動作によりさらに圧縮して高圧に昇圧する。高段圧縮機構部38で昇圧したガス冷媒は、第二軸受42のフランジ部42bに設けた吐出孔49aを通じて、シリンダ室38cの外部(底部側マフラ室44a内)に吐出される。
仕切板39は、軸線C中心の環状に形成されている。仕切板39は、各偏心部31b,31dを含む回転軸31を挿通可能な内径を有している。仕切板39の内径は、少なくとも回転軸31の各偏心部31b,31dのうちの一方の外径より大きくする必要がある。このため、仕切板39内の中間圧空間39cは内周側に拡大し難く、より外周側に拡大形成される。
仕切板39は、軸方向で複数(実施形態では上下一対)の仕切板部材39a,39bに分割されている。各仕切板部材39a,39bは、他方側が凹んだ凹状の断面形状を有して環状に延びている。各仕切板部材39a,39bは、凹状の断面形状の開放側を他方側に向けた状態で、互いに連結されている。これにより、仕切板39の内部には、中間圧空間(中間圧室)39cが形成されている。仕切板39を分割することで中間圧空間39cを形成しやすく、かつ仕切板39に低段側吐出弁装置47を設置しやすくなる。各仕切板部材39a,39bの内、低段側に位置するものを低段側仕切板部材39a、高段側に位置するものを高段側仕切板部材39b、ということがある。
仕切板39に中間圧空間39cを設けることで、中間圧空間39cの容積が確保される。これにより、低段圧縮機構部37からのガス冷媒の吐出脈動や高段圧縮機構部38へのガス冷媒の吸込脈動が抑制される。
低段側仕切板部材39aには、低段圧縮機構部37で圧縮された中間圧のガス冷媒を中間圧空間39c内に吐出させる低段側吐出弁装置47が設けられている。
低段圧縮機構部37から中間圧空間39c内に吐出された中間圧のガス冷媒は、中間圧通路7を介して高段圧縮機構部38に連通する第二吸込部14aに導かれる。中間圧通路7を介して高段圧縮機構部38に導かれる中間圧のガス冷媒は、途中でインタークーラー7aにて冷却される。したがって、高段圧縮機構部38には、冷却された中間圧のガス冷媒が導かれる。また、第二アキュムレータ8で気液分離された中間圧のガス冷媒が、中間圧通路7の途中に合流しているバイパス通路8aを介して導かれる。第二吸込部14aに導かれた中間圧のガス冷媒は、高段圧縮機構部38で圧縮される。
多段回転式圧縮機2では、低段圧縮機構部37において圧縮したガス冷媒が所定の中間圧になると、低段側仕切板部材39aの低段側吐出弁装置47が開弁する。仕切板39の低段側吐出弁装置47が開弁すると、中間圧のガス冷媒が中間圧空間39c内に吐出される。このガス冷媒は、高段圧縮機構部38のシリンダ室38c内に導かれる。その後、高段圧縮機構部38の圧縮動作により、中間圧のガス冷媒が高圧のガス冷媒に圧縮される。
第二軸受42のフランジ部42bには、高段圧縮機構部38で圧縮された高圧のガス冷媒をシリンダ室38c外に吐出させる高段側吐出弁装置49が設けられている。
多段回転式圧縮機2では、高段圧縮機構部38において圧縮したガス冷媒が所定の高圧になると、第二軸受42の高段側吐出弁装置49が開弁する。高段側吐出弁装置49が開弁すると、高圧のガス冷媒がシリンダ室38c外に吐出される。このガス冷媒は、底部側マフラ部材44内の空間(底部側マフラ室44a)内に吐出された後、密閉ケース34内に適宜吐出される。
具体的に、底部側マフラ室44a内に吐出された高圧のガス冷媒は、圧縮要素33内の吐出通路33aを通過し、上部側マフラ部材43内の空間(上部側マフラ室43a)内に至る。例えば、吐出通路33aは、第二軸受42、低段側シリンダ37a、仕切板39、高段側シリンダ38aおよび第一軸受41の外周側を軸方向に貫通して形成されている。上部側マフラ室43aに至ったガス冷媒は、上部側マフラ部材43に適宜設けた吐出孔より密閉ケース34内に吐出される。
底部側マフラ部材44は、第二軸受42を下方から覆う容器形状をなしている。底部側マフラ部材44の下壁には、中央部に回転軸31の下端を下方(マフラ外)に露出させる下端連通孔が形成されている。下端連通孔を通じて、回転軸31内のオイル供給路に潤滑油Jが吸入される。
上部側マフラ部材43は、第一軸受41を上方から覆う容器形状をなしている。上部側マフラ部材43の上壁部には、中央部に回転軸31を挿通する軸挿通孔が形成されるとともに、軸挿通孔の周囲に上部側マフラ部材43の内外を連通する上端連通孔が形成されている。上部側マフラ室43aに流入する高温・高圧の気体冷媒は、上端連通孔を通して密閉ケース34内に吐出される。
上部側マフラ室43aは、低段側の第一軸受41の周囲に形成されている。上部側マフラ室43aの下端内壁面は、低段側シリンダ室37cの上端を閉塞する第一軸受41のフランジ部41bが形成している。
底部側マフラ室44aは、高段側の第二軸受42の周囲に形成されている。底部側マフラ部材44が潤滑油貯留部34bの潤滑油J内に浸漬される範囲において、底部側マフラ室44aの内壁面は、底部側マフラ部材44が形成している。
実施形態では、底部側マフラ部材44における底部側マフラ室44a内と潤滑油貯留部34bとを隔する部分の厚みが、第一軸受41における上部側マフラ室43a内と低段圧縮機構部37の吸込室16とを隔する部分(フランジ部41b)の厚みより小さい構成とした。
この構成では、底部側マフラ室44aの区画部分の厚みを、上部側マフラ室43aの区画部分の厚みより薄くした。これにより、底部側マフラ室44aから潤滑油Jへの放熱量をより大きくし、作動流体の冷却性を高めることができる。また、上部側マフラ室43aから低段圧縮機構部37の吸込室16への放熱量をより小さくし、吸込過熱による効率および信頼性への影響をより一層抑制することができる。したがって、高効率で信頼性の高い多段回転式圧縮機2を提供することができる。
実施形態では、底部側マフラ室44a内と潤滑油貯留部34bとを隔する部分(底部側マフラ部材44)の外壁面の表面積が、上部側マフラ室43a内と低段圧縮機構部37の吸込室16とを隔する部分(フランジ部41b)の外壁面の表面積より大きい構成としてもよい。これによっても、上記効果を得ることができる。
実施形態では、底部側マフラ室44a内と潤滑油貯留部34bとを隔する部分(底部側マフラ部材44)の熱伝導率が、上部側マフラ室43a内と低段圧縮機構部37の吸込室16とを隔する部分(フランジ部41b)の熱伝導率より大きい構成としてもよい。例えば、底部側マフラ部材44は銅合金で形成され、第二軸受42は鋳鉄で形成されている。これによっても、上記効果を得ることができる。
回転軸31の下端部は、底部側マフラ部材44とともに、密閉ケース34の底部に貯留された潤滑油J内に浸漬されている。
回転軸31には、圧縮要素33における各摺動部分に潤滑油Jを供給するためのオイル供給路が形成されている。圧縮要素33の摺動部分とは、各偏心部31b,31dと各ローラ45,46との間や、回転軸31と各軸受41,42との間、各ローラ45,46と各ブレード18,21との間、等である。
回転軸31は、オイル供給路として、軸線Cと同軸に延びる軸方向流路95と、軸方向流路95から径方向に延びる第一径方向流路96および第二径方向流路97と、を備えている。
軸方向流路95は、下端部が回転軸31の下端で下方に開放している。軸方向流路95は、上端部が低段側シリンダ37aよりも上方の第一主軸31a内で終端している。軸方向流路95には、密閉ケース34内の潤滑油Jが流入可能である。
第一径方向流路96は、回転軸31における第一主軸31aと低段側偏心部31bとの接続部分に形成されている。第一径方向流路96における径方向の内側端部は、軸方向流路95内に開放している。第一径方向流路96における径方向の外側端部は、回転軸31の外周面上(図では周方向に延びる油溝内)で径方向外側に開放している。
第二径方向流路97は、回転軸31における第三主軸31eと高段側偏心部31dとの接続部分に形成されている。第二径方向流路97における径方向の内側端部は、軸方向流路95内に開放している。第二径方向流路97における径方向の外側端部は、回転軸31の外周面上(図では周方向に延びる油溝内)で径方向外側に開放している。
圧縮要素33の駆動によりケース内圧が上昇すると、回転軸31の下端部から軸方向流路95内に潤滑油Jが押し上げられる。この潤滑油Jは、回転軸31の回転による遠心力により軸方向流路95から各径方向流路96,97に分配される。各径方向流路96,97に至った潤滑油Jは、回転軸31の外周面上で流出し、圧縮要素33の摺動部分に適宜供給される。
例えば、第一径方向流路96から流出した潤滑油Jは、第一軸受41や低段圧縮機構部37等に供給される。第二径方向流路97から流出した潤滑油Jは、高段圧縮機構部38、第三主軸31eおよび第二軸受42等に供給される。各摺動部分に供給された潤滑油Jは、密閉ケース34の底部に流下して戻り、圧縮要素33の摺動部分へ再度供給される。
実施形態では、前記密閉ケース34の内部に前記高段圧縮機構部38から作動流体が吐出されるとともに、前記密閉ケース34の底部に潤滑油Jが貯留される。密閉ケース34内の潤滑油Jは、第一径方向流路96から前記低段圧縮機構部37の低段側ローラ45内周側に導かれ、ローラ端面シール部45aを経由して前記低段側シリンダ室37c内に供給される。前記低段圧縮機構部37における前記低段側シリンダ37aと前記低段側ローラ45との軸方向の寸法差は、前記高段圧縮機構部38における前記高段側シリンダ38aと前記高段側ローラ46との軸方向の寸法差より小さい。
この構成では、差圧が大きい低段圧縮機構部37のローラ端面シール部45aにおいて、ローラ45の端面と仕切板39及び第一軸受41間の隙間が小さくなり、潤滑油Jが過剰に低段側シリンダ室37c内に流入することを防ぐことができる。
また、各シリンダ37a,38aおよび各ローラ45,46間の軸方向の寸法差を上記設定とするので、差圧が大きい低段圧縮機構部37のローラ端面シール部45aでのシール性を高める一方、差圧が小さい高段圧縮機構部38のローラ端面シール部46aにおいては、高段側シリンダ室38c内への潤滑油Jの供給量が不足するリスクを軽減し、高段側の摺動損失の低減を図ることができる。
次に、多段回転式圧縮機2の作用について説明する。
多段回転式圧縮機2の起動時、電動モータ32の固定子35に電力が供給されると、回転子36とともに回転軸31が軸線C回りに回転する。回転軸31が回転すると、両圧縮機構部37,38の各偏心部31b,31dおよび各ローラ45,46が、各シリンダ室37c,38c内で偏心回転する。
このとき、両圧縮機構部37,38のローラ45,46は、シリンダ室37c,38cの内周面に油膜を介して転接するが、ブレード18,21については以下の通りである。つまり、高段圧縮機構部38のブレード21においては、付勢バネ23の付勢力によりローラ46に摺接する。低段圧縮機構部37のブレード18においては、ケース内圧が低圧のままではブレード溝18c内に没入したままとなる。したがって、多段回転式圧縮機2の起動時には、高段圧縮機構部38のシリンダ室38cのみが吸込側と圧縮側とに区画されてガス冷媒の圧縮を行う。
やがて、高段圧縮機構部38が吐出した高圧のガス冷媒で密閉ケース34内が満たされると、ケース内圧によって低段圧縮機構部37のブレード18がローラ45側に付勢されてローラ45に摺接し始める。すると、低段圧縮機構部37のシリンダ室37cでも吸込側と圧縮側とに区画されてガス冷媒の圧縮を開始する。
以降、アキュムレータ12において気液分離された低圧のガス冷媒は、吸込管6を経由して低段圧縮機構部37のシリンダ室37c内に導かれる。シリンダ室37c内に導かれた低圧のガス冷媒は、低段圧縮機構部37において圧縮されて所定の中間圧となる。ガス冷媒が所定の中間圧になると、仕切板39の低段側吐出弁装置47が開弁し、中間圧のガス冷媒を仕切板39の中間圧空間39c内に吐出する。
中間圧空間39cに吐出されたガス冷媒は、中間圧通路7及びバイパス通路8aを介して高段圧縮機構部38に吸入される。
高段圧縮機構部38に吸入されたガス冷媒は、中間圧から所定の高圧に昇圧される。ガス冷媒が所定の高圧になると、第二軸受42の高段側吐出弁装置49が開弁し、高圧のガス冷媒を第二マフラ室44a内に吐出する。第二マフラ室44a内に吐出されたガス冷媒は、吐出通路33aから第一マフラ室43a内に至った後、密閉ケース34内に適宜吐出される。
密閉ケース34内に吐出された高圧のガス冷媒は、放熱器3、膨張装置4、蒸発器5等を循環して、低圧のガス冷媒に戻る。低圧に戻ったガス冷媒は、再び低段圧縮機構部37のシリンダ室37c内に導かれ、上述の行程を繰り返す。
回転軸31の第一主軸31aと第三主軸31eと、相互に同一径を有している。以下、第一主軸31aと第三主軸31eを主軸31jと総称することがある。回転軸31に組み付けられる部品の内、第一軸受41および回転子36は、回転軸31に上端側から組み付けられる。回転軸31に組み付けられる部品の内、低段側ローラ45、仕切板39、高段側ローラ46および第二軸受42は、回転軸31に下端側から組み付けられる。
ここで、回転軸31に低段側ローラ45を組み付ける手順について図4を参照して説明する。以下、回転軸31の主軸31jの半径をRj、低段圧縮機構部37の偏心部31bの半径および偏心量をそれぞれR1およびE1、高段圧縮機構部38の偏心部31dの半径および偏心量をそれぞれR2およびE2で示す。
図4(a)を参照し、まず、低段側ローラ45を回転軸31の下端側から高段側偏心部31dまで軸方向移動させる。このとき、低段側ローラ45の内半径(低段側偏心部31bの半径R1に相当)は、高段側偏心部31dの半径R2以上である必要がある。すなわち、関係式「R1≧R2」を満たす必要がある。また、低段側ローラ45が第三主軸31eから高段側偏心部31dに軸方向移動するためには、高段側偏心部31dの半径R2は第三主軸31eの半径RJに偏心量E2を加えた値以上である必要がある。すなわち、関係式「R2≧Rj+E2」を満たす必要がある。
図4(b)、図4(c)を参照し、低段側ローラ45を高段側偏心部31dまで軸方向移動させた後、さらに低段側ローラ45を軸方向移動させて、第二主軸31cと軸方向位置をラップさせる。この状態で、低段側ローラ45を低段側偏心部31bの偏心方向に移動させて(図4(c))、低段側ローラ45を低段側偏心部31bと同軸に配置する。低段側ローラ45を低段側偏心部31bの偏心方向に移動させるために、第二主軸31cの軸方向長さ(両偏心部31b,31d間の間隔)は、低段側ローラ45の軸方向長さ以上である必要がある。
図4(d)を参照し、低段側ローラ45を低段側偏心部31bと同軸に配置した後、低段側ローラ45を軸方向移動させて、低段側偏心部31bに外挿する。低段側偏心部31bの偏心方向と反対側の外周部において、低段側偏心部31bの外周面と第二主軸31cの外周面とは概ね面一状に並ぶ。第二主軸31cの外周面(外周縁)は、軸方向から見て低段側偏心部31bの外周面(外周縁)の内側に収まる。低段側偏心部31bの外径は、低段側ローラ45の内径と実質同一である。これにより、低段側ローラ45を軸方向移動させて低段側偏心部31bに外挿可能である。
低段圧縮機構部37は、高段圧縮機構部38に比べて吸込む作動流体の圧力が低いため、吸込み容積(排除容積)を大きくする必要がある。したがって両偏心部31b,31dの偏心量E1,E2には、「E1>E2」の関係がある。そして、低段側ローラ45の内半径(低段側偏心部31bの半径)R1は、主軸31jの半径RJに偏心量E1を加えた値未満である必要がある。すなわち、関係式「R1<Rj+E1」を満たす必要がある。
以上から、実施形態では、下記関係式(1)~(4)が全て成り立つ。
E1>E2・・・(1)
R1<Rj+E1・・・(2)
R2≧Rj+E2・・・(3)
R1≧R2・・・(4)
このように構成することで、回転軸31の下端側の第三主軸31eの軸径や両偏心部31b,31d間の第二主軸31cの軸径を小さくすることなく、低段側ローラ45の組み付けを可能とすることができる。
図1、図2を参照し、実施形態では、低段圧縮機構部37は、圧縮要素33において電動モータ32側に配置されている。
この構成では、低段側偏心部31bに低段側ローラ45を組み付ける際、回転軸31における電動モータ32が連結されない側から低段側ローラ45を組み付けることができる。回転軸31の電動モータ32側は第一主軸31aが長いことから、回転軸31の電動モータ32と反対側から低段側ローラ45を組み付けることで、組立が容易で製造性の高い多段回転式圧縮機2を得ることができる。
低段側の分割仕切板(低段側仕切板部材39a)には、低段圧縮機構部37にて圧縮された中間圧の作動流体を中間圧空間39cに吐出する低段吐出孔47aが設けられている。低段吐出孔47aは、低段側仕切板部材39aの上壁部を軸方向に貫通している。低段側仕切板部材39aには、低段吐出孔47aを開閉する低段側吐出弁装置47が配設されている。
図5を併せて参照し、低段側吐出弁装置47は、低段吐出孔47aの周囲に形成される低段弁座47bと、低段吐出孔47aを開閉する低段弁材47cと、低段弁材47cの最大リフト量を規制する低段弁押さえ(リテーナ)47dと、を備えている。低段弁材47cは弾性板状のリード弁であり、軸方向で低段弁座47bに向けて付勢されている。低段側吐出弁装置47は、シリンダ室37c(圧縮室17)内の圧力上昇前は低段吐出孔47aを閉塞する。低段側吐出弁装置47は、シリンダ室37c(圧縮室17)内の圧力上昇に伴い低段吐出孔47aを開放し、シリンダ室37c外に冷媒を吐出する。
高段側の第二軸受42のフランジ部42bには、高段圧縮機構部38にて圧縮された作動流体を圧縮要素33外(密閉ケース34内)に吐出する高段吐出孔49aが設けられている。高段吐出孔49aは、フランジ部42bを軸方向に貫通している。フランジ部42bには、高段吐出孔49aを開閉する高段側吐出弁装置49が配設されている。
高段側吐出弁装置49は、高段吐出孔49aの周囲に形成される高段弁座49bと、高段弁座49bを開閉する高段弁材49cと、高段弁材49cの最大リフト量を規制する高段弁押さえ(リテーナ)49dと、を備えている。高段弁材49cは弾性板状のリード弁であり、軸方向で高段弁座49bに向けて付勢されている。高段側吐出弁装置49は、シリンダ室38c(圧縮室17)内の圧力上昇前は高段吐出孔49aを閉塞する。高段側吐出弁装置49は、シリンダ室38c(圧縮室17)内の圧力上昇に伴い高段吐出孔49aを開放し、シリンダ室38c外に冷媒を吐出する。
ここで、実施形態では、低段吐出孔47aから吐出される中間圧の冷媒の脈動を抑えるために、中間圧空間39cの拡大を図っている。中間圧空間39cを大きくするために、実施形態では以下の構成を採用した。
すなわち、実施形態では、低段側仕切板部材39aにおける低段弁座47bを形成する部位39dの軸方向(付勢方向)の厚みT1を、第二軸受42における高段弁座49bを形成する部位42dの軸方向(付勢方向)の厚みT2よりも小さくした。
このように、低段弁座47bを形成する部位39dの厚みT1を、高段弁座49bを形成する部位42dの厚みT2より小さくすることにより、仕切板39内に形成される中間圧空間39cの容量を拡大することが可能となる。このため、低段吐出孔47aから吐出される中間圧の冷媒の脈動を抑え、低段側の吐出流体の流路損失の低減を図ることができる。
一般に、低段側の吐出弁装置47の弁座47bに作用する圧力差は、高段側の吐出弁装置49の弁座49bに作用する圧力差より小さい。このため、低段側の弁座形成部位39dの厚みT1を小さくしても、弁座47b近傍の変形リスクは小さい。一方、高段側の吐出弁装置49の弁座49bに作用する圧力差は比較的大きいため、高段側の弁座形成部位42dの厚みT2は強度確保のため薄くすることが難しい。
また、低段圧縮機構部37から吐出される低段側の作動流体の容積は、高段圧縮機構部38から吐出される高段側の作動流体の容積より多い。このため、仕切板39内に形成される中間圧空間39cの容量は、できるだけ大きく確保することが好ましい。
実施形態の構成では、中間圧空間39cの断面積を拡大しつつ、高段弁座49bの周囲の変形を抑え、高性能で信頼性の高い多段回転式圧縮機2を提供することができる。
また、実施形態では、低段弁材47cが、高段弁材49cより小さい差圧で開弁する設定とした。
低段弁材47cが高段弁材49cより小さい圧力差で開弁することで、過圧縮損失の低減に有効な構成となり、多段回転式圧縮機2の更なる高効率化を図ることができる。
すなわち、作動流体の流量が多い低段側においては、吐出弁の開き遅れが過圧縮損失に及ぼす影響が大きい。しかも、吐出圧力が低い低段側では、吐出圧力に対し、開弁に要する差圧の比が大きいため、全体の損失に対する過圧縮損失の割合が大きくなりやすい。例えば、低段圧縮機構部37が作動流体を1Mpaから2Mpaに圧縮し、高段圧縮機構部38が作動流体を2Mpaから4Mpaに圧縮する構成において、各弁材47c,49cが目標圧+0.2Mpaの差圧で開弁する場合、低段圧縮機構部37の吐出圧力(2.2Mpa)に対し、開弁に要する差圧の割合は、高段圧縮機構部38に比べて大きい。
例えば、各弁材47c,49cの厚み、長さ、材質等を相互に異ならせることで、各弁材47c,49cの開弁差圧を変化させる。例えば、低段弁材47cの厚みを、高段弁材49cの厚みより薄くする。低段弁材47cの厚みを薄くすることにより、低段弁材47cのバネ剛性を容易に小さくし、開弁差圧を変化させる。閉弁時にかかる差圧が大きい高段弁材49cの厚みを確保することにより、弁割れリスクを低減し、信頼性の高い多段回転式圧縮機2とする。
また、低段吐出孔47aの直径をφD1、高段吐出孔49aの直径をφD2、低段弁材47cの最大リフト量をL1、高段弁材49cの最大リフト量をL2とすると、下記関係式(5),(6)が成り立つ。
φD1>φD2・・・(5)
L1≦L2・・・(6)
弁材のリフト量を規制するためのリテーナが設けられるような場合、低段側吐出弁装置47においては、吐出流体の流路損失低減のために最大リフト量を大きくすると、以下の課題がある。すなわち、中間圧空間39cを確保するために仕切板39の厚みを軸方向に拡大しなければならず、軸間距離の増大により回転軸31の撓みが増加する等、信頼性に影響することが考えられる。
実施形態では、最大リフト量を大きくすることなく、低段吐出孔47aの径のみを大きくすることにより、以下の効果がある。すなわち、仕切板の厚みを大きくすることなく、低段側吐出流体の流路損失を抑制できるので、高性能で信頼性の高い多段回転式圧縮機2を提供することができる。
また、低段吐出孔47aの中心軸線c1と回転軸31の中心軸線Cとの距離をS1、高段吐出孔49aの中心軸線c2と回転軸31の中心軸線Cとの距離をS2とすると、下記関係式(7)が成り立つ。
S1>S2・・・(7)
また、実施形態では、回転軸31の回転中心軸線Cに対する径方向で、仕切板39に形成される低段吐出孔47aの中心軸線c1は、第二軸受42に設けられる高段吐出孔49aの中心軸線c2より外周側にある構成とした。
低段吐出孔47aの中心を高段吐出孔49aの中心より外周側に位置させることにより、低段側の吐出をより損失なく行うことができる。
すなわち、環状の仕切板39において、外周側に拡大した中間圧空間39cの中心(中心軸線C)に近付けるように低段吐出孔47aを配置可能となるので、低段側の吐出の損失が抑えられる。このため、多段回転式圧縮機2の更なる高効率化を図ることができる。
図5を参照し、各シリンダ室37c,38c内に臨む各吐出孔47a,49aの内、低段吐出孔47aにのみ、開口部をシリンダ室37cに連通する吐出切欠部47a1が設けられている。
低段吐出孔47aは、高段吐出孔49aに比べて冷媒流量が大きく、加えて孔径が大きく、さらに孔位置もより外周側にある。このため、低段側シリンダ37aの内周部に吐出切欠部47a1を設けることにより、低段吐出孔47aが低段側シリンダ37aの内周部に塞がれることを防ぎ、低段側の吐出をより損失なく行うことができる。
その一方、流量が少ない高段側においては、吐出切欠部47a1による吐出流路損失の低減より、吐出切欠部47a1が無効容積となることによる損失の方が上回ることがある。そのため、実施形態では、高段側には吐出切欠部47a1を設けず、無効容積による損失増大を防ぎつつ、低段側では吐出流路損失を低減し、更なる高効率化を図っている。
また、実施形態では、第一軸受41および第二軸受42に支持される回転軸31の軸部の半径をRj、低段圧縮機構部37における偏心部31bの半径及び偏心量をそれぞれR1及びE1、高段圧縮機構部38における偏心部31dの半径及び偏心量をそれぞれR2及びE2とすると、少なくとも下記関係式(1)~(4)がすべて成り立つ構成とした。
E1>E2・・・(1)
R1<Rj+E1・・・(2)
R2≧Rj+E2・・・(3)
R1≧R2・・・(4)
この構成では、低段側偏心部31bに装着するローラ45を高段側から組み付け可能とした上で、回転軸31の軸径を確保する等により、多段回転式圧縮機2の性能向上を図ることができる。
すなわち、低段側の圧縮室17の容積を高段側の圧縮室17の容積より大きくする場合、関係式(1)のE1>E2とすることにより、シリンダ寸法の大きな変更を伴わずに容易に低段側および高段側の各圧縮室17の容積差を得ることができる。
また、低段圧縮機構部37においては、圧力が低いため軸負荷も小さく、低段側偏心部31bの半径R1は大きくする必要はない。むしろ、低段圧縮機構部37においては、ローラ45および偏心部31b間の摺動摩擦の低減とローラ端面のシール面積の確保とを図るため、半径R1は小さいことが望まれる。このため、関係式(2)のR1<Rj+E1を満たすことが望ましい。
しかし、単に関係式(2)を満たす場合、低段側偏心部31bにローラ45を組み付けるためには、回転軸31における第一軸受41および第二軸受42の各々に支持される軸部の一方の軸径を小さくするとともに、低段側および高段側の両偏心部31b,31d間の軸部の軸径も小さくする必要がある。この場合、回転軸31がたわみやすくなり、信頼性や性能の低下を招くこととなる。
実施形態の構成では、関係式(1)のE1>E2とし、かつ関係式(3)のR2≧Rj+E2および関係式(4)のR1≧R2を満たすことにより、第一軸受41および第二軸受42の各々に支持される軸部の一方の軸径を小さくしたり、両偏心部31b,31d間の軸部の軸径を小さくすることなく、関係式(2)のR1<Rj+E1を満たすことが可能となる。このため、回転軸31のたわみを抑制しつつ、低段側の摺動損失の低減を図り、かつローラ端面における気密性の向上を図ることができる。したがって、高性能で信頼性の高い多段回転式圧縮機2を得ることができる。
また、実施形態では、高段圧縮機構部38から吐出される作動流体は、前記潤滑油貯留部34bと接する第1の部品(底部側マフラ部材44)が内壁面を形成する第1のマフラ室44aに流入後、前記低段圧縮機構部37の吸込室16と接する第二軸受42のフランジ部42bが内壁面を形成する第2のマフラ室43aを経由して、ケース内部に吐出される構成とした。
この構成では、高温となる高段圧縮機構部38から吐出される作動流体は、まず第1のマフラ室44aにて内壁面を通じて潤滑油Jに放熱され冷却される。その後、作動流体は、第2のマフラ室43aにて内壁面を通じて最も低温である低段圧縮機構部37の吸込室16に放熱されて更に冷却される。その後、作動流体は、第2のマフラ室43aからケース内部に吐出される。従って、電動モータ32の過熱による効率低下や磁石の減磁、さらにはインシュレータの溶解等のリスクを軽減することができる。また、作動流体が先に潤滑油Jに放熱することで、低段圧縮機構部37の吸込室16に放熱される熱量が低減され、吸込過熱による効率および信頼性の悪化も抑制することができる。従って、高効率で信頼性の高い多段回転式圧縮機2を提供することができる。
また、実施形態の冷凍サイクル装置1は、上記した多段回転式圧縮機2と、多段回転式圧縮機2の吐出部15に接続される放熱器3と、放熱器3の下流側に接続される膨張装置4と、膨張装置4の下流側と多段回転式圧縮機2の導入部12aとの間に接続される蒸発器5と、を備えている。
この構成では、冷凍サイクル装置1が上述した多段回転式圧縮機2を備えることで、以下の効果を奏する。すなわち、長期に渡って動作信頼性および圧縮性能の向上を図ることができる冷凍サイクル装置1を提供することができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、多段回転式圧縮機2が、低段圧縮機構部37および高段圧縮機構部38間を仕切る仕切板39に、低段圧縮機構部37にて圧縮された中間圧の作動流体が吐出される中間圧空間39cを形成し、仕切板39には、低段吐出孔47aおよび低段側吐出弁装置47を設け、高段圧縮機構部38側の第二軸受42には、高段吐出孔49aおよび高段側吐出弁装置49を設け、仕切板39における低段弁座47bを形成する部位の厚みT1を、第二軸受42における高段弁座49bを形成する部位の厚みT2よりも小さくすることにより、仕切板39内に形成される中間圧空間39cの容量を拡大して中間圧の作動流体の脈動を抑えることが可能な多段回転式圧縮機2および冷凍サイクル装置1を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…冷凍サイクル装置、2…多段回転式圧縮機、3…放熱器、4…膨張装置、5…吸熱器、16…吸込室、17…圧縮室、31…回転軸、C…中心軸線(回転中心)、Rj…主軸半径(半径)、R1,R2…偏心部半径(半径)、E1,E2…偏心量、32…電動モータ(駆動要素)、33…圧縮要素、34…密閉ケース(ケース)、34b…潤滑油貯留部、37…低段圧縮機構部、37a…低段側シリンダ(シリンダ)、37c…低段側シリンダ室(シリンダ室)、38…高段圧縮機構部、38a…高段側シリンダ(シリンダ)、38c…高段側シリンダ室(シリンダ室)、39…仕切板、39a…低段側仕切板部材(仕切板部材)、39b…高段側仕切板部材(仕切板部材)、39c…中間圧空間、41…第一軸受(第1の部品)、42…第二軸受、44…底部側マフラ部材(第1のマフラ部材)、44a…底部側マフラ室(第1のマフラ室)、45…低段側ローラ(ローラ)、45a…ローラ端面シール部、46…高段側ローラ(ローラ)、46a…ローラ端面シール部、47…低段側吐出弁装置、47a…低段吐出孔、c1…中心軸線(中心)、47b…低段弁座、47c…低段弁材、47d…底段弁座を形成する部位、T1…厚み、49…高段側吐出弁装置、49a…高段吐出孔、c2…中心軸線(中心)、49b…高段弁座、49c…高段弁材、49d…高段弁座を形成する部位、T2…厚み、潤滑油J

Claims (10)

  1. ケースの内部に、回転軸と、前記回転軸の軸方向一端側に設けられる駆動要素と、前記回転軸の軸方向他端側に設けられる圧縮要素と、が収容され、
    前記圧縮要素は、低圧の作動流体を中間圧に圧縮する低段圧縮機構部と、前記低段圧縮機構部で圧縮した中間圧の作動流体を高圧に圧縮する高段圧縮機構部と、前記低段圧縮機構部および高段圧縮機構部の間を仕切る仕切板と、を備え、
    前記低段圧縮機構部および高段圧縮機構部の前記仕切板と反対側には、それぞれ前記回転軸を軸支する第一軸受および第二軸受を備え、
    前記仕切板は、前記回転軸の軸方向で複数の仕切板部材を連結して形成され、
    前記複数の仕切板部材の間には、前記低段圧縮機構部にて圧縮された中間圧の作動流体が吐出される中間圧空間が設けられ、
    前記複数の仕切板部材の内、前記低段圧縮機構部側に位置する低段側仕切板部材には、前記低段圧縮機構部にて圧縮された中間圧の作動流体を前記中間圧空間に吐出させる低段吐出孔が形成されるとともに、前記低段吐出孔を開閉する低段側吐出弁装置が設けられ、
    前記高段圧縮機構部側に位置する第二軸受には、前記高段圧縮機構部にて圧縮された作動流体を吐出させる高段吐出孔が形成されるとともに、前記高段吐出孔を開閉する高段側吐出弁装置が設けられる多段圧縮機において、
    前記低段側吐出弁装置は、前記低段吐出孔の周囲に形成される低段弁座と、前記低段弁座に付勢力を伴い当接する低段弁材と、を備え、
    前記高段側吐出弁装置は、前記高段吐出孔の周囲に形成される高段弁座と、前記高段弁座に付勢力を伴い当接する高段弁材と、を備え、
    前記低段側仕切板部材における前記低段弁座を形成する部位の厚みは、前記第二軸受における前記高段弁座を形成する部位の厚みよりも小さい、多段回転式圧縮機。
  2. 前記回転軸の回転中心に対する径方向で、前記低段側仕切板部材に形成される前記低段吐出孔の中心は、前記第二軸受に設けられる前記高段吐出孔の中心より外周側にある、請求項1に記載の多段回転式圧縮機。
  3. 前記低段側吐出弁装置の低段弁材は、前記高段側吐出弁装置の高段弁材より小さい圧力差で開弁する、請求項1又は2に記載の多段回転式圧縮機。
  4. 前記低段圧縮機構部および高段圧縮機構部の各々は、シリンダ室を形成するシリンダと、前記回転軸に有する偏心部に装着され、前記シリンダ室内において偏心回転可能なローラと、を備え、
    前記第一軸受および第二軸受に支持される前記回転軸の軸部の半径をRj、前記低段圧縮機構部における前記偏心部の半径及び偏心量をそれぞれR1及びE1、前記高段圧縮機構部における前記偏心部の半径及び偏心量をそれぞれR2及びE2とすると、下記関係式(1)~(4)がすべて成り立つ、請求項1に記載の多段回転式圧縮機。
    E1>E2・・・(1)
    R1<Rj+E1・・・(2)
    R2≧Rj+E2・・・(3)
    R1≧R2・・・(4)
  5. 前記ケースの内部に前記高段圧縮機構部で圧縮された作動流体が吐出されるとともに、前記ケースの底部に潤滑油が貯留され、
    前記ケース内の潤滑油は、前記低段圧縮機構部においてローラ端面シール部を経由して前記シリンダ室内に供給され、
    前記低段圧縮機構部における前記シリンダと前記ローラとの軸方向の寸法差は、前記高段圧縮機構部における前記シリンダと前記ローラとの軸方向の寸法差より小さい、請求項4に記載の多段回転式圧縮機。
  6. 前記低段圧縮機構部は、前記圧縮要素において前記駆動要素側に配置される、請求項4に記載の多段回転式圧縮機。
  7. 前記ケースの底部には、前記圧縮要素を潤滑する潤滑油が貯留される潤滑油貯留部を備え、
    前記高段圧縮機構部から吐出される作動流体は、前記潤滑油貯留部と接する第1のマフラ室に流入後、前記低段圧縮機構部の吸込室と接する第2のマフラ室を経由して、ケース内部に吐出される、請求項1に記載の多段回転式圧縮機。
  8. 前記第1のマフラ室を形成する第1のマフラ部材の厚みは、前記第2のマフラ室を形成する第2のマフラ部材の厚みより小さい、請求項7に記載の多段回転式圧縮機。
  9. 前記第1のマフラ室を形成する第1のマフラ部材の熱伝導率は、前記第2のマフラ室を形成する第2のマフラ部材の熱伝導率より大きい、請求項7に記載の多段回転式圧縮機。
  10. 請求項1から9の何れか一項に記載の多段回転式圧縮機と、前記多段回転式圧縮機の吐出部に接続される放熱器と、前記放熱器の下流側に接続される膨張装置と、前記膨張装置の下流側と前記多段回転式圧縮機の導入部との間に接続される吸熱器と、を備えている、冷凍サイクル装置。
JP2021541402A 2019-08-21 2019-08-21 多段回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置 Active JP7195446B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/032593 WO2021033283A1 (ja) 2019-08-21 2019-08-21 多段回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021033283A1 JPWO2021033283A1 (ja) 2021-02-25
JP7195446B2 true JP7195446B2 (ja) 2022-12-23

Family

ID=74660669

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021541402A Active JP7195446B2 (ja) 2019-08-21 2019-08-21 多段回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7195446B2 (ja)
CN (2) CN114174684B (ja)
WO (1) WO2021033283A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023181362A1 (ja) * 2022-03-25 2023-09-28 東芝キヤリア株式会社 ロータリー式圧縮機、および冷凍サイクル装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009162126A (ja) 2008-01-08 2009-07-23 Daikin Ind Ltd 圧縮機
JP2010223140A (ja) 2009-03-24 2010-10-07 Fujitsu General Ltd 2段圧縮ロータリ圧縮機
CN104279163A (zh) 2014-07-04 2015-01-14 广东美芝制冷设备有限公司 旋转式压缩机
JP6176782B2 (ja) 2013-08-23 2017-08-09 東芝キヤリア株式会社 多段圧縮機及び冷凍サイクル装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6022247B2 (ja) * 2011-09-29 2016-11-09 東芝キヤリア株式会社 密閉型圧縮機及び冷凍サイクル装置
CN202883380U (zh) * 2012-09-21 2013-04-17 合肥凌达压缩机有限公司 中间隔板吸气的双缸压缩机
JP6102172B2 (ja) * 2012-10-17 2017-03-29 ダイキン工業株式会社 回転式圧縮機
JP6335057B2 (ja) * 2014-07-22 2018-05-30 東芝キヤリア株式会社 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置
WO2017199733A1 (ja) * 2016-05-20 2017-11-23 東芝キヤリア株式会社 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009162126A (ja) 2008-01-08 2009-07-23 Daikin Ind Ltd 圧縮機
JP2010223140A (ja) 2009-03-24 2010-10-07 Fujitsu General Ltd 2段圧縮ロータリ圧縮機
JP6176782B2 (ja) 2013-08-23 2017-08-09 東芝キヤリア株式会社 多段圧縮機及び冷凍サイクル装置
CN104279163A (zh) 2014-07-04 2015-01-14 广东美芝制冷设备有限公司 旋转式压缩机

Also Published As

Publication number Publication date
CN114174684A (zh) 2022-03-11
WO2021033283A1 (ja) 2021-02-25
JPWO2021033283A1 (ja) 2021-02-25
CN114174684B (zh) 2023-05-05
CN116378957A (zh) 2023-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20140250937A1 (en) Hermetic-type compressor and refridgeration cycle apparatus
WO2005103496A1 (ja) 回転式流体機械
CN108457858B (zh) 旋转式压缩机以及制冷循环装置
JP7195446B2 (ja) 多段回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP2016023596A (ja) 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置
JP4989269B2 (ja) 流体機械および冷凍サイクル装置
WO2020161965A1 (ja) 回転式圧縮機、回転式圧縮機の製造方法及び冷凍サイクル装置
JP2017141802A (ja) 回転式圧縮機および冷凍サイクル装置
JP6758412B2 (ja) 回転式圧縮機および冷凍サイクル装置
JP6148993B2 (ja) 回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP6735662B2 (ja) 回転式圧縮機および冷凍サイクル装置
WO2023084722A1 (ja) 圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP7232914B2 (ja) 多段回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置
KR20190002681A (ko) 밀폐형 압축기 및 냉동 사이클 장치
JP6454177B2 (ja) 回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP6773890B2 (ja) 回転式圧縮機および冷凍サイクル装置
US10968911B2 (en) Oscillating piston-type compressor
JP7170547B2 (ja) 回転式圧縮機および冷凍サイクル装置
JP7186242B2 (ja) 回転式圧縮機および冷凍サイクル装置
JP2015001197A (ja) 回転式圧縮機
WO2023181362A1 (ja) ロータリー式圧縮機、および冷凍サイクル装置
US20240141895A1 (en) Screw compressor
JP6441119B2 (ja) 回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP6454236B2 (ja) 回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP2023120505A (ja) 多段回転式圧縮機および冷凍サイクル装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7195446

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150