JP6773890B2 - 回転式圧縮機および冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Description
本願は、2017年3月15日に、日本に出願された特願2017−050156号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
図1は、本実施形態の回転式圧縮機2の断面図を含む冷凍サイクル装置1の概略構成図である。
図1に示すように、冷凍サイクル装置1は、回転式圧縮機2と、回転式圧縮機2に接続された放熱器としての凝縮器3と、凝縮器3に接続された膨張装置4と、膨張装置4に接続された吸熱器としての蒸発器5とを備えている。
膨張装置4は、凝縮器3から送り込まれる高圧の液体冷媒の圧力を下げ、高圧の液体冷媒を低温・低圧の液体冷媒にする。
蒸発器5は、膨張装置4から送り込まれる低温・低圧の液体冷媒を気化させ、低圧の気体冷媒にする。そして、蒸発器5において、低圧の液体冷媒が気化する際に周囲から気化熱を奪うことで周囲が冷却される。なお、蒸発器5を通過した低圧の気体冷媒は、上述した回転式圧縮機2の内部に取り込まれる。
本実施形態の回転式圧縮機2は、圧縮機本体11と、アキュムレータ12とを備える。
アキュムレータ12は、いわゆる気液分離器である。アキュムレータ12は、上述した蒸発器5と圧縮機本体11との間に設けられている。アキュムレータ12は、吸い込みパイプ21を通じて圧縮機本体11の複数のシリンダ41,42に接続されている。アキュムレータ12は、蒸発器5で気化された気体冷媒を圧縮機本体11に供給する。
圧縮機構部33は、複数のシリンダ41,42と、仕切板43と、主軸受44と、副軸受45と、複数のローラ46,47と、主マフラ部材130と、副マフラ部材180とを備える。
ここで、第1シリンダ41の内部構成と第2シリンダ42の内部構成は、偏心部61,62およびローラ46,47の位相差に応じて異なる部分以外は、互いに略同じである。このため、ここでは第1シリンダ41の内部構成を代表して説明する。そして、第2シリンダ42において第1シリンダ41と同一の機能を有する構成には同一の符号を付して、その構成の説明を省略する。
図2に示すように、第1シリンダ41の内周面には、径方向Rの外側に向けて延びたベーン溝71が設けられている。このベーン溝71は、軸方向Zにおいて第1シリンダ41の全体に亘って形成されている。ベーン溝71には、径方向Rに沿ってスライド移動可能なベーン72が挿入されている。ベーン72は、図示しない付勢手段によって径方向Rの内側に向けて付勢され、その先端部が第1シリンダ室51内で第1ローラ46の外周面46aに当接している。これにより、ベーン72は、第1シリンダ室51の内部を、吸込室74と圧縮室75とに仕切っている。ベーン72は、第1ローラ46の偏心回転に伴って第1シリンダ室51内に進退する。これにより、第1シリンダ室51内に気体冷媒を吸い込む吸込動作および第1シリンダ室51内で気体冷媒を圧縮する圧縮動作が行われる。
吸込孔76は、第1シリンダ室51から径方向Rの外側に向けて第1シリンダ41を貫通している。吸込孔76の径方向Rの外側の端部には、上述した吸い込みパイプ21が接続されている。一方で、吸込孔76の径方向Rの内側の端部は、第1シリンダ室51の吸込室74に連通している。吸込孔76は、吸い込みパイプ21から送られた気体冷媒を第1シリンダ室51の吸込室74に流入させる。
ここで、第1偏心部61の内部構成と第2偏心部62の内部構成は、互いに略同じである。このため、ここでは第1偏心部61の内部構成を代表して説明する。
図3に示すように、給油通路80は、シャフト31に設けられた主通路81と、第1偏心部61に設けられた副通路82および連通路84とを有する。
最初に、主軸受44の構成について詳しく説明する。
図3に示すように、主軸受44は、軸受部100と、閉塞部110と、を有する。軸受部100および閉塞部110は、金属材料により一体的に形成される。主軸受44は、全体を鋳造した後に、一部に機械加工を施して形成される。そのため、主軸受44の外表面の大部分は鋳肌で形成される。
閉塞部110は、圧縮機構部33の第1シリンダ室51の+Z側(第3側)を閉塞する。閉塞部110は円盤状に形成される。閉塞部110は、軸受部100の−Z側の端部に連続する。閉塞部110については、より具体的な構成を後述する。
主マフラ部材130は、鋼板材料等により形成される。主マフラ部材130は、主軸受44の軸受部100の+R側に配置される。主マフラ部材130は、主軸受44との間に主マフラ室105を形成する。主マフラ部材130の−Z側の端部には、+R側に広がるフランジ部138が形成される。フランジ部138は、主軸受44の閉塞部110の+Z側の端面に固定される。主マフラ部材130は、+Z側に向かって先細るように漏斗状に形成される。主マフラ部材130の+Z側の端部には、内径が一定のまま軸方向Zに沿って伸びる整流部134が形成される。整流部134は、主軸受44の軸受部100と同軸状に配置される。整流部134は、圧縮ガスの流れを、環状で+Z側に向かうように整流する。整流部134の内周面は、主軸受44の軸受部100の外周面100aとの間に、環状の主マフラ室吐出口106を形成する。主マフラ室吐出口106は、整流部134の+Z側の端部に形成される。主マフラ室吐出口106は、圧縮ガスを主マフラ室105からケース34の内部に吐出する。
回転子37は、大内径部92と、圧縮ガス流路94と、を有する。
大内径部(カウンタボア)92は、−Z側の端面から一定の深さに形成される。大内径部92は、シャフト31の全周囲にわたってリング状に形成され、シャフト31が連結される部分よりも内径が大きくされている。大内径部92の内部には、主軸受44の軸受部100の径小部102が挿入される。これにより、回転子37と主軸受44とが軸方向Zにおいて重なる。したがって、回転式圧縮機2を軸方向Zにおいて小型化できる。なお、シャフト31の給油通路80に汲み上げられて圧縮機構部33の潤滑に利用されなかった潤滑油Jを、シャフト31の外周面から大内径部92の内部に吐出してもよい。
圧縮ガス流路94は、大内径部92の底面から回転子37の+Z側の端面にかけて、回転子37を貫通する。複数の圧縮ガス流路94が、周方向θに間隔を空けて形成される。
前述したように、第1シリンダ室51で圧縮された気体冷媒(圧縮ガス)は、主軸受吐出孔78から主マフラ室105に吐出される。主マフラ室105に吐出された圧縮ガスは、主マフラ室吐出口106からケース34の内部に吐出される。電動機部32は、回転子37に形成された圧縮ガス流路94など、電動機部32を軸方向Zに貫通する空間を有する。ケース34の内部における電動機部32の−Z側に吐出された圧縮ガスは、圧縮ガス流路94などの空間を通って、電動機部32の+Z側に流れる。電動機部32の+Z側に流れた圧縮ガスは、吐出管35(図1参照)から冷凍サイクル装置の構成機器に吐出される。
図1に示すように、シャフト31の+Z側の端部には、フランジディスク96が装着される。フランジディスク96は、シャフト31の全周囲において+R側に広がる。フランジディスク96は、圧縮ガス流路94の+Z側を覆うように配置される。圧縮ガス流路94から+Z側に吐出された圧縮ガスは、フランジディスク96に衝突する。フランジディスク96はシャフト31と共に回転しているので、圧縮ガスに含まれる潤滑油は、遠心力により+R方向に飛ばされる。このようにフランジディスク96でも、圧縮ガスから潤滑油が分離される。
ここで、主軸受44の閉塞部110の構成と副軸受45の閉塞部の構成は、互いに略同じである。このため、ここでは主軸受44の閉塞部110の構成を代表して説明する。
図4は、図3のF4−F4線における圧縮機構部33の断面図である。図5は、図4のF5−F5線における圧縮機構部33の断面図である。なお図4では、弁体120およびストッパ122の記載を省略している。
図5に示すように、主軸受吐出孔78の周囲では、底壁112の表面が反シリンダ室51側である+Z側(第3側)に突出して、弁座114が形成される。弁体固定部124では、底壁112の表面が弁座114と同等に+Z側に突出する。弁座114の周囲の第1領域115では、底壁112の表面が弁座114より低く形成される。図4に示すように、第1領域115は、弁座114の周囲から弁体固定部124の近くまで伸びる。これにより、弁体固定部124に固定された弁体120が、弁座114に確実に当接して、主軸受吐出孔78を閉塞する。
近時では、回転式圧縮機2の大容量化が望まれている。ただし、ケース34の共通化の要求もあって、各シリンダ室51,52を径方向Rに拡大するのは困難である。そこで、各シリンダ室51,52を軸方向Zに拡大して、回転式圧縮機2を大容量化している。大容量の回転式圧縮機2では、圧縮ガスの吐出量が多くなる。しかし、各シリンダ室51,52の径方向Rへの拡大は困難であるため、主軸受吐出孔78の開口面積の拡大には限界がある。そこで大容量の回転式圧縮機2は、仕切板吐出口を有し、圧縮ガスを仕切板に吐出する。
図1に示すように、第1仕切板140は、第1シリンダ41と第2シリンダ42との間に配置される。第1シリンダ室51にはシャフト31の第1偏心部61が配置され、第2シリンダ室52にはシャフト31の第2偏心部62が配置される。第1偏心部61および第2偏心部62は、周方向θに180°の位相差をもって配置される。そのため、シャフト31の回転により、シャフト31の第1偏心部61と第2偏心部62との間の部分(以下、中間部分と言う。)には、大きな曲げモーメントが作用する。第1仕切板140の高さを高くすると、シャフト31の中間部分が長くなる。そのため、回転時の曲げモーメントによってシャフト31の中間部分が曲がりやすくなり、シャフト31の信頼性が低下する。
ここでは、第1仕切板140と主軸受44の閉塞部110との関係について説明したが、第2仕切板160と副軸受45の閉塞部との関係についても同様である。
この構成によれば、L1がL2より小さいので、主マフラ室吐出口106から吐出された圧縮ガスの大部分が、回転子37の−Z側の端面に衝突する。これにより、圧縮ガスに含まれる潤滑油を分離できる。また、L2がL1より大きいので、軸受部100の多くの部分を大内径部92の内部に配置できる。したがって、回転式圧縮機2を軸方向Zにおいて小型化できる。
この構成によれば、S1がS2より小さいので、主マフラ室吐出口106からの圧縮ガスの吐出速度が速くなる。そのため、吐出された圧縮ガスの大部分が、回転子37の−Z側の端面に衝突する。これにより、圧縮ガスに含まれる潤滑油を分離できる。また、S2がS1より大きいので、圧縮ガス108に含まれる気体冷媒108bが、大内径部92に流入しやすくなる。これにより、圧縮ガスに含まれる潤滑油を分離できる。
この構成によれば、S1がS3より小さいので、主マフラ室吐出口106からの圧縮ガスの吐出速度が速くなる。そのため、吐出された圧縮ガスの大部分が、回転子37の−Z側の端面に衝突する。これにより、圧縮ガスに含まれる潤滑油を分離できる。
この構成によれば、第1領域115より−Z側に窪んだ第2領域117を有する。そのため、弁座114と弁体120との間から吐出された圧縮ガスの流通抵抗が小さくなる。これにより、図3に示す主マフラ室吐出口106から圧縮ガス108が高速で吐出される。そのため、吐出された圧縮ガスの大部分が、回転子37の−Z側の端面に衝突する。これにより、圧縮ガスに含まれる潤滑油を分離できる。
この構成によれば、冷凍サイクル装置1は、吐出される圧縮ガスへの潤滑油の混入を抑制できる回転式圧縮機2を有する。そのため、蒸発器および凝縮器などの効率低下を抑制できる。したがって、効率の高い冷凍サイクル装置を提供できる。また冷凍サイクル装置1は、圧縮機構部33における潤滑油Jの不足を防止できる回転式圧縮機2を有する。したがって、信頼性の高い冷凍サイクル装置を提供できる。
実施形態の回転式圧縮機2のシリンダの個数は、第1シリンダ41および第2シリンダ42の2個である。これに対してシリンダの個数は、1個でもよく、3個以上でもよい。
実施形態の圧縮機構部33は、ローラおよびブレードが別体に形成されたロータリ式の圧縮機を採用している。これに対して圧縮機構部33は、ローラおよびブレードが一体に形成されたスイング式の圧縮機を採用してもよい。
Claims (8)
- シャフトと、
前記シャフトの軸方向の第1側に配置され前記シャフトに固定される回転子と、前記回転子の外側に配置される固定子と、を有する電動機部と、
前記シャフトの軸方向における前記第1側とは反対の第2側に配置され、前記シャフトの回転によりガスを圧縮する圧縮機構部と、
前記圧縮機構部を構成する前記電動機部側の軸受部の外側に配置され、前記圧縮機構部で圧縮された圧縮ガスが吐出されるマフラ室を形成するとともに、内周面と前記軸受部の外周面間にマフラ室吐出口を形成するマフラ部材と、
前記シャフト、前記電動機部、前記圧縮機構部および前記マフラ部材を内部に収容するとともに、前記第1側に吐出管を有し底部に潤滑油を貯留したケースと、を備え、
前記回転子は、前記第2側の端面側に形成された大内径部と、前記大内径部の底面から前記第1側の端面にかけて貫通する圧縮ガス流路と、を有し、
前記マフラ室吐出口を形成する前記軸受部の外周面は、前記大内径部の内周面より、径方向の外側に配置され、
前記圧縮機構部は、ガスを圧縮するシリンダ室を閉塞する前記軸受部を有し、
前記軸受部は、吐出孔と、前記吐出孔を開閉する弁体と、前記吐出孔の周囲から前記シリンダ室の反対側に突出する弁座と、前記弁体と前記弁座との間から吐出された前記圧縮ガスを案内する傾斜面と、前記弁座の周囲の第1領域と前記傾斜面との間に設けられ前記第1領域より前記シリンダ室側に窪んだ第2領域と、を有する、
回転式圧縮機。 - 前記軸方向における前記マフラ室吐出口と前記回転子との距離をL1とし、前記軸方向における前記大内径部の深さをL2としたとき、L1<L2を満たす、
請求項1に記載の回転式圧縮機。 - 前記回転子の前記大内径部内に前記軸受部の一部が位置するように配置され、前記マフラ室吐出口の開口面積をS1とし、前記大内径部と前記軸受部間の通路面積をS2としたとき、S1<S2を満たす、
請求項1に記載の回転式圧縮機。 - 前記回転子の前記大内径部内に前記軸受部の一部が位置するように配置され、前記マフラ室吐出口の開口面積をS1とし、前記大内径部と前記軸受部間の通路面積をS2としたとき、S1<S2を満たす、
請求項2に記載の回転式圧縮機。 - 前記マフラ室吐出口の開口面積をS1とし、前記圧縮機構部の吐出孔の総開口面積をS3としたとき、S1<S3を満たす、
請求項1に記載の回転式圧縮機。 - 前記マフラ室吐出口の開口面積をS1とし、前記圧縮機構部の吐出孔の総開口面積をS3としたとき、S1<S3を満たす、
請求項3に記載の回転式圧縮機。 - 前記マフラ室吐出口の開口面積をS1とし、前記圧縮機構部の吐出孔の総開口面積をS3としたとき、S1<S3を満たす、
請求項4に記載の回転式圧縮機。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の回転式圧縮機と、
前記回転式圧縮機に接続された放熱器と、
前記放熱器に接続された膨張装置と、
前記膨張装置に接続された吸熱器と、を備える、
冷凍サイクル装置。
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