JP6732898B2 - 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、二つのシリンダ室を有する密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置に関する。
多気筒形の密閉型圧縮機は、密閉容器の内部で冷媒を圧縮する圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動する電動機部と、を主要な要素として備えている。圧縮機構部は、中間仕切り板で仕切られた二つのシリンダ室と、各シリンダ室に収容されたローラと、を有し、当該ローラがシリンダ室内で偏心回転することで、シリンダ室に吸い込まれたガス冷媒が圧縮される。圧縮されたガス冷媒は、吐出弁機構を介して密閉容器内に吐出される。
ところで、寒冷時の暖房等に用いられる密閉型圧縮機は、圧縮比が大きく、シリンダ室内で圧縮されたガス冷媒が異常温度まで上昇することがあり得る。ガス冷媒の温度が高くなり過ぎると、例えば圧縮機構部を潤滑する潤滑油の粘度が低下する等、密閉型圧縮機に熱的な悪影響が生じる。
この対策として、従来、シリンダ室内に液冷媒を注入することでガス冷媒を強制的に冷却する、所謂リキッドインジェクション方式を採用した密閉型圧縮機が知られている。この種の密閉型圧縮機は、中間仕切り板の内部に形成されたインジェクション通路を備えている。インジェクション通路は、中間仕切り板の外周面から中間仕切り板の中心部に向けて延びているとともに、中間仕切り板に設けたインジェクションポートを介してシリンダ室に連通されている。さらに、インジェクション通路は、中間仕切り板の外周面に開口された開口端を有し、当該開口端に液冷媒を導くインジェクション管が接続されている。
特開2016−37865号公報
二つのシリンダ室を有する従来の圧縮機構部によると、二つのシリンダ室内で偏心回転するローラは、回転軸上に設けられた二つの偏心部の外周面に嵌合されている。回転軸は、偏心部の間に跨る中間軸部を有するとともに、偏心部を間に挟んだ二箇所が軸受を介して圧縮機構部に支持されている。
この構成の場合、回転軸の中間軸部は、中間仕切り板を貫通しているにすぎず、中間軸部に対応する箇所に軸受が存在しない。そのため、二つのシリンダ室を有する密閉型圧縮機では、中間軸部が圧縮されたガス冷媒の圧力および高速で回転する回転軸の慣性力に打ち勝てるように、中間軸部の外径を最大限に太くすることが行なわれている。
中間軸部の外径を太くすると、中間軸部が貫通する中間仕切り板の貫通孔の直径を大きくせざるを得なくなる。この結果、ローラの端面と中間仕切り板との間のシール面積が減少し、ガス冷媒の圧縮性能の低下を招く要因となる。
この対策として、中間軸部のうち偏心部に連続する端部に部分的に切り欠かれた逃げ部を形成するとともに、中間仕切り板を厚さ方向に二分割することが試されている。具体的には、中間仕切り板は、厚さ方向に二分割された一対の板要素を積層することで構成し、各板要素には、回転軸の偏心部を挿通し得る大きさの貫通孔が形成されている。
この構成によれば、回転軸を板要素の貫通孔に挿通するに際して、回転軸の偏心部が板要素の貫通孔を通過した時点で、中間軸部の逃げ部が板要素の貫通孔に入り込むように板要素を傾けることで、各板要素の貫通孔を拡大することなく当該貫通孔に中間軸部を挿通させることが可能となる。したがって、各板要素の貫通孔の直径を回転軸の偏心部が挿通し得る最小限の大きさに抑えることができる。
ところが、二分割形の中間仕切り板を採用した密閉型圧縮機において、中間仕切り板の厚さ方向に沿う中間部に前記インジェクション通路を設けた場合、インジェクション通路が板要素の間に跨って形成されることになる。
このため、一対の板要素の対向面にインジェクション通路を規定する凹部を形成せざるを得なくなり、インジェクション通路の成形が面倒となる。加えて、板要素を積層するに際して、凹部同士を精度よく位置合わせする必要があり、インジェクション通路の成形に多大な手間と労力を要する。
本発明の目的は、二分割形の中間仕切り板に液冷媒が導かれるインジェクション通路を容易に形成することができ、過熱傾向にあるシリンダ室を液冷媒で効率よく冷却できる密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置を得ることにある。
実施形態によれば、密閉型圧縮機は、筒状の密閉容器と、前記密閉容器の内部でガス冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記密閉容器に収容され、前記圧縮機構部を駆動する電動機部と、を備えている。
前記圧縮機構部は、前記密閉容器の軸方向に間隔を存して配置され、夫々シリンダボアを有する一対のシリンダと、前記一対のシリンダを間に挟んで配置された第1の軸受および第2の軸受と、前記一対のシリンダの間に介在され、前記第1の軸受および前記第2の軸受と協働して前記一対のシリンダボアを覆うことで前記一対のシリンダの内部に吸込管を介して前記ガス冷媒が導かれる一対のシリンダ室を規定する中間仕切り板と、前記第1の軸受および前記第2の軸受に回転自在に支持され、前記一対のシリンダ室に収容された複数の偏心部と、前記偏心部の間に跨るように前記中間仕切り板を貫通する中間軸部と、を有するとともに、前記電動機部に連結された回転軸と、前記回転軸の前記一対の偏心部の外周面に夫々嵌合され、前記シリンダ室内で偏心回転することで前記ガス冷媒を圧縮する一対のローラと、を含んでいる。
前記中間仕切り板は、前記回転軸の軸方向に分割された一対の板要素を互いに積層することで構成されている。一方の前記板要素に液冷媒が供給されるインジェクション通路が設けられ、少なくとも一つの前記板要素に前記インジェクション通路と少なくとも一つの前記シリンダ室との間を連通させる連通路が設けられ、前記連通路に繋がる前記シリンダ室に前記吸込管を介して前記ガス冷媒を導く通路と、前記インジェクション通路および前記連通路とが互いに独立している。密閉型圧縮機は、前記第1の軸受に取り付けられ、一方の前記シリンダ室で圧縮されたガス冷媒が吐出される第1の吐出マフラと、前記第2の軸受に取り付けられ、他方の前記シリンダ室で圧縮されたガス冷媒が吐出される第2の吐出マフラと、をさらに備えている。前記第2の吐出マフラに吐出されたガス冷媒は、前記第1の吐出マフラに導かれるとともに、当該第1の吐出マフラ内で一方の前記シリンダ室から前記第1の吐出マフラに吐出されたガス冷媒と合流する。前記インジェクション通路は、一対の前記板要素のうち前記第1の吐出マフラの側に位置する前記板要素に設けられている。
図1は、第1の実施形態に係る冷凍サイクル装置に用いる密閉型圧縮機の断面図である。 図2は、図1のF2の箇所を拡大して示す断面図である。 図3Aは、第2の実施形態において、インジェクション通路と連通路との位置関係を示す断面図である。 図3Bは、第3の実施形態において、インジェクション通路と連通路との位置関係を示す断面図である。 図4は、第4の実施形態で用いる圧縮機構部の断面図である。 図5は、第4の実施形態において、第1ないし第4の吐出弁機構の位置関係を示す圧縮機構部の断面図である。 図6は、図4のF6−F6線に沿う断面図である。 図7は、第4の実施形態において、第1の軸受のフランジ部に設けられた第1のリード弁と、第1のリード弁によって開閉される第1の吐出孔との位置関係を示す平面図である。
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
図1は、冷凍サイクル装置Rの冷凍サイクル回路を示している。冷凍サイクル回路は、多気筒形の密閉型圧縮機1、放熱器2、気液分離器3、膨張装置4、吸熱器である蒸発器5およびアキュームレータ6を主要な要素として備えている。冷凍サイクル回路を構成する前記各種の要素は、冷媒が循環する冷媒管Pを介して直列に接続されている。冷媒管Pは、循環路の一例である。
密閉型圧縮機1は、所謂縦型のロータリコンプレッサであって、筒状の密閉容器10、電動機部11および圧縮機構部12を備えている。密閉容器10は、鉛直方向に沿うように起立されている。密閉容器10の上端には、吐出管10aが取り付けられている。吐出管10aは、冷媒管Pに接続されている。
電動機部11は、密閉容器10内の高さ方向に沿う中間部に収容されている。圧縮機構部12は、電動機部11の下方に位置するように密閉容器10内の下部に収容されている。電動機部11は、密閉容器10の内周面に固定された円筒状の固定子13と、固定子13で取り囲まれた回転子14と、を備えている。固定子13の内周面と回転子14の外周面との間には、極小のエアギャップが形成されている。さらに、密閉容器10の底部に油溜まり部15が形成されている。油溜まり部15には、潤滑油が貯溜されている。
図1に示すように、圧縮機構部12は、油溜まり部15に貯溜された潤滑油の中に浸漬されている。圧縮機構部12は、第1のシリンダ17、第2のシリンダ18、中間仕切り板19および回転軸20を主要な要素として備えている。
第1のシリンダ17は、円形のシリンダボア17aを有している。第2のシリンダ18は、円形のシリンダボア18aを有している。第1のシリンダ17のシリンダボア17aおよび第2のシリンダ18のシリンダボア18aは、密閉容器10の中心軸線O1に対し同軸状に位置されているとともに、密閉容器10の軸方向に互いに離れている。
中間仕切り板19は、第1のシリンダ17と第2のシリンダ18との間に介在されている。中間仕切り板19の上面は、第1のシリンダ17のシリンダボア17aを下方から覆うように第1のシリンダ17の下面に重ねられている。同様に、中間仕切り板20の下面は、第2のシリンダ18のシリンダボア18aを上方から覆うように第2のシリンダ18の上面に重ねられている。
第1の軸受22が第1のシリンダ17の上面に固定されている。第1の軸受22は、第1のシリンダ17の上面に重なり合うフランジ部23を有している。第1の軸受22のフランジ部23は、リング状のフレーム24で取り囲まれている。フレーム24の外周面は、密閉容器10の内周面に例えば溶接等の手段で固定されている。
本実施形態では、フレーム24は、予め密閉容器10の内周面の所定の位置に精度よく固定されている。この状態で、当該フレーム24に第1の軸受22のフランジ部23が固定されるとともに、当該フランジ部23に第1のシリンダ17が固定される。さらに、中間仕切り板19および第2のシリンダ18にしても、第1のシリンダ17を介してフレーム24に固定されている。これにより、圧縮機構部12の組み立て精度の向上化が図られている。
第1の軸受22のフランジ部23は、第1のシリンダ17のシリンダボア17aを上方から覆うように第1のシリンダ17の上面に重ね合わされている。第1のシリンダ17のシリンダボア17a、中間仕切り板19およびフランジ部23で囲まれた空間は、第1のシリンダ室25を規定している。
第2の軸受26が第2のシリンダ18の下面に固定されている。第2の軸受26は、第2のシリンダ18の下面に重ね合わされたフランジ部27を有している。第2の軸受26のフランジ部27は、第2のシリンダ18のシリンダボア18aを下方から覆っている。第2のシリンダ18のシリンダボア18a、中間仕切り板19およびフランジ部27で囲まれた空間は、第2のシリンダ室28を規定している。
第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28は、冷媒管Pの一部である吸込管29a,29bを介してアキュームレータ6に接続されている。
図1に示すように、回転軸20は、密閉容器10の中心軸線O1の上に同軸状に位置され、第1のシリンダ室25、第2のシリンダ室28および中間仕切り板19を貫通している。回転軸20は、第1のジャーナル部31a、第2のジャーナル部31b、一対の偏心部32a,32bおよび中間軸部33を有している。
第1のジャーナル部31aは、第1の軸受22で支持されている。第2のジャーナル部31bは、第2の軸受26で支持されている。さらに、第1のジャーナル部31aは、同軸状に延長された延長部31cを有し、当該延長部31cが電動機部11の回転子14に連結されている。
偏心部32a,32bは、第1のジャーナル部31aと第2のジャーナル部31bとの間に位置されている。偏心部32a,32bは、回転軸20の軸方向に離れているとともに、例えば略180°の位相差を有している。一方の偏心部32aは、第1のシリンダ室25に収容されている。他方の偏心部32bは、第2のシリンダ室28に収容されている。
中間軸部33は、偏心部32a,32bの間に跨っている。中間軸部33は、第1のジャーナル部31aおよび第2のジャーナル部31bと同軸状に位置されているとともに、中間仕切り板19の中央部に開口された貫通孔34を貫通している。貫通孔34の直径は、回転軸20の偏心部32a,32bを挿通し得る大きさに設定されている。
本実施形態によると、中間軸部33は、従来の一般的な密閉型圧縮機と比較した場合に、第1の軸受22および第2の軸受26から外れた中間軸部33の剛性を確保するため、外径が最大限に太くされている。
このため、中間軸部33の軸方向に沿う長さは、従来の一般的な密閉型圧縮機よりもある程度長く形成されている。それとともに、偏心部32a,32bと隣り合う中間軸部33の両端部の外周面には、部分的に切り欠かれた逃げ部35a,35bが形成されている。
図1に示すように、リング状の第1のローラ36aが一方の偏心部32aの外周面に嵌合されている。第1のローラ36aは、回転軸20の回転に追従して第1のシリンダ室25内で偏心回転する。これにより、第1のローラ36aの外周面の一部が第1のシリンダ室25の内周面に摺動可能に線接触する。
リング状の第2のローラ36bが他方の偏心部32bの外周面に嵌合されている。第2のローラ36bは、回転軸20の回転に追従して第2のシリンダ室28内で偏心回転する。これにより、第2のローラ36bの外周面の一部が第2のシリンダ室28の内周面に摺動可能に線接触する。
第1のシリンダ17は、ベーンスロット(図示せず)を有している。ベーンスロットは、第1のシリンダ17の径方向に延びているとともに、一端が第1のシリンダ室25に開口されている。ベーンスロットにベーン(図示せず)が摺動可能に収容されている。ベーンの先端は、第1のローラ36aの外周面に摺動可能に接している。
ベーンは、第1のローラ36aと協働して第1のシリンダ室25を吸入領域と圧縮領域とに区画するとともに、第1のローラ36aの偏心回転に追従して第1のシリンダ室25に突出したり、第1のシリンダ室25から退去する方向に移動するようになっている。これにより、第1のシリンダ室25の吸入領域および圧縮領域の容積が変化する。
第2のシリンダ18は、第1のシリンダ17と同様のベーンスロットおよびベーンを有している。そのため、第2のローラ36bが偏心回転すると、第2のシリンダ室28の吸入領域および圧縮領域の容積が変化する。
図1に示すように、第1の吐出マフラ38が第1の軸受22の上に取り付けられている。第1の吐出マフラ38と第1の軸受22との間には、第1の消音室39が形成されている。第1の消音室39は、第1の吐出マフラ38に開口された複数の排気孔を通じて密閉容器10の内部に連通されている。第1の吐出マフラ38の排気孔は、油溜まり部15に貯溜された潤滑油の油面Sよりも上方に位置されている。
第2の吐出マフラ40が第2の軸受26の上に取り付けられている。第2の吐出マフラ40と第2の軸受26との間には、第2の消音室41が形成されている。第2の消音室41は、図示しない吐出通路を通じて第1の消音室39に連通されている。吐出通路は、第2の軸受26のフランジ部27、第2のシリンダ18、中間仕切り板19、第1のシリンダ17および第1の軸受22のフランジ部23を連続して貫通するように密閉容器10の高さ方向に延びている。
第2のシリンダ18、中間仕切り板19、第2の軸受26および第2の吐出マフラ40は、常に油溜まり部15に貯溜された潤滑油に浸漬されている。これに対し、第1のシリンダ17および第1の吐出マフラ38は、圧縮条件によっては潤滑油の油面Sから密閉容器10の内部に露出することがあり得る。
第1の軸受22のフランジ部23には、偏心回転する第1のローラ36aによって開閉される第1の吐出弁機構(図示せず)が設けられている。第1の吐出弁機構が開放されることで、第1のシリンダ室25と第1の消音室39とが互いに連通する。
第2の軸受26のフランジ部27には、偏心回転する第2のローラ36bによって開閉される第2の吐出弁機構(図示せず)が設けられている。第2の吐出弁機構が開放されることで、第2のシリンダ室28と第2の消音室41とが互いに連通する。
図1に示すように、インジェクション回路Kが冷凍サイクル装置Rを構成する冷凍サイクル回路に付加されている。インジェクション回路Kは、放熱器2と膨張装置4との間に位置する気液分離器3から分岐されている。インジェクション回路Kは、気液分離器3でガス冷媒から分離された液冷媒の一部を開閉弁43および膨張弁44を介して密閉型圧縮機1に導くための要素であって、インジェクション管Paを備えている。インジェクション管Paの下流端部は、密閉容器10を貫通して圧縮機構部12の中間仕切り板19に接続されている。
具体的に述べると、図1および図2に示すように、中間仕切り板19は、厚さ方向に分割された一対の円盤状の板要素46a,46bを互いに積層することで構成されている。中間仕切り板19の厚さ方向は、回転軸20の軸方向と言い換えることができる。
一対の板要素46a,46bのうちの一方の板要素46aは、第1のシリンダ17の下面に重ね合わされている。一方の板要素46aの上面の中央部分は、第1のシリンダ室25に露出されているとともに、第1のローラ36aが摺動可能に接するシール面を規定している。
他方の板要素46bは、第2のシリンダ18の上面に重ね合わされている。他方の板要素46bの下面の中央部分は、第2のシリンダ室28に露出されているとともに、第2のローラ36bが摺動可能に接するシール面を規定している。
第1のシリンダ17に重ねられた一方の板要素46aの内部に液冷媒が供給されるインジェクション通路47が形成されている。インジェクション通路47は、板要素46aの外周面に開口する開口端47aを有するとともに、当該開口端47aから板要素46aの中央部に向けて延びている。インジェクション通路47の開口端47aとは反対側の終端は、中間仕切り板19の貫通孔34の内周面に到達することなく、当該貫通孔34の内周面から離れている。
密閉容器10を貫通したインジェクション管Paの下流端部は、インジェクション通路47の開口端47aからインジェクション通路47に液密に嵌合されている。インジェクション管Paの下流端部は、インジェクション通路47の終端にまで達していない。そのため、図2に示すように、インジェクション管Paの下流端部とインジェクション通路47の終端との間には、液冷媒が充填される空間48が形成されている。
さらに、図2に示すように、一方の板要素46aに、空間48と第1のシリンダ室25との間を連通させる連通路49が形成されている。連通路49は、板要素46aの厚さ方向に延びる通孔で規定されている。
第1の実施形態において、回転軸20が回転すると、偏心部32a,32bに追従するように第1のローラ36aおよび第2のローラ36bが第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28内で偏心回転する。これにより、第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28では、吸入領域および圧縮領域の容積が変化し、アキュームレータ6内のガス冷媒が吸込管29a,29bを介して第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28に吸い込まれる。
第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28に吸い込まれたガス冷媒は、180°の位相差で偏心回転する第1のローラ36aおよび第2のローラ36bにより圧縮される。第1のシリンダ室25のガス冷媒が所定の圧力まで圧縮されると、第1の吐出弁機構が開放され、加圧された高温・高圧のガス冷媒が第1の吐出マフラ38の第1の消音室39に吐出される。
引き続いて、180°の位相差で第2のシリンダ室28のガス冷媒が所定の圧力まで圧縮されると、第2の吐出弁機構が開放され、加圧された高温・高圧のガス冷媒が第2の吐出マフラ40の第2の消音室41に吐出される。第2の消音室41に吐出されたガス冷媒は、吐出通路を通じて第1の消音室39に導かれ、第1の消音室39で第1のシリンダ室25から吐出されたガス冷媒と、第2のシリンダ室28から吐出されたガス冷媒とが合流する。合流したガス冷媒は、第1の消音室39で消音された後、第1の吐出マフラ38の排気孔から密閉容器10の内部に放出される。
密閉容器10の内部に放出された高温・高圧のガス冷媒は、電動機部11を通過して密閉容器10の上部に充満するとともに、ここから吐出管10aおよび冷媒管Pを経て放熱器2に導かれる。
放熱器2に導かれたガス冷媒は、空気との熱交換により凝縮し、高圧の液冷媒に変化する。液冷媒は、気液分離器3に導かれる。液冷媒中に凝縮しきれなかったガス冷媒が混入している場合、気液分離器3でガス冷媒が液冷媒から分離される。ガス冷媒が分離された液冷媒は、膨張装置4を通過する過程で減圧された後、蒸発器5を通過する過程で空気と熱交換する。
この結果、蒸発器5を通過する空気は、液冷媒の蒸発潜熱により冷やされ、冷風となって空調(冷房)すべき場所に送られる。
液冷媒は、蒸発器5を通過する過程で低温・低圧のガス冷媒に変化する。ガス冷媒は、アキュームレータ6に導かれ、当該アキュームレータ6でガス冷媒中に混入している液冷媒が分離される。液冷媒が除去されたガス冷媒は、吸込管29a,29bを介して密閉型圧縮機1の第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28に吸い込まれるとともに、再び圧縮される。圧縮された高温・高圧のガス冷媒は、吐出管10aから冷媒管Pに向けて吐出され、上述の作用を繰り返す。
第1の吐出マフラ38から密閉容器10の内部に放出された高温・高圧のガス冷媒は、吐出管10aから冷媒管Pに導かれるので、当該冷媒管Pの温度が上昇する。冷媒管Pに取り付けられた温度センサが冷媒管Pの温度が予め決められた上限値を上回ったことを検知すると、温度センサから制御手段へ検知信号が送出される。制御手段は、検知信号に基づいてインジェクション回路Kの開閉弁43を開放する。
放熱器2で液化した液冷媒を貯溜する気液分離器3は、受液器としての機能を兼ねている。そのため、気液分離器3に蓄えられた液冷媒の一部がインジェクション管Pに導かれる。開閉弁43よりも下流に位置する膨張弁44は、温度センサによって検知された冷媒管Pの温度に基づいて開度を調整する、所謂流量調整弁としての機能を有している。
このため、開閉弁43および膨張弁44が開かれると、気液分離器3からインジェクション管Pに導かれた液冷媒が中間仕切り板19のインジェクション通路47に供給される。さらに、液冷媒は、インジェクション通路47から連通路49を介して第1のシリンダ室25に導かれる。液冷媒は、第1のシリンダ室25で圧縮過程にあるガス冷媒中に注入されてガス冷媒を冷却する。これにより、第1のシリンダ室25で圧縮されるガス冷媒の温度が設定温度よりも低下する。
本実施形態によると、第2のシリンダ18は、密閉容器10の油溜まり部15に貯溜された潤滑油の中に常時浸漬されている。このため、第2のシリンダ18は、潤滑油により冷却され続けるので、第2のシリンダ18が過熱状態に陥る可能性は少ない。
これに対し、第1のシリンダ17は、中間仕切り板19の上に配置され、通常は、第1のシリンダ17の上に取り付けられた第1の軸受22のフランジ部23の付近に潤滑油の油面Sが位置されている。
潤滑油の油面Sの位置は、圧縮条件によって低下することがある。潤滑油の油面Sが下がると、第1のシリンダ17が油面Sから露出し、潤滑油による第1のシリンダ17の冷却効果が減少する。このため、第1のシリンダ室25と第2のシリンダ室28とで同じ圧縮作用が行なわれていても、第2のシリンダ室28よりも第1のシリンダ室25の方が温度上昇し易い条件下にある。
本実施形態では、中間仕切り板19が厚さ方向に沿って一対の板要素46a,46bに分割されており、第1のシリンダ17の側に位置された一方の板要素46aにインジェクション通路47および連通路49が設けられている。このため、液冷媒が流れるインジェクション通路47を温度上昇し易い第1のシリンダ室25に近接した位置に設けることができ、インジェクション通路47を流通する液冷媒による第1のシリンダ室25の冷却効果を高めることができる。
それとともに、インジェクション通路47と第1のシリンダ室25との間を結ぶ連通路49の長さを短くできる。これにより、連通路49を通じて第1のシリンダ室25に向かう液冷媒の流動抵抗を少なく抑えることができ、第1のシリンダ室25に対する液冷媒の注入量を確保できる。したがって、第1のシリンダ室25の冷却効果を高めることができ、密閉型圧縮機1の信頼性が向上する。
加えて、連通路49は、インジェクション通路47と第1のシリンダ室25との間を連通させているので、連通路49を通じて第1のシリンダ室25と第2のシリンダ室28との間が互いに連通し合うことはない。このため、第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28で圧縮されるガス冷媒が、連通路49を通じて高圧のシリンダ室の側から低圧のシリンダ室の側へ移動するのを防止できる。よって、ガス冷媒の圧縮損失を低減でき、密閉型圧縮機1の本来の性能を維持できる。
このような第1の実施形態によると、液冷媒が導かれるインジェクション通路47は、第1のシリンダ17が重ねられた一方の板要素46aの内部に設けられている。このため、中間仕切り板19を厚さ方向に沿って一対の板要素46a,46bに分割したにも拘らず、中間仕切り板19にインジェクション通路47を精度よく形成することができる。
言い換えると、互いに積層された板要素46a,46bの対向面の間に跨るようにインジェクション通路47を形成する必要はなく、二分割型の中間仕切り板19にインジェクション通路47を容易に形成することができる。
さらに、インジェクション通路47の精度が向上するので、インジェクション通路47の開口端47aにインジェクション管Paの下流端部を嵌め込む作業を容易に行うことができ、密閉型圧縮機1の製造性が良好となる。
それとともに、インジェクション通路47の開口端47aとインジェクション管Paの下流端部との間のシール性が向上し、開口端47aからの液冷媒の漏れを防止できる。よって、第1のシリンダ室25に所望の量の液冷媒を注入することができ、第1のシリンダ室25の冷却効果を良好に維持できる。
本実施形態において、連通路49は、インジェクション通路47と第1のシリンダ室25との間を連通させるだけではなく、例えば図2に二点鎖線で示すように、インジェクション通路47と第2のシリンダ室28との間も連通路49で連通させるようにしてもよい。
この構成によれば、インジェクション通路47は、連通路49を通じて第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28の双方に連通するので、液冷媒を第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28に注入することができる。
なお、密閉型圧縮機1は、回転軸20を縦置きに配置した縦型に限らず、例えば使用条件によっては、回転軸20を水平方向に沿うように横置きにして使用することもあり得る。
回転軸20を横置きにした横型の密閉型圧縮機1においても、第1のシリンダ室25で圧縮されたガス冷媒は、第1の消音室39に吐出され、第2のシリンダ室28で圧縮されたガス冷媒は、第2の消音室41に吐出される。第2の消音室41に吐出されたガス冷媒は、吐出通路を通じて第1の消音室39に導かれ、当該第1の消音室39で第1のシリンダ室25から吐出されたガス冷媒と、第2のシリンダ室28から吐出されたガス冷媒とが合流する。合流したガス冷媒は、第1の消音室39で消音された後、第1の吐出マフラ38の排気孔から密閉容器10の内部に放出される。
この結果、第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28で圧縮された高温・高圧のガス冷媒は、共通の第1の消音室39に充満するので、第1の消音室39を有する第1の吐出マフラ38が第2の吐出マフラ40よりも高温となる。第1の吐出マフラ38は、第1のシリンダ17に重ねられた第1の軸受22に接しているので、第1の吐出マフラ38の熱が第1の軸受22を経て第1のシリンダ17に伝わる。そのため、第1のシリンダ17は、第2のシリンダ18よりも高温となる。
液冷媒が流通するインジェクション通路47は、第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28で圧縮された高温・高圧のガス冷媒が合流する第1の吐出マフラ38の側に位置された一方の板要素46aに設けられている。これにより、インジェクション通路47が第1の吐出マフラ38の熱を受ける第1のシリンダ室25に近接し、インジェクション通路47を流通する液冷媒で第1のシリンダ室25の冷却効果を高めることができる。
さらに、インジェクション通路47と第1のシリンダ室25との間を結ぶ連通路49の長さが短くなるので、連通路49を流通する液冷媒の流動抵抗を少なく抑えて、連通路49から第1のシリンダ室25に供給される液冷媒の注入量を確保できる。したがって、第1のシリンダ室25の冷却効果を高めることができ、密閉型圧縮機1の信頼性が向上する。
[第2の実施形態]
図3Aは、第2の実施形態を開示している。第2の実施形態は、液冷媒をインジェクション通路47から第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28の双方に供給するようにした点が第1の実施形態と相違している。
潤滑油の中に浸漬された第2のシリンダ18といえども、第2のシリンダ室28で圧縮されたガス冷媒の熱影響を受けるのを避けられない。このため、第2の実施形態では、第2のシリンダ室28にも液冷媒を供給して第2のシリンダ室28の冷却を確実に行えるようにしている。
具体的に述べると、中間仕切り板19の連通路49は、インジェクション通路47の終端と第1のシリンダ室25との間を連通させる第1の通路部50と、インジェクション通路47の終端と第2のシリンダ室28との間を連通させる第2の通路部51と、を有している。
第1の通路部50は、第1のシリンダ17の側に位置された一方の板要素46aに形成され、板要素46aの厚み方向に沿うように起立されている。第2の通路部51は、一方の板要素46aと他方の板要素46bとの間に跨るように起立されている。第2の通路部51は、一方の板要素46aに形成された第1の部分51aと、他方の板要素46bに形成された第2の部分51bと、で構成されている。
第1の部分51aは、インジェクション通路47の終端と他方の板要素46bと重なり合う一方の板要素46aの対向面52との間を結んでいる。第1の部分51aは、一方の板要素46aの対向面52に開口された第1の開口端51cを有している。
第2の部分51bは、小径部53および大径部54を有している。小径部53は、第2のシリンダ室28に開口されているとともに、その口径が第1の通路部50と同等に形成されている。大径部54は、小径部53よりも大きな口径を有している。
さらに、大径部54は、一方の板要素46aの対向面52と重なり合う他方の板要素の対向面55に開口された第2の開口端51dを有している。第2の開口端51dは、第1の開口端51cと向かい合っている。第2の開口端51dの開口面積は、第1の開口端51cの開口面積よりも大きい。
このような構成において、中間仕切り板19の板要素46a,46bを互いに重ね合わせると、インジェクション通路47の終端と第2のシリンダ室28との間を結ぶ連通路49の第2の通路部51では、第1の部分51aの第1の開口端51cが第2の部分51bの第2の開口端51dと向かい合う。第2の開口端51dの開口面積は、第1の開口端51cの開口面積よりも大きいので、板要素46a,46bの位置が若干ずれたとしても、第1の部分51aと第2の部分51bとの連通が維持される。
したがって、第1の部分51aと第2の部分51bとの境界に液冷媒の流れを妨げる流通抵抗が生じるのを回避でき、連通路49の第2の通路部51から第2のシリンダ室28に供給される液冷媒の注入量を確保できる。
さらに、第2のシリンダ室28に連なる小径部53の口径と、第1のシリンダ室25に連なる第1の通路部50の口径とが互いに等しいので、小径部53よりも液冷媒の流れ方向に沿う上流に大径部54が存在するにも拘らず、第2のシリンダ室28に最適なタイミングで適量の液冷媒を注入することができる。
[第3の実施形態]
図3Bは、第3の実施形態を開示している。第3の実施形態は、連通路49の第2の通路部51の構成が第2の実施形態と相違している。第3の実施形態では、第2の通路部51の第1の部分51aの口径が第2の部分51bの口径よりも大きく設定されている。第1の部分51aの口径は、第1の部分51aの全長に亘って一定である。同様に、第2の部分51bの口径は、第2の部分51bの全長に亘って一定であるとともに、第1の通路部50の口径と同等である。
したがって、第1の部分51aは、第2の部分51bよりも口径が大きい大径部と言い換えることができ、当該大径部が第1の開口端51cを規定している。
このような構成によれば、前記第2の実施形態と同様に、板要素46a,46bの位置に若干のずれが生じたとしても、第1の部分51aと第2の部分51bとの境界に液冷媒の流れを妨げる流通抵抗が生じるのを回避できる。このため、連通路49の第2の通路部51から第2のシリンダ室28に供給される液冷媒の注入量を確保できる。
さらに、第2のシリンダ室28に連なる第2の部分51bの口径と、第1のシリンダ室25に連なる第1の通路部50の口径とが互いに等しいので、第1の部分51aの口径が第2の部分51bの口径よりも大きいにも拘らず、第2のシリンダ室28に最適なタイミングで適量の液冷媒を注入することができる。
[第4の実施形態]
図4ないし図7は、第4の実施形態を開示している。第4の実施形態は、圧縮機構部12の構成が前記第1の実施形態と相違しており、それ以外の密閉型圧縮機1の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第4の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図4は、密閉容器10に収容された圧縮機構部12の断面図である。図4では、図1との比較において圧縮機構部12を密閉容器10の周方向に沿う異なる方向から見た状態を表しているため、液冷媒が流通するインジェクション通路47は図示されていない。
図4および図5に示すように、第1の吐出弁機構60が第1の軸受22のフランジ部23に設けられている。第1の吐出弁機構60は、フランジ部23に開口された第1の吐出孔61と、第1の吐出孔61を開閉する第1のリード弁62と、第1のリード弁62の最大開度を規定するストッパ63と、を備えている。
第1のシリンダ17の第1のシリンダ室25は、第1の吐出孔61を介して第1の吐出マフラ38の第1の消音室39に通じている。第1のリード弁62は、第1のシリンダ室25で圧縮されたガス冷媒の圧力が予め決められた値に達した時に、第1の吐出孔61を開く。第1の吐出孔61が開放されると、圧縮されたガス冷媒が第1の吐出孔61から第1の消音室39に吐出される。
第2の吐出弁機構65が第2の軸受26のフランジ部27に設けられている。第2の吐出弁機構65は、フランジ部27に開口された第2の吐出孔66と、第2の吐出孔66を開閉する第2のリード弁67と、第2のリード弁67の最大開度を規定するストッパ68と、を備えている。
第2のシリンダ18の第2のシリンダ室28は、第2の吐出孔66を介して第2の吐出マフラ40の第2の消音室41に通じている。第2のリード弁67は、第2のシリンダ室28で圧縮されたガス冷媒の圧力が予め決められた値に達した時に、第2の吐出孔66を開く。第2の吐出孔66が開放されると、圧縮されたガス冷媒が第2の吐出孔66から第2の消音室41に吐出される。
図5に示すように、中間仕切り板19の内部に案内通路70が形成されている。案内通路70は、一方の板要素46aの対向面52と他方の板要素46bの対向面55との間に位置されている。吐出通路70は、中間仕切り板19の内部で第1の消音室39と第2の消音室41との間を結ぶ吐出通路71に連通されている。
第3の吐出弁機構72が中間仕切り板19の一方の板要素46aに設けられている。第3の吐出弁機構72は、板要素46aに開口された第3の吐出孔73と、第3の吐出孔73を開閉する第3のリード弁74と、第3のリード弁74の最大開度を規定するストッパ75と、を備えている。
中間仕切り板19の内部の案内通路70は、第3の吐出口73を介して第1のシリンダ室25に通じている。第3のリード弁74は、第1のシリンダ室25で圧縮されたガス冷媒の圧力が予め決められた値に達した時に、第3の吐出孔73を開く。第3の吐出孔73が開放されると、圧縮されたガス冷媒が第3の吐出孔73から案内通路70に吐出される。
さらに、第4の吐出弁機構77が中間仕切り板19の他方の板要素46bに設けられている。第4の吐出弁機構77は、板要素46bに開口された第4の吐出孔78と、第4の吐出孔78を開閉する第4のリード弁79と、第4のリード弁79の最大開度を規定するストッパ80と、を備えている。
中間仕切り板19の内部の案内通路70は、第4の吐出口78を介して第2のシリンダ室28に通じている。第4のリード弁79は、第2のシリンダ室28で圧縮されたガス冷媒の圧力が予め決められた値に達した時に、第4の吐出孔78を開く。第4の吐出孔78が開放されると、圧縮されたガス冷媒が第4の吐出孔78から案内通路70に吐出される。
そのため、第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28で圧縮されたガス冷媒の一部は、案内通路70および吐出通路71を通じて第1の消音室39に導かれる。
このような構成によると、第1のシリンダ室25で圧縮されたガス冷媒は、第1の吐出孔61から第1の消音室39に直接導かれるとともに、第3の吐出孔73から案内通路70および吐出通路71を経て第1の消音室39に導かれる。すなわち、第1のシリンダ室25で圧縮されたガス冷媒は、第1の吐出孔61および第3の吐出孔73から吐出されるので、ガス冷媒が通過する吐出孔の開口面積の総和が大きくなる。
このため、第1のシリンダ室25から吐出されるガス冷媒の量が多くなった場合でも、圧縮されたガス冷媒が第1の吐出孔61および第3の吐出孔73を通過する際の圧力損失を抑制することができ、密閉型圧縮機1の圧縮性能を高めることができる。
第2のシリンダ室28で圧縮されたガス冷媒は、第2の吐出孔66から第2の消音室41および吐出通路71を経て第1の消音室39に導かれるとともに、第4の吐出孔78から案内通路70および吐出通路71を経て第1の消音室39に導かれる。すなわち、第2のシリンダ室28で圧縮されたガス冷媒は、第2の吐出孔66および第4の吐出孔78から吐出されるので、ガス冷媒が通過する吐出孔の開口面積の総和が大きくなる。
このため、第2のシリンダ室28から吐出されるガス冷媒の量が多くなった場合でも、圧縮されたガス冷媒が第2の吐出孔66および第4の吐出孔78を通過する際の圧力損失を抑制することができ、密閉型圧縮機1の圧縮性能を高めることができる。
一方、図6は、図4のF6−F6線に沿う断面図であって、中間仕切り板19の一方の板要素46aに設けられた第3の吐出弁機構72とインジェクション通路47との位置関係を開示している。
図6に示すように、ベーン82が第1のシリンダ17に支持されている。ベーン82は、第1のシリンダ室25の径方向に移動可能であるとともに、図示しないスプリングを介して常に第1のシリンダ室25に入り込む方向に弾性的に付勢されている。ベーン82の先端部82aは、第1のローラ36aの外周面に摺動可能に接している。本実施形態では、第1のローラ36aは、ベーン82を基準として時計回り方向に公転する。
さらに、ベーン82は、第1のローラ36aと協働して第1のシリンダ室25を吸入領域と圧縮領域とに区画している。吸入領域および圧縮領域の容積は、第1のローラ36aの偏心回転に伴って変化する。ガス冷媒を第1のシリンダ室25に導く吸込管29aは、ベーン82と隣り合った位置で吸入領域に開口されている。第1のシリンダ室25で圧縮されたガス冷媒を吐出させる第3の吐出孔73は、ベーン82と隣り合った位置で圧縮領域に開口されている。
図6に示すように、一方の板要素46aの対向面52に第3のリード弁74を収容する凹部83が設けられている。凹部83は、第3のリード弁74を取り囲むように対向面52に掘り込まれている。凹部83の一部は、ベーン82の先端部82aおよび吸込管29aの第1のシリンダ17との接続箇所と向かい合っている。さらに、凹部83とインジェクション通路47とは、中間仕切り板19の一方の板要素46aの厚さ方向に重ならないように、中間仕切り板19の周方向に相対的にずれている。
図6に示すように、第1のシリンダ17の中心O2とベーン82の幅方向の中心とを結ぶ方向O3を基準位置(0°)とした時、第1のローラ36aが基準位置から時計回り方向に6°公転した位置で、第1のローラ36aの下端面が連通路49の開口端から外れ始める。これにより、連通路49が第1のシリンダ室25に連通し、当該連通路49を通じてインジェクション通路47に導かれた液冷媒が第1のシリンダ室25に注入される。
第1のローラ36aが基準位置から時計回り方向に所定の角度公転している間は、連通路49は第1のシリンダ室25に連通された状態を維持している。そのため、連通路49から第1のシリンダ室25に液冷媒が継続して注入され、当該液冷媒により第1のシリンダ室25で圧縮されるガス冷媒が冷却される。
基準位置に対する第1のローラ36aの公転角度が180°を超えて210°に達する頃に、第1のローラ36aの下端面が連通路49の開口端を閉塞し始める。これにより、第1のシリンダ室25に対する液冷媒の注入量が次第に減少する。
基準位置に対する第1のローラ36aの公転角度が212°に達すると、連通路49の開口端が第1のローラ36aの下端面によって完全に閉塞される。そのため、第1のシリンダ室25に対する液冷媒の注入が停止する。この状態は、基準位置に対す第1のローラ36aの公転角度が360°を超えて6°に達するまで継続される。第1のローラ36aの公転角度が6°に達すると、第1のローラ36aの下端面が連通路49の開口端から外れ始め、上述と同様の作用を繰り返す。
本実施形態では、第1のシリンダ17の中心O2と第1のローラ36aが基準位置から270°公転した位置とを結ぶ方向O4と、第1のシリンダ17の中心O2と第1のローラ36aが基準位置から285°公転した位置とを結ぶ方向O5と、の間で規定される領域を外れた位置に案内通路70および凹部83が設けられている。
これにより、前記領域内にインジェクション通路47を設けることで、インジェクション通路47が第1のシリンダ室25に開口するタイミングを遅らせることができる。そのため、第1のシリンダ室25から吸込管29aに逆流する液冷媒の量が減少し、ガス冷媒の冷却効果および圧縮性能を高めることができる。
さらに、第1のシリンダ17の中心O2と第1のローラ36aが基準位置から285°公転した位置とを結ぶ方向O5よりも第1のローラ36aの公転方向に沿う前方に第3のリード弁74を設けることができる。このため、第3のリード弁74の固定端Gから第3の吐出孔73の中心までの距離で定まる第3のリード弁74の有効長L1を十分に確保できる。よって、第3のリード弁74のリフト量が適切となり、圧縮されたガス冷媒が第3の吐出孔73から吐出する際に生じる損失を少なく抑えることができる。
以上のことから、第4の実施形態によれば、第1のシリンダ室25および第2のシリンダ室28に対する冷却効果を高めることができ、吐出損失が少ない高性能で信頼性の高い密閉型圧縮機1を提供することができる。
第4の実施形態では、図6に示すように、連通路49はインジェクション通路47の中心線X1よりも第3の吐出孔73の側に片寄った位置に設けられている。これにより、第3のリード弁74の設置場所を確保しつつ、連通路49が第1のシリンダ室25に開口するタイミングをより一層遅らせることができ、第1のシリンダ室25から吸込管29aに逆流する液冷媒の量を減少させる上で有効となる。
図7は、第1の軸受22のフランジ部23に取り付けられた第1のリード弁62と、当該第1のリード弁62によって開閉される第1の吐出孔61との位置関係を開示している。既に述べたように、第1のリード弁62が第1の吐出孔61を開放することで、第1のシリンダ室25で圧縮された高温・高圧のガス冷媒が第1の消音室39に吐出される。
第1のリード弁62の固定端Hから第1の吐出孔61の中心までの距離で定まる第1のリード弁62の有効長をL2とした時、前記第3のリード弁74の有効長L1と第1のリード弁62の有効長L2とは、
L1>0.7×L2…(1)
の関係を有している。
前記(1)式を満たすことで、中間仕切り板19の一方の板要素46aに設けられる第3のリード弁74の有効長L1を十分に確保できる。
このことから、第1のシリンダ室25から第1の吐出孔61を通じて吐出されるガス冷媒の吐出流量と、第1のシリンダ室25から第3の吐出孔73を通じて吐出されるガス冷媒の吐出流量との配分を最適化することができる。したがって、ガス冷媒の吐出損失が少ない高性能の密閉型圧縮機1を提供できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…密閉型圧縮機、2…放熱器、4…膨張装置、5…蒸発器、10…密閉容器、11…電動機部、12…圧縮機構部、17,18…シリンダ(第1のシリンダ、第2のシリンダ)、17a,17b…シリンダボア、19…中間仕切り板、20…回転軸、22…第1の軸受、25,28…シリンダ室(第1のシリンダ室、第2のシリンダ室)、26…第2の軸受、32a,32b…偏心部、33…中間軸部、36a,36b…ローラ(第1のローラ、第2のローラ)、46a,46b…板要素、47…インジェクション通路、49…連通路、P…循環路(冷媒管)、R…冷凍サイクル装置、Pa…インジェクション管。

Claims (9)

  1. 筒状の密閉容器と、
    前記密閉容器の内部でガス冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
    前記密閉容器に収容され、前記圧縮機構部を駆動する電動機部と、を備えた密閉型圧縮機であって、
    前記圧縮機構部は、
    前記密閉容器の軸方向に間隔を存して配置され、夫々シリンダボアを有する一対のシリンダと、
    前記一対のシリンダを間に挟んで配置された第1の軸受および第2の軸受と、
    前記一対のシリンダの間に介在され、前記第1の軸受および前記第2の軸受と協働して前記シリンダボアを覆うことで前記一対のシリンダの内部に吸込管を介して前記ガス冷媒が導かれる一対のシリンダ室を規定する中間仕切り板と、
    前記第1の軸受および前記第2の軸受に回転自在に支持され、前記一対のシリンダ室に収容された一対の偏心部と、前記一対の偏心部の間に跨るように前記中間仕切り板を貫通する中間軸部と、を有するとともに、前記電動機部に連結された回転軸と、
    前記回転軸の前記一対の偏心部の外周面に夫々嵌合され、前記シリンダ室内で偏心回転することで前記ガス冷媒を圧縮する一対のローラと、を含み、
    前記中間仕切り板は、前記回転軸の軸方向に分割された一対の板要素を互いに積層することで構成され、一方の前記板要素に液冷媒が供給されるインジェクション通路を設けるとともに、少なくとも一つの前記板要素に前記インジェクション通路と少なくとも一つの前記シリンダ室との間を連通させる連通路を設け、
    前記連通路に繋がる前記シリンダ室に前記吸込管を介して前記ガス冷媒を導く通路と、前記インジェクション通路および前記連通路とが互いに独立しており、
    前記第1の軸受に取り付けられ、一方の前記シリンダ室で圧縮されたガス冷媒が吐出される第1の吐出マフラと、前記第2の軸受に取り付けられ、他方の前記シリンダ室で圧縮されたガス冷媒が吐出される第2の吐出マフラと、をさらに備え、
    前記第2の吐出マフラに吐出されたガス冷媒は、前記第1の吐出マフラに導かれるとともに、当該第1の吐出マフラ内で一方の前記シリンダ室から前記第1の吐出マフラに吐出されたガス冷媒と合流し、
    前記インジェクション通路は、一対の前記板要素のうち前記第1の吐出マフラの側に位置する前記板要素に設けられた密閉型圧縮機。
  2. 前記第1の吐出マフラは、前記密閉容器内で前記第2の吐出マフラの上方に位置されるとともに、前記第2の吐出マフラおよび他方の前記シリンダは、前記密閉容器内で潤滑油に浸漬された請求項に記載の密閉型圧縮機。
  3. 筒状の密閉容器と、
    前記密閉容器の内部でガス冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
    前記密閉容器に収容され、前記圧縮機構部を駆動する電動機部と、を備えた密閉型圧縮機であって、
    前記圧縮機構部は、
    前記密閉容器の軸方向に間隔を存して配置され、夫々シリンダボアを有する一対のシリンダと、
    前記一対のシリンダを間に挟んで配置された第1の軸受および第2の軸受と、
    前記一対のシリンダの間に介在され、前記第1の軸受および前記第2の軸受と協働して前記シリンダボアを覆うことで前記一対のシリンダの内部に吸込管を介して前記ガス冷媒が導かれる一対のシリンダ室を規定する中間仕切り板と、
    前記第1の軸受および前記第2の軸受に回転自在に支持され、前記一対のシリンダ室に収容された一対の偏心部と、前記一対の偏心部の間に跨るように前記中間仕切り板を貫通する中間軸部と、を有するとともに、前記電動機部に連結された回転軸と、
    前記回転軸の前記一対の偏心部の外周面に夫々嵌合され、前記シリンダ室内で偏心回転することで前記ガス冷媒を圧縮する一対のローラと、を含み、
    前記中間仕切り板は、前記回転軸の軸方向に分割された一対の板要素を互いに積層することで構成され、一方の前記板要素に液冷媒が供給されるインジェクション通路を設けるとともに、少なくとも一つの前記板要素に前記インジェクション通路と少なくとも一つの前記シリンダ室との間を連通させる連通路を設け、
    前記連通路に繋がる前記シリンダ室に前記吸込管を介して前記ガス冷媒を導く通路と、前記インジェクション通路および前記連通路とが互いに独立しており、
    前記連通路は、前記中間仕切り板の一方の前記板要素に設けられ、前記インジェクション通路と一方の前記シリンダ室との間を連通させる第1の通路部と、一方の前記板要素と他方の前記板要素とに跨って設けられ、前記インジェクション通路と他方の前記シリンダ室との間を連通させる第2の通路部と、を有し、
    前記第2の通路部は、他方の前記板要素と重なり合う一方の板要素の対向面に開口された第1の開口端と、一方の前記板要素の前記対向面と重なり合う他方の前記板要素の対向面に開口された第2の開口端と、を有し、
    前記第1の開口端および前記第2の開口端のいずれか一方の開口面積が他方の開口端の開口面積よりも大きい密閉型圧縮機。
  4. 前記中間仕切り板の一方の前記板要素は、一方の前記シリンダ室で圧縮されたガス冷媒を吐出する吐出孔と、前記吐出孔を開閉するリード弁と、前記リード弁を収容する凹部と、前記吐出孔から吐出されたガス冷媒が流入する案内通路と、を有し、
    前記凹部および前記インジェクション通路が前記中間仕切り板の周方向に相対的にずれている請求項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 筒状の密閉容器と、
    前記密閉容器の内部でガス冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
    前記密閉容器に収容され、前記圧縮機構部を駆動する電動機部と、を備えた密閉型圧縮機であって、
    前記圧縮機構部は、
    前記密閉容器の軸方向に間隔を存して配置され、夫々シリンダボアを有する一対のシリンダと、
    前記一対のシリンダを間に挟んで配置された第1の軸受および第2の軸受と、
    前記一対のシリンダの間に介在され、前記第1の軸受および前記第2の軸受と協働して前記シリンダボアを覆うことで前記一対のシリンダの内部に吸込管を介して前記ガス冷媒が導かれる一対のシリンダ室を規定する中間仕切り板と、
    前記第1の軸受および前記第2の軸受に回転自在に支持され、前記一対のシリンダ室に収容された一対の偏心部と、前記一対の偏心部の間に跨るように前記中間仕切り板を貫通する中間軸部と、を有するとともに、前記電動機部に連結された回転軸と、
    前記回転軸の前記一対の偏心部の外周面に夫々嵌合され、前記シリンダ室内で偏心回転することで前記ガス冷媒を圧縮する一対のローラと、を含み、
    前記中間仕切り板は、前記回転軸の軸方向に分割された一対の板要素を互いに積層することで構成され、一方の前記板要素に液冷媒が供給されるインジェクション通路を設けるとともに、少なくとも一つの前記板要素に前記インジェクション通路と少なくとも一つの前記シリンダ室との間を連通させる連通路を設け、
    前記連通路に繋がる前記シリンダ室に前記吸込管を介して前記ガス冷媒を導く通路と、前記インジェクション通路および前記連通路とが互いに独立しており、
    前記中間仕切り板の一方の前記板要素は、一方の前記シリンダ室で圧縮されたガス冷媒を吐出する吐出孔と、前記吐出孔を開閉するリード弁と、前記リード弁を収容する凹部と、前記吐出孔から吐出されたガス冷媒が流入する案内通路と、を有し、
    前記凹部および前記インジェクション通路が前記中間仕切り板の周方向に相対的にずれている密閉型圧縮機。
  6. 前記ローラの外周面に摺動可能に接した状態で前記シリンダ室に進出したり、前記シリンダ室から退去する方向に移動可能に前記シリンダに支持され、前記シリンダ室を吸入領域および圧縮領域に区画するベーンをさらに備え、
    前記シリンダの中心と前記ベーンの幅方向に沿う中心とを結ぶ方向を0°とした時、前記ローラが前記シリンダの中心に対し270°公転した位置と前記ローラが前記シリンダの中心に対し285°公転した位置との間の領域を外れた位置に前記凹部および前記案内通路が設けられた請求項に記載の密閉型圧縮機。
  7. 前記第1の軸受に取り付けられ、一方の前記シリンダ室で圧縮されたガス冷媒が吐出される第1の吐出マフラと、前記第2の軸受に取り付けられ、他方の前記シリンダ室で圧縮されたガス冷媒が吐出される第2の吐出マフラと、をさらに備え、
    前記案内通路は、前記中間仕切り板の内部で前記第1の吐出マフラと前記第2の吐出マフラとを連通させる吐出通路に接続された請求項に記載の密閉型圧縮機。
  8. 前記インジェクション通路は、一方の前記板要素の内部に設けられ、他方の前記板要素と接していない請求項1ないしのいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  9. 冷媒が循環するとともに、放熱器、膨張装置および蒸発器が接続された循環路と、
    前記蒸発器と前記放熱器との間で前記循環路に接続された請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機と、
    前記放熱器と前記膨張装置との間で前記循環路から分岐され、前記密閉型圧縮機の前記インジェクション通路に連通されたインジェクション管と、
    を具備した冷凍サイクル装置。
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