JP7194055B2 - 接合部の検査方法及び接合部の検査装置 - Google Patents

接合部の検査方法及び接合部の検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、接合部の検査方法及び接合部の検査装置に関する。
回転電機のステータコアに巻回されるコイルを、導体を接合して構成する場合、ステータにおける一方側のコイルエンドにて、夫々の導体を溶接することで接合している。溶接方式としては、TIG溶接やプラズマアーク溶接等があり、いずれの方式もコイル形状精度や溶接姿勢の影響により溶接部の変形や溶け込み不足等の不良が発生する。また接合部は、ステータコアの周方向に隣り合って複数設けられているため、夫々の接合部の接合状態を確認する必要がある。
そこで特許文献1は、接線方向から撮影するカメラと径方向外側から撮影するカメラを用いて、2つの方向から接合部を検査することで、接合状態の良、不良の判定を行っている。
特開2015-137943号公報
しかしながら、特許文献1の検査方法では、隣り合った接合部の間の接合状態を確認することは出来ないため、良、不良の判定を誤ってしまう可能性があった。
本発明の目的は、隣り合った接合部の間を検査できるようにすることにある。
本発明は、好ましくは、隣り合った接合部の間に、接合部側の光を異なる方向に反射させるステータコアの周方向に並ぶ接合部の周方向両側、前記コイルエンドの外周側、コイルエンドの内周側の4か所に挿入できるよう4つのプリズムによって構成されたプリズムユニットであり、コイルエンドの外周側とコイルエンドの内周側に挿入されるプリズムは、ステータコアの周方向に並ぶ接合部の周方向両側に挿入されるプリズムより先にコイルエンドに到達できるように移動方向の長さが長くなっている反射部を挿入し、反射部によって反射した接合部の状態を観察することによって接合部の良否を判定することを特徴としている。
本発明によれば、接合部の正面及び側面を同時に映し出すことができ、効率的に外観検査を実施でき、外観検査用照明の光が、悪影響を及ぼすことを回避でき、隣り合った接合部の間の接合状態を高い精度で検査することが可能となる。
実施形態1に係る回転電機のロータ及びステータを示す分解斜視図である。 実施形態1に係るステータの斜視図である。 実施形態1の松葉コイルセグメントのコイルエンドを表す部分拡大斜視図である。 実施形態1の接合部をモータ回転軸から直行する方向からみた部分拡大図である。 実施形態1の接合部を周方向の接線方向からみた部分拡大図である。 実施形態1の溶接部における良品と不良品とを表す図である。 実施形態1の接合部の検査装置を表す斜視図である。 実施形態1の撮影用プリズムの下方斜視図である。 実施形態1の撮影用プリズムの正面図である。 実施形態1の撮影用プリズムの側面図である。 実施形態1の撮影用プリズムの平面図である。 実施形態1の接合部の検査方法を表すフローチャートである。 実施形態1の接合部の検査装置にステータを投入する状態を表す図である。 実施形態1の接合部の検査装置において、投入したステータを検査位置へ移動した状態を表す図である。 実施形態1のステータ位置検出を行うための撮影状態を表す図である。 実施形態1のステータ位置検出時における撮影用プリズムと接合部との位置関係を表す図である。 実施形態1の撮影用プリズム307による撮影の様子を表す図である。 実施形態1の撮影用プリズムを上昇させた状態を表す図である。 実施形態1のステータを回転させた状態を表す図である。 実施形態1の検査終了後に、ステータを払い出す様子を表す図である。 実施形態1のバックプレートの正面及び側面を表す図である。 実施形態1のバックプレートと接合部との位置関係を表す図である。
以下、本発明の接合部の検査方法及び検査装置を実現する形態を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る回転電機1のロータ10及びステータ11を示す分解斜視図、図2は、実施形態1に係るステータ11の斜視図である。回転電機1は、例えば図示しない電動車両の駆動輪を駆動もしくは、駆動輪からの回生制動力によって発電する3相(U相、V相、W相)8極の交流型の永久磁石同期モータとして構成される。回転電機1は、円筒状のステータ11と、ステータ11の内部に回転自在に収容されるロータ10とを備える。
ステータ11は、複数の円環状の電磁鋼板を積層して構成されるステータコア12と、ステータコア12に波巻き状に巻回される平角線により形成された3相分のコイル13U、13V、13W(総称して連続コイル13とも記載する。)と、を備える。ステータコア12にはそれぞれ、多数のティースおよびスロットが周方向(回転電機1の回転方向に同じ)に等間隔で交互に形成されている。
連続コイル13は、平角線を松葉状に折り曲げた松葉コイルセグメント131を、ステータコア12内で円周方向に複数組み合わせて構成される。1周目のコイルの終端と、2周目のコイルの始端との間は、サブコイルセグメントによって連結される。
松葉コイルセグメント131の松葉の頂点側の折曲部は、周方向に延びて松葉の頂点部で隣のレイヤーにシフトする。松葉コイルセグメント131は、周方向に斜めに延びているので、1ピッチずれた松葉コイルセグメントとは、上下に重なって延びることができる。隣のレイヤーにシフトする頂点も1ピッチずれているので、干渉することがなく、上下が入れ替わる交差がなされる。隣接するコイルエンド131a(図3参照)間の溶接位置で前述とは逆のレイヤーにシフトする。ここでも1ピッチずれた松葉コイルセグメントと上下が入れ替わる。
図3は、実施形態1の松葉コイルセグメントのコイルエンドを表す部分拡大斜視図である。松葉コイルセグメント131は、ステータ11のスロットに挿入され、ステータコア12のスロットを有する面とは反対側の面12a側で突出し、隣接する松葉コイルセグメント131のコイルエンド131a間を溶接接合し、接合部2を形成する。接合部2は、溶接により溶解した溶接玉20が形成される。
図4は、実施形態1の接合部をモータ回転軸から直行する方向からみた部分拡大図である。接合部2は、周方向に沿って等間隔で複数配置される。周方向に沿って配置された接合部2を接合部配列層と定義したとき、接合部配列層は、内径側に沿って複数層の接合部配列層が配置される。
図5は、実施形態1の接合部を周方向の接線方向からみた部分拡大図である。外周側の接合部配列層21の各接合部2の数と、内周側の接合部配列層22の各接合部2の数とは、同一である。また、それぞれの外周側接合部2及び内周側接合部2は、回転電機1の回転軸Omから径方向に沿って並んで配置されている。
図6は、実施形態1の溶接部における良品と不良品とを表す図である。溶接玉20は、良品の場合、コイルエンド131aの側面延長からはみ出すことなく、溶接玉20が適度に半円形状に隆起した形状を有し、溶接玉20の有効断面積が、平角線の有効断面積程度に確保されている状態を表す。これに対し、溶接時に吹き付けるアルゴンガス等が不十分な場合や、十分なアークを確保できていない場合、溶接玉の隆起が不十分となり、煤付き、ガス切れ、玉小、火膨れといった不良品特有の外観形状を表す。実施形態1では、溶接玉20の外観形状に基づいて、溶接部における良品及び不良品を判断する。
図7は、実施形態1の接合部の検査装置を表す斜視図である。検査装置300は、外観検査用カメラ301と、外観検査用照明302と、バックプレート305と、バックプレート305より外径側に配置された撮影用プリズム307(図8~図11参照)と、位置決め用照明303と、位置決め用カメラ304と、を有する。これらは周方向に二組設置され、同時に2箇所の外観検査を実行可能に構成されている。また、外観検査用カメラ301、外観検査用照明302、バックプレート305、撮影用プリズム307の各要素を昇降する昇降アクチュエータ308と、ステータ11を設置後、ステータ11を検査位置にスライドするスライドアクチュエータ309と、設置されたステータ11を検査位置で回転する回転アクチュエータ306と、を有する。また、コントロールユニットCUは、各アクチュエータの作動状態を制御すると共に、撮像された画像を処理し、良否判定を実施する。
図8は実施形態1の撮影用プリズムの下方斜視図、図9は実施形態1の撮影用プリズムの正面図、図10は実施形態1の撮影用プリズムの側面図、図11は実施形態1の撮影用プリズムの平面図である。撮影用プリズム307は、ベース部材30と、ベース部材30に取り付けられた2つ(一対)の正面撮影用プリズム31と、2つ(一対)の側面撮影用プリズム32とを有する。ベース部材30は、固定ボルト貫通孔30b(図11参照)と、正面撮影用プリズム31及び側面撮影用プリズム32を設置するプリズム設置穴30aとを有する。プリズム設置穴30aは、略長方形に開口している。ベース部材30は、図外のボルトで昇降アクチュエータ308に取り付けられる。
正面撮影用プリズム31は、回転軸Om方向を長手方向とする直方体形状である。一対の正面撮影用プリズム31は、他方の正面撮影用プリズム31と向き合う内側面31bと、内側面31bと下方において略45°で傾斜した傾斜面31aと、を有する。正面撮影用プリズム31は、長手方向が回転軸Om方向に沿ってベース部材30に設置される。正面撮影用プリズム31は、傾斜面31aを下方側としたとき、上方側においてベース部材30に取り付けられる。ベース部材30に正面撮影用プリズム31が取り付けられると、正面撮影用プリズム31の上方側端面31cが、プリズム設置穴30aの短辺に沿って配置される(図11参照)。
側面撮影用プリズム32は、周方向の接線方向を長手方向とする直方体形状である。一対の側面撮影用プリズム32は、他方の側面撮影用プリズム32と向き合う内側面32bと、内側面32bと下方において略45°で傾斜した傾斜面32aと、を有する。側面撮影用プリズム32は、短手方向が回転軸Om方向に沿ってベース部材30に設置される。側面撮影用プリズム32は、傾斜面32aを下方側としたとき、上方側においてベース部材30に取り付けられる。ベース部材30に側面撮影用プリズム32が取り付けられると、側面撮影用プリズム32の上方側端面32cが、プリズム設置穴30aの長手方向に沿って配置される(図11参照)。
正面撮影用プリズム31及び側面撮影用プリズム32は、それぞれ上方側端面31c及び32c側から光が入射すると、傾斜面31a,32aで略直交方向に屈折し、内側面31b,32b側に位置する対象物に光を照射する。尚、光の照射範囲は、傾斜面31a,32aの回転軸Om直行方向への投影面の範囲(以下、撮像範囲と記載する。)である。対象物に照射された光は、対象物を照射して反射後、内側面31b,32bを通って傾斜面31a,32aで屈折し、上方側端面31c,32cに到達し、上方側端面31c,32cに、撮像範囲の画像を映し出すことを可能とする。
すなわち、回転電機1の接合部2は、径方向から見ただけでは、図6に示すような溶接部における良品及び不良品の判定ができない。しかしながら、接合部2は、周方向において連続的に複数設置されるため、隣接する接合部2の間隔が狭く、接合部2の側面を画像に基づいて検査することが困難であった。そこで、実施形態1では、傾斜面32aを有する薄型プレート状の側面撮影用プリズム32を使用し、周方向に形成された接合部2と接合部2との隙間に側面撮影用プリズム32を挿入可能とする。そして、傾斜面32aを利用して接合部2の側面を撮影することで、一度に撮影できる領域は限られているものの、画像処理によって複数の分割画像を合成し、合成された画像に基づいて良品もしくは不良品を判定することとした。
同様に、外周側の接合部配列層21は、径方向外側から撮影できるものの、内周側の接合部配列層22は、径方向外側から撮影することができない。よって、外周側の接合部配列層21よりも外周側と、内周側の接合部配列層22よりも内周側とに、正面撮影用プリズム31を配置し、傾斜面31aを利用して接合部2の正面を撮影することで、一度に撮影できる領域は限られているものの、画像処理によって複数の分割画像を合成し、合成された画像に基づいて良品もしくは不良品を判定することとした。
また、正面撮影用プリズム31及び側面撮影用プリズム32は、ベース部材30に取り付けられる際、上方側端面31c,32cがプリズム設置穴30aに全て配置されるため、プリズム設置穴30aを外観検査用カメラ301で撮影するだけで、外周側と内周側に配置された2つの接合部2の正面及び側面を同時に映し出すことができ、複数のカメラを設置することなく、効率的に外観検査を実施できる。
尚、正面撮影用プリズム31の傾斜面31aの上下方向位置は、側面撮影用プリズム32の傾斜面32aの上下方向位置よりも下方であって、傾斜面31aと傾斜面32aとが、径方向から見て重ならないように設定されている。これにより、例えば接合部2の正面を撮影する傾斜面31aで屈折した外観検査用照明302の光が、接合部2の側面を撮影する傾斜面32aに悪影響を及ぼすことを回避できる。尚、周方向に隣り合う接合部2の間の下方は、傾斜した松葉コイルセグメント131が存在する一方、接合部2の外周側や内周側の下方は、比較的干渉物が存在しない。よって、正面撮影用プリズム31を側面撮影用プリズム32よりも下方に位置させることが好ましい。
図12は実施形態1の接合部の検査方法を表すフローチャートである。各ステップを図面に基づいて説明する。
ステップS1では、ステータ11を投入する。図13は、実施形態1の接合部の検査装置にステータを投入する状態を表す図である。図13に示すように、検査装置300は、スライドアクチュエータ309が図13中の左端に位置している。この状態で、ステータ11を回転アクチュエータ306の上部に設置する。
ステップS2では、設置されたステータ11を検査位置へ移動する。図14は、実施形態1の接合部の検査装置において、投入したステータを検査位置へ移動した状態を表す図である。図14に示すように、検査装置300は、ステータ11が投入されると、スライドアクチュエータ309を図14中の右方にスライドさせ、ステータ11を外観検査用カメラ301等の下方に設置する。
ステップS3では、繰り返し検査を実施する。繰り返し検査とは、ステータ11の周方向に設けられた複数の接合部2の全数を検査するために、ステータ11を回転させながら繰り返し検査を開始することを意味する。尚、後述するステップS4において繰り返し検査を実施し、全ての接合部2の検査が終了したと判断したときは、ステップS5に進むように構成されている。
ステップS31では、接合部2を撮像し、位置を検出する。図15は、実施形態1のステータ位置検出を行うための撮影状態を表す図である。図15に示すように、ステータ11が検査位置に設置されると、昇降アクチュエータ308を所定位置まで下降させ、バックプレート305が接合部2の背景となる位置に設置し、位置決め用照明303によって撮影用プリズム307と接合部2とを照明を当てる。そして、位置決め用カメラ304にて撮影用プリズム307と、外周側の接合部配列層21に位置する各接合部2のうちの一つが、回転軸Omの径方向から見て同時に撮影する。
ここで、バックプレート305について説明する。図21は、実施形態1のバックプレートの正面及び側面を表す図、図22は、実施形態1のバックプレートと接合部との位置関係を表す図である。バックプレート305は、黒色素材で形成された板状部材であり、接合部2と対抗する背景面305aは、傾斜面305bが形成されている。傾斜面305bは、背景面305aに対して略10°傾斜している。そして、ステップS31において、接合部2を撮像する際には、径方向からみたとき、バックプレート305の傾斜面305bと接合部2とが重なる位置とされる。位置決め用照明303で接合部2を照射した際、背景となる傾斜面305bは、照射された光を径方向よりも下方に反射するため、位置決め用カメラ304では、光の反射によって背景色にムラが生じることがない。また、バックプレート305を黒色素材で形成することで、接合部2と背景との境界をクリアに撮影できる。よって、接合部2の位置を精度良く認識できる。
ステップS32では、ステータの位置合わせを行う。図16は、実施形態1のステータ位置検出時における撮影用プリズムと接合部との位置関係を表す図である。図16(a)に示すように、ステップS32で撮影した画像から、撮影用プリズム307のうち、正面撮影用プリズム31の周方向中心を通るプリズム軸O1と、接合部2の周方向中心を通る接合軸O2のうち、プリズム軸O1と周方向において最も近接した接合軸O2を有する接合部2を選択する。そして、選択された接合部2の接合軸O2とプリズム軸O2との周方向ズレ量を画像から検出する。次に、図16(b)に示すように、回転アクチュエータ306を回転させ、プリズム軸O1と接合軸O2とを一致させる。
ステップS33では、撮影用プリズム307を下降させ、接合部側面の分割撮像、合成及びAI判定を行う。図17は、実施形態1の撮影用プリズム307による撮影の様子を表す図である。撮影用プリズム307が径方向から見て接合部2と重なるように徐々に下降する。そのとき、図17の分割撮影に示すように、撮影用プリズム307の上方から上方側端面31c,32cに向けて外観検査用照明303に光が照射される。このとき、上方側端面31c,32cには、正面撮影用プリズム31の傾斜面31a及び側面撮影用プリズム32の傾斜面32aによって反射した画像が映し出される。外観検査用カメラ301は、昇降アクチュエータ308で撮影用プリズム307を下降する際、所定間隔をおいて上方側端面31c,32cに映し出された像を撮影する。
図17の下方に示すように、図外のコントロールユニットCUでは、分割画像を時系列に沿って並べ、撮影された分割画像を合成し、一つの画像として構成することで、周方向に隣接する接合部2の間隔が狭い場合であっても、接合部2の側面を精度良く撮影できる。図外のコントロールユニットCUは、合成された画像と、良品とされる基準画像とを比較し、AI(Artificial intelligence)によって自動的に良品もしくは不良品判定を実施する。尚、基準画像は、過去に撮像された画像の良否判定に基づいて学習により適宜補正され、良否判定の精度を向上する。
ステップS34では、昇降アクチュエータ308を作動させ、撮影用プリズム307を上昇させる。図18は、実施形態1の撮影用プリズムを上昇させた状態を表す図である。昇降アクチュエータ308は、撮影用プリズム307及びバックプレート305が接合部2よりも上方に位置するまで上昇させて、ステータ11を回転させたとしても、接合部2等が撮影用プリズム307やバックプレート305と干渉しない位置とする。
ステップS35では、ステータ11を隣接する次の接合部2が正面となる位置まで回転させる。図19は、実施形態1のステータを回転させた状態を表す図である。回転アクチュエータ306は、接合部2の周方向間隔分だけ回転するように制御され、次の接合部2(未検査)が位置決め用カメラ303の径方向正面に設置される。
ステップS4では、接合部全数に対しする検査が終了するまで繰り返し検査を実行する。繰り返し検査とは、ステップS31からS35までのステップを繰り返す処理である。すなわち、各接合部2の全数においてステップS31からS35までの検査を繰り返す。実施形態1では、位置決め用カメラ303や外観検査用カメラ301が2組備えられているため、接合部全数に対して半分の回数の繰り返し検査でよい。尚、外観検査用カメラ301等を更に複数備えていてもよい。
ステップS5では、接合部2の全数に対する検査が終了したため、ステータ11を検査装置300から払い出す。図20は、実施形態1の検査終了後に、ステータを払い出す様子を表す図である。接合部全数に対する外観検査が終了すると、スライドアクチュエータ309が図20中の左端に位置し、ステータ11と外観検査用カメラ301等とが回転軸Om方向において重ならない位置とされ、ステータ11を検査装置300から払い出す。
以上説明したように、実施形態1にあっては、下記に列挙する作用効果が得られる。
(1)ステータコア12に巻回されるコイル13を、ステータ11の軸方向一方側のコイルエンド131aにて導体同士を接合することで構成し、コイル13の接合部2は、ステータコア12の周方向に隣り合って複数設けられている回転電機1のステータ11におけるコイル13の接合部の検査方法であって、
隣り合った接合部2の間に、接合部側の光を異なる方向に反射させる反射部としての撮影用プリズム307を挿入し、
撮影用プリズム307によって反射した接合部2の状態を観察することによって接合部2の良否を判定する。
よって、隣り合った接合部2の間の接合状態を検査できる。
(2)反射部は、ステータ11の軸線である回転軸Omと直交する平面に対して傾斜する反射面として傾斜面31a,32aを備えている。
よって、接合部2の間を、傾斜面31a,32aの反射方向から観察することができる。
(3)反射部は、プリズムである撮影用プリズム307によって構成されている。よって、所望の方向に光を屈折させることができる。
(4)反射部は、先端に傾斜面31a,32aを有する撮影用プリズム307であり、撮影用プリズム307が接合部2から離間する方向側の端部から、反射した接合部2を観察する。よって、狭い隙間の画像であっても、接合部2から罹患する方向側の端部から容易に観察できる。
(5)反射部は、先端が一方側に傾斜した撮影用プリズム307である。よって、単純な構成で、狭い隙間の画像を観察できる。
(6)撮影用プリズム307における接合部2から離間する方向側の端部から光を照射する。よって、観察に必要な領域が光の照射方向と異なる方向であっても、光を屈折することで観察領域に対して適切に光を照射できる。
(7)反射部である傾斜面31a,32aによって反射された画像を撮像し、撮像した画像に基づいて接合部2の良否を判定する。よって、接合部2の外観に基づいて適切に良否判定できる。
(8)撮影用プリズム307とステータ11は、ステータ11の回展軸Om方向に相対的に移動可能に構成され、
移動した位置に応じて夫々撮像された複数の画像を合成した画像により接合部2の良否を判定する。
よって、隣接する接合部2の隙間が狭く、傾斜面31a,32aで撮影可能な領域が狭い場合であっても、接合部2の全体画像に基づいて良否判定でき、良否判定の精度を向上できる。
(9)撮像した画像は、過去に撮像された画像の良否判定を学習したデータと比較して、自動的に良否が判定される。よって、良否判定精度を向上できる。
(10)側面撮影用プリズム32は、少なくとも2つ設けられ、ステータコア12の周方向に並ぶ接合部2の周方向両側に夫々、挿入されるようになっている。よって、接合部2の側面の両側を観察することができ、良否判定精度を更に向上できる。
(11)正面撮影用プリズム31は、コイルエンド131aの外周側にも設けられている。よって、周方向に沿って配置された外周側の接合部配列層において、接合部2の径方向外側からの画像を確認できる。
(12)正面撮影用プリズム31は、コイルエンド131aの内周側にも設けられている。よって、周方向に沿って配置された内周側の接合部配列層において、接合部2の径方向内側からの画像を確認できる。
(13)撮影用プリズム307は、ステータコア12の周方向に並ぶ接合部2の周方向両側、コイルエンド131aの外周側、コイルエンド131aの内周側の4か所に挿入できるよう4つのプリズムによって構成されたプリズムユニットである。よって、接合部2の正面及び側面を同時に映し出すことができ、複数のカメラを設置することなく、効率的に外観検査を実施できる。
(14)コイルエンド131aの外周側とコイルエンド131aの内周側に挿入される正面撮影用プリズム31は、ステータコア12の周方向に並ぶ接合部2の周方向両側に挿入される側面撮影用プリズム32より先にコイルエンド131aに到達できるように移動方向の長さが長くなっている。
これにより、例えば接合部2の正面を撮影する傾斜面31aで屈折した外観検査用照明302の光が、接合部2の側面を撮影する傾斜面32aに悪影響を及ぼすことを回避できる。加えて、周方向に隣り合う接合部2の間の下方は、傾斜した松葉コイルセグメント131が存在する一方、接合部2の外周側や内周側の下方は、比較的干渉物が存在しない。よって、正面撮影用プリズム31を側面撮影用プリズム32よりも下方に位置させることが好ましい
(15)撮影用プリズム307は、1つのステータ11に対して複数箇所に複数設けられる。よって、同時に複数の接合部2の外観検査を実施でき、検査効率を向上できる。
(16)ステータ11を回展軸Omに対して回転させながら撮影用プリズム307によって各接合部2の状態を観察する。よって、ステータ11のみを回転させることで、効率的に複数の接合部2の外観検査を実施できる。
(17)ステータ11を軸線に対して回転させながら位置検出器である位置決め用カメラ304を用いて接合部2の位置を検出し、所望の位置にて位置決めした状態で、撮影用プリズム307とステータ11がステータ11の回展軸Om方向に相対的に移動する。よって、周方向に隣り合う接合部2の間の隙間が狭い場合であっても、高い精度で外観検査を実施できる。
(18)位置検出器は、接合部2をステータ11の外周側から観察する位置決め用カメラ304であり、
接合部2の位置決め判断をする際には、ステータ11における接合部2よりも内周側には、接合部2と色の異なるバックプレート305(板)が配置される。
よって、接合部2と背景との境界をクリアに撮影でき、接合部2の位置を精度良く認識できる。
(19)バックプレート305は、回転軸Om方向(反射部と前記ステータの相対的な移動方向)に対して、傾斜した傾斜面305b(面)を有している。
よって、位置決め用照明303で接合部2を照射した際、背景となる傾斜面305bは、照射された光を径方向よりも下方に反射するため、位置決め用カメラ304では、光の反射によって背景色にムラが生じることがなく、接合部2の位置を精度良く認識できる。
(20)撮影用プリズム307がステータ11に対して移動可能に構成され、
バックプレート305は、撮影用プリズム307と一緒に移動し、バックプレート305が接合部2の位置にきたときに、一時的に停止して位置ずれを修正し、
位置ずれ修正後に、撮影用プリズム307が隣り合った接合部2の間に移動する。
よって、撮影用プリズム307と接合部2との位置ずれが修正された上で、撮影用プリズム307の特に側面撮影用プリズム32が、周方向に隣り合う接合部2の間の狭い隙間に挿入されるため、側面撮影用プリズム32が接合部2と干渉することなく、精度良く外観検査を実施できる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明を実現するための実施形態に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施形態1では、反射部としてプリズムを使用した例を示したが、プリズムに限らず、鏡等の反射素材を使用してもよい。
また、実施形態1では、ステータ11を回転させ、位置決めを行ったが、撮影用プリズム307側を回転させて位置決めしてもよい。
また、実施形態1では、撮影用プリズム307を上下方向に移動させて外観検査を実施したが、ステータ11を上下方向に移動させて外観検査を実施してもよい。
また、実施形態1では、2組の撮影用プリズム307及び外観検査用カメラ301を用いたが、一組でもよいし、更に多数組を備えていてもよい。
また、実施形態1では、良否判定をAIによって判定する例を示したが、画像に基づいて管理者等が目視で判定してもよい。
また、実施形態1では、正面撮影用プリズム31を、外周側の接合部配列層21の外周側と、内周側の接合部配列層22の内周側とに配置したが、例えば、外周側の接合部配列層21の外周側と内周側とに配置すると共に、内周側の接合部配列層22の外周側と内周側とに配置することで、接合部2の正面側にあっても、外周側と内周側の両方を外観検査するようにしてもよい。これにより、更に外観検査の精度を向上できる。
1 回転電機
2 接合部
10 ロータ
11 ステータ
12 ステータコア
13 コイル
20 溶接玉
30 ベース部材
30a プリズム設置穴
31 正面撮影用プリズム
31a 傾斜面
31c 上方側端面
32 側面撮影用プリズム
32a 傾斜面
32c 上方側端面
131 松葉コイルセグメント
131a コイルエンド
300 検査装置
301 外観検査用カメラ
302 外観検査用照明
303 位置決め用照明
304 位置決め用カメラ
305 バックプレート
306 回転アクチュエータ
307 撮影用プリズム
308 昇降アクチュエータ
309 スライドアクチュエータ
CU コントロールユニット

Claims (4)

  1. ステータコアに巻回されるコイルを、ステータの軸方向一方側のコイルエンドにて導体同士を接合することで構成し、コイルの接合部は、前記ステータコアの周方向に隣り合って複数設けられている回転電機のステータにおけるコイルの接合部の検査方法であって、隣り合った前記接合部の間に、前記接合部側の光を異なる方向に反射させる前記ステータコアの周方向に並ぶ接合部の周方向両側、前記コイルエンドの外周側、前記コイルエンドの内周側の4か所に挿入できるよう4つのプリズムによって構成されたプリズムユニットであり、前記コイルエンドの外周側と前記コイルエンドの内周側に挿入されるプリズムは、前記ステータコアの周方向に並ぶ接合部の周方向両側に挿入されるプリズムより先に前記コイルエンドに到達できるように移動方向の長さが長くなっている反射部を挿入し、前記反射部によって反射した接合部の状態を観察することによって接合部の良否を判定することを特徴とする接合部の検査方法。
  2. ステータコアに巻回されるコイルを、ステータの軸方向一方側のコイルエンドにて導体同士を接合することで構成し、コイルの接合部は、前記ステータコアの周方向に隣り合って複数設けられている回転電機のステータにおけるコイルの接合部の検査方法であって、隣り合った前記接合部の間に、前記接合部側の光を異なる方向に反射させる反射部を挿入し、前記反射部と前記ステータは、前記ステータを軸線に対して回転させながら、前記接合部を前記ステータの外周側から観察するカメラである位置検出器を用いて前記接合部の位置を検出し、前記接合部の位置決め判断をする際には、前記ステータにおける前記接合部よりも内周側には、前記反射部と前記ステータの相対的な移動方向に対して、傾斜した面を有している前記接合部と色の異なる板が配置されており、所望の位置にて位置決めした状態で、前記反射部と前記ステータが前記ステータの軸線方向に相対的に移動可能に構成され、移動した位置に応じて前記反射部によって反射した接合部の画像を撮像し、移動した位置に応じて夫々撮像された複数の画像を合成した画像により接合部の良否を判定することを特徴とする接合部の検査方法。
  3. ステータコアに巻回されるコイルを、ステータの軸方向一方側のコイルエンドにて導体同士を接合することで構成し、コイルの接合部は、前記ステータコアの周方向に隣り合って複数設けられている回転電機のステータにおけるコイルの接合部の検査装置であって、隣り合った前記接合部の間に挿入または離間可能に構成され、前記ステータコアの周方向に並ぶ接合部の周方向両側、前記コイルエンドの外周側、前記コイルエンドの内周側の4か所に挿入できるよう4つのプリズムによって構成されたプリズムユニットであり、前記コイルエンドの外周側と前記コイルエンドの内周側に挿入されるプリズムは、前記ステータコアの周方向に並ぶ接合部の周方向両側に挿入されるプリズムより先に前記コイルエンドに到達できるように移動方向の長さが長くなっている接合部側の光を異なる方向に反射させる反射部と、前記反射部によって反射した接合部の状態を観察することによって接合部の良否を判定する良否判定手段と、を備えたことを特徴とする接合部の検査装置
  4. ステータコアに巻回されるコイルを、ステータの軸方向一方側のコイルエンドにて導体同士を接合することで構成し、コイルの接合部は、前記ステータコアの周方向に隣り合って複数設けられている回転電機のステータにおけるコイルの接合部の検査装置であって、隣り合った前記接合部の間に挿入または離間可能に構成され、接合部側の光を異なる方向に反射させる反射部と、前記反射部と前記ステータは、前記ステータを軸線に対して回転させながら、前記接合部を前記ステータの外周側から観察するカメラである位置検出器を用いて前記接合部の位置を検出し、前記接合部の位置決め判断をする際には、前記ステータにおける前記接合部よりも内周側には、前記反射部と前記ステータの相対的な移動方向に対して、傾斜した面を有している前記接合部と色の異なる板が配置されており、所望の位置にて位置決めした状態で、前記反射部と前記ステータが前記ステータの軸線方向に相対的に移動可能に構成され、移動した位置に応じて前記反射部によって反射した接合部の画像を撮像し、移動した位置に応じて夫々撮像された複数の画像を合成した画像により接合部の良否を判定する良否判定手段と、を備えたことを特徴とする接合部の検査装置
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