JP7192799B2 - スティフナー - Google Patents
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Description
[1] 片持ち梁を用いて測定した400℃における弾性率の値が0.5GPa以上10GPa以下であることを特長とするスティフナー。
[2] 前記スティフナーが複数のポリイミドフィルムの積層体であることを特長とする[1]に記載のスティフナー。
[3] 前記スティフナーが、複数のポリイミドフィルム層と、シランカップリング剤縮合物層が交互に積み重なった構造を有するポリイミドフィルム積層体であり、各ポリイミドフィルム層の厚さが3μm以上250μm以下であり、ポリイミドフィルム層間の接着強度が90度剥離法において0.1N/cm以上、20N/cm以下のポリイミドフィルム積層体であることを特長とする[1]または[2]に記載のスティフナー。
[4] 前記ポリイミドフィルム積層体において、前記シランカップリング剤縮合物層の厚さが0.1nm以上300nm以下である事を特徴とする[3]に記載のスティフナー。
[5] 前記シランカップリング剤縮合層と接する面の内、少なくとも片面の表面粗さRaが70nm以下であることを特長とする[3]または[4]に記載のスティフナー。
[6] 厚さTのポリイミドフィルムの曲げ弾性率をMT、
厚さtのポリイミドフィルムをk枚積層して得られた積層体ktの曲げ弾性率をMkt、
ただし、T=k×t、
である時に、Mkt>MT
であることを特徴とする[2]から[5]に記載のスティフナー。
本発明のスティフナーは、これらの用途の様に、特に高温域、好ましくは400℃程度の温度領域においても十分な補強特性を示すスティフナーに関する。かかるスティフナーは、高温領域において使用されるフレキシブルプリント配線板の部分的な補強、たとえば部品搭載部分のセミリジッド化や、コネクタ抜き差し部分の補強に好ましく用いられる。
本発明は、厚さが50μm、好ましくは76μmを越える範囲において、単独のポリイミドフィルムより、同じ厚さになるように複数枚の薄いポリイミドフィルムを貼り合わせた方が、曲げ剛性が高くなり、スティフナーとしての性能が向上することを見出した結果、柔軟性、弾力性のある高分子材料による高温領域でも使用出来るスティフナーを実現したところに最大の効果がある。
本発明におけるスティフナーとは、樹脂が積層された補強材であり、特に形状は問わない。たとえば、上面の形状は正方形、長方形、円などでも良い。また積層数は2枚以上であれば何枚でも良い。
<シランカップリング剤>
本発明におけるシランカップリング剤とは、分子内に珪素元素を有し、ポリイミドフィルム間を物理的および化学的に介在し、両者間の接着力を高める作用を有する化合物を云う。
シランカップリング剤の好ましい具体例としては、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、2-(3,4-エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス-(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、クロロメチルフェネチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。
本発明では、特に好ましいシランカップリング剤としては、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、2-(3,4-エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシランなどが挙げられる。プロセスで特に高い耐熱性が要求される場合、Siとアミノ基の間を芳香族基でつないだものが望ましい。
なお本発明では必要に応じて、リン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等を併用しても良い。
一般にシランカップリング剤処理とは、対象物表面にシランカップリング剤、ないしシランカップリング剤の縮合物からなる薄膜層を形成する処理を云う。
シランカップリング剤処理は、一般に、シランカップリング剤をアルコールなどの溶液とし、対象物に塗布ないし、対象物をシランカップリング剤溶液に浸漬等の手段により塗布し、その後、乾燥、加熱によりシランカップリング剤を縮合させると同時に対象物表面に化学反応的に結合させることによる。
シランカップリング剤の塗布方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、ディップ法などが一般的である。
シランカップリング剤処理は、必要に応じてポリイミドフィルムの片面、ないし両面に行われる。
シランカップリング剤を加温する環境は、加圧下、略常圧下、減圧下のいずれでも構わないが、シランカップリング剤の気化を促進する場合には略常圧下ないし減圧下が好ましい。多くのシランカップリング剤は可燃性液体であるため、密閉容器内にて、好ましくは容器内を不活性ガスで置換した後に気化作業を行うことが好ましい。しかし、生産効率向上および生産設備価格低減の観点からは、真空を使わない環境でのシランカップリング剤塗布が望ましい。本発明における真空を使わないシランカップリング剤堆積法とは、堆積時のみに真空を使わないのではなく、通常大気雰囲気でポリイミドフィルムをセットしてから、キャリアガスに置換してシランカップリング剤を堆積してから、またシランカップリング剤の無い状態に戻す時まで、概略大気圧のままで行うことを指す。
ポリイミドフィルムをシランカップリング剤に暴露する時間は特に制限されないが、60分以内、好ましくは20分以内、さらに好ましくは10分以内である。暴露時間はシランカップリング剤の濃度と、必要なシランカップリング剤塗布量との関係によって定まる工程設計値である。暴露時間の下限は特に限定されないが、工業的に生じる塗布量の斑を低減するためには10秒以上、好ましくは30秒以上程度の時間を設けた方が良い。
シランカップリング剤に暴露されたポリイミドフィルムは、好ましくは、暴露後に、70℃~200℃、さらに好ましくは75℃~150℃に加熱される。かかる加熱によって、ポリイミドフィルム表面の水酸基などと、シランカップリング剤のアルコキシ基やシラザン基が反応し、シランカップリング剤処理が完了する。加熱に要する時間は10秒以上10分程度以内である。温度が高すぎたり、時間が長すぎる場合にはカップリング剤の劣化が生じる場合がある。また短すぎると処理効果が得られない。なお、シランカップリング剤に暴露中の基板温度が既に80℃以上である場合には、事後の加熱を省略することも出来る。
また、気化したシランカップリング剤を含む気体を高分子基板に暴露させる部屋に導入する際に、一旦2つ以上に気体を分離して導入すること、2つ以上の気体を前記部屋内で衝突させることで乱流を生じさせ、シランカップリング剤分布を均一化させる操作なども有効である。
シランカップリング剤を気化させる方式としては、加熱による蒸発気化以外に、シランカップリング剤液中に気体を導入して気泡を発生させる方式もあり得る。これを以後バブリングと呼ぶ。バブリングについては、単純に気体の通る配管をシランカップリング剤液に入れること、配管の先に多孔質体を取り付けて、微細な気泡が数多く出るようにしたもの、超音波を重畳して、気化を促すものも有効である。
シランカップリング剤層積層ポリイミドフィルムのシランカップリング剤層に存在する長径10μm以上の珪素含有異物数は2000個/m2以下、好ましくは1000個/m2以下、更には500個/m2以下とすることが、本発明の好ましい形態である。また前記操作を組み合わせる事により珪素含有異物数は達成可能である。
シランカップリング剤縮合物層の膜厚は、ポリイミドフィルム積層体のフィルム面に垂直方向の断面を研磨した後にミクロトームで超薄切片とし、透過型電子顕微鏡にて断面写真を撮影し、実測値を拡大倍率から逆算して求めた。
本発明のポリイミドフィルムの面積は、積層体やフレキシブル電子デバイスの生産効率・コストの観点より、大面積であることが好ましい。1000cm2以上であることが好ましく、1500cm2以上であることがより好ましく、2000cm2以上であることがさらに好ましい。
前記脂環式ジアミン類としては、例えば、1,4-ジアミノシクロヘキサン、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルシクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
芳香族ジアミン類以外のジアミン(脂肪族ジアミン類および脂環式ジアミン類)の合計量は、全ジアミン類の20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。換言すれば、芳香族ジアミン類は全ジアミン類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
脂環式テトラカルボン酸類は、透明性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
芳香族テトラカルボン酸類は、耐熱性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
フィルムの厚さ斑(%)
=100×(最大フィルム厚-最小フィルム厚)÷平均フィルム厚
ポリイミドフィルムのような溶液製膜法を用いて得られるポリイミドフィルムの場合にも同様で、例えば、ポリアミド酸溶液(ポリイミドの前駆体溶液)として、滑材(好ましくは平均粒子径0.05~2.5μm程度)をポリアミド酸溶液中のポリマー固形分に対して0.02質量%~50質量%(好ましくは0.04~3質量%、より好ましくは0.08~1。2質量%)含有したポリアミド酸溶液と、滑材を含有しないか又はその含有量が少量(好ましくはポリアミド酸溶液中のポリマー固形分に対して0.02質量%未満、より好ましくは0.01質量%未満)である2種のポリアミド酸溶液を用いて製造することができる。
ポリイミドフィルムの場合、例えば、i)一方のポリイミドフィルムを作製後、このポリイミドフィルム上に他方のポリアミド酸溶液を連続的に塗布してイミド化する方法、ii)一方のポリアミド酸溶液を流延しポリアミド酸フィルムを作製後このポリアミド酸フィルム上に他方のポリアミド酸溶液を連続的に塗布した後、イミド化する方法、iii)共押し出しによる方法、iv)滑材を含有しないか又はその含有量が少量であるポリアミド酸溶液で形成したフィルムの上に、滑材を多く含有するポリアミド酸溶液をスプレーコート、Tダイ塗工などで塗布してイミド化する方法などを例示できる。本発明では、上記i)ないし上記ii)の方法を用いることが好ましい。
本発明において用いられるポリイミドフィルムには表面活性化処理を行うことが好ましい。該表面活性化処理によって、ポリイミドフィルム表面は官能基が存在する状態(いわゆる活性化した状態)に改質され、シランカップリング剤との親和性が向上する。
本発明における表面活性化処理とは、乾式、ないし湿式の表面処理である。本発明の乾式処理としては、紫外線、電子線、X線などの活性エネルギー線を表面に照射する処理、コロナ処理、真空プラズマ処理、常圧プラズマ処理、火炎処理、イトロ処理等を用いることが出来る。湿式処理としては、フィルム表面を酸ないしアルカリ溶液に接触させる処理を例示できる。本発明に置いて好ましく用いられる表面活性化処理は、プラズマ処理であり、プラズマ処理と湿式の酸処理の組み合わせである。
また、Arガスを使ったプラズマでは純粋に物理的な衝突の影響が表面ではおこり、この場合も表面のあれが大きくなる。これら総合的に考えると、マイクロ波プラズマ処理、マイクロ波ECRプラズマ処理、高いエネルギーのイオンを打ち込みやすいイオン源によるプラズマ照射、PBII法なども望ましい。
プラズマ処理においてはポリイミドフィルム表面をエッチングする効果も得ることが出来る。特に滑剤粒子を比較的多く含むポリイミドフィルムにおいては、滑剤による突起が、フィルムと無機基板との接着を阻害する場合がある。この場合、プラズマ処理によってポリイミドフィルム表面を薄くエッチングし、滑剤粒子の一部を露出せしめた上で、フッ酸にて処理を行えば、フィルム表面近傍の滑剤粒子を除去することが可能である。
本発明におけるポリイミドフィルムの表面粗さRaは70nm以下が望ましく、より望ましくは30nm以下、さらに望ましくは1.5nm以下である。Raが70nmよりも大きいと、シランカップリング剤層を介して複数のポリイミドフィルムを貼り合わせた際、シランカップリング剤塗工ムラやそれによる剥離ムラの原因になる。
本発明では、シランカップリング剤層を介してポリイミドフィルムを貼り合わせることにより、ポリイミドフィルム層とシランカップリング剤縮合物層が交互に積層されたポリイミドフィルム積層体を得る。
ポリイミドフィルムの積層は、シランカップリング剤処理を行った面が、ポリイミドフィルム層間に配置されるように、ポリイミドフィルムを重ね、加圧することによる。加圧と加熱をの組み合わせは有効である。
加圧処理は、例えば、大気圧雰囲気下あるいは真空中で、プレス、ラミネート、ロールラミネート等を、加熱しながら行えばよい。またフレキシブルなバッグに入れた状態で加圧加熱する方法も応用できる。生産性の向上や、高い生産性によりもたらされる低加工コスト化の観点からは、大気雰囲気下でのプレスまたはロールラミネートが好ましく、特にロールを用いて行う方法(ロールラミネート等)が好ましい。
また加圧処理は、上述のように大気圧雰囲気中で行うこともできるが、全面の安定した接着強度を得る為には、真空下で行うことが好ましい。このとき真空度は、通常の油回転ポンプによる真空度で充分であり、10Torr以下程度あれば充分である。
加圧加熱処理に使用することができる装置としては、真空中でのプレスを行うには、例えば井元製作所製の「11FD」等を使用でき、真空中でのロール式のフィルムラミネーターあるいは真空にした後に薄いゴム膜によりガラス全面に一度に圧力を加えるフィルムラミネーター等の真空ラミネートを行うには、例えば名機製作所製の「MVLP」等を使用できる。
この場合、まず、比較的低温(例えば120℃未満、より好ましくは95℃以下の温度)でポリイミドフィルムと無機基板とを加圧(好ましくは0.2~50MPa程度)して両者の密着確保し、その後、低圧(好ましくは0.2MPa未満、より好ましくは0.1MPa以下)もしくは常圧にて比較的高温(例えば120℃以上、より好ましくは120~250℃、さらに好ましくは150~230℃)で加熱することにより、密着界面の化学反応が促進されてポリイミドフィルムと仮支持用無機基板とを積層できる。
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
測定対象のポリイミドフィルムもしくはポリイミドフィルム積層体を、長さ150mm×幅20mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。試験片の自由端から100mmの位置を金属製の治具にて固定し、真横からたわみ量を測定することで弾性率を求めた。図6に測定に用いた金属製の治具の模式図を示す。弾性率の算出には下式を用いた。
E=wl4/8δI
ここに、
E:弾性率
w:単位長さあたりの試験片重さ
l:試験片の固定端から自由端までの長さ
δ:たわみ量
I:断面二次モーメント I=bh3/12
b:試料幅
h:試料厚み
である。
400℃における弾性率測定には、アズワンの窓付きプログラム電気炉MMF―2Wを用い、試料を電気炉に入れてから30分後の値を400℃におけるたわみ量とした。
JISK6854-1 の90度剥離法に従って、ポリイミドフィルム積層体のポリイミドフィルム層間の接着強度を求めた。
装置名 ; 島津製作所社製 オートグラフAG-IS
測定温度 ; 室温
剥離速度 ; 50mm/min
雰囲気 ; 大気
測定サンプル幅 ; 1cm
サンプルは一辺が100mmの正方形のポリイミドフィルム積層体の表面に、最表層のポリイミドフィルム厚さの120%に相当する深さまで切り込みを入れ、積層体の端から最表層のポリイミドフィルムを剥がして測定した。
接着強度は、200℃1時間後の加熱処理後について測定した。
シランカップリング剤縮合物層の膜厚は、ポリイミドフィルム積層体のフィルム面に垂直方向の断面を研磨した後にミクロトームで超薄切片とし、透過型電子顕微鏡にて断面写真を撮影し、実測値を拡大倍率から逆算して求めた。
<ポリイミドフィルムの製造>
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5-アミノ-2-(p-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)223質量部と、N,N-ジメチルアセトアミド4416質量部とを加えて完全に溶解させ、次いで、ピロメリット酸二無水物(PMDA)217質量部とともに、滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST30」)とをシリカ(滑剤)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.12質量%)になるように加え、25℃の反応温度で24時間攪拌して、褐色で粘調なポリアミド酸溶液V1を得た。
上記で得られたポリアミド酸溶液V1を、スリットダイを用いて幅1050mmの長尺ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「A-4100」)の平滑面(無滑剤面)上に、最終膜厚(イミド化後の膜厚)が38μmとなるように塗布し、105℃にて20分間乾燥した後、ポリエステルフィルムから剥離して、幅920mmの自己支持性のポリアミド酸フィルムを得た。
上記で得られたポリアミド酸フィルムを得た後、ピンテンターによって、1段目150℃×5分、2段目220℃×5分、3段目495℃×10分間)熱処理を施してイミド化させ、両端のピン把持部分をスリットにて落とし、幅850mmの長尺ポリイミドフィルムF1(1000m巻き)を得た。
上記で得られたポリアミド酸溶液V1を、スリットダイを用いて幅1050mmの長尺ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「A-4100」)の平滑面(無滑剤面)上に、最終膜厚(イミド化後の膜厚)が114μmとなるように塗布し、105℃にて20分間乾燥した後、ポリエステルフィルムから剥離して、幅920mmの自己支持性のポリアミド酸フィルムを得た。
上記で得られたポリアミド酸フィルムを得た後、ピンテンターによって、1段目150℃×5分、2段目220℃×5分、3段目495℃×10分間)熱処理を施してイミド化させ、両端のピン把持部分をスリットにて落とし、幅850mmの長尺ポリイミドフィルムF2(1000m巻き)を得た。
F3:ユーピレックス25S(宇部興産株式会社製ポリイミドフィルム、厚さ25μm)
F4:カプトン100H(東レ・デュポン株式会社製ポリイミドフィルム、厚さ25μm)
F5:ユーピレックス75S(宇部興産株式会社製ポリイミドフィルム、厚さ75μm)
F6:カプトン200H(東レ・デュポン株式会社製ポリイミドフィルム、厚さ25μm)
ポリイミドフィルムにシランカップリング剤処理を行う前工程として、ポリイミドフィルムに真空プラズマ処理を行った。真空プラズマ処理は枚葉ガラス用の装置を用い、ガラスのシランカップリング剤処理面にメタルマスクを重ねて装置にセットし、真空チャンバー内を1×10-3Pa以下になるまで真空排気し、真空チャンバー内にアルゴンガスを導入して、放電電力100W、周波数15kHzの条件で20秒間、ガラス板表面にアルゴンガスのプラズマ処理を行った。
コーター装置を用い、以下の条件にてポリイミドフィルムにシランカップリング剤SC1(信越化学工業株式会社製「KBM-403」:3-グリシドキシプロピルメトキシシラン)を塗布した。
幅280mmのポリイミドフィルムを10m/sで移動させ、フィルムとの間隔が20μmとなるように調整したワイヤーバーを用いて、ワイヤーバーよりもフィルム上流側から0.5wt%のシランカップリング剤イソプロパノール溶液を供給することでシランカップリング剤塗布ポリイミドフィルムロールを得た。
図5に概略を示したシランカップリング剤蒸気を発生させる装置を用い、以下の条件にてポリイミドフィルムにシランカップリング剤を塗布した。
幅220mmのポリイミドフィルムを20mm×250mmのスリットを有する750mm×20mm×10mmのチャンバー内を速度240mm/minで通過させた。
シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM-903」:3-アミノプロピルトリメトキシシラン)100gを入れた容器を、40℃に温調した後に窒素ガスを20L/minでバブリングの要領で送り、発生したシランカップリング剤蒸気を含んだ窒素ガスを、配管を通じて前期チャンバー内に導入し、ポリイミドフィルムの両面を前記ガスに3分間暴露し、シランカップリング剤塗布ポリイミドフィルムロールを得た。
得られたシランカップリング剤処理基板を2枚または3枚重ね、さらに離型シート挟み、真空プレスにて、減圧化に100Paの圧力を印加し、仮接着を行った。次いで得られた仮接着積層板をクリーンオーブンに入れ、窒素雰囲気下で200℃にて1時間加熱し、本発明のポリイミドフィルム積層体を得た。便宜上、積層枚数1の場合を参考例として同列に並べた。
得られた積層体を評価した結果を表1に示す。比較例の厚手フィルムに対して、同じ高分子組成で同じ厚さでありながら、複数枚を積層した方がより剛性が高くなることが理解できる。
12、22、32 接着剤層
13 セパレーター
14 フレキシブルプリント基板
23 銅箔
31 ポリイミドフィルム
51 フィルム巻出し部
52 塗工液供給部
53 塗工液体吐出部
54 塗工液蒸気の排気口
55 フィルム巻取り部
56 合紙供給ロール
61 試験片長
62 たわみ
63 試験片固定治具
64 試験片
Claims (4)
- 片持ち梁を用いて測定した400℃における弾性率の値が0.5GPa以上10GPa以下であることを特長とするスティフナーであり、
前記スティフナーが、複数のポリイミドフィルム層と、シランカップリング剤縮合物層が交互に積み重なった構造を有するポリイミドフィルム積層体であり、各ポリイミドフィルム層の厚さが3μm以上250μm以下であり、ポリイミドフィルム層間の接着強度が90度剥離法において0.1N/cm以上、20N/cm以下のポリイミドフィルム積層体であり、
前記ポリイミドフィルム層の積層枚数が2枚または3枚であることを特長とするスティフナー。 - 前記ポリイミドフィルム積層体において、前記シランカップリング剤縮合物層の厚さが0.1nm以上300nm以下である事を特徴とする請求項1に記載のスティフナー。
- 前記シランカップリング剤縮合層と接する面の内、少なくとも片面の表面粗さRaが70nm以下であることを特長とする請求項1または請求項2に記載のスティフナー。
- 厚さTのポリイミドフィルムの曲げ弾性率をMT、
厚さtのポリイミドフィルムをk枚積層して得られた積層体ktの曲げ弾性率をMkt
、
ただし、T=k×t、
である時に、Mkt>MT
であることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のスティフナー。
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