JP7374039B2 - 電子装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子装置の製造方法に関する。
電子装置(例えば、半導体装置)の製造工程では、電子部品(例えば、半導体ウエハ)の非回路形成面(裏面)を保護する観点から、電子部品の非回路形成面に熱硬化性保護フィルムを貼り付ける工程をおこなう場合がある。
このような熱硬化性保護フィルムに関する技術としては、例えば、特許文献1(特開2017-1188号公報)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、非導電性無機材料で構成された保護層と、上記保護層の一方の面に設けられた接着剤層とを具備する半導体用保護フィルムが記載されている。
特開2017-1188号公報
近年の傾向として電子部品の厚みが薄くなってきている。本発明者らの検討によれば、電子部品の厚みが薄くなるに従い、従来の電子装置の製造方法において、電子部品の非回路形成面に熱硬化性保護フィルムを貼り付けた後に上記保護フィルムを熱硬化する際や、バックグラインド工程後に電子部品に反りが生じやすくなる傾向にあることが明らかになった。特に、ウエハーレベルCSPの様に樹脂と半導体が一体化されており当該樹脂の厚みが比較的厚い場合は、反りが生じやすい傾向にある。電子部品に反りが生じると、電子部品のハンドリングが難しくなったり、電極にクラックが発生したりしてしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、反りを抑制することが可能な電子装置の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、電子部品の回路形成面を保護するための表面保護フィルムとして、特定の熱機械特性を有する基材層、凹凸吸収性樹脂層および粘着性樹脂層をこの順番に有する粘着性積層フィルムを使用し、この粘着性積層フィルムを貼り付けた状態で、電子部品の非回路形成面に貼り付けた熱硬化性保護フィルムの熱硬化をおこなうことにより、電子部品の反りを抑制できることを見出して、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下に示す電子装置の製造方法が提供される。
[1]
回路形成面を有する電子部品と、基材層、凹凸吸収性樹脂層および粘着性樹脂層をこの順番に有し、上記電子部品の上記回路形成面側に貼り付けられた粘着性積層フィルムと、上記電子部品の上記回路形成面とは反対側の面に貼り付けられた熱硬化性保護フィルムと、
を備える構造体を準備する準備工程(A)と、
上記構造体を加熱することにより、上記熱硬化性保護フィルムを熱硬化させる熱硬化工程(B)と、
を備え、
上記基材層に対して、荷重:5gf、試験片サイズ:5mm幅×10mm長さ(チャック間)、測定方向:MD方向、昇温速度5℃/分、測定温度範囲0~200℃、測定モード:フィルム伸長モードの条件で熱機械分析測定をしたとき、0℃の伸びを0とした上記基材層の160℃~200℃の範囲の伸びの最大値が1μm以上110μm以下である電子装置の製造方法。
[2]
上記[1]に記載の電子装置の製造方法において、
上記基材層を構成する樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびポリイミドからなる群から選択される一種または二種以上を含む電子装置の製造方法。
[3]
上記[1]に記載の電子装置の製造方法において、
上記基材層を構成する樹脂がポリエチレンナフタレートを含む電子装置の製造方法。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法において、
上記準備工程(A)は、
上記電子部品の上記回路形成面に上記粘着性積層フィルムが貼り付けられた状態で、上記粘着性積層フィルムにおける上記凹凸吸収性樹脂層を熱硬化または紫外線硬化させる硬化工程と、
上記電子部品の上記回路形成面とは反対側の面に上記熱硬化性保護フィルムを貼り付ける工程と、
を含む電子装置の製造方法。
[5]
上記[4]に記載の電子装置の製造方法において、
上記電子部品の上記回路形成面とは反対側の面に上記熱硬化性保護フィルムを貼り付ける工程における加熱温度が50℃以上90℃以下である電子装置の製造方法。
[6]
上記[4]または[5]に記載の電子装置の製造方法において、
上記準備工程(A)は、上記硬化工程の前に、上記電子部品の上記回路形成面に上記粘着性積層フィルムが貼り付けられた状態で、上記電子部品の上記回路形成面とは反対側の面をバックグラインドするバックグラインド工程を含む電子装置の製造方法。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法において、
上記熱硬化工程(B)における加熱温度が120℃以上170℃以下である電子装置の製造方法。
[8]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法において、
上記電子部品の上記回路形成面はバンプ電極を含む電子装置の製造方法。
[9]
上記[8]に記載の電子装置の製造方法において、
上記バンプ電極の高さをH[μm]とし、上記凹凸吸収性樹脂層の厚みをd[μm]としたとき、H/dが0.01以上1以下である電子装置の製造方法。
[10]
上記[1]乃至[9]のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法において、
上記凹凸吸収性樹脂層が架橋性樹脂を含む電子装置の製造方法。
[11]
上記[10]に記載の電子装置の製造方法において、
上記凹凸吸収性樹脂層が架橋剤をさらに含む電子装置の製造方法。
[12]
上記[1]乃至[11]のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法において、
上記凹凸吸収性樹脂層の厚みが10μm以上1000μm以下である電子装置の製造方法。
[13]
上記[1]乃至[12]のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法において、
上記粘着性樹脂層を構成する粘着剤が(メタ)アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、オレフィン系粘着剤およびスチレン系粘着剤から選択される一種または二種以上を含む電子装置の製造方法。
[14]
上記[1]乃至[13]のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法に用いられる上記粘着性積層フィルムであって、
基材層、凹凸吸収性樹脂層および粘着性樹脂層をこの順番に有し、
上記基材層に対して、荷重:5gf、試験片サイズ:5mm幅×10mm長さ(チャック間)、測定方向:MD方向、昇温速度5℃/分、測定温度範囲0~200℃、測定モード:フィルム伸長モードの条件で熱機械分析測定をしたとき、0℃の伸びを0とした上記基材層の160℃~200℃の範囲の伸びの最大値が1μm以上110μm以下である粘着性積層フィルム。
本発明によれば、反りを抑制することが可能な電子装置の製造方法を提供することができる。
本発明に係る実施形態の電子装置の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。また、数値範囲の「A~B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。また、本実施形態において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル、メタクリルまたはアクリルおよびメタクリルの両方を意味する。
図1は、本発明に係る実施形態の電子装置の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。
本実施形態に係る電子装置の製造方法は、以下の工程(A)および工程(B)を含む。
(A)回路形成面10Aを有する電子部品10と、基材層20、凹凸吸収性樹脂層30および粘着性樹脂層40をこの順番に有し、電子部品10の回路形成面10A側に貼り付けられた粘着性積層フィルム50と、電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに貼り付けられた熱硬化性保護フィルム70と、を備える構造体60を準備する準備工程
(B)構造体60を加熱することにより、熱硬化性保護フィルム70を熱硬化させる熱硬化工程
そして、本実施形態に係る電子装置の製造方法において、基材層20に対して、荷重:5gf、試験片サイズ:5mm幅×10mm長さ(チャック間)、測定方向:MD方向、昇温速度5℃/分、測定温度範囲0~200℃、測定モード:フィルム伸長モードの条件で熱機械分析測定をしたとき、0℃の伸びを0とした上記基材層の160℃~200℃の範囲の伸びの最大値が1μm以上110μm以下である。
ここで、電子部品10の回路形成面10Aと粘着性樹脂層40が接している。
前述したように、本発明者らの検討によれば、電子部品の厚みが薄くなるに従い、従来の電子装置の製造方法において、電子部品の非回路形成面に熱硬化性保護フィルムを貼り付けた後に上記保護フィルムを熱硬化する際や、バックグラインド工程後に電子部品に反りが生じやすくなる傾向にあることが明らかになった。特に、ウエハーレベルCSPの様に樹脂と半導体が一体化されており当該樹脂の厚みが比較的厚い場合は、反りが生じやすい傾向にある。電子部品に反りが生じると、電子部品のハンドリングが難しなったり、電極にクラックが発生したりしてしまう。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、電子部品10の回路形成面10Aを保護するための表面保護フィルムとして、熱機械分による伸びの最大値が上記範囲内である基材層20、凹凸吸収性樹脂層30および粘着性樹脂層40をこの順番に有する粘着性積層フィルム50を使用し、この粘着性積層フィルム50を貼り付けた状態で、回路形成面10Aとは反対側の面10Cに貼り付けられた熱硬化性保護フィルム70を熱硬化させる熱硬化工程(B)をおこなうことによって、熱硬化工程(B)における電子部品10の反りを抑制できることを見出した。
以上のように、本実施形態に係る電子装置の製造方法によれば、電子部品の反りを抑制することが可能となる。
本実施形態に係る電子装置の製造方法において、上記基材層20の伸びの最大値は1μm以上110μm以下であるが、フィルム取扱性の観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上、さらにより好ましくは20μm以上に調整し、そして、反り抑制の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、さらに好ましくは80μm以下、さらにより好ましくは60μm以下、特に好ましくは50μm以下に調整する。
上記基材層20の伸びの最大値は、例えば、基材層20を構成する樹脂の種類を調整することにより上記範囲内に制御することができる。
また、上記基材層20の伸びの最大値は、例えば、基材層20を形成するために使用する樹脂フィルムに対して熱処理などの処理をおこない、熱応力を低減させることによって制御することも可能である。
1.粘着性積層フィルム
以下、本実施形態に係る電子装置の製造方法で用いる粘着性積層フィルム50について説明する。
<基材層>
基材層20は、粘着性積層フィルム50の取り扱い性や機械的特性、耐熱性等の特性をより良好にすることを目的として設けられる層である。
基材層20は特に限定されないが、例えば、樹脂フィルムが挙げられる。
基材層20を構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびポリイミド等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
これらの中でも、耐熱性をより一層良好にする観点から、ポリエチレンナフタレートおよびポリイミドから選択される少なくとも一種が好ましく、ポリエチレンナフタレートがより好ましい。
基材層20は、単層であっても、二種以上の層であってもよい。
また、基材層20を形成するために使用する樹脂フィルムの形態としては、延伸フィルムであってもよいし、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであってもよい。
基材層20の厚さは、良好なフィルム特性を得る観点から、好ましくは10μm以上500μm以下、より好ましくは20μm以上300μm以下、さらに好ましくは25μm以上250μm以下である。
基材層20は他の層との接着性を改良するために、表面処理を行ってもよい。具体的には、コロナ処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理等を行ってもよい。
<凹凸吸収性樹脂層>
本実施形態に係る粘着性積層フィルム50は、基材層20と粘着性樹脂層40との間に凹凸吸収性樹脂層30を有する。
凹凸吸収性樹脂層30は、粘着性積層フィルム50の回路形成面10Aへの追従性を良好にし、回路形成面10Aと粘着性積層フィルム50との密着性を良好にすることを目的として設けられる層である。さらに、凹凸吸収性樹脂層30は熱硬化または紫外線硬化することで、粘着性積層フィルム50の耐熱性を高めることを目的として設けられる層である。これによって、電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに熱硬化性保護フィルム70を貼り付ける工程(A2)や熱硬化性保護フィルム70を熱硬化させる熱硬化工程(B)において電子部品の反りを抑制することができる。さらに電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに熱硬化性保護フィルム70を貼り付ける工程(A2)や熱硬化性保護フィルム70を熱硬化させる熱硬化工程(B)において、凹凸吸収性樹脂層30が溶融して樹脂のハミ出しが起きるのを抑制できる。
凹凸吸収性樹脂層30を構成する樹脂は、凹凸吸収性を示すものであれば特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、および(メタ)アクリル系樹脂からなる群から選択される一種または二種以上が挙げられる。
また、凹凸吸収性樹脂層30は架橋性樹脂を含むことが好ましい。凹凸吸収性樹脂層30が架橋性樹脂を含むことにより、工程(B)の前に凹凸吸収性樹脂層30をより効果的に熱硬化または紫外線硬化させることができ、凹凸吸収性樹脂層30の耐熱性をより一層向上させることが可能となる。これにより、電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに熱硬化性保護フィルム70を貼り付ける工程(A2)や熱硬化性保護フィルム70を熱硬化させる熱硬化工程(B)において電子部品の反りをより一層抑制することができる。さらに電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに熱硬化性保護フィルム70を貼り付ける工程(A2)や熱硬化性保護フィルム70を熱硬化させる熱硬化工程(B)において、凹凸吸収性樹脂層30が溶融して樹脂のハミ出しが起きるのをより一層抑制できる。
本実施形態に係る架橋性樹脂としては凹凸吸収性樹脂層30を形成でき、かつ、熱や紫外線等によって架橋して耐熱性が向上する樹脂であれば特に限定されないが、例えば、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィンとを含むエチレン・α-オレフィン共重合体、高密度エチレン系樹脂、低密度エチレン系樹脂、中密度エチレン系樹脂、超低密度エチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)系樹脂、プロピレン(共)重合体、1-ブテン(共)重合体、4-メチルペンテン-1(共)重合体、エチレン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α-オレフィン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体、エチレン・α-オレフィン・共役ポリエン共重合体、エチレン・芳香族ビニル共重合体、エチレン・α-オレフィン・芳香族ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂;エチレン・不飽和無水カルボン酸共重合体、エチレン・α-オレフィン・不飽和無水カルボン酸共重合体等のエチレン・無水カルボン酸系共重合体;エチレン・エポキシ含有不飽和化合物共重合体、エチレン・α-オレフィン・エポキシ含有不飽和化合物共重合体等のエチレン・エポキシ系共重合体;エチレン・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸プロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ヘキシル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体等のエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・マレイン酸共重合体、エチレン・フマル酸共重合体、エチレン・クロトン酸共重合体等のエチレン・エチレン性不飽和酸共重合体;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン・酪酸ビニル共重合体、エチレン・ステアリン酸ビニル共重合体等のエチレン・ビニルエステル共重合体;エチレン・スチレン共重合体等;(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体等の不飽和カルボン酸エステル(共)重合体;エチレン・アクリル酸金属塩共重合体、エチレン・メタアクリル酸金属塩共重合体等のアイオノマー樹脂;ウレタン系樹脂;シリコーン系樹脂;アクリル酸系樹脂;メタアクリル酸系樹脂;環状オレフィン(共)重合体;α-オレフィン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体;エチレン・α-オレフィン・芳香族ビニル化合物;芳香族ポリエン共重合体;エチレン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体;スチレン系樹脂;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体;スチレン・共役ジエン共重合体;アクリロニトリル・スチレン共重合体;アクリロニトリル・エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン・スチレン共重合体;アクリロニトリル・エチレン・α-オレフィン・共役ポリエン・スチレン共重合体;メタアクリル酸・スチレン共重合体;エチレンテレフタレート樹脂;フッ素樹脂;ポリエステルカーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー;ポリスチレン系熱可塑性エラストマー;ポリウレタン系熱可塑性エラストマー;1,2-ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー;トランスポリイソプレン系熱可塑性エラストマー;塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー;液晶性ポリエステル;ポリ乳酸等から選択される一種または二種以上を用いることができる。
これらの中でも、有機過酸化物等の架橋剤による架橋が容易であることから、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィンからなるエチレン・α-オレフィン共重合体、低密度エチレン系樹脂、中密度エチレン系樹脂、超低密度エチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)系樹脂、エチレン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α-オレフィン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体、エチレン・α-オレフィン・共役ポリエン共重合体、エチレン・芳香族ビニル共重合体、エチレン・α-オレフィン・芳香族ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂、エチレン・不飽和無水カルボン酸共重合体、エチレン・α-オレフィン・不飽和無水カルボン酸共重合体、エチレン・エポキシ含有不飽和化合物共重合体、エチレン・α-オレフィン・エポキシ含有不飽和化合物共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体、1,2-ポリブタジエン系熱可塑性エラストマーから選択される一種または二種以上を用いることが好ましい。
エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィンからなるエチレン・α-オレフィン共重合体、低密度エチレン系樹脂、超低密度エチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)系樹脂、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体、エチレン・α-オレフィン・共役ポリエン共重合体、エチレン・不飽和無水カルボン酸共重合体、エチレン・α-オレフィン・不飽和無水カルボン酸共重合体、エチレン・エポキシ含有不飽和化合物共重合体、エチレン・α-オレフィン・エポキシ含有不飽和化合物共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体から選択される一種または二種以上を用いることがより好ましい。
エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィンからなるエチレン・α-オレフィン共重合体、低密度エチレン系樹脂、超低密度エチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)系樹脂、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体、エチレン・α-オレフィン・共役ポリエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体から選択される一種または二種以上を用いることがさらに好ましい。
これらの中でも、エチレン・α-オレフィン共重合体およびエチレン・酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも一種が特に好ましく使用される。なお本実施形態においては上述した樹脂は、単独で用いてもよいし、ブレンドして用いてもよい。
本実施形態における架橋性樹脂として用いられる、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィンからなるエチレン・α-オレフィン共重合体のα-オレフィンとしては、通常、炭素数3~20のα-オレフィンを1種類単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。中でも好ましいのは、炭素数が10以下であるα-オレフィンであり、とくに好ましいのは炭素数が3~8のα-オレフィンである。このようなα-オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3,3-ジメチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン等を挙げることができる。これらの中でも、入手の容易さからプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテンおよび1-オクテンが好ましい。なお、エチレン・α-オレフィン共重合体はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、柔軟性の観点からランダム共重合体が好ましい。
また、凹凸吸収性樹脂層30は架橋剤をさらに含むことが好ましい。凹凸吸収性樹脂層30が架橋剤を含むことにより、工程(B)の前に凹凸吸収性樹脂層30をより効果的に熱硬化または紫外線硬化させることができ、凹凸吸収性樹脂層30の耐熱性をより一層向上させることが可能となる。これにより、電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに熱硬化性保護フィルム70を貼り付ける工程(A2)や熱硬化性保護フィルム70を熱硬化させる熱硬化工程(B)において電子部品の反りをより一層抑制することができる。さらに電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに熱硬化性保護フィルム70を貼り付ける工程(A2)や熱硬化性保護フィルム70を熱硬化させる熱硬化工程(B)において、凹凸吸収性樹脂層30が溶融して樹脂のハミ出しが起きるのをより一層抑制できる。
本実施形態に係る架橋剤としては特に限定されないが、例えば、有機過酸化物や光架橋開始剤を用いることができる。
凹凸吸収性樹脂層30中の架橋剤の含有量は、架橋性樹脂100質量部に対して、2.0質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以下であることが特に好ましい。
また、凹凸吸収性樹脂層30中の架橋剤の含有量は、架橋性樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.10質量部以上であることがさらに好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーフタレート、クメンヒドロパーオキシド、t-ブチルヒドロパーオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキセン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、1,1-ジ(t-アミルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-アミルパーオキシ)シクロヘキサン、t-アミルパーオキシイソノナノエート、t-アミルパーオキシノルマルオクトエート、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-アミルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソノナノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,2-ジ(ブチルパーオキシ)ブタン、n-ブチル-4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)プチレート、メチルエチルケトンパ-オキサイド、エチル-3,3-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブチレート、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等から選択される一種または二種以上を用いることができる。
これらの中でも、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキセン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゾエートから選択される一種または二種以上を用いることが好ましい。
光架橋開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、チオキサントン誘導体、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、α-ヒドロキシアルキルフェノン類、α-アミノアルキルフェノール類、アシルホスフィノキサイド類、アルキルフェニルグルオキシレート類、ジエトキシアセトフェノン、オキシムエステル類、チタノセン化合物、アントラキノン誘導体からなる群より選択される一種または二種以上を用いることができる。中でも、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、α-ヒドロキシアルキルフェノン類、オキシムエステル類、アントラキノン誘導体が、架橋性がより良好な点で好ましく、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、アントラキノン誘導体がさらに好ましく、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体が、透明性も良好なため最も好ましい。
ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体の好ましい例として、ベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、4-フェノキシベンゾフェノン、4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-メチルベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン等を挙げることができる。
アントラキノン誘導体の好ましい例として、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン等を挙げることができる。
また、凹凸吸収性樹脂層30は、耐熱性をさらに向上させる観点から、架橋助剤をさらに含むことが好ましい。
架橋助剤としては、例えば、ジビニル芳香族化合物、シアヌレート化合物、ジアリル化合物、アクリレート化合物、トリアリル化合物、オキシム化合物およびマレイミド化合物からなる群より選択される一種または二種以上を用いることができる。
凹凸吸収性樹脂層30中の架橋助剤の含有量は、架橋性樹脂100質量部に対して、5.0質量部以下であることが好ましく、2.0質量部以下であることがより好ましく、1.0質量部以下であることが特に好ましい。
また、凹凸吸収性樹脂層30中の架橋助剤の含有量は、架橋性樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.10質量部以上であることがさらに好ましい。
ジビニル芳香族化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジ-i-プロペニルベンゼン等が挙げられる。
シアヌレート化合物としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
ジアリル化合物としては、例えば、ジアリルフタレート等が挙げられる。
トリアリル化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。
アクリレート化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オキシム化合物としては、例えば、p-キノンジオキシム、p-p'-ジベンゾイルキノンジオキシム等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、例えば、m-フェニレンジマレイミド等が挙げられる。
架橋助剤としてはビニル基等の架橋性不飽和結合を1分子中に3官能以上有する化合物が好ましく、中でも、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが、架橋性が良好な点で好ましく、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートが特に好ましい。
凹凸吸収性樹脂層30の厚さは、電子部品10の回路形成面10Aの凹凸を埋め込むことができる厚さであれば、特に制限されないが、例えば、10μm以上1000μm以下であることが好ましく、20μm以上900μm以下であることがより好ましく、30μm以上800μm以下であることがさらに好ましく、50μm以上700μm以下であることが特に好ましい。
電子部品10の回路形成面10Aに存在するバンプ電極の高さをH[μm]とし、凹凸吸収性樹脂層30の厚みをd[μm]としたとき、H/dが1以下であることが好ましく、0.85以下であることがより好ましく、0.7以下であることがさらに好ましい。H/dが上記上限値以下であると、粘着性積層フィルム50の厚みをより薄くしつつ、凹凸吸収性をより良好にすることができる。
H/dの下限は特に限定されないが、例えば、0.01以上である。バンプ電極の高さは、一般的に2μm以上600μm以下である。
<粘着性樹脂層>
粘着性樹脂層40は、凹凸吸収性樹脂層30の一方の面側に設けられる層であり、粘着性積層フィルム50を電子部品10の回路形成面10Aに貼り付ける際に、電子部品10の回路形成面10Aに接触して粘着する層である。
粘着性樹脂層40を構成する粘着剤は、(メタ)アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、オレフィン系粘着剤、スチレン系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、接着力の調整を容易にできる点等から、(メタ)アクリル系重合体をベースポリマーとする(メタ)アクリル系粘着剤が好ましい。
また、粘着性樹脂層40を構成する粘着剤としては、放射線により粘着力を低下させる放射線架橋型粘着剤を用いることもできる。放射線架橋型粘着剤により構成された粘着性樹脂層40は、放射線の照射により架橋して粘着力が著しく減少するため、後述する電子部品10と粘着性積層フィルム50とを剥離する工程(C)において、粘着性樹脂層40から電子部品10を剥離し易くなる。放射線としては、紫外線、電子線、赤外線等が挙げられる。
放射線架橋型粘着剤としては、紫外線架橋型粘着剤が好ましい。
(メタ)アクリル系粘着剤に含まれる(メタ)アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物の単独重合体、(メタ)アクリル酸エステル化合物とコモノマーとの共重合体等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステル化合物は一種単独で用いてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。
また、(メタ)アクリル系共重合体を構成するコモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アクリルアマイド、メチロール(メタ)アクリルアマイド、無水マレイン酸等が挙げられる。これらのコモノマーは一種単独で用いてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。
放射線架橋型粘着剤は、例えば、上記(メタ)アクリル系重合体と、架橋性化合物(炭素-炭素二重結合を有する成分)と、光重合開始剤または熱重合開始剤と、を含む。
架橋性化合物としては、例えば、分子中に炭素-炭素二重結合を有し、ラジカル重合により架橋可能なモノマー、オリゴマーまたはポリマー等が挙げられる。このような架橋性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル;エステル(メタ)アクリレートオリゴマー;2-プロペニルジ-3-ブテニルシアヌレート、2-ヒドロキシエチルビス(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2-メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートまたはイソシアヌレート化合物等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル系重合体が、ポリマーの側鎖に炭素-炭素二重結合を有する放射線架橋型ポリマーである場合は、架橋性化合物を加えなくてもよい。
架橋性化合物の含有量は、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対して1~900質量部が好ましく、2~100質量部がより好ましく、5~50質量部がさらに好ましい。架橋性化合物の含有量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも少ない場合に比べて粘着力の調整がし易くなり、上記範囲よりも多い場合に比べて、熱や光に対する感度が高すぎることによる保存安定性の低下が起こりにくい。
光重合開始剤としては、放射線を照射することにより開裂しラジカルを生成する化合物であればよく、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の芳香族ケトン類;ベンジルジメチルケタール等の芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類等が挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物誘導体やアゾ系重合開始剤等が挙げられる。加熱時に窒素が発生しない点から、好ましくは有機過酸化物誘導体である。熱重合開始剤としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステルおよびパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
粘着剤には架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリストールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N’-ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N’-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)等のアジリジン系化合物;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリイソシアネート等のイソシアネート系化合物等が挙げられる。
架橋剤の含有量は、粘着性樹脂層40の耐熱性や密着力とのバランスを向上させる観点から、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
粘着性樹脂層40の厚みは特に制限されないが、例えば、1μm以上100μm以下であることが好ましく、3μm以上50μm以下であることがより好ましい。
粘着性樹脂層40は、例えば、凹凸吸収性樹脂層30上に粘着剤塗布液を塗布することにより形成することができる。
粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えば、ロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、80~200℃の温度範囲において、10秒~10分間乾燥することが好ましい。更に好ましくは、80~170℃において、15秒~5分間乾燥する。架橋剤と粘着剤との架橋反応を十分に促進させるために、粘着剤塗布液の乾燥が終了した後、40~80℃において5~300時間程度加熱してもよい。
本実施形態に係る粘着性積層フィルム50は、凹凸吸収性樹脂層30を紫外線硬化させたり、粘着性樹脂層40を紫外線架橋させたりする場合には、当該硬化や架橋を本発明の目的を妨げない程度に光線透過率を有する必要がある。
本実施形態に係る粘着性積層フィルム50全体の厚さは、機械的特性と取扱い性のバランスから、好ましくは25μm以上1100μm以下であり、より好ましくは100μm以上900μm以下であり、さらに好ましくは200μm以上800μm以下である。
本実施形態に係る粘着性積層フィルム50は、各層の間に接着層(図示せず)を設けていてもよい。この接着層によれば、各層の間の接着性を向上させることができる。
次に、本実施形態に係る粘着性積層フィルム50の製造方法の一例について説明する。
まず、基材層20の一方の面に凹凸吸収性樹脂層30を押出しラミネート法によって形成する。次いで、凹凸吸収性樹脂層30上に粘着剤塗布液を塗布し乾燥させることによって、粘着性樹脂層40を形成し、粘着性積層フィルム50が得られる。
また、基材層20と凹凸吸収性樹脂層30とは共押出成形によって形成してもよいし、フィルム状の基材層20とフィルム状の凹凸吸収性樹脂層30とをラミネート(積層)して形成してもよい。
2.電子装置の製造方法
次に、本実施形態に係る電子装置の製造方法の各工程について説明する。
(工程(A))
はじめに、回路形成面10Aを有する電子部品10と、基材層20、凹凸吸収性樹脂層30および粘着性樹脂層40をこの順番に有し、電子部品10の回路形成面10A側に貼り付けられた粘着性積層フィルム50と、電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに貼り付けられた熱硬化性保護フィルム70と、を備える構造体60を準備する。
このような構造体60は、例えば、電子部品10の回路形成面10Aに粘着性積層フィルム50を貼り付ける工程(A1)と、電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに熱硬化性保護フィルム70を貼り付ける工程(A2)とをおこなうことによって作製することができる。
電子部品10の回路形成面10Aに粘着性積層フィルム50を貼り付ける方法は特に限定されず、一般的に公知の方法で剥がすことができる。例えば、人手により行ってもよいし、ロール状の粘着性積層フィルム50を取り付けた自動貼り機と称される装置によって行ってもよい。
電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに熱硬化性保護フィルム70を貼り付ける方法は特に限定されず、一般的に公知の方法で剥がすことができる。例えば、人手により行ってもよいし、ロール状の熱硬化性保護フィルム70を取り付けた自動貼り機と称される装置によって行ってもよい。
電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに熱硬化性保護フィルム70を貼り付ける工程(A2)は、例えば、熱硬化性保護フィルム70を加熱しながら行われる。工程(A2)における加熱温度は熱硬化性保護フィルム70の種類によって適宜設定されるため特に限定されないが、例えば、50℃以上90℃以下であり、好ましくは60℃以上80℃以下である。
熱硬化性保護フィルム70としては特に限定されず、例えば、公知の熱硬化型の半導体裏面保護用フィルムを用いることができる。
熱硬化性保護フィルム70は、例えば、熱硬化性の接着剤層を備え、必要に応じて保護層をさらに備えてもよい。
接着剤層としては、熱硬化性樹脂により形成されていることが好ましく、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂により形成されていることがより好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、イオン性不純物等の含有量が少ないエポキシ樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、イオン性不純物等の含有量が少ないアクリル樹脂が好ましい。
接着剤層には、必要に応じて他の添加剤を含有させることができる。他の添加剤としては、例えば、充填剤、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤、増量剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。
保護層は、例えば、耐熱性樹脂、金属等で構成されている。
保護層を構成する耐熱性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。これらの中でも、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
保護層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、アルミニウム、アルマイト、ステンレス、鉄、チタン、スズ、銅等が挙げられる。
熱硬化性保護フィルム70は、市販のフィルムを用いてもよい。市販のフィルムとしては、例えば、リンテック社製のチップ裏面保護テープ(製品名:「LCテープ」シリーズ)等が挙げられる。
電子部品10としては回路形成面10Aを有する電子部品10であれば特に限定されないが、例えば、半導体ウエハ、サファイア基盤、タンタル酸リチウム基板、モールドウエハ、モールドパネル、モールドアレイパッケージ、半導体基板等が挙げられる。
また、半導体基板としては、例えば、シリコン基板、ゲルマニウム基板、ゲルマニウム-ヒ素基板、ガリウム-リン基板、ガリウム-ヒ素-アルミニウム基板、ガリウム-ヒ素基板、等が挙げられる。
また、電子部品10はどのような用途の電子部品であってもよいが、例えば、ロジック用(例えば、通信用、高周波信号処理用等)、メモリ用、センサー用、電源用の電子部品等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
電子部品10の回路形成面10Aは、例えば、電極10Bを有することにより、凹凸構造となっている。
また、電極10Bは、電子装置を実装面に実装する際に、実装面に形成された電極に対して接合されて、電子装置と実装面(プリント基板等の実装面)との間の電気的接続を形成するものである。
電極10Bとしては、例えば、ボールバンプ、印刷バンプ、スタッドバンプ、めっきバンプ、ピラーバンプ等のバンプ電極が挙げられる。すなわち、電極10Bは、通常凸電極である。これらのバンプ電極は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、バンプ電極を構成する金属種は特に限定されず、例えば、銀、金、銅、錫、鉛、ビスマス及びこれらの合金等が挙げられる。これらの金属種は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る電子装置の製造方法において、電子部品10の回路形成面10Aに粘着性積層フィルム50が貼り付けられた状態で、粘着性積層フィルム50における凹凸吸収性樹脂層30を熱硬化または紫外線硬化させる硬化工程(A3)を行うことが好ましい。これにより、粘着性積層フィルム50の耐熱性を向上させることができる。こうすることで、電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに熱硬化性保護フィルム70を貼り付ける工程(A2)や熱硬化性保護フィルム70を熱硬化させる熱硬化工程(B)において電子部品10の反りを抑制することができる。さらに電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに熱硬化性保護フィルム70を貼り付ける工程(A2)や熱硬化性保護フィルム70を熱硬化させる熱硬化工程(B)において、凹凸吸収性樹脂層30が溶融して樹脂のハミ出しが起きるのを抑制できる。硬化工程(A3)は特に限定されないが、電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cに熱硬化性保護フィルム70を貼り付ける工程(A2)の前に行うことが好ましい。
凹凸吸収性樹脂層30の熱硬化方法としては架橋性樹脂を熱硬化できる方法であれば特に限定されないが、ラジカル重合開始剤による熱架橋が挙げられる。
ラジカル重合開始剤による熱架橋は、架橋性樹脂の架橋に用いられているラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、公知の熱ラジカル重合開始剤を用いることができる。
また、凹凸吸収性樹脂層30に紫外線を照射することによって、凹凸吸収性樹脂層30を架橋させて硬化させることができる。
紫外線は、例えば、粘着性積層フィルム50の基材層20側の面から照射される。
また、いずれの架橋方法においても凹凸吸収性樹脂層30に架橋助剤を配合して凹凸吸収性樹脂層30の架橋をおこなってもよい。
本実施形態に係る電子装置の製造方法において、電子部品10の回路形成面10Aに粘着性積層フィルム50が貼り付けられた状態で、電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cをバックグラインドするバックグラインド工程(A4)をおこなってもよい。すなわち、本実施形態に係る粘着性積層フィルム50をバックグラインドテープとして使用してもよい。ここで、バックグラインド工程(A4)の前に硬化工程(A3)をおこなうと、粘着性積層フィルム50の粘着力が低下するため、バックグラインド工程(A4)において、粘着性積層フィルム50が剥れてしまう懸念がある。そのため、硬化工程(A3)の前にバックグラインド工程(A4)を行うことが好ましい。
バックグラインド工程(A4)では、粘着性積層フィルム50に貼り付けられた状態で、電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cをバックグラインドする。
ここで、バックグラインドするとは、電子部品10を割ったり、破損したりすることなく、所定の厚みまで薄化加工することを意味する。
電子部品10のバックグラインドは、公知の方法で行うことができる。例えば、研削機のチャックテーブル等に電子部品10を固定し、電子部品10の回路形成面10Aとは反対側の面10Cを研削する方法が挙げられる。
裏面研削方式としては特に限定されないが、例えば、スルーフィード方式、インフィード方式等の公知の研削方式を採用することができる。それぞれ研削は、水を電子部品10と砥石にかけて冷却しながら行うことができる。
(工程(B))
つぎに、構造体60を加熱することにより、熱硬化性保護フィルム70を熱硬化させる。
熱硬化性保護フィルム70を熱硬化させる工程(B)における加熱温度は熱硬化性保護フィルム70の種類によって適宜設定されるため特に限定されないが、例えば、120℃以上170℃以下であり、好ましくは130℃以上160℃以下である。
(工程(C))
また、本実施形態に係る電子装置の製造方法において、工程(B)の後に電子部品10と粘着性積層フィルム50とを剥離する工程(C)をさらにおこなってもよい。この工程(C)をおこなうことで、粘着性積層フィルム50から電子部品10を剥離することができる。剥離温度は、例えば20~100℃である。
電子部品10と粘着性積層フィルム50との剥離は、公知の方法で行うことができる。
(その他の工程)
本実施形態に係る電子装置の製造方法は、上記以外のその他の工程を有していてもよい。その他の工程としては、電子装置の製造方法において公知の工程を用いることができる。
例えば、金属膜形成工程、アニール処理、ダイシング工程、ダイボンディング工程、ワイヤボンディング工程、フリップチップ接続工程、キュア加温テスト工程、封止工程、リフロー工程等の電子部品の製造工程において一般的におこなわれている任意の工程等をさらに行ってもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
粘着性フィルムの作製に関する詳細は以下の通りである。
<基材層>
基材層1:ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、製品名:E7180、厚み:50μm)
基材層2:ポリエチレンテレフタレートフィルム(アイム社製、製品名:S-1000、厚み:50μm)
基材層3:ポリエチレンナフタレートフィルム(東洋紡フィルムソリューション社製、製品名:テオネックスQ81、厚み:50μm)
基材層4:ポリエチレンナフタレートフィルム(東洋紡フィルムソリューション社製、製品名:テオネックスQ83、厚み:50μm)
基材層5:ポリエチレンナフタレートフィルム(東洋紡フィルムソリューション社製、製品名:テオネックスQ83、厚み:25μm)
基材層6:ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名:カプトン150EN、厚み:38μm)
基材層7:ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名:カプトン100EN、厚み:25μm)
<凹凸吸収性樹脂層形成用の樹脂>
樹脂1:エチレン・酢酸ビニル共重合体(三井・ダウ・ポリケミカル社製、製品名:エバフレックスEV150、融点:61℃)
<粘着剤ポリマー(アクリル系樹脂)>
アクリル酸n-ブチル77質量部、メタクリル酸メチル16質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル16質量部、および重合開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート0.3質量部をトルエン20質量部、酢酸エチル80質量部中で10時間反応させた。反応終了後、この溶液を冷却し、これにトルエン30質量部、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製、製品名:カレンズMOI)7質量部、およびジラウリル酸ジブチル錫0.05質量部を加え、空気を吹き込みながら85℃で12時間反応させ、粘着剤ポリマー溶液を得た。
<粘着性樹脂層用の粘着剤塗布液>
粘着剤ポリマー(固形分)100質量部に対して、光開始剤としてベンジルジメチルケタール(BASF社製、商品名:イルガキュア651)8質量部、イソシアネート系架橋剤(三井化学社製、商品名:オレスターP49-75S)2.33質量部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(新中村化学工業社製、商品名:AD-TMP)6質量部を添加し、粘着剤塗布液を得た。
[実施例1]
架橋性樹脂である樹脂1(100質量部)、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(三菱化学社製、商品名:タイク)0.3質量部および架橋剤であるt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート(アルケマ吉富社製、商品名:ルペロックスTBEC)0.2質量部をドライブレンドした組成物を得た。次いで、単軸押出機を用いて、得られた組成物を厚さ500μmに製膜し、凹凸吸収樹脂層を得た。次いで、基材層1を凹凸吸収樹脂層に貼り合わせることで、積層フィルムを作成した。
次いで、粘着性樹脂層用の粘着剤塗布液をシリコーン離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(38μm)に塗布し、乾燥させて、厚み20μmの粘着性樹脂層を形成した。次いで、得られた粘着性樹脂層を上述の積層フィルムの凹凸吸収性樹脂層側に貼り合わせることで、粘着性フィルムを得た。得られた粘着性フィルムについて、以下の各評価を行った。得られた結果を表1に示す。
<評価>
(1)熱機械分析による基材層の伸びの最大値の測定
基材層の熱機械分析(TMA)を以下の条件でおこない、0℃の伸びを0とした基材層の160℃~200℃の範囲の伸びの最大値を求めた。
より具体的には、以下のとおりである。
測定装置:TMA7100C(日立ハイテク社製)
測定モード:フィルム伸長モード
試験片の幅:5mm
試験片の長さ:10mm
測定方向:MD方向
荷重:5gf
昇温速度:5℃/分、
測定温度範囲:0~200℃
(2)反り評価
粘着性フィルムの粘着性樹脂層側のシリコーン離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムをはがし、シリコンウエハ(8inch)の表面に粘着性フィルムを70℃にて貼りつけて粘着性フィルム/ウエハ積層体を作製した。作製した積層体のシリコンウエハ面を、研削装置DGP8670(ディスコ社製)を用いて、水をかけて冷却しながら、研削後のシリコンウエハ厚みが100umとなるまで研削した。
その後、シリコーン離型処理されたポリエチレンテレフタレートの離型面を上にして天板に敷き、150℃に加熱されたオーブン内に研削加工後の積層体のシリコンウエハ側を下にして入れ、150℃で2時間30分間加熱した。
その後、オーブンから取り出した積層体をシリコンウエハ側を下にして、定盤上で10分間静置・放冷してから、ウエハ端部の定盤からの高さの最大値を定規にて測定し、その値を反りとした。
反りは以下の基準で評価した。
◎:≦10mm
〇:10mm<反り≦15mm
×:>15mm
[実施例2および比較例1]
基材層および凹凸吸収性樹脂層の種類を表1に示すものに変更した以外は実施例1と同様にして、粘着性フィルムをそれぞれ作製した。また、反り評価において研削加工が終了した後、粘着性フィルムが貼られたウエハを加熱オーブンに入れる前に、高圧水銀ランプで3240mJ/cm のUV照射を実施した以外は、実施例1と同様に各評価をそれぞれ行った。得られた結果を表1にそれぞれ示す。ここで、光開始剤としては、4-メチルベンゾフェノン(SHUANG-BANG INDUSTRIAL社製、商品名:SB-PI712)を用いた。
[実施例3~8]
基材層および凹凸吸収性樹脂層の種類を表1に示すものに変更した以外は実施例1と同様にして、粘着性フィルムをそれぞれ作製した。また、実施例1と同様に各評価をそれぞれ行った。得られた結果を表1にそれぞれ示す。
Figure 0007374039000001
10 電子部品
10A 回路形成面
10B 電極
10C 回路形成面とは反対側の表面
20 基材層
30 凹凸吸収性樹脂層
40 粘着性樹脂層
50 粘着性積層フィルム
60 構造体
70 熱硬化性保護フィルム

Claims (14)

  1. 回路形成面を有する電子部品と、基材層、凹凸吸収性樹脂層および粘着性樹脂層をこの順番に有し、前記電子部品の前記回路形成面側に貼り付けられた粘着性積層フィルムと、前記電子部品の前記回路形成面とは反対側の面に貼り付けられた熱硬化性保護フィルムと、
    を備える構造体を準備する準備工程(A)と、
    前記構造体を加熱することにより、前記熱硬化性保護フィルムを熱硬化させる熱硬化工程(B)と、
    を備え、
    前記基材層に対して、荷重:5gf、試験片サイズ:5mm幅×10mm長さ(チャック間)、測定方向:MD方向、昇温速度5℃/分、測定温度範囲0~200℃、測定モード:フィルム伸長モードの条件で熱機械分析測定をしたとき、0℃の伸びを0とした上記基材層の160℃~200℃の範囲の伸びの最大値が1μm以上110μm以下である電子装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電子装置の製造方法において、
    前記基材層を構成する樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびポリイミドからなる群から選択される一種または二種以上を含む電子装置の製造方法。
  3. 請求項1に記載の電子装置の製造方法において、
    前記基材層を構成する樹脂がポリエチレンナフタレートを含む電子装置の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、
    前記準備工程(A)は、
    前記電子部品の前記回路形成面に前記粘着性積層フィルムが貼り付けられた状態で、前記粘着性積層フィルムにおける前記凹凸吸収性樹脂層を熱硬化または紫外線硬化させる硬化工程と、
    前記電子部品の前記回路形成面とは反対側の面に前記熱硬化性保護フィルムを貼り付ける工程と、
    を含む電子装置の製造方法。
  5. 請求項4に記載の電子装置の製造方法において、
    前記電子部品の前記回路形成面とは反対側の面に前記熱硬化性保護フィルムを貼り付ける工程における加熱温度が50℃以上90℃以下である電子装置の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の電子装置の製造方法において、
    前記準備工程(A)は、前記硬化工程の前に、前記電子部品の前記回路形成面に前記粘着性積層フィルムが貼り付けられた状態で、前記電子部品の前記回路形成面とは反対側の面をバックグラインドするバックグラインド工程を含む電子装置の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、
    前記熱硬化工程(B)における加熱温度が120℃以上170℃以下である電子装置の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、
    前記電子部品の前記回路形成面はバンプ電極を含む電子装置の製造方法。
  9. 請求項8に記載の電子装置の製造方法において、
    前記バンプ電極の高さをH[μm]とし、前記凹凸吸収性樹脂層の厚みをd[μm]としたとき、H/dが0.01以上1以下である電子装置の製造方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、
    前記凹凸吸収性樹脂層が架橋性樹脂を含む電子装置の製造方法。
  11. 請求項10に記載の電子装置の製造方法において、
    前記凹凸吸収性樹脂層が架橋剤をさらに含む電子装置の製造方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、
    前記凹凸吸収性樹脂層の厚みが10μm以上1000μm以下である電子装置の製造方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、
    前記粘着性樹脂層を構成する粘着剤が(メタ)アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、オレフィン系粘着剤およびスチレン系粘着剤から選択される一種または二種以上を含む電子装置の製造方法。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法に用いられる前記粘着性積層フィルムであって、
    基材層、凹凸吸収性樹脂層および粘着性樹脂層をこの順番に有し、
    前記基材層に対して、荷重:5gf、試験片サイズ:5mm幅×10mm長さ(チャック間)、測定方向:MD方向、昇温速度5℃/分、測定温度範囲0~200℃、測定モード:フィルム伸長モードの条件で熱機械分析測定をしたとき、0℃の伸びを0とした上記基材層の160℃~200℃の範囲の伸びの最大値が1μm以上110μm以下である粘着性積層フィルム。
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