JP7287061B2 - 耐熱高分子フィルム積層体の製造方法 - Google Patents

耐熱高分子フィルム積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、長尺の耐熱高分子フィルムを、反応性液体を介して積層した積層体、およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、高い生産性を有する耐熱高分子フィルム積層体の製造方法に関する物である。
シランカップリング剤はガラスなどの無機材料や高分子樹脂などの界面において、両者の濡れ性、接着性などを改善するために広く用いられている。シランカップリング剤は無機材料に対する吸着力が強いと同時に、自己縮合反応を生じやすい。そのため、処理液、コート液中にて縮合物の粒子が形成され、それら粒子が塗布面、処理面での異物欠点となる場合が少なくない。
かかる問題を解決するために例えば特許文献1にはシランカップリング剤を気相状態で基板に塗布する技術が開示されている。かかる手法によれば極めて薄いシランカップリング剤層を低欠点で実現することが可能となるとされている。しかしながら、このような手法で得られた低欠点のシランカップリング剤塗布層は極めて薄いため、塗布面に異物を挟み込んだ場合、それが微小なものであったとしてもシランカップリング剤塗布面の反応の妨げとなる。
かかる問題はシランカップリング剤を用いた場合に留まらず、反応性の化合物層、特に室温で液体の反応性化合物を塗布したフィルム全般に関わる問題である。
特開2015-178237号公報
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、反応性化合物を塗布したフィルムを直ちに他のフィルムに貼り合わせ、巻き取ることでブリスター欠点の少ない長尺フィルム積層体を製造できることを見出した。また、ロール状に巻き取った形で熱処理することにより、フィルムの積層工程と反応性化合物と各々のフィルム表面とを反応させる化学反応工程を分離でき、後者をバッチ式に行う事により生産性を大幅に改善できることを見出し、加えて本手法が広く反応性化合物を介して形成されるフィルム積層体全般に適用可能であることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
[1]少なくとも二枚の耐熱高分子フィルムが積層された構造を有する耐熱高分子フィルム積層体の製造方法であって、
(1)前記少なくとも二枚の耐熱高分子フィルムを、アミノ基を有するシランカップリング剤が前記少なくとも二枚耐熱高分子フィルム相互の間に存在する状態でロール状に巻き取り、耐熱高分子フィルムの複層巻きロールを得る工程、
(2)前記複層巻きロールを、40℃~180℃の温度で熱処理することにより、前記少なくとも二枚の耐熱高分子フィルム相互を接着する工程、
を少なくとも有する耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
[2]前記ロール状に巻き取る際にフィルムに掛ける張力を0.001N/cm~12N/cmの範囲とすることを特徴とする[1]に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
[3]前記熱処理を行う前の耐熱高分子フィルムに含まれる含水率が0.5~4.0質量%の範囲であることを特徴とする[1]または[2]に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
[4]前記耐熱高分子フィルムがあらかじめ酸素存在下にプラズマ処理されていることを特徴とする[1]~[3]のいずれか一項に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
[5]前記耐熱高分子フィルムがポリイミドフィルムであることを特徴とする[1]~[4]のいずれか一項に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
本発明ではさらに以下の構成を有することが好ましい。
[6]前記熱処理温度が50℃~120℃の範囲である事を特徴とする[1]~[5]のいずれか一項委記載の耐熱性高分子フィルム積層体の製造方法。
[7]巻き取り時に、離型フィルムを共巻き取りすることを特徴とする[1]~[6]のいずれか一項に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
[8] 前記耐熱高分子フィルムが芳香族ポリエステルフィルムであることを特徴とする[1]~[5]のいずれか一項に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
[9] 前記耐熱高分子フィルムがポリアミドフィルムであることを特徴とする[1]~[5]のいずれか一項に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
[10] 前記耐熱高分子フィルムが全芳香族ポリエステルフィルムであることを特徴とする[1]~[5]のいずれか一項に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
[11] 前記耐熱高分子フィルムがポリアミドイミドフィルムであることを特徴とする[1]~[5]のいずれか一項に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
[12] 前記耐熱高分子フィルムがフッ素樹脂フィルムであることを特徴とする[1]~[5]のいずれか一項に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
本発明の積層体製造方法は、表面に反応性液体の薄い膜が形成されたフィルムが他のフィルムと貼り合わされるまでの間に異物を挟み込むことを抑制できるため、結果として異物挟み込みによるブリスター欠点の少ない高品位な長尺フィルム積層体を得ることができる。
また、反応性液体を塗布後に、塗布された反応性液体における暗反応により結晶核やゲルなどの異物発生が生じる前に短時間で貼り合わせおよび熱処理を行うため、高品位の積層体を得ることができる。
また本発明では、積層したい高分子フィルム同士を重ね合わせる工程と、後加熱により化学反応を行う工程とを分離しており、時間を要する化学反応をバッチ式に、まとめて行うことが出来るため、生産性に優れている。
図1は、本発明の積層体製造装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の積層体製造装置の一例を示す概略図である。 図3は、シランカップリング剤処理装置の概略図である。 図4は、本発明の積層体製造装置の巻取部の概略図である。
<耐熱高分子フィルム>
本発明の耐熱高分子フィルムは、いわゆるエンジニアリングプラスチックのフィルムである。エンジニアリングプラスチックとは、特に強度に優れ、耐熱性のような特定の機能を強化してあるプラスチックの一群を指す分類上の名称である。本発明では100℃以上の環境に長時間曝されても、49MPa以上の引っ張り強度と2.5GPa以上の曲げ弾性率を持った高分子材料であり、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステル(いわゆる液晶フィルム)などのポリエステルフィルム、ポリテトラフロオロエチレンに代表されるフッ素樹脂のフィルム、芳香族ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルム、芳香族ポリエーテルフィルム、芳香族ポリケトンフィルムなどを例示できる。
本明細書において、好ましく用いられる耐熱高分子とは、融点が400℃以上、好ましくは500℃以上であり、ガラス転移温度が250℃以上、好ましくは320℃以上、さらに好ましくは380℃以上の高分子である。以下、煩雑さを避けるために単に高分子とも称する。本明細書において、融点、及び、ガラス転移温度は、示差熱分析(DSC)により求めるものである。なお、融点が500℃を越える場合には、該当温度にて加熱した際の熱変形挙動を目し観察することで融点に達しているか否かを判断して良い。
前記好ましく用いられる耐熱高分子フィルム(以下、単に高分子フィルムとも称する)としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、フッ素化ポリイミドといったポリイミド系樹脂(例えば、芳香族ポリイミド樹脂、脂環族ポリイミド樹脂)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレートといった共重合ポリエステル(例えば、全芳香族ポリエステル、半芳香族ポリエステル)、ポリメチルメタクリレートに代表される共重合(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、酢酸セルロース、硝酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリフェノール、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン等のフィルムを例示できる。
本発明で特に好ましく適用できる耐熱高分子フィルムは、所謂スーパーエンジニアリングプラスチックを用いたフィルムであり、より具体的には、芳香族ポリイミドフィルム、芳香族アミドフィルム、芳香族アミドイミドフィルム、芳香族ベンゾオキサゾールフィルム、芳香族ベンゾチアゾールフィルム、芳香族ベンゾイミダゾールフィルム等が挙げられる。
以下に前記高分子フィルムの一例であるポリイミド系樹脂フィルム(ポリイミドフィルムと称する場合もある)についての詳細を説明する。一般にポリイミド系樹脂フィルムは、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を、ポリイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥してグリーンフィルム(以下では「ポリアミド酸フィルム」ともいう)とし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、あるいは該支持体から剥がした状態でグリーンフィルムを高温熱処理して脱水閉環反応を行わせることによって得られる。
ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液の塗布は、例えば、スピンコート、ドクターブレード、アプリケーター、コンマコーター、スクリーン印刷法、スリットコート、リバースコート、ディップコート、カーテンコート、スリットダイコート等従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
ポリアミド酸を構成するジアミン類としては、特に制限はなく、ポリイミド合成に通常用いられる芳香族ジアミン類、脂肪族ジアミン類、脂環式ジアミン類等を用いることができる。耐熱性の観点からは、芳香族ジアミン類が好ましく、芳香族ジアミン類の中では、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類がより好ましい。ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類を用いると、高い耐熱性とともに、高弾性率、低熱収縮性、低線膨張係数を発現させることが可能になる。ジアミン類は、単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。
ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、特に限定はなく、例えば、5-アミノ-2-(p-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6-アミノ-2-(p-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、5-アミノ-2-(m-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6-アミノ-2-(m-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2,2’-p-フェニレンビス(5-アミノベンゾオキサゾール)、2,2’-p-フェニレンビス(6-アミノベンゾオキサゾール)、1-(5-アミノベンゾオキサゾロ)-4-(6-アミノベンゾオキサゾロ)ベンゼン、2,6-(4,4’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:5,4-d’]ビスオキサゾール、2,6-(4,4’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d’]ビスオキサゾール、2,6-(3,4’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:5,4-d’]ビスオキサゾール、2,6-(3,4’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d’]ビスオキサゾール、2,6-(3,3’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:5,4-d’]ビスオキサゾール、2,6-(3,3’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d’]ビスオキサゾール等が挙げられる。
上述したベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類以外の芳香族ジアミン類としては、例えば、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、1,4-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン(ビスアニリン)、1,4-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-アミノベンジルアミン、p-アミノベンジルアミン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’-ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-2-[4-(4-アミノフェノキシ)-3-メチルフェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-3-メチルフェニル]プロパン、2-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-2-[4-(4-アミノフェノキシ)-3,5-ジメチルフェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-3,5-ジメチルフェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’-ビス[(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、2,2-ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’-ビス[3-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’-ビス[3-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4-{4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-トリフルオロメチルフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-フルオロフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-メチルフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-シアノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-5,5’-ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-4,5’-ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4-フェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-5-フェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-4-フェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-5’-フェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-5,5’-ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-4,5’-ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4-ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-5-ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-4-ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-5’-ビフェノキシベンゾフェノン、1,3-ビス(3-アミノ-4-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-4-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-5-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-5-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ-4-ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-4-ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-5-ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-5-ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル、および前記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1~3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
前記脂肪族ジアミン類としては、例えば、1,2-ジアミノエタン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノオタン等が挙げられる。
前記脂環式ジアミン類としては、例えば、1,4-ジアミノシクロヘキサン、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルシクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
芳香族ジアミン類以外のジアミン(脂肪族ジアミン類および脂環式ジアミン類)の合計量は、全ジアミン類の20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。換言すれば、芳香族ジアミン類は全ジアミン類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸類としては、ポリイミド合成に通常用いられる芳香族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂肪族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂環族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)を用いることができる。中でも、芳香族テトラカルボン酸無水物類、脂環族テトラカルボン酸無水物類が好ましく、耐熱性の観点からは芳香族テトラカルボン酸無水物類がより好ましく、光透過性の観点からは脂環族テトラカルボン酸類がより好ましい。これらが酸無水物である場合、分子内に無水物構造は1個であってもよいし2個であってもよいが、好ましくは2個の無水物構造を有するもの(二無水物)がよい。テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
脂環族テトラカルボン酸類としては、例えば、シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ビシクロヘキシルテトラカルボン酸等の脂環族テトラカルボン酸、およびこれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも、2個の無水物構造を有する二無水物(例えば、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物等)が好適である。なお、脂環族テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
脂環式テトラカルボン酸類は、透明性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
芳香族テトラカルボン酸類としては、特に限定されないが、ピロメリット酸残基(すなわちピロメリット酸由来の構造を有するもの)であることが好ましく、その酸無水物であることがより好ましい。このような芳香族テトラカルボン酸類としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸無水物等が挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸類は、耐熱性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
前記高分子フィルムの厚さは3μm以上が好ましく、より好ましくは11μm以上であり、さらに好ましくは24μm以上であり、より一層好ましくは45μm以上である。前記高分子フィルムの厚さの上限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとして用いるためには250μm以下であることが好ましく、より好ましくは150μm以下であり、さらに好ましくは90μm以下である。
前記高分子フィルムの40℃から180℃の間の平均のCTEは、好ましくは、-5ppm/℃~+20ppm/℃であり、より好ましくは-5ppm/℃~+15ppm/℃であり、さらに好ましくは1ppm/℃~+10ppm/℃である。CTEが前記範囲であると、一般的な支持体(無機基板)との線膨張係数の差を小さく保つことができ、熱を加えるプロセスに供しても高分子フィルムと無機基板とが剥がれることを回避できる。ここにCTEとは温度に対して可逆的な伸縮を表すファクターである。
前記高分子フィルムの40℃から180℃の間の熱収縮率は、±0.9%であることが好ましく、さらに好ましくは±0.6%である。熱収縮率は温度に対して非可逆的な伸縮を表すファクターである。
前記高分子フィルムの引張破断強度は、60MPa以上が好ましく、より好ましくは120MP以上であり、さらに好ましくは240MPa以上である。引張破断強度の上限は特に制限されないが、事実上1000MPa程度未満である。なお、前記高分子フィルムの引張破断強度とは、高分子フィルムの流れ方向(MD方向)の引張破断強度及び幅方向(TD方向)の引張破断強度の平均値を指す。
前記高分子フィルムの厚さ斑は、20%以下であることが好ましく、より好ましくは12%以下、さらに好ましくは7%以下、特に好ましくは4%以下である。厚さ斑が20%を超えると、狭小部へ適用し難くなる傾向がある。なお、フィルムの厚さ斑は、例えば接触式の膜厚計にて被測定フィルムから無作為に10点程度の位置を抽出してフィルム厚を測定し、下記式に基づき求めることができる。
フィルムの厚さ斑(%)
=100×(最大フィルム厚-最小フィルム厚)÷平均フィルム厚
前記高分子フィルムは、その製造時において幅が300mm以上、長さが10m以上の長尺高分子フィルムとして巻き取られた形態で得られるものが好ましく、巻取りコアに巻き取られたロール状高分子フィルムの形態のものがより好ましい。前記高分子フィルムがロール状に巻かれていると、表面処理された耐熱高分子フィルムという形態での輸送が容易となる。
前記高分子フィルムにおいては、ハンドリング性および生産性を確保する為、高分子フィルム中に粒子径が10~1000nm程度の滑材(粒子)を、0.03~3質量%程度、添加・含有させて、高分子フィルム表面に微細な凹凸を付与して滑り性を確保することが好ましい。
<高分子フィルムの表面処理>
本発明において用いられる高分子フィルムには表面処理(表面活性化処理とも云う)を行うことが好ましい。該表面活性化処理によって、高分子フィルム表面は官能基が存在する状態(いわゆる活性化した状態)に改質され、シランカップリング剤との親和性が向上する。
本発明における表面活性化処理とは、乾式、ないし湿式の表面処理である。本発明の乾式処理としては、紫外線、電子線、X線などの活性エネルギー線を表面に照射する処理、コロナ処理、真空プラズマ処理、常圧プラズマ処理、火炎処理、イトロ処理等を用いることが出来る。湿式処理としては、フィルム表面を酸ないしアルカリ溶液に接触させる処理を例示できる。本発明に置いて好ましく用いられる表面活性化処理は、プラズマ処理であり、プラズマ処理と湿式の酸処理の組み合わせである。
プラズマ処理は、特に限定されるものではないが、真空中でのRFプラズマ処理、マイクロ波プラズマ処理、マイクロ波ECRプラズマ処理、大気圧プラズマ処理、コロナ処理などがあり、フッ素を含むガス処理、イオン源を使ったイオン打ち込み処理、PBII法を使った処理、熱プラズマに暴露する火炎処理、イトロ処理なども含める。これらの中でも真空中でのRFプラズマ処理、マイクロ波プラズマ処理、大気圧プラズマ処理が好ましい。本発明では酸素存在化に行うプラズマ処理が好ましい。酸素存在化でプラズマ処理することで高分子フィルム表面に水酸基、カルボキシル基やカルボニル基のようなアミノ基との反応性に富む官能基を生成させることができる。さらにかかる官能基は酸素に加えて微妙に水分が存在した方が効率的に生成することから、本発明では酸素と水の存在下にプラズマ処理を行う事が好ましい。
かかる表面活性化処理は高分子表面を清浄化し、さらに活性な官能基を生成する。生成した官能基は、カップリング剤層と水素結合ないし化学反応により結びつき、高分子フィルム層とカップリング剤層とを強固に接着することが可能となる。
表面活性化処理は、高分子フィルムの片面のみに施してもよいし、両面に施してもよい。片面にプラズマ処理を行う場合、並行平板型電極でのプラズマ処理で片側の電極上に高分子フィルムを接して置くことにより、高分子フィルムの電極と接していない側の面のみにプラズマ処理を施すことができる。また2枚の電極間の空間に電気的に浮かせる状態で高分子フィルムを置くようにすれば、両面にプラズマ処理が行える。また、高分子フィルムの片面に保護フィルムを貼った状態でプラズマ処理を行うことで片面処理が可能となる。なお保護フィルムとしては粘着剤付のPETフィルムやオレフィンフィルムなどが使用できる。
<高分子フィルムの表面粗さ>
本発明における高分子フィルムの表面粗さRaは70nm以下が望ましく、より望ましくは30nm以下、さらに望ましくは1.5nm以下である。Raが70nmよりも大きいと、シランカップリング剤層を介して複数の高分子フィルムを貼り合わせた際、シランカップリング剤塗工ムラやそれによる剥離ムラの原因になる。
<反応性液体>
本発明における反応性液体とは、アミノ基を有するシランカップリング剤である。
本発明におけるシランカップリング剤とは、分子内に珪素元素を有し、高分子フィルム間を物理的および化学的に介在し、両者間の接着力を高める作用を有する化合物を云う。
本発明では、特に好ましいシランカップリング剤として、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシランなどを例示できる。プロセスで特に高い耐熱性が要求される場合、Siとアミノ基の間を芳香族基でつないだものが望ましい。
本発明で用いることのできるシランカップリング剤としては、上記のほかにn-プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、2-シアノエチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ドデシルリクロロシラン、ドデシルトリメトキシラン、エチルトリクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、n-オクチルトリクロロシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ペンチルトリクロロシラン、トリアセトキシメチルシラン、トリクロロヘキシルシラン、トリクロロメチルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、トリクロロプロピルシラン、トリクロロテトラデシルシラン、トリメトキシプロピルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、トリクロロ-2-シアノエチルシラン、ジエトキシ(3-グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、3-グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、などを使用することもできる。
また、シランカップリング剤の中に他のアルコキシラン類、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどを適宜加えても良い。また公知の他のシランカップリング剤を併用しても良い。さらに本発明では必要に応じて、リン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等を併用しても良い。
本発明は、少なくとも二枚の耐熱性高分子フィルムが積層された積層体の製造方法であって、少なくとも積層される二枚の耐熱高分子フィルムの接着面にアミノ基を有するシランカップリング剤(煩雑さを避けるために単にシランカップリング剤、あるいは反応性液体とも云う)が存在する状態でロール状に巻き取り、耐熱高分子フィルムの複層巻きロールを得た後に、前記耐熱高分子フィルムの複層巻きロールを、40℃~180℃の温度で熱処理することにより、前記二枚の耐熱高分子フィルムを接着して耐熱高分子フィルム積層体を得る。
少なくとも積層される二枚の耐熱高分子フィルムの接着面にシランカップリング剤が存在する状態とするには、
・積層させる耐熱高分子フィルムの少なくとも片方の接着面を、あらかじめシランカップリング剤処理しておく方法、
・積層させる耐熱高分子フィルムの接着面にシランカップリング剤を塗布し、耐熱高分子フィルムを重ね合わせた後に、連続的に巻き取る方法を例示することができる。
<シランカップリング剤の塗布方法>
一般にシランカップリング剤処理とは、対象物表面にシランカップリング剤、ないしシランカップリング剤の縮合物からなる薄膜層を形成する処理を云う。シランカップリング剤処理は、一般に、シランカップリング剤をアルコールなどの溶液とし、対象物に塗布ないし、対象物をシランカップリング剤溶液に浸漬等の手段により塗布し、その後、乾燥、加熱によりシランカップリング剤を縮合させると同時に対象物表面に化学反応的に結合させることによる。シランカップリング剤の塗布方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、ディップ法などが一般的である。シランカップリング剤処理は、必要に応じて高分子フィルムの片面、ないし両面に行われる。
本発明では、高分子フィルムへのシランカップリング剤塗布法として、コーター塗工を用いることができる。その場合、コート液におけるシランカップリング剤濃度は0.1wt%以上が望ましい。シランカップリング剤濃度が低いと、塗布ムラの原因となる。また、高分子フィルムと塗布用のブレードないしはバーの距離は、15μm以上50μm以下が望ましい。高分子フィルムと塗布用のブレードないしはバーの距離が15μm以下だと、高分子フィルム表面にキズが付きやすく、50μm以上だと塗布されるシランカップリング剤の量が多すぎて塗布ムラや表面荒れの原因となる。
本発明では、好ましくは、シランカップリング剤塗布工程を気相を介して行うことができる。気相を解するとは、気化させたシランカップリング剤に高分子フィルムを暴露させる方法である。気化とは、シランカップリング剤の蒸気、すなわち実質的に気体状態のシランカップリング剤あるいは、微粒子状態のシランカップリング剤が存在する状態を指す。そして、ここへの暴露とは、前記の気化したはシランカップリング剤を含んだ雰囲気に高分子フィルムを接触させることを云う。シランカップリング剤は一定の蒸気圧を有するため、常温雰囲気かであっても一定量の気体状態のシランカップリング剤は存在する。液体状態のシランカップリング剤を40℃~シランカップリング剤の沸点までの温度に加温すれば、さらに高濃度のシランカップリング剤の蒸気を得ることができる。気化したシランカップリング剤は露点の関係からミスト化し気体中での微粒子状態で存在する場合もある。本発明ではこのような状態も利用できる。また、温度圧力の操作によって、蒸気密度を高める操作を付け加えることも行いうる。シランカップリング剤の沸点は、化学構造によって異なるが、概ね100~250℃の範囲である。ただし200℃以上の加熱は、シランカップリング剤の有機基側の副反応を招く恐れがあるため好ましくない。
シランカップリング剤を加温する環境は、加圧下、略常圧下、減圧下のいずれでも構わないが、シランカップリング剤の気化を促進する場合には略常圧下ないし減圧下が好ましい。多くのシランカップリング剤は可燃性液体であるため、密閉容器内にて、好ましくは容器内を不活性ガスで置換した後に気化作業を行うことが好ましい。しかし、生産効率向上および生産設備価格低減の観点からは、真空を使わない環境でのシランカップリング剤塗布が望ましい。本発明における真空を使わないシランカップリング剤堆積法とは、堆積時のみに真空を使わないのではなく、通常大気雰囲気で高分子フィルムをセットしてから、キャリアガスに置換してシランカップリング剤を堆積してから、またシランカップリング剤の無い状態に戻す時まで、概略大気圧のままで行うことを指す。
高分子フィルムをシランカップリング剤に暴露する時間は特に制限されないが、60分以内、好ましくは20分以内、さらに好ましくは10分以内である。暴露時間はシランカップリング剤の濃度と、必要なシランカップリング剤塗布量との関係によって定まる工程設計値である。暴露時間の下限は特に限定されないが、工業的に生じる塗布量の斑を低減するためには10秒以上、好ましくは30秒以上程度の時間を設けた方が良い。
高分子フィルムをシランカップリング剤に暴露する間の高分子フィルム温度は、シランカップリング剤の種類と、求めるシランカップリング剤層の厚さにより-50℃から200℃の間の適正な温度に制御することが好ましい。
シランカップリング剤に暴露された高分子フィルムは、好ましくは、暴露後に、70℃~200℃、さらに好ましくは75℃~150℃に加熱される。かかる加熱によって、高分子フィルム表面の水酸基などと、シランカップリング剤のアルコキシ基やシラザン基が反応し、シランカップリング剤処理が完了する。加熱に要する時間は10秒以上10分程度以内である。温度が高すぎたり、時間が長すぎる場合にはカップリング剤の劣化が生じる場合がある。また短すぎると処理効果が得られない。なお、シランカップリング剤に暴露中の基板温度が既に80℃以上である場合には、事後の加熱を省略することも出来る。
本発明では、高分子フィルムのシランカップリング剤塗布面を下向きに保持してシランカップリング剤蒸気に暴露することが好ましい。シランカップリング剤の溶液を塗布する従来法では、必然的に塗布中および塗布前後に高分子フィルムの塗布面が上を向くため、作業環境下の浮遊異物などが無機基板表面に沈着する可能性を否定できない。しかしながら本発明では高分子フィルムを下向きに保持することにより、環境中の異物付着を大幅に減ずることが可能となる。
また、気化したシランカップリング剤を含む気体を高分子基板に暴露させる部屋に導入する際に、一旦2つ以上に気体を分離して導入すること、2つ以上の気体を前記部屋内で衝突させることで乱流を生じさせ、シランカップリング剤分布を均一化させる操作なども有効である。
シランカップリング剤を気化させる方式としては、加熱による蒸発気化以外に、シランカップリング剤液中に気体を導入して気泡を発生させる方式もあり得る。これを以後バブリングと呼ぶ。バブリングについては、単純に気体の通る配管をシランカップリング剤液に入れること、配管の先に多孔質体を取り付けて、微細な気泡が数多く出るようにしたもの、超音波を重畳して、気化を促すものも有効である。
気化させたシランカップリング剤は暴露だけでなく、高分子フィルムに噴き付けても良い。その場合、噴き付ける角度は搬送されるフィルムに対し10°以上であることが望ましい。噴き付け角度が10°以下の場合、搬送される高分子フィルム表面に十分な量のシランカップリング剤が塗布できない恐れがある。
また、気化したシランカップリング剤は帯電する場合がある。この効果を利用して暴露時にフィルムに電界を加えることにより多くのシランカップリング剤を短時間で堆積でき、かつシランカップリング剤が運動エネルギーを持つため、堆積膜が、島状膜になることを抑制できる。また、使用するキャリアガスについては、水分が含まれていると、この水分とシランカップリング剤の反応が始まることが知られている。このため、露点が低いことが有効である。望ましくは、露点15℃以下、さらに望ましくは10℃以下、さらに望ましくは、5℃以下である。
シランカップリング剤層積層高分子フィルムのシランカップリング剤層に存在する長径10μm以上の珪素含有異物数は2000個/m2以下、好ましくは1000個/m2以下、更には500個/m2以下とすることが、本発明の好ましい形態である。また前記操作を組み合わせる事により珪素含有異物数は達成可能である。
シランカップリング剤の塗布量は、シランカップリング剤縮合物層の厚さよる。カップリング剤層が厚すぎると、高温暴露時に発生する分解物量が増え、高分子フィルム間の接着を阻害する場合がある。本発明のシランカップリング剤縮合物層の厚さは0.1nm以上300nm以下である事が好ましく、0.5nm以上200nm以下がさらに好ましい。さらに、厚さの上限は200nm未満が好ましく、150nm以下が好ましく、さらに実用上は100nm以下が好ましく、より好ましくは70nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。0.1nm以下の領域になるとカップリング剤が均一な塗膜としてではなく、クラスター状に存在するケースが想定され、好ましくはない。
シランカップリング剤縮合物層の膜厚は、高分子フィルム積層体のフィルム面に垂直方向の断面を研磨した後にミクロトームで超薄切片とし、透過型電子顕微鏡にて断面写真を撮影し、実測値を拡大倍率から逆算して求めた。
本発明では、上記の方法で、別途少なくとも片側の接着面が処理された高分子フィルムの接着面どうしを合わせて複層巻きロールとするか、あるいは上記の処理を巻き取りの直前で行い、複層巻きロールを得ることができる。
本発明では三枚以上の高分子フィルムを準備し、積層の最上面ならびに最下面に位置する高分子フィルム(外層フィルムと呼ぶ)以外の高分子フィルム(内層フィルムと呼ぶ)に、両面シランカップリング剤処理、ないし両面シランカップリング剤塗布を行い、次いで高分子フィルム同士を重ね合わせて複層巻きに巻き取ることにより複層巻きロールを得る方法を好ましい方法として例示できる。
本発明では、前記ロール状に巻き取る際のテンションを任意に調整可能であるが、好ましくは、0.001N/cm~12N/cmの範囲、さらに好ましくは0.5N/cm~12N/cmの範囲、なお好ましくは3~10N/cm とすることが好ましい。巻き取り時のテンションを所定の範囲にコントロールすることで、高分子フィルム間の接着を確実な物とすると同時に、高すぎると発生しやすい皺の発生を抑制することができる。
本発明では、以上のようにして得られた耐熱高分子フィルムの複層巻きロールを、40℃~180℃の温度で熱処理することにより、前記少なくとも二枚の耐熱高分子フィルムを接着して積層体と成す。本発明では前記熱処理温度を好ましくは50℃~120℃の範囲とする事により、コア材質の制限がなくなり、より生産性が向上する。
また、本発明では前記熱処理を行う前の耐熱高分子フィルムに含まれる水分量を、0.5~4.0質量%の範囲とすることが好ましい。フィルムに含まれる水分は加熱の際に揮発して、接着界面にブリスター(気泡とも呼ぶ)を生じさせる可能性があるが、一方で適度な水分の存在は、シランカップリング剤の官能基の反応を促進する。本発明では0.5~4.0質量%という、比較的高い水分量にもかかわらず、積層されるフィルムを複層巻きしたロール状にしてから加熱するため、フィルム間の密着が保たれブリスターの発生を抑制した状態で化学反応を進行させることができるため、強固な接着積層が実現される。
フィルムに含有される水分量は積層前のシーズニングで調整可能である。例えばポリイミドフィルムの場合には0.5~1.5質量%程度、アラミドフィルムの場合には1.5~4.0質量%程度の水分を平衡状態で含んでいる。
高分子フィルムが含む水分量は、シーズニング環境で変化するが、仮に30分以内程度であればシーズニング環境を変化させても急激な水分量の増減は生じない。本発明では好ましくは熱処理を行う少なくとも30分前、さらに好ましくは少なくとも10分前までは、シーズニングした環境に高分子フィルムを保持することで、高分子フィルムに含まれる水分量を管理することが好ましい。すなわち熱処理を行う前とは、少なくとも熱処理の30分前以内、好ましくは少なくとも10分前以内を意味する。
本発明において、積層体の巻取に使用するコアの内径は3インチ以上であることが望ましく、より望ましくは6インチ以上である。コア内径、ひいてはコア外径が小さいと、積層数が多くなってきた場合に積層体の反りの原因となったり、ポリイミドフィルム間の反応性液体層にかかる応力が大きくなり、ポリイミドフィルム同士の剥離の原因となる。
本発明において、巻取りに使用するコア材質のCTEは150ppm/℃以下であることが好ましく、100ppm/℃以下であることが好ましい。コア材質のCTEが所定の範囲より大きいと、反応性液体を反応させるための加熱プロセスにおいてコアが大幅に変形してしまう恐れがある。またコア材質のCTEの下限は20ppm/℃が好ましく、25ppm/℃であることがなお好ましい。CITEが下限より低いと、積層されたフィルムの加圧が不十分となり、積層体の層間接着力が低下する場合がある。
本発明において好ましく用いられるコア材質は、比較的高CTEの金属、例えばアルミニウムないしアルミニウム合金、ABS樹脂、ポリプロピレン、などの高分子素材を用いる事ができる。
本発明において、積層体と、積層体の巻取開始点におけるコアの接線が成す角θは40°以下であることが望ましい。θが40°より大きいと巻き取りが不安定になる場合がある。
本発明におけるポリイミドフィルム積層体の、熱処理後のポリイミドフィルム層間の接着強度は、90度剥離法において、0.4N/cm以上、20N/cm以下であり、好ましくは0.4N/cm以上18N/cmであり、さらに好ましくは0.4N/cm以上15N/cm以下である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における物性の評価方法は下記の通りである。
<ブリスター数>
10cm×10cmの積層体において直径0.2mm以上のブリスターの個数を計数した。なおブリスターとは貼り合わせられた対象物間に空隙が生じるタイプの欠点であり、ウキ、気泡、バブル等と呼ばれることがある。ブリスターの個数計測は各サンプルにつきn=5となるように測定し、小数点以下を四捨五入した。また、3層積層体については、10cm×10cm面積に存在する直径0.2mm以上の総ブリスター数に0.5をかけることで、2層積層体としてのブリスター数に換算した。
<フィルム水分率(水分量)>
フィルム水分率(水分量)は以下の方法にて求めた。
フィルムから、概ね10cm×10cmの正方形を切り出して資料とし、初期状態(含水状態)のフィルムの質量Wiを測定し、次いで150℃30分の加熱処理後のフィルムの質量Woを測定し、次式より求めた。
水分率(質量%)=100×(Wi-Wo)/Wo
<層間接着強度>
JISK6854-1 の90度剥離法に従って、ポリイミドフィルム積層体のポリイミドフィルム層間の接着強度を求めた。
装置名 ; 島津製作所社製 オートグラフAG-IS
測定温度 ; 室温
剥離速度 ; 50mm/min
雰囲気 ; 大気
測定サンプル幅 ; 1cm
サンプルは一辺が100mmの正方形のポリイミドフィルム積層体の表面に、最表層のポリイミドフィルム厚さの120%に相当する深さまで切り込みを入れ、積層体の端から最表層のポリイミドフィルムを剥がして測定した。
〔製造例〕
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5-アミノ-2-(p-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)223質量部と、N,N-ジメチルアセトアミド4416質量部とを加えて完全に溶解させ、次いで、ピロメリット酸二無水物(PMDA)217質量部とともに、滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST30」)とをシリカ(滑剤)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.12質量%)になるように加え、25℃の反応温度で24時間攪拌して、褐色で粘調なポリアミド酸溶液V1を得た。
(ポリイミドフィルムの作製例)
上記で得られたポリアミド酸溶液V1を、スリットダイを用いて幅1050mmの長尺ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「A-4100」)の平滑面(無滑剤面)上に、最終膜厚(イミド化後の膜厚)が38μmとなるように塗布し、105℃にて20分間乾燥した後、ポリエステルフィルムから剥離して、幅920mmの自己支持性のポリアミド酸フィルムを得た。
上記で得られたポリアミド酸フィルムを得た後、ピンテンターによって、1段目150℃×5分、2段目220℃×5分、3段目495℃×10分間)熱処理を施してイミド化させ、両端のピン把持部分をスリットにて落とし、幅850mmの長尺ポリイミドフィルムX(1000m巻き)を得た。
<ポリイミドフィルムの真空プラズマ処理>
ポリイミドフィルムにシランカップリング剤処理を行う前工程として、ポリイミドフィルムに真空プラズマ処理を行った。真空プラズマ処理は枚葉ガラス用の装置を用い、ガラスのシランカップリング剤処理面にメタルマスクを重ねて装置にセットし、真空チャンバー内を1×10-3Pa以下になるまで真空排気し、真空チャンバー内にアルゴンガスを導入して、放電電力100W、周波数15kHzの条件で20秒間、ガラス板表面にアルゴンガスのプラズマ処理を行った。以下、実施例および比較例ではプラズマ処理後の広幅ポリイミドフィルムをスリットして用いた。
<シランカップリング剤処理>
図3に概略を示したシランカップリング剤蒸気を発生させる装置を用い、以下の条件にてポリイミドフィルムにシランカップリング剤を塗布した。
幅220mmのポリイミドフィルムを20mm×250mmのスリットを有する750mm×20mm×10mmのチャンバー内を速度240mm/minで通過させた。
シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBE-903」:3-アミノプロピルトリエトキシシラン)100gを入れた容器を、40℃に温調した後に窒素ガスを20L/minでバブリングの要領で送り、発生したシランカップリング剤蒸気を含んだ窒素ガスを、配管を通じて前期チャンバー内に導入し、ポリイミドフィルムの両面を前記ガスに3分間暴露し、シランカップリング剤塗布ポリイミドフィルムロールを得た。
<比較例1>
得られたシランカップリング剤処理基板3枚重ね、さらに離型シート挟み、真空プレスにて、減圧化に100Paの圧力を印加し、仮接着を行った。次いで得られた仮接着積層板をクリーンオーブンに入れ、窒素雰囲気下で100℃にて20時間加熱し、ポリイミドフィルム積層体を得た。得られたポリイミドフィルム積層体の評価結果を表1に示す。
<実施例1>
比較例と同じポリイミドフィルムを3ロール準備し、それぞれにプラズマ処理を行い、図1の装置を用い、1ロールを内層フィルム巻きだし部に、他の2ロールをそれぞれ外装フィルム巻きだし部にセットした。セットした時点に於ける各フィルムの含水率はいずれも0.7質量%であった。
それぞれのロールを巻きだして図のように通紙し、内層ポリイミドフィルムの両面に反応性液体であるアミノ基含有シランカップリング剤「KBM-903」の蒸気に暴露し、直後に表裏を外装用の二枚のポリイミドフィルムとサンドイッチする形で重ね、3層の複層フィルムとして、12インチのアルミニウム製コアに巻き取り、複層巻きロールを得た。なおシランカップリング剤蒸気の生成条件は比較例1と同じとした。
得られた複層巻きロールを120℃のイナートオーブンに入れ、8時間熱処理を行い、ポリイミドフィルム積層体を得た。
<実施例2>
実施例1において、用いたポリイミドフィルムを、プラズマ処理前に真空中で一度巻きだし巻き取りを行った以外は同様に操作してポリイミドフィルム積層体を得た。この場合、装置にフィルムをセットした時点でのフィルムの含水率は0.2質量%であった。
<実施例3~5、比較例2~3>
以下同様に表1に示す条件に従ってポリイミドフィルム積層体を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 0007287061000001
なお表中、
使用フィルム PI-X:ポリイミドフィルム作製例で得られたポリイミドフィルム
使用フィルム PI-K:東レデュポン社製ポリイミドフィルム「カプトン(登録商標)150H」
使用フィルム PI-U:宇部興産社製ポリイミドフィルム「ユーピレックス(登録商標)50S」
積層法 ロール:図1に示した装置を用いた方法
積層法 プレス:比較例1で用いたプレス積層法
である。
以上述べてきたように、本発明のフィルム積層体製造方法および装置は、反応性化合物をフィルム表面に塗布してからラミネートするまでの工程を連続的に行うことで、ブリスター欠点の少ない長尺フィルム積層体を作製することができる。本発明は、例示したように熱硬化型化合物であるエポキシ樹脂、光硬化型化合物である(メタ)アクリレート、さらにはシランカップリング剤など種々の反応性化合物を用いてフィルム積層体を作製する場合に有効であり、産業上の様々な分野に利用できる。
11 内層フィルム巻出し部
12 反応性液体蒸気供給部
13 反応性液体蒸気吐出部
14 反応性液体蒸気の排気口
15 外層フィルム巻出し部
16 加圧部
17 巻取部
18 長尺基材の高さ調整ロール
21 フィルム巻出し部
22 反応性液体供給部
23 反応性液体吐出(スプレー)部
24 ワイヤーバー
25 長尺基材巻出し部
26 加圧部
27 巻取り部
28 長尺基材の高さ調整ロール
31 フィルム巻出し部
32 反応性液体蒸気供給部
33 反応性液体蒸気吐出部
34 反応性液体蒸気排気口
35 フィルム巻取り部
36 合紙供給ロール
41 フィルム重層体
42 巻取部

Claims (4)

  1. 少なくとも二枚の耐熱高分子フィルムが積層された構造を有する耐熱高分子フィルム積層体の製造方法であって、
    (1)前記少なくとも二枚の耐熱高分子フィルムを、アミノ基を有するシランカップリング剤が前記少なくとも二枚耐熱高分子フィルム相互の間に存在する状態でロール状に巻き取り、耐熱高分子フィルムの複層巻きロールを得る工程、
    (2)前記複層巻きロールを、40℃~180℃の温度で熱処理することにより、前記少なくとも二枚の耐熱高分子フィルム相互を接着する工程、
    を少なくとも有し、
    前記熱処理を行う前の耐熱高分子フィルムに含まれる含水率が0.5~4.0質量%の範囲である、耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
  2. 前記ロール状に巻き取る際にフィルムに掛ける張力を0.001N/cm~12N/cmの範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
  3. 前記耐熱高分子フィルムがあらかじめ酸素存在下にプラズマ処理されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
  4. 前記耐熱高分子フィルムがポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の耐熱高分子フィルム積層体の製造方法。
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