JP7188233B2 - 塗装金属板、シャッタースラットおよびシャッター - Google Patents

塗装金属板、シャッタースラットおよびシャッター Download PDF

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本発明は、塗装金属板、シャッタースラットおよびシャッターに関する。
建築物の開口部に設けられるシャッターは、鋼板などの金属板で構成される複数のスラットと称される部材を、互いに回動可能に連結することで構成されている。スラットを構成する金属板としては、意匠性や成形加工性、耐食性などの観点から、通常、塗装鋼板が用いられている。
一般的に、スラット用の塗装鋼板には、ロール成形による成形が可能であること(成形加工性)、および、シャッター開閉時のスラット間の摩擦に対して傷付きにくいこと(耐傷付き性)が求められる。成形加工性と耐傷付き性とを両立するために、上塗り塗膜中にポリエチレンワックス(ポリエチレン粒子)を添加したスラット用の塗装鋼板が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2004-034591号公報
しかしながら、特許文献1のスラット用の塗装鋼板では、成形加工性と耐傷付き性とを高度に両立できるものではなかった。また、上記塗装鋼板は、時間の経過とともに、耐傷付き性や耐食性が低下しやすいという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、成形加工性と耐傷付き性とを高度に両立することができ、かつ長期間にわたり耐傷付き性および耐食性の低下を抑制できる塗装金属板およびそれを含むシャッタースラットならびにシャッターを提供することを目的とする。
本発明は、以下の塗装金属板、シャッタースラットおよびシャッターに関する。
本発明の塗装金属板は、金属板と、前記金属板の一方の面に配置され、かつ硬化性ポリエステル樹脂と、硬化剤と、フッ素樹脂粒子と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aとを含み、フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bを実質的に含まない第1硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第1表層塗膜と、前記金属板の他方の面に配置され、かつ硬化性ポリエステル樹脂と、硬化剤と、フッ素樹脂粒子と、フッ素樹脂で変性されているポリエチレン粒子Aとを含む第2硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第2表層塗膜と、を有し、前記第1硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、前記第2硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量よりも高く、前記第1硬化性樹脂組成物において、前記フッ素樹脂粒子の含有量は、前記第1硬化性樹脂組成物の固形分に対して2~6質量%であり、前記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの含有量は、前記第1硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.2~1.2質量%であり、前記第2硬化性樹脂組成物において、前記フッ素樹脂粒子の含有量は、前記第2硬化性樹脂組成物の固形分に対して2~6質量%であり、前記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの含有量は、前記第2硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.2~1.2質量%である。
本発明のシャッタースラットは、本発明の塗装金属板を含む。
本発明のシャッターは、複数のシャッタースラットを回動可能に連結したシャッターであって、前記シャッタースラットは、本発明のシャッタースラットであり、前記シャッターを巻き取ると、前記シャッタースラットであるシャッタースラットXの前記第2表層塗膜と、前記シャッタースラットであるシャッタースラットYの前記第1表層塗膜とは、摺動可能に接触し、前記シャッタースラットXと前記シャッタースラットYとが摺動したときに、前記シャッタースラットXの前記第2表層塗膜における接触部位は、実質的に移動せず、前記シャッタースラットYの前記第1表層塗膜における接触部位は、移動する。
本発明によれば、成形加工性と耐傷付き性とを高度に両立することができ、かつ長期間にわたり耐傷付き性および耐食性の低下を抑制できる塗装金属板およびそれを含むシャッタースラットならびにシャッターを提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る塗装金属板の構成を示す模式図である。 図2は、巻いたときのシャッターを示す部分断面図である。 図3Aは、図2のシャッターを構成するシャッタースラットを示す断面図であり、図3Bは、図3Aの部分拡大断面図である。
スラット用の塗装金属板では、特に曲げ加工などの成形加工が施された部分(加工部)に割れなどがあると、そこを起点として腐食を生じやすい。そのため、塗膜を伸びやすくして、成形加工性を高めることが望まれる。一方で、伸びやすい塗膜は軟質であるため、耐傷付き性や耐食性は低下しやすい。このように、成形加工性と耐傷付き性または耐食性とを高度に両立することは難しかった。
特に、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板のように硬質なめっき層を有する金属板では、加工部においてめっき層が割れやすく、そこから腐食を生じやすい。また、板厚の厚い金属板を用いたシャッターは、巻き取った際に、シャッター表面の塗膜が傷付きやすい。したがって、そのような金属板を用いた際には、成形加工性と耐傷付き性や耐食性とを一層両立できることが望まれる。
これに対して本発明では、まず、シャッターにしたときに屋外側(表側)となる塗膜(第1表層塗膜)を構成する樹脂の分子量を相対的に高くしている。それにより、第1表層塗膜(表側)を軟質にして、成形加工性を高めることができる。一方、屋内側(裏側)となる塗膜(第2表層塗膜)を構成する樹脂の分子量は、相対的に低くしている。それにより、第2表層塗膜を適度に硬質にして、シャッターを巻いたときの他のシャッタースラットとの擦動などに伴う摩耗を少なくし、それにより、第1表層塗膜に傷が付くのを抑制することができる(すなわち、耐傷付き性を高めることができる)。さらに、第1表層塗膜と第2表層塗膜におけるワックス粒子の組成を所定の範囲に調整されている。それにより、第1表層塗膜における耐傷付き性の低下を抑制でき、かつ長期間にわたって耐傷付き性と耐食性を維持することができる。
このように、第1表層塗膜と第2表層塗膜とで異なる構成を有することが好ましい理由は明らかではないが、以下のように考えられる。通常、シャッターを巻いたとき、積層される一方のシャッタースラットXの裏側の面(第2表層塗膜の面)と、他方のシャッタースラットYの表側の面(第1表層塗膜の面)とは、擦動可能に接触する(後述の図2参照)。そして、これらのシャッタースラットを摺動させたときに、一方のシャッタースラットXの第2表層塗膜上の接触部位は、当該第2表層塗膜上において実質的に移動しないのに対し;他方のシャッタースラットYの第1表層塗膜上の接触部位は、当該第1表層塗膜上において移動するように構成されている。つまり、一方のシャッタースラットXの摺動面の面積(接触面積の積算値)は、他方のシャッタースラットYの摺動面の面積(接触面積の積算値)よりも小さい。また、一方のシャッタースラットXの第2表層塗膜上の接触部位は、同じ接触部位で接触し続けるのに対し;他方のシャッタースラットYの第1表層塗膜上の接触部位は、同じ接触部位では時々しか接触しない。つまり、一方のシャッタースラットXの第2表層塗膜の接触部位の摺動時間(接触時間)は、他方のシャッタースラットYの第1表層塗膜の接触部位の摺動時間(接触時間)よりも長い。
このような摺動面の面積や摺動時間(接触時間)の違いに起因して、一方のシャッタースラットXの接触部位の塗膜(第2表層塗膜)が軟質であると、短期間で摩耗しやすく、その摩耗によって脱落したワックス粒子などによって、他方のシャッタースラットYの接触部位の塗膜(第1表層塗膜)に傷が付きやすい。これらのことから、本発明では、上記の通り、一方のシャッタースラットXの接触部位の塗膜(第2表層塗膜)を相対的に硬質にし、他方のシャッタースラットYの接触部位の塗膜(第1表層塗膜)を相対的に軟質にすることが有効と考えられる。
1.塗装金属板
1-1.金属板
金属板の種類は、特に限定されない。金属板の例には、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、Zn-Al合金めっき鋼板、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板(オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系、フェライト・マルテンサイト二相系を含む)、アルミニウム板、アルミニウム合金板および銅板などが含まれる。耐食性や耐傷付き性、成形加工性などの観点からは、金属板は、鋼板であることが好ましく、溶融亜鉛めっき鋼板またはZn-Al-Mg合金めっき鋼板であることがより好ましく、高い耐食性を有する観点では、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板であることがさらに好ましい。金属板は、脱脂や酸洗などの公知の塗装前処理が施されていてもよい。
めっき鋼板におけるめっき付着量(両面めっき付着量)は、十分な耐食性を得る観点などから、例えば60~150g/mであることが好ましい。
金属板の板厚は、特に限定されず、シャッターの種類などに応じて適宜設定されうる。例えば、金属板の板厚は、0.3~2mm程度である。
1-2.第1表層塗膜/第2表層塗膜
第1表層塗膜および第2表層塗膜(これらを「上塗り塗膜」ともいう)は、それぞれ塗装金属板の最も外側に位置する塗膜である。具体的には、第1表層塗膜は、金属板の一方の面(シャッタースラットにしたときに表側となる面であり、「第1面」ともいう)に配置され、かつ金属板の一方の面側において最も外側に位置している。第2表層塗膜は、金属板の他方の面(シャッタースラットにしたときに裏側となる面であり、「第2面」ともいう)に配置され、かつ金属板の他方の面側において最も外側に位置している。
1-2-1.第1表層塗膜(表面側の表層塗膜)
第1表層塗膜は、シャッタースラットとして用いられた場合に、耐傷付き性、耐久性および耐候性を有することが望まれる。これらの観点から、第1表層塗膜は、硬化性樹脂と、硬化剤と、ワックス粒子とを含む硬化性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましい。
硬化性樹脂の例には、硬化性アクリル樹脂や硬化性ポリエステル樹脂が含まれるが、耐候性などの観点では、硬化性ポリエステル樹脂が好ましい。さらに、成形加工性を高める観点から、第1表層塗膜を構成する硬化性ポリエステル樹脂は、第2表層塗膜を構成する硬化性ポリエステル樹脂よりも高分子量の硬化性ポリエステル樹脂であることが好ましい。すなわち、第1表層塗膜は、相対的に高分子量の硬化性ポリエステル樹脂と、硬化剤と、ワックス粒子とを含む第1硬化性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましい。
(硬化性ポリエステル樹脂)
第1硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、第2硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量よりも高い。具体的には、第1硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステルの重量平均分子量は、7000~12000であることが好ましい。当該硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が7000以上であると、第1表層塗膜の可撓性を高めやすいため(伸びやすくしうるため)、成形加工性を高めやすく、12000以下であると、耐傷付き性を損ないにくいだけでなく、外装材として必要な耐候性も確保しやすい。当該硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、上記観点から、8000~11000であることがより好ましい。
硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、JIS K 0124-2011に準じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出することができる。
硬化性ポリエステル樹脂の種類は、重量平均分子量が上記関係を満たすものであればよく、特に限定されないが、例えば水酸基含有ポリエステル樹脂を使用することが可能である。水酸基含有ポリエステル樹脂の例には、オイルフリーポリエステル、(油変性)アルキド樹脂およびこれらの樹脂の変性物が含まれる。
オイルフリーポリエステルは、多塩基酸成分と多価アルコール成分との重縮合物である。多塩基酸成分の例には、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などのジカルボン酸、およびこれらの酸の低級アルキルエステル化物が含まれる。多価アルコール成分の例には、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物などの2価のアルコールや;トリメチロールプロパン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、トリメチロールエタン(TME)、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセリンなどの3価以上のアルコールが含まれる。
アルキド樹脂は、前述のオイルフリーポリエステルの多塩基酸成分および多価アルコール成分に加えて、油脂肪酸も既知の方法で反応させた樹脂である。油脂肪酸の例には、ヤシ油脂肪酸や大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸が含まれる。
硬化性ポリエステル樹脂の含有量は、第1硬化性樹脂組成物の固形分に対して40~70質量%であることが好ましい。硬化性ポリエステル樹脂の含有量が40質量%以上であると、塗装金属板の耐食性を高めやすく、70質量%以下であると、隠ぺい力が低下することによる耐候劣化を抑制しやすい。硬化性ポリエステル樹脂の含有量は、上記観点から、第1硬化性樹脂組成物の固形分に対して50~60質量%であることがより好ましい。
第1硬化性樹脂組成物の固形分とは、溶剤を除く全成分をいう。すなわち、第1硬化性樹脂組成物の固形分に対する量は、第1硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第1表層塗膜に対する量と同じである。以下においても、同様である。
(硬化剤)
硬化剤は、硬化性樹脂の種類に応じて選択されうる。例えば、水酸基含有ポリエステル樹脂の硬化剤としては、メラミン化合物やイソシアネート化合物を用いることができる。
メラミン化合物の例には、イミノ基型、メチロールイミノ基型、メチロール基型または完全アルキル基型のメラミン化合物が含まれる。
イソシアネートの例には、m-キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート;イソホロンジイソシアネートなどの脂環式イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートが含まれる。これらのイソシアネート化合物は、ブロックイソシアネートであってもよい。
中でも、低温かつ短時間で焼き付ける観点では、メラミン化合物が好ましい。
硬化剤の含有量は、硬化性ポリエステル樹脂に対して10~40質量%であることが好ましい。硬化剤の含有量が10質量%以上であると、硬化性樹脂を十分に硬化させうるため、塗装金属板の耐食性を高めやすく、40質量%以下であると、第1硬化性樹脂組成物の硬化物の柔軟性が損なわれにくい。硬化剤の含有量は、上記観点から、硬化性ポリエステル樹脂に対して20~30質量%であることがより好ましい。
(ワックス粒子)
ワックス粒子は、少なくとも第1表層塗膜の耐傷付き性を高めることができるものであればよく、特に制限されない。中でも、第1表層塗膜は、耐候性を有することが望まれることから、フッ素樹脂粒子と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子A(以下、単に「ポリエチレン粒子A」ともいう)と含み、かつフッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子(以下、単に「ポリエチレン粒子B」ともいう)を実質的に含まないことが好ましい。
すなわち、フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bは比重が軽いため、第1表層塗膜の形成時に、第1表層塗膜の表層部に移動しやすく、耐傷付き性は高めやすい。一方で、当該フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bは耐候性が低いため、時間の経過とともに劣化したり、脱落したりしやすく、時間が経過した時の耐傷付き性や耐食性は維持しにくい。これに対し、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子A(フッ素樹脂変性ポリエチレン粒子)は、フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bよりは比重が大きいため、第1表層塗膜の表層部に過度には偏在しにくく、第1表層塗膜の全体に均一に分散しやすい。また、これらの粒子は、耐候性に優れている。したがって、時間の経過に伴って第1表層塗膜が減耗しても、良好な耐傷付き性および耐食性を維持しうる。したがって、第1表層塗膜に含まれるワックス粒子は、フッ素樹脂粒子と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aと含み、かつフッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bを実質的に含まないことが好ましい。
(フッ素樹脂粒子)
フッ素樹脂粒子の例には、ポリテトラフルオロエチレン粒子が含まれる。
(フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子A)
フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aは、例えば酸などで変性された変性ポリエチレン粒子にフッ素樹脂が結合した粒子である。
フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aを得るための変性ポリエチレン粒子は、特に限定されないが、その例には、酸などで変性された、高密度ポリエチレンや低密度ポリエチレン、酸化ポリエチレンなどの粒子が含まれる。フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aを得るためのフッ素樹脂は、特に限定されないが、その例には、ポリテトラフルオロエチレンが含まれる。
フッ素樹脂変性ポリエチレン粒子の例には、CERAFLOUR996やCERAFLOUR998(いずれもビックケミー・ジャパン社製)、FluoroSLIP231(Shamrock Technologies社製)が含まれる。
フッ素樹脂粒子やフッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aなどのワックス粒子の平均粒子径d50は、特に限定されず、第1表層塗膜の厚みなどに応じて適宜設定される。耐傷付き性を適切に向上させる観点では、ワックス粒子の平均粒子径d50は、1~8μmであることが好ましい。ワックス粒子の平均粒子径d50が1μm以上であると、ワックス粒子が摩擦により消耗しにくく、塗装金属板の耐傷付き性を向上させやすい。一方、ワックス粒子の平均粒子径が8μm以下であると、第1表層塗膜から露出したり、脱落したりしにくいため、脱落したワックス粒子による耐傷付き性の低下や、耐食性の低下を十分に抑制できる。なお、ワックス粒子の平均粒子径d50とは、個数基準の累積粒度分布におけるワックス粒子の50%粒子径(μm)である。
ワックス粒子の平均粒子径d50は、例えばレーザ回折・散乱法によって測定することができる。すなわち、ワックス粒子の平均粒子径d50は、例えば、エタノール等の有機溶剤に分散させて、粒度分布測定装置SALD-7100(島津製作所社製)を用いて回分セル方式で測定することが可能である。
また、第1表層塗膜中のワックス粒子の平均粒子径d50は、以下の手順で測定することができる。
1)まず、塗装金属板を切断し、切断面を研摩する。
2)次いで、切断面を電子顕微鏡で観察して、有機塗膜の断面像を得る。
3)次いで、その断面像の視野に存在する全てのワックス粒子について長辺長さおよび短辺長さを測定し、個々の平均粒子サイズを算出する。
4)次いで、粒子サイズが小さいものから粒子数をカウントしていき、全粒子数の50%になったところの粒径を平均粒子径d50として算出する。
第1硬化性樹脂組成物におけるフッ素樹脂粒子の含有量は、第1硬化性樹脂組成物の固形分に対して2~6質量%であることが好ましい。フッ素樹脂粒子の含有量が2質量%以上であると、第1表層塗膜に十分な耐傷付き性(長期的な耐傷付き性も含む)を付与しやすく、6質量%以下であると、脱落したフッ素樹脂粒子による耐傷付き性の低下を抑制しやすい。フッ素樹脂粒子の含有量は、上記観点から、第1硬化性樹脂組成物の固形分に対して3~6質量%であることがより好ましい。
第1硬化性樹脂組成物におけるフッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの含有量は、第1硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.2~1.2質量%であることが好ましい。フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの含有量が0.2質量%以上であると、第1表層塗膜に十分な耐傷付き性を付与しやすく、1.2質量%以下であると、ポリエチレン粒子Aの脱落やそれ自体の劣化に起因する腐食を抑制しやすい。フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの含有量は、上記観点から、第1硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.4~1.2質量%であることがより好ましい。
なお、第1硬化性樹脂組成物は、前述の通り、フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bを実質的に含まないことが好ましい。フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bは、第1硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第1表層塗膜に耐傷付き性を高めやすいが、耐候性が低いからである。フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bを実質的に含まないとは、第1硬化性樹脂組成物の固形分に対する含有量が1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0質量%であることをいう。
(厚み)
第1表層塗膜の膜厚は、特に限定されないが、ワックス粒子の平均粒子径の2~10倍の範囲内であることが好ましい。第1表層塗膜の膜厚がワックス粒子の平均粒子径の2倍以上であると、ワックス粒子が脱落したときに、第1表層塗膜による遮蔽性が顕著に低下し過ぎず、耐食性の低下を抑制しやすい。具体的には、第1表層塗膜の膜厚は、5~30μm程度でありうる。
第1表層塗膜の膜厚と、第2表層塗膜の膜厚とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。通常は、第1表層塗膜のほうが、高い耐候性や耐食性などが求められることから、第1表層塗膜の膜厚は、第2表層塗膜の膜厚よりも厚いことが好ましい。
1-2-2.第2表層塗膜(裏面側の表層塗膜)
第2表層塗膜は、シャッタースラットとして用いられた場合に、耐傷付き性および耐久性を有することが望まれる。これらの観点から、第2表層塗膜は、相対的に低分子量の硬化性ポリエステル樹脂と、硬化剤と、ワックス粒子とを含む第2硬化性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましい。
(硬化性ポリエステル樹脂)
第2硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、第1硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量よりも低いことが好ましい。具体的には、第2硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、2000~6000であることが好ましい。当該硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が2000以上であると、第2表層塗膜に最低限の可撓性を付与しうるため、成形加工性が損なわれにくく、6000以下であると、耐傷付き性が損なわれにくい。当該硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、上記観点から、3000~5000であることがより好ましい。硬化性ポリエステルの重量平均分子量の測定は、前述と同様の方法で行うことができる。
硬化性ポリエステル樹脂の種類は、重量平均分子量が上記関係を満たすものであればよく、第1硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂として挙げたものと同様のものを使用することができる。
硬化性ポリエステル樹脂の含有量も、上記と同様の範囲としうる。なお、第2硬化性樹脂組成物の固形分とは、溶剤を除く全成分をいう。すなわち、第2硬化性樹脂組成物の固形分に対する量は、第2硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第2表層塗膜に対する量と同じである。以下においても、同様である。
(硬化剤)
硬化剤の種類は、第2硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂を硬化させうるものであればよく、特に制限されない。硬化剤としては、第1硬化性樹脂組成物に含まれる硬化剤として挙げたものと同様のものを使用することができる。硬化剤の含有量も、上記と同様の範囲としうる。
(ワックス粒子)
第2硬化性樹脂組成物に含まれるワックス粒子は、前述と同様に、フッ素樹脂粒子と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aとを含むことが好ましい。
フッ素樹脂粒子およびフッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aは、上記フッ素樹脂粒子および上記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aとそれぞれ同義である。
第2硬化性樹脂組成物におけるフッ素樹脂粒子の含有量は、第2硬化性樹脂組成物の固形分に対して2~6質量%であることが好ましい。フッ素樹脂粒子の含有量が2質量%以上であると、第2表層塗膜に十分な潤滑性を付与しやすく、6質量%以下であると、脱落したフッ素樹脂粒子により第1表層塗膜が傷付くのを抑制しやすい。フッ素樹脂粒子の含有量は、上記観点から、第2硬化性樹脂組成物の固形分に対して3~6質量%であることがより好ましい。
第2硬化性樹脂組成物におけるフッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの含有量は、第2硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.2~1.2質量%であることが好ましい。フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの含有量が0.2質量%以上であると、第2表層塗膜に十分な潤滑性や耐食性を付与しやすく、1.2質量%以下であると、当該ポリエチレン粒子Aの脱落や劣化に起因する第1表層塗膜の腐食を抑制しやすい。フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの含有量は、上記観点から、第2硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.4~1.2質量%であることがより好ましい。
第2硬化性樹脂組成物におけるワックス粒子の組成は、第1硬化性樹脂組成物におけるワックス粒子の組成と同じであってもよいし、異なってもよい。中でも、第1硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第1表層塗膜は、従来よりも可撓性が高いため、当該第1表層塗膜の滑り性を高めて耐傷付き性を高めやすくする観点、および、第2表層塗膜は、第1表層塗膜ほど耐候性は求められない観点などから、第2表層塗膜を構成する第2硬化性樹脂組成物に含まれるワックス粒子は、フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bをさらに含むことが好ましい。
(フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子B)
フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bは、酸などで変性されており、かつフッ素樹脂では変性されていないポリエチレン粒子である。そのような変性ポリエチレン粒子としては、上記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aを得るために用いられた変性ポリエチレン粒子と同様の種類および平均粒子径のものを用いることができる。
このように、第2表層塗膜の形成の際に、第2表層塗膜がフッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bをさらに含んでいると、当該変性ポリエチレン粒子Bは比重が軽いため、第2表層塗膜の形成時に第2表層塗膜の表層部に移動しやすく、第2表層塗膜の滑性を高めやすく、それにより第1表層塗膜を傷付きにくくしうる。また、第2表層塗膜は、第1表層塗膜ほどは太陽光に曝されないため、それによる耐候劣化も生じにくい。また、第2表層塗膜は、フッ素樹脂粒子やフッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aをさらに含むため、時間が経過した時の第2表層塗膜自体の耐傷付き性や耐食性も維持しやすく、それにより、時間が経過した時の第1表層塗膜の耐傷付き性や耐食性も維持しやすい。
フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bの平均粒子径d50は、特に限定されず、第2表層塗膜の厚みなどに応じて適宜設定される。耐傷付き性を適切に向上させる観点では、当該変性ポリエチレン粒子Bの平均粒子径d50は、耐傷付き性の観点では、フッ素樹脂粒子やフッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの平均粒子径d50よりも大きいことが好ましく、5~20μmであることが好ましい。当該ポリエチレン粒子Bの平均粒子径d50が5μm以上であると、当該ポリエチレン粒子Bが摩擦により消耗しにくく、塗装金属板の耐傷付き性を向上させやすい。一方、当該ポリエチレン粒子Bの平均粒子径が20μm以下であると、第2表層塗膜の表面に露出したポリエチレン粒子Bの脱落が起こりにくく、当該脱落により第1表層塗膜が傷付くのを抑制しやすい。当該ポリエチレン粒子Bの平均粒子径d50は、前述と同様に定義および測定されうる。
第2硬化性樹脂組成物における、フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bの含有量は、第2硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.2~5質量%であることが好ましい。当該ポリエチレン粒子Bの含有量が0.2質量%以上であると、第2表層塗膜に十分な潤滑性を付与しやすく、5質量%以下であると、時間が経過したときの潤滑性や耐食性が損なわれにくい。当該ポリエチレン粒子Bの含有量は、上記観点から、第2硬化性樹脂組成物の固形分に対し0.2~3質量%であることがより好ましい。
本発明では、第1表層塗膜を構成する硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量を、第2表層塗膜を構成する硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量よりも高くしている。それにより、第1表層塗膜は、第2表層塗膜よりも高い可撓性(柔軟性)を有するため、第1表層塗膜の成形加工性を高めることができる。一方で、そのような高い可撓性(柔軟性)を有する第1表層塗膜は、耐傷付き性は低くなりやすい。これに対し、第1表層塗膜に含まれるワックス粒子の合計量は、第2表層塗膜に含まれるワックス粒子の合計量よりも多いことが好ましい。
具体的には、第1表層塗膜を構成する第1硬化性樹脂組成物におけるフッ素樹脂粒子とフッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの合計量の、第1硬化性樹脂組成物の固形分に対する割合をM1とし;第2表層塗膜を構成する第2硬化性樹脂組成物におけるフッ素樹脂粒子と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aと、フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bの合計量の、第2硬化性樹脂組成物の固形分に対する割合をM2としたとき、比(M1/M2)は、例えば1.1以上、好ましくは1.5~5としうる。
(厚み)
第2表層塗膜の膜厚は、特に限定されず、第1表層塗膜の膜厚と同様の範囲としうる。すなわち、前述の通り、金属板の表面に形成された第1表層塗膜の膜厚と、金属板の裏面に形成された第2表層塗膜の膜厚とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。通常は、第2表層塗膜の膜厚は、第1表層塗膜の膜厚よりも薄いこと(例えば第1表層塗膜の膜厚の40~70%程度)であることが好ましい。
1-3.その他の層
塗装金属板は、前述の通り、第1表層塗膜および第2表層塗膜以外の他の塗膜をさらに有していてもよい。他の塗膜の例には、化成処理皮膜、下塗り塗膜(第1下層塗膜、第2下層塗膜)が含まれる。
1-3-1.化成処理皮膜
金属板には、塗装金属板の耐食性および塗膜密着性(耐傷付き性)を向上させる観点から、化成処理が施されていることが好ましい。すなわち、化成処理皮膜は、金属板への塗膜の密着性や耐食性を向上させる目的で、金属板と第1表層塗膜(または第2表層塗膜)との間に配置されうる。化成処理皮膜の例には、非クロメート系皮膜、およびクロメート系皮膜が含まれる。
非クロメート系皮膜の例には、Ti-Mo複合皮膜、フルオロアシッド系皮膜、リン酸塩皮膜、樹脂系皮膜、樹脂およびシランカップリング剤系皮膜、シリカ系皮膜、シリカおよびシランカップリング剤系皮膜、ジルコニウム系皮膜、ならびに、ジルコニウムおよびシランカップリング剤系皮膜などが含まれる。
クロメート系皮膜の例には、塗布型クロメート処理皮膜、およびリン酸-クロム酸系処理クロメート防錆処理皮膜が含まれる。
化成処理皮膜の付着量は、化成処理皮膜の種類に応じて設定されうる。例えば、クロメート皮膜の場合、全Cr換算付着量が5~100mg/mとなるように付着量を調整すればよい。また、クロムフリーのTi-Mo複合皮膜の場合、10~500mg/mとなるように付着量を調整すればよい。また、クロムフリーのフルオロアシッド系皮膜の場合、フッ素換算付着量で0.5~500mg/mおよび/または総金属元素換算付着量で0.1~500mg/mの範囲内となるように付着量を調整すればよい。また、クロムフリーのリン酸塩皮膜の場合、5~500mg/mとなるように付着量を調整すればよい。
1-3-2.第1下層塗膜/第2下層塗膜
第1下層塗膜および第2下層塗膜(これらを「下塗り塗膜」ともいう)は、金属板または化成処理皮膜の表面に形成される。具体的には、第1下層塗膜は、金属板(または化成処理皮膜)と第1表層塗膜との間に配置されうる。第2下層塗膜は、金属板(または化成処理皮膜)と第2表層塗膜との間に配置されうる。これらの下層塗膜は、塗装金属板の耐食性や、第1表層塗膜および第2表層塗膜(上塗り塗膜)の金属板に対する密着性(耐傷付き性)などをそれぞれ向上させうる。
下塗り塗膜は、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物で構成されうる。熱可塑性樹脂の例には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などが含まれる。
また、下塗り塗膜は、硬化性樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物の硬化物で構成されてもよい。硬化性樹脂の例には、エポキシ樹脂、硬化性ポリエステル樹脂(例えば、水酸基含有ポリエステル樹脂)、硬化性アクリル樹脂(例えば水酸基含有アクリル樹脂)、フェノール樹脂が含まれる。エポキシ樹脂は、アミノ基などを有する変性エポキシ樹脂であってもよい。中でも、金属板と上塗り塗膜の両方に対して密着性を得やすくする観点では、下塗り塗膜を構成する硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であることが好ましい。一方で、エポキシ樹脂の硬化物は比較的硬いことから、加工部の塗膜割れを抑制しやすくする観点では、下塗り塗膜を構成する硬化性樹脂は、硬化性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
硬化剤の例には、硬化剤は、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択されうる。例えば、エポキシ樹脂を硬化させるための硬化剤の例には、アミン化合物、酸無水物およびイミダゾール化合物が含まれる。また、水酸基含有アクリル樹脂などの、水酸基を有する硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤の例には、メラミン化合物およびイソシアネート化合物が含まれる。
下塗り塗膜は、耐食性を向上させる観点から、防錆顔料を含むことが好ましい。防錆顔料の種類は、特に限定されない。例えば、防錆顔料として、クロム酸ストロンチウムやクロム酸亜鉛などのクロメート系防錆顔料が使用できる。クロメート系防錆顔料は、非クロメート系防錆顔料やポリリン酸塩などとの併用も可能であるが、下塗り塗膜の樹脂成分100質量部に対するこれらの合計量は、5~150質量部の範囲であることが好ましい。また、特許第3389191号公報に記載されている、多孔質シリカ粒子にカルシウムイオンをイオン交換により結合させた腐食抑制剤(a)を防錆顔料として下塗り塗膜に添加してもよい。この場合は、腐食抑制剤(a)からのカルシウムイオンの溶出を抑制する観点から、下塗り塗膜にポリリン酸塩(b)も添加することが好ましい。腐食抑制剤(a)とポリリン酸塩(b)との比率は、質量比でa:b=60:40~5:95の範囲内であることが好ましい。また、下塗り塗膜の樹脂成分100質量部に対する腐食抑制剤(a)およびポリリン酸塩(b)の合計量は、5~150質量部の範囲内であることが好ましい。
下塗り塗膜は、耐傷付き性を向上させる観点から、骨材を含むことが好ましい。下塗り塗膜中に骨材を添加して下塗り塗膜の表面粗度を大きくすることで、下塗り塗膜と上塗り塗膜(表層塗膜、第2の表層塗膜)の接触面積が増大し、下塗り塗膜に対する上塗り塗膜の付着強度が向上する。これにより、塗装金属板の耐傷付き性を向上させることができる。骨材の種類は、特に限定されない。例えば、骨材は、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミドなどの樹脂からなる粒子;シリカ、ガラス、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、アルミナ・シリカなどの無機化合物からなる粒子である。
骨材の粒径は、特に限定されないが、以下の式(1)および式(2)を満たすことが好ましい。以下の式(1)および式(2)において、d10は、個数基準の累積粒度分布における骨材の10%粒子径(μm)である。d90は、個数基準の累積粒度分布における骨材の90%粒子径(μm)である。Tは、下塗り塗膜における骨材が存在しない部分の膜厚(μm)である。以下の式(1)を満たさない場合、下塗り塗膜の表面粗度が小さくなり、耐傷付き性を効果的に向上させることができないおそれがある。以下の式(2)を満たさない場合、下塗り塗膜から骨材が脱離しやすくなり、耐傷付き性が低下してしまうおそれがある。
d10≧0.6T …(1)
d90<2.0T …(2)
なお、上記式(1)および式(2)の粒径は、例えばコールターカウンター法によって測定されるが、他の測定方法により測定された粒径であっても、上記式(1)および式(2)を満たしていれば、耐傷付き性を効果的に向上させることができる。例えば、下塗り塗膜中の骨材の粒径は、以下の手順で測定されうる。まず、塗装金属板を切断し、切断面を研摩する。次いで、切断面を電子顕微鏡で観察して、下塗り塗膜の断面像を得る。次いで、その断面像の視野に存在する全ての骨材について長辺長さおよび短辺長さを測定し、個々の平均粒子サイズを算出する。次いで、粒子サイズが小さいものから粒子数をカウントしていき、全粒子数の10%になったところの粒径をd10、90%になったところの粒径をd90として算出する。
骨材の配合量は、特に限定されないが、下塗り塗膜の固形分に対して1体積%以上かつ10体積%未満の範囲内が好ましい。合計配合量が1体積%未満の場合、耐傷付き性を効果的に向上させることができないおそれがある。合計配合量が10体積%以上の場合、防錆顔料の溶出が過剰に阻害され、耐食性が低下してしまうおそれがある。
下塗り塗膜の膜厚は、特に限定されないが、1~10μmの範囲内が好ましい。膜厚が1μm未満の場合、耐食性を十分に向上させることができないおそれがある。一方、膜厚が10μm超の場合、塗料の乾燥時にワキが発生しやすくなり、塗装金属板の外観が劣化したり(塗料乾燥時のワキの発生など)、塗装金属板の加工性が低下したりするおそれがある。また、下塗り塗膜の膜厚を10μm超としても、コストに対する効果が小さい。
下塗り塗膜は、公知の方法で形成されうる。例えば、樹脂、防錆顔料および骨材を含む下塗り塗料を塗装原板(金属板)の表面に塗布し、到達板温150~280℃で10~60秒間焼き付ければよい。なお、焼き付け温度が150℃未満の場合、十分に塗料を焼き付けることができず、下塗り塗膜の機能を十分に発揮させることができないおそれがある。一方、焼き付け温度が280℃超の場合、過度の焼き付けにより、下塗り塗膜と上塗り塗膜との間の密着性が低下してしまうおそれがある。下塗り塗料の塗布方法は、特に限定されず、プレコート鋼板の製造に使用されている方法から適宜選択すればよい。そのような塗布方法の例には、ロールコート法、フローコート法、カーテンフロー法、スプレー法などが含まれる。
1-4.層構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る塗装金属板100の構成を示す模式図である。図1に示される塗装金属板100は、金属板110と、金属板110の表面(第1面、一方の面ともいう)上に配置された第1下層塗膜120および第1表層塗膜130と、金属板110の裏面(第2面、他方の面ともいう)上に配置された第2下層塗膜140および第2表層塗膜150とを有する。
第1表層塗膜130は、相対的に高分子量の硬化性ポリエステル樹脂と、フッ素樹脂粒子160と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子A170とを含み、かつフッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子B180を含んでいない第1硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。
第2表層塗膜150は、相対的に低分子量の硬化性ポリエステル樹脂と、フッ素樹脂粒子160と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子A170と、フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子B180とを含む第2硬化性樹脂組成物からなる。
本発明の塗装金属板は、成形加工性と耐傷付き性とを高度に両立することができ、かつ長期間にわたり耐傷付き性および耐食性の低下を抑制できる。そのため、本発明の塗装金属板は、シャッターのスラット(シャッタースラット)に好適である。
2.塗装金属板の製造方法
塗装金属板は、公知の方法で製造することができる。例えば、塗装金属板は、1)金属板の一方の面に、第1硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する工程と、2)当該第1硬化性樹脂組成物を硬化させて(焼き付けて)、第1硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第1表層塗膜を形成する工程と、3)金属板の他方の面に、第2硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する工程と、4)当該第2硬化性樹脂組成物を硬化させて(焼き付けして)、第2硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第2表層塗膜を形成する工程とを経て製造することができる。
1)の工程について
金属板の一方の面上に、第1硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する。
塗布される第1硬化性樹脂組成物は、上記した成分以外にも溶剤などの他の成分をさらに含んでもよい。溶剤の例には、トルエン、キシレンなどの炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、セロソルブなどのエーテル、および、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトンが含まれる。
第1硬化性樹脂組成物の塗布は、プレコート鋼板の製造に使用されている方法から適宜選択して行えばよい。そのような塗布方法の例には、ロールコート法、フローコート法、カーテンフロー法、スプレー法などが含まれる。
2)の工程(焼き付け工程)について
金属板の一方の面上に付与した第1硬化性樹脂組成物を、硬化させる(焼き付ける)。例えば、第1硬化性樹脂組成物から溶剤を揮発させるとともに、焼き付けして、第1硬化性樹脂組成物を硬化させる。それにより、第1硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第1表層塗膜を得る。
第1硬化性樹脂組成物の硬化(焼き付け)は、加熱による焼き付けによって行うことができる。具体的には、第1硬化性樹脂組成物の硬化(焼き付け)は、例えば到達板温200~280℃で20~80秒間行うことが好ましい。このとき、第1硬化性樹脂組成物を塗布してから焼き付けを開始するまでの時間は、20秒以内が好ましく、10秒以内がより好ましい。金属板に塗布された第1硬化性樹脂組成物中では、ワックス粒子が時間の経過とともに塗膜の表面に向かって移動するため、第1硬化性樹脂組成物を塗布してから焼き付けを開始するまでの時間を適度に短くすることで、ワックス粒子が上塗り塗膜の表面近傍に過度に濃化しないようにすることができる。なお、焼き付け温度が200℃以上であると、短時間で十分に塗料を焼き付けしやすいため、フッ素樹脂変性ポリエチレン粒子を使用しても、上塗り塗膜の表面近傍に、当該フッ素樹脂変性ポリエチレン粒子を過度には濃化させないようにすることができる。一方、焼き付け温度が280℃以下であると、過度の焼き付けによる樹脂の酸化劣化を生じにくいため、成形加工性や耐候性、耐食性などの特性が十分に発揮されやすい。
3)の工程について
金属板の他方の面上に、第2硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する。塗膜の形成は、上記3)の工程と同様の方法で行うことができる。
4)の工程(焼き付け工程)について
金属板の他方の面上に付与した第2硬化性樹脂組成物を硬化させる(焼き付ける)。それにより、第2硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第2表層塗膜を得る。
第2硬化性樹脂組成物の硬化(焼き付け)は、上記4)の工程と同様の方法で行うことができる。
1)の工程と3)の工程は、別工程として行ってもよいし、同時に行ってもよい。同様に、2)の工程と4)の工程は、別工程として行ってもよいし、同時に行ってもよい。
5)他の工程について
塗装金属板の製造方法は、必要に応じて上記以外の他の工程をさらに含んでいてもよい。他の工程の例には、化成処理皮膜を形成する工程や下塗り塗膜を形成する工程が含まれる。
5-1)化成処理皮膜を形成する工程
化成処理は、公知の方法で実施されうる。例えば、化成処理液をロールコート法、スピンコート法、スプレー法などの方法で金属板の表面に塗布し、水洗せずに乾燥させればよい。乾燥温度および乾燥時間は、水分を蒸発させることができれば特に限定されない。生産性の観点からは、乾燥温度は、到達板温で60~150℃であることが好ましく、乾燥時間は、2~10秒であることが好ましい。
5-2)下塗り塗膜を形成する工程
下塗り塗膜は、公知の方法で形成されうる。例えば、下塗り塗料(下塗り塗膜を構成する上記硬化性樹脂組成物など)を、塗装金属板の表面に塗布し、到達板温150~280℃で10~60秒間焼き付ければ(硬化させれば)よい。
下塗り塗料は、必要に応じて溶剤などをさらに含んでいてもよい。下塗り塗料の塗布は、上塗り塗膜の塗布に使用されている方法から適宜選択して行うことができる。
下塗り塗料の焼き付けは、到達板温150~280℃で10~60秒間行うことが好ましい。なお、焼き付け温度が150℃以上であると、十分に塗料を焼き付けることができ、下塗り塗膜としての機能を十分に発揮しやすい。一方、焼き付け温度が280℃以下であると、過度の焼き付けによる、下塗り塗膜と上塗り塗膜との間の密着性の低下を抑制しやすい。
3.シャッタースラットおよびシャッター
図2は、巻いたときのシャッター200を示す部分断面図である。図3Aは、図2のシャッター200を構成するシャッタースラット210を示す断面図であり、図3Bは、図3Aの部分拡大断面図である。なお、図2および3では、図1の塗装金属板100を用いる例で示したが、本発明の塗装金属板であればよく、これに限定されない。また、図2および3では、断面のハッチングは省略している。
シャッター200は、複数のシャッタースラット210を回動可能に連結したものである(図2参照)。シャッタースラット210は、図1の塗装金属板100を含む。具体的には、シャッタースラット210は、シャッター200にしたときに、屋外側(表側)に第1表層塗膜130が位置し、屋内側(裏側)に第2表層塗膜150が位置するように構成されている(図3A参照)。
そして、シャッター200を巻き取ると、外側のシャッタースラット210X(シャッタースラットX)の第2表層塗膜150と、内側のシャッタースラット210Y(シャッタースラットY)の第1表層塗膜130とが、摺動可能に接触するように構成されている(図2参照)。そして、シャッタースラット210Xとシャッタースラット210Yとが摺動したときに、シャッタースラット210Xの第2表層塗膜150における接触部位は、当該第2表層塗膜150上において実質的に移動せず、シャッタースラット210Yの第1表層塗膜130における接触部位は、当該第1表層塗膜130上において移動するように構成されている。
具体的には、シャッタースラット210Xは、他のシャッタースラット210と連結されるための2つのカール部220および230と、それらの間に延在する主面部240とを有する(図2参照)。
そして、シャッタースラット210Xのカール部220は、他のシャッタースラット210のカール部230と嵌合され、シャッタースラット210Xのカール部230は、他のシャッタースラット210のカール部220と嵌合されることで、連結される(図2参照)。当該連結は、例えばシャッタースラット210Xのカール部220の表面(第2表層塗膜150)が裏側に露出するように行われている(図2参照)。それにより、シャッター200を巻き取ると、シャッタースラット210Xのカール部220の露出面(第2表層塗膜150)が、シャッタースラット210Yの主面240(第1表層塗膜130)と摺動可能に接触する。
このようなシャッター200を、例えば図2に示されるように巻き取ると、前述の通り、シャッタースラット210Xとシャッタースラット210Yとが摺動したときに、シャッタースラット210Xのカール部220(第2表層塗膜150)の接触部位は、当該カール部220(第2表層塗膜150)上において実質的に移動しないのに対し、シャッタースラット210Yの主面240(第1表層塗膜130)の接触部位は、当該主面240(第1表層塗膜130)上において移動(スライド)する。そのため、シャッタースラット210Xのカール部220の露出面(すなわち、第2表層塗膜150)は、シャッタースラット210Yの主面240(すなわち、第1表層塗膜130)よりも軟質であると、短期間で摩耗しやすく、それにより、シャッタースラット210Yの主面240(第1表層塗膜130)に傷が付きやすい。
これに対して本発明では、シャッタースラット210Xのカール部220の露出面(第2表層塗膜150)が、シャッタースラット210Yの主面240(第1表層塗膜130)よりも適度に硬質である。そのため、シャッタースラット210Xのカール部220の露出面(第2表層塗膜150)が、短期間で摩耗しにくく、それにより、シャッタースラット210Yの主面240(第1表層塗膜130)に傷が付きにくくすることができる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
1.第1表層塗膜/第2表層塗膜の材料
(硬化性ポリエステル樹脂)
ポリエステルA:日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製SRF-V(水酸基含有ポリエステル/メラミン系硬化剤)、重量平均分子量11000
ポリエステルB:日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製NYV(水酸基含有ポリエステル/メラミン系硬化剤)、重量平均分子量3000
ポリエステルC:日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製NSC250HQ(水酸基含有ポリエステル/メラミン系硬化剤)、重量平均分子量3000
ポリエステルA~Cの重量平均分子量(Mw)は、以下の方法で測定した。
〔重量平均分子量〕
ポリエステルの重量平均分子量は、JIS K 0124-2011に準じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した。
(ワックス粒子)
(1)フッ素樹脂粒子
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン粒子(ルブロンL-2;ダイキン工業株式会社)、平均粒子径d50:3.5μm
(2)フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子A
PTFE変性PE:PTFE変性ポリエチレン粒子(CERAFLOUR 998、ビックケミー・ジャパン社製、変性ポリエチレン粒子にポリテトラフルオロエチレンが結合したワックス粒子)、平均粒子径d50:5μm
(3)フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子B
PE:フッ素樹脂以外の化合物で変性され、かつフッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子(CERAFLOUR 950、ビックケミー・ジャパン社製)、平均粒子径d50:9μm
ワックス粒子の平均粒子径d50は、以下の方法で測定した。
(平均粒子径d50)
ワックス粒子の平均粒子径d50は、例えばレーザ回折・散乱法によって測定することができる。すなわち、ワックス粒子の平均粒子径d50は、例えば、エタノール等の有機溶剤に分散させて、粒度分布測定装置SALD-7100(島津製作所社製)を用いて回分セル方式で測定することが可能である。
2.塗装金属板の作製と評価
(金属板の準備)
塗装原板として、板厚0.5mmの溶融Zn-6質量%Al-3質量%Mg系合金めっき鋼板(基材:SPCC、両面めっき付着量:140g/m)を準備した。
(化成処理皮膜の形成)
塗装原板の両面を酸洗(4%塩酸)および水洗した後、酸系の表面調整処理液(NPC700;日本ペイント株式会社)を塗布し、さらに湯洗し、乾燥させた。表面調整した塗装原板の両面に、クロメート処理液(NRC300;日本パーカライジング株式会社)をCr換算付着量がそれぞれ40mg/mとなるようにバーコーターでさらに塗布し、100℃で15秒間加熱して、化成処理皮膜を形成した。
(下塗り塗膜の形成)
(1)第2下層塗膜(裏面側の下塗り塗膜)の形成
化成処理した塗装原板の第2面(裏面)に、エポキシ樹脂系の下塗り塗料(ファインタフC;日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社)をバーコーターで塗布し、到達板温210℃で50秒間焼き付けて、膜厚5μmの下塗り塗膜(第2下層塗膜)を形成した。下塗り塗料は、防錆顔料としてクロム酸ストロンチウムを、骨材としてシリカ粒子を含んでいる。
(2)第1下層塗膜(表面側の下塗り塗膜)の形成
次いで、化成処理した塗装原板の第1面(表面)に、第2面に塗布したものと同じ下塗り塗料をバーコーターで塗布し、到達板温210℃で50秒間焼き付けて、膜厚5μmの下塗り塗膜(第1下層塗膜)を形成した。
(上塗り塗膜の形成)
(1)第2表層塗膜(裏面側の上塗り塗膜)の形成
また、第2下層塗膜の表面に、表1~3に示される組成の裏面用上塗り塗料(第2硬化性樹脂組成物)をバーコーターで塗布し、到達板温220℃で60秒間焼き付けて、膜厚7μmの上塗り塗膜(第2表層塗膜)を形成した。
(2)第1表層塗膜(表面側の上塗り塗膜)の形成
次いで、第1下層塗膜の表面に、表1~3に示される組成の表面用上塗り塗料(第1硬化性樹脂組成物)をバーコーターで塗布し、到達板温220℃で60秒間焼き付けて、膜厚13μmの上塗り塗膜(第1表層塗膜)を形成した。
得られた塗装金属板1~22(本発明)の第1表層塗膜および第2表層塗膜の組成を表1に示し、塗装金属板23~38(比較例)の第1表層塗膜および第2表層塗膜の組成を表2に示し、塗装金属板39~56(比較例)の第1表層塗膜および第2表層塗膜の組成を表1に示す。表1~3において、ワックス粒子の含有量(質量%)は、表層塗膜(塗料の固形分)に対する含有量(質量%)を示す。
Figure 0007188233000001
Figure 0007188233000002
Figure 0007188233000003
(評価)
得られた塗装金属板1~56の耐傷付き性および耐久性を、以下の方法で評価した。
(1)耐傷付き性試験
長さ1800mmの塗装金属板を100mm幅に切断し、13段ロール成形機を用いて、図3に示されるような形状(図3Aの長さLは70mm)のシャッタースラットに成形した。成形されたシャッタースラットの中央1260mm部分をさらに切り出し、36本のスラットを連結してシャッターを作製した。得られたシャッターを電動式軽量シャッターに設置するとともに、シャッター最下部に12kgの錘を取り付けて、4m/分の速度で3000回の開閉を実施した。
耐傷付き性の評価は、500回開閉毎に行い、上塗り塗膜(第1表層塗膜)の傷発生状態を評価した。そして、上塗り塗膜の傷がごく軽微な場合を「◎」、軽微な場合を「○」、著しい傷が発生した場合を「△」、下塗り塗膜またはめっき鋼板が露出した場合を「×」と評価した。
2000回開閉した時点で評価が「◎」もしくは「○」であれば、その塗装金属板はシャッターでの実使用に必要な耐久性を有していると判断した。また、3000回開閉の前に評価が「×」となった時点で試験を終了した。
塗装金属板1~22(本発明)の耐傷付き性試験の評価結果を表4に示し、塗装金属板23~38(比較例)の耐傷付き性試験の評価結果を表5に示し、塗装金属板39~56(比較例)の耐傷付き性試験の評価結果を表6に示す。
Figure 0007188233000004
Figure 0007188233000005
Figure 0007188233000006
表4に示されるように、高分子量ポリエステルと、PTFEを2~6質量%と、PTFE変性PEを0.2~1.2質量%とを含む第1表層塗膜(表側)と、低分子量ポリエステル樹脂と、PEを0~0.5質量%、PTFEを2~6質量%、PTFE変性PEを0.2~1.2質量%を含む第2表層塗膜(裏面側)とを有する塗装金属板1~22(本発明)は、シャッターの開閉による耐傷付き性に優れることがわかる。
具体的には、樹脂として、第1表層塗膜(表側)がポリエステルAの場合、第2表層塗膜(裏面側)に同じポリエステルAを使用した塗装金属板(比較例)よりも、ポリエステルBを用いた塗装金属板(本発明)のほうが、耐傷付き性に優れることがわかる(塗装金属板1と44との対比、塗装金属板1と53との対比、塗装金属板20と45との対比、塗装金属板20と54との対比)。
通常、シャッターの開閉による傷付きは、カールした裏面側の塗膜が表側の塗膜に接触する形となるため、裏面側は線接触、表面側は面接触のような形となる。このような、摺動面の面積の違いから、裏面側の塗膜が軟質すぎると裏面側の塗膜が短期で摩耗し、表面側の塗膜の傷発生を加速させていると考えられる。
また、表5および6に示されるように、ワックスの種類および含有量に応じて、耐傷付き性に大きな影響を及ぼすこともわかる。ワックスの添加がない構成では、500回の開閉で下塗り塗膜の露出が確認された。ワックスの添加量は多いほうが耐傷付き性に優れる傾向にあるが、PTFEを8質量%添加した構成や、PTFE変性PEを1.5質量%添加した構成では、耐傷付き性が逆に低下した(塗装金属板24、25、30、28、29および32)。傷部を観察した結果、摩耗によって脱落したPTFEが、塗膜に押し込まれ、傷の発生する原因となっていることがわかった。
さらに、第2表層塗膜(裏面側)がPE(フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子B)を含むことで、耐傷付き性が向上することがわかる(塗装金属板6と17との対比、塗装金属板7と18との対比、塗装金属板8と19との対比)。
さらに、第1表層塗膜(表側)中のPTFE変性PEの含有量(またはワックスの合計量)を多くすることで、耐傷付き性がさらに向上することがわかる(塗装金属板1、4および5の対比)。
(2)耐久性試験
得られた塗装金属板について、シャッターでの実使用を想定した耐久性を評価した。屋外で使用されるシャッターは、(A)シャッターの開閉による塗膜への傷付き、(B)耐候劣化による塗膜の減耗、および(C)塩害および降雨による腐食、に繰り返し曝される。この点を考慮して、(a)耐傷付き性試験、(b)耐候性試験、および(c)促進耐食性試験、の組み合わせを繰り返すことで、塗装金属板の耐久性を評価した。
(a)耐傷付き性試験
上記「(1)耐傷付き性試験」と同じ条件で、軽量シャッター材の開閉を行った。耐久性試験では、開閉による傷がスラット中央部となる段を予め特定し、その1段のスラットを評価した。評価用スラットは、耐候性、耐食性試験が行えるよう、中央部300mmを事前に切り出し、シャッター組み込み時に裏面側からテープで左右のスラットとつなぎ止め、開閉を行った。耐久性試験1サイクル内における開閉回数は500回とした。
(b)耐候性試験
JIS B 7753:2007(サンシャインカーボンアーク灯式の耐光性試験機および耐候性試験機)に準拠した耐候性試験を行うことで、塗膜の耐候劣化を促進させた。ブラックパネル温度は63℃とし、噴霧条件は120分サイクルとした。耐久性試験1サイクル内における耐候性試験の試験時間は120時間とした。
(c)促進耐食性試験
JIS K 5600-7-9:2006(サイクル腐食試験方法-塩水噴霧/乾燥/湿潤)に準拠した促進耐食性試験を行うことで、腐食を促進させた。サイクル条件は、サイクルA(8時間/サイクル)とした。耐久性試験1サイクルにおける促進耐食性試験の試験時間は96時間(12サイクル)とした。
上記(a)、(b)および(c)を順に1回ずつ行うことを1サイクルとし、1サイクルごとに第1面(表面)の上塗り塗膜の傷の発生状態および塗装金属板の第1面(表面)における加工部および傷付き部の錆の発生状態を観察した。
上塗り塗膜の傷および錆の発生が無い場合を「○」、軽微な傷または錆が発生した場合を「△」、著しい傷または錆が発生した場合を「×」と評価した。4サイクル繰り返した時点で傷付き部および加工部いずれも「○」であれば、その塗装金属板はシャッターでの実使用に必要な耐久性を有していると判断した。試験は、傷付き部で「×」と評価した時点または5サイクル繰り返した時点で終了した。
塗装金属板1~22(本発明)の耐久性試験の評価結果を表7に示し、塗装金属板23~38(比較例)の耐久性試験の評価結果を表8に示し、塗装金属板39~56(比較例)の耐久性試験の評価結果を表9に示す。
Figure 0007188233000007
Figure 0007188233000008
Figure 0007188233000009
表7に示されるように、高分子量ポリエステル樹脂と、PTFE2~6質量%と、PTFE変性PEを0.2~1.2質量%とを含む第1表層塗膜(表側)と、低分子量ポリエステル樹脂と、PEを0~0.5質量%、PTFEを2~6質量%と、PTFE変性PEを0.2~1.2質量%を含む第2表層塗膜(裏面側)とを有する塗装金属板1~22(本発明)は、耐久性にも優れることがわかる。これは、高分子量ポリエステル樹脂を用いることにより、優れた加工部耐食性が得られやすく、ワックスの組成の調整により、シャッター開閉傷部の耐食性が特に向上したためと考えられる。
一方、表8および9に示されるように、上記構成を有しない塗装金属板23~56(比較例)は、傷付き部の耐食性で4サイクル「○」の評価となった水準はなく、第1表層塗膜(表側)に低分子量ポリエステル樹脂をベースとした塗膜では、1サイクル目で加工部からの錆が確認された。第1表層塗膜(表側)にPEを0.2質量%添加した水準では、PEの耐候劣化によるワックスの消失が確認され、ワックス消失部からの腐食が認められた。
耐傷付き性試験および耐久性試験の結果を、表10~12にまとめた。表10~12において、いずれの試験でも「○」または「◎」である場合を「○」、ひとつの試験でも「×」がある場合を「×」とした。
Figure 0007188233000010
Figure 0007188233000011
Figure 0007188233000012
表10に示されるように、高分子量ポリエステルと、PTFEを2~6質量%と、PTFE変性PEを0.2~1.2質量%とを含む第1表層塗膜(表側)と、低分子量ポリエステル樹脂と、PEを0~0.5質量%と、PTFEを2~6質量%と、PTFE変性PEを0.2~1.2質量%とを含む第2表層塗膜(裏面側)とを有する塗装金属板1~22(本発明)は、シャッター開閉に対する良好な耐傷付き性と、良好な耐久性とを両立できることがわかる。
一方、表11および12に示されるように、上記構成を有しない塗装金属板23~56(比較例)は、耐傷付き性と耐久性とを両立できず、シャッターに必要な性能を有していないことがわかる。
本発明の塗装金属板は、成形加工性と耐傷付き性とを高度に両立することができ、かつ長期間にわたり耐傷付き性および耐食性の低下を抑制できる。したがって、本発明の塗装金属板は、シャッタースラットならびにシャッターに好適である。
100 塗装金属板
110 金属板
120 第1下層塗膜
130 第1表層塗膜
140 第2下層塗膜
150 第2表層塗膜
160 フッ素樹脂粒子
170 フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子A
180 フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子B
200 シャッター
210、210X、210Y シャッタースラット
220、230 カール部
240 主面部

Claims (8)

  1. 金属板と、
    前記金属板の一方の面に配置され、かつ硬化性ポリエステル樹脂と、硬化剤と、フッ素樹脂粒子と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aとを含み、フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bを実質的に含まない第1硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第1表層塗膜と、
    前記金属板の他方の面に配置され、かつ硬化性ポリエステル樹脂と、硬化剤と、フッ素樹脂粒子と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aとを含む第2硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第2表層塗膜と、
    を有し、
    前記第1硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、前記第2硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量よりも高く、
    前記第1硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、7000~12000であり、
    前記第2硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、2000~6000であり、
    前記第1硬化性樹脂組成物において、
    前記フッ素樹脂粒子の含有量は、前記第1硬化性樹脂組成物の固形分に対して2~6質量%であり、前記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの含有量は、前記第1硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.2~1.2質量%であり、
    前記第2硬化性樹脂組成物において、
    前記フッ素樹脂粒子の含有量は、前記第2硬化性樹脂組成物の固形分に対して2~6質量%であり、前記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの含有量は、前記第2硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.2~1.2質量%である、
    塗装金属板。
  2. 前記第2硬化性樹脂組成物は、フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bをさらに含む、
    請求項に記載の塗装金属板。
  3. 前記第1硬化性樹脂組成物に含まれる前記フッ素樹脂粒子と前記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの合計量の、前記第1硬化性樹脂組成物の固形分に対する割合は、前記第2硬化性樹脂組成物に含まれる前記フッ素樹脂粒子と前記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aと前記フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bの合計量の、前記第2硬化性樹脂組成物の固形分に対する割合よりも多い、
    請求項に記載の塗装金属板。
  4. 前記第1表層塗膜の厚みは、前記第2表層塗膜の厚みよりも大きい、
    請求項1~のいずれか一項に記載の塗装金属板。
  5. 前記金属板は、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の塗装金属板。
  6. 前記金属板と前記第1表層塗膜との間に配置された第1下層塗膜と、前記金属板と前記第2表層塗膜との間に配置された第2下層塗膜と、をさらに有する、
    請求項1~のいずれか一項に記載の塗装金属板。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載の塗装金属板を含む、シャッタースラット。
  8. 複数のシャッタースラットを回動可能に連結したシャッターであって、
    前記シャッタースラットは、請求項に記載のシャッタースラットであり、
    前記シャッターを巻き取ると、前記シャッタースラットであるシャッタースラットXの前記第2表層塗膜と、前記シャッタースラットであるシャッタースラットYの前記第1表層塗膜とは、摺動可能に接触し、
    前記シャッタースラットXと前記シャッタースラットYとが摺動したときに、
    前記シャッタースラットXの前記第2表層塗膜における接触部位は、実質的に移動せず、
    前記シャッタースラットYの前記第1表層塗膜における接触部位は、移動する、
    シャッター。
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