JP2020163636A - 塗装金属板、シャッタースラットおよびシャッター - Google Patents
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このような摺動面の面積や摺動時間(接触時間)の違いに起因して、一方のシャッタースラットXの接触部位の塗膜(第2表層塗膜)が軟質であると、短期間で摩耗しやすく、その摩耗によって脱落したワックス粒子などによって、他方のシャッタースラットYの接触部位の塗膜(第1表層塗膜)に傷が付きやすい。これらのことから、本発明では、上記の通り、一方のシャッタースラットXの接触部位の塗膜(第2表層塗膜)を相対的に硬質にし、他方のシャッタースラットYの接触部位の塗膜(第1表層塗膜)を相対的に軟質にすることが有効と考えられる。
1−1.金属板
金属板の種類は、特に限定されない。金属板の例には、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板(オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系、フェライト・マルテンサイト二相系を含む)、アルミニウム板、アルミニウム合金板および銅板などが含まれる。耐食性や耐傷付き性、成形加工性などの観点からは、金属板は、鋼板であることが好ましく、溶融亜鉛めっき鋼板またはZn−Al−Mg合金めっき鋼板であることがより好ましく、高い耐食性を有する観点では、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板であることがさらに好ましい。金属板は、脱脂や酸洗などの公知の塗装前処理が施されていてもよい。
第1表層塗膜および第2表層塗膜(これらを「上塗り塗膜」ともいう)は、それぞれ塗装金属板の最も外側に位置する塗膜である。具体的には、第1表層塗膜は、金属板の一方の面(シャッタースラットにしたときに表側となる面であり、「第1面」ともいう)に配置され、かつ金属板の一方の面側において最も外側に位置している。第2表層塗膜は、金属板の他方の面(シャッタースラットにしたときに裏側となる面であり、「第2面」ともいう)に配置され、かつ金属板の他方の面側において最も外側に位置している。
第1表層塗膜は、シャッタースラットとして用いられた場合に、耐傷付き性、耐久性および耐候性を有することが望まれる。これらの観点から、第1表層塗膜は、硬化性樹脂と、硬化剤と、ワックス粒子とを含む硬化性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましい。
第1硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、第2硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量よりも高い。具体的には、第1硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステルの重量平均分子量は、7000〜12000であることが好ましい。当該硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が7000以上であると、第1表層塗膜の可撓性を高めやすいため(伸びやすくしうるため)、成形加工性を高めやすく、12000以下であると、耐傷付き性を損ないにくいだけでなく、外装材として必要な耐候性も確保しやすい。当該硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、上記観点から、8000〜11000であることがより好ましい。
硬化剤は、硬化性樹脂の種類に応じて選択されうる。例えば、水酸基含有ポリエステル樹脂の硬化剤としては、メラミン化合物やイソシアネート化合物を用いることができる。
ワックス粒子は、少なくとも第1表層塗膜の耐傷付き性を高めることができるものであればよく、特に制限されない。中でも、第1表層塗膜は、耐候性を有することが望まれることから、フッ素樹脂粒子と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子A(以下、単に「ポリエチレン粒子A」ともいう)と含み、かつフッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子(以下、単に「ポリエチレン粒子B」ともいう)を実質的に含まないことが好ましい。
フッ素樹脂粒子の例には、ポリテトラフルオロエチレン粒子が含まれる。
フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aは、例えば酸などで変性された変性ポリエチレン粒子にフッ素樹脂が結合した粒子である。
1)まず、塗装金属板を切断し、切断面を研摩する。
2)次いで、切断面を電子顕微鏡で観察して、有機塗膜の断面像を得る。
3)次いで、その断面像の視野に存在する全てのワックス粒子について長辺長さおよび短辺長さを測定し、個々の平均粒子サイズを算出する。
4)次いで、粒子サイズが小さいものから粒子数をカウントしていき、全粒子数の50%になったところの粒径を平均粒子径d50として算出する。
第1表層塗膜の膜厚は、特に限定されないが、ワックス粒子の平均粒子径の2〜10倍の範囲内であることが好ましい。第1表層塗膜の膜厚がワックス粒子の平均粒子径の2倍以上であると、ワックス粒子が脱落したときに、第1表層塗膜による遮蔽性が顕著に低下し過ぎず、耐食性の低下を抑制しやすい。具体的には、第1表層塗膜の膜厚は、5〜30μm程度でありうる。
第2表層塗膜は、シャッタースラットとして用いられた場合に、耐傷付き性および耐久性を有することが望まれる。これらの観点から、第2表層塗膜は、相対的に低分子量の硬化性ポリエステル樹脂と、硬化剤と、ワックス粒子とを含む第2硬化性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましい。
第2硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、第1硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量よりも低いことが好ましい。具体的には、第2硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、2000〜6000であることが好ましい。当該硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が2000以上であると、第2表層塗膜に最低限の可撓性を付与しうるため、成形加工性が損なわれにくく、6000以下であると、耐傷付き性が損なわれにくい。当該硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、上記観点から、3000〜5000であることがより好ましい。硬化性ポリエステルの重量平均分子量の測定は、前述と同様の方法で行うことができる。
硬化剤の種類は、第2硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂を硬化させうるものであればよく、特に制限されない。硬化剤としては、第1硬化性樹脂組成物に含まれる硬化剤として挙げたものと同様のものを使用することができる。硬化剤の含有量も、上記と同様の範囲としうる。
第2硬化性樹脂組成物に含まれるワックス粒子は、前述と同様に、フッ素樹脂粒子と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aとを含むことが好ましい。
フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bは、酸などで変性されており、かつフッ素樹脂では変性されていないポリエチレン粒子である。そのような変性ポリエチレン粒子としては、上記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aを得るために用いられた変性ポリエチレン粒子と同様の種類および平均粒子径のものを用いることができる。
第2表層塗膜の膜厚は、特に限定されず、第1表層塗膜の膜厚と同様の範囲としうる。すなわち、前述の通り、金属板の表面に形成された第1表層塗膜の膜厚と、金属板の裏面に形成された第2表層塗膜の膜厚とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。通常は、第2表層塗膜の膜厚は、第1表層塗膜の膜厚よりも薄いこと(例えば第1表層塗膜の膜厚の40〜70%程度)であることが好ましい。
塗装金属板は、前述の通り、第1表層塗膜および第2表層塗膜以外の他の塗膜をさらに有していてもよい。他の塗膜の例には、化成処理皮膜、下塗り塗膜(第1下層塗膜、第2下層塗膜)が含まれる。
金属板には、塗装金属板の耐食性および塗膜密着性(耐傷付き性)を向上させる観点から、化成処理が施されていることが好ましい。すなわち、化成処理皮膜は、金属板への塗膜の密着性や耐食性を向上させる目的で、金属板と第1表層塗膜(または第2表層塗膜)との間に配置されうる。化成処理皮膜の例には、非クロメート系皮膜、およびクロメート系皮膜が含まれる。
第1下層塗膜および第2下層塗膜(これらを「下塗り塗膜」ともいう)は、金属板または化成処理皮膜の表面に形成される。具体的には、第1下層塗膜は、金属板(または化成処理皮膜)と第1表層塗膜との間に配置されうる。第2下層塗膜は、金属板(または化成処理皮膜)と第2表層塗膜との間に配置されうる。これらの下層塗膜は、塗装金属板の耐食性や、第1表層塗膜および第2表層塗膜(上塗り塗膜)の金属板に対する密着性(耐傷付き性)などをそれぞれ向上させうる。
d10≧0.6T …(1)
d90<2.0T …(2)
図1は、本発明の一実施の形態に係る塗装金属板100の構成を示す模式図である。図1に示される塗装金属板100は、金属板110と、金属板110の表面(第1面、一方の面ともいう)上に配置された第1下層塗膜120および第1表層塗膜130と、金属板110の裏面(第2面、他方の面ともいう)上に配置された第2下層塗膜140および第2表層塗膜150とを有する。
塗装金属板は、公知の方法で製造することができる。例えば、塗装金属板は、1)金属板の一方の面に、第1硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する工程と、2)当該第1硬化性樹脂組成物を硬化させて(焼き付けて)、第1硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第1表層塗膜を形成する工程と、3)金属板の他方の面に、第2硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する工程と、4)当該第2硬化性樹脂組成物を硬化させて(焼き付けして)、第2硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第2表層塗膜を形成する工程とを経て製造することができる。
金属板の一方の面上に、第1硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する。
金属板の一方の面上に付与した第1硬化性樹脂組成物を、硬化させる(焼き付ける)。例えば、第1硬化性樹脂組成物から溶剤を揮発させるとともに、焼き付けして、第1硬化性樹脂組成物を硬化させる。それにより、第1硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第1表層塗膜を得る。
金属板の他方の面上に、第2硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する。塗膜の形成は、上記3)の工程と同様の方法で行うことができる。
金属板の他方の面上に付与した第2硬化性樹脂組成物を硬化させる(焼き付ける)。それにより、第2硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第2表層塗膜を得る。
塗装金属板の製造方法は、必要に応じて上記以外の他の工程をさらに含んでいてもよい。他の工程の例には、化成処理皮膜を形成する工程や下塗り塗膜を形成する工程が含まれる。
化成処理は、公知の方法で実施されうる。例えば、化成処理液をロールコート法、スピンコート法、スプレー法などの方法で金属板の表面に塗布し、水洗せずに乾燥させればよい。乾燥温度および乾燥時間は、水分を蒸発させることができれば特に限定されない。生産性の観点からは、乾燥温度は、到達板温で60〜150℃であることが好ましく、乾燥時間は、2〜10秒であることが好ましい。
下塗り塗膜は、公知の方法で形成されうる。例えば、下塗り塗料(下塗り塗膜を構成する上記硬化性樹脂組成物など)を、塗装金属板の表面に塗布し、到達板温150〜280℃で10〜60秒間焼き付ければ(硬化させれば)よい。
図2は、巻いたときのシャッター200を示す部分断面図である。図3Aは、図2のシャッター200を構成するシャッタースラット210を示す断面図であり、図3Bは、図3Aの部分拡大断面図である。なお、図2および3では、図1の塗装金属板100を用いる例で示したが、本発明の塗装金属板であればよく、これに限定されない。また、図2および3では、断面のハッチングは省略している。
(硬化性ポリエステル樹脂)
ポリエステルA:日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製SRF−V(水酸基含有ポリエステル/メラミン系硬化剤)、重量平均分子量11000
ポリエステルB:日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製NYV(水酸基含有ポリエステル/メラミン系硬化剤)、重量平均分子量3000
ポリエステルC:日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製NSC250HQ(水酸基含有ポリエステル/メラミン系硬化剤)、重量平均分子量3000
ポリエステルの重量平均分子量は、JIS K 0124−2011に準じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した。
(1)フッ素樹脂粒子
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン粒子(ルブロンL−2;ダイキン工業株式会社)、平均粒子径d50:3.5μm
PTFE変性PE:PTFE変性ポリエチレン粒子(CERAFLOUR 998、ビックケミー・ジャパン社製、変性ポリエチレン粒子にポリテトラフルオロエチレンが結合したワックス粒子)、平均粒子径d50:5μm
PE:フッ素樹脂以外の化合物で変性され、かつフッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子(CERAFLOUR 950、ビックケミー・ジャパン社製)、平均粒子径d50:9μm
ワックス粒子の平均粒子径d50は、例えばレーザ回折・散乱法によって測定することができる。すなわち、ワックス粒子の平均粒子径d50は、例えば、エタノール等の有機溶剤に分散させて、粒度分布測定装置SALD−7100(島津製作所社製)を用いて回分セル方式で測定することが可能である。
(金属板の準備)
塗装原板として、板厚0.5mmの溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mg系合金めっき鋼板(基材:SPCC、両面めっき付着量:140g/m2)を準備した。
塗装原板の両面を酸洗(4%塩酸)および水洗した後、酸系の表面調整処理液(NPC700;日本ペイント株式会社)を塗布し、さらに湯洗し、乾燥させた。表面調整した塗装原板の両面に、クロメート処理液(NRC300;日本パーカライジング株式会社)をCr換算付着量がそれぞれ40mg/m2となるようにバーコーターでさらに塗布し、100℃で15秒間加熱して、化成処理皮膜を形成した。
(1)第2下層塗膜(裏面側の下塗り塗膜)の形成
化成処理した塗装原板の第2面(裏面)に、エポキシ樹脂系の下塗り塗料(ファインタフC;日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社)をバーコーターで塗布し、到達板温210℃で50秒間焼き付けて、膜厚5μmの下塗り塗膜(第2下層塗膜)を形成した。下塗り塗料は、防錆顔料としてクロム酸ストロンチウムを、骨材としてシリカ粒子を含んでいる。
次いで、化成処理した塗装原板の第1面(表面)に、第2面に塗布したものと同じ下塗り塗料をバーコーターで塗布し、到達板温210℃で50秒間焼き付けて、膜厚5μmの下塗り塗膜(第1下層塗膜)を形成した。
(1)第2表層塗膜(裏面側の上塗り塗膜)の形成
また、第2下層塗膜の表面に、表1〜3に示される組成の裏面用上塗り塗料(第2硬化性樹脂組成物)をバーコーターで塗布し、到達板温220℃で60秒間焼き付けて、膜厚7μmの上塗り塗膜(第2表層塗膜)を形成した。
次いで、第1下層塗膜の表面に、表1〜3に示される組成の表面用上塗り塗料(第1硬化性樹脂組成物)をバーコーターで塗布し、到達板温220℃で60秒間焼き付けて、膜厚13μmの上塗り塗膜(第1表層塗膜)を形成した。
得られた塗装金属板1〜56の耐傷付き性および耐久性を、以下の方法で評価した。
長さ1800mmの塗装金属板を100mm幅に切断し、13段ロール成形機を用いて、図3に示されるような形状(図3Aの長さLは70mm)のシャッタースラットに成形した。成形されたシャッタースラットの中央1260mm部分をさらに切り出し、36本のスラットを連結してシャッターを作製した。得られたシャッターを電動式軽量シャッターに設置するとともに、シャッター最下部に12kgの錘を取り付けて、4m/分の速度で3000回の開閉を実施した。
2000回開閉した時点で評価が「◎」もしくは「○」であれば、その塗装金属板はシャッターでの実使用に必要な耐久性を有していると判断した。また、3000回開閉の前に評価が「×」となった時点で試験を終了した。
通常、シャッターの開閉による傷付きは、カールした裏面側の塗膜が表側の塗膜に接触する形となるため、裏面側は線接触、表面側は面接触のような形となる。このような、摺動面の面積の違いから、裏面側の塗膜が軟質すぎると裏面側の塗膜が短期で摩耗し、表面側の塗膜の傷発生を加速させていると考えられる。
得られた塗装金属板について、シャッターでの実使用を想定した耐久性を評価した。屋外で使用されるシャッターは、(A)シャッターの開閉による塗膜への傷付き、(B)耐候劣化による塗膜の減耗、および(C)塩害および降雨による腐食、に繰り返し曝される。この点を考慮して、(a)耐傷付き性試験、(b)耐候性試験、および(c)促進耐食性試験、の組み合わせを繰り返すことで、塗装金属板の耐久性を評価した。
上記「(1)耐傷付き性試験」と同じ条件で、軽量シャッター材の開閉を行った。耐久性試験では、開閉による傷がスラット中央部となる段を予め特定し、その1段のスラットを評価した。評価用スラットは、耐候性、耐食性試験が行えるよう、中央部300mmを事前に切り出し、シャッター組み込み時に裏面側からテープで左右のスラットとつなぎ止め、開閉を行った。耐久性試験1サイクル内における開閉回数は500回とした。
JIS B 7753:2007(サンシャインカーボンアーク灯式の耐光性試験機および耐候性試験機)に準拠した耐候性試験を行うことで、塗膜の耐候劣化を促進させた。ブラックパネル温度は63℃とし、噴霧条件は120分サイクルとした。耐久性試験1サイクル内における耐候性試験の試験時間は120時間とした。
JIS K 5600−7−9:2006(サイクル腐食試験方法−塩水噴霧/乾燥/湿潤)に準拠した促進耐食性試験を行うことで、腐食を促進させた。サイクル条件は、サイクルA(8時間/サイクル)とした。耐久性試験1サイクルにおける促進耐食性試験の試験時間は96時間(12サイクル)とした。
110 金属板
120 第1下層塗膜
130 第1表層塗膜
140 第2下層塗膜
150 第2表層塗膜
160 フッ素樹脂粒子
170 フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子A
180 フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子B
200 シャッター
210、210X、210Y シャッタースラット
220、230 カール部
240 主面部
Claims (9)
- 金属板と、
前記金属板の一方の面に配置され、かつ硬化性ポリエステル樹脂と、硬化剤と、フッ素樹脂粒子と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aとを含み、フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bを実質的に含まない第1硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第1表層塗膜と、
前記金属板の他方の面に配置され、かつ硬化性ポリエステル樹脂と、硬化剤と、フッ素樹脂粒子と、フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aとを含む第2硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第2表層塗膜と、
を有し、
前記第1硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、前記第2硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量よりも高く、
前記第1硬化性樹脂組成物において、
前記フッ素樹脂粒子の含有量は、前記第1硬化性樹脂組成物の固形分に対して2〜6質量%であり、前記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの含有量は、前記第1硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.2〜1.2質量%であり、
前記第2硬化性樹脂組成物において、
前記フッ素樹脂粒子の含有量は、前記第2硬化性樹脂組成物の固形分に対して2〜6質量%であり、前記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの含有量は、前記第2硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.2〜1.2質量%である、
塗装金属板。 - 前記第1硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、7000〜12000であり、
前記第2硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、2000〜6000である、
請求項1に記載の塗装金属板。 - 前記第2硬化性樹脂組成物は、フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bをさらに含む、
請求項1または2に記載の塗装金属板。 - 前記第1硬化性樹脂組成物に含まれる前記フッ素樹脂粒子と前記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aの合計量の、前記第1硬化性樹脂組成物の固形分に対する割合は、前記第2硬化性樹脂組成物に含まれる前記フッ素樹脂粒子と前記フッ素樹脂で変性されたポリエチレン粒子Aと前記フッ素樹脂で変性されていないポリエチレン粒子Bの合計量の、前記第2硬化性樹脂組成物の固形分に対する割合よりも多い、
請求項3に記載の塗装金属板。 - 前記第1表層塗膜の厚みは、前記第2表層塗膜の厚みよりも大きい、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗装金属板。 - 前記金属板は、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗装金属板。 - 前記金属板と前記第1表層塗膜との間に配置された第1下層塗膜と、前記金属板と前記第2表層塗膜との間に配置された第2下層塗膜と、をさらに有する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗装金属板。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の塗装金属板を含む、シャッタースラット。
- 複数のシャッタースラットを回動可能に連結したシャッターであって、
前記シャッタースラットは、請求項8に記載のシャッタースラットであり、
前記シャッターを巻き取ると、前記シャッタースラットであるシャッタースラットXの前記第2表層塗膜と、前記シャッタースラットであるシャッタースラットYの前記第1表層塗膜とは、摺動可能に接触し、
前記シャッタースラットXと前記シャッタースラットYとが摺動したときに、
前記シャッタースラットXの前記第2表層塗膜における接触部位は、実質的に移動せず、
前記シャッタースラットYの前記第1表層塗膜における接触部位は、移動する、
シャッター。
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