JP2008012734A - 塗装金属板 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐傷付き性及び加工性に優れ、且つ加工部の熱劣化を長期に亘り抑制することができる塗装金属板を提供する。
【解決手段】金属板表面に下塗り塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜を順次設けた塗装金属板である。前記中塗り塗膜が、数平均分子量5000〜15000、ガラス転移温度−5〜50℃のポリエステル樹脂と、5〜50重量%の繊維状充填材とを含有するポリエステル系塗料を硬化成膜して形成されたものである。前記中塗り塗膜自体に伸び率50%となるまで引張応力をかけた場合の前記中塗り塗膜に加えられる力学的エネルギーに対するこの中塗り塗膜に蓄積される弾性歪みエネルギーの割合が20%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は建材等に用いることができる塗装金属板に関するものである。
冷延鋼板や熱延鋼板等の鋼板や、これらにアルミニウム−亜鉛合金めっき被覆等のめっき被覆を形成しためっき鋼板の表面に塗膜を形成したプレコート金属板(塗装金属板)は、外装建材等に広く利用されている。このような塗装金属板は折り曲げ加工を施して使用する場合が多く、このため耐加工性や耐傷付き性が高いものが求められている。
このような耐加工性等の高い塗装鋼板としては、塩化ビニル系の塗膜を設けたものがあるが、近年の環境問題意識の高まりにより環境負荷の高い塩化ビニルに代替する材料の使用が求められるようになってきている。
そこで、従来、耐加工性、耐傷付き性の高い塗装金属板を得るために、金属板にポリエステル樹脂とブロック化ポリイソシアネートを含有するポリエステル系樹脂塗料による厚膜の塗膜を形成したり(特許文献1参照)、結晶性樹脂を含有させたポリエステル系樹脂塗料により塗膜を形成すること(特許文献2参照)が提案されている。
特開2000−007988号公報 特開2002−179998号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、加工部熱劣化の問題がクリアーされておらず、長期に亘って加工部の劣化を防止することは困難なものであった。
また、特許文献2に記載の技術では、結晶性樹脂と塗料中の主樹脂とを均一に溶解させることに制約があり、相溶性の高い組み合わせを選ぶ必要が生じて材料選択の余地が狭く、またこのような塗料を下塗り塗料として使用することにより汎用性を高めようとしてはいるが、下塗り塗膜以外の塗膜についての加工部熱劣化対策は十分とはいえないものであった。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、耐傷付き性及び加工性に優れ、且つ加工部の熱劣化を長期に亘り抑制することができる塗装金属板を提供することを目的とするものである。
本発明に係る塗装金属板は、金属板表面に下塗り塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜を順次設けた塗装金属板であって、前記中塗り塗膜が、数平均分子量5000〜15000、ガラス転移温度−5〜50℃のポリエステル樹脂と、5〜50重量%の繊維状充填材とを含有するポリエステル系塗料を硬化成膜して形成されたものであり、且つ前記中塗り塗膜自体に伸び率50%となるまで引張応力をかけた場合の前記中塗り塗膜に加えられる力学的エネルギーに対するこの中塗り塗膜に蓄積される弾性歪みエネルギーの割合が20%以下となるものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、中塗り塗膜の可塑性が高くなり、この塗装金属板に折り曲げ加工等を施した場合の塗膜のクラック等の損傷の発生を防止することができて加工性が良好なものであり、且つこの折り曲げ時に塗膜中に蓄積される内部応力を低減することができて長期間にわたり加工部の熱劣化を抑制することができるものである。また、中塗り塗膜が繊維状充填材を含有することから折り曲げ等の加工時におけるクラック等の損傷の発生を更に防止することができ、且つ塗膜の耐傷付き性も向上することができるものである。
以下、本発明をその実施をするための最良の形態に基づいて説明する。
本発明にて用いる金属板としては、特に制限されるものではないが、例えばアルミニウムめっき鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム−亜鉛めっき鋼板、ステンレス板等を挙げることができる。また、このような金属板としては、例えば長尺のものを用いることができる。
金属板に塗装を施すにあたっては、例えば長尺な金属板をコイル状に巻回したペイオフロールから金属板を繰り出して搬送しながら、各種処理を施した後、塗装処理後の金属板を所望の寸法に切断し、或いは切断せずに再びコイル状に巻き取る連続処理工程により行うことができる。
このような金属板への塗装工程においては、塗装に先立って、必要に応じてクロメート処理やリン酸亜鉛処理等といった化成処理や、金属板の表面の油脂、埃等の汚れの除去等の前処理を施し、この後に外層塗装を施す。
塗装工程においては、金属板には、下塗り塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜をこの順序で形成する。
下塗り塗膜を形成するための塗料(下塗り塗料)は適宜のものを用いることができ、例えばエポキシ樹脂ワニスやエポキシウレタン樹脂ワニス等の熱硬化性樹脂ワニスに、酸化チタン、微粉末クレー、炭酸カルシウム等の体質顔料や、防錆顔料などを分散させたエポキシ樹脂系塗料を用いることができる。防錆顔料としては、例えばクロム酸ストロンチウムやクロム酸カルシウム等のクロム酸塩を主体としたものを用いることができる。下塗り塗装にあたっては、このような組成を有する下塗り塗料を、金属板の一面に塗布するものであり、また場合によっては金属板の他面にも下塗り塗料を塗布する。また、金属板の他面には、下塗り塗料とは異なる組成を有する裏塗り塗料を塗布しても良い。下塗り塗料や裏塗り塗料の塗布は、浸漬、スプレー、はけ塗り、ロールコーター、エアーナイフ、静電塗布等から構成される適宜の塗布装置により行うことができる。
下塗り塗料の塗布後、これを硬化成膜して下塗り塗膜を形成するにあたっては、金属板を加熱炉等に連続的に通板させるなどして焼き付け硬化することができる。このときの焼き付け硬化条件は適宜設定されるが、例えば180〜250℃で30〜60秒間とすることができる。
また、下塗り塗膜の厚みは特に制限されず、適宜設定されるものであるが、3〜25μmの範囲とすることが好ましい。
また、中塗り塗膜を形成するための塗料(中塗り塗料)としては本発明では熱硬化性を有するポリエステル系塗料を用いるものであり、詳細は後述する。中塗り塗料の塗布も、浸漬、スプレー、はけ塗り、ロールコーター、エアーナイフ、静電塗布等から構成される適宜の塗布装置により行うことができる。
中塗り塗料の塗布後、これを硬化成膜して中塗り塗膜を形成するにあたっては、金属板を加熱炉等に連続的に通板させるなどして焼き付け硬化することができる。このときの焼き付け硬化条件は適宜設定されるが、例えば180〜250℃で30〜60秒間とすることができる。
このときの中塗り塗膜の厚みは適宜調整されるが、5〜30μmの範囲であることが好ましい。
次いで、金属板に上塗り塗膜を形成するにあたっては、塗料(上塗り塗料)としては熱硬化性を有する適宜のものを用いることができるが、例えば日本ファインコーティング株式会社製の品番「NSC300HQ」、「FLC5000」等の液状の熱硬化性塗料が用いられる。
また、この上塗り塗料としては、クリアー塗料を用いても良く、また適宜の顔料等の着色材を含有するものを用いても良い。このような着色材としては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄エロー、酸化鉄レッド(ベンガラ)、アルミニウムフレーク、マイカフレーク、着色ガラスフレーク、有機ブルー(フタロシアニンブルー)などや、アルミニウム粉末、ニッケル粉末、銅粉末等の金属粉末が挙げられる。また染料としては保土谷化学興業株式会社製の「AIZEN SPILON 染料シリーズ」等が挙げられる。このような着色材の上塗り塗料中における配合割合は適宜の範囲とすることができるが、通常0.1〜70重量%が好ましく、特に0.5〜50重量%が好ましい。
上塗り塗料の塗布にあたっては、浸漬、スプレー、はけ塗り、ロールコーター、エアーナイフ、静電塗布等による通常の塗布装置を用いて行うことができる。
上塗り塗料の塗布後、これを硬化成膜して上塗り塗膜を形成するにあたっては、金属板を加熱炉等に連続的に通板させるなどして焼き付け硬化することができる。このときの焼き付け硬化条件は適宜設定されるが、例えば180〜250℃で30〜60秒間とすることができる。
このときの上塗り塗膜の厚みは適宜調整されるが、10〜30μmの範囲であることが好ましい。
本発明では上記のような塗装を施すにあたり、中塗り塗料として数平均分子量5000〜15000、ガラス転移温度−5〜50℃のポリエステル樹脂を含有し、更に5〜50重量%の繊維状充填材とを含有するポリエステル系塗料を用いるものであり、且つ、この中塗り塗膜のみに伸び率50%となるまで引張応力をかけた際に中塗り塗膜に破断が生じないと共に、このときの中塗り塗膜に加えられる力学的エネルギーに対する中塗り塗膜に蓄積される弾性歪みエネルギーの割合(以下、弾性歪みエネルギー割合という)が20%以下となるものを用いるものである。
中塗り塗膜の弾性歪みエネルギー割合及びその測定方法を、図1を参照して説明する。図1のグラフの横軸は塗膜の伸び率を、縦軸は塗膜にかけた引っ張り応力を示す。まず、中塗り塗膜のフィルムを作製する。このとき、中塗り塗膜を形成する場合と同一の条件で、フッ素樹脂等を塗装した塗装金属板に中塗り塗料であるポリエステル系塗料を指定された乾燥膜圧となるように塗布、焼付硬化させる。次に、形成された塗膜のみを塗装金属板から剥離して中塗り塗膜のフィルムを得る。得られたフィルムから幅10mm、長さ50mmの測定用試料を切り出し、この測定用試料を引っ張り試験機にて引っ張り速度50mm/分の速さで塗膜伸び率が50%となるまで延伸させる(図中のA→B)。この場合の応力−伸び率曲線の積分値Xを算出する。
このように50%まで延伸させた後、直ちに伸びを戻すように、前記と同一速度で、引っ張り応力が0となるまで戻す。この時、引っ張り応力が0となった点をCとし(図中のB→C)、この場合の応力−伸び率曲線の積分値Yを算出する。
そして、前者の積分値Xに対する、後者の積分値Yの割合を百分率で導出したものが、中塗り塗膜の弾性歪みエネルギー割合となる。
このようなポリエステル樹脂は、直接エステル化法、エステル交換法、開環重合法などの公知の方法を用いて製造することができる。直接エステル化法の具体例としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールを重縮合する方法がある。多価カルボン酸としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの二塩基酸類及びそれらの無水物類、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸などの三価以上の多価カルボン酸類及びそれらの無水物類などが挙げられる。また、多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの三価以上の多価アルコール類などが挙げられる。また、ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸の低級アルキルエステルと多価アルコールとのエステル交換による縮重合によっても製造することができる。さらに、ポリエステル樹脂は、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトン類の開環重合によっても製造することができる。また、本発明のポリエステル樹脂としては、いわゆるリニアポリエステル樹脂と称され構造の高分子ポリエステル樹脂も含まれる。
また、上記ポリエステル系塗料に含有されるポリエステル樹脂としては、シリコーン変性ポリエステル樹脂等の変性ポリエステル樹脂も用いても良い。
このようなポリエステル樹脂において、水酸基は、ポリイソシアネート化合物やメラミン樹脂等の硬化剤との加熱硬化反応に不可欠な官能基である。ポリエステル樹脂の水酸基価は5〜150mgKOH/gの範囲が好ましく、水酸基価が5mgKOH/gに満たないと、ポリエステル系塗料の硬化性が低くなって、得られる中塗り塗膜に充分な被膜硬度が得られなくなったり、耐溶剤性が低下するおそれがあり、また水酸基価が150mgKOH/gを超えると、得られる中塗り塗膜の塗膜加工性が低下するおそれがあって好ましくない。またこのポリエステル樹脂の酸価は25mgKOH/g以下が好ましい。このような特性を持つポリエステル樹脂としては例えば東洋紡株式会社製のバイロン(登録商標)シリーズの一部が挙げられる。
また、ポリエステル系塗料中に配合される硬化剤としては、熱解離型ブロックイソシアネート基を1分子中に少なくとも2個含有するポリイソシアネート化合物や、メラミン樹脂等を挙げることができる。
このようなポリイソシアネート化合物の例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートのようなイソシアネートモノマーと呼ばれる化合物、これらのビウレット体、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパンのアダクト体のようなポリイソシアネート誘導体などの、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部又は全部をブロック化剤でブロック化して製造したものが挙げられる。このブロック化剤の例としては、例えば、ε−カプロラクタム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソアミルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシムなどのケトオキシム系ブロック化剤、フェノール、クレゾール、カテコール、ニトロフェノールなどのフェノール系ブロック化剤、イソプロパノール、トリメチロールプロパンなどのアルコール系ブロック化剤、マロン酸エステル、アセト酢酸エステルなどの活性メチレン系ブロック化剤などが挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、1種用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
また、メラミン樹脂の例としては、例えば、n−ブチル化メラミン樹脂やイソブチル化メラミン樹脂等のメラミン樹脂を挙げることができる。メラミン樹脂は、メラミンに、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等のアルデヒドを付加反応又は付加縮合反応させて得られたものを、炭素数1〜4の1価アルコールでエーテル化して得ることができる。このメラミン樹脂の具体例としては、アルコキシ基がメトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基などであるアルコキシメチルメラミン樹脂等を挙げることができる。
硬化剤の含有量は適時調整されるものであるが、塗膜に適切な硬度と伸び特性を付与するためには、硬化剤にポリイソシアネート化合物を含有させる場合、ポリエステル樹脂中のヒドロキシル基と硬化剤中の反応性官能基(ポリイソシアネート化合物の場合は熱解離型ブロックイソシアネート基)とのモル比が、ポリエステル樹脂中のヒドロキシル基1モルに対して硬化剤中の反応性官能基が0.8〜1.5モルの範囲であることが好ましい。また、メラミン樹脂を含有させる場合にはポリエステル樹脂100重量部に対してメラミンが10〜50重量部の範囲となるようにすることが好ましい。また、硬化剤にポリイソシアネート化合物とメラミン樹脂を併用させても良く、その場合の含有量についても上記範囲となるようにすることが好ましい。
またポリエステル系塗料に必須成分として含有される繊維状充填材としては、ガラス繊維を挙げることができる。このような繊維状充填材としては直径3〜30μmであり、繊維長が3〜200μmのものを用いることが好ましい。この繊維状充填材の直径が3μmに満たないと、塗膜の強度が低下し、耐傷付性を充分に向上することが困難となり、直径が30μmを超えると塗膜の厚みに対する繊維状充填材の直径が大きくなりすぎるため、折り曲げ加工時に塗膜の欠落が発生するおそれがあって、好ましくない。またこの繊維状充填材の繊維長が3μmに満たないと塗膜の強度が低下して耐傷付性を向上することが困難となり、200μmを超えると繊維状充填材が塗膜中に均一に分散しにくくなると共に折り曲げ加工時に塗膜に欠落が発生するおそれがあって好ましくない。
このようなガラス繊維の、ポリエステル系塗料中の配合割合は、上記ポリエステル系塗料全量に対して5〜50質量%とするものであり、5質量%に満たないと塗膜の強度が低下して耐傷付性を充分に向上することができず、また50質量%を超えると施工取り扱い時や折り曲げ加工時に塗膜に欠落が発生するおそれがある。
このようにポリエステル系塗料中に繊維状充填材を配合すると、このポリエステル系塗料にて形成される中塗り塗膜の耐傷付性を向上することができるものである。
また、このポリエステル系塗料中には硬化反応触媒を含有させても良い。硬化反応触媒は、硬化剤の種類に応じて適宜選択できる。
例えば硬化剤としてポリイソシアネート化合物を用いる場合に使用できる硬化反応触媒としては、スズ化合物や亜鉛化合物が挙げられる。スズ化合物としては、例えば塩化スズ、臭化スズなどのハロゲン化スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートなどの有機スズ化合物などが、亜鉛化合物としては、例えば、塩化亜鉛、臭化亜鉛などのハロゲン化亜鉛、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛などの有機酸の亜鉛塩などが挙げられる。硬化反応触媒は、塗料組成物中の全加熱残分に対して、0.01〜5質量%の割合で用いることが好ましい。この量が0.01質量%未満であると、硬化反応の促進効果が十分に発揮されず、塗膜の耐水性や密着性などが低下し、5重量%を超えると硬化反応が進みすぎて加工性が得にくい。硬化速度及び中塗り塗膜の物性のバランスの面から、この硬化反応触媒のより好ましい配合量は、塗料中の全加熱残分に対して0.01〜2質量%の範囲である。
また、硬化剤としてメラミン樹脂を用いる場合に使用できる硬化反応触媒としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機スルホン酸が挙げられる。硬化反応触媒は、塗料組成物中の全加熱残分に対して、0.1〜5質量%の割合で用いることが好ましい。この量が0.1質量%未満であると、硬化反応の促進効果が十分に発揮されず、塗膜の耐水性や密着性などが低下し、5重量%を超えると硬化反応が進みすぎて加工性が得にくい。これらの硬化反応触媒は、1種用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよく、また他の硬化反応触媒と併用してもよい。
また、このポリエステル系塗料中には、その中塗り塗膜の弾性歪みエネルギー割合が上記所定範囲となる限度において、適宜の顔料を含有させることができる。このような顔料としては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、有機顔料、ベンガラなどの着色顔料、ガラスフレーク、アルミニウムフレーク、マイカフレークなどの着色剤、タルク、シリカ、アルミナなどのフィラー、ストロンチウムクロメート、硫酸バリウムなどの体質顔料などが挙げられる。
このようなポリエステル系塗料の遊離のフィルムの弾性歪みエネルギー割合を上記所定の範囲となるようにするためには、ポリエステル系塗料の組成を適宜調整することができる。例えばポリエステル樹脂の分子量を大きくしたり、直鎖型の構造を取り込むことで弾性歪みエネルギーを低減させて所定の範囲内に調整することが可能である。
また、上塗り塗膜を形成するための上塗り塗料としても、加工性の高い被膜を形成し得る塗料を用いることが好ましく、特に、上塗り塗膜のみに伸び率20%となるまで、上記中塗り塗膜の場合と同様に引張応力をかけた際に、上塗り塗膜に破断が生じないものであることが好ましい。
以下、本発明を実施例によって詳述する。
(実施例1〜6、比較例1〜4)
金属板としては厚み0.5mmの、55%アルミニウム含有溶融亜鉛めっき鋼板を用い、この金属板に塗装前処理、下塗り塗料の塗布及び焼付硬化、中塗り塗料の塗布及び焼付硬化、上塗り塗料の塗布及び焼付硬化を順次施すことにより、塗装金属板を得た。
このとき、塗装前処理としては塗布型クロメート処理を行った。
また下塗り塗料としては日本ファインコーティングス株式会社製の「FLC620プライマー」を用い、その塗布量は9g/m2とし、また焼付硬化条件は最高到達板温215℃、加熱時間30秒間とした。
また中塗り塗料としては下記表1に示す組成のものを用い、その塗布量は35g/m2とし、また焼付硬化条件は最高到達板温220℃、加熱時間40秒間とした。
また、上塗り塗料としては、日本ファインコーティングス株式会社製の「KRF50 ブラック色」を用い、その塗布量は32g/m2とし、焼付硬化条件は、最高到達板温230℃、加熱時間40秒間とした。
また、上記中塗り塗料を用いて中塗り塗膜と同様の条件で形成した遊離の塗膜に対して、塗料の伸び量が50mm/分となるように引っ張り応力をかけた場合の、塗膜が破断するまでの塗膜の伸び率と、この塗膜の弾性歪みエネルギーを測定した結果を、それぞれ表1に併せて示す。
(加工性試験)
23℃の雰囲気下で各実施例及び比較例における塗装金属板にTベンド曲げ加工を施し、塗膜にクラックが発生しない最小のT数で加工性を評価した。
(耐熱性試験)
加工性試験と同様にして各実施例及び比較例における塗装金属板に0T、2T、4TのTベンド曲げ加工を施した後、100℃の温度雰囲気に1時間曝露した場合の、曲げ加工部分におけるクラックの有無を目視で観察し、クラックが認められない場合を「○」、クラックが認められた場合を「×」と評価した。
(耐傷付き性試験)
各実施例及び比較例の塗装金属板につき、クレメンス型針引っかき試験機(新東科学株式会社製「HEIDON type18」)にて荷重を連続的にかけながら塗膜表面をダイヤモンド針(0.1R)にて引っかき、塗膜が傷付いて下地が連続的に露出するに至ったときの最大荷重で評価した。
(0T加工部耐食性試験)
加工性試験と同様にして各実施例及び比較例における塗装金属板に0TのTベンド曲げ加工を施した後、折り曲げ部位に対してJIS H8502 8.1に規定される塩水噴霧試験を施し、試験後の折り曲げ部位における白錆が発生した領域の面積割合で評価した。
以上の結果を表1に併せて示す。
Figure 2008012734
中塗り塗膜の弾性歪みエネルギー割合及びその測定方法を説明するための、塗膜の応力−伸び率曲線の一例を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 金属板表面に下塗り塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜を順次設けた塗装金属板であって、前記中塗り塗膜が、数平均分子量5000〜15000、ガラス転移温度−5〜50℃のポリエステル樹脂と、5〜50重量%の繊維状充填材とを含有するポリエステル系塗料を硬化成膜して形成されたものであり、且つ前記中塗り塗膜自体に伸び率50%となるまで引張応力をかけた場合の前記中塗り塗膜に加えられる力学的エネルギーに対するこの中塗り塗膜に蓄積される弾性歪みエネルギーの割合が20%以下となるものであることを特徴とする塗装金属板。
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