JP2018108658A - 化粧金属板及び浴室ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、化粧金属板の曲げ加工をクラックを発生させず容易に行うことができ、平板の状態で仕掛品の保管も容易に行うことができ、なおかつ簡易な生産工程で意匠性に優れた化粧金属板を提供することにある。【解決手段】本発明の化粧金属板は、金属基材と、該金属基材の表面を隠蔽する有色層と、該有色層の表面に配置されるインク吹付塗布絵柄層と、該絵柄層の表面に透光性を有する熱可塑性樹脂フィルム層を有する化粧金属板であって、前記インク絵柄層が、前記金属基材の曲げ加工時に伴うインク絵柄層の最外R面の伸び変形以上の伸長性を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、住宅設備や内装壁材等に用いられる化粧金属板及び浴室ユニットに関する。
従来、浴室、トイレ、シャワールーム、キッチン等の住宅設備や内装壁材等に用いられる化粧金属板には、耐腐食性や清掃性等の機能と意匠性を兼ね備えた化粧金属板が考案されている。
従来、化粧金属板を作成する方法として以下の特許文献1に記載された化粧金属板では、金属基材の表面に下塗り塗装を行い、その塗装面に絵柄を印刷後、透明塗料にて表面層を形成した、焼き付け塗装の方法が提案されている。
また、化粧金属板を使用目的に合わせて、曲げ加工で発生するトップコートへのクラック(ひび割れ)や欠け及び白化等を防止する方法として以下の特許文献2に記載された化粧金属板では、トップコートを予めフランジ等の曲げ加工部分にかからないように塗布することで、曲げ加工部のクラックを防止する方法が提案されている。
特開平10−183854号公報 特許第5274752号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、化粧層およびトップコート層に用いる樹脂に柔軟性がないため、後にパネルとして剛性を持たせたり、施工時に組立し易くするための周囲折り曲げフランジ加工等を行った場合には、加工部分にクラック(ひび割れ)や欠け及び白化等の瑕疵が発生し、汚れの蓄積や見栄えの悪さが生じる等の問題点があった。
また、特許文献2に記載の構造では、平板状態のままでトップコートを予め折り曲げ加工(フランジになる部分)以外の範囲のみに塗布することで、後加工のフランジ部の折り曲げ加工によるクラック(ひび割れ)や欠け及び白化等の発生を防止しているが、曲げ加工位置を堺に直進性を維持しつつ精度よく塗布しない部分へのマスキング作業が毎回必要になる。マスキングテープの場合には、見切り端部のテープ糊残りによる汚染性低下や直進性等の高位置精度貼り付け技術が必要となる。また、直進性のある専用の治具を用いても治具セット位置精度の確保や治具自体の洗浄管理が必要となり、いずれの手段においても多大な手間が必要となってしまう。
化粧層を付与する印刷手段については、従来のグラビア印刷などの大量生産方式で図柄版の製作が必要な印刷方式から、近年では小ロット対応可能による在庫縮減が見込め、且つデジタルデータのみで顧客からの要望に短期間で対応可能なインクジェット方式が増えてきている。また絵柄についても、インクジェットプリンターの特徴を生かした、隣接するパネルとの連続した繋ぎ柄なども増え始めてきている。
それに用いられるインクジェットインクには、水性タイプ、溶剤タイプ、熱圧転写タイプ、紫外線(UV)硬化型タイプなどがあるが、耐水性や耐候性の性能が良いことやインク吐出後に紫外線(UV)で即座に硬化できることから、絵柄のにじみが少なく、よって印刷生産性の良い紫外線(UV)硬化型タイプの採用が増えてきている。
しかしながら、このインクジェットインクについても同様にインクに伸張性がないと、やはり曲げ加工部にクラック等が発生する。
これらトップコート、およびインクの曲げ加工時のクラック対応策として、有色層を付与した金属板のまま予め必要な曲げ加工を行い、その後、製品面である表面平坦部にインクジェット印刷およびトップコートを塗布する手段も考えられるが、仕掛品を持つ場合には、化粧金属板として平板状では容易に段積み保管ができることに対して、曲げ加工したものでは、曲げ加工部の変形防止のための緩衝材が必要となることや、段積み高さが嵩高くなってしまうことから、必然的に広い保管スペースが必要となってしまう。
また、インクジェットプリンターの場合には、インクが吐出されるヘッドと基材との距離をなるべく近づけた状態で一定に保てないと、周囲の僅かな風などの影響によってインクドットの着弾点がずれてしまい絵柄の精細性が悪くなってしまうが、例えば外周または一部の曲げ加工寸法の違いによっては、インクジェットプリンターに曲げ加工を施したパネルをセットすると、パネルにがたつきや傾きが生じてしまいインクジェットプリンターヘッドとの距離精度の低下により絵柄の精細性が得られないなどの技術的な問題点があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、従来の化粧金属板への加工を容易に行うことができ、加工による不良発生を防止できる意匠性に優れた化粧金属板及び浴室ユニットを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決する手段として、以下の構成を有する。
(1)本発明の化粧金属板は、金属基材と、該金属基材の表面を隠蔽する有色層と、該有色層の表面に配置されるインク吹付塗布絵柄層と、該インク吹付塗布絵柄層の表面に透光性を有する熱可塑性樹脂フィルム層を有する化粧金属板であって、前記インク吹付塗布絵柄層が、前記金属基材の曲げ加工時に伴うインク絵柄層の最外R面の伸び変形以上の伸長性を有することを特徴とする。
(2)本発明の浴室ユニットは、(1)に記載の化粧金属板を壁パネルとすることを特徴とする。
本発明によれば、金属基材上の有色層の表面にインクジェットプリンターによる印刷により形成されたインク吹付塗布絵柄層を配置し、該インク吹付塗布絵柄層の表面に透光性を有する熱可塑性樹脂フィルム層を有する化粧金属板であって、金属基材の曲げ加工によるインク吹付塗布絵柄層の最外R面の伸び変形以上の伸張性を有するインク吹付塗布絵柄層としているので、インク吹付塗布絵柄層および透光性樹脂フィルム層に折り曲げ加工によるクラック(ひび割れ)や欠け及び白化等の発生のない鮮明な絵柄を有した意匠性に優れた化粧金属板を提供することができる。
インクジェットプリンターによってインク吹付塗装絵柄層を印刷する場合においても、化粧金属板を平板の状態でインクジェットヘッドと塗装金属基材表面との距離を精度よく保ち、印刷することができることから、鮮明性に優れた意匠性に優れた化粧金属板を提供することができる。
化粧工程を完了した化粧金属板の仕掛品は平板の状態で積段保管することができ、保管スペースの低減や傷等の不良低減を図ることができる。
また、上述の金属基材と有色層とインク吹付塗布絵柄層と熱可塑性樹脂フィルム層を有する化粧金属板からなる壁パネルを備えた浴室ユニットであるならば、折り曲げ加工部分にクラックや欠け、白化などの生じていない鮮明な絵柄を有した意匠性に優れた浴室ユニットを提供できる効果がある。
本発明に係る化粧金属板の一例を示す断面模式図。
図1は本発明に係る化粧金属板の第一実施形態の断面構造を示す。
この実施形態の化粧金属板Aは、金属基材1の上に有色層2とインク吹付塗布絵柄層3と熱可塑性樹脂フィルム層4をこの順に積層してなる。
本実施形態の金属基材1として金属鋼板を適用することができ、この金属鋼板は用途によって必要な剛性を有するものであり、水場にて使用する場合は、金属板に防錆のめっき処理を施すか、防錆性能を有する鋼板を使用することが好ましい。
また、金属基材1の大きさ、厚さは、その用途により適宜選定することができる。化粧金属板Aをパネルとして用いる場合には、強度向上を図るために、全周または一部に曲げ加工を行いフランジを形成することが好ましい。
金属基材1の表面色を隠蔽するための有色層2としては、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系等の塗料に顔料を添加し塗装を行って形成しても良いし、あるいは、塗装の代わりに有色の樹脂フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム等を貼り合せたものを用いることができる。また有色であるところの色相については制限するものではないが、目的とする色を再現しやすいことから白色がより好ましい。
有色層2の表面に、絵柄を印刷するインクとの密着性を上げるために、ポリエステル系、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系等のプライマー処理や、コロナ処理、プラズマ処理等の易接着処理を組合せで使用することができる。
本実施形態にて述べる、インク吹付塗布絵柄層3を印刷する手段としては、小ロット対応可能による在庫縮減が見込め、且つデジタルデータのみで顧客からの要望に短期間で対応可能であること、および使用用途によって要求された下地基材のサイズに合わせて、任意に印刷範囲をデジタルデータ上で設定することが可能な、インクジェット方式が好ましい。
インクジェットプリンターで絵柄を印刷するためのインクの伸張性は特に制限されるものではなく、適時、平板状態で印刷硬化されたインク状態を基準として、曲げ加工によってインク絵柄層の最外R面が延ばされ変形する際に、その変形量に追随するために必要な伸張率に対して、それ以上の伸張性を有するインクを選択すればよい。インクのタイプも特に制限されるものでないが、耐水性や耐候性が優れる溶剤タイプや紫外線(UV)硬化型タイプが好ましく、インク吐出後に紫外線(UV)で即座に硬化できることから、絵柄のにじみが少なく、よって印刷生産性の良い紫外線(UV)硬化型タイプがより好ましい。
インクジェットでインク吹付塗布絵柄層3を印刷するためのインク色は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの他、ホワイト、グレー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトイエロー等適宜選定することができる。印刷する柄、色、解像度は特に制限することはなく、自由な柄、色を印刷することができる。インク吹付塗布絵柄層3の厚みも特に限定するものではない。
本実施形態において用いる熱可塑性樹脂フィルム層4には、透光性(無色透明、着色透明、半透明を含み、インク層を見ることができるという意味)を有するものであれば特に制限されるものではなく、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム等を用いることができる。また、印刷面との接着剤についても、透光性を有する接着剤などを選択すれば良い。
以上説明した積層構造の化粧金属板Aであるならば、化粧金属板Aの周縁部の全部あるいは一部を他の部分に対し90゜などの角度で折り曲げ加工して折り曲げ加工した部分でフランジを形成する場合、折り曲げ部分のインク吹付塗布絵柄層3にクラックや欠け白化などの欠陥部分を生じることがない。このため、インク吹付塗布絵柄層3に形成した絵柄を鮮明なまま有し、意匠性に優れた化粧金属板Aを提供できる。
また、この化粧金属板Aを浴室ユニット用の壁パネルに適用するならば、インク吹付絵柄層3の鮮鋭な絵柄を活かした壁パネルを提供することができ、インク吹付絵柄層3の鮮鋭な絵柄を活かした意匠性の優れた浴室ユニットを提供できる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
(1)曲げ試験
各実施例及び比較例によって製造した化粧金属板について、試験温度25±5℃、外R寸法1.6mmでの90度曲げ試験を実施した。評価は以下の基準で行った。
〇:クラックは全く発生しなかった。
×:クラックが発生した。
「実施例1」
以下、本発明の実施例1について説明する。
溶融亜鉛めっき鋼板からなる金属基材と塗装による有色層とプライマー層とインク吹付塗布絵柄層と接着層と熱可塑性樹脂フィルム層からなる金属化粧板を試作した。
予め曲げ加工条件として、各層の厚みにおいて、溶融亜鉛メッキ鋼板からなる金属機材の厚みを0.45mm、塗装による有色層の厚みを20μm、プライマー層の厚みを10μm、インクジェットプリンターによるインク吹付塗装絵柄層の厚みを20μm、接着剤付き表面樹脂フィルムの厚みを78μmとし、曲げ加工をV曲げ方式で曲げ角度を90度、完成外R寸法を1.6mmとし、これに必要なインクの伸張性を計算した。
金属基材上に平板状で印刷されたインク吹付塗装絵柄層において、曲げ加工後にかかる応力は、曲げRの最表面側に生じる引張り応力(伸び)であり、主にR開始位置とR終了位置の間に生じる。すなわち、R開始位置とR終了位置の、曲げた時の中立面距離(曲げ前後で距離が変わらない面)と最表面との計算上の距離の差が、インクに必要な伸張率であるとして以下の計算を行った。
中立面距離の計算では、インク吹付塗装絵柄層を印刷するインク自体の剛性よりも塗装鋼板素地の剛性が支配的であることから、塗装鋼板厚み0.47mmを曲げ角度90度で、外R寸法を完成する外R寸法1.6mmから、インク吹付塗布層厚み20μm、および接着剤付き表面熱可塑性樹脂フィルム層厚み78μmを差し引いた塗装鋼板単独での外R寸法1.502mmとして、中立面距離を計算した。
まず、中立面のR寸法を、内R寸法+(金属基材V曲げ加工における中立面までの距離係数λ×板厚t)から算出した。内R寸法は、外R寸法1.502mmから、塗装鋼板板厚0.47mmを指し引いた、1.032mmである。λは、内R寸法÷板厚tから、2.196となり、この範囲での係数λは0.33となる。
これを上述式にあてはめると、中立面のR寸法は、1.187mmとなる。これの90度曲げ時のR開始位置からR終了位置、すなわち中立面距離は、2πRx(90度÷360度)から、1.864mmと導いた。
これに対して、インク吹付塗装絵柄層の最外Rの90度曲げ加工時のR開始位置からR終了位置の距離は、完成外R寸法1.6mmから、接着剤層付き表面熱可塑性樹脂フィルム層の厚み、78μmを指し引いた1.522mmから計算すると、2.390mmとなる。
従って、必要な伸張率は、(2.390mm−1.864mm)÷1.864mmx100(%)から、28.2%と導くことができる。
次いで、28.2%以上の伸張性を有するインクをインク吹付塗布絵柄層に用いた化粧金属板を作成した。
金属基材として、厚み0.45mmの溶融亜鉛メッキ鋼板の表面に厚み20μmのポリエステル系白色塗料がコートされた塗装鋼板(淀川製鋼所製、エースコート)を用いた。
この塗装鋼板の表面に、アクリル系プライマー(株式会社ミマキエンジニアリング製PR−100)を厚さ10μm塗布し、UV照射で硬化させた。この後、予め画像製作ソフト(アドビ社製、フォトショップ(登録商標))で作成した大理石調の絵柄データを、70%の伸張率である紫外線硬化型塗料に顔料にて色調調整されたシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色インク(株式会社ミマキエンジニアリング製LUS120インク)が搭載されたインクジェットプリンターを用いて、前記塗装鋼板の表面に20μm厚みで印刷し、インクジェットプリンターヘッドと並列されたUV照射にて硬化させてインク吹付塗装絵柄層を得た。
次いで、そのインク吹付塗装絵柄層表面側に、無色で透光性のある厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの片面に、厚み40μmの無色で透光性のあるヒートシール接着剤層が一体化された熱可塑性樹脂フィルム(倉敷紡績株式会社製)を、加熱ロールラミネーターにより150℃で貼り合せ、化粧金属板を作成した。
この化粧金属板の評価結果を後述する表1に示す。
「実施例2」
以下、本発明の実施例2について説明する。
予め曲げ加工条件として、各層の厚みについて、基材溶融亜鉛メッキ鋼板の厚みを0.45mm、非透明塩ビ樹脂シートの厚みを150μm、インク絵柄厚みを40μm、接着剤付き熱可塑性樹脂フィルム層の厚みを78μmとし、曲げ加工をV曲げ方式で曲げ角度を90度、完成外R寸法を1.6mmとし、これに必要なインクの伸張性を実施例1と同様に計算した。
中立面距離の計算では、絵柄を印刷するインクや非透明塩ビ樹脂フィルム自体の剛性よりも鋼板素地の剛性が支配的であることから、鋼板厚み0.45mmを曲げ角度90度で、外R寸法を完成する外R寸法1.6mmから、非透明塩ビフィルム厚み150μm、インク厚み40μm、および接着剤付き表面樹脂フィルム厚み78μmを差し引いた鋼板単独での外R寸法1.332mmとして、中立面距離を計算した。
まず、中立面のR寸法を、内R寸法+(金属基材V曲げ加工における中立面までの距離係数λ×板厚t)から算出した。内R寸法は、外R寸法1.332mmから、鋼板板厚0.45mmを指し引いた、0.882mmである。λは、内R寸法÷板厚tから、1.960となり、この範囲での係数λは0.33となる。これを上述の式にあてはめると、中立面のR寸法は、1.031mmとなる。これの90度曲げ時のR開始位置からR終了位置、すなわち中立面距離は、2πRx(90度÷360度)から、1.619mmと導いた。
これに対して、インク吹付塗布絵柄層の最外Rの90度曲げ加工時のR開始位置からR終了位置の距離は、完成外R寸法1.6mmから、接着剤層付き熱可塑性樹脂フィルム層の厚み78μmを指し引いた1.522mmから計算すると、2.390mmとなる。
従って、インク吹付塗布絵柄層必要な伸張率は、(2.390mm−1.619mm)÷1.619mm×100(%)から、47.6%と導いた。
次いで、これ以上の伸張性を有するインクを絵柄に用いた化粧金属板を作成した。
下地の金属基材として、厚み0.45mmの溶融亜鉛メッキ鋼板を用い、その表面に、厚み150μmの塩ビ樹脂フィルムが貼り合わされた鋼板(株式会社三菱樹脂製、ヒシメタル)を用いた。この表面に、予め画像製作ソフト(アドビ社製、フォトショップ(登録商標))で作成した大理石調の絵柄データを、160%の伸張率である紫外線硬化型塗料に顔料が混在されていない無色で透明なインク(株式会社リコー製、延伸インク)が搭載されたインクジェットプリンターで上記塗装鋼板の表面に40μm厚みで印刷し、インクジェットプリンターヘッドと並列されたUV照射にて硬化させた。
次いで、その絵柄表面側に、無色で透光性のある厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの片面に、厚み40μmの無色で透光性のあるホットメルト接着剤層が一体化された熱可塑性樹脂フィルム(倉敷紡績株式会社製)を、加熱ロールラミネーターを用いて150℃で貼り合せ、化粧金属板を作成した。この化粧金属板について実施例1と同様に評価した結果を以下の表1に先の実施例1の結果と併せて示す。
「比較例1」
以下、本発明の実施例1に対する比較例1について説明する。
下地基材として、厚み0.45mmの溶融亜鉛メッキ鋼板の表面に厚み20μmのポリエステル系白色塗料がコートされた塗装鋼板(淀川製鋼所製、エースコート)を用いた。この塗装鋼板の表面に、アクリル系プライマー(株式会社ミマキエンジニアリング製PR−100)を厚さ10μmで塗布し、UV照射で硬化させた。この後、予め画像製作ソフト(アドビ社製、フォトショップ(登録商標))で作成した大理石調の絵柄データを、伸張性のほぼない紫外線硬化型塗料に顔料にて色調調整されたシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色インク(株式会社ミマキエンジニアリング製LH100)が搭載されたインクジェットプリンターで上記塗装鋼板の表面に20μm厚みで印刷し、インクジェットプリンターヘッドと並列されたUV照射にて硬化させた。
次いで、硬化させた絵柄表面側に、無色で透光性のある厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの片面に、厚み40μmの無色で透光性のあるホットメルト接着剤層が一体化された樹脂フィルム(倉敷紡績株式会社製)を、加熱ロールラミネーターで150℃で貼り合せ、化粧金属板を作成した。インク層に必要な伸張率は、実施例1と同じ28.2%である。この化粧金属板について実施例1と同様に評価した結果を後述する表1に示す。
「比較例2」
以下、本発明の実施例2に対する比較例2について説明する。
下地基材として、厚み0.45mmの溶融亜鉛メッキ鋼板の表面に、厚み150μmの塩ビ樹脂フィルムが貼り合わされた鋼板(株式会社三菱製、ヒシメタル)を用いた。この表面に、予め画像製作ソフト(アドビ社製、フォトショップ(登録商標))で作成した大理石調の絵柄データを、伸張性のほぼない紫外線硬化型塗料に顔料が混在されていない無色で透明なインク(株式会社リコー製、クリアハードインク)が搭載されたインクジェットプリンターで上記塗装鋼板の表面に40μm厚みで印刷し、インクジェットプリンターヘッドと並列されたUV照射にて硬化させた。
次いで、インク吹付塗装絵柄層の表面側に、無色で透光性のある厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの片面に、厚み40μmの無色で透光性のあるホットメルト接着剤層が一体化された熱可塑性樹脂フィルム(倉敷紡績株式会社製)を用いて、加熱ロールラミネーターによって150℃で貼り合せ、化粧金属板を作成した。
インク層に必要な伸張率は、実施例2と同じ47.6%である。この化粧金属板について実施例2と同様に評価した結果を以下の第1表に示す。
Figure 2018108658
表1に示すように、インク面曲げ加工後の最外R伸張率(計算結果)よりも高い伸張率のUVインクを用いたUVインクによるインク吹付塗装絵柄層を用いるならば、金属基材を90゜折り曲げてフランジ加工したとしても、加工部分にクラックを生じないことがわかった。実施例1においては最外R伸張率が28.2%であるのに対し、用いたUVインクの伸張率は70%と十分に大きく、実施例2においては最外R伸張率が47.6%であるのに対し用いたUVインクの伸張率は160%と十分に大きく、いずれの例においても90度曲げ加工部分のインク吹付塗装絵柄層にクラックは生じなかった。
これに対し、インク面曲げ加工後の最外R伸張率よりも低い伸張率のUVインクを用いたUVインクによるインク吹付塗装絵柄層を用いるならば、金属基材を90゜折り曲げてフランジ加工した場合に、加工部分にクラックを生じるがわかった。
本発明によれば、意匠性に優れ、かつ、曲げ加工を行っても、曲面部にクラックが入らず、高い成形性を有するとともに、仕掛り在庫を持つ場合においても、平板の状態で保管できることから、保管スペースを広く取る必要のない化粧金属板を得ることができる。
本発明の化粧金属板及び化粧金属パネルは、壁、天井等のユニットバスやキッチンを含む建築物内装材、扉、扉枠、窓枠等の建具の表面材、キャビネット等の家具の表面材などにも使用できる。
A…化粧金属板、1…金属基材、2…有色層、3…インク吹付塗装絵柄層、4…熱可塑性樹脂フィルム層。

Claims (2)

  1. 金属基材と、該金属基材の表面を隠蔽する有色層と、該有色層の表面に配置されるインク吹付塗布絵柄層と、該絵柄層の表面に透光性を有する熱可塑性樹脂フィルム層を有する化粧金属板であって、
    前記インク吹付塗布絵柄層が、前記金属基材の曲げ加工時に伴うインク吹付塗布絵柄層の最外R面の伸び変形以上の伸長性を有することを特徴とする、化粧金属板。
  2. 請求項1に記載の化粧金属板を壁パネルとすることを特徴とする、浴室ユニット。
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