JP2018126924A - 化粧金属板およびその製造方法とそれを備えた浴室ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、化粧金属板の曲げ加工をクラックを発生させず容易に行うことができ、平板の状態で仕掛品の保管も容易に行うことができ、なおかつ簡易な生産工程で意匠性に優れた化粧金属板およびその製造方法を提供することにある。【解決手段】本発明の化粧金属板は、金属基材と、該金属基材の表面を隠蔽する有色下地層と、該有色下地層の表面に複数の有色UVインクから構成されたインク吹付塗布絵柄層と、該インク吹付塗布絵柄層の表面に無色で透光性を有するUVインクで形成されたインク吹付塗布トップコート層を備え、前記基材の端縁面を曲げ加工することにより形成されたフランジを有する化粧金属板であって、前記絵柄層及び前記トップコート層が、少なくとも前記フランジの曲げ加工部にかからないように前記曲げ加工部フランジを除いた部分に形成されたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、住宅設備や内装壁材等に用いられる化粧金属板およびその製造方法とそれを備えた浴室ユニットに関する。
従来、浴室、トイレ、シャワールーム、キッチン等の住宅設備や内装壁材等に用いられる化粧金属板には、耐腐食性や清掃性等の機能と意匠性を兼ね備えた化粧金属板が考案されている。
従来、化粧金属板を作成する方法として以下の特許文献1に記載された化粧金属板では、金属基材の表面に下塗り塗装を行い、その塗装面に絵柄を印刷後、透明塗料にて表面層を形成した、焼き付け塗装の方法が提案されている。
また、化粧金属板を使用目的に合わせて、曲げ加工で発生するトップコートへのクラック(ひび割れ)や欠け及び白化等を防止する方法として以下の特許文献2に記載された化粧金属板では、トップコートを予めフランジ等の曲げ加工部分にかからないように塗布することで、曲げ加工部のクラックを防止する方法が提案されている。
特開平10−183854号公報 特許第5274752号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、化粧層およびトップコート層に用いる樹脂に柔軟性がないため、後にパネルとして剛性を持たせたり、施工時に組立し易くするための周囲折り曲げフランジ加工等を行った場合には、加工部分にクラック(ひび割れ)や欠け及び白化等の瑕疵が発生し、汚れの蓄積や見栄えの悪さが生じる等の問題点があった。
また、特許文献2に記載の構造では、トップコート層とするアクリルウレタン塗料等の透光性樹脂を、刷毛塗り、静電塗装、スプレー塗装、ロールコーター、フローコーター等にて、フランジになる部分以外に塗布することで、フランジ部分の曲げ作業性を容易に行うこととしているが、この方法によると塗料がフランジ部分にオーバーコートされてしまうことから、平面とフランジとの間の曲げ加工位置を堺に直進性を維持しつつ精度よく塗布しない部分へのマスキング作業が毎回必要になる。
マスキングテープの場合には、見切り端部のテープ糊残りによる汚染性低下や直進性等の高位置精度貼り付け技術が必要となる。また、直進性のある専用の治具を用いても治具セット位置精度の確保や治具自体の洗浄管理が必要となるなど手間を要する。
あるいは、必要な曲げ加工を予め行い、その後、製品面が上面となるように塗料塗布装置に基材を設置し、前記の製品面表面に、その上方より塗料を塗布するならば、フランジに塗料がかからないようにトップコート層を塗布する手段も考えられるが、仕掛品を持つ場合には、化粧金属板として平板状では容易に段積み保管ができることに対して、曲げ加工したものでは、曲げ加工部の変形防止のための緩衝材が必要となることや、段積み高さが嵩高くなってしまうことから、必然的に広い保管スペースが必要となってしまうなどの技術的な問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、化粧金属板の曲げ加工をクラックを発生させず容易に行うことができ、平板の状態で仕掛品の保管も容易に行うことができ、なおかつ簡易な生産工程で意匠性に優れた化粧金属板およびその製造方法とその化粧金属板を備えた浴室ユニットを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決する手段として、以下の構成を有する。
(1)本発明の化粧金属板は、金属基材と、該金属基材の表面を隠蔽する有色下地層と、該有色下地層の表面に複数の有色UVインクから構成されたインク吹付塗布絵柄層と、該インク吹付塗布絵柄層の表面に無色で透光性を有するUVインクで形成されたインク吹付塗布トップコート層を備え、前記基材の端縁面を曲げ加工することにより形成されたフランジを有する化粧金属板であって、前記絵柄層及び前記トップコート層が、少なくとも前記フランジの曲げ加工部にかからないように前記曲げ加工部フランジを除いた部分に形成されたことを特徴とする。
(2)本発明の化粧金属板の製造方法は、金属基材と、該金属基材の表面を隠蔽する有色下地層と、該有色下地層の表面に複数の有色UVインクから構成されたインク吹付塗布絵柄層と、該インク吹付塗布絵柄層の表面に無色で透光性を有するUVインクで形成されたインク吹付塗布トップコート層を備え、前記基材の端縁面を曲げ加工することにより形成されたフランジを有する化粧金属板であって、前記インク吹付塗布絵柄層及び前記インク吹付塗布トップコート層が、少なくとも前記フランジの曲げ加工部にかからないように前記曲げ加工部フランジを除いた部分に形成された化粧金属板の製作工程において、
始めに、前記有色下地層の表面に絵柄層およびトップコート層をUVインクジェットプリンターで少なくとも前記フランジの前記曲げ加工部にかからない範囲で印刷形成し、次いで端縁面の曲げ加工を行う工程を有することを特徴とする、化粧金属板の製造方法。
(3)本発明の浴室ユニットは、(1)に記載の化粧金属板を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、化粧金属板の曲げ加工を行う場合、インク吹付塗布絵柄層とインク吹付塗布トップコート層にクラックを発生させず容易に行うことができ、なおかつ簡易な生産工程で意匠性に優れた化粧金属板を提供することができる。
また、有色下地層とインク吹付塗布絵柄層とインク吹付塗布トップコート層を形成して化粧工程を完了した仕掛品は平板の状態で積段保管することができることから、フランジ曲げ加工を行って保管する場合に必要となる変形を防止するための緩衝材などが不要となることや、保管スペースの低減も図ることができる。
本発明に係る化粧金属板の一例を示す断面模式図。 本発明の製造方法に係る作製工程の一例を示す工程図。 本発明に係る化粧金属板の実施例1の試験結果を示す説明図。 本発明に係る化粧金属板の比較例1の試験結果を示す説明図。 本発明に係る化粧金属板の比較例2の試験結果を示す説明図。 本発明に係る化粧金属板の比較例3の試験結果を示す説明図。
図1は本発明に係る化粧金属板の第一実施形態の断面構造を示す。
この実施形態の化粧金属板Aは、金属基材1の上に有色下地層2とインク吹付塗布絵柄層3とインク吹付塗布トップコート層4をこの順に積層してなる。
本実施形態の金属基材1として金属鋼板を適用することができ、この金属鋼板は用途によって必要な剛性を有するものであり、水場にて使用する場合は、金属板に防錆のめっき処理を施すか、防錆性能を有する鋼板を使用することが好ましい。金属基材1として例えば、溶融亜鉛めっき鋼板やプライマリー処理等を施した塗装鋼板などを使用することができる。
また、金属基材1の大きさ、厚さは、その用途により適宜選定することができる。化粧金属板Aをパネル、例えば浴室ユニットの壁パネルなどとして用いる場合には、強度向上を図るために、図1に示すように周囲に曲げ加工を行いフランジ1aを形成する。図1の右端にフランジ1aを描いたが、金属基材1の上面に対し全面に有色下地層2が形成され、フランジ1aの折曲部外周縁が描く円弧の開始点位置までインク吹付塗布絵柄層3とインク吹付塗布トップコート層4が形成されている。即ち、インク吹付塗布絵柄層3とインク吹付塗布トップコート層4はフランジ1aを有する金属基材1に対し、金属基材1の上面の平面部分にのみ形成されている。
金属基材1の表面色を隠蔽するための有色下地層2としては、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系等の塗料に顔料を添加し塗装を行って形成しても良いし、あるいは、塗装の代わりに有色の樹脂フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム等を貼り合せたものを用いることができる。また有色であるところの色相については制限するものではないが、目的とする色を再現しやすいことから白色がより好ましい。この有色下地層2は折り曲げなどに強い下地層として市販されているものを適用する場合、金属基材1の表面の全面に形成しておくことができる。金属基材1の表面全面に有色下地層2を塗布した後、後述するインク吹付塗布絵柄層を必要な位置まで形成する。
有色下地層2の表面に、絵柄を印刷するインクとの密着性を上げるために、ポリエステル系、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系等のプライマー処理や、コロナ処理、プラズマ処理等の易接着処理を組合せで使用することができる。
本実施形態にて述べる、インク吹付塗布絵柄層3を印刷する手段としては、小ロット対応可能による在庫縮減が見込め、且つデジタルデータのみで顧客からの要望に短期間で対応可能であること、および使用用途によって要求された下地基材のサイズに合わせて、任意に印刷範囲をデジタルデータ上で設定することが可能な、インクジェット方式が好ましい。
それに用いられるインクジェットインクには、水性タイプ、溶剤タイプ、熱圧転写タイプ、UVタイプなどがあるが、耐水性や耐候性の性能が比較的良いことや、水性タイプ、溶剤タイプの印刷では、インク乾燥工程においてインクが薄く塗れ広がってしまうことに対して、UVタイプのインクでは、インクジェットプリンターヘッドからのインク吐出後にUVで即座に硬化できることから絵柄のにじみが少ない高精細な意匠を得ることができることから、UVタイプのインクジェット方式がより好ましい。
インクジェットでインク吹付塗布絵柄層3を印刷するための有色UVインク色は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの他、ホワイト、グレー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトイエロー等適宜選定することができる。印刷する柄、色、解像度は特に制限することはなく、自由な柄、色を印刷することができる。インク吹付塗布絵柄層3の厚みも特に限定するものではない。絵柄の印刷する範囲は、フランジにかかってしまうと、インク吹付塗布絵柄層3にクラックが生じやすくなってしまうことから、予めフランジにかからない印刷範囲をデジタルデータ上で指定して、印刷するのが好ましい。
本実施形態にて述べる、インク吹付塗布トップコート層4を形成する手段としては、前記と同様に、任意に印刷範囲をデジタルデータ上で設定することが可能な、インクジェット方式が好ましい。インクのタイプも水性タイプ、溶剤タイプの印刷では、インク乾燥工程においてインクが薄く塗れ広がってしまうことに対して、UVタイプのインクでは、インクジェットプリンターヘッドからのインク吐出後にUVで即座に硬化させることで、同じ位置を重ねて印刷硬化させ、インクドット層を積み上げ形成できる。このことから、他のタイプのインクでは困難であるところの、塗料を用いた塗装厚みや、樹脂フィルム厚み相当である、20μm以上の厚みを形成することができる、UVタイプのインクジェットプリンター方式がより好ましい。
本実施形態における、トップコート層4として形成するのに用いる、無色で透光性のあるクリアなUVインク色については、特に制限するものではないが、前記のインク吹付塗布絵柄層3が認識できる透光性であることが好ましい。厚みに関しては特に制限されるものではなく、インク吹付塗布絵柄層3を形成する有色インクの表面清掃時の繰り返し磨耗による色落ちを防止すること、およびクリア層の厚みで表現したい深み感などから鑑みて任意に決めればよい。インク吹付塗布トップコート層4の印刷範囲もフランジ1aの形成領域にかかってしまうと、クラックが生じやすくなってしまうことから、インク吹付塗布絵柄層3と同様に、予めフランジにかからない印刷範囲をデジタルデータ上で指定してから、印刷するのが好ましい。
図1に示す構造の化粧金属板Aを作製するには、一例として、図2に示すデータ作成工程S1において、浴室ユニットの壁パネル用などとして必要とする定寸サイズの平板状の鋼板からなる金属基材1に有色下地層2を形成したものを用意する。
この有色下地層付き鋼板に第1の印刷工程S2においてUVインクを適用したインクジェットプリンターによって絵柄層を形成し、印刷と同時あるいは直後にUV光(紫外光)を照射することにより絵柄層を乾燥定着させてインク吹付塗装絵柄層3を形成する。インク吹付塗装絵柄層3を形成するにあたり、金属基板1のフランジ形成側の端縁においてフランジ1aを形成する場合の折曲部分より内側の平面部分にインク吹付塗装絵柄層3の端縁が位置するように印刷することが望ましい。
次いで、第2の印刷工程S3においてUVインクを適用したインクジェットプリンターによって透光性のトップコート層を形成し、印刷と同時あるいは直後にUV光(紫外光)を照射することによりトップコート層を乾燥定着させてインク吹付塗装トップコート層4を形成する。インク吹付塗装トップコート層4を形成する場合、フランジを形成する予定の端縁側ではインク吹付塗装トップコート層4がインク吹付塗装絵柄層3から外側にはみ出さないように形成する。
次に、保管工程S4において有色下地層2とインク吹付塗布絵柄層3とインク吹付トップコート層4を備えた平板状の金属基材1を仕掛品として倉庫等に保管する。
次に、出荷のタイミングに合わせ、保管していた仕掛品の金属基材1の周縁の必要箇所に最終加工工程S5においてフランジ加工を施し、浴室ユニットの壁パネルなどとして準備し、包装後出荷する。
このような一連の工程によれば、仕掛品として保管している間は平板状で積段保管できるので保管効率が良く、仕掛品の状態ではフランジを形成していないので保管中の積載による傷付きなども防止できる。例えば、フランジを形成後に保管するならば、変形を防止するための緩衝材が必要となり、保管スペースも大きくなることから、緩衝材の省略、保管スペースの低減を図ることができる。
これによって、本実施形態の化粧金属板は意匠性の高いパネルとして傷などの欠陥を有していない製品として出荷することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によってなんら限定されるものではない。
溶融亜鉛めっき鋼板からなる金属基材に、全面塩ビフィルムを貼り合わせた有色下地層と、鋼板端部からの印刷塗布開始位置を、予めデジタルデータ上で調整変更した、インクジェット印刷塗布による絵柄層とトップコート層からなる金属化粧板を試作した。
予め曲げ加工条件として、溶融亜鉛メッキ鋼板からなる金属基材の厚みを0.45mm、金属基材表面の全面に塩ビフィルムを貼り合せにより形成した有色下地層の厚みを200μmの状態にて、曲げ加工をV曲げ方式で曲げ角度を90度、完成外R寸法(塩ビフィルム層の外周面が描く円弧Rの寸法)を1.6mmに設定した。曲げ加工後のフランジ高さ(上平面からフランジ垂直面端部の高さ距離)については、8mmと設定した。
90度曲げ加工を施す前に曲げ加工を施す位置を上述のように想定し、図1に示すように基材端縁を90度曲げ加工した場合、曲げ加工部分外縁のRの開始位置(完成外Rの開始位置)を予め把握し、曲げ加工部分外側のRが始まらない位置まで、上述の厚さのインク吹付塗布絵柄層とトップコート層を塗布形成した。
曲げ加工部分外縁の平面部からのR開始位置は、90度曲げ加工後のフランジ垂直立ち面からの距離であり、その距離は曲げ加工外R1.6mmと同値の1.6mmである。また、曲げ加工前の平面状態であるところの下地鋼板基材端部からの距離は、曲げ加工後のフランジ高さ8mmから、曲げ外R1.6mmを引いた6.4mm(曲げにかからない垂直面距離)に、90度曲げ時の外R1.6mmの外周距離である、2πR×(90度÷360度)から求めた2.5mmを加えた、合計値8.9mmと導いた。
上述の計算を基に、90度曲げ加工時のR開始位置までインク吹付塗布絵柄層とトップコート層を平面の状態で印刷形成した。
金属基材として、厚み0.45mmの溶融亜鉛メッキ鋼板の表面に厚み200μmの塩ビ系白色フィルムが予め貼りあわされた市販の塩ビ鋼板(三菱樹脂製、塩ビ鋼板)を用いた。
この塩ビ鋼板の表面に、予め画像製作ソフト(アドビ社製、フォトショップ(登録商標))で作成した大理石調の絵柄データを、紫外線硬化型塗料に顔料にて色調調整されたシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色インク(株式会社リコー製、延伸インク)が搭載されたインクジェットプリンターを用いて、前記塩ビ鋼板の表面に20μm厚みで印刷し、インクジェットプリンターヘッドと並列されたUV照射にて硬化させてインク吹付塗布絵柄層を得た。
次いで、インク吹付塗装絵柄層表面側に、上述と同じインクジェットプリンターを用いて厚み40μmの、無色で透光性のあるクリアな紫外線硬化型インク(株式会社リコー製、クリアハードインク)からなるトップコート層を形成し、インクジェットプリンターヘッドと並列されたUV照射にて硬化させてインク吹付塗布トップコート層を得た。
得られた平板状の塗布層付き基材について、上述した規定位置からV曲げの要領で90度曲げ加工を施し、実施例1の化粧金属板を得た。
次に、実施例1で用いた有色下地層付きの塩ビ鋼板と同じ塩ビ鋼板を用い、前記90度曲げによるR開始位置からR終了位置の中間位置までインク吹付塗布絵柄層とトップコート層を形成した化粧金属板を得、この化粧金属板に90度曲げ加工を施して比較例1の化粧金属板を得た。
次に、実施例1で用いた有色下地層付きの塩ビ鋼板と同じ塩ビ鋼板を用い、前記90度曲げによるR開始位置までインク吹付塗布絵柄層を形成し、このインク吹付塗布絵柄層の外側1mmの位置までトップコート層を形成してインク吹付塗布絵柄層の端縁を覆った化粧金属板を得、この化粧金属板に90度曲げ加工を施して比較例2の化粧金属板を得た。
次に、実施例1で用いた有色下地層付きの塩ビ鋼板と同じ塩ビ鋼板を用い、前記90度曲げによるR終了位置までインク吹付塗布絵柄層とトップコート層を形成した化粧金属板を得、この化粧金属板に90度曲げ加工を施して比較例3の化粧金属板を得た。
実施例1の化粧金属板の90度折り曲げ端部を撮影した写真を図3に示し、比較例1の化粧金属板の90度折り曲げ端部を撮影した写真を図4に示し、比較例2の化粧金属板の90度折り曲げ端部を撮影した写真を図5に示し、比較例3の化粧金属板の90度折り曲げ端部を撮影した写真を図6に示す。
図3の写真に示すように実施例1の化粧金属板の折り曲げ部分にクラックなどの欠陥は認められなかった。これに対し、比較例1の化粧金属板の折り曲げ部分には図4の写真に示すように目視で容易に確認できる明確なクラックが複数本生成されていた。比較例2の化粧金属板の折り曲げ部分には図5の写真に示すようにトップコート層に目視で確認できる微細なクラックが複数生成されていた。比較例3の化粧金属板の折り曲げ部分には図6の写真に示すようにトップコート層に目視で容易に確認できる筋状のクラックが複数本生成されていた。
これらの対比で明らかなように、実施例1の化粧金属板のように折り曲げ部のR開始位置までの領域にインク吹付塗布絵柄層とトップコート層を形成しておくならば、塩ビ鋼板に90度曲げ加工を施しても、折り曲げ部分に筋状のクラックや微細なクラックを生じていない化粧金属板を提供できる。
なお、インク吹付塗布絵柄層とトップコート層の形成に伸縮性の優れたインクを用いるならば、R開始位置より外側にこれらの層を形成することが可能と思われるが、高い伸縮性を有するインクは分子構造が緩い方向となるので、例えば耐エタノール性などの耐溶剤性に劣り、清掃などで容易に曇ってしまうなどの問題を生じ易い。この耐溶剤性に優れたトップコート層であると、分子構造が強固な、即ち、硬い、伸びないインクとなり、このため、上述の如く折り曲げ部のR開始位置までの領域に塗布する必要がある。
次に、インク吹付塗布絵柄層についても同様な問題があり、トップコート層の外側まで塗布すると、例えば耐エタノール性などの耐溶剤性に劣り、清掃などで溶剤により容易に絵柄が溶けるなどの問題を生じ易い。また、インク吹付塗布絵柄層からはみ出した部分に傷が付いたり、はみ出し部分が削れるなどの問題を生じ、意匠性を損なうおそれもある。
このため、トップコート層の下にインク吹付塗布絵柄層を位置させる必要があり、このため、上述の如く折り曲げ部の外側のR開始位置までの領域にインク吹付絵柄層を形成する必要がある。
本発明によれば、意匠性に優れ、かつ、曲げ加工を行っても、曲面部にクラックが入らず、高い成形性を有するとともに、仕掛り在庫を持つ場合においても、平板の状態で保管できることから、保管スペースを広く取る必要のない化粧金属板を得ることができる。
本発明の化粧金属板及びそれからなる化粧金属パネルは、壁、天井等のユニットバスやキッチンを含む建築物内装材、扉、扉枠、窓枠等の建具の表面材、キャビネット等の家具の表面材などにも広く使用できる。
A…化粧金属板、1…金属基材、2…有色下地層、3…絵柄層、4…トップコート層。

Claims (3)

  1. 金属基材と、該金属基材の表面を隠蔽する有色下地層と、該有色下地層の表面に複数の有色UVインクから構成されたインク吹付塗布絵柄層と、該インク吹付塗布絵柄層の表面に無色で透光性を有するUVインクで形成されたインク吹付塗布トップコート層を備え、前記基材の端縁面を曲げ加工することにより形成されたフランジを有する化粧金属板であって、
    前記絵柄層及び前記トップコート層が、少なくとも前記フランジの曲げ加工部にかからないように前記曲げ加工部フランジを除いた部分に形成されたことを特徴とする、化粧金属板。
  2. 金属基材と、該金属基材の表面を隠蔽する有色下地層と、該有色下地層の表面に複数の有色UVインクから構成されたインク吹付塗布絵柄層と、該インク吹付塗布絵柄層の表面に無色で透光性を有するUVインクで形成されたインク吹付塗布トップコート層を備え、前記基材の端縁面を曲げ加工することにより形成されたフランジを有する化粧金属板であって、前記インク吹付塗布絵柄層及び前記インク吹付塗布トップコート層が、少なくとも前記フランジの曲げ加工部にかからないように前記曲げ加工部フランジを除いた部分に形成された化粧金属板の製作工程において、
    始めに、前記有色下地層の表面に絵柄層およびトップコート層をUVインクジェットプリンターで少なくとも前記フランジの前記曲げ加工部にかからない範囲で印刷形成し、次いで端縁面の曲げ加工を行う工程を有することを特徴とする、化粧金属板の製造方法。
  3. 請求項1に記載の化粧金属板を備えたことを特徴とする浴室ユニット。
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