JP2007197931A - 壁パネル及びその壁パネルを備えた浴室ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上にインクジェット印刷を行い、その後、当該基板を折り曲げ、フランジを形成するパネルであって、インクジェット印刷領域が、フランジ形成部領域までを含む壁パネルである。
【選択図】図2
Description
鮮明度の落ちた印刷柄を有した壁パネルは、複数の壁パネルを並設設置すると、隣り合う壁パネル間に柄の不鮮明な継ぎ目を生じ、意匠性を損なう問題がある。特に2枚の壁パネルに連続した図柄(2枚の壁パネルに跨る図柄)等をデザインした場合は、前述した継ぎ目により全体のデザインが損なわれてしまい、より大きな問題となる。
更には、フランジ部には、インクが飛び散ったような印刷跡が発生するため、予めフランジ部にはマスキング処理を施す必要があり、製造時の工程が増える問題もある。
このような問題は、インクジェット印刷に限らず、スクリーン印刷の場合であっても、平面でしか印刷対応できないために、隣り合う壁パネルとの間に同様な問題が発生する。
(2)項(1)において、フランジ形成部領域が、インクジェット印刷された位置合わせ印、又は、製品番号を有した壁パネル。
(3)項(1)又は(2)において、フランジ形成部領域が、その面積の1/2以下の領域にインクジェット印刷領域を有する壁パネル。
(4)項(1)乃至(3)の何れかにおいて、基板が、その表面に、インクジェット印刷された付帯機具設置位置印を有する壁パネル。
(5)項(1)乃至(4)の何れかにおいて、基板が、隣接設置される基板と連続した図柄を有する壁パネル。
(6)項(1)乃至(5)の何れかにおいて、基板が、インクジェット印刷されたフランジ形成部領域同士を対向させて並設される壁パネル。
(7)項(1)乃至(6)の何れかにおいて、基板が、その表面保護を行うフィルム、又は、透明性樹脂塗料を有する壁パネル。
(8)項(1)乃至(7)の何れかに記載される壁パネルを備えた浴室ユニット。
フランジ形成部領域が、位置合わせ印又は製品番号を有する場合は、柄と同一工程にて印刷することが可能となり、製造工程を短縮し、且つ、組立作業性を向上させることができる。
フランジ形成部領域が、その面積の1/2以下の領域にインクジェット印刷領域を有する場合は、後に使用者の目に触れることのないフランジ部分への印刷量を減らすことで、インク使用量を低減し、印刷時間を短縮することができる。
基板が、その表面に付帯器具設置位置印を有する場合は、工程数を増やすことなく、印を印刷することができ、現場施工時においては、寸法を測ることなく棚設置場所等を特定することができ、施工時間の短縮を図ることができる。
基板が、隣接設置される基板と連続した図柄を有する場合は、個々の基板端部での印刷が鮮明であることから、使用者が違和感を覚えずに、1つの大きな図柄であることを認識でき、意匠性を向上させることができる。
インクジェット印刷されたフランジ形成部領域同士を対向させた場合は、印刷領域に多少のずれが生じたとしても、使用者の目に触れる基板表面から、使用者の目に触れることのないフランジ形成部領域までインクジェット印刷が行われているので、隣接させた壁パネル間に印刷のない部分が露出することがない。
基板が、表面保護材を有する場合は、長期に亘り図柄を保護することができ、特に浴室内等の水場での使用に適している。
本発明の浴室ユニットは、上記効果を奏することにより、快適な空間を演出することができる。
また、インク色は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの他、ホワイト、グレー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトイエロー、透光色等適宜選定することができる。
印刷する柄、色、解像度は特に制限することはなく、自由な柄、色を印刷することができる。
また、基板の大きさ、厚さは、その用途により適宜選定することができるが、基材の強度向上と複数の壁パネルの連結を容易にするため端面にフランジを形成する。
基材表面は、インクジェットインクのにじみを抑える目的として、受理層を付けることが好ましい。受理層は、ポリエステル系、塩化ビニル系等のフィルム、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系等のプライマー等を使用することができる。更に、受理層の耐溶剤性能を落とすこと、またこれらにコロナ処理、プラズマ処理等を行うことにより、インクジェットインク層の密着性を向上させることから特に好ましい。着色も制限するものではない。受理層の厚みは特に制限するものではないが、印刷インキを吸収し密着性を向上させ、またインクの広がりを防ぎ柄の鮮明さを確保する為、1μm〜200μmであることが好ましい。
また、インクジェット印刷領域は、少なくともフランジ形成部領域を含むものであり、フランジ形成部領域は、印刷した後に折り曲げてフランジとなる部分を意味する。
より具体的に述べると、基板が長方形である場合、その表面にインクジェット印刷を行い、四隅を切り欠いた後に、四辺を折り曲げフランジを形成するが、このフランジとなる四辺の全て、又はその中の一部の辺、若しくは、その中の一部の辺の更に一部にインクジェット印刷された部分がある。
より具体的に述べると、印刷図柄の位置精度を考慮した場合、生産上折り曲げ位置精度は±1mm程度必要となる。印刷精度については、一般的なインクジェット印刷の場合、印刷方向に対しては±0.1%の印刷距離誤差があり、直進性は、1000mmに対し±1mmの誤差が生じる。これに印刷開始位置誤差が±2mmとすると、印刷誤差は合計で±4mmとなる。即ち、フランジ曲げ精度の±1mmを含めると、長さ1000mmの壁パネルに対しては、図柄の位置誤差が、±5mm生じる。
位置誤差が、最大と最小の組み合わせを考慮した場合に、隣り合う壁パネルとのずれは10mm発生する可能性があることから、フランジ曲げ寸法20mmの場合、フランジ領域の半分の10mmに印刷されていれば好ましい。
更には、機械の折り曲げ精度を上げたり、印刷精度については、直進性を上げるために進行方向に対しガイドを設けるなどを施して、フランジ領域の半分以下とすればなお好ましい。
印は、施工業者が理解できるものであればよく、図柄、文字、記号等を適宜使用することができる。
製品番号は、日付を数値化した番号でもバーコートなどでもよく、特に限定するものではない。
印刷する位置については、限定されないが、印刷開始位置とするのが、その後の印刷位置精度の影響が少ないことから好ましい。
尚、付帯器具とは、壁パネルに対し設置されるものであり、具体的には、鏡、棚、水栓、カウンタ、シャワー、取手、浴槽取付金具、窓取付金具、補助棒、照明器具等を意味する。
また、透明性樹脂塗料とは、硬化後に透明性(無色透明、着色透明、半透明を含み、インク層を見ることができるという意味)を有するものであれば特に制限されるものではなく、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。また、透明性樹脂塗料には、他特性付与のために揺変剤、湿潤・分散剤、表面調整剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤、模様剤などを必要に応じて使用することができる。
幅1040mm、長さ2040mm、厚さ0.5mmの溶融亜鉛メッキ鋼鈑に、ポリエステル系白色フィルム60μmを積層した。
次いで、画像製作ソフトにて富士山の図柄(幅1020mm×長さ2020mm)のデータを作り、その図柄から外れる上の位置に、製造番号を、また、図柄上には照明器具の取り付け位置をデータ上で作図した。
作成した図柄データを、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色から成る溶剤インクを使用したインクジェットプリンタで、上記ポリエステル系白色フィルム60μmの表面に印刷した。
表面のインクを乾燥する目的で、乾燥炉内にて80℃、30分間放置し、インクが乾燥した後、表面に厚み65μの塩化ビニル製保護フィルムをキズ防止として貼り付けた。
基材の四隅を切り欠き加工機で切り落とし、4辺を折り曲げ加工機にて、R0.5mm、各辺高さ20mmのフランジを形成した。
保護フィルムを剥がし、無色透明なアクリルウレタン塗料をスプレー塗装にて塗布硬化させ、壁パネルを完成させた。
得られた壁パネルは、利用者の目に止まる印刷面の中央からフランジ部にかかる端部にわたるまで、鮮明な柄がつけられ、また、ユニット組立て時に寸法測定が不要となる照明器具取り付け位置も印刷された壁パネルを製作することができた。
幅1040mm、長さ2040mm、厚さ0.5mmの2枚の溶融亜鉛メッキ鋼鈑に、ポリエステル系白色フィルム60μmを積層した。
画像製作ソフトにて左右並べた時に連続する富士山の図柄(幅2080mm×長さ2020mm)のデータを作り、そのデータを幅1060mmで2つのデータに分けた。
分けられたデータの一部は図柄から外れる上の位置には製造番号を、また、図柄上には照明器具の取り付け位置をデータ上で作図した。
作成した図柄データを、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色から成る溶剤インクを使用したインクジェットプリンタにて、上記ポリエステル系白色フィルム60μmの表面に印刷した。
表面のインクを乾燥する目的で、乾燥炉内にて80℃、30分間放置し、インクが乾燥した後、表面に厚み65μmの塩化ビニル製保護フィルムをキズ防止として貼り付けた。
基材の四隅を切り欠き加工機で切り落とし、4辺を折り曲げ加工機にて、R0.5mm、各辺高さ20mmのフランジを形成した。
保護フィルムを剥がし、無色透明なアクリルウレタン塗料をスプレー塗装にて塗布硬化させ、壁パネルを完成させた。
得られた壁パネルは、2枚並設した際に、印刷柄の連続した富士山の図柄となり、利用者の目に止まる並設部まで、鮮明な柄がつけられ、また、ユニット組立て時に寸法測定が不要となる照明器具取り付け位置も印刷された壁パネルを製作することができた。
Claims (8)
- 基板上にインクジェット印刷を行い、その後基板を折り曲げ、フランジを形成するパネルであって、インクジェット印刷領域が、フランジ形成部領域を含む壁パネル。
- 請求項1において、フランジ形成部領域が、インクジェット印刷された位置合わせ印、又は、製品番号を有した壁パネル。
- 請求項1又は2において、フランジ形成部領域が、その面積の1/2以下の領域にインクジェット印刷領域を有する壁パネル。
- 請求項1乃至3の何れかにおいて、基板が、その表面に、インクジェット印刷された付帯機具設置位置印を有する壁パネル。
- 請求項1乃至4の何れかにおいて、基板が、隣接設置される基板と連続した図柄を有する壁パネル。
- 請求項1乃至5の何れかにおいて、基板が、インクジェット印刷されたフランジ形成部領域同士を対向させて並設される壁パネル。
- 請求項1乃至6の何れかにおいて、基板が、その表面保護を行うフィルム、又は、透明性樹脂塗料を有する壁パネル。
- 請求項1乃至7の何れかに記載される壁パネルを備えた浴室ユニット。
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