JP2008050904A - 鋼板パネル及びこの鋼板パネルを用いた浴室壁パネル - Google Patents

鋼板パネル及びこの鋼板パネルを用いた浴室壁パネル Download PDF

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和彦 須藤
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Abstract

【課題】 本発明は、高価であり、専用機となるインクジェットプリンタを用いることなく、汎用のインクジェットプリンタを用いて、精度よく印刷可能な鋼板パネル、及び、この鋼板パネルを用いた浴室壁パネルを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、鋼板基材と、この鋼板基材の片面にインクジェット印刷される印刷層と、上記鋼板基材の印刷層と反対の面に配置され鋼板表面よりも摩擦係数の大きい摩擦材層とを備えた鋼板パネルである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、インクジェット印刷により印刷層を設けた鋼板パネル、特にこの鋼板パネルを用いた浴室壁パネルに関する。
鋼板パネルは、その値段及び取扱のしやすさから、様々な分野に用いられており、例えば浴室の壁材として好適に使用されている。
また、鋼板パネルは、そのまま使用すると、金属色が見え、使用者に不快感を与えることがあるので、色を付けたカラー鋼板、色及び模様を施した加飾鋼板等を一般的に使用している。
加飾鋼板は、スクリーン印刷、印刷柄シートの張付、インクジェット印刷等、様々な手法により製造されるが、近年では、少量他品種な要求に対し、素早く対応できるように、インクジェット印刷による加飾が、多くなってきている。
特開2005−9191
しかしながら、前述したような鋼板へのインクジェット印刷においては、送りローラと鋼板との摩擦係数が低いため印刷精度の低下が問題となる。
インクジェット印刷機は、比較的摩擦係数の大きな、紙等に使用するものであるため、摩擦係数が紙よりも小さい鋼板に対して、精度よく印刷することが困難である。
より具体的には、インクジェット印刷機の送りローラと、鋼板との間で、滑りが発生し、本来送るべき量を送れずに、それよりも短い距離を送ってしまい、印刷サイズが、本来印刷すべきサイズよりも小さくなる、といった現象が発生する。
このような問題は、鋼板に合った送り機構を設けることにより解消されるものの、そのような特殊インクジェットプリンタは高額であり、しかも、鋼板専用のものとなって、他への転用を行うことができない。
本発明は、高価であり、専用機となるインクジェットプリンタを用いることなく、汎用のインクジェットプリンタを用いて、精度よく印刷可能な鋼板パネル、及び、この鋼板パネルを用いた浴室壁パネルを提供することを目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)鋼板基材と、この鋼板基材の片面にインクジェット印刷される印刷層と、上記鋼板基材の印刷層と反対の面に配置され鋼板表面よりも摩擦係数の大きい摩擦材層とを備えた鋼板パネル。
(2)項(1)において、印刷層が、透明樹脂層により覆われた鋼板パネル。
(3)項(1)又は(2)において、摩擦材層が、ホットメルト樹脂である鋼板パネル。
(4)項(1)乃至(3)の何れかに記載の鋼板パネルを用いた浴室壁パネル。
本発明によれば、摩擦材層を形成したことにより、インクジェット印刷機の送りローラと、鋼板との間での滑りが減少し、より正確な鋼板送りが可能となることから、印刷のずれを少なくすることができる。
また、印刷層を透明樹脂層にて覆った場合は、印刷模様に光沢及び深みを与えることができると共に、水場にて使用した場合でも耐久性を有するものとすることができる。
摩擦材としてホットメルト樹脂を用いた場合は、このホットメルト樹脂が、そのまま保温材及び補強材となり、更には、再活性現象を利用することで、鋼板パネルの廃棄時に分別を行いやすく、リサイクルのし易いものとすることができる。
本発明にて述べる鋼板基材は、剛性を有するものであり、浴室壁パネル等の水場にて使用する場合は、金属板に防錆のめっき処理を施すか、防錆性能を有するものを使用することが好ましい。
また、鋼板の大きさ、厚さは、その用途により適宜選定することができる。
鋼板基材の印刷を行う面(印刷層)は、鮮明なインクジェット印刷を行うため、受理層を有することが好ましく、この受理層は、ポリエステル系、塩化ビニル系等のフィルム、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系等のプライマー等を使用することができる。受理層の厚みは、特に制限するものではないが、印刷インキを吸収し密着性を向上させ、またインクの広がりを防ぎ柄の鮮明さを確保する為、1μm〜200μm程度であることが好ましい。
本発明にて述べる透明樹脂層とは、硬化後に透明性(無色透明、着色透明、半透明を含み、印刷層を見ることができるという意味)を有するものであれば特に制限されるものではなく、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
また、透明樹脂層には、他特性付与のために揺変剤、湿潤・分散剤、表面調整剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤、模様剤等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて述べる摩擦材層は、特に制限されるものではなく、鋼板表面の摩擦係数0.2〜0.3よりも摩擦係数が大きいものを用いることができ、特に摩擦係数が0.5〜0.8と鋼板表面より大きい値であるアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂を使用することが好ましい。
更に、壁パネルを製造する際には、保温材や補強剤を貼り付ける接着作業の作業性向上や廃棄時の分別の容易性の観点から合成樹脂の中でも特に、ホットメルト樹脂を用いることがより好ましい。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す摩擦材層を設ける作業手順を示す分解斜視図であり、(a)は摩擦材層を設ける前の鋼板を示し、(b)は摩擦材層成形時の鋼板を示し、(c)は摩擦材層成形後の鋼板を示す。
鋼板1は、幅1040mm、長さ2040mm、厚さ0.5mmの溶融亜鉛メッキ鋼鈑を使用してあり、その印刷面に、ポリエステル系白色フィルム60μmを積層してある。鋼板1は、印刷面とは反対側の面を上に向け、そこにスプレーガン2によりアクリルウレタン塗料を塗布する。
アクリルウレタン塗料の乾燥後は、鋼板2に印刷する印刷柄(幅1020mm、長さ2020mm)を画像作成ソフトにより作成し、この印刷柄データを基に、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクを有するインクジェットプリンタにて、図2に示す印刷柄の印刷を行った。
図3は、インクジェット印刷の状態を示す概略斜視図である。
印刷は、アクリルウレタン塗料を塗布した面が送りローラ3と接するようにし、ポリエステル系白色フィルムを積層した面に、インクジェットヘッド4により印刷を行う。印刷後は、印刷層への水の侵入を阻止するために、トップ層としてアクリルウレタン塗料を全面に吹き付ける。
印刷された鋼板は、図4に示すように、摩擦材としてのアクリルウレタン塗料、防錆塗料、溶融亜鉛めっき鋼板、ポリエステル系白色フィルム、印刷層、トップ層を備え、印刷された柄は、長さ2020mmにて±2mmの精度(±0.1%以内)にて印刷を行うことができた。
本発明の1実施例を示す摩擦材層を設ける作業手順を示す分解斜視図であり、(a)は摩擦材層を設ける前の鋼板を示し、(b)は摩擦材層成形時の鋼板を示し、(c)は摩擦材層成形後の鋼板を示す。 本発明の1実施例である鋼板パネルへの印刷柄を示す平面図である。 インクジェット印刷の状態を示す概略斜視図である。 本発明の1実施例である鋼板パネルの断面図を示す。
符号の説明
1…鋼板、2…スプレーガン、3…送りローラ、4…インクジェットヘッド



Claims (4)

  1. 鋼板基材と、この鋼板基材の片面にインクジェット印刷される印刷層と、上記鋼板基材の印刷層と反対の面に配置され鋼板表面よりも摩擦係数の大きい摩擦材層とを備えた鋼板パネル。
  2. 請求項1において、印刷層が、透明樹脂層により覆われた鋼板パネル。
  3. 請求項1又は2において、摩擦材層が、ホットメルト樹脂である鋼板パネル。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の鋼板パネルを用いた浴室壁パネル。


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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9503633B2 (en) 2013-01-15 2016-11-22 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus, image capturing apparatus, image processing method, and storage medium
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