JP2017124519A - インクジェット印刷装置及びインクジェット印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送される平面形状の被印刷物への印刷を行う連続型のインクジェット印刷装置において、ドット形状の不具合を低減することにより、印刷精度を向上させる。【解決手段】搬送される平面形状の被印刷物に対してインクの液滴を射出するインク射出装置と、射出された前記液滴を帯電させる帯電装置と、帯電された前記液滴の飛翔方向を前記被印刷物の搬送方向と交差する方向である偏向方向へ偏向する第1の偏向板と、前記第1の偏向板によって偏向された前記飛翔方向を前記偏向方向に対して逆方向へ偏向する第2の偏向板と、を備える、インクジェット印刷装置。【選択図】図8

Description

本発明は、インクジェット印刷装置及びインクジェット印刷方法に関する。
近年、紙や板材等の被印刷物の表面へ文字や、図形、記号、模様等を付す目的で、被印刷物への印刷を行うインクジェット印刷装置が知られている。例えば、主に紙への印刷において用いられるインクジェット印刷装置として、オンデマンド型のインクジェット印刷装置が知られている。オンデマンド型のインクジェット印刷装置には、被印刷物へインクの液滴を射出する複数のヘッドが設けられており、当該複数のヘッドにより同時にインクの液滴が射出されることにより、被印刷物への印刷が行われる。
一方、他の印刷方式についてのインクジェット印刷装置として、連続型のインクジェット印刷装置が知られている。連続型のインクジェット印刷装置では、搬送される被印刷物に対して、ヘッドにおいてインクの液滴が射出され、インクの液滴の飛翔方向が被印刷物の搬送方向と交差する方向へ偏向されることにより、被印刷物への印刷が行われる。
被印刷物として鋼板等の板材が用いられる場合、紙へ印刷する場合と異なり、板材のロット間での厚さの変動に伴い、ヘッドと被印刷物との距離間隔は、変動し得る。オンデマンド型のインクジェット印刷装置では、ヘッドによるインクの液滴の射出力が比較的小さいため、ヘッドと被印刷物との距離間隔が変動し得る鋼板等の板材への印刷において、インクの液滴の射出力が十分に確保できない場合がある。よって、鋼板等の板材への印刷においては、ヘッドによるインクの液滴の射出力が比較的大きい連続型のインクジェット印刷装置が利用されることが多い。このような連続型のインクジェット印刷装置において、印刷精度を向上するための技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、被印字物上の印字位置や被印字物の搬送方向に対する文字の大きさを被印字物の搬送速度の変化によらずに一定に保つために、被印字物検出手段を複数個使用することにより、被印字物の搬送速度を検出する技術が開示されている。
特開2008−114471号公報
ところで、連続型のインクジェット印刷装置を用いた印刷において、印刷精度を向上させることが困難である場合がある。従来の連続型のインクジェット印刷装置は、インク射出装置から射出されたインクの液滴の飛翔方向を被印刷物の搬送方向と交差する方向へ偏向し、被印刷物の印刷面へドットを連続的に形成することにより、被印刷物への印刷を行う。ゆえに、インクの液滴が印刷面に接触するときの当該液滴の飛翔方向は、印刷面と略直交する方向に対して傾き得る。よって、インクの液滴が印刷面に接触するときの当該液滴の飛翔速度は、印刷面の平面方向成分を有し得る。また、当該平面方向成分の大きさは、印刷面に接触するときにおける当該液滴の飛翔方向の印刷面と略直交する方向に対する傾きの大きさに依存する。
ここで、射出されたインクの液滴は、被印刷物の印刷面に接触した後、形状が安定するまでの間、表面張力の作用により搖動する。インクの液滴が印刷面に接触した後、インクの液滴の被印刷物との界面の近傍の部分は、印刷面に濡れ広がり付着する。一方、インクの液滴が印刷面に接触した後、インクの液滴の被印刷物との界面から遠い側の部分は、印刷面に接触したときの当該液滴の飛翔方向における印刷面の平面方向成分に応じた速度で平面方向へ移動する。ゆえに、インクの液滴が搖動する過程において、被印刷物との界面から遠い側の部分は、被印刷物との界面の近傍の部分に対して、被印刷物の印刷面の平面方向へ相対的に移動する。
よって、インクの液滴の形状が安定するまでの間において、被印刷物との界面から遠い側の部分と被印刷物との界面の近傍の部分との間には、被印刷物との界面から遠い側の部分の移動速度が大きいほど、大きな張力が掛かり得る。印刷面に接触するときにおけるインクの液滴の飛翔方向の印刷面と略直交する方向に対する傾きが大きいほど、飛翔速度の印刷面の平面方向成分は大きくなるので、被印刷物との界面から遠い側の部分の移動速度が大きくなる。従って、印刷面に接触するときにおけるインクの液滴の飛翔方向の印刷面と略直交する方向に対する傾きが比較的大きい場合に、被印刷物に形成されたドットから離れた位置にインクの液滴の一部が飛散する液飛び、被印刷物に形成されたドットの一部の形状が乱れるハネ、又は被印刷物に形成されたドットの形状が楕円形状になる印字変形等のドット形状の不具合が生じ得る。それにより、例えば、印刷パターンの装飾としての品質が低下することや、印刷パターンがバーコードである場合に当該バーコードの読み取り精度が低下すること等の問題が生じ得る。これらの現象及び問題は、インクの液滴の形状が安定する段階において繊維間に当該液滴を吸収しやすい紙については、比較的生じにくいものの、生じる場合がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、搬送される平面形状の被印刷物への印刷を行う連続型のインクジェット印刷装置において、ドット形状の不具合を低減することにより、印刷精度を向上させることが可能な、新規かつ改良されたインクジェット印刷装置及びインクジェット印刷方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、搬送される平面形状の被印刷物に対してインクの液滴を射出するインク射出装置と、射出された前記液滴を帯電させる帯電装置と、帯電された前記液滴の飛翔方向を前記被印刷物の搬送方向と交差する方向である偏向方向へ偏向する第1の偏向板と、前記第1の偏向板によって偏向された前記飛翔方向を前記偏向方向に対して逆方向へ偏向する第2の偏向板と、を備える、インクジェット印刷装置が提供される。
前記第1の偏向板による前記飛翔方向の偏向角度及び前記第2の偏向板による前記飛翔方向の偏向角度は、それぞれ調整可能であり、かつ前記被印刷物の印刷面に接触するときにおける前記液滴の飛翔方向の前記印刷面と略直交する方向に対する傾きは3°以下に調整可能であってもよい。
前記被印刷物に前記液滴が付着して形成されたドットについてのドット形状の不具合を検出する検出部と、前記ドット形状の不具合が検出された場合に、前記第2の偏向板による前記飛翔方向の偏向角度を調整する制御部と、をさらに備えてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、搬送される平面形状の被印刷物に対してインクの液滴を射出する工程と、射出された前記液滴を帯電させる工程と、帯電された前記液滴の飛翔方向を前記被印刷物の搬送方向と交差する方向である偏向方向へ第1の偏向板によって偏向する工程と、前記第1の偏向板によって偏向された前記飛翔方向を前記偏向方向に対して逆方向へ、第2の偏向板によって偏向する工程と、を含む、インクジェット印刷方法が提供される。
前記第1の偏向板による前記飛翔方向の偏向角度及び前記第2の偏向板による前記飛翔方向の偏向角度を予め調整する工程をさらに含み、前記被印刷物の印刷面に接触するときにおける前記液滴の飛翔方向の前記印刷面と略直交する方向に対する傾きは3°以下であってもよい。
以上説明したように本発明によれば、搬送される平面形状の被印刷物への印刷を行う連続型のインクジェット印刷装置において、ドット形状の不具合を低減することにより、印刷精度を向上させることが可能となる。
本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成の一例を示す模式図である。 同実施形態に係るヘッドの構成の一例について説明するための模式図である。 比較例に係るヘッドによるインクの液滴の飛翔方向の偏向について説明するための説明図である。 印刷面と接触するときのインクの液滴の飛翔方向が印刷面と略直交する場合における、被印刷物との接触後のインクの液滴の挙動について説明するための説明図である。 印刷面と接触するときのインクの液滴の飛翔方向が印刷面と略直交する方向に対して傾く場合における、被印刷物との接触後のインクの液滴の挙動について説明するための説明図である。 ドット形状の不具合の具体例を示す説明図である。 同実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す模式図である。 同実施形態に係るヘッドによるインクの液滴の飛翔方向の偏向について説明するための説明図である。 応用例に係る制御装置の機能構成の一例を示す模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.インクジェット印刷装置の構成>
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るインクジェット印刷装置10の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るインクジェット印刷装置10の概略構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、インクジェット印刷装置10は、ヘッド200と、本体300と、を備える。
ヘッド200は、本体300から出力される動作指示に基づいて、インクの液滴を射出し、搬送される鋼板等の平面形状の被印刷物の印刷面にドットを形成することにより、当該被印刷物への印刷を行う。具体的には、ヘッド200は、インクの液滴を射出し、射出されたインクの液滴の飛翔方向を被印刷物の搬送方向と交差する方向へ偏向し、被印刷物の印刷面へドットを連続的に形成することにより、被印刷物への印刷を行う。以下、図2を参照して、ヘッド200の構成について、説明する。
図2は、本実施形態に係るヘッド200の構成の一例について説明するための模式図である。図2に示すように、ヘッド200は、インク射出装置210と、帯電装置220と、偏向部230と、ガター240と、を備える。また、図2において、矢印W40は、被印刷物400の搬送方向を示す。
インク射出装置210は、搬送される平面形状の被印刷物400に対してインクの液滴800を射出する。具体的には、インク射出装置210へ供給されたインクは、ポンプ310の圧力によって液柱として放出され、表面張力により放出直後に空中で液滴800に分割される。それにより、インク射出装置210によるインクの液滴800の射出が実現される。インク射出装置210から射出された時点におけるインクの液滴800の飛翔方向は、例えば、被印刷物400の印刷面F40と略直交してもよい。
帯電装置220は、射出されたインクの液滴800を帯電させる。それにより、インク射出装置210によって射出されたインクの液滴800には、帯電装置220により電荷が付加される。そして、帯電されたインクの液滴800の飛翔方向が偏向部230によって偏向された後、液滴800は被印刷物400の印刷面F40へ向かって飛翔する。
本実施形態では、偏向部230は、第1の偏向板231と、第2の偏向板232と、を備える。第1の偏向板231及び第2の偏向板232は、それぞれインクの液滴800の飛翔方向を偏向する。具体的には、第1の偏向板231及び第2の偏向板232の各々は、対向して配置されたマイナス電極とプラス電極とにより構成され、電極間に電場を生じさせることによって、当該電極間を通過する帯電した液滴800に力を与えることによって、飛翔方向を偏向する。
インクの液滴800の偏向前の飛翔方向と偏向後の飛翔方向とのなす角である偏向角度は、主に帯電装置220により付加される電荷並びに第1の偏向板231及び第2の偏向板232により発生するそれぞれの電場の大きさに依存する。帯電装置220及び偏向部230は、本体300の制御装置350からの動作指示に基づいて動作し、当該電荷及び電場の大きさは、制御装置350によって制御される。当該電荷及び電場の大きさを調整することにより、インクの液滴800の飛翔方向を調整し得る。
本実施形態では、第1の偏向板231は、帯電装置220によって帯電された液滴800の飛翔方向を被印刷物400の搬送方向と交差する方向である偏向方向へ偏向する。図2における矢印W23は、第1の偏向板231による当該偏向方向を示す。また、第2の偏向板232は、第1の偏向板231によって偏向された液滴800の飛翔方向を当該偏向方向に対して逆方向へ偏向する。このような第1の偏向板231及び第2の偏向板232を備える本実施形態に係るインクジェット印刷装置10によれば、被印刷物400への印刷におけるドット形状の不具合を低減することができる。それにより、印刷精度を向上させることが可能となる。係るインクジェット印刷装置10における、第1の偏向板231及び第2の偏向板232によるインクの液滴800の飛翔方向の偏向の詳細については、後述する。
ガター240は、インク射出装置210により射出された後印刷に用いられないインクの液滴800を回収する。ガター240は、図示しないチューブ等によって、図1に示した本体300のタンク320と接続されており、ガター240により回収されたインクは、タンク320へ貯留される。また、インク射出装置210は、図示しないチューブ等によって、図1に示した本体300のポンプ310と接続されており、ポンプ310により、インク射出装置210へインクが供給される。
図1に示す本体300は、ポンプ310と、タンク320と、操作入力装置330と、表示装置340と、制御装置350と、を備える。
タンク320には、ヘッド200のガター240により回収されたインクが貯留される。タンク320に貯留されたインクはポンプ310によってヘッド200のインク射出装置210へ供給される。
操作入力装置330は、オペレータによる印刷パターンの入力や各設定値の変更を受け付ける機能を有する。当該機能は、例えば、タッチセンサ、キーボード、キーパッド、ボタン、スイッチやマイクロフォン等により実現される。操作入力装置330は、入力された情報を制御装置350へ出力する。
表示装置340は、ヘッド200により被印刷物400へ印刷される印刷パターンを示す情報や各種設定値等を表示する。当該機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、又はOLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。
制御装置350は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、データ等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)装置などのデータ格納用記憶装置等で構成される。
制御装置350は、インクジェット印刷装置10を構成する各装置の動作を制御する。具体的には、制御装置350は、インク射出装置210の駆動、帯電装置220によるインクの液滴800の帯電、偏向部230による液滴800の飛翔方向の偏向、ポンプ310の駆動及び表示装置340による表示を制御する。なお、本実施形態に係る制御装置350が有する機能は複数の制御装置により分割されてもよく、その場合、当該複数の制御装置は、通信バスを介して、互いに接続されてもよい。なお、制御装置350の詳細については、後述する。
<2.被印刷物への接触後のインクの液滴の挙動>
続いて、図3〜図6を参照して、被印刷物400への接触後のインクの液滴800の挙動について説明する。図3は、比較例に係るヘッド700によるインクの液滴の飛翔方向の偏向について説明するための説明図である。図3では、ヘッド700の構成が模式的に示されている。
図3に示したように、比較例に係るヘッド700の偏向部730は、本実施形態に係るヘッド200と異なり、第2の偏向板を備えず、一対の電極からなる1つの偏向板により構成される。ゆえに、比較例では、帯電装置220により帯電されたインクの液滴800は、飛翔方向が1つの偏向板により偏向された後、被印刷物400の印刷面F10へ向かって飛翔する。よって、印刷面F40に接触するときの液滴800の飛翔方向は、印刷面F40と略直交する方向に対して、偏向部730による液滴800の飛翔方向の偏向角度A71の分傾き得る。なお、図3における矢印W73は、偏向部730によってインクの液滴800の飛翔方向が偏向される方向である偏向方向を示す。
ここで、インク射出装置210から射出された時点におけるインクの液滴800の飛翔方向は、被印刷物400の印刷面F40と略直交してもよい。ゆえに、偏向角度A71が0である場合において、印刷面F40に接触するときの液滴800の飛翔方向は、印刷面F40と略直交する。以下、インクの液滴800の被印刷物400への接触後の挙動について、印刷面F40と接触するときの液滴800の飛翔方向が印刷面F40と略直交する場合と、印刷面F40と接触するときの液滴800の飛翔方向が印刷面F40と略直交する方向に対して傾く場合について、分けて説明する。
図4は、印刷面F40と接触するときのインクの液滴800の飛翔方向が印刷面F40と略直交する場合における、被印刷物400との接触後のインクの液滴800の挙動について説明するための説明図である。具体的には、図4では、偏向角度A71が0である場合における、被印刷物400との接触後のインクの液滴800の挙動が示されている。また、図4は、被印刷物400の長手方向から見た図である。ゆえに、被印刷物400の搬送方向は、図4の紙面に対して直交する。
図4に示したように、まず、ヘッド700から射出されたインクの液滴800が、被印刷物400の印刷面F40に接触する。そして、インクの液滴800は、被印刷物400の印刷面F40に接触した後、形状が安定するまでの間、表面張力の作用により搖動する。例えば、図4に示したように、インクの液滴800の搖動において、インクの液滴800の被印刷物400との界面から遠い側の部分800fが、被印刷物400に対して接近及び離反を繰り返す。
ここで、図4に示す例では、印刷面F40に接触するときの液滴800の飛翔方向が印刷面F40と略直交するので、液滴800の飛翔速度は印刷面F40の平面方向成分を有しない。ゆえに、インクの液滴800が搖動する過程において、印刷面F40に濡れ広がった被印刷物400との界面の近傍の部分800nと、被印刷物400との界面から遠い側の部分800fとの、印刷面F40の平面方向についての相対的な位置関係は変化しない。インクの液滴800の形状が安定した後、被印刷物400にドット900が形成される。
図5は、印刷面F40と接触するときのインクの液滴800の飛翔方向が印刷面F40と略直交する方向に対して傾く場合における、被印刷物400との接触後のインクの液滴800の挙動について説明するための説明図である。具体的には、図5では、偏向角度A71が0でない場合における、被印刷物400との接触後のインクの液滴800の挙動が示されている。また、図5は、被印刷物400の長手方向から見た図である。ゆえに、被印刷物400の搬送方向は、図5の紙面に対して直交する。
図5に示したように、まず、ヘッド700から射出されたインクの液滴800が、被印刷物400の印刷面F40に接触する。そして、インクの液滴800は、被印刷物400の印刷面F40に接触した後、形状が安定するまでの間、表面張力の作用により搖動する。例えば、図5に示したように、インクの液滴800の搖動において、インクの液滴800の被印刷物400との界面から遠い側の部分800fが、被印刷物400に対して接近及び離反を繰り返す。
ここで、図5に示す例では、印刷面F40に接触するときの液滴800の飛翔方向が印刷面F40と略直交する方向に対して傾くので、液滴800の飛翔速度は印刷面F40の平面方向成分を有する。ゆえに、インクの液滴800が印刷面F40に接触した後、液滴800の被印刷物400との界面から遠い側の部分800fは、印刷面F40に接触したときの液滴800の飛翔方向における印刷面F40の平面方向成分に応じた速度で平面方向へ移動する。ゆえに、インクの液滴800が搖動する過程において、被印刷物400との界面から遠い側の部分800fは、被印刷物400との界面の近傍の部分800nに対して、印刷面F40の平面方向へ相対的に移動する。
よって、インクの液滴800の形状が安定するまでの間において、被印刷物400との界面から遠い側の部分800fと被印刷物400との界面の近傍の部分800nとの間には、偏向角度A71が0である場合と比較して、大きな張力が掛かり得る。また、偏向角度A71が大きいほど、印刷面F40に接触するときにおける液滴800の飛翔方向の印刷面F40と略直交する方向に対する傾きが大きくなる。係る場合には、液滴800の飛翔速度における印刷面F40の平面方向成分が大きくなるので、インクの液滴800の形状が安定するまでの間において、より大きな張力が液滴800に掛かり得る。
具体的には、インクの液滴800の搖動において、被印刷物400との界面から遠い側の部分800fが被印刷物400に対して離反する際に、被印刷物400との界面の近傍の部分800nと被印刷物400との界面から遠い側の部分800fとの間に、偏向角度A71の大きさに応じた張力T80が掛かる。ゆえに、偏向角度A71が比較的大きい場合に、例えば、図5に示したように、被印刷物400との界面から遠い側の部分800fの一部800pが飛散し得る。ゆえに、被印刷物400に形成されたドット900から離れた位置にインクの液滴800の一部800pが飛散する液飛びが生じ得る。
液飛びは、被印刷物400への印刷において生じ得るドット形状の不具合の一例に過ぎない。以下、図6を参照し、被印刷物400への印刷において生じ得るドット形状の不具合の具体例について説明する。
図6の左側の図は、被印刷物400に形成されたドット902から離れた位置にインクの液滴800の一部が飛散する液飛びを示している。液飛びでは、図6の左側の図に示したように、被印刷物400に形成されたドット902から離れた位置に、インクの液滴800の一部の飛散により、液飛び部92が形成される。また、図6の中央側の図は、被印刷物400に形成されたドット904の一部の形状が乱れるハネを示している。ハネでは、図6の中央側の図に示したように、被印刷物400に形成されたドット904において、形状が乱れているハネ部94が形成される。また、図6の右側の図は、被印刷物400に形成されたドット906の形状が楕円形状になる印字変形を示している。印字変形では、図6の右側の図に示したように、ドット906の形状が、矢印W40により示された被印刷物400の搬送方向に短径を有する楕円形状となる。ハネ及び印字変形も、液飛びと同様に、印刷面F40に接触するときにおける液滴800の飛翔方向の印刷面F40と略直交する方向に対する傾きの増大に伴って、インクの液滴800の搖動において液滴800に掛かる張力が増大することに起因して生じ得る。
<3.制御装置>
続いて、図7及び図8を参照して、本実施形態に係る制御装置350について説明する。図7は、本実施形態に係る制御装置350の機能構成の一例を示す説明図である。図7に示したように、制御装置350は、記憶部352と、制御部354と、を含む。
(記憶部)
記憶部352は、制御部354が行う処理に用いられる各種データを記憶する。例えば、記憶部352は、第1の偏向板231及び第2の偏向板232の電極の寸法及び電極間距離の設定値を記憶する。各設定値は、オペレータにより変更可能であってもよい。例えば、操作入力装置330へ入力されるオペレータによる各設定値の変更の要求に応じて記憶部352に記憶される各設定値が変更されるように構成し得る。
(制御部)
制御部354は、帯電制御部354aと、第1偏向板制御部354bと、第2偏向板制御部354cと、を含む。
帯電制御部354aは、帯電装置220へ動作指示を出力することによって、帯電装置220によるインクの液滴800の帯電を制御する。具体的には、帯電制御部354aは、帯電装置220によるインクの液滴800に対する電荷の付加のタイミング及び当該電荷の大きさを制御する。帯電制御部354aは、例えば、制御部354からインク射出装置210へ出力される動作指示に基づいて、帯電装置220による電荷の付加のタイミングを制御することによって、インク射出装置210から射出されるインクの液滴800の各々を適切に帯電させることができる。また、帯電制御部354aは、インクの液滴800に負荷される電荷の大きさを制御することによって、偏向部230の第1の偏向板231及び第2の偏向板232の各々による液滴800の飛翔方向の偏向角度を制御することができる。具体的には、帯電制御部354aは、インクの液滴800に負荷される電荷の値を増大させることによって、第1の偏向板231及び第2の偏向板232の各々による偏向角度を増大させることができる。
第1偏向板制御部354bは、偏向部230の第1の偏向板231へ動作指示を出力することによって、第1の偏向板231によるインクの液滴800の飛翔方向の偏向を制御する。具体的には、第1偏向板制御部354bは、第1の偏向板231の電極間の電圧を制御することによって、第1の偏向板231により発生する電場の大きさを制御する。それによって、第1偏向板制御部354bは、第1の偏向板231による液滴800の飛翔方向の偏向角度を制御することができる。
第2偏向板制御部354cは、偏向部230の第2の偏向板232へ動作指示を出力することによって、第2の偏向板232によるインクの液滴800の飛翔方向の偏向を制御する。具体的には、第2偏向板制御部354cは、第2の偏向板232の電極間の電圧を制御することによって、第2の偏向板232により発生する電場の大きさを制御する。それによって、第2偏向板制御部354cは、第2の偏向板232による液滴800の飛翔方向の偏向角度を制御することができる。
図8は、本実施形態に係るヘッド200によるインクの液滴の飛翔方向の偏向について説明するための説明図である。図8では、ヘッド200の構成が模式的に示されている。本実施形態では、第2偏向板制御部354cは、第2の偏向板232の電極間の電圧を、正負が第1の偏向板231の電極間の電圧の値の正負と異なるように、制御する。ゆえに、第1の偏向板231によって偏向された液滴800の飛翔方向は、矢印W23が示す第1の偏向板231による偏向方向に対して逆方向へ、第2の偏向板232によって、偏向される。
図8では、第1の偏向板231及び第2の偏向板232による液滴800の飛翔方向の偏向角度として、それぞれ偏向角度A21及び偏向角度A22が示されている。図8に示したように、帯電装置220により帯電されたインクの液滴800の飛翔方向は、具体的には、第1の偏向板231による偏向角度A21の分偏向された後、第2の偏向板232による偏向角度A22の分、第1の偏向板231による偏向方向に対して逆方向へ偏向される。その後、インクの液滴800は、被印刷物400の印刷面F10へ向かって飛翔する。
図3を参照して説明したように、第2の偏向板232を用いずに1つの偏向板によってインクの液滴800の飛翔方向を偏向する場合には、印刷面F40に接触するときの液滴800の飛翔方向は、印刷面F40と略直交する方向に対して、当該1つの偏向板による偏向角度の分傾き得る。一方、本実施形態では、印刷面F40に接触するときにおける液滴800の飛翔方向の印刷面F40と略直交する方向に対する傾きは、第1の偏向板231による偏向角度A21と第2の偏向板232による偏向角度A22との差に応じた角度となる。それにより、印刷面F40に接触するときにおける液滴800の飛翔方向の印刷面F40と略直交する方向に対する傾きを低減することができる。例えば、図8に示したように、偏向角度A21と偏向角度A22とを略一致させることによって、印刷面F40に接触するときにおける液滴800の飛翔方向を印刷面F40に対して略直交させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、印刷面F40に接触するときにおける液滴800の飛翔方向の印刷面F40と略直交する方向に対する傾きを低減することができる。ゆえに、印刷面F40への接触後におけるインクの液滴800の搖動において、液滴800に掛かる張力を低減することができる。よって、被印刷物400への印刷におけるドット形状の不具合を低減することができる。それにより、印刷精度を向上させることが可能となる。
また、第1偏向板制御部354b及び第2偏向板制御部354cは、印刷面F40における所定の位置へインクの液滴800が付着するように、インクの液滴800の飛翔方向の偏向を制御する。上記所定の位置は、被印刷物400へ印刷される印刷パターンを構成する各ドットの位置として設定された印刷面F40上の位置である。図8では、液滴800の飛翔方向が偏向されなかった場合にインク射出装置210から射出された液滴800が印刷面F40上に付着する位置と上記所定の位置との偏向方向についての距離R2が示されている。第1偏向板制御部354b及び第2偏向板制御部354cは、距離R2に応じて、それぞれ第1の偏向板231及び第2の偏向板232によるインクの液滴800の飛翔方向の偏向を制御する。
図3に示したように、第2の偏向板を備えず、1つの偏向板によってインクの液滴800の飛翔方向を偏向する比較例では、ヘッド200におけるインクの液滴800の出口側の端部と印刷面F40との間において、液滴800は偏向方向へ移動しながら印刷面F40へ向かう。一方、本実施形態において、例えば、偏向角度A21と偏向角度A22とが略一致する場合、図8に示したように、ヘッド200におけるインクの液滴800の出口側の端部と印刷面F40との間において、液滴800の偏向方向についての位置は維持され得る。ゆえに、本実施形態に係る第1の偏向板231による偏向角度A21を、比較例における偏向部730による偏向角度A71と比較して、大きくすることによって、比較例においてインクの液滴800が付着される印刷面F40上の位置と同一の位置へ液滴800を付着させることができる。なお、ヘッド200におけるインクの液滴800の出口側の端部と印刷面F40との距離L2は、例えば、20mmに設定され得る。
また、第1偏向板制御部354b及び第2偏向板制御部354cは、第1の偏向板231及び第2の偏向板232の電極の寸法及び電極間距離に応じて各電極間に負荷する電圧を適宜設定し得る。インク射出装置210によるインクの液滴800の射出方向における電極の長さが長いほど、当該電極間を通過する液滴800の飛翔方向が偏向される程度は大きくなる。また、電極間距離が長いほど、当該電極間を通過する液滴800の飛翔方向が偏向される程度は小さくなる。なお、本実施形態では、図8に示したように、第2の偏向板232の電極間距離は、液滴800との干渉を防止する観点から、第1の偏向板231と比較して、長くてもよい。
また、図8に示した第1の偏向板231と第2の偏向板232との距離L1は、ヘッド200の寸法に応じて、設定されてもよい。例えば、第2の偏向板232を、ヘッド200におけるインクの液滴800の出口側の端部に配置することによって、距離L1を長くすることができる。それにより、印刷面F40上において同一の位置へインクの液滴800を付着させる場合に、偏向角度A21及び偏向角度A22を小さくすることができる。ゆえに、第1の偏向板231及び第2の偏向板232の電極間に負荷する電圧を低減することができる。なお、距離L1は、第1の偏向板231による偏向角度A21の上限値、第2の偏向板232による偏向角度A22の上限値及びヘッド200の寸法に応じて適宜設定され得る。
また、第1の偏向板231による偏向角度A21及び第2の偏向板232による偏向角度A22は、それぞれ調整可能であってもよい。また、印刷面F40に接触するときにおける液滴800の飛翔方向の印刷面F40と略直交する方向に対する傾きは、3°以下に調整可能であってもよい。具体的には、第1偏向板制御部354b及び第2偏向板制御部354cは、偏向角度A21と偏向角度A22との差が3°以下となるように、それぞれ第1の偏向板231及び第2の偏向板232によるインクの液滴800の飛翔方向の偏向を制御する。それにより、印刷面F40に接触するときにおける液滴800の飛翔方向の印刷面F40と略直交する方向に対する傾きを3°以下にすることができる。当該傾きを3°以下にすることによって、被印刷物400への印刷におけるドット形状の不具合をより効果的に低減することができる。それにより、印刷精度をより効果的に向上させることが可能となる。
上記構成の本実施形態に係るインクジェット印刷装置10を用いたインクジェット印刷方法について説明する。当該印刷方法は、搬送される平面形状の被印刷物400に対してインクの液滴800を射出する工程と、射出された液滴800を帯電させる工程と、帯電された液滴800の飛翔方向を被印刷物400の搬送方向と交差する方向である偏向方向へ第1の偏向板231によって偏向する工程と、第1の偏向板231によって偏向された飛翔方向を偏向方向に対して逆方向へ、第2の偏向板232によって偏向する工程と、を含む。それにより、印刷面F40に接触するときにおける液滴800の飛翔方向の印刷面F40と略直交する方向に対する傾きを低減することができる。よって、被印刷物400への印刷におけるドット形状の不具合を低減することができる。それにより、印刷精度を向上させることが可能となる。
また、上記構成の本実施形態に係るインクジェット印刷装置10を用いたインクジェット印刷方法は、第1の偏向板231による飛翔方向の偏向角度A21及び第2の偏向板232による飛翔方向の偏向角度A22を予め調整する工程をさらに含み、被印刷物400の印刷面F40に接触するときにおける液滴800の飛翔方向の印刷面F40と略直交する方向に対する傾きは3°以下であってもよい。それにより、当該傾きを3°以下にすることによって、被印刷物400への印刷におけるドット形状の不具合をより効果的に低減することができる。よって、印刷精度をより効果的に向上させることが可能となる。
<4.応用例>
続いて、被印刷物400への印刷において、ドット形状の不具合が発生した場合に、第2の偏向板232によるインクの液滴800の飛翔方向の偏向角度A22を調整することが可能な応用例について説明する。
図9は、応用例に係る制御装置550の機能構成の一例を示す模式図である。図9に示したように、応用例に係る制御装置550では、図7を参照して説明した制御装置350と比較して、検出部552が備えられる点が異なる。また、応用例に係る制御装置550では、図7を参照して説明した制御装置350と比較して、制御部354が、検出部552による検出結果に応じて、偏向角度A22の調整を行う点が異なる。
検出部552は、被印刷物400にインクの液滴800が付着して形成されたドット900についてのドット形状の不具合を検出する。例えば、検出部552は、被印刷物400の印刷面F40を撮像する撮像装置を有して構成され、得られた印刷面F40の画像に対して画像処理を施すことによって、液飛び、ハネ又は印字変形等のドット形状の不具合を検出する。検出部552は、検出結果を制御部354へ出力する。
また、応用例では、制御部354は、ドット形状の不具合が検出された場合に、第2の偏向板232による偏向角度A22を調整する。具体的には、制御部354は、帯電装置220によりインクの液滴800へ付加される電荷の大きさを調整することによって、第2の偏向板232による偏向角度A22を調整してもよい。また、制御部354は、第2の偏向板232の電極間の電圧を調整することによって、第2の偏向板232による偏向角度A22を調整してもよい。制御部354は、例えば、ドット形状の不具合が検出された場合に、ドット形状の不具合が検出されなくなるまでの間、継続的に偏向角度A22を増加させ又は減少させることにより、偏向角度A22を調整してもよい。
上記構成の応用例に係る制御装置550を用いたインクジェット印刷装置の調整方法について説明する。当該調整方法は、被印刷物400に対してインクの液滴800を射出し、被印刷物400にドットを形成することにより被印刷物400への印刷を行う印刷工程と、被印刷物400に液滴800が付着して形成されたドット900についてのドット形状の不具合を検出する検出工程と、ドット形状の不具合が検出された場合に、第2の偏向板232による偏向角度A22を調整する調整工程と、を含む。気温の変化や、大気の流れの変化等の外乱によって、インクの液滴800の飛翔についての軌跡が影響を受ける場合がある。それにより、印刷面F40と略直交する方向に対する傾きが増大することによって、ドット形状の不具合が生じ得る。当該調整方法によれば、そのような場合であっても、第2の偏向板232による偏向角度A22を調整することができる。ゆえに、被印刷物400への印刷におけるドット形状の不具合をより効果的に低減することができる。
本発明の効果を確認するために、上述したインクジェット印刷装置10を用いて、各条件について、被印刷物400への印刷を行い、ドット形状の不具合の発生率を計測した。当該計測では、第1の偏向板231による偏向角度A21が比較的大きい条件について注目し、ドット形状の不具合として、ハネの発生率を計測した。具体的には、各条件について、被印刷物400に100個のドットからなるドット列を搬送方向に沿って形成し、形成された100個のドットについて、ドット形状の不具合として、ハネの発生率を計測した。
まず、比較例1及び実施例101〜109では、図8に示した印刷面F40上におけるインクの液滴800を付着させる位置に対応する距離R2を10mmとし、ヘッド200におけるインクの液滴800の出口側の端部と印刷面F40との距離L2を20mmとして、被印刷物400への印刷を行った。比較例1及び実施例101〜109では、距離R2が10mmとなる印刷面F40における所定の位置へインクの液滴800が付着するように、第1の偏向板231による偏向角度A21及び第2の偏向板232による偏向角度A22が設定されている。
比較例1では、第2の偏向板232の電極間に電圧を負荷しないことによって、第2の偏向板232により液滴800の飛翔方向が偏向されない状態で、印刷を行った。各実施例では、第2の偏向板232の電極間に電圧を負荷することによって、第2の偏向板232により液滴800の飛翔方向が偏向される状態で、偏向角度A21及び偏向角度A22に各設定値を適用して印刷を行った。比較例1及び実施例101〜109におけるハネの発生率の計測結果を下記の表1に示す。なお、以下の各表において、印刷面F40に接触するときにおける液滴800の飛翔方向の印刷面F40と略直交する方向に対する傾きである傾斜角A200が示されている。
Figure 2017124519
表1に示したように、1つの偏向板によってインクの液滴800の飛翔方向を偏向する比較例1では、傾斜角A200は偏向角度A21と一致している。一方、第1の偏向板231によって偏向された液滴800の飛翔方向を、第2の偏向板232によって、第1の偏向板231による偏向方向に対して逆方向へ偏向する実施例101〜109では、傾斜角A200は、比較例1と比較して、低減されている。このような実施例101〜109では、表1に示したように、比較例1と比較して、ハネの発生率が低減されることが確認された。また、傾斜角A200が3°以下となる実施例101〜104では、表1に示したように、比較例1と比較して、ハネの発生率がより効果的に低減されることが確認された。
続いて、比較例1及び実施例101〜109と比較して、印刷面F40上におけるインクの液滴800を付着させる位置に対応する距離R2を異ならせた条件で、被印刷物400への印刷を行った。具体的には、比較例2及び実施例201〜207では、距離R2を8mmとし、被印刷物400への印刷を行った。また、比較例3及び実施例301〜311では、距離R2を12mmとし、被印刷物400への印刷を行った。
比較例2及び比較例3では、比較例1と同様に、第2の偏向板232の電極間に電圧を負荷しないことによって、第2の偏向板232により液滴800の飛翔方向が偏向されない状態で、印刷を行った。各実施例では、実施例101〜109と同様に、第2の偏向板232の電極間に電圧を負荷することによって、第2の偏向板232により液滴800の飛翔方向が偏向される状態で、偏向角度A21及び偏向角度A22に各設定値を適用して印刷を行った。比較例2及び実施例201〜207におけるハネの発生率の計測結果を下記の表2に示す。また、比較例3及び実施例301〜311におけるハネの発生率の計測結果を下記の表3に示す。
Figure 2017124519
Figure 2017124519
実施例201〜207では、表2に示したように、比較例2と比較して、ハネの発生率が低減されることが確認された。また、実施例301〜311では、表3に示したように、比較例3と比較して、ハネの発生率が低減されることが確認された。ゆえに、比較例1及び実施例101〜109と比較して、距離R2を異ならせた条件においても、第1の偏向板231によって偏向された液滴800の飛翔方向を、第2の偏向板232により、第1の偏向板231による偏向方向に対して逆方向へ偏向することによって、ハネの発生率が低減されることが確認された。
傾斜角A200が3°以下となる実施例201〜205では、表2に示したように、比較例2と比較して、ハネの発生率がより効果的に低減されることが確認された。また、傾斜角A200が3°以下となる実施例301〜304では、表3に示したように、比較例3と比較して、ハネの発生率がより効果的に低減されることが確認された。ゆえに、比較例1及び実施例101〜109と比較して、距離R2を異ならせた条件においても、傾斜角A200が3°以下となるように、偏向角度A21及び偏向角度A22を設定することによって、ハネの発生率がより効果的に低減されることが確認された。
続いて、比較例1及び実施例101〜109と比較して、ヘッド200におけるインクの液滴800の出口側の端部と印刷面F40との距離L2を異ならせた条件で、被印刷物400への印刷を行った。具体的には、比較例4及び実施例401〜410では、距離L2を15mmとし、被印刷物400への印刷を行った。また、比較例5及び実施例501〜511では、距離L2を10mmとし、被印刷物400への印刷を行った。
比較例4及び比較例5では、比較例1と同様に、第2の偏向板232の電極間に電圧を負荷しないことによって、第2の偏向板232により液滴800の飛翔方向が偏向されない状態で、印刷を行った。各実施例では、実施例101〜109と同様に、第2の偏向板232の電極間に電圧を負荷することによって、第2の偏向板232により液滴800の飛翔方向が偏向される状態で、偏向角度A21及び偏向角度A22に各設定値を適用して印刷を行った。比較例4及び実施例401〜410におけるハネの発生率の計測結果を下記の表4に示す。また、比較例5及び実施例501〜511におけるハネの発生率の計測結果を下記の表5に示す。
Figure 2017124519
Figure 2017124519
実施例401〜410では、表4に示したように、比較例4と比較して、ハネの発生率が低減されることが確認された。また、実施例501〜511では、表5に示したように、比較例5と比較して、ハネの発生率が低減されることが確認された。ゆえに、比較例1及び実施例101〜109と比較して、距離L2を異ならせた条件においても、第1の偏向板231によって偏向された液滴800の飛翔方向を、第2の偏向板232により、第1の偏向板231による偏向方向に対して逆方向へ偏向することによって、ハネの発生率が低減されることが確認された。
傾斜角A200が3°以下となる実施例401〜404では、表4に示したように、比較例4と比較して、ハネの発生率がより効果的に低減されることが確認された。また、傾斜角A200が3°以下となる実施例501〜504では、表5に示したように、比較例5と比較して、ハネの発生率がより効果的に低減されることが確認された。ゆえに、比較例1及び実施例101〜109と比較して、距離L2を異ならせた条件においても、傾斜角A200が3°以下となるように、偏向角度A21及び偏向角度A22を設定することによって、ハネの発生率がより効果的に低減されることが確認された。
<5.まとめ>
以上説明したように、本実施形態によれば、第2の偏向板232は、第1の偏向板231によって偏向された液滴800の飛翔方向を、第1の偏向板231による偏向方向に対して逆方向へ偏向する。それにより、印刷面F40に接触するときにおける液滴800の飛翔方向の印刷面F40と略直交する方向に対する傾きを低減することができる。よって、被印刷物400への印刷におけるドット形状の不具合を低減することができる。それにより、印刷精度を向上させることが可能となる。
以上では、第1の偏向板231及び第2の偏向板232の各々の数が1である例について説明したが、本発明の技術的範囲は係る例に限定されない。例えば、第1の偏向板231及び第2の偏向板232の各々の数は複数であってもよい。
以上では、インク射出装置210から射出された時点におけるインクの液滴800の飛翔方向は、被印刷物400の印刷面F40に対して略直交する例について説明したが、本発明の技術的範囲は係る例に限定されない。例えば、インク射出装置210から射出された時点におけるインクの液滴800の飛翔方向は、被印刷物400の印刷面F40と略直交する方向に対して傾いていてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 インクジェット印刷装置
200、700 ヘッド
210 インク射出装置
220 帯電装置
230、730 偏向部
231 第1の偏向板
232 第2の偏向板
240 ガター
300 本体
310 ポンプ
320 タンク
330 操作入力装置
340 表示装置
350、550 制御装置
352 記憶部
354 制御部
354a 帯電制御部
354b 第1偏向板制御部
354c 第2偏向板制御部
400 被印刷物
552 検出部
800 液滴
900、902、904、906 ドット

Claims (5)

  1. 搬送される平面形状の被印刷物に対してインクの液滴を射出するインク射出装置と、
    射出された前記液滴を帯電させる帯電装置と、
    帯電された前記液滴の飛翔方向を前記被印刷物の搬送方向と交差する方向である偏向方向へ偏向する第1の偏向板と、
    前記第1の偏向板によって偏向された前記飛翔方向を前記偏向方向に対して逆方向へ偏向する第2の偏向板と、を備える、
    インクジェット印刷装置。
  2. 前記第1の偏向板による前記飛翔方向の偏向角度及び前記第2の偏向板による前記飛翔方向の偏向角度は、それぞれ調整可能であり、
    かつ前記被印刷物の印刷面に接触するときにおける前記液滴の飛翔方向の前記印刷面と略直交する方向に対する傾きは3°以下に調整可能である、
    請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記被印刷物に前記液滴が付着して形成されたドットについてのドット形状の不具合を検出する検出部と、
    前記ドット形状の不具合が検出された場合に、前記第2の偏向板による前記飛翔方向の偏向角度を調整する制御部と、をさらに備える、
    請求項1又は2に記載のインクジェット印刷装置。
  4. 搬送される平面形状の被印刷物に対してインクの液滴を射出する工程と、
    射出された前記液滴を帯電させる工程と、
    帯電された前記液滴の飛翔方向を前記被印刷物の搬送方向と交差する方向である偏向方向へ第1の偏向板によって偏向する工程と、
    前記第1の偏向板によって偏向された前記飛翔方向を前記偏向方向に対して逆方向へ、第2の偏向板によって偏向する工程と、を含む、
    インクジェット印刷方法。
  5. 前記第1の偏向板による前記飛翔方向の偏向角度及び前記第2の偏向板による前記飛翔方向の偏向角度を予め調整する工程をさらに含み、
    前記被印刷物の印刷面に接触するときにおける前記液滴の飛翔方向の前記印刷面と略直交する方向に対する傾きは3°以下である、
    請求項4に記載のインクジェット印刷方法。
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