JP4568061B2 - 金属材の塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属材に水性塗料を塗装して塗膜形成後の多種樹脂の塗膜形成及び被塗物の仕上がり外観(美観)を改善する金属材の塗装方法に関する。
従来の配電盤、制御盤、交通機器のような大形箱体の金属板に対する水性塗料を用いた塗装方法は、客先塗装仕様において、上塗りが有機溶剤での指定があった場合、あるいは、特に塗装の美観を要求されるものが塗装前の製缶板金製作時の金属板の凹凸部が大きい場合は、いずれも下塗りから有機溶剤塗装系で実施していた。また、上塗り色仕様変更や汚れが目立つ場合は、機械的(該当面積が大きい場合はサンドブラスト処理で塗膜除去、小さい場合は機械的工具を用いて塗膜を除去)に水性塗膜を除去し、有機溶剤塗装系で再度塗装を実施していた。特に内臓物として種々の機器が組み込まれた製品に対しては熱硬化型水性塗料で塗膜を形成したものに対しては、熱硬化することができないので、常温硬化型の有機溶剤塗料で塗装を実施していた。
以上のように熱硬化型水性塗膜の塗装系としての技術が未確立で発展途上にあるため、品質上長期に渡る耐久性能が要求される配電盤、制御盤、交通機器の塗装においては、客先有機溶剤の上塗り指定があった場合、あるいは、特に美観を重視した塗装品には水性塗装で塗装せずに、従来の有機溶剤型塗料で塗装を実施していた。また、同上の理由で、水性塗膜を修正、補修する場合は、形成した塗膜除去後に従来の有機溶剤型塗料で塗装を実施していた。
本願発明者は、特許文献1において、最初に下塗り防錆顔料入り水性塗料を電着塗装し、次いで美観重視のために中塗り防錆顔料無しの水性塗装を行い、最後の仕上げに上塗り着色塗装する塗装方法を提案している。
また、別の特許文献2には美観を主体とした水性ベース塗料を用いた塗装方法が記載されている。
特願2002−186895号公報 特願2003−292877号公報
しかし、特許文献1の方法においては、下塗り、中塗り、上塗りの3回の塗装工程を経るため、その施工に相当の時間と労力を必要とする。この特許文献1の方法では、仮に下塗りを省略すると、下塗りしたものと比べて防錆力が半分以下に低下する。また、仮に中塗りを省略すると、中塗りしたものと比べて塗膜の平滑性が低下し、美観の点で劣ったものとなる。
また、特許文献2の方法においては、美観を主体にした塗装であるため、アルキド樹脂系塗装ではあっても防錆顔料、体質顔料、エポキシ樹脂の添加が無く、長期防錆機能を基本的に備えていない。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、品質上長期に渡る耐久性能が必要とされる配電盤、制御盤、交通機器の美観重視の熱硬化型水性塗料を用いた塗装系、熱硬化型水性塗膜の修正、補修するための金属材の塗装方法を提供する。
上記目的を達成するために本発明の1の金属材の塗装方法は、(1)金属材にアクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂エポキシ樹脂、シリカからなる防錆顔料、及びタルクからなる体質顔料をそれぞれ含有する水性下塗り兼中塗り塗料を塗装する工程と、(2)前記水性下塗り兼中塗り塗料を加熱硬化させる工程と、(3)前記加熱硬化された水性下塗り兼中塗り塗料の塗面にアクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂及びエポキシ樹脂を含有する水性上塗り塗料を塗装する工程と、(4)前記水性上塗りを加熱硬化させる工程と、(5)前記水性上塗り塗料の塗面に有機溶剤型の塗料を塗装する工程と、を具備する。
また、本発明の他の1の金属材の塗装方法は、(i)金属材にアクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂エポキシ樹脂、シリカからなる防錆顔料、及びタルクからなる体質顔料をそれぞれ含有する水性下塗り兼中塗り塗料を塗装する工程と、(ii)前記水性下塗り兼中塗り塗料を加熱硬化させる工程と、(iii)前記加熱硬化された水性下塗り兼中塗り塗料の塗面に有機溶剤型の上塗り塗料を塗装する工程と、を具備する。
また、本発明の他の1の金属材の塗装方法は、(a)金属材にアクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂エポキシ樹脂、シリカからなる防錆顔料、及びタルクからなる体質顔料をそれぞれ含有する水性下塗り兼中塗り塗料を塗装する工程と、(b)前記水性下塗り兼中塗り塗料を加熱硬化させる工程と、(c)前記塗面にパテ付け−硬化−パテ研ぎを実施する工程と、(d)前記パテ付け面及び塗面にアクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂エポキシ樹脂、シリカからなる防錆顔料、及びタルクからなる体質顔料をそれぞれ含有する水性下塗り兼中塗り塗料を塗装する工程と、(e)前記水性下塗り兼中塗り塗料を130〜150℃で20〜30分間加熱硬化させる工程と、(f)前記加熱硬化された水性下塗り兼中塗り塗料の塗面に有機溶剤型の上塗り塗料を塗装する工程と、を具備する。
本発明によれば、品質上長期に渡る耐久性能が必要とされる配電盤、制御盤、交通機器等の大形のアングルフレーム品に対して、美観重視の熱硬化型水性塗料を用いた塗装系、熱硬化型水性塗膜の修正、補修するための金属材の塗装方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明では、金属材に、先ず、防錆顔料入りアクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂及びエポキシ樹脂を含有する水性下塗り兼中塗り塗料を塗装し、水性下塗り兼中塗り塗料を加熱硬化させて金属材の塗装を実施する。(使用水性塗料…アスカベークHS プラサフ 関西ペイント社製)客先仕様で上塗り有機溶剤型塗料の指定の有る場合は、アスカベーク HS プラサフで形成された塗膜上の指定上塗り塗料で塗装を実施する。
美観を重視する被塗装物の金属の凹凸修正は、アスカベーク HS プラサフで形成された塗膜上に一般的に使用されているポリエステルパテ等を充填し、乾燥後に平滑になるように研磨作業を実施する。次いで、この後に再度アスカベーク HS プラサフで塗膜を形成した後に、一般的な有機溶剤を含む上塗り塗料で塗装を実施する。
アクリル変性アルキド樹脂ワニス、水溶性メラミン樹脂ワニス、水性エポキシ樹脂ワニス、着色顔料、添加剤及び希釈剤より構成された熱硬化型水性上塗り塗料を塗装し、水性上塗り塗料を加熱硬化させて塗装を実施して(使用水性塗料…アスカベークHS 関西ペイント社製)形成した塗膜の修正、補修を行う場合は、通常の有機溶剤塗装と同じ工程で、付着向上バインダー(FKバインダー 関西ペイント社製、XXクリヤー トウペ社製等)塗装後に上塗り塗装を実施する。
次に、本発明の種々の実施の形態について添付の図面と表を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る金属材の塗装物を示す断面図である。金属材料1に水性下塗り(兼中塗り)塗料(A)の水性下塗り塗膜2を形成し、その塗面の上に有機溶剤型上塗り塗料の熱硬化型又は常温硬化型上塗り塗膜3を形成する。
水性下塗り(兼中塗り)塗料(A)として、優れた防食性能を得るためにアクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂エポキシ樹脂、シリカからなる防錆顔料、及びタルクからなる体質顔料をそれぞれ含有する水性下塗り兼中塗り塗料(関西ペイント製、アスカベークHS プラサフ)を使用する。
有機溶剤型上塗り塗料は、一般的に市販されている有機溶剤型の塗料、例えばメラミン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、フタル酸樹脂系、硝化綿樹脂系等を使用する。
本実施形態では、水性下塗り(兼中塗り)塗料(A)は、アクリル変性アルキド樹脂、メラミン樹脂の組み合わせにより、130〜150℃で20〜30分の低温加熱で硬化し、また、水分及び酸素の透過性を抑制できる緻密な塗膜を形成し、更にエポキシ樹脂を配合することにより、優れた付着力と良好な防錆力を有するようになる。また、厳しい環境にも適用可能なように防錆顔料を配合することにより、さらに優れた防錆力を有するようになる。さらに、メラミン樹脂のグアナミン環の代わりにベンゾグアナミン環を有するメラミン樹脂を用いたことによって、塗膜間の付着力が向上する。
本実施形態によれば、パテ剤の種類及び上塗り塗料の種類を問わず熱硬化型あるいは常温硬化型のいずれであってもパテ付けや塗装をすることができる。なお、有機溶剤型上塗り塗料は、一般的に市販されている有機溶剤型の塗料、例えばメラミン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、フタル酸樹脂系、硝化綿樹脂系等を使用することができる。
次に、図2を参照して第1の実施形態に係る金属材の塗装方法について説明する。
第1の実施形態では、図2の工程S1→S2→S10−1又はS10−2の手順で塗装を実施した。まず、水性下塗り兼中塗り塗料(A)として関西ペイント製のアスカベークHS プラサフを金属材料1に塗布し、塗料(A)の水性塗膜2を厚さが15〜60μm、好ましくは20〜30μmになるように塗布形成した(工程S1)。ここで、金属材料1を塗装に適した表面状態とするため、酸洗鋼板やSPCC材からなる金属材料1に対して、りん酸亜鉛被膜といった化学的処理やサンドブラスト処理といった機械的前処理を施した。
次いで、水性塗膜2を130〜150℃で20〜30分の加熱条件で硬化させた(工程S2)。
最後に、水性塗膜2の上に有機溶剤型の上塗り塗膜3を、厚さが15〜40μm、好ましくは20〜30μmになるように定法の塗装手順を用いて塗布形成した(工程S10−1又は工程S10−2)。
本実施形態では、水性下塗り(兼中塗り)塗料(A)として、優れた防食性能を得るためにアクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂エポキシ樹脂、シリカからなる防錆顔料、及びタルクからなる体質顔料をそれぞれ含有する水性下塗り兼中塗り塗料(関西ペイント製、アスカベークHS プラサフ)を使用した。
水性下塗り(兼中塗り)塗料(A)の成分を表1に示す。
Figure 0004568061
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る金属材の塗装物を示す断面図である。金属材料1に水性下塗り兼中塗り塗料(A)の水性下塗り塗膜2を形成し、その塗面の上に水性上塗り塗料(B)の水性上塗り塗膜4を形成し、その塗面の上に有機溶剤型付着向上バインダー塗料の常温硬化型塗膜5を形成し、その塗面に有機溶剤型上塗り塗料の常温硬化型上塗り塗膜3を形成した。
水性下塗り兼中塗り塗料(A)として、優れた防食性能を得るためにアクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂エポキシ樹脂、シリカからなる防錆顔料、及びタルクからなる体質顔料をそれぞれ含有する水性下塗り兼中塗り塗料(関西ペイント製、アスカベークHS プラサフ)を使用した。
水性上塗り塗料(B)は、アクリル変性アルキド樹脂ワニス、水溶性メラミン樹脂ワニス、水性エポキシ樹脂ワニス、着色顔料、添加剤及び希釈剤より構成された水性上塗り塗料(関西ペイント製、アスカベークHS 5Y7/1 グロス40)であり、下塗り及び上塗りとも、消防法、労働安全法等の規制を受けない塗料である。
水性上塗り塗料(B)の成分を表2に示す。
Figure 0004568061
水性下塗り兼中塗り塗料(A)は、上塗り適合性を考慮して、樹脂系を水性上塗り塗料(B)と同じくアクリル変性アルキド樹脂ワニス、水溶性メラミン樹脂ワニス、水溶性エポキシ樹脂ワニスから構成されたものである。
アクリル変性アルキド樹脂、メラミン樹脂の組み合わせにより、130〜150℃で20〜30分の低温で硬化し、また、水分及び酸素の透過性を抑制できる緻密な塗膜を形成し、更にエポキシ樹脂を配合することにより、優れた付着力と良好な防錆力を有するようになる。また、厳しい環境にも適用可能なように防錆顔料を配合することにより、さらに優れた防錆力を有するようになる。
水性上塗り塗料(B)は、アクリルで変性されたアルキド樹脂により、優れた耐候性を有し、メラミン樹脂の組合せにより、130〜150℃で20〜30分の低温(下塗り塗料と同じ条件)で硬化し、更に、エポキシ樹脂を添加することにより、耐候性に悪影響を与えることなく非常に優れた付着力を有する水性上塗り塗料である。
水性上塗り塗膜4と有機溶剤型上塗り塗膜5の層間付着向上のためのバインダー塗料は、一般に有機溶剤型熱硬化塗膜上に使用されている付着向上バインダー(関西ペイント製FKバインダー…特殊変性アルキド樹脂+酸触媒主体、トウペ製XXクリヤ…特殊変性エポキシ樹脂主体)を使用する。
有機溶剤型上塗り塗料は、一般的に市販されている有機溶剤型の常温硬化型塗料、例えば硝化綿樹脂系、ポリウレタン樹脂系、フタル酸樹脂系、等を使用することができる。
次に、図2を参照して第2の実施形態に係る金属材の塗装方法について説明する。
第2の実施形態では、図2の工程S1→S2→S7→S8→S9→S10−2の手順で塗装を実施した。まず、水性下塗り兼中塗り塗料(A)として関西ペイント製のアスカベークHS プラサフを金属材料1に塗布し、塗料(A)の水性塗膜2を厚さが15〜60μm、好ましくは20〜30μmになるように塗布形成した(工程S1)。ここで、金属材料1を塗装に適した表面状態とするため、酸洗鋼板やSPCC材からなる金属材料1に対して、りん酸亜鉛被膜といった化学的処理やサンドブラスト処理といった機械的前処理を施した。
次いで、水性塗膜2を130〜150℃で20〜30分の加熱条件で硬化させた(工程S2)。
次いで、水性塗膜2の上に水性上塗り塗膜4を、厚さが15〜60μm、好ましくは30〜40μmになるように定法の塗装手順を用いて塗布形成した(工程S7)。
次いで、水性上塗り塗膜4を130〜150℃で20〜30分の加熱条件で硬化させた(工程S8)。
次いで、水性上塗り塗膜4の上に有機溶剤型の常温硬化型付着向上バインダー塗膜5を5〜25μm、好ましくは10〜15μmに塗布形成した(工程S9)。
最後に、バインダー塗膜5の上に有機溶剤型の常温硬化上塗り塗膜3を、その厚さが15〜40μm、好ましくは20〜30μmになるように定法の塗装手順を用いて塗布形成した(工程S10−2)。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態に係る金属材の塗装物を示す断面図である。金属材料1に水性下塗り兼中塗り塗料(A)の下塗り塗膜2を形成し、その塗面にパテ剤で充填した層6を形成し、その面に水性下塗り兼中塗り塗料(A)の水性中塗り塗膜7を形成し、その塗面に有機溶剤型上塗り塗料の熱硬化型上塗り塗膜3を形成した。
水性下塗り兼中塗り塗料(A)として、優れた防食性能を得るためにアクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂エポキシ樹脂、シリカからなる防錆顔料、及びタルクからなる体質顔料をそれぞれ含有する水性下塗り兼中塗り塗料(関西ペイント製、アスカベークHS プラサフ)を使用した。
塗装の外観(美観)が重視される場合は、金属加工により生じた凹凸を修正し、平滑性を得るために、一般的にパテ剤を充填剤として使用する。
パテ剤としては、一般的に市販されている充填性の良いポリエステルパテ(カシュー製、エステラックパテ)等を用いる。
有機溶剤型上塗り塗料は、一般的に市販されている有機溶剤型の熱硬化型塗料、例えばメラミン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系等を使用する。
水性下塗り(兼中塗り)塗料(A)は、アクリル変性アルキド樹脂、メラミン樹脂の組み合わせにより、130〜150℃で20〜30分の低温で硬化し、また、水分及び酸素の透過性を抑制できる緻密な塗膜を形成し、更にエポキシ樹脂を配合することにより、優れた付着力と良好な防錆力を有するようになる。また、厳しい環境にも適用可能なように防錆顔料を配合することにより、さらに優れた防錆力を有するようになる。また、メラミン樹脂のグアナミン環の代わりにベンゾグアナミン環を有するメラミン樹脂を用いたことによって、塗膜間の付着力が向上する。
本実施形態によれば、パテ剤の種類及び上塗り塗料の種類を問わず熱硬化型あるいは常温硬化型のいずれであってもパテ付けや塗装をすることができる。
また、本実施形態によれば、配合する体質顔料、特にタルク(含水ケイ酸マグネシウム)に関して、球状タルクを用い、配合量を調整することによって、従来のりん片状タルクに比べ研磨剤に対してのからみ(付着)が減少するため、優れた研磨性を有し、中塗り塗料に必要な機能が得られる。
有機溶剤型上塗り塗料は、一般的に市販されている有機溶剤型の熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料、例えばメラミン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、硝化綿樹脂系、フタル酸樹脂系等を使用することができる。
次に、図2を参照して第3の実施形態に係る金属材の塗装方法について説明する。
第3の実施形態では、図2の工程S1→S2→S3→S4→S5→S6→S10−1又はS10−2の手順で塗装を実施した。まず、水性下塗り兼中塗り塗料(A)として関西ペイント製のアスカベークHS プラサフを金属材料1に塗布し、塗料(A)の水性塗膜2を厚さが15〜60μm、好ましくは20〜30μmになるように塗布形成した(工程S1)。ここで、金属材料1を塗装に適した表面状態とするため、酸洗鋼板やSPCC材からなる金属材料1に対して、りん酸亜鉛被膜といった化学的処理やサンドブラスト処理といった機械的前処理を施した。
次いで、水性塗膜2を130〜150℃で20〜30分の加熱条件で硬化させた(工程S2)。
次いで、水性塗膜2の凹凸部を平滑にするために、図4に示すようにポリエステルパテ剤6を該凹凸部に充填し、130〜150℃で20〜30分の加熱条件で硬化させた後に、定法の研磨手段を用いてパテ剤6を研磨した(一般的パテ付け工程S3)。
次いで、パテ剤6付き水性塗膜2の上に水性中塗り塗膜7を、厚さが15〜60μm、好ましくは20〜30μmになるように定法の塗装手順を用いて塗布形成した(工程S4)。
次いで、水性中塗り塗膜7を130〜150℃で20〜30分の加熱条件で硬化させた(工程S5)。
次いで、平滑性を得るために、定法の研磨手段を用いて水性中塗り塗膜7の塗面を研磨した(工程S6)。
最後に、水性中塗り塗膜7の上に有機溶剤型の熱硬化型上塗り塗膜3を、その厚さが15〜40μm、好ましくは20〜30μmになるように定法の塗装手順を用いて塗布形成した(工程S10−1又はS10−2)。
これらの第1〜第3の実施形態の塗装物について、以下のような試験をそれぞれ行った。
1.物性試験
(1)初期及び2次付着力試験:ASTM D−3359付着試験(A法及びB法)
(2)初期及び2次硬度試験:JIS K−5600鉛筆引っかき試験(手かき法)
(3)初期及び2次耐衝撃試験:JIS K−5600耐衝撃試験(デュポン式)
2.耐久性試験
塩水噴霧試験:JIS K−5600塩水噴霧試験750時間実施後の外観判定及び2次物性試験
耐湿試験:JIS K−5600耐湿試験(結露発生50℃、98%RH)750時間実施後の外観判定及び2次物性試験
亜硫酸ガス試験:20ppm、40℃、90%RH 750時間実施後の外観判定及び2次物性試験
塩素ガス試験:1ppm、40℃、90%RH 750時間実施後の外観判定及び2次物性試験
これらの試験結果を表3に示す。表3から実施例1〜3において、優れた塗膜性能が得られることがわかる。
Figure 0004568061
これらのことから、大型で複雑な形状のアングルフレーム構造物の客先指定の上塗り有機溶剤塗装の指定のあるもの、あるいは、美観を重視した塗装においてもしていた有機溶剤型塗料での塗装を行い、水性塗料で塗装を実施していなかった。また、形成された水性塗膜を修正、補修する場合は、形成した塗膜を除去してから、従来の有機溶剤型塗料で塗装を実施していた。
本発明は、品質上長期に渡る耐久性能が必要とされる配電盤、制御盤、交通機器の美観重視の熱硬化型水性塗料を用いた塗装系、熱硬化型水性塗膜の修正、補修塗装方法及びその塗装方法で塗装された塗装物に利用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る金属材の塗装方法を用いて形成された塗装物を示す断面図。 本発明の金属材の塗装方法を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る金属材の塗装方法を用いて形成された塗装物を示す断面図。 本発明の第3の実施形態に係る金属材の塗装方法を用いて形成された塗装物を示す断面図。
符号の説明
1…金属材料、2…水性下塗り塗膜、3…有機溶剤型上塗り塗膜、
4…水性上塗り塗膜、5…バインダー塗膜、6…パテ剤(充填)、7…水性中塗り塗膜。

Claims (3)

  1. (1)金属材に、アクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリカからなる防錆顔料、及びタルクからなる体質顔料をそれぞれ含有する水性下塗り兼中塗り塗料を塗装する工程と、
    (2)前記水性下塗り兼中塗り塗料を加熱硬化させる工程と、
    (3)前記加熱硬化された水性下塗り兼中塗り塗料の塗面にアクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂及びエポキシ樹脂を含有する水性上塗り塗料を塗装する工程と、
    (4)前記水性上塗りを加熱硬化させる工程と、
    (5)前記水性上塗り塗料の塗面に有機溶剤型の塗料を塗装する工程と、
    を具備することを特徴とする金属材の塗装方法。
  2. (i)金属材に、アクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリカからなる防錆顔料、及びタルクからなる体質顔料をそれぞれ含有する水性下塗り兼中塗り塗料を塗装する工程と、
    (ii)前記水性下塗り兼中塗り塗料を加熱硬化させる工程と、
    (iii)前記加熱硬化された水性下塗り兼中塗り塗料の塗面に有機溶剤型の上塗り塗料を塗装する工程と、
    を具備することを特徴とする金属材の塗装方法。
  3. (a)金属材に、アクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリカからなる防錆顔料、及びタルクからなる体質顔料をそれぞれ含有する水性下塗り兼中塗り塗料を塗装する工程と、
    (b)前記水性下塗り兼中塗り塗料を加熱硬化させる工程と、
    (c)前記塗面にパテ付け−硬化−パテ研ぎを実施する工程と、
    (d)前記パテ付け面及び塗面にアクリル変性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂エポキシ樹脂、シリカからなる防錆顔料、及びタルクからなる体質顔料をそれぞれ含有する水性下塗り兼中塗り塗料を塗装する工程と、
    (e)前記水性下塗り兼中塗り塗料を130〜150℃で20〜30分間加熱硬化させる工程と、
    (f)前記加熱硬化された水性下塗り兼中塗り塗料の塗面に有機溶剤型の上塗り塗料を塗装する工程と、
    を具備することを特徴とする金属材の塗装方法。
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