JP2015209443A - 塗料組成物、塗膜、および、塗装鋼板 - Google Patents

塗料組成物、塗膜、および、塗装鋼板 Download PDF

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洋一 戸崎
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奨 吉田
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正樹 後藤
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Toshiaki Sakamoto
聡明 坂本
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Abstract

【課題】耐食性、耐水性に優れた塗料組成物および塗装鋼板を提供する。
【解決手段】鋼板上に防錆塗膜を形成する塗料組成物が、樹脂組成物(I)と、架橋剤(II)と、非クロム系防錆顔料(III)とを含み、樹脂組成物(I)が、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)とアミン変性エポキシ樹脂(B)とを含み、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)とアミン変性エポキシ樹脂(B)の合計固形分100質量部に対して、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)の固形分が99〜1質量部であり、非クロム系防錆顔料(III)が、五酸化バナジウム(C)と、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)とを含み、前記化合物(D)が、Na、Li、CaおよびMgから選ばれる少なくとも1種からなる金属の、酸化物、水酸化物及び炭酸塩から選ばれる少なくとも1種を含み、樹脂組成物(I)と架橋剤(II)との合計固形分100質量部に対して、固形分で、五酸化バナジウム(C)と前記化合物(D)の合計が1質量部以上、200質量部以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物、この塗料組成物を用いて形成されて成る塗膜、および、この塗料組成物を用いて形成されてなる塗膜を有する塗装鋼板に関する。
冷延鋼板やめっき鋼板を基材として塗装を施した塗装鋼板は、プレコートメタルとも呼ばれ、エアコンの室外機、給湯器の家電外装品、屋根、壁等の外装用建材等、種々の用途に用いられている。
亜鉛めっき鋼板を含む塗装鋼板には、耐食性を向上させて発錆を防ぐために、通常、防錆塗料がその表面に塗装される。従来、防錆塗料としてはクロム含有塗料を使用することが一般的であった。クロム含有塗膜を形成することにより、錆の発生を抑制することができる。
例えば、特許文献1には、(A)イミノ基含有アミノアルコール類(a−1)と、エポキシ当量が450〜5000g/eqなるエポキシ樹脂(a−2)とを反応させて得られる水酸基含有変性エポキシ樹脂と、(B)エポキシ樹脂(b−1)と水酸基含有リン酸系化合物(b−2)とを反応して得られる変性エポキシ樹脂とを、必須成分とするエポキシ樹脂組成物と、ジンククロメートとを含む被覆用組成物が開示されている。また、特許文献1の実施例には、塗膜形成樹脂としてビスフェノールA型エポキシ変性水酸基含有化合物とリン酸系化合物で変性した変性エポキシ樹脂、防錆顔料としてジンククロメート、架橋剤としてメチル化メラミン樹脂が用いられている。
しかしながら、クロムは、環境への悪影響が懸念され、その使用が制限されつつある。そこで、クロム化合物以外の防錆剤としてバナジン酸金属塩等のバナジウム化合物を含有する塗料がこれまで種々提案されている。
例えば、特許文献2には、(A)リン酸基を含有せず水酸基を含有する塗膜形成性樹脂、(B)架橋剤、(C)防錆顔料混合物及び(D)リン酸基含有樹脂及び/又はリン酸塩基含有樹脂であるリン酸(塩)基含有樹脂を含有する塗料組成物であって、該防錆顔料混合物(C)が、(1)五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物及び(2)イオン交換シリカからなるものであり、該樹脂(A)及び該架橋剤(II)の合計固形分100質量部に対して、該バナジウム化合物(1)の量が3〜50質量部、該イオン交換シリカ(2)の量が3〜50質量部、及びリン酸(塩)基含有樹脂(D)のリン酸基含有樹脂とリン酸塩基含有樹脂との合計量が1〜30質量部であって、かつ該防錆顔料混合物(C)の量が6〜100質量部である、塗料組成物が開示されている。また、特許文献2の実施例には、塗膜形成樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂とリン酸基含有エポキシ樹脂、防錆顔料として五酸化バナジウム、架橋剤としてブロック化HDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物溶液が用いられている。
さらに、特許文献3には、塗膜形成樹脂(A)、少なくとも1種類の非晶質MgO−V25系化合物からなる防錆顔料(B)、架橋剤(C)を含有するクロムフリー塗料組成物であって、前記防錆顔料(B)の質量含有比率は、前記塗膜形成樹脂(A)と前記架橋剤(C)の樹脂固形分質量の総和に対して10〜80質量%であり、かつ前記防錆顔料(B)の10質量%水溶液の総溶出イオン量が10ppm〜100ppmである、クロムフリー塗料組成物が開示されている。また、特許文献3の実施例には、塗膜形成樹脂としてジエタノールアミン変性エポキシ樹脂、防錆顔料として非晶質MgO−V25系化合物、架橋剤としてブロック化ポリイソシアネート化合物が用いられており、同じく特許文献3の比較例には、塗膜形成樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、防錆顔料として五酸化バナジウムと酸化マグネシウム、架橋剤としてブロック化ポリイソシアネート化合物が用いられている。
特開平7−278414号公報 特開2011−52213号公報 特開2013−133340号公報
しかし、従来のクロム化合物の代わりに防錆剤としてバナジン酸金属塩等のバナジウム化合物を含有する塗料組成物は、耐食性および耐水性の点で、さらに改良する余地があった。また、特許文献1〜3の組成物は、いずれも本願発明の塗料組成物とはその構成が異なり、効果も著しく劣るものであり、本願発明について記載も示唆も見られない。
本発明は、亜鉛系めっき等が付されためっき鋼板(プレコート鋼板)に、耐食性および耐水性に優れたクロムフリー防錆塗膜を形成する塗料組成物を提供することを目的とする。
また、耐食性および耐水性を有し、かつ、上記塗料組成物を用いて形成された塗膜および当該塗膜を有する塗装鋼板(プレコート鋼板)を提供することを目的とする。
リン酸基含有エポキシ樹脂(A)とアミン変性エポキシ樹脂(B)とを含む樹脂組成物と、架橋剤の固形分に対して、第1族または第2族の金属元素からなる化合物と五酸化バナジウム化合物とを特定比率で含有する塗料組成物によれば、上記課題が解決できることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕 鋼板上に防錆塗膜を形成する、実質的にクロムを含まない塗料組成物であって、前記塗料組成物が、樹脂組成物(I)と、架橋剤(II)と、非クロム系防錆顔料(III)とを含み、前記樹脂組成物(I)が、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)と、アミン変性エポキシ樹脂(B)とを含み、前記リン酸基含有エポキシ樹脂(A)とアミン変性エポキシ樹脂(B)の合計固形分100質量部に対して、前記リン酸基含有エポキシ樹脂(A)の固形分が99質量部以下、1質量部以上であり、前記非クロム系防錆顔料(III)が、五酸化バナジウム(C)と、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)とを含み、前記第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)が、Na、Li、CaおよびMgから選ばれる少なくとも1種からなる金属の、酸化物、水酸化物及び炭酸塩から選ばれる少なくとも1種を含み、前記樹脂組成物(I)と架橋剤(II)との合計固形分100質量部に対して、前記五酸化バナジウム(C)と第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)の合計が固形分で、1質量部以上、200質量部以下である、塗料組成物。
〔2〕 前記第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)が、CaまたはMgからなる金属の、酸化物または水酸化物または炭酸塩、を少なくとも1種を含むものである、〔1〕に記載の塗料組成物。
〔3〕 前記樹脂組成物(I)が、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)と、アミン変性エポキシ樹脂(B)と、エポキシ樹脂および/またはポリエステル樹脂とを含むものである、〔1〕または〔2〕に記載の塗料組成物。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕に記載の塗料組成物を用いて形成された塗膜。
〔5〕 〔1〕〜〔3〕に記載の塗料組成物によって形成される防錆塗膜が形成された塗装鋼板。
〔6〕 〔5〕に記載の防錆塗膜が形成された鋼板であり、前記防錆塗膜上に、少なくとも1層以上の塗膜が形成された塗装鋼板。
本発明によると、亜鉛系めっき等が付されためっき鋼板に、耐食性および耐水性に優れたクロムフリー防錆塗膜を形成することが可能な塗料組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、耐食性、および耐水性を有し、かつ、上記塗料組成物を用いて形成された塗膜および当該塗膜を有する塗装鋼板を提供することができる。
耐食性試験に用いた塗装鋼板試験片の概略を示す模式図である。 耐食性試験に用いた塗装鋼板試験片に設けられたクロスカット部および4T折り曲げ加工部を示す模式図である。
[塗料組成物]
本発明の塗料組成物は、鋼板上に防錆塗膜を形成する、実質的にクロムを含まない塗料組成物であって、前記塗料組成物が、樹脂組成物(I)と、架橋剤(II)と、非クロム系防錆顔料(III)とを含み、前記樹脂組成物(I)が、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)と、アミン変性エポキシ樹脂(B)とを含み、前記リン酸基含有エポキシ樹脂(A)とアミン変性エポキシ樹脂(B)の合計固形分100質量部に対して、前記リン酸基含有エポキシ樹脂(A)の固形分が99質量部以下、1質量部以上であり、前記非クロム系防錆顔料(III)が、五酸化バナジウム(C)と、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)とを含み、前記第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)が、Na、Li、CaおよびMgから選ばれる少なくとも1種からなる金属の、酸化物、水酸化物及び炭酸塩から選ばれる少なくとも1種を含み、前記樹脂組成物(I)と架橋剤(II)との合計固形分100質量部に対して、前記五酸化バナジウム(C)と第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)の合計が固形分で、1質量部以上、200質量部以下である。
ここで、本明細書中において、「実質的にクロムを含有しない」とは、塗料組成物の配合中に積極的にクロムは含有させないという意味である。
また、本明細書中において、「耐水性が向上する」とは、被塗物が高湿環境下に置かれた場合でも塗膜にフクレや剥がれが生じにくくなることを意味しており、基本的には塗膜の透水抑制性能を大きくすることで向上する。しかしながら塗膜の透水抑制性能を向上しすぎると、防錆顔料である五酸化バナジウムの溶出性を低下させ、塗膜の耐食性を低下させることになる。したがって、従来に比べ高い水準で耐水性と耐食性とを両立させるためには、従来と比較して透水抑制性能が高いものの、透水抑制性能が過度に高くなり過ぎず、適度な透水性を備えることが重要になる。
また、以下、「〜」という用語は、その下限値以上、上限値以下を示す用語である。
本発明における塗料組成物は、従来に比べ、優れた耐食性および耐水性を有する。そのメカニズムは定かではないが、発明者らは、以下に示すような作用により、耐食性および耐水性が向上すると推察する。
すなわち、五酸化バナジウム(C)と、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)とを併用することで、酸とアルカリとの反応により、防錆顔料である五酸化バナジウム(V25)が(VO3-にイオン化し、この(VO3-が、鋼板の表面を酸化して保護皮膜の形成に寄与すると推察する。また、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)を併用することで、五酸化バナジウム単独の場合に比べ、五酸化バナジウムの溶出も促進され、その結果、塗膜の防錆性が向上すると考える。
また、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)は、(R1−)(R2O−)P(=O)(−OH)(式中、R1およびR2は、エポキシ樹脂を形成する樹脂鎖である)と表される。ここで、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)単独のときは、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)のリン酸基の−OHの酸素が、鋼板の表面の水酸基の水素と水素結合することによって、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)が鋼板に密着すると考えられる。
これに対して、本発明のように、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)とアミン変性エポキシ樹脂(B)を併用することで、酸アルカリ反応によって、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)のリン酸基の−OHが、−O-になり易くなり、その結果、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)のリン酸基の−O-と、鋼板の表面の水酸基の水素とが、電気的により強く引き合って水素結合することにより、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)が鋼板により密着し易くなると考える。
また、上述した、五酸化バナジウム(C)と、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)との酸アルカリの反応により生じた、第1族または第2族の金属元素イオンによって、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)のリン酸基の−OHが、−O-になり易くすると考えられる。これにより、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)のリン酸基の−O-と、鋼板の表面の水酸基の水素とが、電気的により強く引き合って水素結合することにより、従来に比べ、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)が鋼板に対して密着し易くなると考えられる。このリン酸基含有エポキシ樹脂(A)の密着性の向上に伴い、耐アルカリ性、耐水性が向上すると推察される。
アミン変性エポキシ樹脂(B)は、(R1−)(R2−)NH(式中、R1およびR2は、エポキシ樹脂を形成する樹脂鎖である)と表される。ここで、上述のように、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)のリン酸基が−O-になると、放出された水素イオンがアミン変性エポキシ樹脂(B)と作用して、(R1−)(R2−)N+2となる。この(R1−)(R2−)N+2と(VO3-との相互作用により、この相互作用がない場合に比べて、塗膜中へ(VO3-が徐放されると考えられ、その結果、長期に亘って、鋼板の表面に保護皮膜が形成され続けるため、耐食性が維持される。
また、アミン変性エポキシ樹脂(B)が、上記構造中の窒素と、鋼板の表面の水酸基の水素とが水素結合することによって、アミン変性エポキシ樹脂(B)も鋼板に密着すると考えられる。
<樹脂組成物(I)>
本発明の塗料組成物に用いられる樹脂組成物(I)は、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)と、アミン変性エポキシ樹脂(B)とを含む。
また、本発明の塗料組成物の防食性を損ねない範囲で、後述するその他の樹脂として塗膜形成性樹脂(a)を含んでもよい。
(リン酸基含有エポキシ樹脂(A))
本発明の塗料組成物に含まれるリン酸基含有エポキシ樹脂(A)は、エポキシ当量が150〜5,000g/eqなるエポキシ樹脂(a−1)と水酸基含有リン酸系化合物(a−2)とを反応して得られる変性エポキシ樹脂であることが好ましい。
エポキシ樹脂(a−1)としては、特に限定されるものではないが、具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂との共重合型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル、モノ(ジ)ヒドロキシナフタレンノボラックのポリグリシジルエーテル、フェノール−ジビニルベンゼン架橋型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジビニルベンゼン架橋型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、モノ(ジ)ヒドロキシナフタレン−ジビニルベンゼン架橋型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂若しくはビスフェノールF型エポキシ樹脂のカルボン酸、カルボン酸無水物、アルコール類またはアミン類などで変性した変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、なかでも、被塗物である無機質基材との密着性あるいは硬化皮膜の強度等に優れ、また、後述するアミン変性エポキシ樹脂(B)との相溶性も良好な点からビスフェノールA型エポキシ樹脂或いはビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂(a−1)は、具体的にはエポキシ当量150〜5,000g/eqであることが好ましい。
水酸基含有リン酸系化合物(a−2)としては、特に限定されるものではなく、リン原子上に少なくとも1個の水酸基を有するものであればよいが、例えば、下記一般式(1)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2015209443
(一般式(1)中、R1、R2は夫々同一又は別個に炭素原子数1〜12のアルキル基、アルケニル基、ベンジル基または水酸基を表す。)
一般式(1)で表わされる構造を有するもののなかでも、特に本発明の効果が顕著である点からリン酸が好ましい。
エポキシ樹脂(a−1)と水酸基含有リン酸系化合物(a−2)との反応は、特に条件が制限されるものではなく、両者を無触媒下に常温で緩やかに反応させて目的物を得ることができるが、溶媒及び触媒の存在下又は不存在下で50〜200℃好ましくは80〜140℃で反応させ、目的とするエポキシ変性物を得ることが好ましい。
さらに、エポキシ化合物(a−1)と水酸基含有リン酸系化合物(a−2)との割合は特に限定されるものではないが、前記一般式(1)のR1、R2が夫々水酸基でない場合、即ちリン原子に1個の水酸基が結合している場合、エポキシ化合物(a−1)のエポキシ基1化学当量に対して、水酸基含有リン酸系化合物(a−2)が0.8〜1.5モルであることが好ましい。また、前記一般式(1)のR1、R2のいずれかが水酸基、即ちリン原子に2個の水酸基が結合している場合、エポキシ化合物(a−1)のエポキシ基1化学当量に対して、水酸基含有リン酸系化合物(a−2)が0.4〜1.0モルであることが好ましい。さらに、前記一般式(1)のR1、R2の双方が水酸基、即ちリン酸の場合、エポキシ化合物(a−1)のエポキシ基1化学当量に対して、水酸基含有リン酸系化合物(a−2)が0.20〜1.0モルであることが好ましく、エポキシ化合物(a−1)のエポキシ基1化学当量に対しリン酸が0.25〜0.35モルであることがより好ましい。
(アミン変性エポキシ樹脂(B))
本発明の塗料組成物に含まれるアミン変性エポキシ樹脂(B)は、イミノ基含有アミノアルコール類(b−1)と、エポキシ当量が450〜5,000g/eqなるエポキシ樹脂(b−2)とを反応させて得られるものが好ましい。
イミノ基含有アミノアルコール類(b−1)とは、エポキシ樹脂(b−2)中のエポキシ基と容易に反応して分子の末端ないしは末端近傍に水酸基を導入させるための化合物であって、通常の第2級アミンのアミノアルコールが何れも使用でき、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチル−モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンまたはアミノジベンジルアルコール等が挙げられる。
エポキシ当量が450〜5,000g/eqなるエポキシ樹脂(b−2)としては、エポキシ当量が450〜5,000g/eqなることが必須の条件であり、この範囲にする事により、被塗物である鋼板等の基材への密着性が極めて良好なものとなり、また、適度な流動性を有することから塗装の作業性も向上する。なかでも、エポキシ樹脂(b−2)の数平均分子量(Mn)が600〜10,000であることが、皮膜強度や作業性の面から好ましい。
したがって、これらのエポキシ当量と数平均分子量(Mn)とを併せ有するものが、さらに好ましいものである。このようなエポキシ樹脂としては特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールのジグリシジルエーテル等のビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂との共重合型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル、モノ(ジ)ヒドロキシナフタレンノボラックのポリグリシジルエーテル、フェノール−ジビニルベンゼン架橋型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジビニルベンゼン架橋型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、モノ(ジ)ヒドロキシナフタレン−ジビニルベンゼン架橋型フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、ビスフェノール型エポキシ樹脂若しくはビフェノール型エポキシ樹脂のカルボン酸、カルボン酸無水物、アルコール類またはアミン類などで変性した変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、なかでも、被塗物である鋼板等の基材との密着性あるいは硬化皮膜の強度等に優れる点からビスフェノールA型エポキシ樹脂或いはビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
なお、上記例示したものは代表例であって、エポキシ当量が450〜5,000g/eqなるものであれば、上述以外のタイプのエポキシ樹脂も使用できるし、さらにMnが600〜10,000なる範囲内であるものであれば、いずれのタイプのエポキシ樹脂でも使用できることは言うまでもない。
また、上述したそれぞれのアミノアルコール類(b−1)とエポキシ樹脂(b−2)とを反応させてアミン変性エポキシ樹脂(B)を得るには、無触媒下に常温で緩やかに反応させて目的物を得ることができるが、好ましくはエポキシ樹脂(b−2)エポキシ基の1化学当量に対して、アミノアルコール類(b−1)のアミノ基の0.5〜2.0化学当量、好ましくは0.8〜1.5化学当量、さらに好ましくは0.9〜1.05化学当量となる割合でこれらの両化合物を混合し、50〜250℃、好ましくは80〜200℃で、溶剤および触媒の存在下または不存在下に加熱することにより容易に目的とするアミン変性エポキシ樹脂(B)を得ることができる。
樹脂組成物(I)において、耐食性および耐水性の観点から、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)とアミン変性エポキシ樹脂(B)の合計固形分100質量部に対して、前記リン酸基含有エポキシ樹脂(A)の固形分が99質量部以下、1質量部以上であり、5〜50質量部が好ましい。リン酸基含有エポキシ樹脂(A)の含有量が上記範囲内であることで、耐酸性及び耐アルカリ性の両方の性能を維持することができる。
また、本発明に用いる樹脂組成物(I)は、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)と、アミン変性エポキシ樹脂(B)とを含み、また、防食性を損なわれない範囲で、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)、及びアミン変性エポキシ樹脂(B)以外の樹脂を含むことができる。リン酸基含有エポキシ樹脂(A)、及びアミン変性エポキシ樹脂(B)以外の樹脂として、ポリエステル樹脂およびその変性物(ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、シリコーン変性ポリエステル樹脂等);アクリル樹脂およびその変性物(シリコーン変性アクリル樹脂等);ウレタン樹脂およびその変性物(エポキシ変性ウレタン樹脂等);フェノール樹脂およびその変性物(アクリル変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂等);フェノキシ樹脂;アルキド樹脂およびその変性物(ウレタン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂等);フッ素樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂等の樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記のなかでも、樹脂組成物(I)のリン酸基含有エポキシ樹脂(A)、及びアミン変性エポキシ樹脂(B)以外の樹脂としては、得られる塗膜の折り曲げ加工性や得られる塗膜の耐水性、耐食性および耐候性のバランスの観点から、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂またはこれらの変性物、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることが可能であって、これらから選択される1種以上を用いることができる。好ましくは、熱硬化性樹脂として、水酸基と反応する、後述する架橋剤(II)を選択することによって、得られる塗膜に耐水性、耐食性および耐候性など多様な特性を付与することができる観点から、水酸基含有エポキシ樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂および水酸基を含有するこれらの変性物から選択される1種以上を用いることが好ましい。
上記エポキシ樹脂としては、たとえば、エピクロルヒドリンとビスフェノールとを必要に応じてアルカリ触媒などの触媒存在下で高分子量まで縮合させてなる樹脂;ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等のビスフェノール型エポキシ樹脂;およびノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
エポキシ樹脂の変性物としては、たとえば、アクリル変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂を挙げることができる。たとえば、アクリル変性エポキシ樹脂を例に挙げれば、これは、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂または上記ノボラック型エポキシ樹脂に、アクリル酸またはメタクリル酸などを含む重合性不飽和モノマー成分を反応させて調製することができる。また、ウレタン変性エポキシ樹脂を例に挙げれば、これは、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂または上記ノボラック型エポキシ樹脂にポリイソシアネート化合物を反応させて調製することができる。
上記ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸との重縮合により得られるものである。上記多価アルコールの具体例としては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールまたは1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ヒドロキシアルキル化ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート(BASHPN)、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)ジメチルヒダントイン、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−(ヒドロキシエチル)イソシアナートなどを挙げることができる。多価アルコールは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記多塩基酸の具体例としては、たとえば、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、乳酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、無水エンド酸などを挙げることができる。多塩基酸は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂の変性物としては、たとえば、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、シリコーン変性ポリエステル樹脂などの変性ポリエステル樹脂を挙げることができる。たとえば、シリコーン変性ポリエステル樹脂を例に挙げれば、これは、ポリエステル樹脂と有機シリコーン(たとえば、官能基として−SiOCH3基および/または−SiOH基を有する数平均分子量(Mn)300〜1,000程度の有機シリコーン)とを反応させることにより調製することができる。有機シリコーンの使用量は、通常、ポリエステル樹脂100質量部に対して、5〜50質量部程度である。また、ウレタン変性ポリエステル樹脂を例に挙げれば、これは、上記ポリエステル樹脂とポリイソシアネート化合物とを反応させて調製することができる。
上記アクリル樹脂としては、たとえば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマーおよびそのラクトン付加物;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸アルキル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリルなどから選択される1種または2種以上のモノマーからなるアクリル樹脂を挙げることができる。アクリル樹脂は、上記モノマーに由来する構成単位のほか、他のモノマー(たとえば、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有エチレン性モノマーや、スチレンなどのビニル系モノマー等)に由来する構成単位を含んでいてもよい。
アクリル樹脂の変性物としては、たとえば、シリコーン変性アクリル樹脂などの変性アクリル樹脂を挙げることができる。たとえば、シリコーン変性アクリル樹脂を例に挙げれば、これは、アクリル樹脂と上記したような有機シリコーンとを反応させることにより調製することができる。有機シリコーンの使用量は、通常、アクリル樹脂100質量部に対して、5〜50質量部程度である。
上記水酸基含有エポキシ樹脂(水酸基含有エポキシ樹脂変性物を含む)の数平均分子量(Mn)は、2,000〜10,000であることが好ましく、2,000〜4,000であることがより好ましい。上記水酸基含有エポキシ樹脂のガラス転移温度(Tg)は60〜120℃であることが好ましく、60〜100℃であることがより好ましい。また、上記水酸基含有ポリエステル樹脂(水酸基含有ポリエステル樹脂変性物を含む)の数平均分子量(Mn)は、2,000〜30,000であることが好ましく、10,000〜20,000であることがより好ましい。上記水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は0〜80℃であることが好ましく、10〜40℃であることがより好ましい。使用する水酸基含有エポキシ樹脂および/または酸基含有ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が上記範囲内であることにより、後述する架橋剤(II)との架橋反応が十分に進行し、塗膜の耐水性が十分となり、それに伴い耐食性を確保できるとともに、得られる塗料組成物が適切な粘度になって取り扱い性が良好となる。また、塗膜中に含まれる五酸化バナジウムの溶出が適切となり、酸性環境条件下における耐食性が良好となり、好ましい。また、使用する水酸基含有エポキシ樹脂および/または水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が上記範囲内であることにより、塗膜の透湿性が過度に高くなることなく、塗膜の耐水性が十分となり、耐食性も良好となり、さらに所望の加工性が得られるため、折り曲げ性が良好で、白錆の発生が抑制される。
上記水酸基含有エポキシ樹脂(水酸基含有エポキシ樹脂変性物を含む)としては、例えば、三菱化学製の商品名「jER1004」、「jER1007」、「1255HX30」(ビスフェノールA骨格)、「YX8100BH30」等を挙げることができる(ここで、「jER」は登録商標である)。また、水酸基含有ポリエステル樹脂(水酸基含有ポリエステル樹脂変性物を含む)としては、例えば、DIC製の商品名「ベッコライト47−335」、東洋紡製の商品名「バイロン220」、「バイロン780」、「バイロンUR3500」、「バイロンUR5537」、「バイロンUR8300」等を挙げることができる(ここで、「バイロン」は登録商標である)。
なお、本明細書中において、エポキシ当量とは、JIS K 7236に記載の方法で求めた値である。数平均分子量(Mn)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。また、本明細書中において、ガラス転移温度(Tg)とは、熱分析装置(セイコーインスツル製の商品名「TMA100/SSC5020」)を用いて測定した値である。
本発明の塗料組成物における樹脂組成物(I)の含有量は、通常、全固形分中10〜80質量%であり、20〜70質量%であることが好ましい。10質量%以上であることにより、折り曲げ加工性、塗装作業性、塗膜強度が良好となる。また、塗膜形成性樹脂(a)の含有量が80質量%以下であることにより、十分な耐食性を得ることができる。
《樹脂組成物(I)中のリン酸基含有エポキシ樹脂(A)と、アミン変性エポキシ樹脂(B)との合計含有量》
本発明の樹脂組成物(I)において、樹脂組成物(I)の合計固形分100質量部に対して、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)と、アミン変性エポキシ樹脂(B)との合計含有量の固形分は、1〜100質量部が好ましく、5〜80質量部がより好ましく、耐候性の観点から、10〜40質量部がさらに好ましい。
<架橋剤(II)>
本発明の塗料組成物に用いられる架橋剤(II)は、樹脂組成物(I)と反応して硬化塗膜を形成するものである。
架橋剤(II)としては、熱硬化性樹脂と反応して硬化塗膜を形成するものである。架橋剤(II)としては、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を活性水素含有化合物でブロックしたブロックポリイソシアネート化合物(f)、アミノ樹脂(g)、フェノール樹脂等を挙げることができ、なかでも、ブロックポリイソシアネート化合物(f)およびメチロール基若しくはイミノ基を1分子中に平均して1つ以上有するアミノ樹脂(g)からなる群から選択される1種以上を用いることが好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物および上記ブロックポリイソシアネート化合物(f)を構成するポリイソシアネート化合物としては特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。
例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−または1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(別名イソホロンジイソシアネート;IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(別名:水添MDI)、2−または4−イソシアナトシクロヘキシル−2’−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−または1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−または1,4−α,α,α’α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,4−または2,6−ジイソシアナトトルエン、2,2’−、2,4’−または4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−またはm−フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等である。また、各ジイソシアネート同士の環化重合体(イソシアヌレート型)、さらにはイソシアネート・ビウレット体(ビウレット型)、アダクト型を使用してもよい。ポリイソシアネート化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。イソシアヌレート型のポリイソシアネート化合物は、本発明において好ましく用いられるものの1つである。
上記のなかでも、ポリイソシアネート化合物としては、分子内に1以上の芳香族官能基を含有する芳香族ポリイソシアネート化合物を用いることが好ましい。芳香族ポリイソシアネート化合物を用いることにより、塗膜の耐水性を向上させることができるとともに、塗膜強度を向上させることができる。好ましく用いられる芳香族ポリイソシアネート化合物としては、2,4−ジイソシアナトトルエンまたは2,6−ジイソシアナトトルエン(TDI)、2,2’−ジイソシアナトジフェニルメタン、2,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンまたは4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等を挙げることができる。
ブロックポリイソシアネート化合物(f)を構成するポリイソシアネート化合物の、JIS K 7301−1995に準拠して測定されるイソシアネート基含有率は、ポリイソシアネート化合物の固形分中、通常3〜20%であり、好ましくは5〜15%である。イソシアネート基含有率が上記好ましい範囲の下限値以上であることにより、塗膜の硬化性が十分となり好ましい。一方、イソシアネート基含有率が上記好ましい範囲の上限値以下であることにより、得られる塗膜の架橋密度が適切となって耐食性が良好となり好ましい。
上記ブロックポリイソシアネート化合物(f)に用いられる活性水素含有化合物(ブロック化剤)としては特に制限されず、−OH基(アルコール類、フェノール類等)、=N−OH基(オキシム類等)、=N−H基(アミン類、アミド類、イミド類、ラクタム類等)を有する化合物や、−CH2−基(活性メチレン基)を有する化合物、アゾール類を挙げることができる。
例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ε−カプロラクタム、σ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、メタノール、エタノール、n−、i−、またはt−ブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、ホルムアミドオキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケドキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシム、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、ピラゾール等である。活性水素含有化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ブロックポリイソシアネート化合物(f)の熱による解離温度は、これを構成するポリイソシアネート化合物および活性水素含有化合物の種類や触媒の有無およびその量に依存するが、本発明においては、熱による解離温度(無触媒状態)が120〜180℃であるブロックポリイソシアネート化合物(f)が好ましく用いられる。この範囲内に解離温度を示すブロックポリイソシアネート化合物(f)を用いることにより、塗料の安定性を向上させることができ、また、塗膜形成性樹脂(a)との架橋反応性に優れているため、耐水性が良好な塗膜を得ることができる。解離温度が120〜180℃であるブロックポリイソシアネート化合物(f)としては、例えば、住化バイエルウレタン製の商品名「デスモジュールBL3175」、「デスモサーム2170」等を挙げることができる(ここで、「デスモジュール」は登録商標である)。
上記アミノ樹脂(g)としては、メラミン樹脂、尿素樹脂等を挙げることができ、なかでもメラミン樹脂が好ましく用いられる。「メラミン樹脂」とは、一般的に、メラミンとアルデヒドから合成される熱硬化性の樹脂を意味し、トリアジン核1分子中に3つの反応性官能基−NX12を有している。メラミン樹脂としては、反応性官能基として−N−(CH2OR)2〔Rはアルキル基、以下同じ〕を含む完全アルキル型;反応性官能基として−N−(CH2OR)(CH2OH)を含むメチロール基型;反応性官能基として−N−(CH2OR)(H)を含むイミノ基型;反応性官能基として、−N−(CH2OR)(CH2OH)と−N−(CH2OR)(H)とを含む、あるいは−N−(CH2OH)(H)を含むメチロール/イミノ基型の4種類を例示することができる。
本発明においては、上記メラミン樹脂のなかでも、メチロール基またはイミノ基をトリアジン核に平均して1つ以上有するメラミン樹脂(以下、メラミン樹脂(g1)という)、すなわち、メチロール基型、イミノ基型あるいはメチロール/イミノ基型メラミン樹脂またはこれらの混合物を用いることが好ましい。メラミン樹脂(g1)は、無触媒下においても塗膜形成性樹脂(a)との架橋反応性に優れており、耐水性が良好な塗膜を得ることができる。メラミン樹脂(g1)としては、例えば、日本サイテックインダストリーズ製の商品名「マイコート715」等を挙げることができる。
本発明の塗料組成物における架橋剤(II)の含有量は、樹脂組成物(I)の固形分100質量部に対して、好ましくは、固形分で1〜80質量部であり、より好ましくは5〜70質量部である。架橋剤(II)が上記範囲内で含有されることにより、所望の範囲で架橋され、耐水性、耐アルカリ性が維持され、また、五酸化バナジウムの溶出速度も制御されて、耐食性が維持される。
また、架橋剤として、芳香族系の架橋剤は、脂肪族系の架橋剤に比べ、塗膜の耐水性が向上する傾向があるとともに、塗膜の強度を向上させる傾向がある。
特に、芳香族系の架橋剤が上記範囲内で含有されることにより、透湿性が抑制され、耐水性および耐アルカリ性が維持され、また、五酸化バナジウムの溶出が阻害されず、耐食性が向上する。
<非クロム系防錆顔料(III)>
本発明の塗料組成物における非クロム系防錆顔料(III)は、五酸化バナジウム(C)と、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)とを含む。
五酸化バナジウム(C)と、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)とを併用することで、酸とアルカリとの反応により、防錆顔料である五酸化バナジウム(V25)が(VO3-にイオン化し、この(VO3-が、鋼板の表面を酸化して保護皮膜の形成に寄与すると推察する。また、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)を併用することで、五酸化バナジウム単独の場合に比べ、五酸化バナジウムの溶出も促進され、その結果、塗膜の防錆性が向上すると考える。
(第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D))
本発明に用いられる第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)は、Na、Li、CaおよびMgから選ばれる少なくとも1種からなる金属の、酸化物、水酸化物及び炭酸塩から選ばれる少なくとも1種を含み、耐水性、耐アルカリ性の観点から、CaまたはMgからなる金属の、酸化物または水酸化物または炭酸塩、を少なくとも1種を含むことが好ましい。
第1族の金属元素からなる化合物の具体例としては、Na2O、NaOH、Na2CO3、Li2O、LiOH、及びLi2CO3が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも1種を用いる。
第2族の金属元素からなる化合物の具体例としては、CaO、Ca(OH)2、CaCO3、MgO、Mg(OH)2およびMgCO3が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも1種を用いる。
《五酸化バナジウム(C)及び第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)との配合比》
本発明の塗料組成物において、五酸化バナジウム(C)と第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)とのモル比は、1:99〜99:1が好ましく、5:95〜70:30がより好ましく、10:90〜70:30がさらに好ましい。五酸化バナジウム(C)と第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)とのモル比が、上記範囲内になることにより、耐食性および耐アルカリ性が向上する。
《樹脂組成物(I)及び架橋剤(II)と、五酸化バナジウム(C)及び第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)との配合量》
本発明の塗料組成物において、前記樹脂組成物(I)と架橋剤(II)との合計固形分100質量部に対して、前記五酸化バナジウム(C)と第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)の合計は、固形分で、1〜200質量部であり、25〜150質量部が好ましい。上記範囲内であることで、塗膜の、耐食性、耐水性に優れる。
<その他の添加剤>
本発明の塗料組成物は、必要に応じて、上記以外のその他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、上記五酸化バナジウム(C)及び第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)以外の防錆顔料;上記体質顔料以外の体質顔料;着色顔料、染料等の着色剤;光輝性顔料;溶剤;紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等);酸化防止剤(フェノール系、スルフォイド系、ヒンダードアミン系酸化防止剤等);可塑剤;表面調整剤(シリコーン、有機高分子等);タレ止め剤;増粘剤;ワックス等の滑剤;顔料分散剤;顔料湿潤剤;レベリング剤;色分かれ防止剤;沈殿防止剤;消泡剤;防腐剤;凍結防止剤;乳化剤;防かび剤;抗菌剤;安定剤等がある。これらの添加剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記五酸化バナジウム(C)及び第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)以外の防錆顔料としては、非クロム系防錆顔料を用いることができ、例えば、モリブデン酸塩顔料(モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸ストロンチウム等)、リンモリブデン酸塩顔料(リンモリブデン酸アルミニウム系顔料等)、カルシウムシリカ系顔料、トリポリリン酸塩等のリン酸塩系防錆顔料、ケイ酸塩系防錆顔料等の非クロム系防錆顔料が挙げられる。これらは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明の塗料組成物は、五酸化バナジウム(C)及び第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)を所定量含有することから、十分に高い耐食性を示すが、必要に応じて、得られる塗膜の耐食性、耐水性、耐薬品性等を損なわない範囲で上記のような五酸化バナジウム(C)及び第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)以外の防錆顔料が使用されてもよい。
上記着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、コールダスト等の無機着色顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン、ペリレン、アンスラピリミジン、カルバゾールバイオレット、アントラピリジン、アゾオレンジ、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロー、アゾイエロー、インダスロンブルー、ジブロムアンザスロンレッド、ペリレンレッド、アゾレッド、アントラキノンレッド等の有機着色顔料;アルミニウム粉、アルミナ粉、ブロンズ粉、銅粉、スズ粉、亜鉛粉、リン化鉄、微粒化チタン等を挙げることができる。これらは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記光輝性顔料としては、例えば、アルミ箔、ブロンズ箔、スズ箔、金箔、銀箔、チタン金属箔、ステンレススチール箔、ニッケル・銅等の合金箔、箔状フタロシアニンブルー等の箔顔料を挙げることができる。これらは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記溶剤としては、例えば、水;エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系有機溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系有機溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;3−メトキシブチルアセテート、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系有機溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系有機溶剤;ならびに、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、ペンタン、iso−ペンタン、ヘキサン、iso−ヘキサン、シクロヘキサン、ソルベントナフサ、ミネラルスピリット、ソルベッソ100、ソルベッソ150(いずれも芳香族炭化水素系溶剤)等を挙げることができる。これらは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明の塗料組成物は、水系塗料であってもよく、有機溶剤系の塗料であってもよい。
本発明の塗料組成物は、例えば、樹脂組成物(I)と、架橋剤(II)と、非クロム系防錆顔料(III)およびその他の添加剤を、ローラーミル、ボールミル、ビーズミル、ペブルミル、サンドグラインドミル、ポットミル、ペイントシェーカー、ディスパー等の混合機を用いて混合することにより、調製することができる。あるいは、本発明の塗料組成物は、樹脂組成物(I)と非クロム系防錆顔料(III)を含む主剤成分と、架橋剤(II)を含む架橋剤成分とからなる2液混合型塗料組成物であってもよい。
本発明の塗料組成物は、プライマーとも呼ばれる下塗り塗料として用いられるが、場合によっては、下塗り塗料の上に重ねる上塗り塗料としてもよい。さらには下塗り塗料と上塗り塗料の中間層に形成する中塗り塗料としてもよい。あるいは、本発明の塗料組成物は、複層塗膜形成用ではなく1層の塗膜を形成するための塗料として用いられてもよい。本発明の塗料組成物は、複層塗膜のどの部位に用いても優れた耐食性および耐水性を発揮することができる。なかでも、本発明の塗料組成物は、下塗り塗料として用いられることが好ましい。本発明の塗料組成物以外の下塗り塗料、上塗り塗料および中塗り塗料は従来公知のものであってよく、例えば、下塗り塗料としては、従来公知の非クロム系防錆塗料等が挙げられ、上塗り塗料、中塗り塗料としては、ポリエステル樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料等が挙げられる。
[塗膜および塗装鋼板]
本発明の塗料組成物による塗膜が形成される基材は、耐食性が要求されるものである限り特に制限されないが、典型例としてプレコートメタル(塗装鋼板)等の基材となる鋼板を挙げることができる。鋼板としては、亜鉛めっき鋼板や冷延鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等が例示される。亜鉛めっき鋼板としては、亜鉛の犠牲防食を活用する亜鉛含有めっき鋼板、具体的には、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム−亜鉛めっき鋼板、ニッケル−亜鉛めっき鋼板、マグネシウム−アルミニウム−亜鉛めっき鋼板、マグネシウム−アルミニウム−シリカ−亜鉛めっき鋼板等が挙げられる。鋼板は、塗装前に化成処理剤による表面処理を施したものであることが好ましい。上記表面処理としては、使用する鋼板に応じて適宜選択することができるが、重金属を含まない処理が好ましい。
本発明の塗料組成物の被塗物への塗布方法としては、ロールコーター、エアレススプレー、静電スプレー、カーテンフローコーター等従来公知の方法を採用することができる。本発明の塗料組成物を用いて形成された本発明の塗膜は、本発明の塗料組成物を鋼板等の基材に塗布した後、基材を加熱する焼付け処理を行なうことによって形成することができる。これによって、本発明の防錆塗膜が形成された塗装鋼板が得られる。なお、焼付け温度(鋼板等の基材が達する最高温度)は、通常180〜250℃であり、焼付け時間は、通常10〜200秒である。
本発明の塗装鋼板は、本発明の防錆塗膜上に、少なくとも1層以上の塗膜が形成された塗装鋼板であってもよい。例えば、本発明の防錆塗膜上に上塗り塗膜が形成された2層からなる複層塗膜からなる塗装鋼板であってもよく、本発明の防錆塗膜上に中塗り塗膜と上塗り塗膜が形成された3層からなる複層塗膜からなる塗装鋼板であってもよい。本発明の防錆塗膜と上塗り塗膜の2層からなる複層塗膜を形成する場合、下塗りとして本発明の塗料組成物を塗布した後焼付けを行ない、その後、上塗り塗料組成物を塗布し、上塗り塗膜の焼付けを行なうものであってもよいし、下塗りとして本発明の塗料組成物を塗布した後、焼付けを行なわずにウェットオンウェットで上塗り塗料組成物を塗布し、同時に焼付けを行なうものであってもよい。
本発明の塗料組成物を用いて得られる塗膜(本発明の塗膜)の膜厚(乾燥膜厚)は、通常1〜30μmであり、例えば上塗り塗膜である場合は、好ましくは5〜30μmであり、下塗り塗膜である場合は、より好ましくは5〜10μmである。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。また、実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を意味する。
[原料等]
なお、以下の実施例および比較例では、以下の原料等を用いた。
(1)リン酸基含有エポキシ樹脂(A)の調製例:
エピクロルヒドリンとビスフェノールAより製造された「EPICLON 850」(DIC化学工業株式会社製、エポキシ当量:185)600部、ビスフェノールA 50部から、水酸化ナトリウムを触媒とし常法によりエポキシ当量900のエポキシ樹脂を得た。キシレン/エチレングリコールモノブチルエーテル/1−ブチルアルコールを夫々400/200/200部に溶解後80℃で89%リン酸24部を少量ずつ滴下し、10時間反応せしめ、もはや粘度の変化がないことを確認したのち、エチレングリコールモノブチルエーテルで不揮発分が50%となるよう調整し、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)を得た。
(2)アミン変性エポキシ樹脂(B)の調製例:
ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから得られた市販の「EPICLON4055」(DIC化学工業株式会社製エポキシ樹脂、エポキシ当量:925、数平均分子量Mn:約1,600)の925部と、N−メチル−モノエタノールアミンの75.1部と、キシレンの250部とを145℃で5時間加熱して反応せしめたのち、シクロヘキサノンの1000.1部とキシレンの250.1部とを加えて不揮発分(以下、「NV」ともいう)が40%である、アミン変性エポキシ樹脂(B)を得た。
(3)「jER1004」:三菱化学株式会社製、水酸基含有エポキシ樹脂〔不揮発分:30%(不揮発分が30%となるようシクロヘキサノンを加えて濃度調整を行なった)、数平均分子量(Mn):1,400、ガラス転移温度(Tg):60℃〕。
(4)「jER1007」:三菱化学株式会社製、水酸基含有エポキシ樹脂〔不揮発分:30%(不揮発分が30%となるようシクロヘキサノンを加えて濃度調整を行なった)、Mn:2,900、Tg:73℃〕。
(5)「1255HX30」:三菱化学株式会社製、水酸基含有エポキシ樹脂〔不揮発分:30%、Mn:10,000、Tg:85℃〕。
(6)「YX8100BH30」:三菱化学株式会社製、水酸基含有エポキシ樹脂〔不揮発分:30%、Mn:14,000、Tg:110℃〕。
(7)「ベッコライト47−335」:DIC株式会社製、水酸基含有ポリエステル樹脂〔不揮発分:60%、Mn:1,800、Tg:53℃〕。
(8)「バイロン220」:東洋紡株式会社製、水酸基含有ポリエステル樹脂〔不揮発分:60%(不揮発分が60%となるようシクロヘキサノンを加えて濃度調整を行なった)、Mn:3,000、Tg:53℃〕。
(9)「バイロン780」:東洋紡株式会社製、水酸基含有ポリエステル樹脂〔不揮発分:60%(不揮発分が60%となるようシクロヘキサノンを加えて濃度調整を行なった)、Mn:11000、Tg:36℃〕。
(10)「バイロンUR5537」:東洋紡株式会社製、水酸基含有ポリエステル樹脂〔不揮発分:30%、Mn:20,000、Tg:34℃〕。
(11)「バイロンUR8300」:東洋紡株式会社製、水酸基含有ポリエステル樹脂〔不揮発分:30%、Mn:30,000、Tg:23℃〕。
(12)「バイロンUR3500」:東洋紡株式会社製、水酸基含有ポリエステル樹脂〔不揮発分:40%、Mn:40,000、Tg:10℃〕。
(13)「アクリディックA−801−P」:DIC株式会社製、〔不揮発分:50%、Mn:17,000、Tg:48℃〕等のアクリルポリオールをイソシアネート硬化剤と併用したもの
(14)「デスモジュールBL3175」:住化バイエルウレタン株式会社製、ブロックポリイソシアネート〔ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のブロック体(イソシアヌレート型、ブロック剤:メチルエチルケトンオキシム)、熱による解離温度(無触媒状態):160℃、イソシアネート基含有率:14.9%、不揮発分:75%〕。
(15)「デスモサーム2170」:住化バイエルウレタン株式会社製、ブロックポリイソシアネート〔4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)のブロック体(イソシアヌレート型、ブロック剤:活性メチレン基含有化合物)、熱による解離温度(無触媒状態):120℃、イソシアネート基含有率:5.7%、不揮発分:70%〕。
(16)「マイコート715」:日本サイテックインダストリーズ株式会社製、イミノ基型メラミン樹脂〔不揮発分:80%〕。
(17)V25:五酸化バナジウム、市販試薬。
(18)MgO:酸化マグネシウム、市販試薬。
(19)CaO:酸化カルシウム、市販試薬。
(20)Mg(OH)2:水酸化マグネシウム、市販試薬。
(21)MgCO3:炭酸マグネシウム、市販試薬。
(22)CaCO3:炭酸カルシウム、市販試薬。
(23)NaOH:水酸化ナトリウム、市販試薬。
(24)LiOH:水酸化リチウム、市販試薬。
(25)非結晶MgO−V25系化合物:酸化マグネシウム400gと、五酸化バナジウム600gを脱イオン水10Lに添加し、60℃に昇温後、同温度で2時間攪拌した。得られた反応生成物を水洗後脱水し、100度にて乾燥した後、粉砕することにより、非晶質MgO−V25系化合物を得た。
(26)TiO2:デュポン社製、二酸化チタン、商品名「R−960」。
(27)シールデックスC303:W.R.Grace & Co.社製、商品名、カルシウムイオン交換シリカ。
<鋼板裏面用塗料組成物Aの調製>
塗膜形成性樹脂(a)である「jER1007」 222部、シクロヘキサノン 30部および「ソルベッソ150」 30部からなる混合物に、酸化チタン 80部を混合し、分散機(大平システム社製 卓上式SGミル1500W型)に、得られた混合物とガラスビーズ 332部とを入れ、酸化チタン粗粒子の粒子径が15μm以下となるまで顔料分散を実施し、顔料分散塗料を調製した。その後、この顔料分散塗料に、ブロックポリイソシアネート化合物(e)である「デスモジュールBL3175」 45部、ジブチルスズジラウレート(DBTL)(「TVS Tin Lau」) 0.5部、シクロヘキサノン 45部およびソルベッソ150 45部を加えて均一に混合し、塗料組成物Aを得た。
[塗装鋼板の作製]
厚さ0.4mmのアルミニウム亜鉛めっき鋼板をアルカリ脱脂した後、日本ペイント株式会社製のリン酸処理剤「サーフコートEC2310」を、鋼板表面および裏面に塗布することにより、ノンクロム化成処理を施し、乾燥した。ついで、得られた鋼板の裏面に上記で得られた塗料組成物Aを、乾燥塗膜が7μmとなるように塗布し、最高到達温度180℃にて30秒間焼き付けを行なって、裏面塗膜を形成した。次に、鋼板の表面に実施例1〜45、比較例1〜18のいずれかの塗料組成物を、乾燥塗膜が5μmとなるように塗布し、最高到達温度200℃にて30秒間焼き付けを行なって、表面下塗り塗膜を形成した。さらに、上記下塗り塗膜上に日本ペイント株式会社製のポリエステル系上塗り塗料「NSC300HQ」を、乾燥塗膜が10μmとなるように塗布し、最高到達温度210℃にて40秒間焼き付けを行なって、表面上塗り塗膜を形成し、塗装鋼板を得た。
[塗膜性能の評価]
次に示す項目<1>〜<6>について、塗膜性能の評価試験を行なった。結果を表2〜4に併せて示す。
なお、表2〜4において、非クロム系防錆顔料(III)における各顔料の右脇括弧書き中の数値は、各顔料の分子量を示す。
<1>耐沸騰水性試験
上記で得られた各塗装鋼板(表面下塗り塗膜が、それぞれ実施例1〜40、比較例1〜8の塗料組成物からなるもの)を5cm×10cmに切断し、得られた試験片を、約100℃の沸騰水中に2時間浸漬した後、引き上げて表面側の塗膜外観を、ASTM D714−56に従って評価した(平面部フクレ評価)。ASTM D714−56は、各フクレの大きさ(平均径)と密度について、標準判定写真と対比して評価し、等級記号を示すものである。大きさについては8(直径約1mm)、6(直径約2mm)、4(直径約3mm)、2(直径約5mm)の順に4段階、密度については、小さい方からF、FM、M、MD、Dの5段階に級別するものであり、フクレがなければ、10とする。8FM以上の評点を、良好と評価した。
Figure 2015209443
<2>耐湿性試験(CCHC試験)
上記で得られた各塗装鋼板を5cm×10cmに切断し、得られた試験片を、DIC式大型湿潤試験機(スガ試験機製「WQ−496105型」)により、純水により60℃×98RH%とした条件下に500時間放置した後、耐沸騰水性試験と同様にして、ASTM D714−56に従って平面部のフクレ評価を行なった。8FM以上の評点を、良好と評価した。
<3>複合サイクル腐食試験(CCT)
上記で得られた各塗装鋼板を5cm×15cmとなるよう切断した。この際、切断は表面からと裏面からの交互に行ない、各試験片の断面が上バリ(裏面より切断)、下バリ(表面より切断)の両方を有するように試験片を作製した。次に、表面側中央部に素地に達する狭角30度、カット幅0.5mmのクロスカットをカッターナイフにて入れ、塗装鋼板上部エッジ部を前述の塗料組成物Aにてシールし、下端部に4T折り曲げ加工部(塗装板の表面部を外側にして折り曲げ、その内側に塗装板と同じ厚さの板を4枚挟み、上記塗装板を万力にて180度折り曲げする加工。加工後4枚の板は取り除く。)を設けた。以上のようにして得られた塗装鋼板試験片の模式図を図1に示す。図1は、得られた塗装鋼板試験片の上バリおよび下バリの断面を模式的に示す図であり、図2は、得られた塗装鋼板試験片が有するクロスカット部および4T折り曲げ加工部を模式的に示す図である。
得られた各塗装鋼板試験片について、JIS K5600−7−9A JASO M609 に従い、複合サイクル腐食試験(CCT)を行なった。(35℃で5%食塩水噴霧2時間)−(60℃で乾燥4時間)−(50℃でRH95%以上の耐湿試験機内で静置2時間)を1サイクルとして、120サイクル試験(合計960時間)を行なった。この試験後の塗装鋼板試験片のエッジ部、クロスカット部および4T折り曲げ加工部の状態を下記評価方法および評価基準に基づいて評価した。いずれも4点以上を良好と評価した。
(4T折り曲げ加工部)
4T折り曲げ加工部における錆部の合計長さを求め、次の基準により評価した。
5:錆の発生が認められない。
4:白錆が認められるが、10mm未満。
3:白錆が10mm以上かつ25mm未満。
2:白錆が25mm以上かつ40mm未満。
1:白錆が40mm以上、又は赤錆の発生が認められる。
(エッジ部)
塗装鋼板試験片の左右の長辺(すなわち、上バリを有する長辺と下バリを有する長辺)のエッジクリープ幅(フクレの幅)の平均値を求め、次の基準により評価した。
5:フクレ幅が5mm未満。
4:フクレ幅が5mm以上かつ10mm未満。
3:フクレ幅が10mm以上かつ15mm未満。
2:フクレ幅が15mm以上かつ20mm未満。
1:フクレ幅が20mm以上。
(クロスカット部)
クロスカット部の腐食状態を0.5mmのカット幅の素地露出部における白錆発生長さ割合、およびクロスカット部の左右のフクレ幅(両側の和)の平均値により、次の基準で評価した。
5:素地露出部における白錆発生長さ割合25%未満でかつフクレ幅3mm未満。
4:素地露出部における白錆発生長さ割合25%以上かつ50%未満でかつフクレ幅3mm未満。
3:素地露出部における白錆発生長さ割合50%以上かつフクレ幅3mm未満。
2:素地露出部における白錆発生長さ割合50%以上かつフクレ幅3mm以上5mm未満。
1:素地露出部における白錆発生長さ割合50%以上かつフクレ幅5mm以上。
<4>耐アルカリ性試験
上記で得られた各塗装鋼板を5cm×10cmに切断し、得られた試験片を、23℃の5%水酸化ナトリウム水溶液に48時間浸漬した後、取り出し洗浄し、室温にて乾燥した。この塗装鋼板試験片について、耐沸騰水性試験と同様にして、ASTM D714−56に従って平面部のフクレ評価を行なった。表1を参照し、8FM以上の評点を、良好と評価した。
<5>耐酸性試験
上記で得られた各塗装鋼板を5cm×10cmに切断し、得られた試験片を、23℃の5%硫酸水溶液に48時間浸漬した後、取り出し洗浄し、室温にて乾燥した。この塗装鋼板試験片について、耐沸騰水性試験と同様にして、ASTM D714−56に従って平面部のフクレ評価を行なった。表1を参照し、8FM以上の評点を、良好と評価した。
<6>促進耐候性試験 (SUV)
各実施例及び比較例の塗装鋼板について、5×12cmとなるよう切断した。エッジ部分にポリエステルテープを貼着してカバーし、中央部に4T折り曲げ加工部(塗装板の表面部を外側にして折り曲げ、その内側に塗装板と同じ厚さの板を4枚はさみ、上記塗装板を万力にて180度折り曲げする加工。加工部4枚の板は取り除く。)を設けた。得られた塗装鋼板試験片について、超促進耐候性試験機(岩崎電気製「SUV−F2」)および耐湿試験機(スガ試験機製「CT−3型」)を用い、照射時間24時間、ブラックパネル温度63℃、紫外線強度100mW/cm2の条件でのUV照射試験と、試験時間24時間、槽内温度50℃、槽内湿度98%以上の条件での湿潤試験を1サイクルとする試験サイクルを10サイクル繰り返して行なった。その後、加工部にセロハン密着テープを密着させ、急激に剥がしたときの加工部に残存する塗装膜の割合を下記基準により評価を行なった。
促進耐候性試験の4T加工部テープ剥離の基準は、以下のとおりである。
5…100% 塗装膜が残存。
4…70%以上、100%未満: 塗装膜が残存。
3…50%以上、70%未満: 塗装膜が残存。
2…30%以上、50%未満: 塗装膜が残存。
1…30%未満: 塗装膜が残存。
Figure 2015209443
Figure 2015209443
Figure 2015209443
表2〜4の結果より、樹脂組成物(I)として、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)と、アミン変性エポキシ樹脂(B)とを含み、かつ、非クロム系防錆顔料(III)が、五酸化バナジウム(C)と、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)とを含み、前記第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)が、Na、Li、CaおよびMgから選ばれる少なくとも1種からなる金属の、酸化物、水酸化物及び炭酸塩から選ばれる少なくとも1種を含むことによって、耐食性および耐水性に関する評価結果が優れていた。
なお、促進耐候性試験において実施例5及び6の評価結果が実施例1〜4より若干低下する理由として、実施例1〜4はリン酸基含有エポキシ樹脂(A)とアミン変性エポキシ樹脂(B)以外の樹脂組成物を含むことによる塗膜の可とう性が寄与したためである。
一方、比較例1〜5及び7の塗料組成物は、本発明を構成する、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)、アミン変性エポキシ樹脂(B)、五酸化バナジウム(C)、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)のいずれかを含まないものであるため、上記評価結果のいずれかに劣っている。
また、比較例6の塗料組成物は、防錆顔料として非晶質MgO−V25系化合物を含むが、非晶質のため耐水性が悪くなり、本発明の五酸化バナジウム(C)、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)を使用したものより耐食性、特にCCTが劣っている。
加えて比較例8では防錆顔料としてカルシウムイオン交換シリカを含むが本発明の五酸化バナジウム(C)、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)を使用したものより耐食性、特にCCTが劣っている。

Claims (6)

  1. 鋼板上に防錆塗膜を形成する、実質的にクロムを含まない塗料組成物であって、
    前記塗料組成物が、樹脂組成物(I)と、架橋剤(II)と、非クロム系防錆顔料(III)とを含み、
    前記樹脂組成物(I)が、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)と、アミン変性エポキシ樹脂(B)とを含み、
    前記リン酸基含有エポキシ樹脂(A)とアミン変性エポキシ樹脂(B)の合計固形分100質量部に対して、前記リン酸基含有エポキシ樹脂(A)の固形分が99質量部以下、1質量部以上であり、
    前記非クロム系防錆顔料(III)が、五酸化バナジウム(C)と、第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)とを含み、
    前記第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)が、Na、Li、CaおよびMgから選ばれる少なくとも1種からなる金属の、酸化物、水酸化物及び炭酸塩から選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記樹脂組成物(I)と架橋剤(II)との合計固形分100質量部に対して、前記五酸化バナジウム(C)と第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)の合計が固形分で1質量部以上、200質量部以下である、塗料組成物。
  2. 前記第1族または第2族の金属元素からなる化合物(D)が、CaまたはMgからなる金属の、酸化物または水酸化物または炭酸塩、を少なくとも1種を含むものである、請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記樹脂組成物(I)が、リン酸基含有エポキシ樹脂(A)と、アミン変性エポキシ樹脂(B)と、エポキシ樹脂および/またはポリエステル樹脂とを含むものである、請求項1または2に記載の塗料組成物。
  4. 請求項1〜3に記載の塗料組成物を用いて形成された塗膜。
  5. 請求項1〜3に記載の塗料組成物によって形成される防錆塗膜が形成された塗装鋼板。
  6. 請求項5に記載の防錆塗膜が形成された鋼板であり、前記防錆塗膜上に、少なくとも1層以上の塗膜が形成された塗装鋼板。
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