JP2003025496A - 環境調和性と加工部耐食性及び加工部密着性に優れたプレコート鋼板 - Google Patents

環境調和性と加工部耐食性及び加工部密着性に優れたプレコート鋼板

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JP2003025496A
JP2003025496A JP2001215603A JP2001215603A JP2003025496A JP 2003025496 A JP2003025496 A JP 2003025496A JP 2001215603 A JP2001215603 A JP 2001215603A JP 2001215603 A JP2001215603 A JP 2001215603A JP 2003025496 A JP2003025496 A JP 2003025496A
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steel sheet
resin
film
coated steel
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JP2001215603A
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English (en)
Inventor
Kenichi Sasaki
健一 佐々木
Keiji Yoshida
啓二 吉田
Akira Matsuzaki
晃 松崎
Masaaki Yamashita
正明 山下
Keiichi Kotani
敬壱 小谷
Yasuyuki Kajita
保之 梶田
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JFE Engineering Corp
NKK Steel Sheet and Strip Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
NKK Steel Sheet and Strip Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜中にクロム系防錆顔料を添加しなくて
も、高耐食性クロム系プレコート鋼板並みの優れた加工
部耐食性及び加工密着性が得られるプレコート鋼板を得
る。 【解決手段】 シリカ微粒子とその結合剤とを含む化成
処理皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板の表面に、下塗
り塗膜が形成され、さらにその上層に上塗り塗膜が形成
されたプレコート鋼板であり、前記上塗り塗膜が、Ca
イオン交換シリカ、カルシウム化合物、リン酸塩、酸化
ケイ素の中から選ばれる1種又は2種以上からなる防錆
添加成分と、モリブデン酸塩と、トリアゾール類、チオ
ール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類
の中から選ばれる1種又は2種以上の有機化合物からな
る防錆添加成分とを、樹脂固形分100重量部に対して
合計で1〜20重量部含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、環境調和性と加工
部耐食性及び加工部密着性に優れたプレコート鋼板に関
するものである。本発明のプレコート鋼板は、例えば家
電製品や建材用途などに好適であり、また自動車用とし
ても使用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来広く使用されているプレコート鋼板
は、耐食性を確保するためにクロムを含有する化成処理
を施すとともに、下塗り塗膜中にクロム系の防錆顔料を
含有させている(例えば、特開平7−316497
号)。しかし、昨今では環境保護の観点から毒性の強い
クロムを含有しないクロムフリーのプレコート鋼板の開
発が要望されている。
【0003】このような要望に対し、例えば特開平8−
319437号公報では、塩基性亜リン酸塩系防錆顔料
を下塗り塗膜中に含有させることにより、クロムフリー
で且つ耐食性に優れたプレコート鋼板が得られるとして
いる。また、特開平8−11257号公報では、イソシ
アネート化合物及びリン酸系防錆顔料を下塗り塗膜中に
含有させることにより、耐食性に優れたクロムフリーの
プレコート鋼板が得られるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
クロムフリープレコート鋼板において高耐食性クロム系
プレコート鋼板並みの耐食性を得るためには下塗り塗膜
中に多量の防錆添加剤を含有させる必要があり、また、
これにより加工を受けない平面部や端面の耐食性は確保
されたとしても、加工部の耐食性や塗膜密着性が逆に低
下してしまうという問題がある。プレコート鋼板は、加
工を受けた後に製品として使用されるため、加工を受け
た部分の耐食性や塗膜密着性は非常に重要な特性である
と言える。
【0005】したがって本発明の目的は、このような従
来技術の課題を解決し、塗膜中にクロム系防錆顔料を添
加しなくても、高耐食性クロム系プレコート鋼板並みの
優れた加工部耐食性及び加工密着性が得られる環境調和
型のプレコート鋼板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決し、優れた性能を示すプレコート鋼板を得るため
に検討を重ねた結果、シリカ微粒子とその結合剤とを含
む化成処理皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板の表面に
下塗り塗膜を形成し、その上層に特定の防錆添加成分を
含有する上塗り塗膜を形成することにより、環境調和性
と加工部耐食性及び加工密着性に優れたプレコート鋼板
が得られることを見い出した。
【0007】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下の通りである。 [1]シリカ微粒子とその結合剤とを含む化成処理皮膜
が形成された亜鉛系めっき鋼板の表面に、下塗り塗膜が
形成され、さらにその上層に上塗り塗膜が形成されたプ
レコート鋼板であって、前記上塗り塗膜が、下記(a)〜
(d)の成分の中から選ばれる1種又は2種以上からなる
防錆添加成分と、モリブデン酸塩と、トリアゾール類、
チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラ
ム類の中から選ばれる1種又は2種以上の有機化合物か
らなる防錆添加成分とを、樹脂固形分100重量部に対
して合計で1〜20重量部含有することを特徴とする環
境調和性と加工部耐食性及び加工部密着性に優れたプレ
コート鋼板。 (a)Caイオン交換シリカ (b)カルシウム化合物 (c)リン酸塩 (d)酸化ケイ素
【0008】[2]上記[1]のプレコート鋼板におい
て、下塗り塗膜が、下記(a)〜(d)の成分の中から選ばれ
る1種又は2種以上からなる防錆添加成分と、モリブデ
ン酸塩と、トリアゾール類、チオール類、チアジアゾー
ル類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種
又は2種以上の有機化合物からなる防錆添加成分とを、
樹脂固形分100重量部に対して合計で5〜50重量部
含有することを特徴とする環境調和性と加工部耐食性及
び加工部密着性に優れたプレコート鋼板。 (a)Caイオン交換シリカ (b)カルシウム化合物 (c)リン酸塩 (d)酸化ケイ素
【0009】[3]上記[1]又は[2]のプレコート鋼
板において、上塗り塗膜が、下記イ)及びロ)を含有す
る塗料組成物を塗布して形成した塗膜であることを特徴
とする環境調和性と加工部耐食性及び加工部密着性に優
れたプレコート鋼板。 イ)ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂:樹脂固
形分中での割合で40〜90質量% ロ)硬化剤であるイソシアネート化合物及び/又はアミ
ノ樹脂:樹脂固形分中での割合で9〜50質量%
【0010】[4]上記[1]〜[3]のいずれかのプレ
コート鋼板において、下塗り塗膜を形成すべき塗料組成
物中の主剤樹脂成分が、ポリエステル樹脂及び/又はエ
ポキシ変性ポリエステル樹脂であることを特徴とする環
境調和性と加工部耐食性及び加工部密着性に優れたプレ
コート鋼板。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細とその限定理
由を説明する。本発明のプレコート鋼板は、特定の成分
を含む化成処理皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板の表
面に下塗り塗膜を形成し、その上層に特定の防錆添加成
分を含む上塗り塗膜を形成した塗装鋼板である。下地鋼
板となる亜鉛系めっき鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼
板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、
溶融Zn−Al合金めっき鋼板などの各種亜鉛系めっき
鋼板を用いることができる。
【0012】また、亜鉛系めっき鋼板としては化成処理
皮膜との密着性を高めるために、亜鉛系めっきの後に表
面調整処理を施したものを用いることができる。この表
面調整処理は、酸性処理液、アルカリ性処理液のいずれ
を使用してもよい。処理方法は、浸漬やスプレーなどに
より行うことができる。
【0013】上記亜鉛系めっき鋼板の表面に形成される
化成処理皮膜は、シリカ微粒子(微粉末)とその結合剤
とを含む化成処理皮膜である。上記シリカ微粒子として
は、例えば、一次粒径が約1〜100nmの湿式シリカ
(コロイダルシリカ)、乾式シリカ(ヒュームドシリ
カ)の中から選ばれる1種又は2種以上を用いることが
できる。このようなシリカ微粒子を化成処理皮膜中に配
合することにより、化成処理皮膜上層の樹脂皮膜(下塗
り塗膜)との密着性、耐スクラッチ性、耐食性を高める
ことができる。
【0014】また、上記結合剤としては、例えば水溶性
又は水分散性有機高分子、酸素酸塩(但し、クロム酸塩
は除く)の中から選ばれる1種又は2種以上を用いるこ
とができる。上記水溶性又は水分散性有機高分子として
は、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルアル
コールなどを例示できる。また、上記酸素酸塩として
は、例えば、リン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン
酸塩、バナジン酸塩などを例示できる。このような結合
剤を化成処理皮膜中に配合することにより、シリカ微粒
子同士の結合性(皮膜の耐凝集破壊性)、シリカ微粒子
の素地金属との密着性を高めることができる。
【0015】また、化成処理液には、Zr化合物、Ti
化合物、Hf化合物(例えば、フルオロ錯塩など)の1
種又は2種以上を添加剤として添加し、それらを化成処
理皮膜中に含有させることができる。シリカ微粒子と結
合剤の配合割合は固形分重量比でシリカ微粒子/結合剤
=1/0.01〜1/10の範囲とすることが望まし
い。シリカ微粒子の配合量:1に対する結合剤の配合割
合が0.01未満であると、シリカ微粒子同士の結合性
(皮膜の耐凝集破壊性)、シリカ微粒子の素地金属との
密着性が劣る。また、シリカ微粒子の配合量:1に対す
る結合剤の配合割合が10超であると、化成処理皮膜上
層の樹脂皮膜(下塗り塗膜)との密着性、耐スクラッチ
性、耐食性が劣る。
【0016】化成処理皮膜の付着量は、成分として含ま
れるシリカ微粒子のSi換算量で5〜200mg/m
の範囲とすることが好ましい。この付着量が5mg/m
未満では、素地金属との密着性、耐食性が劣り、一
方、200mg/m超では化成処理皮膜上層の樹脂皮
膜(下塗り塗膜)との密着性が劣る。化成処理皮膜を形
成するための処理方法に特に制約はないが、一般に化成
処理液をロールコーター塗装し、その後乾燥させる。こ
の乾燥では、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの加
熱手段により、通常、50〜150℃程度の到達板温で
皮膜を乾燥させる。
【0017】次に、上記化成処理皮膜の上層に形成され
る下塗り塗膜の好ましい条件について説明する。下塗り
塗膜を形成するための塗料組成物の主剤樹脂としては、
例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールA付加ポリエステル樹脂などのようなエポキシ変成
ポリエステル樹脂などの1種又は2種以上を用いること
ができるが、加工性の観点からはポリエステル樹脂及び
/又はエポキシ変性ポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0018】ポリエステル樹脂のエポキシ変性に用いる
樹脂としては、例えば、ビスフェノールA又はビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂が挙げられ、またこれ以外に、
塩基触媒(例えば、水酸化カリウム)の存在下に、エピ
ハロヒドリン(例えば、エピクロロヒドリン)をアルデ
ヒド(例えば、ホルムアルデヒド)と1価のフェノール
又は多価ポリフェノールとの縮合物と反応させることに
より得られるフェノール誘導体エポキシ樹脂(例えば、
ノボラック型エポキシ樹脂)なども用いることができ
る。
【0019】通常、下塗り塗膜の物性は塗料組成物の主
剤として使用する樹脂のTgにより変化するが、一般に
樹脂の分子構造からして、エポキシ系下塗り塗料による
塗膜は破断強度は大きいが破断伸びは小さく、一方、ポ
リエステル系下塗り塗料やウレタン系下塗り塗料による
塗膜は破断伸びは大きいが破断強度は小さい。これに対
して、ビスフェノールA付加ポリエステル樹脂などのエ
ポキシ変性ポリエステル樹脂を主剤樹脂とする塗料組成
物により形成される下塗り塗膜は上記両方の樹脂の分子
構造を兼ね備えているため、破断強度と破断伸びがバラ
ンスよく得られ、本発明が目的とする高加工性の観点か
らして特に好ましい。
【0020】下塗り塗膜をポリエステル系樹脂(ビスフ
ェノールA付加ポリエステル樹脂などのエポキシ変性ポ
リエステル樹脂を含む。以下同様)を主剤樹脂とする塗
料組成物により形成する場合、下塗り塗膜が上記物性を
有するようにするためには、ポリエステル樹脂として数
平均分子量が1000〜50000、より好ましくは3
000〜40000、特に好ましくは5000〜300
00の範囲のものを用いることが望ましい。ポリエステ
ル樹脂の数平均分子量が1000未満では、塗膜の伸び
が不十分であるため上記の物性が得られず、塗膜性能の
向上が十分でない。一方、数平均分子量が50000を
超えると塗料組成物が高粘度になるため過剰の希釈溶剤
が必要となり、塗料中に占める樹脂の割合が減少するた
め適正な塗膜を得ることができなくなる。さらに、他の
配合成分との相溶性も著しく低下する。
【0021】また、塗料組成物の主剤としてビスフェノ
ールA付加ポリエステル樹脂を使用する場合、このビス
フェノールA付加ポリエステル樹脂中のビスフェノール
Aの含有量は樹脂固形分の割合で1〜70質量%、より
好ましくは3〜60質量%、特に好ましくは5〜50質
量%とするのが望ましい。ビスフェノールA付加ポリエ
ステル樹脂中のビスフェノールAの含有量が1質量%未
満では塗膜強度の向上効果が十分に得られず、塗膜性能
の向上効果が顕著ではない。一方、ビスフェノールAの
含有量が70質量%を超えると塗膜の伸びが十分に得ら
れない。
【0022】上記ポリエステル樹脂を得るための多価ア
ルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ポリテトラメチレンエーテルグリ
コール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、
ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキ
サントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトールなどが挙げられ、また、これらの多価アルコ
ールを2種類以上組合せて用いることもできる。
【0023】また、ポリエステル樹脂を得るための多価
塩基酸成分としては、フタル酸、無水フタル酸、テトラ
ヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ハイミ
ック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメ
リット酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハ
ク酸、無水コハク酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸などが挙げられ、これらの多価塩基酸成分を2種類
以上組合せて用いることもできる。
【0024】下塗り塗膜用の塗料組成物に用いられる硬
化剤としては、ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂
などが使用できる。また、これらの2種以上を混合して
用いてもよい。硬化剤として用いられるポリイソシアネ
ート化合物としては、例えば、キシリレンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネー
ト;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネ
ート;イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソ
シアネート;又はこれらジイソシアネートの多量体若し
くは多価アルコールとの付加物などが挙げられ、これら
をブロック剤(例えば、フェノール系、ラクタム系、ア
ルコール系、メルカプタン系、イミン系、アミン系、イ
ミダゾール系又はオキシム系ブロック剤)などを用いて
ブロック化した化合物として使用することが好ましい。
また、これらブロック化ポリイソシアネート化合物の解
離触媒としては、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジラウレー
ト、2−エチルヘキソエート鉛などを用いることができ
る。
【0025】硬化剤として用いられるアミノ樹脂として
は、例えば、低級アルコールでアルキルエーテル化され
たホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドなどと尿
素、ジシアンジアミド、アミノトリアジンなどとの縮合
物があり、具体的には、メトキシ化メチロール尿素、メ
トキシ化メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチ
ロールメラミン、メトキシ化メチロールベンゾグアナミ
ン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロ
ールベンゾグアナミンなどが挙げられる。また、硬化触
媒としては、塩酸、リン酸モノアルキルエステル、P−
トルエンスルホン酸などの酸又はこれら酸と3級アミン
若しくは2級アミン化合物との塩が使用できる。
【0026】下塗り塗膜中には、下記(a)〜(d)の成分の
中から選ばれる1種又は2種以上からなる防錆添加成分
と、モリブデン酸塩と、トリアゾール類、チオール類、
チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から
選ばれる1種又は2種以上の有機化合物からなる防錆添
加成分とを含有させることが好ましい。 (a)Caイオン交換シリカ (b)カルシウム化合物 (c)リン酸塩 (d)酸化ケイ素
【0027】上記(a)〜(d)の防錆添加成分は沈殿作用に
よって防食性能(自己補修性能)を発現する。 (a) Caイオン交換シリカは、カルシウムイオンを多孔
質シリカゲル粉末の表面に固定したもので、腐食環境下
でCaイオンが放出されて沈殿膜を形成することによ
り、防食性能の向上に寄与する。Caイオン交換シリカ
としては任意のものを用いることができるが、平均粒子
径が6μm以下、望ましくは4μm以下のものが好まし
く、例えば、平均粒子径が2〜4μmのものを用いるこ
とができる。Caイオン交換シリカの平均粒子径が6μ
mを超えると耐食性が低下するとともに、塗料組成物中
での分散安定性が低下する。
【0028】Caイオン交換シリカ中のCa濃度は1質
量%以上、望ましくは2〜8質量%であることが好まし
い。Ca濃度が1質量%未満ではCa放出による防錆効
果が十分に得られない。なお、Caイオン交換シリカの
表面積、pH、吸油量については特に制限はない。以上
のようなCaイオン交換シリカとしては、商品名でW.R.
Grace&Co.製のSHIELDEX C303(平均粒子
径2.5〜3.5μm、Ca濃度6質量%)、SHIE
LDEX AC3(平均粒子径2.3〜3.1μm、C
a濃度6質量%)、SHIELDEX AC5(平均粒
子径3.8〜5.2μm、Ca濃度6質量%)、富士シ
リシア化学(株)製のSHIELDEX(平均粒子径3
μm、Ca濃度6〜8質量%)、SHIELDEX S
Y710(平均粒子径2.2〜2.5μm、Ca濃度
6.6〜7.5質量%)などを用いることができる。
【0029】(b) カルシウム化合物は、腐食の起こりや
すい環境においてCaを溶出することで早期に保護膜
(沈殿膜)を形成し、それ以上腐食が進行するのを抑制
することにより防食性能の向上に寄与する。カルシウム
化合物は、カルシウム酸化物、カルシウム水酸化物、カ
ルシウム塩のいずれでもよく、これらの1種又は2種以
上を使用できる。また、カルシウム塩の種類にも特に制
限はなく、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸
カルシウムなどのようなカチオンとしてカルシウムのみ
を含む単塩のほか、リン酸カルシウム・亜鉛、リン酸カ
ルシウム・マグネシウムなどのようなカルシウムとカル
シウム以外のカチオンを含む複塩を使用してももよい。
【0030】(c) リン酸塩は、溶出金属(例えば、めっ
き成分である亜鉛)との間で保護膜(沈殿膜)を形成す
ることにより、防食性能の向上に寄与する。リン酸塩
は、単塩、複塩などの全ての種類の塩を含む。また、そ
れを構成する金属カチオンに限定はなく、リン酸亜鉛、
リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸アルミ
ニウムなどのいずれの金属カチオンでもよい。また、リ
ン酸イオンの骨格や縮合度などにも制限はなく、正塩、
二水素塩、一水素塩又は亜リン酸塩のいずれでもよく、
さらに、正塩はオルトリン酸塩の他、ポリリン酸塩など
の全ての縮合リン酸塩を含む。
【0031】(d) 酸化ケイ素は、腐食環境下でケイ酸イ
オンが放出されて溶出金属(例えば、めっき成分である
亜鉛)との間で保護膜(沈殿膜)を形成することによ
り、防食性能の向上に寄与する。酸化ケイ素としては、
コロイダルシリカ、乾式シリカのいずれでもよい。コロ
イダルシリカとしては、水系皮膜形成樹脂をベースとす
る場合には、例えば、商品名で日産化学工業(株)製の
スノーテックスO、スノーテックスN、スノーテックス
20、スノーテックス30、スノーテックス40、スノ
ーテックスC、スノーテックスS、触媒化成工業(株)
製のカタロイドS、カタロイドSI−350、カタロイ
ドSI−40、カタロイドSA、カタロイドSN、旭電
化工業(株)製のアデライトAT−20〜50、アデラ
イトAT−20N、アデライトAT−300、アデライ
トAT−300S、アデライトAT20Qなどを用いる
ことができる。
【0032】また、溶剤系皮膜形成樹脂をベースとする
場合には、例えば、商品名で日産化学工業(株)製のオ
ルガノシリカゾルMA−ST−M、オルガノシリカゾル
IPA−ST、オルガノシリカゾルEG−ST、オルガ
ノシリカゾルE−ST−ZL、オルガノシリカゾルNP
C−ST、オルガノシリカゾルDMAC−ST、オルガ
ノシリカゾルDMAC−ST−ZL、オルガノシリカゾ
ルXBA−ST、オルガノシリカゾルMIBK−ST、
触媒化成工業(株)製のOSCAL−1132、OSC
AL−1232、OSCAL−1332、OSCAL−
1432、OSCAL−1532、OSCAL−163
2、OSCAL−1722などを用いることができる。
【0033】特に、有機溶剤分散型シリカゾルは、分散
性に優れ、ヒュームドシリカよりも耐食性に優れてい
る。また、ヒュームドシリカとしては、例えば、商品名
で日本アエロジル(株)製のAEROSIL R97
1、AEROSIL R812、AEROSIL R81
1、AEROSIL R974、AEROSIL R20
2、AEROSILR805、AEROSIL 13
0、AEROSIL 200、AEROSIL300、
AEROSIL 300CFなどを用いることができ
る。
【0034】微粒子シリカは、腐食環境下において緻密
で安定な亜鉛の腐食生成物の生成に寄与し、この腐食生
成物がめっき表面に緻密に形成されることによって、腐
食の促進を抑制することができると考えられている。耐
食性の観点からは、微粒子シリカは粒子径が5〜50n
m、望ましくは5〜20nm、さらに好ましくは5〜1
5nmのものを用いるのが好ましい。
【0035】防錆添加成分(a)〜(d)は、その2種以上を
複合添加することができ、これにより異なる防食効果を
複合化させることができるため、耐食性を高めるのに有
利である。ここで、例えば成分(a),(b)を複合添加する
場合の配合比は、固形分の重量比で(a)/(b)=1/99
〜99/1、より好ましくは10/90〜90/10、
さらに好ましくは20/80〜80/20とするのが適
当である。また、成分(a),(c),(d)を複合添加する場
合の配合比は、固形分の重量比で(a)/(c)+(d)=1/
99〜99/1、より好ましくは10/90〜90/1
0、さらに好ましくは20/80〜80/20とするの
が適当である。さらに、成分(b),(c),(d)を複合添加
する場合の配合比は、固形分の重量比で(b)/(c)+(d)
=1/99〜99/1、より好ましくは10/90〜9
0/10、さらに好ましくは20/80〜80/20と
するのが適当である。また、成分(c),(d)を複合添加す
る場合や上記のように成分(c),(d)と他の成分を複合添
加する場合の(c),(d)の配合比は、固形分の重量比で
(c)/(d)=1/99〜99/1、より好ましくは10/
90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80
/20とするのが適当である。
【0036】モリブデン酸塩は不働態化作用により防食
性能(自己補修性能)を発現する。すなわち、腐食環境
下で溶存酸素とともにめっき皮膜表面に緻密な酸化物を
形成し、これが腐食起点を封鎖することによって腐食反
応を抑制する。モリブデン酸塩は、その骨格、縮合度等
に制限はなく、例えばオルトモリブデン酸塩、パラモリ
ブデン酸塩、メタモリブデン酸塩などが挙げられる。ま
た、単塩、複塩などの全ての塩を含み、複塩としてはリ
ンモリブデン酸塩などが挙げられる。
【0037】トリアゾール類、チオール類、チアジアゾ
ール類、チアゾール類、チウラム類の有機化合物は吸着
作用により防食性能(自己補修性能)を発現する。すな
わち、腐食によって溶出した亜鉛やアルミニウムがこれ
ら有機化合物中の窒素や硫黄を含む極性基に吸着されて
不活性皮膜を形成し、これが腐食起点を封鎖することに
よって腐食反応を抑制する。
【0038】上記有機化合物のうち、トリアゾール類と
しては、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,
2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−
トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,
4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾールなどが、
またチオール類としては、1,3,5−トリアジン−
2,4,6−トリチオール、2−メルカプトベンツイミ
ダゾールなどが、またチアジアゾール類としては、5−
アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ル、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ルなどが、またチアゾール類としては、2−N,N−ジ
エチルチオベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチ
アゾール類などが、またチウラム類としては、テトラエ
チルチウラムジスルフィドなどが、それぞれ挙げられ
る。これらトリアゾール類、チオール類、チアジアゾー
ル類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種
又は2種以上の有機化合物を防錆添加成分として添加す
ることができる。
【0039】以上述べたように、上記(a)〜(d)の防錆添
加成分は沈殿作用により防食性能(自己補修性能)を発
現し、モリブデン酸塩は不働態化作用により防食性能
(自己補修性能)を発現し、トリアゾール類、チオール
類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中
から選ばれる1種又は2種以上の有機化合物は吸着作用
により防食性能(自己補修性能)を発現する。したがっ
て、このような防食機構が異なる3種類の防錆添加成分
を複合添加することにより、それぞれの防錆添加成分の
防食作用が複合化することになり、この結果、高度な防
食性能が得られることになる。
【0040】ここで、上記(a)〜(d)の成分の中から選ば
れる1種又は2種以上からなる防錆添加成分(x)と、
モリブデン酸塩(y)と、トリアゾール類、チオール
類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中
から選ばれる1種又は2種以上の有機化合物からなる防
錆添加成分(z)の配合割合は、固形分の重量比で (x)
/(y)=1/99〜99/1、より好ましくは10/9
0〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/
20、(x)/(z)=1/99〜99/1、より好ましくは
10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80
〜80/20、(y)/(z)=1/99〜99/1、より好
ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは2
0/80〜80/20とするのが適当である。このよう
な配合比とすることにより、異なる防食効果を効果的に
複合化させることができる。
【0041】以上のような下塗り塗膜に配合される防錆
添加成分は、有害な物質を含まず且つ塗膜の耐食性を高
める作用がある。下塗り塗膜中での上記防錆添加成分の
配合量(合計配合量)は、樹脂固形分100重量部に対
して5〜50重量部とする。樹脂固形分100重量部に
対する防錆添加成分の配合量が5重量部未満では防錆添
加成分を添加することによる加工部耐食性の向上効果が
十分に得られず、一方、50重量部を超えると加工性に
問題を生じる。
【0042】また、下塗り塗膜用の塗料組成物には目的
や用途に応じて、p−トルエンスルホン酸、オクトエ酸
錫、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキソエート
鉛などの硬化触媒;炭酸カルシウム、カオリン、クレ
ー、酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、マイカ、弁
柄、マンガンブルー、カーボンブラック、アルミニウム
粉、パールマイカなどの顔料;その他、消泡剤、流れ止
め剤などの各種添加剤を適宜配合することができる。
【0043】下塗り塗膜の膜厚は2〜20μmの範囲と
することが好ましい。膜厚が2μm未満では十分な耐食
性が得られず、一方、20μm超では加工性が不十分で
ある。下塗り塗膜を形成するための塗料組成物を実際に
使用するに当っては、これらを有機溶剤及び/又は水に
溶解して使用する。使用する有機溶剤としては、例え
ば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、ソルベッソ100(商品名,エクソン
化学社製)、ソルベッソ150(商品名,エクソン化学
社製)、ソルベッソ200(商品名,エクソン化学社
製)、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ
アセテート、カルビトール、エチルカルビトール、ブチ
ルカルビトール、酢酸エチル、酢酸ブチル、石油エーテ
ル、石油ナフサなどが挙げられる。
【0044】下塗り塗膜用の塗料組成物を調整するに当
っては、サンドグラインドミル、ボールミル、ブレンダ
ーなどの通常の分散機や混練機を選択して使用し、各成
分を配合することができる。下塗り塗膜の塗装方法に特
に制約はないが、好ましくは塗料組成物をロールコータ
ー塗装、カーテンフロー塗装などの方法で塗布するのが
よい。上記した化成処理皮膜が形成された亜鉛系めっき
鋼板の表面に下塗り塗膜用の塗料組成物を塗装後、熱風
加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの加熱手段により、通
常、180〜260℃程度の到達板温で約30秒〜1分
の焼付処理を行う。
【0045】次に、上記下塗り塗膜の上層に形成される
上塗り塗膜について説明する。上塗り塗膜の主剤樹脂と
しては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂
などの1種又は2種以上を用いることができるが、特に
優れた性能を得るためには、上塗り塗膜を、樹脂成分と
して、イ)特定のポリオールと、ロ)特定の硬化剤とを
含有する(好ましくは、これらを主成分樹脂として含有
する)塗料組成物を塗布し、焼付処理して形成される塗
膜とすることが好ましい。このような特定の上塗り塗膜
を形成することにより、上述した下塗り塗膜との複合的
な効果によって特に優れた加工部耐食性が得られる。
【0046】以下、この特定の上塗り塗膜について説明
する。まず、上記イ)のポリオールとしては、アクリル
樹脂及び/又はポリエステル樹脂を用いることができ
る。 上記イ)のポリオールであるアクリル樹脂は、1分子中
に少なくとも2個の水酸基を有し、且つ数平均分子量が
1500〜12000の化合物であれば特に限定される
ものではないが、その数平均分子量の好ましい範囲は1
700〜10000である。アクリル樹脂の分子中にあ
る水酸基はアクリル樹脂主鎖に無秩序に配列されてお
り、数平均分子量が1500未満では加工性が著しく低
下する。一方、数平均分子量が12000を超えると高
粘度になるため過剰の稀釈溶剤が必要となり、塗料中に
占める樹脂の割合が減少するため適切な塗膜を得ること
ができなくなる。さらに、他の配合成分との相溶性も著
しく低下する。なお、アクリル樹脂の数平均分子量は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GP
Cという)により測定したポリエステル換算分子量であ
る。
【0047】アクリル樹脂は、水酸基を持つアクリル単
量体又はメタクリル単量体とアクリル酸エステル又はメ
タクリル酸エステルなどを周知の方法で加熱反応させて
得られる共重合体である。水酸基を持つアクリル単量
体、メタクリル単量体としては、例えば、メタクリル酸
−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸
ヒドロキシプロピルなどを用いることができる。また、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルとしては、
例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル
酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル
酸−n−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルな
どを用いることができる。市販されているアクリル樹脂
としては、“アルマテックス”(商品名,三井東圧化学
(株)製)、“デスモフェン”(商品名,住友バイエル
ウレタン(株)製)、“ダイヤナール”(商品名,三菱
レイヨン(株)製)などがある。
【0048】上記イ)のポリオールであるポリエステル
樹脂は、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、且
つ数平均分子量が1000〜8000の化合物であれば
特に限定されるものではないが、その好ましい数平均分
子量の範囲は1200〜7000、より好ましくは15
00〜6000である。ポリエステル樹脂の分子中にあ
る水酸基は、分子中の末端または側鎖のいずれにあって
もよい。ポリエステル樹脂の数平均分子量が1000未
満では加工性が著しく低下する。一方、数平均分子量が
8000を超えると高粘度になるため過剰の稀釈溶剤が
必要となり、塗料中に占める樹脂の割合が減少するため
適切な塗膜を得ることができなくなる。さらに、他の配
合成分との相溶性も著しく低下する。なお、ポリエステ
ル樹脂の数平均分子量は、GPCにより測定したポリス
チレン換算分子量である。
【0049】ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価
アルコールを周知の方法で加熱反応させて得られる共重
合体である。多塩基酸成分としては、例えば、無水フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット
酸、マレイン酸、アジピン酸、フマル酸などを用いるこ
とができる。また、多価アルコールとしては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールエタンなどを用いることができる。市販されて
いるポリエステル樹脂としては、“アルマテックス”
(商品名,三井東圧化学(株)製)、“アルキノール”
(商品名,住友バイエルウレタン(株)製)、“デスモ
フェン”(商品名,住友バイエルウレタン(株)製)、
“バイロン”(商品名,東洋紡績(株)製)などがあ
る。
【0050】上塗り塗膜中での上記イ)のポリオールの
配合量は、樹脂固形分中での割合で40〜90質量%と
することが好ましい。このポリオールの配合量が40質
量%未満では塗膜の加工性が十分に確保できず、一方、
90質量%を超えると塗膜硬度が不十分となる。
【0051】上記ロ)の硬化剤としては、イソシアネー
ト化合物及び/又はアミノ樹脂を用いることができる。
イソシアネート化合物としては、一般的製法で得られる
ポリイソシアネート化合物を用いることができるが、そ
の中でも特に、1液型塗料としての使用が可能である、
フェノール、クレゾール、芳香族第二アミン、第三級ア
ルコール、ラクタム、オキシムなどのブロック剤でブロ
ック化されたポリイソシアネート化合物が好ましい。こ
のブロック化ポリイソシアネート化合物を用いることに
より1液での保存が可能となり、プレコート鋼板用塗料
としての使用が容易となる。
【0052】また、さらに好ましいポリイソシアネート
化合物としては、非黄変性のヘキサメチレンジイソシア
ネート(以下、HDIと略す)及びその誘導体、トリレ
ンジイソシアネート(以下、TDIと略す)及びその誘
導体、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
(以下、MDIと略す)及びその誘導体、キシリレンジ
イソシアネート(以下、XDIと略す)及びその誘導
体、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略
す)及びその誘導体、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート(以下、TMDIと略す)及びその誘導体、
水添TDI及びその誘導体、水添MDI及びその誘導
体、水添XDI及びその誘導体などを挙げることができ
る。さらに、“スミジュール”(商品名,住友バイエル
ウレタン(株)製)、“デスモジュール”(商品名,住
友バイエルウレタン(株)製)、“コロネート”(商品
名,日本ポリウレタン(株)製)などの市販のイソシア
ネート化合物も使用できる。
【0053】硬化剤としてポリイソシアネート化合物を
用いる場合、ポリイソシアネート化合物のイソシアネー
ト基と上記イ)のポリオールの水酸基との配合比[NC
O/OH]はモル比で0.8〜1.2、より好ましくは
0.90〜1.10の範囲とすることが望ましい。[N
CO/OH]のモル比が0.8未満では塗膜の硬化が不
十分であり、所望の塗膜硬度及び強度が得られない。一
方、[NCO/OH]のモル比が1.2を超えると、過
剰のイソシアネート基同士の或いはイソシアネート基と
ウレタン配合との副反応が生じて、塗膜の加工性が低下
する。
【0054】硬化剤であるアミノ樹脂としては、尿素、
ベンゾグアナミン、メラミンなどとホルムアルデヒドと
の反応で得られる樹脂、及びこれらをメタノール、ブタ
ノールなどのアルコールによりアルキルエーテル化した
ものが使用できる。具体的には、メチル化尿素樹脂、n
−ブチル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル化メラミン樹
脂、n−ブチル化メラミン樹脂、iso−ブチル化メラ
ミン樹脂などを挙げることができる。さらに、“サイメ
ル”(商品名,三井サイアナミッド(株)製)、“ユー
バン”(商品名,三井東圧化学(株)製)、“スミマー
ル”(商品名,住友化学工業(株)製)、“メラン”
(商品名,日立化成工業(株)製)などの市販のアミノ
樹脂も使用できる。
【0055】硬化剤としてアミノ樹脂を用いる場合、ア
ミノ樹脂と上記イ)のポリオールとの配合比(固形分の
重量比)は[ポリオール]/[アミノ樹脂]:95/5
〜65/35、望ましくは90/10〜75/25の割
合とするのが好ましい。上記ロ)の硬化剤の配合量は、
樹脂固形分中での割合で9〜50質量%とすることが好
ましい。この硬化剤の配合量が9質量%未満では塗膜硬
度が不十分であり、一方、50質量%を超えると加工性
が不十分となる。
【0056】本発明では上塗り塗膜中に、下記(a)〜(d)
の成分の中から選ばれる1種又は2種以上からなる防錆
添加成分と、モリブデン酸塩と、トリアゾール類、チオ
ール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類
の中から選ばれる1種又は2種以上の有機化合物からな
る防錆添加成分とを含有させる。 (a)Caイオン交換シリカ (b)カルシウム化合物 (c)リン酸塩 (d)酸化ケイ素
【0057】これら防錆添加成分の詳細や防食機構は、
先に下塗り塗膜に関して述べたと同様であり、上記(a)
〜(d)の防錆添加成分は沈殿作用により防食性能(自己
補修性能)を発現し、モリブデン酸塩は不働態化作用に
より防食性能(自己補修性能)を発現し、トリアゾール
類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チ
ウラム類の有機化合物は吸着作用により防食性能(自己
補修性能)を発現する。したがって、このような防食機
構が異なる3種類の防錆添加成分を複合添加することに
より、それぞれの防錆添加成分の防食作用が複合化する
ことになり、この結果、高度な防食性能が得られること
になる。
【0058】ここで、上記(a)〜(d)の成分の中から選ば
れる1種又は2種以上からなる防錆添加成分(x)と、
モリブデン酸塩(y)と、トリアゾール類、チオール
類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中
から選ばれる1種又は2種以上の有機化合物からなる防
錆添加成分(z)の配合割合は、固形分の重量比で (x)
/(y)=1/99〜99/1、より好ましくは10/9
0〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/
20、(x)/(z)=1/99〜99/1、より好ましくは
10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80
〜80/20、(y)/(z)=1/99〜99/1、より好
ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは2
0/80〜80/20とするのが適当である。このよう
な配合比とすることにより、異なる防食効果を効果的に
複合化させることができる。
【0059】また、上記防錆添加成分(a)〜(d)は、その
2種以上を複合添加することができ、これにより異なる
防食効果を複合化させることができるため、耐食性を高
めるのに有利である。ここで、例えば成分(a),(b)を複
合添加する場合の配合比は、固形分の重量比で(a)/(b)
=1/99〜99/1、より好ましくは10/90〜9
0/10、さらに好ましくは20/80〜80/20と
するのが適当である。また、成分(a),(c),(d)を複合
添加する場合の配合比は、固形分の重量比で(a)/(c)+
(d)=1/99〜99/1、より好ましくは10/90
〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/2
0とするのが適当である。さらに、成分(b),(c),(d)
を複合添加する場合の配合比は、固形分の重量比で(b)
/(c)+(d)=1/99〜99/1、より好ましくは10
/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜8
0/20とするのが適当である。また、成分(c),(d)を
複合添加する場合や上記のように成分(c),(d)と他の成
分を複合添加する場合の(c),(d)の配合比は、固形分の
重量比で(c)/(d)=1/99〜99/1、より好ましく
は10/90〜90/10、さらに好ましくは20/8
0〜80/20とするのが適当である。
【0060】以上のような上塗り塗膜に配合される防錆
添加成分は、有害な物質を含まず且つ塗膜の耐食性を高
める作用がある。上塗り塗膜中での防錆添加成分の配合
量(合計配合量)は、樹脂固形分100重量部に対して
1〜20重量部とする。樹脂固形分100重量部に対す
る防錆添加成分の配合量が1重量部未満では十分な加工
部耐食性が得られず、一方、20重量部を超えると加工
性に問題を生じる。また、上塗り塗膜には目的や用途に
応じてワックスを適量配合することができる。このワッ
クスとしては、天然ワックス又は合成ワックスを用いる
ことができる。
【0061】また、上塗り塗膜用の塗料組成物には目的
や用途に応じて、p−トルエンスルホン酸、オクトエ酸
錫、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキソエート
鉛などの硬化触媒、;炭酸カルシウム、カオリン、クレ
ー、酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、マイカ、弁
柄、マンガンブルー、カーボンブラック、アルミニウム
粉、パールマイカなどの顔料;その他、消泡剤、流れ止
め剤などの各種添加剤を適宜配合することができる。こ
の上塗り塗膜の膜厚は10〜20μmとすることが好ま
しい。膜厚が10μm未満では上塗り塗膜としての総合
的な塗膜性能が十分に得られない恐れがあり、一方、膜
厚が20μmを超えると塗膜硬度が低下する。
【0062】上塗り塗膜を形成するための塗料組成物を
実際に使用するに当っては、これらを有機溶剤及び/又
は水に溶解して使用する。使用する有機溶剤としては、
例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、ソルベッソ100(商品名,エ
クソン化学社製)、ソルベッソ150(商品名,エクソ
ン化学社製)、ソルベッソ200(商品名,エクソン化
学社製)、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、ブ
チルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソ
ルブアセテート、カルビトール、エチルカルビトール、
ブチルカルビトール、酢酸エチル、酢酸ブチル、石油エ
ーテル、石油ナフサなどが挙げられる。上塗り塗膜用の
塗料組成物を調整するに当っては、サンドグラインドミ
ル、ボールミル、ブレンダーなどの通常の分散機や混練
機を選択して使用し、各成分を配合することができる。
【0063】上塗り塗膜の塗装方法に特に制約はない
が、好ましくは塗料組成物をロールコーター塗装、カー
テンフロー塗装などの方法で塗布するのがよい。上記し
た下塗り塗膜の上に上塗り塗膜用の塗料組成物を塗装
後、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの加熱手段に
より塗膜を焼き付け、樹脂を架橋させて硬化塗膜を得
る。上塗り塗膜を加熱硬化させる際の焼付処理は、通
常、最高到達板温を180〜260℃程度とし、この温
度範囲で約30秒〜3分の焼付を行う。なお、本発明の
プレコート鋼板は、上塗り塗膜の上にさらに塗膜(例え
ば、クリアー塗膜)を形成し、3コート・3ベークで使
用してもよい。
【0064】
【実施例】下地鋼板である板厚0.5mmの溶融亜鉛め
っき鋼板(片面当りのめっき付着量:30g/m)を
脱脂後、表1に示す組成の化成処理液を乾燥皮膜付着量
がSi換算で65mg/mになるように塗布した後、
到達板温80℃の乾燥処理を行なって化成処理皮膜(ク
ロムフリー系皮膜)を形成した。また、比較例の一部に
ついては、クロム系化成処理として、日本ペイント
(株)製の塗布型クロメート“サーフコート NRC3
00”をCr換算で50mg/mになるように塗布し
た後、同様の乾燥処理を行い、クロム系化成処理皮膜を
形成した。以上のようにして形成した化成処理皮膜の上
に、表2に示す組成のポリエステル樹脂を用いて表3に
示す組成に調整し、これに必要に応じて表4に示す防錆
添加成分を配合した下塗り塗膜用の塗料組成物を乾燥膜
厚が5μmになるように塗布した後、焼付温度(到達板
温)215℃、焼付時間60秒の焼付処理を行なって下
塗り塗膜を形成し、さらにその上に、表5に示す組成に
調整され、これに表4に示す防錆添加成分を配合した上
塗り塗膜用の塗料組成物を乾燥膜厚が15μmになるよ
うに塗布した後、焼付温度(到達板温)230℃、焼付
時間60秒の焼付処理を行なって上塗り塗膜を形成し、
本発明例及び比較例のプレコート鋼板を得た。これらプ
レコート鋼板の性能をその皮膜構成とともに表6〜表8
に示す。
【0065】表3に示す下塗り塗膜用の塗料組成物は、
以下のようにして調整した。 (1)ポリエステル樹脂の調製 加熱装置、撹拌機、精留塔、減圧装置および温度計を備
えた反応容器に、表2に示すような配合でテレフタル酸
ジメチル、イソフタル酸ジメチル、エチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール及び酢酸マンガン触媒を仕
込み、窒素雰囲気中において160〜220℃の温度
で、約4時間かけて段階的に昇温させエステル交換反応
を行い、メタノールを留出させた。さらに、0.5〜
5.0mmHgの減圧下、260℃で約2時間重縮合反
応させ、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステ
ル樹脂は、シクロヘキサノン/ソルベッソ150の混合
溶剤(重量比50/50)に溶解し、不揮発分40%に
調製した。また、ポリエステル樹脂の分子量は重縮合反
応時間により調節した。分子量は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーを用い、ポリスチレン換算の数平
均分子量を測定した。 (2)下塗り塗膜用の塗料組成物の製造 上記(1)で得られたポリエステル樹脂を用いて、表3
に示すような配合割合で塗料組成物を製造した。これら
塗料組成物のうち防錆添加成分を添加したものについて
は、防錆添加成分の粒度が5μm以下になるまでサンド
ミルで分散させた。
【0066】表5に示す上塗り塗膜用の塗料組成物は、
以下のようにして調整した。ポリエステルポリオールに
表5に示すような配合割合で硬化剤、顔料、硬化触媒、
添加剤、さらに防錆添加成分を配合した後、直径約1m
mのガラスビーズを入れたサンドミルを用いて約30分
間分散させた。さらに、シクロヘキサノンを加えて不揮
発分が60%になるように調整し、塗料組成物を製造し
た。
【0067】以下に、プレコート鋼板の性能試験の試験
方法と評価方法について示す。 (1)外観 塗装後の外観を目視で観察し、下記により評価した。 ○:異常なし ×:平滑で均一な外観が得られない。
【0068】(2)クロスカット部耐食性 下地に達するクロスカットを入れた試験片に対して塩水
噴霧試験(SST試験)を480時間実施した後、クロ
スカット部の最大フクレ幅を測定し、下記により評価し
た。 ○:最大フクレ幅が3mm未満 △:最大フクレ幅が3〜5mm ×:最大フクレ幅が5mm超
【0069】(3)加工部耐食性 2T折り曲げ試験片に対して塩水噴霧試験(SST試
験)を480時間実施した後、2T折り曲げ部に粘着テ
ープを貼着・剥離し、2T折り曲げ部の塗膜の剥離率
(面積率:%)を測定し、下記により評価した。 ◎:塗膜剥離率5%以下 ○:塗膜剥離率5%超、10%以下 △:塗膜剥離率10%超、50%以下 ×:塗膜剥離率50%超
【0070】(4)加工部密着性 2T折り曲げの試験片の2T折り曲げ部に粘着テープを
粘着・剥離し、2T折り曲げ部の塗膜の剥離率(面積
率:%)を測定し、下記により評価した。 ○:塗膜剥離率10%以下 △:塗膜剥離率10%超、50%以下 ×:塗膜剥離率50%超 (5)環境調和性 ○:塗膜にクロム系化合物を含まない ×:塗膜にクロム系化合物を含む
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
【表6】
【0077】
【表7】
【0078】
【表8】
【0079】
【発明の効果】以上述べたように本発明のプレコート鋼
板は、クロムフリーでありながら高耐食性クロム系プレ
コート鋼板並みの優れた加工部耐食性と加工部密着性を
有しており、このため家電製品、建材、自動車などの用
途において高度の加工部耐食性や加工部密着性が求めら
れる部位に用いられるクロムフリープレコート鋼板とし
て極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 133/00 C09D 133/00 161/20 161/20 163/00 163/00 167/00 167/00 175/04 175/04 201/00 201/00 C23C 22/42 C23C 22/42 (72)発明者 吉田 啓二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 松崎 晃 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山下 正明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 小谷 敬壱 神奈川県川崎市川崎区水江町6−1 エヌ ケーケー鋼板株式会社内 (72)発明者 梶田 保之 神奈川県川崎市川崎区水江町6−1 エヌ ケーケー鋼板株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB73X CA13 CA33 DA03 DB02 DC02 DC10 DC11 DC18 EA05 EB01 EB22 EB32 EB35 EB38 EC02 EC03 EC15 4F100 AA04C AA04D AA20B AA20C AA20D AA33C AA33D AB03A AB18A AB20C AB20D AH03C AH03D AK01C AK01D AK25D AK41C AK41D AL05C AL05D AL06C AR00C BA04 BA07 BA10A BA10D CA02D CA14C CA14D DE01B EH71A EJ68B GB07 GB48 JB02 JL00 JL11 YY00C YY00D 4J038 CG141 CH121 DA142 DA162 DA172 DB001 DB061 DB471 DD041 DG111 DG161 DG261 HA186 HA246 HA286 HA416 HA446 HA456 JB35 JC02 JC07 JC18 KA03 KA05 KA08 KA14 NA03 NA12 NA27 PA07 PC02 4K026 AA07 AA12 AA13 AA22 BA03 BB06 BB08 BB10 CA13 CA23 CA27 CA29 CA37 CA41 DA02 DA03 DA06 DA11 EB08 EB11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ微粒子とその結合剤とを含む化成
    処理皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板の表面に、下塗
    り塗膜が形成され、さらにその上層に上塗り塗膜が形成
    されたプレコート鋼板であって、 前記上塗り塗膜が、下記(a)〜(d)の成分の中から選ばれ
    る1種又は2種以上からなる防錆添加成分と、モリブデ
    ン酸塩と、トリアゾール類、チオール類、チアジアゾー
    ル類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種
    又は2種以上の有機化合物からなる防錆添加成分とを、
    樹脂固形分100重量部に対して合計で1〜20重量部
    含有することを特徴とする環境調和性と加工部耐食性及
    び加工部密着性に優れたプレコート鋼板。 (a)Caイオン交換シリカ (b)カルシウム化合物 (c)リン酸塩 (d)酸化ケイ素
  2. 【請求項2】 下塗り塗膜が、下記(a)〜(d)の成分の中
    から選ばれる1種又は2種以上からなる防錆添加成分
    と、モリブデン酸塩と、トリアゾール類、チオール類、
    チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から
    選ばれる1種又は2種以上の有機化合物からなる防錆添
    加成分とを、樹脂固形分100重量部に対して合計で5
    〜50重量部含有することを特徴とする請求項1に記載
    の環境調和性と加工部耐食性及び加工部密着性に優れた
    プレコート鋼板。 (a)Caイオン交換シリカ (b)カルシウム化合物 (c)リン酸塩 (d)酸化ケイ素
  3. 【請求項3】 上塗り塗膜が、下記イ)及びロ)を含有
    する塗料組成物を塗布して形成した塗膜であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の環境調和性と加工部耐
    食性及び加工部密着性に優れたプレコート鋼板。 イ)ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂:樹脂固
    形分中での割合で40〜90質量% ロ)硬化剤であるイソシアネート化合物及び/又はアミ
    ノ樹脂:樹脂固形分中での割合で9〜50質量%
  4. 【請求項4】 下塗り塗膜を形成すべき塗料組成物中の
    主剤樹脂成分が、ポリエステル樹脂及び/又はエポキシ
    変性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項
    1、2又は3に記載の環境調和性と加工部耐食性及び加
    工部密着性に優れたプレコート鋼板。
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