JP4992191B2 - 加工部耐食性及び環境調和性に優れた塗装鋼板 - Google Patents

加工部耐食性及び環境調和性に優れた塗装鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、環境調和性に優れ、且つ屋外環境における成型加工部の耐食性に優れた塗装鋼板に関するものである。本発明の塗装鋼板は、例えば建材用途などに好適であり、また家電製品や自動車用としても使用することができる。
従来広く使用されてきた塗装鋼板は、耐食性及び密着性を確保するために下地鋼板にクロメートを含有する化成処理を施すとともに、下塗り塗膜中にクロム系防錆顔料を含有させている(例えば、特許文献1)。しかし、昨今このような塗装鋼板について、毒性の強いクロムの溶出による公害発生の懸念が問題視されている。
特開平7−316497号公報
Al−Zn系溶融めっき鋼板、特に55%Al−Zn系溶融めっき鋼板は耐食性に優れることから、近年、建材用表面処理鋼板としての利用が進んでおり、とりわけ高耐食性塗装鋼板の下地鋼板としての利用が拡大しつつある。この55%Al−Zn系溶融めっき鋼板を下地とする塗装鋼板についても、従来では、耐食性及び密着性を確保するためにクロメート系の下地処理とクロム系防錆顔料を含有させた下塗り塗膜が用いられている。しかし、建材用塗装鋼板の分野においてもクロムフリーの要求が高まりつつあり、特に55%Al−Zn系溶融めっき鋼板を下地とするクロムフリー塗装鋼板の開発が要望されている。
従来、溶融亜鉛めっき鋼板を下地とするクロムフリー塗装鋼板は開発されており、例えば、特許文献2では、クロム系防錆顔料に代わる防錆顔料としてシリカやリン酸塩を塗膜に添加することが提案されている。
特開2001−191447号公報
しかしながら、上記技術を55%Al−Zn系溶融めっき鋼板を下地とする塗装鋼板に適用しても十分な耐食性は得られず、特に加工部耐食性は全く不十分なものである。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、55%Al−Zn系溶融めっき鋼板に代表されるAl−Zn系溶融めっき鋼板を下地とする塗装鋼板において、塗膜中にクロム系防錆顔料を含有することなく、優れた耐食性、とりわけ優れた加工部耐食性が得られる環境調和型の塗装鋼板を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決し、優れた性能を示す塗装鋼板を得るために検討を重ねた結果、めっき皮膜中にAlを25〜75質量%含有するAl−Zn系溶融めっき鋼板の表面に、特定の非クロム系防錆顔料を適量添加した塗膜を形成することにより、加工部耐食性が非常に優れた塗装鋼板が得られることを見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
(1)めっき皮膜中にAlを25〜75mass%含有するAl−Zn系溶融めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板であって、前記めっき皮膜の表面に、シリカ微粒子とその結合剤を含み、クロムを含有せず、付着量がシリカ微粒子のSi換算量で5〜400mg/mである化成処理皮膜を有し、該化成処理皮膜の上層に、ブロックウレタン変性エポキシ樹脂と防錆顔料を主成分とする乾燥膜厚が3μm以上の塗膜であって、クロム系防錆顔料を含有せず、且つ防錆顔料としてバナジウム化合物を塗膜固形分中の割合で2〜25質量%含有する塗膜を有することを特徴とする加工部耐食性及び環境調和性に優れた塗装鋼板。
(2)上記(1)の塗装鋼板において、塗膜中に含有されるバナジウム化合物が4価バナジウムの化合物であることを特徴とする加工部耐食性及び環境調和性に優れた塗装鋼板。
(3)上記(1)又は(2)の塗装鋼板において、塗膜の上層に、さらに上塗り塗膜を有することを特徴とする加工部耐食性及び環境調和性に優れた塗装鋼板。
本発明の塗装鋼板は、塗膜中にクロム系防錆顔料を含有することなく、非常に優れた加工部耐食性を示す。
以下、本発明の詳細とその限定理由を説明する。
本発明の塗装鋼板の下地となるめっき鋼板は、めっき皮膜中にAlを25〜75質量%含有するAl−Zn系溶融めっき鋼板であり、所謂55%Al−Zn系溶融めっき鋼板が最も代表的なものとして知られている。一般に、この種のめっき鋼板のめっき皮膜中には少量のSiが添加される。このAl−Zn系溶融めっき鋼板のめっき皮膜中のAl量のより好ましい範囲は、耐食性の観点から45〜65質量%である。また、めっき皮膜の特に好ましい成分組成は、Al:45〜65質量%、Si:0.7〜2.0質量%、Fe:10質量%未満、残部が不可避的不純物及びZnであり、このような組成の場合に特に優れた耐食性を発揮する。
また、Al−Zn系溶融めっき鋼板のめっき付着量に特に制限はないが、一般には、片面当たり30〜120g/m程度とすることが適当である。めっき付着量が30g/m未満では耐食性が不十分となり易く、一方、120g/mを超えると、めっき皮膜に起因する加工部クラックが顕著となり、加工性が大きく低下する。
本発明の塗装鋼板は、上記めっき鋼板のめっき皮膜表面に直接塗膜を形成してもよいが、通常は密着性及び耐食性向上を目的として、めっき皮膜表面にクロムを含まない化成処理皮膜を形成し、その上層に塗膜を形成する。この化成処理皮膜は、クロムを含有しない皮膜であれば、特に限定されるものではないが、なかでも、シリカ微粒子(微粉末)とその結合剤とを含む化成処理皮膜が特に好ましい。
上記シリカ微粒子としては、例えば、一次粒径が約1〜100nmの湿式シリカ(コロイダルシリカ)、乾式シリカ(ヒュームドシリカ)の中から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。このようなシリカ微粒子を化成処理皮膜中に配合することにより、化成処理皮膜上に形成される塗膜との密着性、耐スクラッチ性、耐食性を高めることができる。
また、上記結合剤としては、例えば水溶性又は水分散性有機高分子、酸素酸塩(但し、クロム酸塩は除く)の中から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。上記水溶性又は水分散性有機高分子としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルアルコールなどを例示できる。また、上記酸素酸塩としては、例えば、リン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジン酸塩などを例示できる。このような結合剤を化成処理皮膜中に配合することにより、シリカ微粒子同士の結合性(皮膜の耐凝集破壊性)、シリカ微粒子の素地金属との密着性を高めることができる。
また、上記化成処理皮膜を形成するための処理液には、Zr化合物、Ti化合物、Hf化合物(例えば、フルオロ錯塩など)の1種又は2種以上を添加剤として添加し、それらを化成処理皮膜中に含有させることができる。
シリカ微粒子と結合剤の配合割合は固形分質量比でシリカ微粒子/結合剤=1/0.01〜1/10の範囲とすることが望ましい。シリカ微粒子の配合量:1に対する結合剤の配合割合が0.01未満であると、シリカ微粒子同士の結合性(皮膜の耐凝集破壊性)、シリカ微粒子の素地金属との密着性が劣る。また、シリカ微粒子の配合量:1に対する結合剤の配合割合が10超であると、化成処理皮膜上に形成される塗膜との密着性、耐スクラッチ性、耐食性が劣る。
シリカ微粒子とその結合剤(場合により、さらに添加剤)とを含む上記化成処理皮膜の付着量は、シリカ微粒子のSi換算量で5〜400mg/mの範囲とすることが好ましい。この付着量が5mg/m未満では、素地金属との密着性、耐食性の向上効果が十分でなく、一方、400g/m超では化成処理皮膜上に形成される塗膜との密着性が劣る。
化成処理皮膜を形成するための処理方法に特に制約はないが、一般に化成処理液をロールコーター塗装し、その後乾燥させる。この乾燥では、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの加熱手段により、通常、50〜150℃程度の到達板温で皮膜を乾燥させる。
次に、めっき皮膜表面又は上記化成処理皮膜の上層に形成される塗膜について説明する。
この塗膜は、有機樹脂と防錆顔料を主成分とする塗膜であって、クロム系防錆顔料を含有せず、且つ防錆顔料として適量のバナジウム化合物を含有するものである。
塗膜を形成するための塗料組成物の主剤樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスフェノールA付加ポリエステル樹脂などのようなエポキシ変成ポリエステル樹脂などの1種又は2種以上を用いることができるが、加工性の観点からはポリエステル樹脂及び/又はエポキシ変性ポリエステル樹脂が特に好ましく、特にエポキシ変性ポリエステル樹脂が好ましい。
エポキシ変性ポリエステル樹脂において、ポリエステル樹脂のエポキシ変性に用いる樹脂としては、例えば、ビスフェノールA又はビスフェノールF型エポキシ樹脂が挙げられ、またこれ以外に、塩基触媒(例えば、水酸化カリウム)の存在下に、エピハロヒドリン(例えば、エピクロロヒドリン)をアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)と1価のフェノール又は多価ポリフェノールとの縮合物と反応させることにより得られるフェノール誘導体エポキシ樹脂(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂)なども用いることができる。
一般に樹脂の分子構造からして、エポキシ系塗料による塗膜は破断強度は大きいが破断伸びは小さく、一方、ポリエステル系塗料やウレタン系塗料による塗膜は破断伸びは大きいが破断強度は小さい。これに対して、ビスフェノールA付加ポリエステル樹脂などのエポキシ変性ポリエステル樹脂を主剤樹脂とする塗料組成物により形成される塗膜は上記両方の樹脂の分子構造を兼ね備えているため、破断強度と破断伸びがバランスよく得られ、本発明が目的とする高加工性の観点からして特に好ましい。
塗膜をポリエステル系樹脂(ビスフェノールA付加ポリエステル樹脂などのエポキシ変性ポリエステル樹脂を含む。以下同様)を主剤樹脂とする塗料組成物により形成する場合、塗膜が上記物性を有するようにするためには、ポリエステル樹脂として数平均分子量が1000〜50000、より好ましくは3000〜40000、特に好ましくは5000〜30000の範囲のものを用いることが望ましい。ポリエステル樹脂の数平均分子量が1000未満では、塗膜の伸びが不十分であるため上記の物性が得られず、塗膜性能の向上が十分でない。一方、数平均分子量が50000を超えると塗料組成物が高粘度になるため過剰の希釈溶剤が必要となり、塗料中に占める樹脂の割合が減少するため適正な塗膜を得ることができなくなる。さらに、他の配合成分との相溶性も著しく低下する。
また、塗料組成物の主剤樹脂としてビスフェノールA付加ポリエステル樹脂を使用する場合、このビスフェノールA付加ポリエステル樹脂中のビスフェノールAの含有量は樹脂固形分の割合で1〜70質量%、より好ましくは3〜60質量%、特に好ましくは5〜50質量%とするのが望ましい。ビスフェノールA付加ポリエステル樹脂中のビスフェノールAの含有量が1質量%未満では塗膜強度の向上効果が十分に得られず、塗膜性能の向上効果が顕著ではない。一方、ビスフェノールAの含有量が70質量%を超えると塗膜の伸びが十分に得られない。
上記ポリエステル樹脂を得るための多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられ、また、これらの多価アルコールを2種類以上組合せて用いることもできる。
また、ポリエステル樹脂を得るための多価塩基酸成分としては、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ、これらの多価塩基酸成分を2種類以上組合せて用いることもできる。
塗膜用の塗料組成物に用いられる硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂などが使用できる。また、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
硬化剤として用いられるポリイソシアネート化合物としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;又はこれらジイソシアネートの多量体若しくは多価アルコールとの付加物などが挙げられ、これらをブロック剤(例えば、フェノール系、ラクタム系、アルコール系、メルカプタン系、イミン系、アミン系、イミダゾール系又はオキシム系ブロック剤)などを用いてブロック化した化合物として使用することが好ましい。また、これらブロック化ポリイソシアネート化合物の解離触媒としては、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキソエート鉛などを用いることができる。
硬化剤として用いられるアミノ樹脂としては、例えば、低級アルコールでアルキルエーテル化されたホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドなどと尿素、ジシアンジアミド、アミノトリアジンなどとの縮合物があり、具体的には、メトキシ化メチロール尿素、メトキシ化メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化メチロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンなどが挙げられる。また、硬化触媒としては、塩酸、リン酸モノアルキルエステル、P−トルエンスルホン酸などの酸又はこれら酸と3級アミン若しくは2級アミン化合物との塩が使用できる。
塗膜中には、防錆顔料としてバナジウム化合物が配合される。このような特定の防錆顔料を塗膜中に配合することにより、クロム系防錆顔料を使用することなく、優れた加工部耐食性を得ることができる。
塗膜中に配合されるバナジウム化合物は、腐食の起こりやすい環境において溶出することで早期に保護膜を形成し、それ以上腐食が進行するのを抑制する働きがあると考えられ、バナジウム化合物により形成される保護皮膜の安定性が特異的に高いことにより、他の非クロム系防錆顔料を添加した場合に較べて特に優れた加工部耐食性が得られるものと考えられる。また、このようなバナジウム化合物による加工部耐食性の顕著な向上効果は、めっき皮膜中にAlを25〜75mass%含有するAl−Zn系溶融めっき鋼板(代表例として55%Al−Zn系溶融めっき鋼板)に特有のものであり、例えば、5%Al−Znめっき鋼板や溶融Znめっき鋼板ではほとんど得られない。
バナジウム化合物としては、メタバナジン酸アンモニウム、硫酸バナジール、メタバナジン酸系ソーダ、メタバナジン酸カリウムなどの化合物(バナジン酸化合物)が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができるが、これらのなかでも、硫酸バナジールなど4価のバナジウムを含有する化合物を用いた場合に特に優れた加工部耐食性が得られるため好ましい。
バナジウム化合物の含有量は、塗膜固形分中での割合で2〜25質量%の範囲が好ましい。バナジウム化合物の含有量が2質量%未満では十分な耐食性が得られず、一方、25質量%を超えると耐湿性が大きく劣化するため好ましくない。
塗膜中には、バナジウム化合物以外の非クロム系防錆顔料として、例えば、カルシウム化合物、シリカ微粉末、ケイ酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩などの1種又は2種以上を添加することができる。
また、塗膜用の塗料組成物には目的や用途に応じて、p−トルエンスルホン酸、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキソエート鉛などの硬化触媒、;炭酸カルシウム、カオリン、クレー、酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、マイカ、弁柄、マンガンブルー、カーボンブラック、アルミニウム粉、パールマイカなどの各種顔料;その他、消泡剤、流れ止め剤などの各種添加剤を適宜配合することができる。
塗膜の膜厚は3μm以上とすることが好ましい。膜厚が3μm未満では十分な耐食性が得られない。また、経済的な観点から、膜厚は20μm以下が好ましい。
塗膜を形成するための塗料組成物を実際に使用するに当っては、これらを有機溶剤に溶解して使用する。使用する有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ソルベッソ100(商品名,エクソン化学社製)、ソルベッソ150(商品名,エクソン化学社製)、ソルベッソ200(商品名,エクソン化学社製)、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、酢酸エチル、酢酸ブチル、石油エーテル、石油ナフサなどが挙げられる。
塗膜用の塗料組成物を調整するに当っては、サンドグラインドミル、ボールミル、ブレンダーなどの通常の分散機や混練機を選択して使用し、各成分を配合することができる。
塗膜の塗装方法に特に制約はないが、好ましくは塗料組成物をロールコーター塗装、カーテンフロー塗装などの方法で塗布するのがよい。必要に応じて上記した化成処理皮膜が形成されたAl−Zn系溶融めっき鋼板の表面に塗膜用の塗料組成物を塗装後、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの加熱手段により、通常、180〜260℃程度の到達板温で約30秒〜1分の焼付処理を行う。
本発明の塗装鋼板では、以上述べたような塗膜を下塗り塗膜とし、さらにその上層に上塗り塗膜を設けてもよい。
この上塗り塗膜の構成については特別な制約はなく、例えば、その主剤樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂などの1種又は2種以上を用いることができる。これらの樹脂にアミノ樹脂、イソシアネート化合物などのような架橋剤を併用してもよい。
また、上塗り塗膜には目的や用途に応じてワックスを適量配合することができる。このワックスとしては、天然ワックス又は合成ワックスを用いることができる。また、上塗り塗膜用の塗料組成物には目的や用途に応じて、p−トルエンスルホン酸、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキソエート鉛などの硬化触媒、;炭酸カルシウム、カオリン、クレー、酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、マイカ、弁柄、マンガンブルー、カーボンブラック、アルミニウム粉、パールマイカなどの各種顔料;その他、消泡剤、流れ止め剤などの各種添加剤を適宜配合することができる。
この上塗り塗膜の膜厚は10〜20μmとすることが好ましい。膜厚が10μm未満では上塗り塗膜としての総合的な塗膜性能が十分に得られない恐れがあり、一方、膜厚が20μmを超えると発泡やわきの原因となり好ましくない。
上塗り塗膜を形成するための塗料組成物を実際に使用するに当っては、これらを有機溶剤に溶解して使用する。使用する有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ソルベッソ100(商品名,エクソン化学社製)、ソルベッソ150(商品名,エクソン化学社製)、ソルベッソ200(商品名,エクソン化学社製)、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、酢酸エチル、酢酸ブチル、石油エーテル、石油ナフサなどが挙げられる。
上塗り塗膜用の塗料組成物を調整するに当っては、サンドグラインドミル、ボールミル、ブレンダーなどの通常の分散機や混練機を選択して使用し、各成分を配合することができる。
上塗り塗膜の塗装方法に特に制約はないが、好ましくは塗料組成物をロールコーター塗装、カーテンフロー塗装などの方法で塗布するのがよい。通常、上記した下塗り塗膜の上に上塗り塗膜用の塗料組成物を塗装後、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの加熱手段により塗膜を焼き付け、樹脂を架橋させて硬化塗膜を得る。上塗り塗膜を加熱硬化させる際の焼付処理は、通常、最高到達板温を180〜260℃程度とし、この温度範囲で約30秒〜3分の焼付を行う。
なお、本発明の塗装鋼板は、上塗り塗膜の上にさらに塗膜(例えば、クリアー塗膜)を形成し、3コート・3ベークで使用してもよい。
以下に示すような下塗り塗膜用及び上塗り塗膜用の各塗料組成物を調整した。
[下塗り塗膜用の塗料組成物の調整]
表1に示す配合割合で、ブロックウレタン変性エポキシ樹脂(商品名「エポキー830」,三井化学(株)製)、防錆顔料、その他の顔料である酸化チタン及びタルクを配合し、サンドミルで1時間攪拌して下塗り塗膜用の塗料組成物を調整した。
[上塗り塗膜用の塗料組成物の調整]
主樹脂であるポリエステル樹脂(商品名「アルマテックスP645」,三井化学(株)製)100質量部、メチル化メラミン(商品名「サイメル303」,三井化学(株)製)25質量部、硬化触媒であるp−トルエンスルホン酸0.2質量部、顔料である酸化チタン98質量部、同じくカーボンブラック2質量部を配合し、サンドミルで1時間攪拌して上塗り塗膜用の塗料組成物を調整した。
いずれも板厚が0.35mmの55%Al−1.5%Si−Zn溶融めっき鋼板(片面当たりめっき付着量:80g/m)、5%Al−Zn溶融めっき鋼板(片面当たりめっき付着量:130g/m)、溶融Znめっき鋼板(片面当たりめっき付着量:130g/m)を脱脂後、コロイダルシリカ:5質量部、オルソリン酸アンモニウム:1質量部、ポリアクリル酸:1質量部、水:93質量部からなる組成の化成処理液を乾燥皮膜付着量がSi換算で65mg/mになるように塗布した後、到達板温80℃の乾燥処理を行って化成処理皮膜を形成した。その上に、表1に示す組成に調整した下塗り塗膜用の塗装組成物を所定の乾燥膜厚になるように塗布した後、焼付温度(到達温度)215℃、焼付時間60秒の焼付処理を行って下塗り塗膜を形成し、さらにその上層に、上記上塗り塗膜用の塗料組成物を乾燥膜厚が15μmになるように塗布した後、焼付温度(到達温度)230℃、焼付時間60秒の焼付処理を行って上塗り塗膜を形成し、本発明例および比較例の塗装鋼板を得た。これらの塗装鋼板について、加工部耐食性と耐湿性を以下のようにして評価した。その結果を、各塗装鋼板の構成とともに表2に示す。
(1)加工部耐食性
塗装鋼板を150mm×70mmの大きさに切断し、20℃の室内にて塗装鋼板の裏面側に直径1mmの鋼製の棒を挟んで曲げ加工を行った後、切断端面及び裏面をテープシールして試料を作成し、この試料を加工部耐食性試験に供した。この試験では、JIS
K 5621に規定される乾湿繰り返し条件に基づき、[5%塩水噴霧,30℃,0.5時間→湿潤95%RH,30℃,1.5時間→乾燥20%RH,50℃,2時間→乾燥20%RH,30℃,2時間]を1サイクルとして、これを計100サイクル行った後の塗膜の膨れ率を測定した。
塗膜の膨れ率は、両端10mmを除いた50mm幅の曲げ加工部において、塗膜の膨れが生じている部分の幅方向における長さの合計を%で表わした(例えば、50mm中に5mm幅の膨れが2箇所あった場合、膨れ率は20%とする)。評価基準は以下のとおりである。
○:膨れ率が10%未満
△:膨れ率が10%以上、70%未満
×:膨れ率が70%以上
(2)耐湿性
塗装鋼板を150mm×70mmの大きさに切断し、切断端面及び裏面をテープシールして試料を作成し、耐湿試験に供した。この試験では、試料を50℃,相対湿度98%の条件下に240時間暴露した後の塗膜の膨れ程度を評価した。その評価基準は以下のとおりである。
○:膨れが全く無い
△:膨れ部分の面積率が30%未満
×:膨れ部分の面積率が30%以上
表2によれば、本発明例の塗装鋼板は、加工部耐食性、耐湿性のいずれについても良好な特性が得られている。これに対して、比較例は何れかの特性が本発明例に比較して劣っている。
Figure 0004992191
Figure 0004992191

Claims (3)

  1. めっき皮膜中にAlを25〜75mass%含有するAl−Zn系溶融めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板であって、
    前記めっき皮膜の表面に、シリカ微粒子とその結合剤を含み、クロムを含有せず、付着量がシリカ微粒子のSi換算量で5〜400mg/mである化成処理皮膜を有し、該化成処理皮膜の上層に、ブロックウレタン変性エポキシ樹脂と防錆顔料を主成分とする乾燥膜厚が3μm以上の塗膜であって、クロム系防錆顔料を含有せず、且つ防錆顔料としてバナジウム化合物を塗膜固形分中の割合で2〜25質量%含有する塗膜を有することを特徴とする加工部耐食性及び環境調和性に優れた塗装鋼板。
  2. 塗膜中に含有されるバナジウム化合物が4価バナジウムの化合物であることを特徴とする請求項1に記載の加工部耐食性及び環境調和性に優れた塗装鋼板。
  3. 塗膜の上層に、さらに上塗り塗膜を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の加工部耐食性及び環境調和性に優れた塗装鋼板。
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