JP2002080979A - 環境調和性と加工部密着性及び加工部耐食性に優れたユズ肌プレコート鋼板及びその製造方法 - Google Patents

環境調和性と加工部密着性及び加工部耐食性に優れたユズ肌プレコート鋼板及びその製造方法

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JP2002080979A
JP2002080979A JP2000273038A JP2000273038A JP2002080979A JP 2002080979 A JP2002080979 A JP 2002080979A JP 2000273038 A JP2000273038 A JP 2000273038A JP 2000273038 A JP2000273038 A JP 2000273038A JP 2002080979 A JP2002080979 A JP 2002080979A
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resin
steel sheet
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JP2000273038A
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English (en)
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Kenichi Sasaki
健一 佐々木
Keiji Yoshida
啓二 吉田
Akira Matsuzaki
晃 松崎
Masaaki Yamashita
正明 山下
Yasuyuki Kajita
保之 梶田
Nobuyuki Ishida
信之 石田
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JFE Engineering Corp
NKK Steel Sheet and Strip Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
NKK Steel Sheet and Strip Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膜や塗膜中にクロムを含まず、加工部密着
性及び加工部耐食性をはじめとする優れた特性が得ら
れ、しかもユズ肌調の優れた外観を有するプレコート鋼
板を提供する。 【解決手段】 めっき皮膜の表面粗さが 0.3≦Ra≦3
, 4≦Rmax≦20 を満足する亜鉛系めっき鋼板の前記
めっき皮膜の表面に、シリカ微粒子とその結合剤とを含
む化成処理皮膜が形成され、その上層に下塗り塗膜及び
上塗り塗膜が形成されたプレコート鋼板であって、前記
下塗り塗膜が防錆添加成分として、(a)Ca成分、
(b)SiO及び/又はケイ酸塩、(c)リン酸及び/
又はリン酸塩、(d)モリブデン酸塩、タングステン酸
塩、亜リン酸塩、ホウ酸塩、メタホウ酸塩の中から選ば
れる1種以上の防錆顔料、の中から選ばれる1種又は2
種以上を含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、環境調和性、加工
部密着性、加工部耐食性などの諸特性に優れたユズ肌プ
レコート鋼板及びその製造方法に関するものである。本
発明のプレコート鋼板は、例えば家電製品や建材用途な
どに好適であり、また自動車用としても使用することが
できる。
【0002】
【従来の技術】現在広く使用されているプレコート鋼板
は、耐食性を確保するためにクロムを含有する化成処理
を施すとともに、下塗り塗膜中にクロム系の防錆顔料を
含有させている(例えば、特開平7−316497号公
報)。しかし、昨今このようなプレコート鋼板につい
て、毒性の強いクロムの溶出による公害発生の懸念が問
題視されている。
【0003】このような問題に対して、皮膜及び塗膜中
にクロムを含まないプレコート鋼板の提案がなされてお
り、例えば特開平8−319437号公報では、塩基性
亜リン酸塩系防錆顔料を下塗り塗膜中に含有させること
により、無毒性且つ耐食性に優れるプレコート鋼板が得
られるとしている。また、特開平8−11257号公報
では、イソシアネート化合物及びリン酸系防錆顔料を下
塗り塗膜中に含有させることにより、耐食性に優れた無
公害型プレコート鋼板が得られるとしている。
【0004】また近年、プレコート鋼板に対して、硬
度、加工性といった塗膜物性のほかに、種々の意匠性に
関する要求が高まっている。例えば、粉体塗装などにお
いて見られる、肉感のある「ユズ肌」といわれる外観で
ある。このような外観(ユズ肌調の外観)を有するプレ
コート鋼板として、例えば特開平9−87820号公報
には、特定の表面うねりを有するめっき皮膜面に燐酸亜
鉛処理層又は塗布型クロメート処理層を形成し、その上
層に下塗り塗膜、上塗り塗膜を順次形成したプレコート
鋼板が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平8−3
19437号公報や特開平8−11257号公報に示さ
れるような無公害型プレコート鋼板は、平面部、傷部
(クロスカット部)及び端面の耐食性については、従来
のクロム系化成処理及びクロム系防錆顔料を用いたもの
とほぼ同等の性能が得られるものの、本発明者らの調査
によれば、厳しい加工を受けた部分の塗膜密着性及びそ
の加工部の耐食性については、従来のクロム系化成処理
及びクロム系防錆顔料を用いたものに較べてかなり劣っ
ていることが判った。プレコート鋼板は、加工を受けた
後に製品として使用されるため、加工を受けた部分の塗
膜密着性及びその加工部の耐食性は非常に重要であり、
したがって、上記従来の無公害型プレコート鋼板は実用
上の大きな不利がある。
【0006】ここで、プレコート鋼板の加工部密着性を
向上させるため、加工性を高めた高分子ポリエステル−
メラミン系塗膜を上塗り塗膜として用いることも考えら
れるが、このようなプレコート鋼板は加工部密着性は向
上するものの、塗膜硬度が劣ってしまう問題がある。一
方、特開平9−87820号公報に記載された、めっき
皮膜面が特定の表面うねりを有するプレコート鋼板は、
めっき皮膜の表面うねりによってユズ肌調の外観は得
られるものの、化成処理皮膜が塗布型クロメート処理皮
膜でない場合(すなわち、燐酸亜鉛処理皮膜の場合)に
は加工部の密着性や耐食性が劣る。一方、化成処理皮膜
が塗布型クロメート処理の場合には、皮膜がクロムを含
むことなるため環境調和の点で問題がある。
【0007】したがって、仮にこの特開平9−8782
0号公報に記載の技術と、先の特開平8−319437
号公報及び特開平8−11257号公報に記載の無公害
型プレコート鋼板技術を組み合わせても、十分な加工部
密着性及び加工部耐食性を備えたプレコート鋼板は得ら
れない。したがって本発明の目的は、このような従来技
術の課題を解決し、下地化成処理皮膜中にクロムを含ま
ず、且つ塗膜中にクロム系防錆顔料を含まない環境調和
型のプレコート鋼板であって、加工部密着性及び加工部
耐食性をはじめとする優れた特性が得られ、しかもユズ
肌調の優れた外観を有するプレコート鋼板及びその製造
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決し、優れた性能を示すプレコート鋼板を得るため
に検討を重ねた結果、母材としてめっき皮膜が特定の表
面粗さを有する亜鉛系めっき鋼板を用いるとともに、そ
の表面にシリカ微粒子とその結合剤とを含む化成処理皮
膜を形成し、その上層に特定の複数種の非クロム系防錆
添加成分の中から選ばれる少なくとも1種、好ましくは
2種以上を添加した下塗り塗膜を形成し、さらにその上
層に上塗り塗膜を形成することにより、環境調和性、加
工部密着性、加工部耐食性などの諸特性に優れ、且つユ
ズ肌調の意匠性の高い塗装外観を有するプレコート鋼板
が得られることを見い出した。本発明はこのような知見
に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りであ
る。
【0009】[1]少なくとも片面のめっき皮膜の表面
粗さが下記(1)式及び(2)式を満足する亜鉛系めっき鋼板
の前記めっき皮膜の表面に、 0.3≦Ra≦3 ……(1) 4≦Rmax≦20 ……(2) 但し Ra:中心線平均粗さ(μm),Rmax:最大高
さ(μm) シリカ微粒子とその結合剤とを含む化成処理皮膜が形成
され、その上層に下塗り塗膜が形成され、さらにその上
層に上塗り塗膜が形成されたプレコート鋼板であって、
前記下塗り塗膜が防錆添加成分として下記(a)〜(d)
の中から選ばれる1種又は2種以上を含有し、 (a)Ca成分(但し、下記(b)の成分として添加され
る塩及びその他のCa含有化合物の一部として含有され
るCaを含む):下塗り塗膜の樹脂固形分100重量部
に対してCa換算量で1〜30重量部 (b)SiO及び/又はケイ酸塩:下塗り塗膜の樹脂
固形分100重量部に対してSiO換算量で1〜35
重量部 (c)リン酸及び/又はリン酸塩:下塗り塗膜の樹脂固
形分100重量部に対してPO換算量で1〜30重量
部 (d)モリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜リン酸
塩、ホウ酸塩、メタホウ酸塩の中から選ばれる1種又は
2種以上:下塗り塗膜の樹脂固形分100重量部に対し
て1〜50重量部 且つ前記(a)〜(d)の防錆添加成分の配合量(但し、
Ca成分についてはCa換算量、SiO及び/又はケ
イ酸塩についてはSiO換算量、リン酸及び/又はリ
ン酸塩についてはPO換算量)の合計が下塗り塗膜の
樹脂固形分100重量部に対して5〜100重量部であ
ることを特徴とする環境調和性と加工部密着性及び加工
部耐食性に優れたユズ肌プレコート鋼板。
【0010】[2]上記[1]のプレコート鋼板におい
て、上塗り塗膜が下記イ)及びロ)を含有する塗料組成
物を塗布して形成した塗膜であることを特徴とする環境
調和性と加工部密着性及び加工部耐食性に優れたユズ肌
プレコート鋼板。 イ)ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂:上塗り
塗膜の樹脂固形分中での割合で40〜90質量% ロ)硬化剤であるイソシアネート化合物及び/又はアミ
ノ樹脂:上塗り塗膜の樹脂固形分中での割合で10〜6
0質量% [3]上記[1]又は[2]のプレコート鋼板において、
下塗り塗膜がポリエステル樹脂及び/又はエポキシ変性
ポリエステル樹脂を含有する塗料組成物を塗布して形成
した塗膜であり、且つ下塗り塗膜の膜厚が2〜20μm
であることを特徴とする環境調和性と加工部密着性及び
加工部耐食性に優れたユズ肌プレコート鋼板。
【0011】[4]少なくとも片面のめっき皮膜の表面
粗さが下記(1)式及び(2)式を満足する亜鉛系めっき鋼板
の前記めっき皮膜の表面に、 0.3≦Ra≦3 ……(1) 4≦Rmax≦20 ……(2) 但し Ra:中心線平均粗さ(μm),Rmax:最大高
さ(μm) シリカ微粒子とその結合剤とを含む化成処理皮膜を形成
し、その上層に、防錆添加成分として下記(a)〜(d)
の中から選ばれる1種又は2種以上を含有し、 (a)Ca成分(但し、下記(b)の成分として添加され
る塩及びその他のCa含有化合物の一部として含有され
るCaを含む):塗料組成物の樹脂固形分100重量部
に対してCa換算量で1〜30重量部 (b)SiO及び/又はケイ酸塩:塗料組成物の樹脂
固形分100重量部に対してSiO換算量で1〜35
重量部 (c)リン酸及び/又はリン酸塩:塗料組成物の樹脂固
形分100重量部に対してPO換算量で1〜30重量
部 (d)モリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜リン酸
塩、ホウ酸塩、メタホウ酸塩の中から選ばれる1種又は
2種以上:塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対し
て1〜50重量部 且つ前記(a)〜(d)の防錆添加成分の配合量(但し、
Ca成分についてはCa換算量、SiO及び/又はケ
イ酸塩についてはSiO換算量、リン酸及び/又はリ
ン酸塩についてはPO換算量)の合計が塗料組成物の
樹脂固形分100重量部に対して5〜100重量部であ
る下塗り塗膜用の塗料組成物を塗布した後、180〜2
60℃の到達板温で焼付処理し、次いで、上塗り塗膜用
の塗料組成物を塗布した後、180〜260℃の到達板
温で焼付処理することを特徴とする環境調和性と加工部
密着性及び加工部耐食性に優れたユズ肌プレコート鋼板
の製造方法。
【0012】[5]上記[4]の製造方法において、上塗
り塗膜用の塗料組成物が下記イ)及びロ)を含有するこ
とを特徴とする環境調和性と加工部密着性及び加工部耐
食性に優れたユズ肌プレコート鋼板の製造方法。 イ)ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂:塗料組
成物の樹脂固形分中での割合で40〜90質量% ロ)硬化剤であるイソシアネート化合物及び/又はアミ
ノ樹脂:塗料組成物の樹脂固形分中での割合で10〜6
0質量% [6]上記[4]又は[5]の製造方法において、下塗り
塗膜用の塗料組成物がポリエステル樹脂及び/又はエポ
キシ変性ポリエステル樹脂を含有し、下塗り塗膜の焼付
処理後の膜厚が2〜20μmであることを特徴とする環
境調和性と加工部密着性及び加工部耐食性に優れたユズ
肌プレコート鋼板の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細とその限定理
由を説明する。本発明のプレコート鋼板は、めっき皮膜
が特定の表面粗さを有する亜鉛系めっき鋼板の表面に特
定の成分を含む非クロム系の化成処理皮膜を形成し、そ
の上層に特定の非クロム系防錆添加成分を含む下塗り塗
膜、さらに上塗り塗膜を順次形成した塗装鋼板である。
塗装鋼板の母材となる亜鉛系めっき鋼板としては、溶融
亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛
めっき鋼板、溶融Zn−Al合金めっき鋼板などの各種
亜鉛系めっき鋼板を用いることができる。
【0014】本発明において塗装鋼板の母材として用い
る亜鉛系めっき鋼板は、ユズ肌調の塗装外観と優れた加
工部密着性を得るために、少なくとも片面のめっき皮膜
の表面粗さを、中心線平均粗さRaが0.3〜3μmで
あって且つ最大高さRmaxが4〜20μmの範囲とする
必要がある。Ra<0.3μm又は最大高さRmax<4
μmでは、通常の塗装法で製造される塗装鋼板では塗装
面が平滑な外観となってしまい、満足できるようなユズ
肌状外観が得られず、また、めっき皮膜面の表面積が小
さくなってしまうため、めっき皮膜と上層塗膜との密着
力が低下し、特に加工部密着性が低下する。
【0015】一方、Ra>3μm又はRmax>20μm
では、塗装条件によっては未塗装部分が発生しやすくな
り、塗料の塗布性(塗装均一性)が劣る。また、上述し
た塗装外観、加工部密着性及び塗装均一性の各観点か
ら、中心線平均粗さRaの好ましい下限は1μm、最大
高さRmaxの好ましい下限は8μmであり、また、中心
線平均粗さRaの好ましい上限は2μm、最大高さRma
xの好ましい上限は15μmである。
【0016】上述した亜鉛系めっき鋼板の製造方法に特
別な制約はない。したがって例えば、めっき後に特定の
表面加工を施したロールを用いてスキンパスを行うなど
の機械的な加工によって、めっき皮膜面の所定の表面粗
さを得てもよい。また、溶融亜鉛系めっき鋼板の場合に
は、めっき浴の成分や冷却方法を調整することによっ
て、めっき皮膜面の所定の表面粗さを得てもよい。ま
た、以上述べた方法を組み合わせても何等問題はない。
また、亜鉛系めっき鋼板としては、化成処理皮膜の密着
性を高めるために、亜鉛系めっきの後に表面調整処理を
施したものでもよい。この表面調整処理は、酸性処理
液、アルカリ性処理液のいずれを使用してもよい。処理
方法は、浸漬やスプレーなどにより行うことができる。
【0017】亜鉛系めっき鋼板の上記表面粗さを有する
めっき皮膜面に形成される化成処理皮膜は、シリカ微粒
子(微粉末)とその結合剤とを含む化成処理皮膜であ
る。上記シリカ微粒子としては、例えば、一次粒径が約
1〜100nmの湿式シリカ(コロイダルシリカ)、乾
式シリカ(ヒュームドシリカ)の中から選ばれる1種又
は2種以上を用いることができる。このようなシリカ微
粒子を化成処理皮膜中に配合することにより、化成処理
皮膜上層の樹脂皮膜(下塗り塗膜)との密着性、耐スク
ラッチ性、耐食性を高めることができる。
【0018】また、上記結合剤としては、例えば水溶性
又は水分散性有機高分子、酸素酸塩(但し、クロム酸塩
は除く)の中から選ばれる1種又は2種以上を用いるこ
とができる。上記水溶性又は水分散性有機高分子として
は、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルアル
コールなどを例示できる。また上記酸素酸塩としては、
例えば、リン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸
塩、バナジン酸塩などを例示できる。このような結合剤
を化成処理皮膜中に配合することにより、シリカ微粒子
同士の結合性(皮膜の耐凝集破壊性)、シリカ微粒子の
素地金属との密着性を高めることができる。また、化成
処理液には、Zr化合物、Ti化合物、Hf化合物(例
えば、フルオロ錯塩など)の1種又は2種以上を添加剤
として添加し、それらを化成処理皮膜中に含有させるこ
とができる。
【0019】シリカ微粒子と結合剤の配合割合は固形分
重量比で、シリカ微粒子/結合剤=1/0.01〜1/
10の範囲とすることが望ましい。シリカ微粒子の配合
量:1に対する結合剤の配合割合(固形分重量比)が
0.01未満であると、シリカ微粒子同士の結合性(皮
膜の耐凝集破壊性)、シリカ微粒子の素地金属との密着
性が劣る。また、シリカ微粒子の配合量:1に対する結
合剤の配合割合(固形分重量比)が10超であると、化
成処理皮膜上層の樹脂皮膜(下塗り塗膜)との密着性、
耐スクラッチ性、耐食性が劣る。
【0020】化成処理皮膜の付着量は、成分として含ま
れるシリカ微粒子のSi換算値で5〜200mg/m
の範囲とすることが好ましい。この付着量が5mg/m
未満では、素地金属との密着性、耐食性が劣り、一
方、200mg/m超では、化成処理皮膜上層の樹脂
皮膜(下塗り塗膜)との密着性が劣る。化成処理皮膜を
形成するための処理方法に特に制約はないが、一般に化
成処理液をロールコーター塗装し、その後、乾燥させ
る。この乾燥では、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱な
どの加熱手段により、通常、50〜150℃程度の到達
板温で皮膜を乾燥させる。
【0021】次に、上記化成処理皮膜の上層に形成され
る下塗り塗膜について説明する。下塗り塗膜を形成する
ための塗料組成物の主剤樹脂としては、例えば、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスフェノールA付加ポリ
エステル樹脂などのようなエポキシ変成ポリエステル樹
脂などの1種又は2種以上を用いることができるが、加
工性の観点からはポリエステル樹脂及び/又はエポキシ
変成ポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0022】ポリエステル樹脂のエポキシ変成に用いる
樹脂としては、例えば、ビスフェノールA又はビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂が挙げられ、またこれ以外に、
塩基触媒(例えば、水酸化カリウム)の存在下に、エピ
ハロヒドリン(例えば、エピクロロヒドリン)をアルデ
ヒド(例えば、ホルムアルデヒド)と1価のフェノール
又は多価ポリフェノールとの縮合物と反応させることに
より得られるフェノール誘導体エポキシ樹脂(例えば、
ノボラック型エポキシ樹脂)なども用いることができ
る。
【0023】通常、下塗り塗膜の物性値は塗料組成物の
主剤として使用する樹脂のTgにより変化するが、一般
に樹脂の分子構造からして、エポキシ系下塗り塗料によ
る塗膜は破断強度は大きいが破断伸びは小さく、一方、
ポリエステル系下塗り塗料やウレタン系下塗り塗料によ
る塗膜は破断伸びは大きいが破断強度は小さい。これに
対して、ビスフェノールA付加ポリエステル樹脂などの
エポキシ変成ポリエステル樹脂を主剤樹脂とする塗料組
成物により形成される下塗り塗膜は上記両方の樹脂の分
子構造を兼ね備えているため、破断強度と破断伸びがバ
ランスよく得られ、本発明が目的とする高加工性の観点
からして特に好ましい。
【0024】下塗り塗膜をポリエステル系樹脂(ビスフ
ェノールA付加ポリエステル樹脂などの変成ポリエステ
ル樹脂を含む。以下同様)を主剤樹脂とする塗料組成物
により形成する場合、下塗り塗膜が上記物性を有するよ
うにするためには、ポリエステル樹脂として数平均分子
量が1000〜50000の範囲のものを用いることが
望ましい。ポリエステル樹脂の数平均分子量が1000
未満では、塗膜の伸びが不十分であるため上記の物性が
得られず、塗膜性能の向上が十分でない。一方、数平均
分子量が50000を超えると塗料組成物が高粘度にな
るため過剰の希釈溶剤が必要となり、塗料中に占める樹
脂の割合が減少するため適正な塗膜を得ることができな
くなる。さらに、他の配合成分との相溶性も著しく低下
する。また、上記の各観点からして、ポリエステル樹脂
の数平均分子量のより好ましい下限は3000、特に好
ましい下限は5000であり、また、より好ましい上限
は40000、特に好ましい上限は30000である。
【0025】また、塗料組成物の主剤としてビスフェノ
ールA付加ポリエステル樹脂を使用する場合、このビス
フェノールA付加ポリエステル樹脂中のビスフェノール
Aの含有量は樹脂固形分の割合で1〜70質量%とする
のが望ましい。ビスフェノールA付加ポリエステル樹脂
中のビスフェノールAの含有量が1質量%未満では塗膜
強度の向上効果が十分に得られず、塗膜性能の向上効果
が顕著ではない。一方、ビスフェノールAの含有量が7
0質量%を超えると塗膜の伸びが十分に得られない。ま
た、上記の各観点からして、ビスフェノールA付加ポリ
エステル樹脂中のビスフェノールAの含有量のより好ま
しい下限は3質量%、特に好ましい下限は5質量%であ
り、また、より好ましい上限は60質量%、特に好まし
い上限は50質量%である。
【0026】上記ポリエステル樹脂を得るための多価ア
ルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ポリテトラメチレンエーテルグリ
コール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、
ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキ
サントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトールなどが挙げられ、また、これらの多価アルコ
ールを2種類以上の組合せて用いることもできる。
【0027】また、ポリエステル樹脂を得るための多価
塩基としては、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロ
フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック
酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク
酸、無水コハク酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸などが挙げられ、これらの多価塩基酸成分を2種類以
上組合せて用いることもできる。
【0028】下塗り塗膜用の塗料組成物に用いられる硬
化剤としては、ポリイソシアネート化合物又はアミノ樹
脂を挙げることができる。また、これらの2種以上を混
合して用いてもよい。硬化剤として用いることができる
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、キシリレ
ンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族
ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪
族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネートなど
の脂環族ジイソシアネート;又はこれらジイソシアネー
トの多量体若しくは多価アルコールとの付加物などが挙
げられ、これらをブロック剤(例えば、フェノール系、
ラクタム系、アルコール系、メルカプタン系、イミン
系、アミン系、イミダゾール系又はオキシム系の各ブロ
ック剤)などを用いてブロック化した化合物として使用
することが好ましい。また、これらブロック化ポリイソ
シアネート化合物の解離触媒としては、オクトエ酸錫、
ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキソエート鉛な
どを用いることができる。
【0029】硬化剤として用いることができるアミノ樹
脂としては、例えば、低級アルコールでアルキルエーテ
ル化されたホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒド
などと尿素、ジシアンジアミド、アミノトリアジンなど
との縮合物があり、具体的には、メトキシ化メチロール
尿素、メトキシ化メチロールジシアンジアミド、メトキ
シ化メチロールメラミン、メトキシ化メチロールベンゾ
グアナミン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ
化メチロールベンゾグアナミンなどが挙げられる。ま
た、硬化触媒としては、塩酸、リン酸モノアルキルエス
テル、p−トルエンスルホン酸などの酸又はこれら酸と
3級アミン若しくは2級アミン化合物との塩が使用でき
る。
【0030】下塗り塗膜中での主剤樹脂と硬化剤の好ま
しい含有量は以下の通りである。 イ) 主剤樹脂として、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、エポキシ変成ポリエステル樹脂の1種又は2種以上
(好ましくは、ポリエステル樹脂及び/又はエポキシ変
成ポリエステル樹脂):下塗り塗膜の樹脂固形分中での
割合で60〜95質量% ロ) 硬化剤として、ポリイソシアネート化合物及び/
又はアミノ樹脂:下塗り塗膜の樹脂固形分中での割合で
5〜40質量% 上記イ)の主剤樹脂の配合量が60質量%未満では塗膜
の加工性が劣る傾向があり、一方、95質量%を超える
と塗膜硬度が不十分となりやすい。また、上記ロ)の硬
化剤の配合量が5質量%未満では塗膜硬度が不十分とな
りやすく、一方、40質量%を超えると加工性が不十分
となる傾向がある。
【0031】下塗り塗膜中には、防錆添加成分として下
記(a)〜(d)のうちの1種又は2種以上が含有される。 (a)Ca成分(但し、下記(b)の成分として添加され
る塩及びその他のCa含有化合物の一部として含有され
るCaを含む) (b)SiO及び/又はケイ酸塩 (c)リン酸及び/又はリン酸塩 (d)モリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜リン酸
塩、ホウ酸塩、メタホウ酸塩系の中から選ばれる1種又
は2種以上
【0032】以下、これら防錆添加成分について説明す
る。下塗り塗膜中へのCa成分の添加形態には特別な制
約はなく、金属カルシウム及び/又はCa含有化合物と
して添加することができる。Ca含有化合物としては、
酸化カルシウム、水酸化カルシウムの他、ケイ酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、モリブデン
酸カルシウムなどのようなカチオンとしてカルシウムの
みを含む単塩、さらには、モリブデン酸カルシウム・亜
鉛などのようなカルシウムとカルシウム以外のカチオン
を含む複塩などを添加してもよく、また、これらの2種
以上を添加してもよい。
【0033】したがって、このCa成分としては、上記
(b)の成分として添加される塩(例えば、ケイ酸カルシ
ウムなど)の一部として含有されるCaであってもよ
い。下塗り塗膜中に配合されるCa成分は、腐食の起こ
りやすい環境下において溶出することで早期に保護膜を
形成し、それ以上腐食が進行するのを抑制する働きがあ
ると考えられる。
【0034】下塗り塗膜中のCa成分の含有量は、下塗
り塗膜の樹脂固形分100重量部に対してCa換算量で
1〜30重量部とする。下塗り塗膜の樹脂固形分100
重量部に対するCa成分の含有量(Ca換算量)が1重
量部未満では、カルシウムによる塗膜の自己補修効果が
乏しく、一方、30重量部を超えるとカルシウムの溶出
量が過剰となり、塗膜間の密着性が低下してしまう。な
お、下塗り塗膜中に配合されるCa成分の一部又は全部
が、上記(b)の成分として添加される塩に含まれるC
aである場合、Ca成分の含有量には当該Caを含有す
る塩のCa換算量が含まれることは言うまでもない。
【0035】下塗り塗膜中に防錆添加成分としてSiO
及び/又はケイ酸塩を添加するのは、耐食性に及ぼす
Ca成分の添加効果を高めることができるからである。
下塗り塗膜中へのSiO及び/又はケイ酸塩の添加形
態に特別な制約はなく、SiOについては、コロイド
状のSiOなどとして、またケイ酸塩についてはケイ
酸カルシウムなどとして添加することができる。
【0036】下塗り塗膜中でのSiO及び/又はケイ
酸塩の含有量は、下塗り塗膜の樹脂固形分100重量部
に対してSiO換算量で1〜35重量部とする。下塗
り塗膜の樹脂固形分100重量部に対するSiO及び
/又はケイ酸塩の含有量(SiO換算量)が1重量部
未満では、その添加効果が認められず、一方、35重量
部を超えると塗膜の密着性が低下し、加工の際に塗膜が
剥離しやすくなる。またSiOを添加する場合には、
その平均粒子径は10μ以下であることが好ましい。S
iOの平均粒子径を10μ以下とすることにより、S
iOの表面積が大きくなるため耐食性が向上する。
【0037】下塗り塗膜中に防錆添加成分としてリン酸
及び/又はリン酸塩を添加するのは、安定した沈着皮膜
を形成することができるからである。下塗り塗膜中に添
加するリン酸及び/又はリン酸塩は、リン酸イオンの骨
格や縮合度などに特別な制限はなく、正塩、二水素塩、
一水素塩又は亜リン酸塩のいずれでもよく、さらに、正
塩はオルトリン酸塩の他、ポリリン酸塩などの全ての縮
合リン酸塩を含む。下塗り塗膜中のリン酸及び/又はリ
ン酸塩の含有量は、下塗り塗膜の樹脂固形分100重量
部に対してPO換算量で1〜30重量部とする。下塗
り塗膜の樹脂固形分100重量部に対するリン酸及び/
又はリン酸塩の含有量(PO換算量)が1重量部未満
では、その添加効果が認められず、一方、30重量部を
超えると塗膜の密着性が低下し、加工の際に塗膜が剥離
しやすくなる。
【0038】下塗り塗膜中にモリブデン酸塩、タングス
テン酸塩、亜リン酸塩、ホウ酸塩、メタホウ酸塩の中か
ら選ばれる1種又は2種以上を添加するのは、安定した
不動態皮膜を形成することができるからである。下塗り
塗膜中に添加されるモリブデン酸塩、タングステン酸
塩、亜リン酸塩、ホウ酸塩、メタホウ酸塩の中から選ば
れる1種又は2種以上の合計の含有量は、下塗り塗膜の
樹脂固形分100重量部に対して1〜50重量部とす
る。下塗り塗膜の樹脂固形分100重量部に対する上記
防錆添加成分(防錆顔料)の合計含有量が1重量部未満
では、その添加効果が認められず、一方、50重量部を
超えると塗膜の密着性が低下し、加工の際に塗膜が剥離
しやすくなる。
【0039】上記モリブデン酸塩としては、モリブデン
酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛カ
ルシウムなどが挙げられ、これらの中でも特に、モリブ
デン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウムが好適である。上
記タングステン酸塩としては、タングステン酸亜鉛、タ
ングステン酸カルシウム、タングステン酸亜鉛カルシウ
ムなどが挙げられ、これらの中でも特に、タングステン
酸亜鉛、タングステン酸カルシウムが好適である。
【0040】上記亜リン酸塩としては特に限定されるも
のではないが、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛
の中から選ばれる1種又は2種以上の金属の亜リン酸塩
が特に好適である。また、その中でも特にカルシウム、
マグネシウムなどのアルカリ土類金属の亜リン酸塩が好
適である。上記ホウ酸塩としては、ホウ酸カルシウム、
ホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛などが挙がられ、また、メ
タホウ酸塩としては、メタホウ酸カルシウム、メタホウ
酸バリウムなどが挙げられる。これらの中でも特に、ホ
ウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム
が好適である。
【0041】以上述べた(a)〜(d)の防錆添加成分は、有
害な物質を含まず且つ塗装鋼板の耐食性を顕著に向上さ
せる特徴を有する。これらの防錆添加成分の合計の含有
量(但し、Ca成分についてはCa換算量、SiO
び/又はケイ酸塩についてはSiO換算量、リン酸及
び/又はリン酸塩についてはPO換算量)は、下塗り
塗膜の樹脂固形分100重量部に対して5〜100重量
部とする。下塗り塗膜の樹脂固形分100重量部に対す
る防錆添加成分の合計含有量が5重量部未満では十分な
耐食性が得られず、一方、100重量部を超えると加工
性に問題を生じる。また、上記(a)〜(d)の防錆添加成分
は、2種以上を複合添加することにより塗装鋼板の耐食
性をより一層高めることができる。下塗り塗膜の膜厚
(乾燥膜厚)は2〜20μmとすることが好ましい。膜
厚が2μm未満では十分な耐食性が得られず、一方、2
0μm超では加工性が不十分となる。
【0042】また、下塗り塗膜用の塗料組成物には目的
や用途に応じて、p−トルエンスルホン酸、オクトエ酸
錫、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキソエート
鉛などの硬化触媒;炭酸カルシウム、カオリン、クレ
ー、酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、マイカ、弁
柄、マンガンブルー、カーボンブラック、アルミニウム
粉、パールマイカなどの顔料;その他、消泡剤、流れ止
め剤などの各種添加剤を適宜配合することができる。
【0043】下塗り塗膜を形成するための塗料組成物を
実際に使用するに当っては、これらを有機溶剤に溶解し
て使用する。使用する有機溶剤としては、例えば、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、ソルベッソ100(商品名、エクソン化学社
製)、ソルベッソ150(商品名、エクソン化学社
製)、ソルベッソ200(商品名、エクソン化学社
製)、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ
アセテート、カルビトール、エチルカルビトール、ブチ
ルカルビトール、酢酸エチル、酢酸ブチル、石油エーテ
ル、石油ナフサなどが挙げられる。
【0044】塗料組成物を調整するに当っては、サンド
グラインドミル、ボールミル、ブレンダーなどの通常の
分散機や混練機を選択して使用し、各成分を配合するこ
とができる。下塗り塗膜の塗装方法に特に制約はない
が、好ましくは塗料組成物をロールコーター塗装、カー
テンフロー塗装などの方法で塗布するのがよい。上記し
た化成処理皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板の表面に
下塗り塗膜用の塗料組成物を塗装後、熱風加熱、赤外線
加熱、誘導加熱などの加熱手段により、通常、180〜
260℃程度の到達板温で約30秒〜1分焼付処理を行
う。
【0045】次に、上記下塗り塗膜の上層に形成される
上塗り塗膜について説明する。本発明において上塗り塗
膜の構成については特別な制約はなく、その主剤樹脂と
しては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂
などの1種又は2種以上を用いることができるが、特に
優れた性能を得るためには、上塗り塗膜を、樹脂成分と
して、イ)特定のポリオールと、ロ)特定の硬化剤とを
含有する塗料組成物を塗布し、焼付処理して形成される
塗膜とすることが好ましい。このような特定の上塗り塗
膜を形成することにより、上述した下塗り塗膜との複合
的な効果によって特に優れた加工部耐食性が得られる。
【0046】以下、この特定の上塗り塗膜について説明
する。まず、上記イ)のポリオールとしては、ポリエス
テル樹脂及び/又はアクリル樹脂を用いることができ
る。上記イ)のポリオールであるアクリル樹脂は、1分
子中に少なくとも2個の水酸基を有し、且つ数平均分子
量が1500〜12000の化合物であれば特に制限は
ない。アクリル樹脂の分子中にある水酸基はアクリル樹
脂主鎖に無秩序に配列されており、数平均分子量が15
00未満では加工性が著しく低下する。一方、数平均分
子量が12000を超えると高粘度になるため過剰の稀
釈溶剤が必要となり、塗料中に占める樹脂の割合が減少
するため適切な塗膜を得ることができなくなる。さら
に、他の配合成分との相溶性も著しく低下する。また、
以上のような各観点からして、アクリル樹脂の数平均分
子量のより好ましい下限は1700であり、また、より
好ましい上限は10000である。なお、アクリル樹脂
の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(以下、GPCという)により測定したポリエス
テル換算分子量である。
【0047】アクリル樹脂は、水酸基を持つアクリル単
量体又はメタクリル単量体とアクリル酸エステル又はメ
タアクリル酸エステルなどを周知の方法で加熱反応させ
て得られる共重合体である。水酸基を持つアクリル単量
体、メタクリル単量体としては、例えば、メタクリル酸
−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸
ヒドロキシプロピルなどを用いることができる。また、
アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルとして
は、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アク
リル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、
メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸イソプロピル、
メタアクリル酸−n−ブチル、メタアクリル酸−2−エ
チルヘキシルなどを用いることができる。市販されてい
るアクリル樹脂としては、“アルマテックス”(商品
名、三井東圧化学(株)製)、“デスモフェン”(商品
名、住友バイエルウレタン(株)製)、“ダイヤナー
ル”(商品名、三菱レイヨン(株)製)などがある。
【0048】上記イ)のポリオールであるポリエステル
樹脂は、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、且
つ数平均分子量が1000〜8000の化合物であれば
特に制限はない。ポリエステル樹脂の分子中にある水酸
基は、分子中の末端または側鎖のいずれにあってもよ
い。ポリエステル樹脂の数平均分子量が1000未満で
は加工性が著しく低下する。一方、数平均分子量が80
00を超えると高粘度になるため過剰の稀釈溶剤が必要
となり、塗料中に占める樹脂の割合が減少するため適切
な塗膜を得ることができなくなる。さらに、他の配合成
分との相溶性も著しく低下する。また、以上のような各
観点からして、ポリエステル樹脂の数平均分子量のより
好ましい下限は1200、特に好ましい下限は1500
であり、また、より好ましい上限は7000、特に好ま
しい上限は6000である。なお、ポリエステル樹脂の
数平均分子量は、GPCにより測定したポリエステル換
算分子量である。
【0049】ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価
アルコールを周知の方法で加熱反応させて得られる共重
合体である。多塩基酸成分としては、例えば、無水フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット
酸、マレイン酸、アジピン酸、フマル酸などを用いるこ
とができる。また、多価アルコールとしては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールエタンなどを用いることができる。市販されて
いるポリエステル樹脂としては、“アルマテックス”
(商品名、三井東圧化学(株)製)、“アルキノール”
(商品名、住友バイエルウレタン(株)製)、“デスモ
フェン”(商品名、住友バイエルウレタン(株)製)、
“バイロン”(商品名、東洋紡績(株)製)などがあ
る。上記イ)のポリオールの配合量は、上塗り塗膜の樹
脂固形分中の割合で40〜90質量%とすることが好ま
しい。このポリオールの配合量が40質量%未満では塗
膜の加工性が十分に確保できず、一方、90質量%を超
えると塗膜硬度が不十分となる。
【0050】上記ロ)の硬化剤としては、イソシアネー
ト化合物及び/又はアミノ樹脂を用いることができる。
イソシアネート化合物としては、一般的製法で得られる
ポリイソシアネート化合物を用いることができるが、そ
の中でも特に、1液型塗料としての使用が可能である、
フェノール、クレゾール、芳香族第二アミン、第三級ア
ルコール、ラクタム、オキシムなどのブロック剤でブロ
ック化されたポリイソシアネート化合物が好ましい。こ
のブロック化ポリイソシアネート化合物を用いることに
より1液での保存が可能となり、プレコート鋼板用塗料
としての使用が容易となる。
【0051】また、さらに好ましいポリイソシアネート
化合物としては、非黄変性のヘキサメチレンジイソシア
ネート(以下、HDIと略す)及びその誘導体、トリレ
ンジイソシアネート(以下、TDIと略す)及びその誘
導体、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
(以下、MDIと略す)及びその誘導体、キシリレンジ
イソシアネート(以下、XDIと略す)及びその誘導
体、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略
す)及びその誘導体、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート(以下、TMDIと略す)及びその誘導体、
水添TDI及びその誘導体、水添MDI及びその誘導
体、水添XDI及びその誘導体などを挙げることができ
る。さらに、“スミジュール”(商品名、住友バイエル
ウレタン(株)製)、“デスモジュール”(商品名、住
友バイエルウレタン(株)製)、“コロネート”(商品
名、日本ポリウレタン(株)製)などの市販のイソシア
ネート化合物も使用できる。
【0052】硬化剤としてポリイソシアネート化合物を
用いる場合、ポリイソシアネート化合物のイソシアネー
ト基と上記イ)のポリオールの水酸基との配合比[NC
O/OH]はモル比で0.8〜1.2とすることが望ま
しい。[NCO/OH]のモル比が0.8未満では塗膜
の硬化が不十分であり、所望の塗膜硬度及び強度が得ら
れない。一方、[NCO/OH]のモル比が1.2を超
えると、過剰のイソシアネート基同士のあるいはイソシ
アネート基とウレタン配合との副反応が生じて、塗膜の
加工性が低下する。また、上記の各観点からして、[N
CO/OH]のより好ましい下限は0.90、より好ま
しい上限は1.10である。
【0053】硬化剤であるアミノ樹脂としては、尿素、
ベンゾグアナミン、メラミンなどとホルムアルデヒドと
の反応により得られる樹脂、及びこれらをメタノール、
ブタノールなどのアルコールによりアルキルエーテル化
したものが使用できる。具体的には、メチル化尿素樹
脂、n−ブチル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル化メラ
ミン樹脂、n−ブチル化メラミン樹脂、iso−ブチル
化メラミン樹脂などを挙げることができる。さらに、
“サイメル”(商品名、三井サイアナミッド(株)
製)、“ユーバン”(商品名、三井東圧化学(株)
製)、“スミマール”(商品名、住友化学工業(株)
製)、“メラン”(商品名、日立化成工業(株)製)な
どの市販のアミノ樹脂も使用できる。
【0054】硬化剤としてアミノ樹脂を用いる場合、ア
ミノ樹脂と上記イ)のポリオールとの配合比(固形分の
重量比)は[ポリオール]/[アミノ樹脂]:95/5
〜65/35、望ましくは90/10〜75/25の割
合とするのが好ましい。上記ロ)の硬化剤の配合量は、
上塗り塗膜の樹脂固形分中の割合で9〜50質量%とす
ることが好ましい。この硬化剤の配合量が9質量%未満
では塗膜硬度が不十分であり、一方、50質量%を超え
ると加工性が不十分となる。
【0055】また、上塗り塗膜には目的や用途に応じて
ワックスを適量配合することができる。このワックスと
しては、天然ワックス又は合成ワックスを用いることが
できる。また、上塗り塗膜用の塗料組成物には目的や用
途に応じて、p−トルエンスルホン酸、オクトエ酸錫、
ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキソエート鉛な
どの硬化触媒;炭酸カルシウム、カオリン、クレー、酸
化チタン、タルク、硫酸バリウム、マイカ、弁柄、マン
ガンブルー、カーボンブラック、アルミニウム粉、パー
ルマイカなどの顔料;その他、消泡剤、流れ止め剤など
の各種添加剤を適宜配合することができる。
【0056】この上塗り塗膜の膜厚(乾燥膜厚)は10
〜20μmとすることが好ましい。膜厚が10μm未満
では上塗り塗膜としての総合的な塗膜性能が十分に得ら
れない恐れがあり、一方、膜厚が20μmを超えると塗
膜硬度が低下する。上塗り塗膜を形成するための塗料組
成物を実際に使用するに当っては、これらを有機溶剤に
溶解して使用する。使用する有機溶剤としては、例え
ば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、ソルベッソ100(商品名、エクソン
化学社製)、ソルベッソ150(商品名、エクソン化学
社製)、ソルベッソ200(商品名、エクソン化学社
製)、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ
アセテート、カルビトール、エチルカルビトール、ブチ
ルカルビトール、酢酸エチル、酢酸ブチル、石油エーテ
ル、石油ナフサなどが挙げられる。
【0057】上塗り塗膜用の塗料組成物を調整するに当
っては、サンドグラインドミル、ボールミル、ブレンダ
ーなどの通常の分散機や混練機を選択して使用し、各成
分を配合することができる。上塗り塗膜の塗装方法に特
に制約はないが、好ましくは塗料組成物をロールコータ
ー塗装、カーテンフロー塗装などの方法で塗布するのが
よい。上記した下塗り塗膜の上に上塗り塗膜用の塗料組
成物を塗装後、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの
加熱手段により塗膜を焼き付け、樹脂を架橋させて硬化
塗膜を得る。上塗り塗膜を加熱硬化させる際の焼付処理
は、通常、最高到達板温を180〜260℃程度とし、
この温度範囲で約30秒〜3分の焼付を行う。なお、本
発明のプレコート鋼板は、上塗り塗膜の上にさらに塗膜
(例えば、クリアー塗膜)を形成し、3コート・3ベー
クで使用してもよい。
【0058】
【実施例】溶融亜鉛めっき鋼板をロール表面粗さが異な
るテンションレべラーに通板させることより、表1に示
す溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.5mm、片面当たりの
めっき付着量:30g/m)を得た。得られためっき
の表面粗さを表面粗さ計で測定し、同測定により得られ
た断面曲線をもとに、波長の短い表面粗さ成分である8
0μm未満をカットオフして、中心線平均粗さRa(μ
m)と最大高さRmax(μm)を求めた。
【0059】上記溶融亜鉛めっき鋼板を脱脂した後、コ
ロイダルシリカ:5重量部、オルソリン酸アンモニウ
ム:1重量部、ポリアクリル酸:1重量部、水:93重
量部の組成の化成処理液を乾燥皮膜付着量がSi換算で
65mg/mになるように塗布した後、到達板温80
℃の乾燥処理を行って化成処理皮膜を形成し、その上層
に表2に示す組成のポリエステル樹脂を用いて表3に示
す組成に調整した下塗り塗膜用の塗料組成物を所定の乾
燥膜厚になるように塗布した後、焼付温度(到達温度)
215℃、焼付時間60秒の焼付処理を行なって下塗り
塗膜を形成した。さらにその上層に、表4に示す組成の
上塗り塗膜用の塗料組成物を乾燥膜厚が15μmになる
ように塗布した後、焼付温度(到達温度)230℃、焼
付時間60秒の焼付処理を行なって上塗り塗膜を形成
し、本発明例および比較例のプレコート鋼板を得た。こ
れらプレコート鋼板の性能を表5及び表6に示す。
【0060】表3に示す下塗り塗膜用の塗料組成物は、
以下のようにして調整した。 (1) ポリエステル樹脂の調製 加熱装置、攪拌機、精留塔、減圧装置及び温度計を備え
た反応容器に、表2に示すような配合でテレフタル酸ジ
メチル、イソフタル酸ジメチル、エチレングリコール、
ネオペンチルグリコール及び酢酸マンガンを仕込み、窒
素雰囲気中において160〜220℃の温度で、約4時
間かけて段階的に昇温させエステル交換反応を行い、メ
タノールを留出させた。さらに、0.5〜5.0mmH
gの減圧下、260℃で約2時間重縮合反応させ、ポリ
エステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂は、シ
クロヘキサノン/ソルベッソ150の混合溶剤(重量比
50/50)に溶解し、不揮発分40%に調製した。ま
た、ポリエステル樹脂の分子量は重縮合反応時間により
調節した。分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーを用い、ポリエチレン換算の数平均分子量を測
定した。
【0061】(2) 下塗り塗膜用の防錆添加成分PG-1の製
造 表3に示す配合となるように防錆添加成分PG-1を調製し
た。調製手順は、まず、水に分散させた炭酸カルシウム
を50℃まで加熱した後、珪酸ナトリウムを加え、水
洗、濾過、乾燥を行った後粉砕した。 (3) 下塗り塗膜用の塗料組成物の製造 主剤樹脂として上記(1)で得られたポリエステル樹脂と
ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いて、表3に示す
ような配合割合で塗料組成物P-1〜P-10を製造した。こ
れら塗料組成物には上記(2)で得られた防錆添加成分が
含まれており、防錆添加成分の粒度が5μm以下になる
までサンドミルで分散させた。
【0062】表4に示す上塗り塗膜用の塗料組成物は、
以下のようにして調整した。 (1) ポリエステルポリオールの調整 加熱装置、攪拌機、精留塔、減圧装置及び温度計を備え
た反応容器に、テレフタル酸ジメチルを174.6部、
イソフタル酸ジメチルを213.4部、エチレングリコ
ールを93.0部、ネオペンチルグリコールを52.0
部、酢酸マンガン触媒を1.5部仕込み、窒素雰囲気中
180〜210℃でエステル交換反応を行い、メタノー
ルを留出させた。さらに、トリメチロールプロパンを
6.1部加え、250℃まで加熱しながら10mmHg
まで徐々に減圧にして重合反応を行い、シクロヘキサノ
ン溶剤により、不揮発分70%に調節した。このように
してポリエステルポリオールを得た。得られたポリエス
テルポリオールは、GPCにより求めた数平均分子量
(Mn)が3000、無水フタル酸−ピリジン法で求め
た水酸基価が60.0mgKOH/gであった。
【0063】(2) 上塗り塗膜用の塗料組成物の製造 上記(1)で得られたポリエステルポリオールに表4に示
すような配合割合で、硬化剤、顔料、硬化触媒及び添加
剤を配合した後、直径約1mmのガラスビーズを入れた
サンドミルを用いて約30分間分散させた。さらに、シ
クロヘキサノンを加えて不揮発分が60質量%になるよ
うに調製し、上塗り塗膜用の塗料組成物を製造した。
【0064】以下に、プレコート鋼板の性能試験の試験
方法と評価方法について示す。 (1) 鉛筆硬度 三菱鉛筆“ユニ”を使用してJIS K5400の8.
4に基づいて試験を行い、目視で塗膜に傷が認められな
い硬度限界を示した。 (2) 加工部密着性 2T折り曲げ部に粘着テープを粘着・剥離し、2T折り
曲げの塗膜の剥離率(面積率)を測定し、下記により評
価した。 ◎:塗膜剥離率10%以下 ○:塗膜剥離率10%超、30%以下 △:塗膜剥離率30%超、50%以下 ×:塗膜剥離率50%超
【0065】(3) 加工部耐食性(塩水噴霧試験) 2T折り曲げ試験片に対して塩水噴霧試験(SST試
験)を480時間実施した後、2T折り曲げ部に粘着テ
ープを粘着・剥離し、2T折り曲げの塗膜の剥離率(面
積率)を測定し、下記により評価した。 ◎:塗膜剥離率10%以下 ○:塗膜剥離率10%超、50%以下 ×:塗膜剥離率50%超 (4) クロスカット部耐食性(塩水噴霧試験) 下地に達するクロスカットを入れた試験片に対して塩水
噴霧試験(SST試験)を480時間実施した後、クロ
スカットの最大フクレ幅を測定し、下記により評価し
た。 ○:最大フクレ幅が3mm未満 △:最大フクレ幅が3〜5mm ×:最大フクレ幅が5mm超
【0066】(5) 加工部耐食性(複合サイクル試験) 2T折り曲げ試験片に対して複合サイクル試験を300
サイクル実施した後、2T折り曲げ部に粘着テープを粘
着・剥離し、2T折り曲げの塗膜の剥離率(面積率)を
測定し、下記により評価した。なお、複合サイクル試験
方法は、塩水噴霧(30℃、0.5h)、湿潤(30
℃、95±3%RH,0.5h)、熱風乾燥(50℃、
2h)、熱風乾燥(30℃、2h)を1サイクルとし
て、これを繰り返し行った。 ◎:塗膜剥離率10%以下 ○:塗膜剥離率10%超、50%以下 ×:塗膜剥離率50%超
【0067】(6) クロスカット部耐食性(複合サイクル
試験) 下地に達するクロスカットを入れた試験片に対して複合
サイクル試験を300サイクル実施した後、クロスカッ
トの最大フクレ幅を測定し、下記により評価した。複合
サイクル試験方法は、塩水噴霧(30℃0.5h)、湿
潤(30℃、95±3%RH,0.5h)、熱風乾燥
(50℃、2h)、熱風乾燥(30℃、2h)を1サイ
クルとして、これを繰り返し行った。 ○:最大フクレ幅が3mm未満 △:最大フクレ幅が3〜5mm ×:最大フクレ幅が5mm超
【0068】(7) 環境調和性 ○:塗膜にクロム系化合物を含まない。 ×:塗膜にクロム系化合物を含む。 (8) ユズ肌外観 ◎:はっきりとしたユズ肌状外観 ○:ユズ肌状外観 ×:平滑外観 (9) 塗布性 下塗り塗膜をバーコーターを用いて塗装する際、通常の
2倍の速度で塗布したときの未塗装部分の面積率を測定
し、下記により評価した。 ◎:未塗装面積率0% ○:塗膜剥離率0%超、5%以下 ×:塗膜剥離率5%超
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
【発明の効果】以上述べたように本発明のプレコート鋼
板は、ユズ肌外観、環境調和性、加工部密着性、クロス
カット部耐食性、加工部耐食性及び塗膜硬度のいずれに
も優れている。このため家電製品、建材、自動車などの
用途において、高度の環境調和性、加工部密着性、加工
部耐食性など塗膜硬度が求められる部位に用いられるユ
ズ肌プレコート鋼板として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 15/08 102 B32B 15/08 102Z 104 104Z (72)発明者 吉田 啓二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 松崎 晃 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山下 正明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 梶田 保之 神奈川県川崎市川崎区水江町6−1 エヌ ケーケー鋼板株式会社内 (72)発明者 石田 信之 神奈川県川崎市川崎区水江町6−1 エヌ ケーケー鋼板株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE17 AE27 BB26Y BB26Z BB73X BB87X BB93Y BB93Z CA02 CA13 CA33 CB40 DA06 DB05 DC01 DC10 DC11 DC18 EA07 EB16 EB22 EB32 EB33 EB35 EB38 EB45 EB56 EC01 EC15 EC54 4F100 AA03D AA03H AA04D AA04H AA08H AA20C AA20D AA20H AA33D AA33H AB03B AB18A AK01C AK01D AK25E AK35E AK35H AK41D AK41E AK42 AK42J AK51E AK51H AK53D AL01 AL05D AL05E AL06D BA05 BA07 BA10B BA10E CA02E CA14D CA23C CC00D CC00E DD07A EH461 EH462 EH71A EJ421 EJ422 EJ681 GB07 GB32 GB48 HB22 JB02 JK06 JK12 JL00 JL01 YY00A YY00D YY00E YY00H 4K044 AA02 AB02 BA10 BA14 BA17 BA21 BB04 BC02 BC05 CA07 CA11 CA16 CA18 CA53 CA62

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面のめっき皮膜の表面粗さ
    が下記(1)式及び(2)式を満足する亜鉛系めっき鋼板の前
    記めっき皮膜の表面に、 0.3≦Ra≦3 ……(1) 4≦Rmax≦20 ……(2) 但し Ra:中心線平均粗さ(μm),Rmax:最大高
    さ(μm) シリカ微粒子とその結合剤とを含む化成処理皮膜が形成
    され、その上層に下塗り塗膜が形成され、さらにその上
    層に上塗り塗膜が形成されたプレコート鋼板であって、 前記下塗り塗膜が防錆添加成分として下記(a)〜(d)
    の中から選ばれる1種又は2種以上を含有し、 (a)Ca成分(但し、下記(b)の成分として添加され
    る塩及びその他のCa含有化合物の一部として含有され
    るCaを含む):下塗り塗膜の樹脂固形分100重量部
    に対してCa換算量で1〜30重量部 (b)SiO及び/又はケイ酸塩:下塗り塗膜の樹脂
    固形分100重量部に対してSiO換算量で1〜35
    重量部 (c)リン酸及び/又はリン酸塩:下塗り塗膜の樹脂固
    形分100重量部に対してPO換算量で1〜30重量
    部 (d)モリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜リン酸
    塩、ホウ酸塩、メタホウ酸塩の中から選ばれる1種又は
    2種以上:下塗り塗膜の樹脂固形分100重量部に対し
    て1〜50重量部 且つ前記(a)〜(d)の防錆添加成分の配合量(但し、
    Ca成分についてはCa換算量、SiO及び/又はケ
    イ酸塩についてはSiO換算量、リン酸及び/又はリ
    ン酸塩についてはPO換算量)の合計が下塗り塗膜の
    樹脂固形分100重量部に対して5〜100重量部であ
    ることを特徴とする環境調和性と加工部密着性及び加工
    部耐食性に優れたユズ肌プレコート鋼板。
  2. 【請求項2】 上塗り塗膜が下記イ)及びロ)を含有す
    る塗料組成物を塗布して形成した塗膜であることを特徴
    とする請求項1に記載の環境調和性と加工部密着性及び
    加工部耐食性に優れたユズ肌プレコート鋼板。 イ)ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂:上塗り
    塗膜の樹脂固形分中での割合で40〜90質量% ロ)硬化剤であるイソシアネート化合物及び/又はアミ
    ノ樹脂:上塗り塗膜の樹脂固形分中での割合で10〜6
    0質量%
  3. 【請求項3】 下塗り塗膜がポリエステル樹脂及び/又
    はエポキシ変性ポリエステル樹脂を含有する塗料組成物
    を塗布して形成した塗膜であり、且つ下塗り塗膜の膜厚
    が2〜20μmであることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の環境調和性と加工部密着性及び加工部耐食性に
    優れたユズ肌プレコート鋼板。
  4. 【請求項4】 少なくとも片面のめっき皮膜の表面粗さ
    が下記(1)式及び(2)式を満足する亜鉛系めっき鋼板の前
    記めっき皮膜の表面に、 0.3≦Ra≦3 ……(1) 4≦Rmax≦20 ……(2) 但し Ra:中心線平均粗さ(μm),Rmax:最大高
    さ(μm) シリカ微粒子とその結合剤とを含む化成処理皮膜を形成
    し、その上層に、防錆添加成分として下記(a)〜(d)
    の中から選ばれる1種又は2種以上を含有し、 (a)Ca成分(但し、下記(b)の成分として添加され
    る塩及びその他のCa含有化合物の一部として含有され
    るCaを含む):塗料組成物の樹脂固形分100重量部
    に対してCa換算量で1〜30重量部 (b)SiO及び/又はケイ酸塩:塗料組成物の樹脂
    固形分100重量部に対してSiO換算量で1〜35
    重量部 (c)リン酸及び/又はリン酸塩:塗料組成物の樹脂固
    形分100重量部に対してPO換算量で1〜30重量
    部 (d)モリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜リン酸
    塩、ホウ酸塩、メタホウ酸塩の中から選ばれる1種又は
    2種以上:塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対し
    て1〜50重量部 且つ前記(a)〜(d)の防錆添加成分の配合量(但し、
    Ca成分についてはCa換算量、SiO及び/又はケ
    イ酸塩についてはSiO換算量、リン酸及び/又はリ
    ン酸塩についてはPO換算量)の合計が塗料組成物の
    樹脂固形分100重量部に対して5〜100重量部であ
    る下塗り塗膜用の塗料組成物を塗布した後、180〜2
    60℃の到達板温で焼付処理し、次いで、上塗り塗膜用
    の塗料組成物を塗布した後、180〜260℃の到達板
    温で焼付処理することを特徴とする環境調和性と加工部
    密着性及び加工部耐食性に優れたユズ肌プレコート鋼板
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 上塗り塗膜用の塗料組成物が下記イ)及
    びロ)を含有することを特徴とする請求項4に記載の環
    境調和性と加工部密着性及び加工部耐食性に優れたユズ
    肌プレコート鋼板の製造方法。 イ)ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂:塗料組
    成物の樹脂固形分中での割合で40〜90質量% ロ)硬化剤であるイソシアネート化合物及び/又はアミ
    ノ樹脂:塗料組成物の樹脂固形分中での割合で10〜6
    0質量%
  6. 【請求項6】 下塗り塗膜用の塗料組成物がポリエステ
    ル樹脂及び/又はエポキシ変性ポリエステル樹脂を含有
    し、下塗り塗膜の焼付処理後の膜厚が2〜20μmであ
    ることを特徴とする請求項4又は5に記載の環境調和性
    と加工部密着性及び加工部耐食性に優れたユズ肌プレコ
    ート鋼板の製造方法。
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