JP7187364B2 - ビーム支持装置 - Google Patents
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Description
すなわち本発明に係るビーム支持装置は、設置面に取り付けられる基材と、該基材により移動が規制される支柱と、長手方向に間隔をあけて立設された複数の前記支柱間に架設されるビームとを備えたビーム支持装置であって、
前記支柱は、柱部と、該柱部の下部に形成されて幅方向へ突出する鍔部とを備え、
前記基材は、前記支柱の幅方向近傍に配置されて該支柱の幅方向への移動を規制する横当部と、前記鍔部の上方近傍に配置されて前記支柱の上方への移動を規制する上当部を備え、
前記支柱の長手方向両側には、前記基材が配置されずに前記支柱の移動を許容する隙間からなる遊間部が設けられており、
前記基材は、別体に形成された2個の長尺体で構成され、
前記各基材は、該各基材と別体に形成されて各基材間に配置された保持部材にそれぞれ保持されて設置面へ設置されており、該保持部材は前記各基材間の設置面に固定された固定部材を介して設置面に設置されていることを特徴とするものである。
また、前記支柱の柱部の下部に幅方向へ突出する鍔部を備えさせ、この鍔部の上方近傍に前記基材の上当部を配置させて前記支柱の上方への移動を規制するので、車両衝突などによって支柱が上方へ向かう外力を受けたときに、前記鍔部が前記上当部に当接して、設置面から支柱が脱離するような上方向への移動が抑制される。
また、前記支柱の長手方向両側に、前記基材が配置されずに前記支柱の移動を許容する隙間からなる遊間部を形成するので、車両衝突などによって支柱が長手方向へ向かう外力を受けたときに、前記遊間部を通って支柱が長手方向へ移動することで衝撃を緩和させ、支柱や基材などの破損や脱離などを抑制できる。
また、車両衝突などの外力が基材へ伝達されたときに、保持部材が変形して固定部材へ伝達される力が低減し、固定部材の破損や、固定部材近傍の設置面の破損が抑制される。
また、支柱の柱部の幅方向近傍に配置させた2個の長尺体で前記基材を構成すれば、ガードケーブルの設置範囲の幅方向の大きさをより小さくできるので、好ましい。
図面において1はビーム支持装置である。
ビーム支持装置1は、長手方向に間隔をあけて設置面Gに立設させた複数の支柱2と、各支柱2の間に架設させたビーム4とを備えている。
尚、図1において、図中左右方向を長手方向とし、長手方向に対して垂直な図中上下方向を縦方向とし、長手方向および縦方向に対して垂直な方向を幅方向としている。
前記ビーム4は筒状の長尺体で形成しており、支柱2へ長手方向に貫通させて取り付けた挿入部材5の端をビーム4の内側へ挿入させて、支柱2へ取り付けている。
また、前記各支柱2は、その下部を設置面Gへ固定させた基材3へ係合させて設置面Gへ設置させている。
支柱2は、下端に平板状の鍔部22を備え、この鍔部22の上面から縦方向へ突出させる柱部21を形成している。
前記柱部21は断面矩形の筒状体で形成しており、具体的には金属製の角パイプで形成している。
また、前記柱部21は、図3に示すように、前記鍔部22の長手方向中央付近に配置させて形成させており、鍔部22の幅方向中央付近に配置して形成させている。
前記貫通孔23は、長手方向両側の筒壁にそれぞれ1個づつ2個1組で形成しており、柱部21を長手方向へ貫通するように配置させている。前記柱部21には、上下に間隔をあけて2組4個の貫通孔23を形成している。
前記各貫通孔23は、それぞれ円形形状に形成しており、前記挿入部材5を挿入可能な形状に形成すると共に、前記ビーム4を挿入不能な形状に形成している。
具体的には、前記各貫通孔23は、前記挿入部材5の外形よりも若干大きな円形形状に形成しており、前記ビーム4の外形よりも小さな円形形状に形成している。
前記支柱2は、挿入部材5を貫通孔23に挿入させて、この挿入部材5を柱部21の長手方向へ貫通可能に設けている。
前記ビーム4は断面円形の筒状体で形成しており、具体的には金属製の丸パイプで形成している。
前記ビーム4の長手方向両端は開口しており、前記挿入部材5を内側へ挿入可能に形成している。
前記ビーム4には、長手方向の端から間隔をあけた位置に、長手方向へ若干長い長孔形状の貫通孔41を形成している。
前記貫通孔41は、ビーム4の上側及び下側の筒壁にそれぞれ1個づつ2個1組に形成しており、ビーム4を縦方向へ貫通するように配置させている。
前記ビーム4には、長手方向両側の端部にそれぞれ1組づつ、合計2組4個の貫通孔41を形成している。
前記挿入部材5は断面略円形の筒状の長尺体で形成しており、具体的には金属板を曲げ加工して円筒形状に設けている。
前記挿入部材5は、前記ビーム4の筒壁の内側形状よりも若干小さな外形に形成しており、ビーム4の内側や、支柱2の貫通孔23へ挿入可能な大きさに設けている。
前記挿入部材5には、長手方向の端から間隔をあけた位置に、長手方向へ若干長い長孔形状の貫通孔51を形成している。
前記貫通孔51は、挿入部材5の上側及び下側の筒壁に2個1組で形成しており、挿入部材5を縦方向へ貫通するように形成している。
前記貫通孔51は、挿入部材5の長手方向両側の端部にそれぞれ1組づつ、合計2組4個形成している。
前記支柱2は、柱部21に形成した各貫通孔23に前記挿入部材5を挿入させており、挿入部材5はその両側の端部を柱部21の長手方向外側へそれぞれ突出させている。
前記ビーム4は、突出する前記挿入部材5の端部を筒壁の内側へ挿入して、挿入部材5へ取り付けている。具体的には、縦方向へ並ぶように配置された前記ビーム4の前記各貫通孔41及び前記挿入部材5の各貫通孔51へ、ビーム4の上方からボルトB1の雄ねじ部分を挿通させると共にビーム4の下方でナットN1を螺結させて、両部材を固定している。
前記基材3は、縦方向両側に上面30a、下面30bを備え、幅方向両側にそれぞれ側面30cを備える断面矩形の筒状体で形成しており、一例として、断面形状が縦50mm、幅50mmの正方形の外形で、長手方向の大きさを2mに形成した金属製の角パイプで形成している。
前記基材3には、長手方向へ長い長孔形状の貫通孔31を縦方向へ貫通するように形成しており、具体的には、基材3の上側の筒壁及び下側の筒壁にそれぞれ1個づつ、2個1組に形成している。
前記各貫通孔31は、長手方向の両側の端39から間隔をあけた位置にそれぞれ1組づつ、合計2組4個形成しており、一例として、各貫通孔31を基材3の端39から0.5mの位置にそれぞれ形成している。
即ち、図9の基材3は、長手方向に1mの間隔をあけて各貫通孔31を配置させている。
具体的には、図1に示すように、固定部材9のアンカーボルト91の雄ねじ部分を各貫通孔31へ上方から挿入させ、設置面へ埋設固定させた固定部材9のアンカーナット92へ螺結させて、基材3を設置させている。
尚、固定部材9の近傍において、基材3の下面30bは設置面Gに当接している。
図11は支柱2の下部と基材3を拡大して示す図1の拡大図であり、図12は図11のA-A断面図であり、図13は図11のB-B断面図である。
前記基材3は、支柱2の柱部21の幅方向両側にそれぞれ1個づつ配置させており、各下面30bを鍔部22の上面へ当接させている。
鍔部22の上方に配置させた基材3の下面30bは、鍔部22が当接する上当部として機能し、支柱2が外力を受けたときにその縦方向上方への移動を規制する。
また、前記各基材3の外面のうち、柱部21の近傍に配置させた各側面30cは、柱部21が当接する横当部として機能し、支柱2が外力を受けたときにその幅方向への移動を規制する。
前記各隙間s1及び隙間s2は、支柱2の長手方向への移動を許容する遊間部Sとして機能する。
即ち、図1に示すビーム支持装置1は、支柱2やビーム4へ車両などが接触して支柱2が外力を受けたとき、幅方向や縦方向上方への移動は前記上当部や横当部により規制されるが、長手方向へは設置面G上を滑るように移動可能に設けている。
このように支柱2の長手方向への移動を許容することで、車両接触などにより受ける衝撃を支柱2の移動によって緩和し、支柱2、ビーム4、挿入部材5などのビーム支持装置1の各部材や、固定部材9や、埋設固定した固定部材9近傍の路面などからなる設置面Gの損傷を抑制することができる。
即ち、下面30bで構成される前記上当部には支柱2の鍔部22へ向かう凸凹部分が形成されておらず、側面30cで構成される前記横当部には支柱2の柱部22へ向かう凸凹部分が形成されていない。このように上当部と横当部とを形成することで、外力を受けた支柱2の長手方向への移動が、前記上当部や横当部との接触によって妨げられにくくなされ、衝撃を効率よく緩和できる。
前記基材3の下面30bは、各固定部材9の近傍において設置面Gに当接すると共に、支柱2の鍔部22の上面に当接している。
即ち、前記基材3は、各固定部材9の間において支柱2を配置させた中央部分が上方へ撓むように変形しており、基材3の下面30bが鍔部22の上面へ強力に圧接している。
このように上当部として機能する下面30bを鍔部22へ圧接させることで、弱い力を受けたときの支柱2の長手方向への移動を抑制させている。換言すると、ビーム支持装置1の支柱2は、風や振動などを要因とする弱い力では長手方向へ移動せず、車両衝突などの強い外力を受けたときのみ、長手方向へ移動するように設けている。
即ち、車両衝突などの強い外力を受けて支柱2が長手方向へ移動するとき、鍔部22が固定部材9へ近づくほど遊間部Sが小さくなり、上当部である下面30bが鍔部22の上面へより強く圧接されて摩擦が大きくなり、支柱2の長手方向への移動が徐々におさまり停止に至るようになされる。
支柱2が上方向への外力を受けたとき、下端に形成した鍔部22と、基材3の上当部である下面30bとの当接により移動が規制されるが、外力が強力な場合には、図14に示すように基材3が瞬間的に撓むように変形する。前記基材3の変形は、支柱2の長手方向両側にそれぞれ配置して基材3へ取り付けた各固定部材9の間で生じる。このように、基材3が瞬間的に変形することによって、基材3から前記各固定部材9へ伝達される衝撃などが緩和され、固定部材9の損傷や、固定部材9を埋設固定させている路面などの設置面の損傷を抑制することができる。前記基材3の変形は、支柱2の長手方向両側に配置した各固定部材9の間隔が大きいほど容易であり、各固定部材9の間隔は、図1に示すビーム支持装置1のように1m以上の大きさに設けるのが好ましく、後述する図15に示すビーム支持装置1のように、1.6m以上の大きさに設けるのがより好ましい。
また、図14では、支柱2が上方へ向かう外力を受けた状況を示しているが、支柱2が幅方向へ向かう外力を受けた場合でも、各固定部材9の間で基材3が瞬間的に撓むように変形して、各固定部材9へ伝達される衝撃などを緩和させる効果が期待できる。
また、前記基材3は2個の長尺体で構成すると共に、鍔部22の上方に配置した各基材3をそれぞれ柱部22の幅方向両側に配置させるので、ビーム支持装置1へ車両などが接触するときに、車両の車輪が基材3の上面30aを踏みつけ、基材3や、この基材3の下方に鍔部22を配置させた支柱2の、設置面Gからの脱離を抑制する効果を期待できる。
このようなてこの原理で作用する固定部材9への力は、固定部材9を取り付ける基材3の貫通孔31と、支点となされる端39との間隔をより大きく設けることで低減できる。具体的には、後述する図15、16に示す各ビーム支持装置のように貫通孔31と端39との間隔を0.2m以上の大きさに設けるのが好ましく、図1に示すビーム支持装置のように0.5m以上の大きさに設けるのがより好ましい。
また、貫通孔31と端39との間隔を大きく設けることで、貫通孔31と端39との間で基材3が撓み変形しやすくなされるので、基材3の撓み変形によって固定部材9へ作用するてこの力が低減する効果が期待できる。
図15のビーム支持装置1は、設置面Gに埋設固定する固定部材9の配置と、これを取り付けるために設ける基材3の貫通孔31の配置のみが、図1に示すビーム支持装置1と異なる事項である。
即ち、図15に示すビーム支持装置1は、図1に示すビーム支持装置1と同様に、図2、3に示す支柱2を複数立設させ、図6、7に示す挿入部材5を前記各支柱2の柱部21の貫通孔23へ挿入させると共に、図4、5に示すビーム4の内側へ前記挿入部材5の端部を挿入させて取り付けて、ビーム4を各支柱2間に架設させている。
図15に示す基材3は、貫通孔23の配置以外は図9、10に示す基材3と同一形状に形成され、図12、13に示す基材3と同じ配置で、支柱2の鍔部22の上方且つ柱部22の幅方向両側にそれぞれ1個づつ合計2個設置させている。
図16のビーム支持装置1は、基材3の長手方向の大きさと、1個の基材3へ2個の支柱2を取り付けていることと、基材3へ取り付ける固定部材9の個数と配置とが、図1や図15に示す前記各ビーム支持装置1と異なる主な事項である。
即ち、図16に示すビーム支持装置1の、支柱2、ビーム4、挿入部材5の形状と配置は、図1や図15に示す前記各ビーム支持装置1と同一である。
また、図16に示す基材3は、図9、10の基材3と同一断面形状の長尺体であり、図1や図15に示す前記各ビーム支持装置1と同様に、支柱2の柱部22の幅方向両側にそれぞれ1個づつ配置し、鍔部22の上面へ下面30bを当接させて設置させている。
また、設置面Gへ埋設固定させた固定部材9を取り付けるための2個1組の貫通孔31を、長手方向両側の端39から0.2mの間隔をあけた位置にそれぞれ1組づつ形成すると共に、長手方向の中央に1組形成している。即ち、合計3組6個形成した各基材3の前記貫通孔31は、長手方向へ1.8mの間隔をあけて配置させている。
上記のような構成により、支柱2の移動を規制するために設置する基材3の個数を減少できるので、ビーム支持装置1の設置作業をより簡単に行うことができ、好ましい。
また、図16に示すビーム支持装置1は、図1や図15に示す前記各ビーム支持装置1と比較して、支柱2の長手方向両側に配置させた各固定部材9の間隔が大きく、各固定部材9間で生じる基材3の瞬間的な撓み変形がより容易に生じるので、基材3から固定部材9へ伝達される衝撃などをより効果的に緩和、低減できる。
例えば、前記各ビーム支持装置1の基材3は、断面矩形の筒状体で形成しているが、これに限るものではなく、支柱2の移動を規制する上当部及び横当部を備えると共に、支柱2の長手方向への移動を許容する遊間部Sを備える他の形状に形成してもよい。
例えば、断面形状を、略コの字形状や、略L字形状や、平板状に形成した長尺体である、所謂溝形鋼や山形鋼や平板鋼などの既存の鋼材で基材3を形成してもよく、アルミニウムなどの金属の押出成形で形成した独自の断面形状を有する長尺体で形成してもよい。
しかしながら、前記各ビーム支持装置1のように、別体に形成した2個の長尺体で基材3を構成すれば、ビーム4や支柱2へ車両などが衝突して基材3へ大きな外力が伝達されたときに、一方の基材3へ伝達された衝撃などが他方の基材3へ伝達されず、両方の基材3がそれぞれ独立して撓み変形することで固定部材9へ伝達される衝撃を効果的に緩和できるので、好ましい。
図17に示すビーム支持装置1は、保持部材6を介して基材3を設置面Gへ設置させている点と、ジョイント8を介して長手方向へ並設させた複数の基材3を連結させている点が、図1に図1に示すビーム支持装置1と異なる主な事項である。
即ち、図17に示すビーム支持装置1は、図1に示すビーム支持装置1と同様に、図2、3に示す支柱2を複数立設させ、前記各支柱2の柱部21の貫通孔23へ挿入部材5を挿入させると共に、ビーム4の内側へ前記挿入部材5の端部を挿入させて取り付けて、ビーム4を各支柱2間に架設させている。
また、支柱2の柱部21の幅方向両側にはそれぞれ基材3を配置させて設置させており、各支柱2はその下部を各基材3へ係合させて設置面Gに立設させている。
尚、図17に示すビーム支持装置1のビーム4は、上側及び下側の筒壁にそれぞれ1個づつ2個1組に形成した貫通孔41を、長手方向の両側の端部に1組づつではなく、それぞれ2組づつ合計4組8個形成している点のみが図4、5に示す前記ビーム4と個なる事項である。
また、前記ビーム4の内側へ挿入させる挿入部材5を縦方向に貫通する貫通孔51は、前記貫通孔41に対応する配置で、合計4組8個形成させている。
図18に示す基材3は、固定部材9を挿通させる貫通孔31を形成していない点と、長手方向両端において上側の筒壁に貫通孔32を形成し、下側の筒壁に挿通部33を形成している点が、図9、10に示す前記基材3と異なる事項である。即ち、図18に示す基材3は、図9、10に示す前記基材3と同様に、上面30a、下面30b、側面30cを備える断面矩形の筒状体であり、金属製の角パイプで形成している。
また、前記貫通孔32は、長手方向に長い長孔形状に形成しており、長手方向へ間隔をあけて2個1組で形成している。前記各貫通孔32は、前記挿通部33の真上に1組づつ配置させて、合計2組4個形成している。
前記ジョイント8は断面略矩形の筒状の長尺体で形成しており、具体的には金属製の角パイプで形成している。
前記ジョイント8は、前記基材3の筒壁の内側形状よりも若干小さな外形に形成しており、基材3の内側へ挿入可能な大きさに設けている。
また、前記ジョイント8の上側の筒壁には、ボルトB2の雄ねじ部分を螺結可能な雌ねじ孔81を形成している。
前記雌ねじ孔81は、長手方向に間隔をあけて2個1組で形成しており、長手方向の両端にそれぞれ1組ずつ、合計2組4個設けている。
尚、各雌ねじ孔81は、2個1組で形成している前記基材3の各貫通孔32に対応する配置で形成している。
図21は、基材3の一部を切り欠くように描いた部分断面図であり、保持部材6や支柱2等の図示を省略して図面を簡略化している。
図21において、長手方向へ配置させた2個の基材3は、その内側に挿入させたジョイント8を介して連結させている。
具体的には、前記ジョイント8の各雌ねじ孔81には、各基材3の貫通孔32へ上方から挿入させたボルトB2の雄ねじ部分を螺結させている。
図21に示す各基材3は、ジョイント8へ螺結させた各ボルトB2を取り外し、上方へ移動させれば、内側へ挿入させたジョイント8が挿通部33の内側を通過して、ジョイント8から取り外すことができる。また、上記とは逆の手順で、基材3をジョイント8へ取り付けることができる。
保持部材6は、金属板を曲げ加工して形成した金具であり、矩形平板状に設けた取付部61と、取付部61の幅方向両側にそれぞれ接続する2個の保持部63を備えている。
前記各保持部63は、上方に底部分を配置して下方に開口する断面矩形の溝状に設けており、その溝の内側部分を前記基材3の外形に対応する形状に形成している。
台材Dは矩形平板状に設けた金属板であり、その中央に円形の貫通孔d1を形成している。
台材Dは、幅方向の大きさを前記係合部材6の幅方向の大きさと略同じ大きさに形成しており、縦方向の板厚の大きさを前記支柱2の鍔部22の厚みに対応する大きさに形成している。
図25においては、支柱2やジョイント8の図示を省略して、図面を簡略化している。
各基材3は、設置面Gの上に載置させた台材Dと保持部材6との間に配置し、アンカーボルト92とアンカーボルト91からなる固定部材9によって設置面Gに設置させている。
前記保持部材6は、前記取付部61の下面を台材Dの上面へ当接させ、貫通孔62へ上方から挿入させたアンカーボルト91の雄ねじ部分を、台材Dの貫通孔d1へ挿通させると共に、設置面Gへ埋設固定させたアンカーナット92へ螺結させて、設置面Gへ設置させている。
即ち、前記各基材3の各側面30cは、図1に示すビーム支持装置1と同様に、柱部21が当接する横当部として機能し、支柱2が外力を受けたときにその幅方向への移動を規制する。
また、各基材3と設置面Gとの間には、台材Dの厚みの大きさに対応する隙間s2が形成され、各支柱2は鍔部22をこの隙間s2に配置させている。そして、各基材3の各下面30bは、図1に示すビーム支持装置1と同様に、鍔部22が当接する上当部として機能し、支柱2が外力を受けたときにその縦方向上方への移動を規制する。
また、外力を受けたときに保持部材6が変形することによって、基材3や支柱2の変形や破損などを抑制する効果も期待できる。
前記各基材3はジョイント8によって強固に連結しているため、ビーム支持装置1の支柱2やビーム4へ車両などが接触して外力を受け、その力が支柱2から基材3へ伝達されたときに、基材3からジョイント8で連結させた他の基材3へその力が伝達される。このように、基材3が受ける力が長手方向へ連結させた他の基材3へ伝わるように設けることで、より多数の基材3へ力が分散されるようになされ、一部の基材3への力の集中を抑制でき、基材3の変形や破損を抑制できる。また、多数の基材3へ力が分散されることで、基材3を設置させている一部の保持部材6や固定部材9への力の集中を抑制できるので、固定部材9の破損や、固定部材9の近傍の設置面Gの破損を抑制することができる。
図27に示す補強部材7は、板面を縦方向へ向けた矩形平板状に形成した取付部71と、取付部71の長手方向両端から縦方向上方へそれぞれ延設する矩形平板状の支持部73を備える、略U字形状の金具である。
補強部材7は金属板を曲げ加工して形成しており、前記取付部71の中央には円形の貫通孔72を設けている。
図28、29に示す補強部材7は、貫通孔72と貫通孔62の位置を一致させて、取付部71の下面を取付部61の上面へ当接させている。補強部材7は、前記貫通孔72及び貫通孔62へ上方から挿通させたアンカーボルト91の雄ねじ部分を、設置面Gへ埋設固定させたアンカーナット92へ螺結させて設置させるように設けている。
即ち、前記補強部材7は、図28、29に示すように、保持部材6へ取り付けた状態において、各支持部73の幅方向の両端が各保持部63の近傍に配置されるように設けている。このように設けた補強部材7を保持部材6へ取り付けることで、ビーム支持装置1へ車両などが接触して外力を受け、その力が基材3から保持部材6へ伝達されたときに、保持部材6の変形を補強部材7によって抑制できる。具体的には、支持部73の端部が保持部63へ当接することで、各保持部63の間隔が狭まるような保持部材6の変形が抑制される。
補強部材7は、ビーム支持装置1を構成する保持部材6の全てに取り付けてもよく、一部のみに取り付けてもよい。そして、外力を受けたときに、保持部材6をより大きく変形させて固定部材9やその近傍の設置面Gの破損を抑制したい場合には、補強部材7を取り付けなくても良い。
例えば、下方から上方に至るほど、支持部73の端が保持部63から離間する台形形状に設けてもよい。また、保持部63に相対する支持部73の縁を、図27、28に示すような直線状に設けても良く、曲線状に設けても良い。
また、図27に示す補強部材7は、取付部71に対して各支持部73を垂直に配置させているが、傾斜状に配置させてもよい。
また、各支持部73を平板状ではなく、曲板状に設けてもよい。
図30、31に示す支柱2は、鍔部22が形成された下部の形状が、図2、3に示す前記支柱2と異なる主な事項である。
即ち、図30、31に示す支柱2は、図2、3に示す前記支柱2と同様に、断面矩形の筒状体で形成した柱部21を備え、柱部21の筒壁にはビーム4を取り付ける挿入部材5を挿入させるための貫通孔23を形成している。
当接部24は、柱部21の長手方向両側に配置される矩形板状の横部26と、各横部26の幅方向両端から縦方向下方へそれぞれ延設される矩形板状の縦部25と、各縦部25の下端から幅方向外側へそれぞれ延設される鍔部22を備えている。
前記各縦部25は、その外面が柱部21の外面と面一になるように設けている。
尚、縦部25と柱部21とが接続する部分、横部26と柱部21とが接続する部分、及び鍔部22と柱部21とが接続する部分は、それぞれ溶接によって強固に固定されている。
図32に示す各基材3は、図1、15、16に示す各ビーム支持装置1の前記基材3や、図17に示すビーム支持装置1の基材3と同様の方法で設置面Gへ設置させており、固定部材9や、台材Dや、保持部材6等の図示を省略して、図面を簡略化している。
図32に示す各基材3は、図1や、図17に示す各ビーム支持装置1と同様に、柱部21の幅方向両側にそれぞれ配置させており、側面30cが柱部21の当接する横当部として機能し、外力を受けた支柱2の幅方向への移動を規制する。また、下面30bが鍔部22の当接する上当部として機能し、支柱2の縦方向上方への移動を規制する。
例えば、柱部21の下端を当接部24の上方に配置させて縦部25のみを基材3の側面30cへ当接させるように設けても良い。この場合には、各基材3は柱部21の幅方向両側近傍ではなく、各縦部25の幅方向外側近傍に配置される。
また、各縦部25の間に当接部24の変形を抑制するための補強リブなどを追加して設けても良い。
2 支柱
21 柱部
22 鍔部
23 貫通孔
24 当接部
25 縦部
26 横部
3 基材
31 貫通孔
32 貫通孔
33 挿通部
39 端
31 貫通孔
4 ビーム
41 貫通孔
5 挿入部材
51 貫通孔
6 保持部材
61 取付部
62 貫通孔
63 保持部
7 補強部材
71 取付部
72 貫通孔
73 支持部
8 ジョイント
9 固定部材
91 アンカーボルト
92 アンカーナット
S 遊間部
Claims (5)
- 設置面に取り付けられる基材と、該基材により移動が規制される支柱と、長手方向に間隔をあけて立設された複数の前記支柱間に架設されるビームとを備えたビーム支持装置であって、
前記支柱は、柱部と、該柱部の下部に形成されて幅方向へ突出する鍔部とを備え、
前記基材は、前記支柱の幅方向近傍に配置されて該支柱の幅方向への移動を規制する横当部と、前記鍔部の上方近傍に配置されて前記支柱の上方への移動を規制する上当部を備え、
前記支柱の長手方向両側には、前記基材が配置されずに前記支柱の移動を許容する隙間からなる遊間部が設けられており、
前記基材は、別体に形成された2個の長尺体で構成され、
前記各基材は、該各基材と別体に形成されて各基材間に配置された保持部材にそれぞれ保持されて設置面へ設置されており、該保持部材は前記各基材間の設置面に固定された固定部材を介して設置面に設置されていることを特徴とするビーム支持装置。 - 前記支柱や前記ビームへ車両が接触して外力を受けたときに、前記保持部材が変形するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のビーム支持装置。
- 前記基材は、上当部が前記支柱の鍔部の上部へ強力に圧接していることを特徴とする請求項1又は2に記載のビーム支持装置。
- 前記各基材は、前記支柱の柱部の幅方向両側近傍にそれぞれ配置されると共に、前記鍔部の上方近傍に配置されており、
前記各基材の間、及び前記各基材と設置面との間に前記遊間部が形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のビーム支持装置。 - 前記各基材は、長手方向へ複数配置されると共に、該各基材の端部がジョイントによって連結されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のビーム支持装置。
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