JP7186632B2 - 測定装置および測定方法 - Google Patents

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Description

本開示は、測定装置および測定方法に関する。
産業機器や車載機器等に搭載される液晶ディスプレイ等の光学表示機器は、従来平面形状であったが、近年はデザイン性が重視され、異形・湾曲形状のものが注目されてきている。このような光学表示機器では、液晶パネルに保護ガラスを貼り付けた貼り合せ部材が使用されるケースが多い。貼り合せ部材の貼り合せ要求精度は±0.1mm程度となっており、部材毎に貼り合せ精度を測定して良否判定を行なっている。
貼り合せ部材が平面形状である場合、保護ガラスおよび液晶パネルの各々において、2つの基準マーク(または基準位置)を認識し、その2つの基準マーク(または基準位置)の中間点の位置を検出し、保護ガラスにおける中間点と液晶パネルにおける中間点とのズレ量を測定し、そのズレ量が規格値内であるか否かによって貼り合せ精度の良否判定が行なわれている。
たとえば、特開2011-197281号公報(特許文献1)には、液晶パネルに偏光板を貼り合せた部材の貼り合せズレ量を測定する測定装置が開示されている。この測定装置は、被測定部材の四隅を撮像する撮像部と、撮像部によって撮像された画像に基づいて、液晶パネルの基準点と偏光板の端部との間の距離を貼り合せズレ量として求める制御部とを備えている(特許文献1参照)。
特開2011-197281号公報
特許文献1に記載の手法では、被測定部材が曲面形状を有する場合に、測定精度が被測定部材のセット状態に大きく依存するという問題がある。すなわち、貼り合せズレ量が0であることが予め確認されている基準サンプルを被測定部材として使用した場合でも、被測定部材が傾いた状態で測定されると、貼り合せズレ量は0にならない。
この対策として、曲面形状の貼り合せ部材を水平にセットするための治具を用いることが考えられる。しかしながら、曲面形状がばらつく場合、貼り合せ部材を確実にセットしようとすると、被測定部材に応力が生じてしまう可能性がある。また、様々な曲面形状に対応してセットする必要があり、測定が煩雑になる。
また、被測定部材の曲率半径が既知の一定値であれば、貼り合せズレ量を計算で求めることは可能である。しかしながら、実際には曲率半径がばらつき、被測定部材毎に曲率半径を精度良く測定することは困難である。また、曲率半径が一定値であると仮定してズレ量を計算すると、測定誤差が生じてしまう。
それゆえに、本開示の主たる目的は、貼り合せ部材が曲面形状を有する場合でも、貼り合せ部材に応力を生じさせることなく、貼り合せズレ量を容易かつ正確に測定可能な測定装置および測定方法を提供することである。
本開示の測定装置は、互いに貼り合わされた第1および第2の基板を含む貼り合せ部材の貼り合せズレ量を測定する測定装置である。第1の基板は、第1および第2の基準点を有し、第2の基板は、第3および第4の基準点を有する。この測定装置は、支持部と、駆動部と、撮像部と、制御部とを備える。支持部は、貼り合せ部材を回動可能に支持する。駆動部は、支持部を回動させる。撮像部は、支持部に支持された貼り合せ部材の第1から第4の基準点を貼り合せ部材の第1の方向(Z方向)から撮像する。制御部は、第1および第2の基準点を通る第1の直線が第1の方向と直交する平面(XY平面)に平行になるように駆動部を制御し、撮像部によって撮像された第1から第4の基準点の画像を用いて貼り合せズレ量を求める。
この測定装置では、貼り合せ部材を回動可能に支持するとともに第1から第4の基準マークを第1の方向(Z方向)から撮像し、第1および第2の基準点を通る直線が第1の方向と直交する平面(XY平面)に平行になるように貼り合せ部材を回動させ、第1から第4の基準点の画像を用いて貼り合せズレ量を求める。したがって、貼り合せ部材が曲面形状を有する場合でも、貼り合せ部材に応力を生じさせることなく、貼り合せズレ量を容易かつ正確に測定することができる。
この発明の一実施の形態による貼り合せズレ量測定装置の構成を示す断面図である。 図1に示す制御装置の構成を示すブロック図である。 貼り合せズレ量測定装置の動作を説明するための断面図である。 図1に示す制御装置の動作の一部分を示すフローチャートである。 図1に示す制御装置の動作の残りの部分を示すフローチャートである。
図1は、この発明の一実施の形態に従う貼り合せズレ量測定装置の要部を示す断面図である。図1において、貼り合せズレ量測定装置は、支持部1、カメラ2、Xテーブル3、および制御装置4を備える。
支持部1は、被測定対象の貼り合せ部材10を支持する。貼り合せ部材10は、保護ガラス11と液晶パネル12とをたとえば粘着シートを用いて貼り合せたものであり、曲面形状を有する。図1では、貼り合せ部材10がX方向(図中の左右方向)にロールしている場合が示されており、Y方向(紙面に垂直な方向)から見ると円弧状(皿状)であり、Z方向(図中の上下方向)から見ると長方形状である。
保護ガラス11は、基準マーク(基準点)11a,11bを有する。液晶パネル12は、基準マーク(基準点)12a,12bを有する。基準マーク11a,11bを通る直線L1がXY平面に平行である場合に、保護ガラス11と液晶パネル12の貼り合せズレ量が測定される。Z方向から見た基準マーク11a,11b間の距離Dが最大値であるとき、直線L1はXY平面に平行になる。
なお、貼り合せズレ量が0である場合には、Z方向から見ると、直線L1と、基準マーク12a,12bを通る直線L2とが一致し、直線L1,L2はともにX方向に延在し、基準マーク11a,11bの中間点P1と基準マーク12a,12bの中間点P2とが一致する。貼り合せズレ量が0でない場合には、直線L1,L2が一致しなくなったり、直線L1,L2が交差したり、中間点P1,P2が一致しなくなったりする。
支持部1は、可動板1a、回転中心軸1b、および2本のアーム1c,1dを含む。可動板1aは、XY平面に対して垂直に設けられており、その裏面の中央には回転中心軸1bが立設されている。回転中心軸1bは、Y方向に延在しており、駆動部(図示せず)に結合されている。駆動部によって回転中心軸1bを一定角度回転させると、可動板1aも一定角度回転する。
アーム1c,1dは、可動板1aの表面の一方端および他方端にそれぞれ立設されている。アーム1c,1dの各々は、円柱状に形成され、Y方向に延在している。アーム1c,1dは、一定の間隔で平行に配置されている。貼り合せ部材10は、2本のアーム1c,1dの上にセットされる。
貼り合せ部材10がアーム1c,1d上で滑ることを防止するため、アーム1c,1dの表面に滑り止め加工を施してもよいし、貼り合せ部材10を吸着する吸着機構をアーム1c,1dに設けてもよいし、貼り合せ部材10を把持する把持機構を支持部1に設けてもよい。
カメラ2は、貼り合せ部材10の下方に配置され、その光軸2aはZ方向(図では上側方向)に向けられ、Xテーブル3に搭載されている。Xテーブル3は、制御装置4によって制御され、カメラ2をX方向の所望の位置に配置する。カメラ2は、制御装置4によって制御され、上方の基準マーク11a,11b,12a,12bの各々を撮像する。
図1では、カメラ2の光軸2aが基準マーク12aに向けられている状態が示されている。この場合、カメラ2は、基準マーク12aおよびその周辺部の画像を撮像し、撮像した画像を構成する画像情報を制御装置4に出力する。
図2は、制御装置4の構成の一例を示すブロック図である。図2において、制御装置4は、駆動部20、角度検出器21、位置検出器22、記憶部23、表示部24、および制御部25を含む。
駆動部20は、制御部25によって制御され、支持部1の回転中心軸1bを所望の角度だけ回動させる。駆動部20は、たとえばステッピングモータを含んで構成される。角度検出器21は、支持部1の可動板1aのXY平面に対する角度θ(すなわち貼り合せ部材10の角度θ)を検出し、その検出値を示す信号を制御部25に与える。駆動部20および角度検出器21は、支持部1と一体的に設けられていても構わない。
位置検出器22は、Xテーブル3の可動部の位置、すなわちカメラ2の光軸2aの位置(X座標)を検出し、その検出値を示す信号を制御部25に与える。位置検出器22は、Xテーブル3と一体的に設けられていても構わない。
記憶部23は、制御部25によって制御され、カメラ2からの画像情報、制御部25による検出結果および演算結果などを記憶する。表示部24は、制御部25によって制御され、制御部25によって求められた貼り合せズレ量、合否判定結果などを表示する。
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)26と、メモリ(より具体的には、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory))27と、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)とを含んで構成される。CPU26は、ROMに格納されているプログラムをRAMに展開して実行する。ROMに格納されているプログラムには、制御部25により実行される処理が記されている。
制御部25は、角度検出器21の出力信号に基づいて駆動部20を制御することにより、貼り合せ部材10の角度θを制御する。また、制御部25は、位置検出器22の出力信号に基づいてXテーブル3を制御することにより、カメラ2の位置を制御する。
さらに、制御部25は、カメラ2の位置とカメラ2からの画像情報とに基づいて、基準マーク11a,11b,12a,12bの各々の位置を検出する。具体的には、制御部25は、基準マーク11a,11b,12a,12bを撮像したときのカメラ2の位置をそれぞれXga,Xgb,Xpa,Xpbとして記憶部23に格納する。
さらに、制御部25は、カメラ2によって撮像された画像を画像処理することにより、基準マーク11a,11b,12a,12bの座標(xga,yga)、(xgb,ygb)、(xpa,ypa)、(xpb,ypb)を求め、記憶部23に格納する。
さらに、制御部25は、記憶部23の記憶内容と以下の数式とに基づいて、Z方向から見た基準マーク11a,11b,12a,12bの位置座標(XGa,YGa)、(XGb,YGb)、(XPa,YPa)、(XPb,YPb)を求め、記憶部23に格納する。
XGa=Xga+xga,YGa=yga
XGb=Xgb+xgb,YGb=ygb
XPa=Xpa+xpa,YPa=ypa
XPb=Xpb+xpb,YPb=ypb
さらに、制御部25は、記憶部23に記憶された基準マーク11a,11bの位置座標に基づいて基準マーク11a,11b間の距離Dを求める。そして、制御部25は、その距離Dが最大になるように貼り合せ部材10の角度θを制御することにより、基準マーク11a,11bを通る直線L1をXY平面に平行にする。基準マーク11a,11b間の距離Dは、たとえば、X方向の距離で近似され、D=XGb-XGaから算出される。
具体的には、制御部25は、支持部1の角度θの初期値θ0を記憶部23に格納し、θ=θ0である場合の距離D0を求めて記憶部23に格納する。次に、制御部25は、支持部1を時計周り方向に一定角度θcだけ回転させ、θ=θ0+θcの場合の距離DA1を求めて記憶部23に格納する。次いで、制御部25は、支持部1を時計針の回転方向にさらに一定角度θcだけ回転させ、θ=θ0+2θcである場合の距離DA2を求めて記憶部23に格納する。以下同様にして、制御部25は、θ=θ0+n×θc(nは3以上の整数)である場合の距離DAnを求めて記憶部23に格納する。
次に、制御部25は、支持部1の角度θを初期値θ0に戻した後、支持部1を反時計周り方向に一定角度θcだけ回転させ、θ=θ0-θcの場合の距離DB1を求めて記憶部23に格納する。次いで、制御部25は、支持部1を反時計周り方向にさらに一定角度θcだけ回転させ、θ=θ0-2θcの距離DB2を求めて記憶部23に格納する。以下同様にして、制御部25は、θ=θ0-n×θc(nは3以上の整数)である場合の距離DBnを求めて記憶部23に格納する。
制御部25は、記憶部23に格納された距離D0,DA1~DAn,DB1~DBnに基づいて距離Dの最大値Dmaxを求め、最大値Dmaxのときのθmaxを求め、求めた角度θmaxに支持部1の角度θを設定する。これにより、基準マーク11a,11bを通る直線L1がXY平面に平行になる。
さらに、制御部25は、直線L1をXY平面に平行にした状態で、基準マーク11a,11b,12a,12bの各々の位置を検出し、基準マーク11a,11bの中間点P1の位置と、基準マーク12a,12bの中間点P2の位置とを検出する。そして、制御部25は、中間点P1,P2のX方向のズレ量Δxと、中間点P1,P2のY方向のズレ量Δyと、直線L1,L2の角度のズレ量Δθとを求める。
ここで、基準マーク11a,11b,12a,12bの位置座標をそれぞれ(XGa,YGa)、(XGb,YGb)、(XPa,YPa)、(XPb,YPb)とすると、中間点P1の位置座標は[(XGa+XGb)/2,(YGa+YGb)/2]となり、中間点P2の位置座標は[(XPa+XPb)/2,(YPa+YPb)/2]となる。ズレ量Δxは、Δx=(XGa+XGb)/2-(XPa+XPb)/2となる。ズレ量Δyは、Δy=(YGa+YGb)/2-(YPa+YPb)/2となる。
また、直線L1の角度θ1は、θ1=atan[(YGb-YGa)/(XGb-XGa)]となる。直線L2の角度θ2は、θ2=atan[(YPb-YPa)/(XPb-XPa)]となる。ズレ量Δθは、Δθ=θ1-θ2となる。
また、制御部25は、測定された貼り合せズレ量Δx,Δy,Δθと、予め設定された上限値ΔxH,ΔyH,ΔθHとをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて貼り合せ部材10の合否を判定する。|Δx|<ΔxH,|Δy|<ΔyH,|Δθ|<ΔθHの条件が満たされている場合には、貼り合せ部材10の貼り付け精度は合格となる。|Δx|<ΔxH,|Δy|<ΔyH,|Δθ|<ΔθHの条件が満たされていない場合には、貼り合せ部材10の貼り付け精度は不合格となる。貼り合せ部材10の合否結果およびズレ量Δx,Δy,Δθは、記憶部23に記憶されるとともに、表示部24に表示される。
図3は、図1および図2に示した貼り合せズレ量測定装置の動作を説明するための断面図である。図3において、貼り合せ部材10Aは、貼り合せズレ量が0であることが予め確認されている基準サンプルである。したがって、貼り合せ部材10Aの基準マーク11a,11bを通る直線L1をXY平面に平行にした状態では、Z方向から見ると、基準マーク11a,11bの中間点P1と基準マーク12a,12bの中間点P2との間のズレ量Δxは0となる。
しかしながら、図3に示されるように、直線L1をXY平面に対して斜めに配置した状態では、Z方向から見ると、中間点P1とP2との間のズレ量Δxは0よりも大きな値になってしまう。そこで、本実施の形態では、直線L1をXY平面に平行にした状態でズレ量が測定される。
図4は、図1および図2に示した制御装置4の動作の一部分を示すフローチャートである。図5は、制御装置4の動作の残りの部分を示すフローチャートである。図4を参照して、ステップS1において、貼り付けズレ量測定装置の使用者は、被測定対象の貼り合せ部材10を支持部1にセットする。貼り合せ部材10は、支持部1の2本のアーム1c,1d(図1)によって支持される。
ステップS2において、制御装置4は、支持部1の初期角度θ0を記憶する。ステップS3において、制御装置4は、Xテーブル3を制御してカメラ2を移動させ、保護ガラス11の基準マーク11aを撮像することが可能な位置にカメラ2を配置する。ステップS4において、制御装置4は、カメラ2を制御して基準マーク11aを撮像する。ステップS5において、制御装置4は、カメラ2によって撮像された画像を画像処理して、基準マーク11aの位置座標(XGa,YGa)を求める。
ステップS6において、制御装置4は、Xテーブル3を制御してカメラ2を移動させ、保護ガラス11の基準マーク11bを撮像することが可能な位置にカメラ2を配置する。ステップS7において、制御装置4は、カメラ2を制御して基準マーク11bを撮像する。ステップS8において、制御装置4は、カメラ2によって撮像された画像を画像処理して、基準マーク11bの位置座標(XGb,YGb)を求める。
ステップS9において、制御装置4は、基準マーク11a,11b間の距離D≒XGb-XGaを算出する。ステップS10において、制御装置4は、時計周り中であるか否かを判別し、時計周り中である場合はステップS11へ処理を進め、時計周り中でない場合はステップS14へ処理を進める。
ステップS11において、制御装置4は、一定角度θcだけ支持部1を時計周りに回転させる。ステップS12において、制御装置4は、設定回転数だけ支持部1を回転させたか否かを判別し、まだ回転させていない場合にはステップS3~S12を繰り返し、回転させた場合にはステップS13へ処理を進める。
ステップS13において、制御装置4は、支持部1の角度を初期角度θ0まで戻し、ステップS14において、制御装置4は、支持部1を一定角度θcだけ支持部1を反時計周りに回転させる。ステップS15において、制御装置4は、設定回転数だけ支持部1を回転させたか否かを判別し、まだ回転させていない場合にはステップS3~S10,S14,S15を繰り返し、回転させた場合にはステップS16へ処理を進める。
ステップS16において、制御装置4は、基準マーク11a,11b間の距離Dが最大となる角度θmaxを求め、支持部1の角度をθmaxに設定する。これにより、基準マーク11a,11bを通る直線L1をXY平面に平行にすることができる。
図5を参照して、ステップS18において、制御装置4は、Xテーブル3を制御してカメラ2を移動させ、保護ガラス11の基準マーク11aを撮像することが可能な位置にカメラ2を配置する。ステップS19において、制御装置4は、カメラ2を制御して基準マーク11aを撮像する。ステップS20において、制御装置4は、カメラ2によって撮像された画像を画像処理して、基準マーク11aの位置座標(XGa,YGa)を求める。
ステップS21において、制御装置4は、Xテーブル3を制御してカメラ2を移動させ、保護ガラス11の基準マーク11bを撮像することが可能な位置にカメラ2を配置する。ステップS22において、制御装置4は、カメラ2を制御して基準マーク11bを撮像する。ステップS23において、制御装置4は、カメラ2によって撮像された画像を画像処理して、基準マーク11bの位置座標(XGb,YGb)を求める。
ステップS24において、制御装置4は、Xテーブル3を制御してカメラ2を移動させ、液晶パネル12の基準マーク12aを撮像することが可能な位置にカメラ2を配置する。ステップS25において、制御装置4は、カメラ2を制御して基準マーク12aを撮像する。ステップS26において、制御装置4は、カメラ2によって撮像された画像を画像処理して、基準マーク12aの位置座標(XPa,YPa)を求める。
ステップS27において、制御装置4は、Xテーブル3を制御してカメラ2を移動させ、保護ガラス11の基準マーク12bを撮像することが可能な位置にカメラ2を配置する。ステップS28において、制御装置4は、カメラ2を制御して基準マーク12bを撮像する。ステップS29において、制御装置4は、カメラ2によって撮像された画像を画像処理して、基準マーク12bの位置座標(XPb,YPb)を求める。
ステップS30において、制御装置4は、ステップS20,S23,S26,S29で求めた基準マーク11a,11b,12a,12bの位置座標(XGa,YGa),(XGb,YGb),(XPa,YPa),(XPb,YPb)に基づいて貼り合せズレ量Δx,Δy,Δθを求める。
ステップS31において、制御装置4は、ズレ量Δx,Δy,Δθと上限値ΔxH,ΔyH,ΔθHとを比較し、比較結果に基づいて貼り合せ部材10の貼り合せ精度の合否を判別する。ステップS31で合格と判別された場合には、ステップS32へ処理が進められ、制御装置4は、合格である旨、ズレ量Δx,Δy,Δθなどを表示部24に表示させる。ステップS31で不合格と判別された場合には、ステップS33へ処理が進められ、制御装置4は、不合格である旨、ズレ量Δx,Δy,Δθなどを表示部24に表示させる。
以上のように、本実施の形態では、基準マーク11a,11bを通る直線L1をXY平面に平行にした状態で、Z方向から基準マーク11a,11b,12a,12bを撮像し、撮像した画像を用いて貼り合せズレ量Δx,Δy,Δθを求める。したがって、被測定部材が曲面形状を有する場合でも、被測定部材に応力を生じさせることなく、貼り合せズレ量Δx,Δy,Δθを容易かつ正確に測定することができる。
すなわち、本実施の形態では、被測定部材を支持部1の2本のアーム1c,1dの上にセットすればよく、被測定部材毎に治具を準備する必要がないので、様々な曲面形状の被測定部材に容易に対応することができる。また、被測定部材を治具に嵌め込む必要がないので、被測定部材に応力が生じるおそれもない。また、直線L1をXY平面に平行にした状態で貼り合せズレ量Δx,Δy,Δθを測定するので、一定の状態で貼り合せズレ量Δx,Δy,Δθを正確に再現性良く測定することができる。
また、貼り合せズレ量Δx,Δy,Δθを定量的に測定できるので、ズレ量Δx,Δy,Δθを製造装置へフィードバックすることができる。この場合は、たとえばコンピュータを用いて、ズレ量Δx,Δy,Δθに応じた値のフィードバック量を求めればよい。
なお、本実施の形態では、保護ガラス11の長辺が液晶パネル12の長辺よりも長いため、保護ガラス11の基準マーク11a,11bを通る直線L1をXY平面に平行にしてズレ量を測定したが、液晶パネル12の基準マーク12a,12bを通る直線L2をXY平面に平行にしてズレ量を測定してもよい。ただし、貼り合せた2枚の基板のうちの長辺が長い方の基板を基準とする方が望ましい。
また、本実施の形態では、基準マーク11a,11b間の距離Dの測定値が最大となる角度θmaxを選択するものとしたが、基準マーク11a,11b間の距離Dの測定値と支持部1の角度θとのデータ群を最小二乗法などで曲線近似し、その近似関数の極大値となる角度θmaxを求めてもよい。
また、本実施の形態では、被測定部材を時計回りと反時計回りに同じ回数分、回転させているが、被測定部材の初期設定角度θ0によっては、回転途中で基準マーク間距離Dが極大となる場合がある。たとえば、最初のセット状態で被測定部材が反時計回りに回転していた場合である。その場合は、基準マーク間距離Dの極大を検出した時点で回転シーケンスを停止し、ステップS17(図4)以降を実施しても構わない。
また、本実施の形態では、被測定部材の基準マーク間距離Dが最大となる状態でズレ量Δx,Δy,Δθを測定しているが、カメラ2をZ方向に移動させるZテーブルを設け、基準マーク11a,11bの高さZGa,ZGbをカメラ2の画像オートフォーカス機能を利用して求め、基準マーク11a,11bの高さZGa,ZGbが等しくなるように(ZGa=ZGb)支持部1の角度θを調整してもよい。あるいは、カメラ2にレーザ変位計のような高さ検出器を設け、基準マーク11a,11bの高さZGa,ZGbを測定してもよい。
また、本実施の形態では、1台のカメラ2を設けたが、カメラ2を2台設け、基準マーク11a,11b(または12a,12b)を同時に撮像すれば、ズレ量を高速に測定することができる。
また、貼り合せ部材10の種類によっては、保護ガラス11の基準マーク11a,11bを液晶パネル12側から撮像できない場合がある。その場合は、貼り合せ部材10の上下にカメラ2を設け、2台のカメラ2間のオフセット距離を予め測定しておけば、本実施の形態と同様の方法でズレ量を測定することができる。
また、貼り合せ部材10の種類によっては、保護ガラス11の基準マーク11a,11bと液晶パネル12の基準マーク12a,12bとのY方向の距離が大きく、カメラ2の視野に入らない場合がある。この場合は、カメラ2をX方向だけでなくY方向にも移動させることが可能なXYテーブルを設ければよい。
また、本実施の形態では、被測定部材が水平になるように支持部1を回転させるものとしたが、被測定部材側ではなく、カメラ2およびXテーブル3側を回転させ、基準マーク間距離Dが最大となる角度に設定してもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 支持部、1a 可動板、1b 回転中心軸、1c,1d アーム、2 カメラ、2a 光軸、3 Xテーブル、4 制御装置、10 貼り合せ部材、11 保護ガラス、11a,11b,12a,12b 基準マーク、12 液晶パネル、L1,L2 直線、P1,P2 中間点、20 駆動部、21 角度検出器、22 位置検出器、23 記憶部、24 表示部、25 制御部。

Claims (7)

  1. 互いに貼り合わされた第1および第2の基板を含む貼り合せ部材の貼り合せズレ量を測定する測定装置であって、前記第1の基板は、第1および第2の基準点を有し、前記第2の基板は、第3および第4の基準点を有し、
    前記貼り合せ部材を回動可能に支持する支持部と、
    前記支持部を回動させる駆動部と、
    前記支持部に支持された前記貼り合せ部材の前記第1から第4の基準点を前記貼り合せ部材の第1の方向から撮像する撮像部と、
    前記第1および第2の基準点を通る第1の直線が前記第1の方向と直交する平面に平行になるように前記駆動部を制御し、前記撮像部によって撮像された前記第1から第4の基準点の画像を用いて前記貼り合せズレ量を求める制御部とを備える、測定装置。
  2. 前記制御部は、前記第1および第2の基準点の画像を用いて、前記貼り合せ部材を前記第1の方向から見たときの前記第1および第2の基準点間の距離を求め、前記距離が最大になるように前記駆動部を制御することにより、前記第1の直線を前記平面に平行にする、請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記第1から第4の基準点は、前記第1および第2の基板の貼り合せズレ量が0である場合に前記貼り合せ部材を前記第1の方向からみたときに、前記第1の直線と、前記第3および第4の基準点を通る第2の直線とが重なる点である、請求項1または請求項2に記載の測定装置。
  4. 前記制御部は、前記第1から第4の基準点の画像を用いて、前記第1および第2の基準点の中間点と前記第3および第4の基準点の中間点との間の距離と、前記第1および第2の直線間の角度とを前記貼り合せズレ量として求める、請求項3に記載の測定装置。
  5. 前記貼り合せ部材は、曲面形状を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の測定装置。
  6. 前記支持部によって支持された前記貼り合せ部材を前記第1の方向から見た場合に、前記貼り合せ部材は、前記平面に平行な第2の方向に延在する辺を有する矩形であり、前記第1および第2の基準点は、前記第2の方向に配列され、前記第3および第4の基準点は、前記第2の方向に配列され、
    前記支持部によって支持された前記貼り合せ部材を、前記平面に平行であって前記第2の方向に直交する第3の方向から見た場合に、前記貼り合せ部材は、前記第2の方向にロールしており、
    前記支持部は、前記第3の方向に延在する回転中心軸を有する、請求項5に記載の測定装置。
  7. 互いに貼り合わされた第1および第2の基板を含む貼り合せ部材の貼り合せズレ量を測定する測定方法であって、
    前記第1の基板は、第1および第2の基準点を有し、
    前記第2の基板は、第3および第4の基準点を有し、
    前記貼り合せ部材は、支持部によって回動可能に支持され、
    前記測定方法は、
    前記第1および第2の基準点を通る直線が予め定められた平面に平行になるように前記貼り合せ部材を回動させるステップと、
    前記第1から第4の基準点を前記平面に直交する方向から撮像し、撮像された画像を用いて前記貼り合せズレ量を求めるステップとを含む、測定方法。
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