JP7176141B1 - デッキプレート構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】面内せん断耐力を向上させることができ、施工性の高いデッキプレート構造を提供する。【解決手段】実施形態におけるデッキプレート構造100は、第1方向Xを材軸方向として配置されるとともに、第1方向Xに交わる第2方向Yに離間して設けられる複数の第1木製梁11を有する木製軸組1と、複数の第1木製梁11に架設されるとともに第1方向Xに並べて設けられる複数のデッキプレート2と、第1木製梁11の上面にデッキプレート2を固定する第1固定部3と、第1方向Xで隣り合うデッキプレート2同士を固定するとともに第2方向Yで間隔を空けて設けられる複数の第2固定部4と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、木製軸組とデッキプレートとを備えたデッキプレート構造に関する。
近年、戦後に造林された森林資源が本格的な利用期を迎えたことから、公共建築物をはじめとする建築物の木造化を推進する動きが盛んであり、林野庁が主体となり木材の利用促進に関する法律が整理されている。
従来、木造建築物に関する技術として、特許文献1が開示されている。特許文献1の木造建物は、木製の柱同士を繋ぐ梁と、梁同士を繋ぐ受け材と、に合板が載置される木造建物が開示されている。しかしながら、特許文献1の木造建物では、合板を接合するために受け材が必要となり、受け材が密に配置されることから、施工性が低いという問題点がある。
合板の下側の受け材を省略するため、合板の代わりに波形鋼板を備えた技術として、特許文献2及び特許文献3が開示されている。特許文献2の面内せん断耐力構造は、木製軸組と、波形鋼板と、木製軸組と波形鋼板とを接続する取付手段と、を備える。特許文献3のデッキプレート用固定金具は、木造建築物の軸組にデッキプレートを固定する。
しかしながら、特許文献2及び特許文献3の開示技術は、デッキプレートの長手方向の端部のみが軸組としての梁にビスで固定されるだけである。このため、複数のデッキプレートを並べて配置したとき、隣接したデッキプレート同士の一体性が十分でない。したがって、面内せん断耐力を改善する余地がある。
特開2013-204297号公報 特開2016-169565号公報 特開2019-044371号公報
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、面内せん断耐力を向上させることができ、施工性の高いデッキプレート構造を提供することにある。
本発明に係るデッキプレート構造は、木製軸組と複数のデッキプレートとを備えたデッキプレート構造であって、前記木製軸組は、第1方向を材軸方向として配置されるとともに、前記第1方向に交わる第2方向に離間して設けられる複数の第1木製梁を有し、前記デッキプレートは、複数の前記第1木製梁に架設されるとともに前記第1方向に並べて設けられ、前記第1木製梁の上面に前記デッキプレートを固定する第1固定手段と、前記第1方向で隣り合う前記デッキプレート同士を固定するとともに前記第2方向で間隔を空けて設けられる複数の第2固定手段と、を備え、前記第1方向で隣り合うデッキプレート同士は、互いに篏合部を介して篏合され、前記第2固定手段は、前記篏合部に設けられ、前記第1木製梁から離間して設けられることを特徴とする。
本発明によれば、面内せん断耐力を十分に発揮でき、施工性の高いデッキプレート構造を提供できる。
図1は、第1実施形態におけるデッキプレート構造の一例を示す斜視図である。 図2は、第1実施形態におけるデッキプレートの一例を示す正面図である。 図3は、第1実施形態におけるデッキプレート構造の一例を模式的に示す平面図である。 図4は、応力が作用したときの第1実施形態におけるデッキプレート構造の一例を模式的に示す平面図である。 図5は、第2実施形態におけるデッキプレート構造の一例を模式的に示す平面図である。 図6は、応力が作用したときの第2実施形態におけるデッキプレート構造の一例を模式的に示す平面図である。 図7は、第3実施形態に係るデッキプレート構造の一例を示す正面図である。 図8は、第4実施形態に係るデッキプレート構造の一例を示す正面図である。 図9(a)は、第4実施形態におけるデッキプレート用固定金具6の一例を示す正面図であり、図9(b)は、第4実施形態におけるデッキプレート用固定金具6の一例を示す平面図である。 図10(a)は、比較例2を模式的に示す平面図であり、図10(b)は、本発明例1を模式的に示す平面図であり、図10(c)は、本発明例2を模式的に示す平面図である。
以下、本発明を適用したデッキプレート構造を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、上下方向Zとし、上下方向Zに交わる方向を第1方向Xとし、上下方向Zと第1方向Xに交わる方向を第2方向Yとする。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るデッキプレート構造100の一例を示す斜視図である。図2は、第1実施形態におけるデッキプレートの一例を示す正面図である。図3は、第1実施形態におけるデッキプレート構造の一例を模式的に示す平面図である。なお、図3において、デッキプレート2の波形模様の記載は省略する。
デッキプレート構造100は、建築物に用いられる。デッキプレート構造100は、木製軸組1と、デッキプレート2と、第1固定部3と、第2固定部4と、を備える。
木製軸組1は、屋根材、床材、壁材等を支える構造部材である。木製軸組1は、木造建屋において水平方向、もしくは鉛直方向に平行に複数本掛け渡される構造部材である。木製軸組1は、複数の第1木製梁11と、複数の第2木製梁12と、複数の木製柱13と、を有する。
第1木製梁11は、第1方向Xを材軸方向として配置される。第1木製梁11は、第2方向Yに離間して複数設けられる。第1木製梁11は、木材の繊維方向が第1木製梁11材軸方向である第1方向Xに沿って形成される。
第2木製梁12は、第2方向Yを材軸方向として配置される。第2木製梁12は、第1方向Xに離間して複数設けられる。第2木製梁12は、木材の繊維方向が第2木製梁12の材軸方向である第2方向Yに沿って形成される。
木製柱13は、上下方向Zを材軸方向として配置される。木製柱13は、第1方向X及び第2方向Yに離間して複数設けられる。
デッキプレート2は、断面波形に形成される周知のデッキプレートが用いられる。デッキプレート2は、波形の方向が第1方向Xに沿って配置される。デッキプレート2は、長手方向を第2方向Yに向けて配置され、複数の第1木製梁11に架設される。デッキプレート2は、第1方向Xに並べて複数設けられる。第1方向Xの端部に設けられるデッキプレート2は、第2木製梁12に載置される。デッキプレート2は、第1方向Xの両端部に篏合部21が形成される。第1方向Xで隣り合うデッキプレート2同士は、篏合部21により互いに篏合される。
第1固定部3は、第1木製梁11の上面にデッキプレート2を固定する。第1固定部3は、例えばビスが用いられる。第1固定部3は、釘、ボルト等を用いることもできる。ビスの径は4.8~6.0mmの範囲で、ビスの長さは50mm以上の範囲で用いる。ビスの間隔は300mm以下の範囲で用いる。
第2固定部4は、第1方向Xで隣り合うデッキプレート2同士を固定する。第2固定部4は、第1方向Xで隣り合うデッキプレート2同士を篏合する篏合部21に設けられる。第2固定部4は、第2方向Yで間隔を空けて複数設けられる。第2固定部4は、第1木製梁11と離間して設けられる。第2固定部4は、第2木製梁12と離間して設けられる。第2固定部4は、例えばビスが用いられる。第2固定部4は、釘、ボルト等を用いることもできる。ビスの径は4.8~6.0mmの範囲で、ビスの長さは19mm以上の範囲で用いる。ビスの間隔は50mm~600mmの範囲で用いる。
デッキプレート構造100は、第1方向Xで隣り合うデッキプレート2同士を固定するとともに第2方向Yで間隔を空けて設けられる複数の第2固定部4を備える。これにより、複数のデッキプレート2を並べて配置したとき、隣接したデッキプレート2同士の一体性が確保できる。
図4は、応力が作用したときの第1実施形態におけるデッキプレート構造100の一例を模式的に示す平面図である。なお、図4において、デッキプレート2の波形模様の記載は省略する。
図4に示すように、デッキプレート構造100は、水平方向に力が作用したとき、上下方向Zを回転中心軸として複数のデッキプレート2が一体となって回転するような挙動となる。このとき、第1木製梁11には、第1木製梁11の繊維方向と交わる第2方向Yに応力t1が作用する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、複数のデッキプレート2を備える。これにより、第1木製梁11と第2木製梁12とにより囲われた空間に、合板を下方から支持する受け材を設ける必要がない。このため、施工性を向上させることができる。また、デッキプレート2が複数連結されて水平面材を構成するため、デッキプレート2を小分けにして現場に搬入できる。このため、施工性を向上させることができる。
本実施形態によれば、第1方向Xで隣り合うデッキプレート2同士を固定するとともに第2方向Yで間隔を空けて設けられる複数の第2固定部4を備える。これにより、複数のデッキプレート2を並べて配置したとき、隣接したデッキプレート2同士の一体性が確保できる。このため、面内せん断耐力と剛性とを向上させることができる。
本実施形態によれば、デッキプレート2は、屋根材として用いられる。これにより、面内せん断耐力を十分に確保した屋根材を構築できる。
本実施形態によれば、デッキプレート2は、床材として用いられる。これにより、面内せん断耐力を十分に確保した床材を構築できる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態におけるデッキプレート構造の一例を模式的に示す平面図である。なお、図5において、デッキプレート2の波形模様の記載は省略する。以下、上述した実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。第2実施形態に係るデッキプレート構造100では、主に第3固定部5を更に備える点で、上述した実施形態と異なる。
デッキプレート構造100は、木製軸組1と、デッキプレート2と、第1固定部3と、第2固定部4と、第3固定部5と、を備える。
第3固定部5は、第2木製梁12の上面にデッキプレート2を固定する。第3固定部5は、第2方向Yで間隔を空けて複数設けられる。第3固定部5は、例えばビスが用いられる。第3固定部5は、釘、ボルト等を用いることもできる。ビスの径は4.8~6.0mmの範囲で、ビスの長さは50mm以上の範囲で用いる。ビスの間隔は50~600mmの範囲で用いる。
デッキプレート構造100は、第1方向Xで隣り合うデッキプレート2同士を固定するとともに第2方向Yで間隔を空けて設けられる複数の第2固定部4を備える。これにより、複数のデッキプレート2を並べて配置したとき、隣接したデッキプレート2同士の一体性が確保できる。
図6は、応力が作用したときの第2実施形態におけるデッキプレート構造100の一例を模式的に示す平面図である。なお、図6において、デッキプレート2の波形模様の記載は省略する。
図6に示すように、デッキプレート構造100は、水平方向に力が作用したとき、上下方向Zを回転中心軸として複数のデッキプレートが一体となって回転するような挙動となる。このとき、第1木製梁11には、第1木製梁11の繊維方向に沿う第1方向Xに応力t1が作用する。また、第2木製梁12には、第2木製梁12の繊維方向に沿う第2方向Yに応力t2が作用する。
本実施形態によれば、第1方向Xで隣り合うデッキプレート2同士を固定するとともに第2方向Yで間隔を空けて設けられる複数の第2固定部4を備える。これにより、複数のデッキプレート2を並べて配置したとき、隣接したデッキプレート2同士の一体性が確保できる。その結果、面内せん断耐力と剛性とを向上させることができる。
特に、本実施形態によれば、第2木製梁12の上面にデッキプレート2を固定するとともに第2方向Yで間隔を空けて設けられる複数の第3固定部5を備える。これにより、デッキプレート構造としての一体性を更に向上させることができる。
特に、本実施形態によれば、第2木製梁12の上面にデッキプレート2を固定するとともに第2方向Yで間隔を空けて設けられる複数の第3固定部5を備え、第1木製梁11の繊維方向は、第1方向Xに沿って配置され、第2木製梁12の繊維方向は、第2方向Yに沿って配置される。これにより、水平方向に応力が作用したとき、上下方向Zを回転中心軸として複数のデッキプレート2が一体となって回転するような挙動となる。このとき、第1木製梁11には、繊維方向に沿う応力t1が作用する。また、第2木製梁12には、繊維方向に沿う応力t2が作用する。すなわち、第2実施形態では第1実施形態において第1木製梁11に作用するはずの繊維直交方向への応力t1を、第2木製梁12の繊維方向に沿う応力t2により負担させる。このように、第2木製梁12の繊維方向に沿う応力t2により、繊維直交方向への応力の影響を抑制し、繊維直交方向への支圧強度が弱い木材の材料特性(いわゆる異方性)を補うことができる。このため、面内せん断耐力と剛性とを更に向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るデッキプレート構造100について説明する。図7は、第3実施形態に係るデッキプレート構造100の一例を示す正面図である。以下、第1実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。第3実施形態に係るデッキプレート構造100では、主に第1木製梁11の上面がデッキプレート2の波形状が嵌合する形状を有している点で、上述した実施形態と異なる。
第1木製梁11は、上面には第2方向Yに直交する断面において、デッキプレート2の波形状が嵌合する形状を有している。第1木製梁11は、山頂構成面11aと、山頂構成面11aに平行な谷底構成面11bと、山頂構成面11aと谷底構成面11bとを接続する傾斜構成面11cと、を有する。
デッキプレート2は、山頂面部2aと、山頂面部2aに平行な谷底面部2bと、山頂面部2aと谷底面部2bとを連結するウェブ面部2cと、を有する。山頂面部2aから下方に向かう一対のウェブ面部2cは、図7に示す第2方向Yに直交する断面において谷底面部2bに近い程、対向するウェブ面部2cの距離が拡大する略ハの字状となっており、デッキプレート2は第2方向Y方向に直交する断面において波形状の凹凸形状となる。山頂面部2aと谷底面部2bとには、第1木製梁11とデッキプレート2とを固定する第1固定部3を挿通する孔が形成される。
デッキプレート2の山頂面部2aは、第1木製梁11の山頂構成面11aに対向して配置される。デッキプレート2の谷底面部2bは、第1木製梁11の谷底構成面11aに対向して配置される。 デッキプレート2のウェブ面部2cは、第1木製梁11の傾斜構成面11cに対向して配置される。
特に、本実施形態によれば、山頂面部2aは、山頂構成面11aに対向して配置され、谷底面部2bは、谷底構成面11aに対向して配置され、ウェブ面部2cは、傾斜構成面11cに対向して配置される。これにより、デッキプレート2より先に第1木製梁11や第1固定部3が破壊することが防止される。このため、第1木製梁11とデッキプレート2とが構造上強固に一体化される。その結果、面内せん断耐力を更に向上させることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係るデッキプレート構造100について説明する。図8は、第4実施形態に係るデッキプレート構造100の一例を示す正面図である。図9(a)は、第4実施形態におけるデッキプレート用固定金具6の一例を示す正面図であり、図9(b)は、第4実施形態におけるデッキプレート用固定金具6の一例を示す平面図である。第4実施形態に係るデッキプレート構造100では、主にデッキプレート用固定金具6を更に備える点で、上述した実施形態と異なる。
デッキプレート用固定金具6は、板状の留付け部61と、留付け部61間に、留付け部61と一体に形成された面内せん断力吸収部62と、を有する。デッキプレート用固定金具6は、例えば、鋼板が折り曲げられてなる。デッキプレート用固定金具6は、第1固定部3を介してデッキプレート2と第1木製梁11に固定される。
面内せん断力吸収部62は、この例では、留付け部61に対して上方にコ字状に突出させ、面内せん断力をコ字状の突出部の弾性変形によって吸収させるものである。なお、面内せん断力吸収部62は、面内せん断力を吸収できる形状であれば、この形状に限定されず、逆V字状等に形成してもよい。
留付け部61には、ビスやボルト等の第1固定部3の挿入孔64が複数個形成されている。この例では、挿入孔64は、千鳥状に配されている。図示は省略するが、挿入孔64は、第2方向Yに向けて一列に配置してもよい。図示は省略するが、挿入孔64は、第1方向Xにおいて間隔を空けて複数列となるように、第2方向Yに向けて複数配置してもよい。
デッキプレート用固定金具6により第1木製梁11にデッキプレート2を固定するには、デッキプレート2の谷部にデッキプレート用固定金具6を乗せ、留付け部61の挿入孔64に第1固定部3を挿入して固定する。
デッキプレート2の嵌合部21を固定するには、嵌合部21に面内せん断力吸収部62 を被せて固定する。
このようにして、デッキプレート用固定金具6により第1木製梁11にデッキプレート2を固定すると、デッキプレート用固定金具6の留付け部61の有する剛性と、面内せん断力吸収部62との相乗効果によって、面内せん断力を受けた際、隣接するデッキプレート2が互いにずれることを抑えることができる結果、第1木製梁11の割裂破壊やせん断破壊を抑制することができる。このため、面内せん断耐力を更に向上させることができる。
特に、本実施形態によれば、第1固定部3を介してデッキプレート2と第1木製梁11とに固定されるデッキプレート用固定金具6を更に備え、デッキプレート用固定金具6は、挿入孔64が複数個形成された板状の留付け部61と、留付け部61間に、留付け部61と一体に形成された面内せん断力吸収部62とからなる。これにより、面内せん断力吸収部62が面内せん断力を吸収できる。このため、面内せん断耐力を更に向上させることができる。
以上、この発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。さらに、この発明は、上記の実施形態の他、様々な新規な形態で実施することができる。したがって、上記の実施形態は、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。
実施例では、本発明例と比較例について、面内せん断耐力と剛性を評価した。
比較例1では、矩形状に根太を組み、根太同士の間に受け材を設けて、根太と受け材とに面材を配置した。比較例1の面材は、厚さ12mm~15mmの構造用合板、又は、構造用パネル(1級又は2級)のものを用いた。比較例1の面材の釘打ち仕様は、面材を鉄丸釘N50を用いて150mm以下の間隔で根太に対し打ち付けた。比較例1の根太の間隔は、340mm以下とした。比較例1の耐力と剛性は、日本住宅・木材技術センター発行の「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」に基づいて、設定した。
図10(a)は、比較例2を模式的に示す平面図であり、図9(b)は、本発明例1を模式的に示す平面図であり、図10(c)は、本発明例2を模式的に示す平面図である。なお、図10において、デッキプレート2の波形模様の記載は省略する。
図10(a)に示すように、比較例2では、矩形状に木製梁911、912を組み、木製梁911、912に面材92を配置した。比較例2の面材92は、デッキプレートを用いた。比較例2の面材92のビス打ち仕様は、面材92をビス93を用いてデッキプレートの各谷底面部に木製梁911に対し打ち付けた。比較例2は、面材92を木製梁911に対してのみビス93にて固定した。
図10(b)に示すように、本発明例1では、矩形状に木製梁911、912を組み、木製梁911、912に面材92を配置した。本発明例1の面材92は、デッキプレートを用いた。本発明例1の面材92のビス打ち仕様は、面材92をビス93を用いてデッキプレートの各谷底面部に木製梁911に対し打ち付けた。本発明例1は、面材92を木製梁911に対してビス93にて固定した。また、本発明例1は、隣接する面材92同士をビス94にて固定した。
図10(c)に示すように、本発明例2では、矩形状に木製梁911、912を組み、木製梁911、912に面材を配置した。本発明例2の面材92は、デッキプレートを用いた。本発明例2の面材92のビス打ち仕様は、面材92をビス93を用いてデッキプレートの各谷底面部に木製梁911に対し打ち付けた。本発明例2は、面材92を木製梁911に対してビス93にて固定した。また、面材92をビス95を用いて150mmの間隔で木製梁912に対し打ち付けた。本発明例2は、面材92を木製梁912に対してビス95にて固定した。また、本発明例2は、隣接する面材92同士をビス94にて固定した。
比較例1、比較例2、本発明例1及び本発明例2について、第1方向Xと第2方向Yのグリッドスパン、デッキプレートの山の高さと、デッキプレートの板厚と、を異ならせた120ケースにおける耐力と剛性とを比較した。
表1は、比較例1の耐力と比較例2の耐力とを示す。表1における「〇」は、比較例2の耐力が比較例1の耐力以上であることを示し、表1における「×」は、比較例2の耐力が比較例1の耐力未満であることを示す。
表2は、比較例1の剛性と比較例2の剛性とを示す。表2における「〇」は、比較例2の剛性が比較例1の剛性以上であることを示し、表2における「×」は、比較例2の剛性が比較例1の剛性未満であることを示す。
Figure 0007176141000002
Figure 0007176141000003
表1に示すように、比較例2の耐力が比較例1の耐力以上となるケースが24回確認された。比較例2の耐力が比較例1の耐力未満となるケースが96回確認された。表2に示すように、比較例2の剛性が比較例1の剛性以上となるケースが24回確認された。比較例2の剛性が比較例1の剛性未満となるケースが96回確認された。
表3は、比較例1の耐力と本発明例1の耐力とを示す。表3における「〇」は、本発明例1の耐力が比較例1の耐力以上であることを示し、表3における「×」は、本発明例1の耐力が比較例1の耐力未満であることを示す。
表4は、比較例1の剛性と本発明例1の剛性とを示す。表4における「〇」は、本発明例1の剛性が比較例1の剛性以上であることを示し、表4における「×」は、本発明例1の剛性が比較例1の剛性未満であることを示す。
Figure 0007176141000004
Figure 0007176141000005
表3に示すように、本発明例1の耐力が比較例1の耐力以上となるケースが69回確認された。本発明例1の耐力が比較例1の耐力未満であるケースが51回確認された。表4に示すように、本発明例1の剛性が比較例1の剛性以上となるケースが117回確認された。本発明例1の剛性が比較例1の剛性未満であるケースが3回確認された。
表5は、本発明例1と比較例2について、同一のグリッドスパン、デッキプレートの山高さ及びデッキプレートの板厚における、表3の本発明例1の耐力を表1の比較例2の耐力で除した値を示す。
表6は、本発明例1と比較例2について、同一のグリッドスパン、デッキプレートの山高さ及びデッキプレートの板厚において、表4の本発明例1の剛性を表2の比較例2の剛性で除した値を示す。
Figure 0007176141000006
Figure 0007176141000007
表5に示すように、本発明例1の耐力を比較例2の耐力で除した値が、全てのケースにおいて1.0以上となった。表6に示すように、本発明例1の剛性を比較例2の剛性で除した値が、全てのケースにおいて、1.0以上となった。
本発明例1では、第1方向Xで隣り合うデッキプレート同士を固定するとともに第2方向Yで間隔を空けて設けられる複数の釘を備える。これにより、複数のデッキプレートを並べて配置したとき、隣接したデッキプレート同士の一体性が確保できたためと考えられる。したがって、本発明例1では、比較例2よりも面内せん断耐力及び剛性を向上させることができる。
表7は、比較例1の耐力と本発明例2の耐力とを示す。表7における「〇」は、本発明例2の耐力が比較例1の耐力以上であることを示す。
表8は、比較例1の剛性と本発明例2の剛性とを示す。表8における「〇」は、本発明例2の剛性が比較例1の剛性以上であることを示す。
Figure 0007176141000008
Figure 0007176141000009
表7に示すように、全てのケースにおいて、本発明例2の耐力が比較例1の耐力以上となった。表8に示すように、全てのケースにおいて、本発明例2の剛性が比較例1の剛性以上となった。
表9は、本発明例2と比較例2について、同一のグリッドスパン、デッキプレートの山高さ及びデッキプレートの板厚において、表7に示す本発明例2の耐力を表1に示す比較例2の耐力で除した値を示す。
表10は、本発明例2と比較例2について、同一のグリッドスパン、デッキプレートの山高さ及びデッキプレートの板厚において、表8に示す本発明例2の剛性を表2に示す比較例2の剛性で除した値を示す。
Figure 0007176141000010
Figure 0007176141000011
表9に示すように、本発明例2の耐力を比較例2の耐力で除した値が、全てのケースにおいて1.0以上となった。表10に示すように、本発明例2の剛性を比較例2の剛性で除した値が、全てのケースにおいて、1.0以上となった。
本発明例2では、第1方向Xで隣り合うデッキプレート同士を固定するとともに第2方向Yで間隔を空けて設けられる複数のビス94を備える。これにより、複数のデッキプレートを並べて配置したとき、隣接したデッキプレート同士の一体性が確保できたためと考えられる。したがって、本発明例2では、比較例2よりも面内せん断耐力を向上させることができる。
また、表5に示すように、本発明例1の耐力を比較例2の耐力で除した値が3.0以上となったのは、42回であった。これに対し、表9に示すように、本発明例2の耐力を比較例2の耐力で除した値が3.0以上となったのは、114回であった。すなわち、本発明例2の耐力は、本発明例1の耐力よりも向上したといえる。表6に示すように、本発明例1の剛性を比較例2の剛性で除した値が3.0以上となったのは、81回であった。これに対し、表10に示すように、本発明例2の剛性を比較例2の剛性で除した値が3.0以上となったのは、100回であった。すなわち、本発明例2の剛性は、本発明例1の剛性よりも向上したといえる。
これは、本発明例2では、木製梁912の上面に面材92であるデッキプレートを固定するとともに第2方向Yで間隔を空けて設けられる複数のビス95を備える。このとき、本発明例2では、木製梁911には、繊維方向に沿う応力t1が作用する。また、本発明例2では、木製梁912には、繊維方向に沿う応力t2が作用する。すなわち、本発明例2では、本発明例1において木製梁911に作用するはずの繊維直交方向への応力t1を、木製梁912の繊維方向に沿う応力t2により負担させる。このように、木製梁912の繊維方向に沿う応力t2により、繊維直交方向への応力の影響を抑制し、繊維直交方向への支圧強度が弱い木材の材料特性(いわゆる異方性)を補うことができる。このため、本発明例2では本発明例1よりも面内せん断耐力及び剛性を更に向上させることができる。
100 :デッキプレート構造
1 :木製軸組
11 :第1木製梁
12 :第2木製梁
13 :木製柱
2 :デッキプレート
3 :第1固定部
4 :第2固定部
5 :第3固定部
6 :デッキプレート用固定金具
21 :篏合部
X :第1方向
Y :第2方向
Z :上下方向

Claims (7)

  1. 木製軸組と複数のデッキプレートとを備えたデッキプレート構造であって、
    前記木製軸組は、第1方向を材軸方向として配置されるとともに、前記第1方向に交わる第2方向に離間して設けられる複数の第1木製梁を有し、
    前記デッキプレートは、複数の前記第1木製梁に架設されるとともに前記第1方向に並べて設けられ、
    前記第1木製梁の上面に前記デッキプレートを固定する複数の第1固定手段と、
    前記第1方向で隣り合う前記デッキプレート同士を固定するとともに前記第2方向で間隔を空けて設けられる複数の第2固定手段と、を備え
    前記第1方向で隣り合うデッキプレート同士は、互いに篏合部を介して篏合され、
    前記第2固定手段は、前記篏合部に設けられ、前記第1木製梁から離間して設けられること
    を特徴とするデッキプレート構造。
  2. 前記第2固定手段は、軸部と前記軸部の先端に形成される頭部とを有し、
    前記軸部は、前記篏合部に貫通され、
    前記頭部は、前記篏合部の上面側に配置されること
    を特徴とする請求項1記載のデッキプレート構造。
  3. 前記木製軸組は、前記第2方向を材軸方向として配置されるとともに、前記第1方向に離間して設けられる複数の第2木製梁を有し、
    前記デッキプレートは、前記第2方向で隣接する2つの前記第1木製梁と、前記第1方向で隣接する2つの前記第2木製梁と、で囲まれる領域において、前記第1方向に複数並べて設けられ、
    前記第2固定手段は、前記第2木製梁から離間して設けられること
    を特徴とする請求項1又は2記載のデッキプレート構造。
  4. 前記木製軸組は、前記第2方向を材軸方向として配置されるとともに、前記第1方向に離間して設けられる複数の第2木製梁を有し、
    前記第2木製梁の上面に前記デッキプレートを固定するとともに前記第2方向で間隔を空けて設けられる複数の第3固定手段を備えること
    を特徴とする請求項1~3の何れか1項記載のデッキプレート構造。
  5. 前記第1木製梁の繊維方向は、前記第1方向に沿って配置され、
    前記第2木製梁の繊維方向は、前記第2方向に沿って配置されること
    を特徴とする請求項3又は4記載のデッキプレート構造。
  6. 前記デッキプレートは、屋根材として用いられること
    を特徴とする請求項1~5の何れか1項記載のデッキプレート構造。
  7. 前記デッキプレートは、床材として用いられること
    を特徴とする請求項1~6の何れか1項記載のデッキプレート構造。
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