JP5762236B2 - 建築用耐力パネル、ならびにこれを用いた建築物及び耐震性増強工法 - Google Patents
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Description
そこで本発明では、有効な面内せん断強度を有しながら変形に追従する能力の高い耐力壁パネルとすることを第一の課題とする。
よって本発明では、耐力パネルはせん断強度及びエネルギー吸収性能のバランスが取れた耐力パネルを提供することを第二の課題とする。
そこで本発明では、耐震要素として、パネルの面内方向の大きなせん断変形を有し、かつ補強に必要な耐力を有する耐力パネルを提供することを第三の課題とする。
「L/T」の値が1.85以上で、7.4以下である。
「R/L」の値が0.4以上で、1.6以下である。
「A/T」の値が3.335以上で、13.34以下である。
「L/T」の値が1.85以上で、14.8以下である。
「R/L」の値が0.4以上で、3.2以下である。
「A/T」の値が3.335以上で、26.68以下である。
図1は本実施の形態にかかる耐力パネル10の基本構成を示す斜視図であり、図2は他の実施の形態にかかる耐力パネル10を示す斜視図であり、図3は更に他の実施の形態にかかる耐力パネル10を示す斜視図である。
本実施例では、耐震性を増強する目的で変形能力が大きい場合にエネルギーの吸収を考えて変形に追従する耐震要素を付加する方法に関し、木造で多く採用される構造用合板の耐震要素に大きな面内変形能力を付加する可能性を試験したものである。
即ち、面内変形能力の向上には構造用合板に開口することが考えられるが、開口する孔の形状で大きく性能が変化することを確認するべく、孔の形状に着目し、優位性の高い形状を試験したものである。
試験体として、図4に示すように四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(50mm角)の開口部を設けた試験体(以下「四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(50mm角) 試験体」)、図5に示すように四角孔(53mm角) の開口部を設けた試験体(以下「四角孔(53mm角) 試験体」)、そして図6に示すように丸孔(直径60mm)の開口部を設けた試験体(以下「丸孔(直径60mm)試験体」)を用意し、各試験体について耐力と変位状況を確認した。なお、夫々の試験体において、開口部は6行×6列の合計64個とし、構造用合板性耐力パネル(厚さ12mmでほぼ同じ開口率)の四隅をカットしたものを準備した。また変形角の測定については、図4に示すように、試験体を土台、桁材、柱材からなる周辺材に枠材で固定した状態において、土台の高さ方向の中心から桁材の高さ方向中心までの距離を900mmとし、桁材の高さ方向中心における水平方向への移動距離から算出した。即ち当該移動量が10mmである場合には、変形角は10/900であり、1/90となる。よって変形角が1/30とは、桁材の高さ方向中心における水平方向への移動距離が3mmであり、また1/15とは、桁材の高さ方向中心における水平方向への移動距離が6mmである。
その他の要点を以下に示す。
(1) 試験体形状
図4〜6参照
(2)試験基準
(財)日本住宅・木材技術センターが発行する「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2008年版)」に準拠して行った。
試験結果より各タイプの要点を比較検討する。
(イ)1/30の変形角状況
各試験体で今回3回の押し引きの繰り返し試験を1/30の変形角でも実施したが、その際の状況を以下に示す。
・丸孔(直径60mm)試験体:
3体中2体で枠に破損が発生し、大きく面外方向に変形が確認された。十分に面内変形能力がないことが確認された。
・四角孔(53mm角) 試験体:
1体で、この前の1/50の変形角試験の段階から端部に剥離破損が生じ、1/30の段階で破損した。面外方向に変形が確認されたが、丸孔試験体より小さい変形であった。
・四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(50mm角) 試験体:
1体で、一部に亀裂を生じたが、全体として3回の繰り返し試験を終了した。面外方向に変形が確認されたが、面外方向への変形量は、四角孔試験体よりさらに小さい変形量であった。
各試験体で耐力がなくなるまで、加力してその最大変位を調べたが、その際の状況を以下に示す。
・丸孔(直径60mm)試験体:
平均最大変位 55.335mm
・四角孔(53mm角) 試験体:
平均最大変位 60.750mm
・四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(50mm角) 試験体:
平均最大変位 64.468mm
前出の設計基準で各タイプの試験体の平均短期許容応力を算出すると、以下のようになった。
・丸孔(直径60mm)試験体:
平均短期許容応力 7.268 kN
・四角孔(53mm角) 試験体:
平均短期許容応力 7.439 kN
・四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(50mm角) 試験体:
平均短期許容応力 6.360 kN
この結果から四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(50mm角)試験体の耐力が最も低いものとなった。しかし、極端に低いものではなく、今回目標とした変形能力向上の確保の目的から問題ないものと判断できる。
以上の試験結果から大きな開口を有する構造用合板の耐震要素において、四隅に丸孔を有する四角孔の試験体の変形能力向上に果たす効果は大きいことが確認された。そして面内変形量を大きくしながらも十分な耐力を有することから、四角孔(53mm角) 試験体と、四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(50mm角) 試験体においては、丸孔(直径60mm)試験体に比べても高い変形能力を具備すると共に、変形が進んでも耐力が維持されるという有効性が立証された。特に、四隅に丸孔を有する四角孔の試験体においては、この変形能力と変形時の耐力のバランスが向上することから、より望ましい耐力パネルとなることが分かった。
図7(A)に示すように、厚さ12mmの構造用合板(日本農林規格:1級)を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(40mm角) である。この試験体を図7(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図7(B)に、この表をグラフにしたものを図7(C)に示す。
図8(A)に示すように、厚さ12mmの構造用合板(日本農林規格:2級)を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(40mm角) である。この試験体を図8(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図8(B)に、この表をグラフにしたものを図8(C)に示す。
図9(A)に示すように、厚さ12mmの構造用合板(日本農林規格:1級)を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、丸孔(直径50mm)である。この試験体を図9(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図9(B)に、この表をグラフにしたものを図9(C)に示す。
図10(A)に示すように、厚さ12mmの構造用合板(日本農林規格:1級)を用いて試験体を作成した。この試験体Dは、その厚さ方向に貫通する開口部は形成されていない。この試験体を図10(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図10(B)に、この表をグラフにしたものを図10(C)に示す。
図11(A)に示すように、厚さ12mmの構造用合板(日本農林規格:1級)を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、丸孔(直径60mm)である。この試験体を図11(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図11(B)に、この表をグラフにしたものを図11(C)に示す。
図12(A)に示すように、厚さ12mmの構造用合板(日本農林規格:1級)を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔を形成していない単なる正方形(53mm角)である。この試験体を図12(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図12(B)に、この表をグラフにしたものを図12(C)に示す。
図13(A)に示すように、厚さ12mmの構造用合板(日本農林規格:1級)を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(50mm角) である。この試験体を図7(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図13(B)に、この表をグラフにしたものを図13(C)に示す。
図14(A)に示すように、厚さ12mmの構造用合板(日本農林規格:1級)を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(55mm角) である。この試験体を図14(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図14(B)に、この表をグラフにしたものを図14(C)に示す。
図15(A)に示すように、厚さ15mmの構造用合板(日本農林規格:1級)を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(55mm角) である。この試験体を図15(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図15(B)に、この表をグラフにしたものを図15(C)に示す。
図16(A)に示すように、厚さ2.3mmのスチール板を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(55mm角) である。この試験体を図16(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図16(B)に、この表をグラフにしたものを図16(C)に示す。
図17(A)に示すように、厚さ3mmのアルミニウム板を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(55mm角) である。この試験体を前記図16(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図17(B)に、この表をグラフにしたものを図17(C)に示す。
図18(A)に示すように、厚さ15mmの構造用合板(日本農林規格:1級)を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔(直径24mm)を有する四角孔(55mm角) である。この試験体を前記図16(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図18(B)に、この表をグラフにしたものを図18(C)に示す。
図19(A)に示すように、厚さ15mmの構造用合板(日本農林規格:1級)を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔(直径6mm)を有する四角孔(55mm角) である。この試験体を前記図16(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図19(B)に、この表をグラフにしたものを図19(C)に示す。
図20(A)に示すように、厚さ2.3mmのスチール板を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔(直径6mm)を有する四角孔(30mm角) である。この試験体を前記図16(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図20(B)に、この表をグラフにしたものを図20(C)に示す。
図21(A)に示すように、厚さ2.3mmのスチール板を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔(直径9mm)を有する四角孔(45mm角) である。この試験体を前記図16(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図21(B)に、この表をグラフにしたものを図21(C)に示す。
図22(A)に示すように、厚さ2.3mmのスチール板を用い、その厚さ方向に貫通する複数の開口部を縦横方向に整列させて形成した。開口部の形状は、四隅に丸孔(直径12mm)を有する四角孔(65mm角) である。この試験体を前記図16(A)に示すように試験機に設置し、桁材に対して、その長さ方向に荷重を付加し、その時の力と、面内せん断変形量を確認した。
結果の表を図22(B)に、この表をグラフにしたものを図22(C)に示す。
上記の各試験体についての実験結果から、開口部は四角形の四隅に丸孔を形成した形状であれば、より面内変形能力が高く、耐力の維持能力も高いことを確認することができた。また、スチール板を用いた試験体J,N,O,Pの実験結果から、スチール板などの金属板を用いても本発明の効果を発揮できる耐力パネルとし得ることを確認できた。
一方、単に丸い孔を形成した試験体C及びDでは、変形角1/30付近で面がい破壊が発生してしまい、耐力パネルとして十分な効果が得られなかった。
今回の実験により最も有効となったものは、以下の試験体であった。
四角孔部分の辺寸法 55mm×55mm
四隅の丸孔部分径 12mm
合板厚 15mm及び12mm
そこで、最も安定的変形性状を示した15mm厚として関係式を求めると、
厚さ:T(mm)
四角孔の辺寸法:L(mm)
四隅の丸孔直径:R(mm)
開口穴のピッチ:A(mm) とすると以下の関係式(1)〜(3)を満たすことが望ましい。
関係式(1): L=3.7×T
関係式(2): R=0.8×L
関係式(3): A=6.67×T
合板の性状の違いも考慮すると、この関係式(1)〜(3)の下限値として約50%以上、上限値として約200%以下の範囲で有効性があると考察する。
そして上記の実験で一定の効果が確認されたのは、四角孔部分の辺寸法が40mmのものであり、これは換算値72%相当となっており、上記の範囲に入っている。
依って、合板を用いた場合には、以下の関係式を満たすことが望ましい。
「L/T」の値が1.85以上で、7.4以下である。
「R/L」の値が0.4以上で、1.6以下である。
「A/T」の値が3.335以上で、13.34以下である。
鋼鈑等金属板は剛性が高く、一般的に無開口では極めて面内せん断変形は小さい。そこで上記の実験では、合板と同じ大きさの開口部からスタートし、開口部を小さくして、その数を増加された試験体で実験したところ、面内せん断変形量の増加がみられた。
合板の実験による開口部の有効バランス関係式から各要素の数値を求めると、
L=3.7×2.3=8.51≒9mm
R=0.8×2.3=1.84≒2mm
A=6.67×2.3=15.34≒16mm となる。
よって、金属板は上記関係式(1)〜(3)の下限値として約50%以上、上限値として約400%以下の範囲で有効性があると考察する。
そして上記の実験で一定の効果が確認されたのは、L=30mm、R=6mm、A=50mmであったことから、それぞれの換算率は、L:333%、R:300%、A:313%となっている。
よって金属板を用いた場合には、以下の関係式を満たすことが望ましい。
「L/T」の値が1.85以上で、14.8以下である。
「R/L」の値が0.4以上で、3.2以下である。
「A/T」の値が3.335以上で、26.68以下である。
即ち、上記の実験結果では、変形角1/20でも安定して耐力を示し、耐震壁としての試験を行っても、十分な応答値を示していた。また、最大約1/10の変形角まで一定の耐力を保持していた事が確認された。これはパネルの面内変形能力と耐力の維持能力の極めて高いということを示すものである。
その結果、木造で多く採用される構造用合板の耐震要素に大きな面内変形能力を付加することができ、建築物全般において耐震性を向上させることが可能になる。
14 切り欠き部
20 開口部
21 辺
22 角部分
Claims (5)
- 建築物における耐震性を向上させるために使用される耐力パネルであって、
規則的または不規則に配置された複数の開口部がパネルの厚さ方向に貫通しており、
各開口部は対向する辺を有すると共に、略四角形に形成された四隅の少なくとも何れかの角部分が円又は楕円形状に拡大された形状に形成されていることを特徴とする耐力パネル。
- 前記複数の開口部は、夫々の開口部の対角線上に配置されている、請求項1に記載の耐力パネル。
- 前記開口部は、当該耐力パネルの高さ方向に沿う辺と、幅方向に沿う辺とで構成されている、請求項1又は2に記載の耐力パネル。
- 耐震要素を追加することで耐震性が増強された、既存又は新築の建築物であって、
当該耐震要素として、請求項1〜3の何れか一項に記載の耐力パネルが使用されており、
当該耐力パネルは、建築物が大きく変形した場合に変形のエネルギーを吸収しながら変形に追従することを特徴とする、建築物。
- 既存又は新築の建築物に対して耐震要素を追加する建築物の耐震性増強工法であって、
曲げ強度の高い耐力パネルを柱及び横軸組材の少なくとも何れかの外側又は内側に固定する耐力パネル固定工程を含み、
当該耐力パネルが、請求項1〜3の何れか一項に記載の耐力パネルであることを特徴とする建築物の耐震性増強工法。
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