JP4296080B2 - 壁部材 - Google Patents

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Description

本発明は、十分な強度を有する壁部材と、この壁部材を既存建物の柱等に締着するための締着部材と、これらを使用して既存の壁面を耐震効果のある壁面にするための方法とに関するものである。
最近では、地震対策として壁構造に特徴を有する免震構造や、耐震構造の壁材が開発されており、壁構造に特徴を有する免震構造の従来技術としては、上階構造物と下階構造物との間に、粘性体を収容した粘性容器と、この粘性体に浸漬された粘性抵抗板で構成されたものがあった(特許文献1参照)。一方、耐震構造の壁材としては、軸組工法における基板に発泡樹脂部材を接着する構成のもの(特許文献2参照)、または、柱および梁の内面に対して変形吸収層として必要な大きさの間隙を確保してなる構成のものがあった(特許文献3参照)。
特開2001−65191号公報(3頁・図1〜図5) 特開2002−235391号公報(2頁・3頁・図1) 特開2003−314083号公報(3頁・図1)
上記の従来技術は、いずれも新しく建設される住宅における壁部材に関するものであり、既存の建物における壁構造に対して補強などを行うものではなかった。そこで、既存の建物における補強工事としては、既存の壁部材を取り壊し、柱および梁で構成される四辺形内に、耐震構造とした壁部材を新たに取り付けることが考えられている。
しかしながら、耐震構造の壁部材を新たに取り付ける場合であっても、当該壁部材がいかなる程度の強度を有するかにより、補強後の壁面の強度が左右されるため、当該壁部材の強度を向上させる必要があり、また、仮に十分な強度を有する壁部材が提供されたとしても、既存建物の柱や梁との間で固定させる際、壁部材との固定状態によっては僅かな間隙を有することとなり、現実に振動が作用する場合には、これらの間隙が変化して締着金具や壁部材に不測の外力が作用することから、不十分な補強の状態となっていた。
また、既存の壁部材に代えて新たな壁部材を取り付ける場合は、新たな壁部材を取り付けることができるスペースを得るため、当該既存の壁部材を取り壊すこととなっていた。そのため、少なくとも工事期間中は住宅内に居住することができず、また、壁部材を取り壊す際に発生する粉塵等の飛散防止や除去作業をも必要とし、作業能率がよいものとは言えないものであるとともに、工事費用が効果となるため、補強工事を断念せざるを得ない状況にあったことから、既存の壁部材を取り壊すことなく補強し得る方法の開発が切望されていた。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、既存の木造住宅における壁を補強し得る壁部材と、これを既存の建物に締着させるための締着部材と、これらを使用した補強の方法を提供することである。
そこで、壁部材にかかる本発明は、左右両側の支柱と、この支柱の上下端に横架された横架材と、上記支柱の中間に設けられた中間柱と、上記各支柱および中間柱の間で斜状に懸架された複数の補強材とからなり、上記補強材は、上記中間柱から上記左右の支柱に向かって、斜め上方に傾斜させる第一の補強材と、斜め下方に傾斜させる第二の補強材とで構成され、これら両補強材を交互に配置するとともに、隣接する補強材の先端付近を上記各支柱または中間柱の表面において接近させ、その各先端が上記各支柱または中間柱に挿入されるとともに、上記各支柱または中間柱に向かって押圧する押圧体によって、隣接する上記補強材の先端付近を同時に押圧することにより、固定してなることを特徴とする壁部材を要旨としている。
また、前記押圧体は、表面の形状を台形にしてなる四角柱状の押圧体であり、該押圧体の斜辺部分を前記第一および第二の補強材の表面に当接させてなる構成とすることができるほか、前記第一および第二の補強材が隣接する先端付近において該先端付近を同時に掛止する金属製の押圧体とすることもできる。そして、これらの各押圧体は、各支柱または中間柱を貫通するボルトおよびこれに螺合するナットによって締着される押圧体であって、該ボルトの締め付け力により該押圧体の押圧力を付与してなる構成とすることができる。
さらに、上記いずれの発明においても、中間柱および左右の支柱には、補強材の先端が挿入される位置にほぞ穴が設けられ、上記補強材の先端には、上記ほぞ穴に挿入できるほぞが設けられている構成とすることができる。この場合、ほぞ穴は、隣接する補強材の先端に設けられたほぞを同時に挿入することができるほぞ穴であることが好適である。
本発明の壁部材によれば、支柱および横架材により構成される四辺形を中間柱により二分割し、その分割されたそれぞれの四辺形に補強材を架け渡す構成であるから、十分な強度を有する壁部材を構成することができる。また、発泡合成樹脂等を使用しないことから、解体または再利用が容易となるものである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、壁部材にかかる発明の実施形態について説明すれば、本実施形態は、図1および図2に示すように、左右の支柱1,2の上端および下端に横架された横架材3,4により枠体が構成され、この枠体により構成される四辺形は、さらに、その中心を経由しつつ上記支柱1,2に平行な中間柱5によって、二つの四辺形に仕切られている。これらを構成する支柱1,2、横架材3,4および中間柱5は、いずれも木材で構成されており、釘打ちによって各部材を組み付けることもできるが、ほぞおよびほぞ穴を使用するとともに、応力が集中する四隅にはボルトとナットで固定することもできる。
ここで、上記中間柱5によって仕切られた各四辺形には補強材6,7が斜めに架け渡されており、この補強材6,7の先端は、左の支柱1と中間柱5との間、または、右の支柱2と中間柱5との間に、それぞれ架け渡されている。さらに、各補強材6,7の先端は、隣り合う補強材7,6の先端と接近した状態で各支柱1,2および中間柱5に固定されている。具体的には、各補強材6,7の両先端には、各支柱1,2および中間柱5の端面に向かって垂直に突設されたほぞ61,62,71,72がそれぞれ設けられており、各支柱1,2および中間柱5の端面には、二本の補強材6,7の先端のほぞ61,71が同時に嵌入可能なほぞ穴8が設けられているのである。
そして、上記のように、隣り合う二本の補強材6,7の先端のほぞ61,71を上記ほぞ穴8に嵌入した状態において、両補強材6,7が所定の角度を形成するようになっている。そこで、この所定角度に合致した角度を有する楔部材9が、各支柱1,2または中間柱5に向かって押圧されつつ設けられ、上記補強材6,7を安定的に固定している。この楔部材9の装着は、各支柱1,2または中間柱5を貫通するボルトによって締着され、当該ボルトの螺進によって、ナットとの締め付け力を増加させるものであり、この締め付け力により上記楔部材9に押圧力を付与するのである。
上記構成により、各部材を組み付けることにより、一枚の壁部材を構成することができ、この壁部材は、二分割された非常に狭い四辺形内に補強材6,7が斜状に組み込まれることから、上下左右の荷重に耐えることができるほか、壁部材の表面に対して斜めに作用する応力にも耐え得るものである。そして、この壁部材を新築建物の壁部材として使用すれば、耐震構造の壁面を構築することができ、また、既存の壁面に密着させつつ壁部材を取り付けることによって、既存の壁面を補強することができるのである。なお、上記支柱1,2および横架材3には、適宜間隔の貫通孔30が穿設されており、後述する本実施形態の使用時に締着部材が貫通できる構成となっている。
次に、補強材6,7の詳細について説明する。この補強材6,7は、支柱1,2などと同様に木材で構成されるものである。支柱1,2から中間柱5に向かって斜め下向きに配置される第一の補強材6と、逆に中間柱5から支柱1,2に向かって斜め下向きに配置される第二の補強材7との二種類が使用されるが、これら二種類の補強材6,7は、基本的に対称に配置されるものであるから、同一の形状のものを表裏反転させることによって、いずれの補強材6,7としても使用できるものである。しかし、説明の都合上、両者をそれぞれ第一または第二の補強材として以下に説明する。
第一の補強材6は、図3(a)に示すように、その軸線が水平な方向から所定角度αだけ傾斜させることにより、両端の端面63,64が垂直となるように当該端面63,64を斜状に形成している。そして、この状態において、当該端面63,64に突設されるほぞ61,62は、水平方向に沿って突出するように設けられている。従って、第一の補強材6を所定角度αだけ傾斜させるとき、両端面63,64は、垂直に設けられる前述の支柱1,2または中間柱5の各表面に当接できることとなるのである。そして、ほぞ61,62は、これら支柱1,2または中間柱5の各表面に対して垂直な方向に嵌入できることとなるのである。
また、この補強材6の両側先端ほぼ中央から、ほぞ61,62の突出方向に向かって、断面半円形状の凹部65,66が設けられており、楔部材9(図1)を装着する際に、支柱1,2または中間柱5を貫通するボルトの通過を許容するものである。
一方、第二の補強材7は、図3(b)に示すように、その軸線を上記第一の補強材6とは反対の方向に所定角度βだけ傾斜さけることにより、両端の端面73,74を垂直にし、また、ほぞ71,72を水平に突出させることができるものである。従って、この補強材7を所定角度βだけ傾斜させて配置する際、両端面73,74を支柱1,2または中間柱5の表面に当接できるのである。また、この補強材7においても、両側の先端ほぼ中央には、第一の補強材6と同様に、断面半円形状の凹部75,76が設けられており、ボルトの通過を許容している。
上記二種類の補強材6,7を共通する構成とするためには、上記傾斜すべき所定角度α,βをともに45°となるように構成し、かつ、ほぞ61,62,71,72をそれぞれ幅方向中央に設けることにより、表裏を反転させることにより両者兼用することができる。
本実施形態における補強材6,7は、上記のような構成であるので、例えば、支柱1に二本の補強材6,7を固定する場合、支柱1には設けられるほぞ穴8に二つのほぞ62,72を同時に嵌入するのである。ここで、ほぞ穴8の周辺にの構造について詳述すれば、支柱1を代表例とする図4に示すように、ほぞ穴8は、支柱1の内側表面11に設けられ、さらに、ほぞ穴8の底部81から支柱1の外側表面12に至る範囲に、貫通孔82が穿設されている。この貫通孔82は、固定用のボルトを貫挿させるためのものであり、ボルトの外径と同程度の径を有する円形の貫通孔である。さらに、支柱1の外側表面12には、ボルトの頭部受け部83が凹状に設けられており、補強材6,7を装着する際に使用したボルトの頭部が当該支柱1の外側表面12から外方に突出しないようになっている。
上記のような構成の支柱1に対して、補強材6,7を固定する場合は、両補強材6,7のほぞ62,72を支柱1のほぞ穴8に挿入し、各端面64,74を支柱の内側表面11に当接させるのである。さらに、両補強材6,7の傾斜角度α,βによって構成される対向斜面67,77には、上述の楔部材9が当接されるのである。この楔部材9は、図5(a)に示すように、木材を四角柱状に加工してなるものであって、正面の形状を台形としてなる構成である。特に、本実施形態では、図5(b)に示すように、正面の形状が、直角二等辺三角形の頂点付近を切除してなる台形としているので、台形の斜辺部分91,92の延長線上における交点が直交するようになっている。そこで、二つの斜辺部分91,92の表面をそれぞれ補強材6,7の対向斜面67,77に当接することによって、二つの補強材6,7の所定角度α(45°),β(45°)からなる角度(90°)に一致するのである。また、上底部分93と下底部分94との間には、両表面の中央を貫通する貫通孔95が穿設されている。
従って、両補強材6,7を固定する場合は、支柱1のほぞ穴8に二つの補強材6,7のほぞ62,72を同時に嵌入し、さらに、両者の対向斜面67,77に楔部材9の斜辺部分91,92を当接しつつ、この楔部材9を支柱1の方向に押圧するのである。この場合、図6に示すように、締着ボルト10は、支柱1の外側表面12に設けられた頭部受け部8から挿入し、このボルト10は、支柱1の貫通孔82(図4)、両補強材6,7の凹部66,76および楔部材9の貫通孔95をそれぞれ通過し、楔部材9の下底部分94から突出するように挿通される。そして、この楔部材9の下底部分94においてナット20を螺合させることによって、楔部材9を締着するのである。
上記のようにして、楔部材9を締着したボルト10を締め付けることにより、ナット20との距離を短くすることができ、このときの締着力が、楔部材9の押圧力に変化する。従って、楔部材9が支柱1に引き寄せられ、楔部材9の二つの斜辺部分91,92が、補強材6,7の対向斜面67,77を支柱1の方向および上下方向に移動させるように作用し、結果的には、ほぞ62,72をほぞ穴8の内部に安定的に固定させることができるのである。このように、楔部材9は、補強材6,7の先端付近を支柱1,2または中間柱5に向けて押圧する押圧体として機能するもののである。
なお、中間柱5に対して固定する場合は、その両側において補強材6,7が固定されるものであるから、図7に示すように、同じ高さの反対側表面に同種のほぞ穴8を設け、同じ高さで補強材6,7の先端がそれぞれ嵌入され、双方に設けられる楔部材9の両側から締着ボルト10とナット20で締め付けることにより同時に固定させることができるものである。
壁部材にかかる実施形態は、以上のとおりであるから、比較的狭く区切られた四辺形の内部において補強部材6,7が斜状に固定される構造となり、壁部材として非常に強度を有することとなる。ここで、従来の壁部材と比較すべく、図8に示すような筋交いをタスキ掛けした構成の壁部材と、上記構成の実施形態について強度試験を実施した。試験は、いずれの壁部材についても同じ条件下であり、いずれも下方の横架材を固定し、上方の横架材について当該横架材の長手方向に沿った方向に荷重を付与し、支柱の長さに対する横架材の移動距離の割合が1/100となるまで荷重を加えたときの荷重の大きさによって比較した。従来の筋交いタスキ掛け構造は、1179kgであったのに対し、本実施形態の構造では1964kgであった。すなわち、約1.6倍の強度を有することが判明したのである。
次に、上記壁部材にかかる実施形態を使用する場合の態様について説明する。上述したように、上記壁部材の支柱1,2および上部横架材3には、壁部材の表面に対して垂直な方向の貫通孔30が予め穿設されている。この貫通孔30は、図9に示すように、僅かにテーパ状になっており、テーパ状の胴部を有する締着部材が密着して挿通できるようになっている。
ここで、締着部材にかかる実施形態を説明すれば、本実施形態は、図9に示すように、テーパ状の胴部41の先端にネジ部42が螺刻されており、また、他端には当接部43および頭部44が設けられている。テーパ状の胴部41は、当接部43からネジ部42に向かって徐々に小径となる先細りのテーパとなっており、ネジ部42は、均等な径によるネジ溝が刻設されているものである。また、このネジ部42の外径は、胴部41のテーパの最も小径と同一か、または、それ以下の小径としており、上述のような支柱1,2または中間柱5に設けられる貫通孔30に、締着部材40を挿通させる際の障害を回避させている。また、胴部41のテーパは、上記貫通孔30のテーパと同様の傾斜で設けられ、貫通孔30に挿通させたとき、胴部41の表面が貫通孔30の内部表面に密着できるようになっている。なお、胴部41の最も大きい径は、貫通孔30の最も大きい径よりも僅かに大径としており、締着部材40を貫通孔30に強く圧入することによって、両表面が緊密に接することができるようにしている。
また、この締着部材40の当接部43は、締着部材40の貫通孔30に対する圧入の際、過度に侵入することを防止するとともに、支柱1,2または中間柱5の表面に当接して、ネジ部42が螺入する被締着物との間で当該支柱1,2または中間柱5を挟持するものである。また、この当接部43を中間にして胴部41の反対側に設けられる頭部44は、正六角柱状に形成されており、六角レンチを使用して回転させることができるようになっている。従って、この締着部材40を使用する場合には、六角レンチ等により回転させてネジ部42を螺進させるのである。なお、ネジ部42の螺進のために締着部材40を回転させる場合、胴部42は貫通孔30に密着しているものの、この密着度は締着部材40の軸線方向に対して強固であるが、周方向には摩擦抵抗のみによるため、回転させることが可能となっている。
このような構成の締着部材40を使用することにより、図10に示すように、既存の壁面に対して、その全面に本発明の壁部材Aを重ね合わせ、この状態で、既存の壁面が設けられている柱50および梁60に締着部材40で締着することにより、既存の壁面を補強するのである。このとき、本発明の壁部材Aの支柱1,1は、既存の壁面を支えている柱50に当接でき、また、壁部材Aの横架材3は、既存の壁面の上部に横架されている梁60に当接できるように、壁部材Aの大きさが調整されているのである。従って、本発明の壁部材Aの支柱1,2は既存の建物の柱50に、横架材3は梁60にそれぞれ固定されることとなる。
このように、建物の基本を形成する柱50および梁60に強固に固定される壁部材Aを補強すべき既存の壁面に設けることにより、既存の壁面を取り壊すことなく建物の壁面を補強することができるのである。
次に、第二の使用の態様について説明する。この使用態様は、既存の壁面を取り壊したうえで、本発明の壁部材を装着する場合である。図11に示すように、既存の壁面を取り壊した場合、建物の基本を形成する柱50および梁60によって四辺形状の枠が構成されており、この四辺形の枠内に、本発明の壁部材を嵌め込むのである。この場合の締着方法は、壁部材の支柱1,2および横架材3,4には、予め内側から外側に向けてテーパを構成する貫通孔30が穿設され、この貫通孔30に締着部材40を挿通して、その周辺に位置することとなる柱50および梁60との間で締着させるのである。
このように構成する場合、締着された壁部材は、既存の建物の柱50および梁60によって包囲されることとなるから、各部材50,60に対して作用する外力を壁部材によって支えることが可能となり、一層強固な固定が可能となる。また、このような締着方法は、新築建物における壁部材の固定方法においても採用し得るものである。
次に、壁部材にかかる本発明の第二の実施形態について説明する。図12に示すように、本実施形態では、第一の補強材6および第二の補強材7のほかに、第三の補強材106および第四の補強材107を使用するものである。この第三および第四の補強材106,107は、左右の支柱1,2と横架材3,4との間に懸架されるものである。つまり、横架材3,4の間隔が長くなった場合に、第一および第二の補強材6,7のみでは、横架材3,4の付近が十分補強されない状態となるのを回避するのである。
この場合、第三および第四の補強材106,107の一端は、支柱1,2において楔部材9により押圧されるが、他端は、横架材3,4のほぞ穴に嵌入される状態となっている。しかしながら、横架材3,4は、第一の実施形態のように、左右の支柱1,2との間でほぞおよびボルト等を使用して強固に固定されるため、ほぞ穴に嵌入された補強材106,107の他端は、強固に固定されるものである。
次に、押圧体にかかる第二の実施形態について説明する。本実施形態は、図13(a)に示すように、中央に貫通孔195を穿設してなる本体部190の両端に掛止部191,192を有してなるものである。本体部全体は、金属製の板材を折曲して構成されており、湾曲部分の両側にはリブ196,197が設けられて、曲げ方向の強度を増している。そして、この両端の掛止部191,192は、同一方向に折曲されており、図13(b)に示すように、補強材106,107の所定個所に掛止溝161,171を予め設けることにより、当該掛止溝161,171に上記係止部191,192を掛止することができるのである。この状態で、楔部材9と同様に貫挿されるボルト110と、これに螺合するナット120とによって締め付けられることにより、押圧体の全体が支柱1,2の方向に引き寄せられ、これによって補強材106,107を支柱1,2に押圧することができるのである。この押圧体による押圧は、上述の楔部材9とは異なり、補強材106,107を上下方向に移動させる向きに作用するものではないが、支柱1,2のほぞ穴に嵌入するほぞを強固に押圧することによって、各補強材106,107を強固に固定することができるのである。
なお、上記いずれの部材および構成による壁部材においても、組立に際しては、考慮を要するものである。すなわち、補強材6,7,106,107は、支柱1,2および中間柱5または横架材3,4との間で斜状に配置されるものの、ほぞ穴に対して垂直方向にほぞを嵌入させることから、嵌入方向への力の作用が不完全となる可能性があるからである。そこで、組立に際しては、例えば、片方の支柱1および片方の横架材3で構成されるL字部分を固定し、全ての補強材6,7,106,107をセッティングしたうえで、残る他方の支柱2および他方の横架材4を徐々に移動させて、全体を同時に組み立てる方法が考えられる。そして、このように移動させる側の支柱2および横架材4には、組み付けされた状態を維持するための所望の圧力を与えつつ、各部間のボルト等を螺着させるのである。
本発明の実施形態は以上のとおりであるが、本発明の範囲内において種々の態様をとることは可能である。例えば、壁部材にかかる実施形態において、既存の建物の壁面に重ねて壁部材を固定する補強方法には、壁部材を構成する支柱1,2の長さを自由に調整することができることが簡便である。そこで、図14に示すように、例えば、支柱1,2の上端を切断しない長尺なものとし、補強すべき壁面の長さ寸法に応じて、この支柱1,2を切断し得る形態とすることも可能である。また、締着部材40による壁部材の締着は、その数に制限はないため、補強に十分な程度の数を使用すればよい。
壁部材の実施形態を示す分解斜視図である。 壁部材の実施形態を示す正面図である。 (a)は第一の補強材を示す説明図、(b)は第二の補強材を示す説明図である。 ほぞ穴とほぞの関係を示す説明図である。 楔部材の説明図である。 支柱と補強材との固定状態を示す説明図である。 中間柱と補強材との固定状態を示す説明図である。 従来の壁部材を示す正面図である。 締着部材の実施形態を示す説明図である。 使用方法にかかる実施の状態を示す説明図である。 第二の使用方法にかかる実施の状態を示す説明図である。 壁部材の第二の実施形態を示す正面図である。 (a)は押圧体の第二の実施形態を示す斜視図、(b)はその使用状態を示す説明図である。 壁部材の他の実施形態を示す正面図である。
符号の説明
1,2 支柱
3,4 横架材
5 中間柱
6,7,106,107 補強材
8 ほぞ穴
9 楔部材
10,110 貫通ボルト
20,120 ナット
30 貫通孔
40 締着部材
41 胴部
41 ネジ部
42 当接部材
43 頭部
61,62,71,72 ほぞ
63,64,73,74 端面
65,67,75,76 凹部
67,77 対向斜面
91,92 斜辺部分
95,195 貫通孔
190 押圧体本体
191,192 掛止部
196,197 リブ

Claims (6)

  1. 左右両側の支柱と、この支柱の上下端に横架された横架材と、上記支柱の中間に設けられた中間柱と、上記各支柱および中間柱の間で斜状に懸架された複数の補強材とからなり、上記補強材は、上記中間柱から上記左右の支柱に向かって、斜め上方に傾斜させる第一の補強材と、斜め下方に傾斜させる第二の補強材とで構成され、これら両補強材を交互に配置するとともに、隣接する補強材の先端付近を上記各支柱または中間柱の表面において接近させ、その各先端が上記各支柱または中間柱に挿入されるとともに、上記各支柱または中間柱に向かって押圧する押圧体によって、隣接する上記補強材の先端付近を同時に押圧することにより、固定してなることを特徴とする壁部材。
  2. 前記押圧体は、表面の形状を台形にしてなる四角柱状の押圧体であり、該押圧体の斜辺部分を前記第一および第二の補強材の表面に当接させてなる請求項1記載の壁部材。
  3. 前記押圧体は、前記第一および第二の補強材が隣接する先端付近において該先端付近を同時に掛止する金属製の押圧体である請求項1記載の壁部材。
  4. 前記押圧体は、前記各支柱または中間柱を貫通するボルトおよびこれに螺合するナットによって締着される押圧体であって、該ボルトの締め付け力により該押圧体の押圧力を付与してなる請求項1ないし3のいずれかに記載の壁部材。
  5. 前記中間柱および左右の支柱には、前記補強材の先端が挿入される位置にほぞ穴が設けられ、上記補強材の先端には、上記ほぞ穴に挿入できるほぞが設けられている請求項1記載の壁部材。
  6. 前記ほぞ穴は、隣接する前記補強材の先端に設けられたほぞを同時に挿入することができるほぞ穴である請求項5記載の壁部材。
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