JPH11131590A - 筋かい固定金具および筋かい固定方法 - Google Patents

筋かい固定金具および筋かい固定方法

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JPH11131590A
JPH11131590A JP31594297A JP31594297A JPH11131590A JP H11131590 A JPH11131590 A JP H11131590A JP 31594297 A JP31594297 A JP 31594297A JP 31594297 A JP31594297 A JP 31594297A JP H11131590 A JPH11131590 A JP H11131590A
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Hiroyuki Nagao
弘行 永尾
Taku Mikawa
卓 三川
Kaoru Kimura
薫 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筋かいの下端部を柱等の鉛直材と土台等の横
架材との隅角部に固定するための筋かい固定金具におい
て、床工事が先に行われる場合においても筋かいの下端
部を上記隅角部に容易に固定可能とする。 【解決手段】 筋かい固定金具10の筋かい当接部12
には、筋かい固定用の釘20を挿通させるための複数の
挿通孔12cが形成されるが、上記筋かい当接部12
の、土台6に床パネル8が載置されたとき該床パネル8
の上面8aよりも下方に位置する下部領域12Aは、上
記釘孔12cが形成されない挿通孔非形成領域として設
定しておく。これにより、上記床パネル8を上記土台6
に載置したとき上記複数の釘孔12cをすべて上記床パ
ネル8の上面8aよりも上方に露出させ、これら各釘孔
12cを介して釘20を上記筋かい2に容易に打付可能
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、木造の軸組構造
において、筋かいの下端部を鉛直材と横架材との隅角部
に固定するために用いられる筋かい固定金具、および該
筋かい固定金具を用いた筋かい固定方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、木造の軸組構造では、柱や間柱
等の鉛直材と梁や胴差や土台等の横架材とで囲まれる矩
形枠体内に筋かいを設けることにより、構造体に作用す
る水平力に対して抵抗力を増強し、構造体の過大な変形
や倒壊を防止するようにしている。
【0003】上記筋かいは、その上下両端部において上
記鉛直材と上記横架材との隅角部に固定されるが、筋か
いの下端部を上記隅角部に固定する金具として、従来よ
り、図8に示すような筋かい固定金具100が知られて
いる。この筋かい固定金具100は、鋼板の折り曲げ加
工品であって、平板状の筋かい当接部102と、この筋
かい当接部102の直角をなす二つの端縁からそれぞれ
垂直に延出する鉛直材当接部104および横架材当接部
106とからなっている。そして、上記筋かい当接部1
02には、釘・ビス等を挿通する複数の孔102aが形
成されるとともに、上記鉛直材当接部104および横架
材当接部106には、複数のビス孔104a、106a
が各々形成されている。
【0004】そして、図9に示すように、上記鉛直材当
接部104および横架材当接部106を、隅角部Cにお
いて鉛直材(柱)4および横架材(土台)6に各々当接
させた状態で、上記各ビス孔104a、106aを介し
て鉛直材4および横架材6にビス18を固定するする。
一方、筋かい2は鉛直材当接部104および横架材当接
部106の折り曲げられた内側または鉛直材4および横
家財6に直接突き当てられ、側面が筋かい当接部102
に押し当てられる。そして、筋かい当接部102の孔1
02aを介して上記筋かい2に釘20を打ち付けること
等により、上記筋かい2を固定するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の筋かい固定金具100においては、上記筋かい当接
部102に形成された複数のビス孔または釘孔102a
が、該筋かい当接部102の全域にわたってほぼ均一に
分布するように形成されているので、次のような問題が
ある。図9に示すように、居室部分には床材8が配設さ
れるが、このような床材は、筋かいや間柱等のいわゆる
端柄材を建て込む前に設置しておくと、作業性が向上す
るという利点があるとともに、安全性を確保するために
も望ましい。しかしながら、このような床工事が先に行
われると、床材は一般に横架材の上面より上に設けられ
るために、上記筋かい固定金具の複数のビス孔または釘
孔102aのうち上記筋かい当接部102の下部領域に
位置するいくつかのビス孔または釘孔102aは上記床
材8の上面8aよりも下方に隠れてしまい、釘打ち等の
固定作業を行うことが不可能あるいは極めて困難にな
る、という問題がある。
【0006】本願発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、床工事が先に行われる場合において
も、筋かいの下端部を鉛直材と横架材との隅角部に容易
にかつ強固に固定することができる筋かい固定金具およ
び筋かい固定方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明は、筋かい当接
部に形成される複数のビス孔または釘孔(より一般的に
は挿通孔)の形成領域に工夫を施すことにより、上記目
的達成を図るようにしたものである。すなわち、本願発
明に係る筋かい固定金具は、請求項1に記載したよう
に、筋かいの下端部を鉛直材と横架材との隅角部に固定
する金具であって、ほぼ平板状の筋かい当接部と、この
筋かい当接部の一端縁からほぼ垂直に延出する鉛直材当
接部と、上記筋かい当接部の鉛直材当接部が延出する端
縁と直角に隣り合う端縁からほぼ垂直に延出する横架材
当接部とを備え、上記筋かい当接部に、筋かい固定用部
材を挿通するための複数の挿通孔が形成されてなる筋か
い固定金具において、 該筋かい固定金具が鉛直材の側
面と横架材の上面とに当接されたときに、上記筋かい当
接部の、上記横架材より上方に支持される床材の上面よ
りも下方に位置する部分が、上記挿通孔が形成されない
挿通孔非形成領域として設定されている、ことを特徴と
するものである。
【0008】また、本願発明に係る筋かい固定方法は、
請求項7に記載したように、 上記筋かい固定金具を用
いた筋かい固定方法であって、 上記筋かい固定金具を
鉛直材と横架材との隅角部に固定した後、上記隅角部に
対応する部位に筋かい挿入用の切欠き部が形成された床
材を上記横架材またはこれに支持された部材に固定し、
その後、上記筋かいの下端部を上記切欠き部に挿入する
とともに上記筋かい当接部に当接させた状態で、上記複
数の挿通孔に上記筋かい固定用部材を挿通させて上記筋
かいを上記筋かい固定金具に固定する、ことを特徴とす
るものである。
【0009】上記「鉛直材」はほぼ鉛直方向に立設され
るものであれば特定の部材に限定されるものではなく、
例えば柱、間柱等がこれに該当し、また、上記「横架
材」は、ほぼ水平方向に配置されるものであれば特定の
部材に限定されるものではなく、例えば梁、胴差、土台
等がこれに該当する。上記「筋かい当接部」、「鉛直材
当接部」および「横架材当接部」は、1枚の金属板に折
り曲げ加工等を施すことにより一体形成された構成とし
てもよいし、複数の金属板に溶接等の接合あるいは機械
的締結等を施すことにより一体に形成された構成として
もよい。
【0010】上記各「挿通孔」は、上記筋かい固定用部
材を挿通させることが可能なものであれば、その形状、
孔径等は特に限定されるものではない。また、上記「筋
かい固定用部材」は、筋かいを筋かい当接部に固定する
ことが可能なものであれば、特定種類の部材に限定され
るものではなく、例えば、釘、ビス、ボルト等が採用可
能である。
【0011】(作用)上記構成に示すように、本願発明
に係る筋かい固定金具は、その筋かい当接部に、筋かい
固定用部材を挿通させるための複数の挿通孔が形成され
ているが、横架材またはこれに支持される部材に床材が
取り付けられたとき、該床材の上面よりも下方に位置す
る下部領域は、上記挿通孔が形成されない挿通孔非形成
領域として設定されている。このため、筋かいを設ける
前に床材の設置を行った場合においても、上記複数の挿
通孔はすべて上記床材の上面よりも上方に露出すること
となる。したがって、上記複数の挿通孔に上記筋かい固
定用部材を挿通させて上記筋かいの固定を行うことが容
易に可能となる。そして、これにより上記筋かいの下端
部の上記隅角部に対する結合強度を十分に確保すること
ができる。このように本願発明によれば、床工事が先に
行われる場合においても、筋かいの下端部を鉛直材と横
架材との隅角部に容易に固定することができる。
【0012】また、上記床材の上面の位置は、通常、横
架材の上面から30mm程度以上高い位置となるので、
請求項2に記載したように、上記筋かい当接部の、横架
材当接部が延出する端縁から少なくとも30mm程度の
高さ位置までの領域を、上記挿通孔非形成領域として設
定するのが望ましい。
【0013】上記構成において、上記「筋かい当接部」
の形状は特に限定されるものではないが、請求項3に記
載したように、該筋かい当接部の上記挿通孔非形成領域
よりも上方に位置する領域を、挿通孔非形成領域よりも
広幅に形成すれば、複数の挿通孔を該領域において広範
囲にわたって分布させ、筋かいを広い面積で固定するこ
とができるので、筋かいの隅角部への結合強度を高める
ことができる。しかも、このような作用または効果を、
上記床材に形成される筋かい挿入用の切欠き部の大きさ
を必要以上に大きくすることなく得ることができる。
【0014】さらに、請求項4に記載したように、鉛直
材当接部の延出幅が挿通孔非形成領域より上方の部分で
狭くなっているので、鉛直材当接部の端縁を居室側の柱
側面に合わせて取り付けた場合にも、床面より上の部分
では鉛直材当接部の端縁が柱側面より奥まった位置とな
り、柱側面より壁面を後退した位置に形成しても、この
筋かい固定金具が居室側に露出するのを回避できる。
【0015】また、上記構成において、請求項5に記載
したように、上記筋かい固定金具を、上記鉛直材当接部
または横架材当接部に突き合わせ部を有する折り曲げ加
工品として構成すれば、次のような作用または効果を得
ることができる。すなわち、上記筋かい固定金具は、そ
の筋かい当接部のいずれの面に筋かいを当接させるよう
にしてもよいが、上記横架材と鉛直材との隅角部近傍部
位にホールダウン金具が設けられている場合等のよう
に、上記筋かい当接部の内側の面(すなわち上記鉛直材
当接部および横架材当接部が延出する側の面)に当接さ
せて使用せざるを得ない場合がある。このような場合、
図8に示す従来の筋かい固定金具100のように、上記
横架材当接部106の側端縁から垂直に延長形成された
舌状片106bが上記鉛直材当接部104の内面に重ね
合わされた構成になっていると、図9に示すように、上
記筋かい2の下端部2aと上記鉛直材当接部104およ
び横架材当接部106との密着性が不十分となり、上記
筋かい2にガタツキが発生しやすくなる。そこで、請求
項5に記載したように、上記筋かい固定金具を、上記鉛
直材当接部または横架材当接部に突き合わせ部を有する
折り曲げ加工品として構成すれば、製造価格を低廉に抑
えるとともに、上記筋かいの下端部と上記鉛直材当接部
および横架材当接部との密着性を高めることができ、こ
れにより上記筋かいの軸力が確実に作用し、柱や横架材
で構成される枠体の変形を拘束する機能が確実に発揮さ
れる。
【0016】さらに、請求項6に記載したように、上記
鉛直材当接部における上記各ビス孔の周縁部位を鉛直材
当接面側に凹むように形成するとともに、上記横架材当
接部における上記各ビス孔の周縁部位を横架材当接面側
に凹むように形成しておけば、上記鉛直材あるいは横架
材に固定されたビスの頭が上記鉛直材当接部あるいは横
架材当接部の内面に突出する(図9参照)のを、防止す
ることあるいは最小限に抑えることが可能となる。これ
により、上記筋かいの下端部と上記鉛直材当接部および
横架材当接部との密着性を一層高めることができる。
【0017】また、本願発明に係る筋かい固定方法は、
請求項7に記載したように、筋かいや間柱等のいわゆる
端柄材を建て込む前に床材を設置しているので、上記端
柄材を建て込む作業等を効率よくかつ安全に行なうこと
が可能となる。また、上記床材は、鉛直材と横架材との
隅角部に対応した位置に切欠き部が形成されているの
で、床材が設置された後であっても筋かいをこの切欠き
部に挿入して固定することができる。このとき隅角部に
固定されている筋かい固定金具の筋かい当接部に設けら
れた挿通孔は床材の上面より上に位置しているので、こ
の挿通孔を利用して筋かいを容易に固定することが可能
となる。そして、これにより上記筋かいの下端部の上記
隅角部に対する結合強度を十分に確保することができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本願発明に係る筋かい固定
金具および筋かい固定方法の一実施形態について説明す
る。図1は、本実施形態に係る筋かい固定金具10を示
す平面図(a)、正面図(b)および側面図(c)であ
り、図2は、その斜視図である。また、図3は、図1中
に示すIII-III 線における断面図であり、図4は、上記
筋かい固定金具10により筋かい2の下端部2aを柱4
と土台6との隅角部Cに固定する際の状態を示す斜視図
である。これらの図に示すように、上記筋かい固定金具
10は、厚さ2.5mmの鋼板からなる折り曲げ加工品
であって、上記筋かい2の下端部2aの側面に当接する
筋かい当接部12と、上記柱4等の鉛直材の側面に当接
する鉛直材当接部14と、上記土台6等の横架材の上面
に当接する横架材当接部16と、で構成されている。
【0019】上記筋かい当接部12は、平板状で縦長に
形成されており、その全高は150mmである。この筋
かい当接部12は、その下端縁12aから高さ35mm
までの下部領域12Aは幅75mm一定で形成されてお
り、高さ50mmを超える上部領域12Bは、幅90m
m一定で形成されており、その間の中間領域12Cは、
上方に向けて幅75mmから幅90mmに広がるように
形成されている。この筋かい当接部12には、直径5.
5mmの複数(7つ)の釘孔12cが形成されている。
これら複数の釘孔12cは、すべて上記上部領域12B
に形成されている。
【0020】上記鉛直材当接部14は、その全領域が上
記筋かい当接部12の側端縁12bから垂直に延出する
ように折り曲げ形成されている。一方、上記横架材当接
部16は、上記筋かい当接部12の下端縁12aから垂
直に延出するように折り曲げ形成された領域16Aと、
上記鉛直材当接部14の下端縁14aから垂直に延出す
るように折り曲げて形成された領域16Bとからなって
いる。上記横架材当接部16の2つの領域16Aおよび
16Bは、同一平面上に形成されるとともに、互いに対
向する端面が、僅かな間隔をおいて折れ線状の突き合わ
せ部16aを構成している。
【0021】上記鉛直材当接部14および横架材当接部
16には、直径5.5mmの複数のビス孔14bおよび
16bが各々形成されている。図3に示すように、上記
鉛直材当接部14における上記各ビス孔14bの周縁部
位14cは、鉛直材当接面側に凹むように形成されてお
り、また、上記横架材当接部16における上記各ビス孔
16bの周縁部位16cも同様に、横架材当接面側に凹
むように形成されている。そして、これにより上記各ビ
ス孔14bおよび16bにビス18を挿通してこの筋か
い固定金具を上記柱4および土台6に固定したとき、該
ビス18の頭18aが上記鉛直材当接部14および横架
材当接部16の内面に突出するのを防止するようになっ
ている。
【0022】次に、上記筋かい固定金具10を用いた筋
かい固定方法を、図4および5に基づいて説明する。ま
ず、図4に示すように、上記筋かい固定金具10を柱4
と土台6との隅角部Cに配置して、その鉛直材当接部1
4および横架材当接部16を上記柱4の側面および上記
土台6の上面に当接させる。そして、ビス孔14bおよ
び16b(図2参照)にビス18を挿入して該ビス18
を上記柱4および土台6にねじ込むことにより、上記筋
かい固定金具10を上記隅角部Cに固定する。
【0023】次に、図5に示すように、上記隅角部Cに
対応する部位に筋かい挿入用の切欠き部8bが形成され
た床パネル8を上記土台6またはこれに支持される大引
き、根太等の上に設置する。なお、この実施形態では床
材として床パネル8を用いているが、これに代えて、根
太上に床板材を取り付ける構造等を採用することもでき
る。その後、上記筋かい2の下端部2aを上記切欠き部
8bに挿通し、上記筋かい固定金具10の鉛直材当接部
12、横架材当接部14および筋かい当接部16に当接
させる。この状態で、上記複数の釘孔12cに釘等を挿
通し、上記筋かい2に釘20を打ち付けて、該筋かい2
の下端部2aを柱と土台との隅角部に固定する。
【0024】上記筋かい固定金具10は、その筋かい当
接部12に複数の釘孔12cが形成されているが、上記
床パネル8が設置されたとき該床パネル8の上面8aよ
りも下方に位置する上記下部領域12Aは、上記釘孔1
2cが形成されない挿通孔非形成領域として設定されて
いるので、上記筋かい2を設ける前に上記床パネル8の
設置を行うようにした場合においても、上記複数の釘孔
12cはすべて上記床パネル8の上面8aよりも上方に
露出することとなる。したがって、上記複数の釘孔12
cに上記釘20を挿通させて上記筋かい2に打ち付ける
ことが容易となる。そして、これにより上記筋かい2の
下端部2aの上記隅角部Cに対する結合強度を十分に確
保することができる。このように本実施形態によれば、
床工事が先に行われる場合においても、筋かいの下端部
を柱4と土台6との隅角部に容易かつ強固に固定するこ
とができる。
【0025】また、本実施形態においては、上記複数の
釘孔12cが形成された上部領域12Bが上記下部領域
12Aよりも広幅に形成されており、上記複数の釘孔1
2cは該上部領域12Bにおいて広範囲にわたって分布
し、上記筋かい2を広い面積で固定して該筋かい2の上
記隅角部Cへの結合強度を高めることができる。しか
も、このような作用または効果を、上記床パネル8に形
成される筋かい挿入用の切欠き部8bの大きさを必要以
上に大きくすることなく得ることができる。
【0026】さらに、本実施形態においては、上記筋か
い固定金具10を、その横架材当接部16に突き合わせ
部16aを有するように折り曲げ加工して構成すること
により、上記鉛直材当接部14および横架材当接部16
の各内面に段差が生じないようにしている。また、上記
鉛直材当接部14および横架材当接部16の各ビス孔1
4b、16bの周縁部位14c、16cを各々鉛直材当
接面側および横架材当接面側に凹むように形成すること
により、上記柱4および土台6に固定されたビス18の
頭18aが上記鉛直材当接部14あるいは横架材当接部
16の内面に突出しないようにしている。このため、上
記筋かい2の下端部2aと上記鉛直材当接部14および
横架材当接部16との密着性を極めて高いものとするこ
とができ、これにより上記筋かい2の軸力によって、柱
および横架材からなる矩形枠体の変形をより確実に拘束
することが可能となる。
【0027】次に、上記実施形態の変形例について説明
する。図6は、上記実施形態の第1の変形例を示す斜視
図である。図示のように本変形例は、上記実施形態に対
して上記筋かい固定金具10の上記隅角部Cへの固定位
置が異なっている。すなわち、上記実施形態において
は、上記鉛直材当接部14および横架材当接部16の端
縁が上記柱4および土台6の側面と同一平面内に位置す
るようにして上記筋かい固定金具10が固定されている
が、本変形例においては、上記筋かい当接部12の外面
が上記柱4および土台6の側面と同一平面内に位置する
ように固定されている。本変形例においては、上記床パ
ネル8における筋かい挿入用の切欠き部8bの形成位置
を上記実施形態とは異なったものとする必要はあるもの
の、上記実施形態と同様の作用または効果を得ることが
できる。
【0028】図7は、上記実施形態の第2の変形例を示
す斜視図である。図示のように本変形例は、上記実施形
態とは上記筋かい2の下端部2aの固定位置が異なって
いる。すなわち、上記実施形態においては、上記筋かい
2の下端部2aが上記筋かい当接部12に対してその内
側に当接する場合について説明したが、本変形例におい
ては、上記筋かい2の下端部2aが上記筋かい当接部1
2に対してその外側に当接している。本変形例において
は、上記筋かい2の下端部2aが上記鉛直材当接部14
および横架材当接部16の内面ではなく、上記柱4およ
び土台6に直接当接することとなり、また上記釘20の
打ち付け方向が上記実施形態とは逆になり、さらに上記
床パネル8の筋かい挿入用の切欠き部8bの形状が上記
実施形態とは異なったものとなるが、上記実施形態と同
様の作用または効果を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る筋
かい固定金具では、取り付けられたときに床面より下に
位置する部分が挿通孔非形成領域となっており、この筋
かい固定金具と筋かいとを固定するための挿通孔は床面
より上に位置する。このため、床材を設置した後に筋か
いを建て込む場合にも、ビス、釘等の筋かい固定用部材
を上記挿通孔に通して容易に筋かいに留め付けることが
可能となる。また、本願発明に係る筋かい固定方法で
は、筋かいや間柱等のいわゆる端柄材を建て込む前に床
材を設置するので、端柄材を建て込む作業等を効率よく
安全に行なうことができる。また、柱等の鉛直材と土台
等の横架材との隅角部に取り付けられた筋かい固定金具
の、筋かいと接合されするための挿通孔が床面より上に
位置しているので、床材を設置した後であっても筋かい
を容易かつ強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る筋かい固定金具の一実施形態を
示す平面図(a)、正面図(b)および側面図(c)で
ある。
【図2】図1に示す筋かい固定金具の斜視図である。
【図3】図1中に示すIII-III 線における断面図であ
る。
【図4】図1に示す筋かい固定金具により筋かいの下端
部を柱と土台との隅角部に固定する状態を示す斜視図で
ある。
【図5】図1に示す筋かい固定金具を用いて、床材が設
置された後に筋かいを固定する状態を示す斜視図であ
る。
【図6】上記実施形態の第1の変形例を示す斜視図であ
る。
【図7】上記実施形態の第2の変形例を示す斜視図であ
る。
【図8】従来の筋かい固定金具の例を示す平面図
(a)、正面図(b)および側面図(c)である。
【図9】図8に示す、従来の筋かい固定金具により筋か
いの下端部を柱と土台との隅角部に固定する状態を示す
斜視図である。
【符号の説明】
2 筋かい 2a 筋かいの下端部 4 柱(鉛直材) 6 土台(横架材) 8 床パネル 8a 床パネルの上面 8b 筋かい挿入用の切欠き部 10 筋かい固定金具 12 筋かい当接部 12A 筋かい当接部の下部領域(挿通孔非形成領
域) 12B 筋かい当接部の上部領域 12C 筋かい当接部の中間領域(挿通孔非形成領
域) 12a 筋かい当接部の下端縁 12b 筋かい当接部の側端縁 12c 筋かい当接部の釘孔(挿通孔) 14 鉛直材当接部 14a 鉛直材当接部の下端縁 14b 鉛直材当接部のビス孔 14c ビス孔の周縁部位 16 横架材当接部 16a 突き合わせ部 16b 横架材当接部のビス孔 16c ビス孔の周縁部位 18 ビス 18a ビスの頭 20 釘(筋かい固定用軸部材) C 隅角部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 2/56 651 E04B 2/56 651A 651S 651L 652 652J (72)発明者 木村 薫 茨城県稲敷郡新利根町上根本2562番地 株 式会社タナカ内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筋かいの下端部を鉛直材と横架材との隅
    角部に固定する金具であって、ほぼ平板状の筋かい当接
    部と、この筋かい当接部の一端縁からほぼ垂直に延出す
    る鉛直材当接部と、上記筋かい当接部の鉛直材当接部が
    延出する端縁と直角に隣り合う端縁からほぼ垂直に延出
    する横架材当接部とを備え、上記筋かい当接部に、筋か
    い固定用部材を挿通するための複数の挿通孔が形成され
    てなる筋かい固定金具において、 該筋かい固定金具が鉛直材の側面と横架材の上面とに当
    接されたときに、上記筋かい当接部の、上記横架材より
    上方に支持される床材の上面よりも下方に位置する部分
    が、上記挿通孔が形成されない挿通孔非形成領域として
    設定されている、ことを特徴とする筋かい固定金具。
  2. 【請求項2】 上記挿通孔非形成領域には、横架材当接
    部が延出する端縁から少なくとも30mmの範囲を含
    み、上記端縁から150mmまでの範囲内で設定されて
    いる、ことを特徴とする請求項1記載の筋かい固定金
    具。
  3. 【請求項3】 上記筋かい当接部の、上記挿通孔非形成
    領域よりも上方に位置する領域が、上記挿通孔非形成領
    域よりも広幅に形成されている、ことを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の筋かい固定金具。
  4. 【請求項4】 上記鉛直材当接部は、上記挿通孔非形成
    領域に相当する範囲より上方の部分で、延出幅が狭くな
    っている、ことを特徴とする請求項1、請求項2または
    請求項3記載の筋かい固定金具。
  5. 【請求項5】 上記筋かい固定金具は、上記鉛直材当接
    部または横架材当接部に突き合わせ部を有するように折
    り曲げ加工して構成されるものである、ことを特徴とす
    る請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の
    筋かい固定金具。
  6. 【請求項6】 上記鉛直材当接部および横架材当接部に
    各々複数のビス孔が形成されており、 上記鉛直材当接部における上記各ビス孔の周縁部位が、
    鉛直材と当接される面側に凹むように形成されるととも
    に、上記横架材当接部における上記各ビス孔の周縁部位
    が、横架材と当接される面側に凹むように形成されてい
    る、ことを特徴とする請求項5記載の筋かい固定金具。
  7. 【請求項7】 上記筋かい固定金具を用いた筋かい固定
    方法であって、 上記筋かい固定金具を鉛直材と横架材との隅角部に固定
    した後、上記隅角部に対応する部位に筋かい挿入用の切
    欠き部が形成された床材を上記横架材またはこれに支持
    された部材に固定し、その後、上記筋かいの下端部を上
    記切欠き部に挿入するとともに上記筋かい当接部に当接
    させた状態で、上記複数の挿通孔に上記筋かい固定用部
    材を挿通させて上記筋かいを上記筋かい固定金具に固定
    する、ことを特徴とする筋かい固定方法。
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