JP7173018B2 - ガラスのエッチング方法及びエッチング処理装置並びにガラス板 - Google Patents

ガラスのエッチング方法及びエッチング処理装置並びにガラス板 Download PDF

Info

Publication number
JP7173018B2
JP7173018B2 JP2019539486A JP2019539486A JP7173018B2 JP 7173018 B2 JP7173018 B2 JP 7173018B2 JP 2019539486 A JP2019539486 A JP 2019539486A JP 2019539486 A JP2019539486 A JP 2019539486A JP 7173018 B2 JP7173018 B2 JP 7173018B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
glass
glass plate
holder
posture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019539486A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019044757A1 (ja
Inventor
喜之 坂出
宏亮 中堀
武志 乾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Publication of JPWO2019044757A1 publication Critical patent/JPWO2019044757A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7173018B2 publication Critical patent/JP7173018B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/12Silica-free oxide glass compositions
    • C03C3/16Silica-free oxide glass compositions containing phosphorus
    • C03C3/17Silica-free oxide glass compositions containing phosphorus containing aluminium or beryllium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C15/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by etching
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/097Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing phosphorus, niobium or tantalum
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/12Silica-free oxide glass compositions
    • C03C3/23Silica-free oxide glass compositions containing halogen and at least one oxide, e.g. oxide of boron
    • C03C3/247Silica-free oxide glass compositions containing halogen and at least one oxide, e.g. oxide of boron containing fluorine and phosphorus
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K13/00Etching, surface-brightening or pickling compositions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K13/00Etching, surface-brightening or pickling compositions
    • C09K13/02Etching, surface-brightening or pickling compositions containing an alkali metal hydroxide
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/208Filters for use with infrared or ultraviolet radiation, e.g. for separating visible light from infrared and/or ultraviolet radiation

Description

本発明は、ガラスのエッチング方法及びエッチング処理装置並びにガラス板に関する。
デジタルカメラ等においては、CCDやCMOS等の固体撮像素子デバイスが用いられている。これらの固体撮像素子デバイスは、広範囲の受光感度を有しているので、人間の視覚に合わせるため、赤外域の光を除去する必要がある。下記の特許文献1では、赤外域の光を除去するための近赤外線カットフィルタとして、フツリン酸塩系ガラスからなる赤外線吸収ガラス板が開示されている。特許文献1では、両面研磨機を用いた物理研磨などによりガラス板の厚みが薄くされている。
特開2010-168262号公報
近年、固体撮像素子においては、より一層の小型化が求められている。そのため、固体撮像素子デバイスを構成する赤外線吸収ガラスにおいても一層の薄型化が求められる。しかしながら、赤外線吸収ガラスは他の一般的なガラスに比べて機械的強度が弱いため、特許文献1のような物理研磨では、ガラス板の厚みを薄くする際に、ガラス板の割れが生じ易いという問題があった。また、薄く加工されたガラス板の端面を加工する場合にも、破損が生じ易いという問題があった。
そこで本発明は、ガラスに割れを発生させることなく当該ガラスを加工し、寸法や表面状態を変更することを技術的課題とする。
本発明に係るエッチング方法は上記の課題を解決するためのものであり、ガラスをエッチング液に浸漬してエッチング処理を行うエッチング工程を備え、前記エッチング工程は、前記エッチング液を前記ガラスの表面と相対的に流動させることにより、前記エッチング処理を行うことを特徴とする。
本方法によれば、エッチング工程中に、ガラスの表面に沿ってエッチング液を相対的に流動させることにより、エッチング液を流動させない場合と比較して、ガラスの表面に対して均一にエッチング処理を行うことができる。このエッチング処理によって、前工程においてガラスに存在していたマイクロクラック等の欠陥が除去される。これにより、物理研磨の場合と比較して、ガラスに割れを発生させることなく当該ガラスの厚みを薄くすることが可能になる。
本方法において、前記ガラスは、ガラス板であることが望ましく、前記エッチング工程において、前記ガラス板は、前記ホルダに保持された状態で前記エッチング液に浸漬されることが望ましい。このように、ガラス板をホルダに保持することで、複数のガラス板の表面に対して安定的かつ均一なエッチング処理を施すことができる。
本方法では、前記エッチング工程において、前記ホルダを前記エッチング液の中で移動させることが望ましい。この場合、前記ホルダを前記エッチング液の中で連続的に回転させてもよく、或いは前記ホルダを前記エッチング液の中で間欠的に回転させてもよい。ホルダを回転させることで、ガラス板をその表面に直交する軸線まわりに回転させることができる。これにより、ガラス板の表面に沿ってエッチング液を相対的に流動させることができる。
また、本方法では、前記エッチング工程において、エッチングレートが0.001mm/h以上0.1mm/h以下に設定されており、前記ホルダを、10rpm以下の速度で回転させることが望ましい。
本方法では、前記ガラスは前記ホルダに直立姿勢で保持されることが望ましい。これにより、ガラスの表面に対するエッチング液の相対的な流動を好適に発生させることができる。
本方法において、前記ホルダは、枠体と、前記枠体に張り込まれたテープとを備えたものであってもよい。この場合、前記ガラス板は、一方の主表面を前記テープに貼付けられた状態で前記ホルダに保持されることが望ましい。
本方法では、前記エッチング工程において、前記エッチング液を前記ガラスの前記表面に対し、10m/sec以下の速度で相対的に流動させることにより、前記エッチング処理を行うことが望ましい。これにより、ガラスの表面に対して均一なエッチング処理を精度良く施すことができる。
本方法では、前記エッチング液は、エッチング槽に収容されており、前記エッチング工程は、前記エッチング液の上部領域を冷却する冷却工程を有することが望ましい。この場合において、前記冷却工程では、前記エッチング液の液面に冷却ガスを接触させることが望ましい。
エッチング液中では、エッチング処理が進行するにつれて、エッチングによって除去されたガラスの粒子が沈降し、エッチング槽の底部に沈殿する。このため、エッチング槽内では、当該粒子の濃度差により、エッチング液における底部寄りの下部領域と、液面寄りの上部領域とにおいてガラスのエッチングレートが異なる。すなわち、下部領域に位置するガラス部分のエッチング処理が遅れ、上部領域に位置するガラス部分のエッチング処理が相対的に速く進行することになる。本発明では、エッチング液の上部領域を冷却することで、当該上部領域に位置するガラス部分のエッチング処理の速度を低下させる。これにより、下部領域に位置するガラス部分のエッチング処理の速度との均衡を図り、ガラス表面に対して均一なエッチング処理を実施することが可能になる。
本方法において、前記ガラスは、組成として質量%でP25を25%以上含むリン酸塩系ガラスであり、前記エッチング液は、アルカリ成分としてキレート剤のアルカリ塩を含むことが望ましい。
前記ガラス板の表面は、第一主表面と、第二主表面と、前記第一主表面と第二主表面とを繋ぐ端面とを含み、前記第一主表面及び前記第二主表面はシート部材によって被覆されてもよい。この場合、前記エッチング工程では、前記エッチング液を前記ガラス板の前記端面のみと相対的に流動させることにより、前記エッチング処理が行われてもよい。これにより、第一主表面と第二主表面との間の厚みを薄くすることなく、端面のみを加工することができる。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、エッチング液を収容するエッチング槽と、ガラスを保持するホルダと、を備えるエッチング処理装置において、前記ホルダは、前記エッチング液に浸漬された状態で、前記エッチング液を前記ガラスの表面と相対的に流動させるように、移動可能に構成されることを特徴とする。
かかる構成によれば、ホルダをエッチング液内で移動させることにより、ガラスの表面に沿ってエッチング液を相対的に流動させることができる。これにより、物理研磨の場合と比較して、ガラスに割れを発生させることなく当該ガラスの厚みを薄くすることが可能になる。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、組成として質量%でP25を25%以上含むガラス板であって、平均厚さが0.2mm以下であり、最大肉厚と最小肉厚との差が15μm以下であり、波長700nmにおける分光透過率が40%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、ガラスに割れを発生させることなく当該ガラスを加工することができる。
エッチング処理装置の斜視図である。 エッチング処理装置の正面図である。 ホルダの正面図である。 ホルダの側面図である。 ホルダの平面図である。 第一固定部を示す側面図である。 第二固定部を示す平面図である。 図3のVIII-VIII線断面図である。 ガラスのエッチング方法を示すフローチャートである。 ホルダの一部の動作を示す断面図である。 ホルダの一部の動作を示す断面図である。 ガラスのエッチング方法の一工程を示す断面図である。 ガラスのエッチング方法の一工程を示す断面図である。 ガラスのエッチング方法の他の実施形態を示す断面図である。 ガラスのエッチング方法及び処理装置の他の実施形態を示す断面図である。 ガラスのエッチング方法及び処理装置の他の実施形態を示す断面図である。 ガラスのエッチング方法及び処理装置の他の実施形態を示す正面図である。 ホルダの正面図である。 図17のXVIII-XVIII線断面図である。 ガラスのエッチング方法及び処理装置の他の実施形態を示すホルダの正面図である。 図19のXX-XX線断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図12は、本発明に係るガラスのエッチング方法及びエッチング処理装置の一実施形態を示す。
図1及び図2に示すように、エッチング処理装置1は、ガラスを保持するホルダ2と、エッチング液Eを収容するエッチング槽3と、エッチング液Eの冷却装置4とを備える。なお、本実施形態では、ガラスの一例としてガラス板Gを示す。ガラス板Gは、四角形状に構成されるが、この形状に限定されない。ガラス板Gは、表裏二面からなる主表面(以下、単に「表面」という)MSと、表面MS同士を繋ぐ端面ESとを有する。端面ESは、四角形状のガラス板Gの各辺において、表面MSとほぼ直交するように形成される。
本実施形態では、赤外線吸収機能に優れるリン酸塩系のガラス板Gにエッチング処理を施す例を示す。
ガラス板Gの厚み(表裏二面からなる表面MS間の厚み)は、0.4mm以下、好ましくは0.3mm以下とされる。ガラス板Gの厚みは、0.2mm以下であってもよく、好ましくは0.19mm以下であり、より好ましくは、0.15mm以下、さらに好ましくは0.12mm以下である。ガラス板Gは、例えば固体撮像素子デバイスの赤外線カットフィルタとして使用される。ガラス板Gは、厚みが0.2mm以下と薄いため、固体撮像素子デバイスの小型化に大きく寄与し得る。なお、厚みが薄すぎると、搬送工程でガラス板Gを持ち上げる際に割れが生じ易くなる場合がある。このため、ガラス板Gの厚みは、0.05mm以上であることが好ましく、0.08mm以上であることがより好ましい。
ガラス板Gにおける各表面MSの面積は、100mm2以上25000mm2以下とすることができる。各表面MSの面積の好ましい範囲は、400mm2以上25000mm2以下、より好ましくは1000mm2以上25000mm2以下、さらに好ましくは2500mm2以上25000mm2以下、特に好ましくは5000mm2以上25000mm2以下である。
以下、赤外線吸収機能を有するガラス板Gの特徴について、詳細に説明する。ガラス板Gに用いられるリン酸塩系ガラスは、F(フッ素)を実質的に含んでいないことが望ましい。ここで、「実質的に含んでいない」とは、質量%で0.1%以下のフッ素を含んでいてもよいことを意味している。
このようなリン酸塩系ガラスとしては、例えば、質量%で、P25 25~60%、Al23 2~19%、RO(ただしRは、Mg、Ca、Sr及びBaから選択される少なくとも一種) 5~45%、ZnO 0~13%、K2O 8~20%、Na2O 0~12%、及びCuO 0.3~20%を含有し、フッ素を実質的に含んでいない、ガラスを用いることができる。
25は、ガラス骨格を形成する成分である。P25の含有量は、質量%で、好ましくは25~60%であり、より好ましくは30~55%であり、さらに好ましくは40~50%である。P25の含有量が少なすぎると、ガラス化が不安定になる場合がある。一方、P25の含有量が多すぎると、耐候性が低下し易くなることがある。
Al23は、耐候性をより一層向上させる成分である。A123の含有量は、質量%で、好ましくは2~19%であり、より好ましくは2~15%であり、さらに好ましくは2.8~14.5%であり、特に好ましくは3.5~14.0%である。Al23の含有量が少なすぎると、耐候性が十分でないことがある。一方、Al23の含有量が多すぎると、溶融性が低下して溶融温度が上昇する場合がある。なお、溶融温度が上昇すると、Cuイオンが還元されてCu2+からCu+にシフトし易くなるため、所望の光学特性が得られ難くなる場合がある。具体的には、近紫外~可視域における光透過率が低下したり、赤外線吸収特性が低下し易くなったりすることがある。
RO(ただしRは、Mg、Ca、Sr及びBaから選択される少なくとも一種)は、耐候性を改善するとともに、溶融性を向上させる成分である。ROの含有量は、質量%で、好ましくは5~45%であり、より好ましくは7~40%であり、さらに好ましくは10~35%である。ROの含有量が少なすぎると、耐候性及び溶融性が十分でない場合がある。一方、ROの含有量が多すぎると、ガラスの安定性が低下し易く、RO成分起因の結晶が析出し易くなることがある。
なお、ROの各成分の含有量の好ましい範囲は以下の通りである。
MgOは、耐候性を改善させる成分である。MgOの含有量は、質量%で、好ましくは0~15%であり、より好ましくは0~7%である。MgOの含有量が多すぎると、ガラスの安定性が低下し易くなることがある。
CaOは、MgOと同様に耐候性を改善させる成分である。CaOの含有量は、質量%で、好ましくは0~15%であり、より好ましくは0~7%である。CaOの含有量が多すぎると、ガラスの安定性が低下し易くなることがある。
SrOは、MgOと同様に耐候性を改善させる成分である。SrOの含有量は、質量%で、好ましくは0~12%であり、より好ましくは0~5%である。SrOの含有量が多すぎると、ガラスの安定性が低下し易くなることがある。
BaOは、ガラスを安定化するとともに、耐候性を向上させる成分である。BaOの含有量は、質量%で、好ましくは1~30%であり、より好ましくは2~27%であり、さらに好ましくは3~25%である。BaOの含有量が少なすぎると、十分にガラスを安定化できなかったり、十分に耐候性を向上できなかったりする場合がある。一方、BaOの含有量が多すぎると、成形中にBaO起因の結晶が析出し易くなることがある。
ZnOは、ガラスの安定性及び耐候性を改善させる成分である。ZnOの含有量は、質量%で、好ましくは0~13%であり、より好ましくは0~12%であり、さらに好ましくは0~10%である。ZnOの含有量が多すぎると、溶融性が低下して溶融温度が高くなり、結果として所望の光学特性が得られ難くなる場合がある。また、ガラスの安定性が低下し、ZnO成分起因の結晶が析出し易くなる場合がある。
以上のように、RO及びZnOはガラスの安定化を改善する効果があり、特にP25が少ない場合に、その効果を享受し易い。
なお、ROに対するP25の含有量の比(P25/RO)は、好ましくは1.0~1.9であり、より好ましくは、1.2~1.8である。比(P25/RO)が小さすぎると、液相温度が高くなってRO起因の失透が析出し易くなる場合がある。一方、P25/ROが大きすぎると、耐候性が低下し易くなる場合がある。
2Oは、溶融温度を低下させる成分である。K2Oの含有量は、質量%で、好ましくは8~20%であり、より好ましくは12.5~19.5%である。K2Oの含有量が少なすぎると、溶融温度が高くなって所望の光学特性が得られ難くなることがある。一方、K2Oの含有量が多すぎると、K2O起因の結晶が成形中に析出し易くなり、ガラス化が不安定になることがある。
Na2Oも、K2Oと同様に溶融温度を低下させる成分である。Na2Oの含有量は、質量%で、好ましくは0~12%であり、より好ましくは0~7%である。Na2Oの含有量が多すぎると、ガラス化が不安定になることがある。
CuOは、近赤外線を吸収するための成分である。CuOの含有量は、質量%で、好ましくは0.3~20%であり、より好ましくは0.3~15%であり、さらに好ましくは0.4~13%である。CuOの含有量が少なすぎると、所望の近赤外線吸収特性が得られない場合がある。一方、CuOの含有量が多すぎると、紫外~可視域の光透過性が低下し易くなることがある。また、ガラス化が不安定になる場合がある。なお、所望の光学特性を得るためのCuOの含有量は、板厚によって適宜調整することが好ましい。
また、上記成分以外にも、B23、Nb25、Y23、La23、Ta25、CeO2又はSb23等を本発明の効果を損なわない範囲で含有させてもよい。具体的には、これらの成分の含有量は、それぞれ、質量%で、好ましくは0~3%であり、より好ましくは0~2%である。
また、ガラスは、組成としてカチオン%表示で、P5+ 5~50%、Al3+ 2~30%、R’+(R’は、Li、Na及びKから選択される少なくとも一種) 10~50%、及び、R2+(R2+は、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+から選択される少なくとも一種) 20~50%、Cu2+ 0.5~15%かつ、アニオン%表示で、F- 5~80%、及び、O2- 20~95%を含有する。
上記組成に加えさらに、アニオン%表示で、F- 5~80%を含有する組成としても良い。
より好ましくは、組成としてカチオン%表示で、P5+ 40~50%、Al3+ 7~12%、K+ 15~25%、Mg2+ 3~12%、Ca2+ 3~6%、Ba2+ 7~12%、Cu2+ 1~15%かつ、アニオン%表示で、F- 5~80%、及び、O2- 20~95%を含有するリン酸塩ガラスを用いることができる。
好ましい他の組成のガラスとしては、カチオン%表示で、P5+ 20~35%、Al3+ 10~20%、Li+ 20~30%、Na+ 0~10%、Mg2+ 1~8%、Ca2+ 3~13%、Sr2+ 2~12%、Ba2+ 2~8%、Zn2+ 0~5%、Cu2+ 0.5~5%かつ、アニオン%表示で、F- 30~65%、及び、O2- 35~75%を含有するフツリン酸ガラスを用いることができる。
好ましい他の組成のガラスとしては、カチオン%表示で、P5+ 35~45%、Al3+ 8~12%、Li+ 20~30%、Mg2+ 1~5%、Ca2+ 3~6%、Ba2+ 4~8%、Cu2+ 1~6%かつ、アニオン%表示で、F- 10~20%、及び、O2- 75~95%を含有するフツリン酸ガラスを用いることができる。
好ましい他の組成のガラスとしては、カチオン%表示で、P5+ 30~45%、Al3+ 15~25%、Li+ 1~5%、Na+ 7~13%、K+ 0.1~5%、Mg2+ 1~8%、Ca2+ 3~13%、Ba2+ 6~12%、Zn2+ 0~7%、Cu2+ 1~5%かつ、アニオン%表示で、F- 30~45%、及び、O2- 50~70%を含有するフツリン酸ガラスを用いることができる。
ガラス板Gを上記組成とすることにより、可視域におけるより一層高い光透過率と赤外域におけるより一層優れた光吸収特性の両者を達成することが可能となる。具体的には、波長400nmにおける光透過率は、好ましくは78%以上、より好ましくは80%以上であり、波長500nmにおける光透過率は、好ましくは83%以上、より好ましくは85%以上である。一方、波長700nmにおける光透過率は、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下であり、波長800nmにおける光透過率は、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下である。
上記の組成のガラス板Gは、例えば、鋳込み法、ロールアウト法、ダウンドロー法、又はリドロー法等の成形方法によって板状に成形される。
以下、エッチング処理装置1の詳細な構成について説明する。図1乃至図7に示すように、ホルダ2は、複数のガラス板Gを所定の間隔をおいて保持するように構成される。ホルダ2は、エッチング液Eに対する耐食性に優れた金属(例えばステンレス鋼)により構成されるが、この材質に限定されるものではない。ホルダ2は、昇降装置及び移動機構(図示せず)を介して上下方向及び水平方向に移動可能に構成される。ホルダ2は、複数のガラス板Gを保持した状態で、エッチング槽3に収容されたエッチング液Eに浸漬される。ホルダ2は、エッチング液Eに浸漬された状態で、その自転により各ガラス板Gを回転させる。
図3乃至図5に示すように、ホルダ2は、一対のベース部材5と、当該一対のベース部材5を繋ぐ連結部材6と、ガラス板Gを保持する保持部7,8と、保持部7を固定するロック部9と、当該ホルダ2を回転(自転)させる軸部10と、を備える。
一対のベース部材5は、長方形状の板部材により構成される。各ベース部材5は、連結部材6を介して、所定の間隔をおいて互いに対向するように配置される。以下、各ベース部材5において、互いに向き合う面を内面5aといい、内面5aとは反対側の面を外面5bという。
連結部材6は、断面視円形の棒状部材であるが、この形状に限定されるものではない。本実施形態では、複数の連結部材6によって一対のベース部材5が連結される。
保持部7,8は、四角形状のガラス板Gにおいて対向する二辺(平行な二辺)を保持する第一保持部7と、他の二辺(平行な二辺)を保持する第二保持部8とを含む。
ベース部材5には、複数(図例では四個)の第一保持部7が設けられる(図3参照)。第一保持部7は、ベース部材5に回動自在に支持される。各第一保持部7は、一対の基板11と、基板11同士を繋ぐ連結部材12a,12bと、ガラス板Gの位置決めを行う固定部(以下「第一固定部」という)13とを備える。
基板11は、ベース部材5の外面5b側に配置される。図3に示すように、基板11は、長尺状に構成される第一の部分11aと、この第一の部分11aの一端部から、直角に突出する第二の部分11bとを備える。第一の部分11aは、ロック部9の一部が係合する開口部11cを有する。開口部11cは、四角形状に構成されるが、この形状に限定されない。
第二の部分11bは、その一端部が第一の部分11aと一体に構成され、他端部がベース部材5に固定される。詳細には、第二の部分11bは、支持軸14を介してベース部材5に回動自在に支持される。これにより、第一保持部7は、図3に示すように、実線で示す第一の姿勢と、二点鎖線で示す第二の姿勢とに姿勢変更可能に構成される。第一の姿勢は、ガラス板Gを保持可能な姿勢(保持姿勢)であり、第二の姿勢は、ガラス板Gの保持を解除するとともに、ホルダ2の内側の空間(一対のベース部材5における内面5a間の空間)に対してガラス板Gを出し入れすることを可能にする姿勢(退避姿勢)である。
図3に示すように、支持軸14は、第一保持部7を所定の方向に付勢する付勢部材15を支持する。付勢部材15は、ねじりコイルばねにより構成されるが、これに限定されるものではない。付勢部材15は、一端部がベース部材5の連結部材6に固定され、他端部が第一保持部7の連結部材12aに固定されている。付勢部材15は、第一の部分11aがベース部材5から離れるように、第一保持部7を付勢する。すなわち、付勢部材15は、第一保持部7が第一の姿勢(保持姿勢)から第二の姿勢(退避姿勢)に向かうように、当該第一保持部7を付勢する。
連結部材12a,12bは、断面視円形の棒状部材により構成されるが、この形状に限定されない。連結部材12a,12bは、一対の基板11の第一の部分11a同士を連結する。本実施形態では二本の連結部材12a,12bによって基板11同士が連結されるが、連結部材12a,12bの数はこれに限定されない。連結部材12a,12bは、第一の部分11aの一端部同士を連結する第一連結部材12aと、他端部(第二の部分11b側の端部)同士を連結する第二連結部材12bとを含む。
第一固定部13は、第一連結部材12aに設けられる。第一固定部13は、合成樹脂により構成されるが、この材質に限定されない。第一固定部13は、第一連結部材12aの長手方向に沿う長尺状の板部材として構成される。図4及び図6に示すように、第一固定部13は、ガラス板Gの一辺に接触可能な複数の凹部16を有する。各凹部16は、ホルダ2の長手方向に沿って一定の間隔(ピッチ)で形成される。各凹部16は、ガラス板Gの一辺における角部EGに接触する一対の斜辺部17a,17bを有する。各斜辺部17a,17bは、ガラス板Gの表面MSに平行な方向に対して所定の角度で傾斜している。換言すれば、一対の斜辺部17a,17bは、所定の角度で交差している。斜辺部17a,17bの交差角度θ1(図6参照)は、40°以上100°以下に設定されることが望ましい。
図4及び図5に示すように、第二保持部8は、一対のベース部材5の間に設けられる。第二保持部8は、一対のベース部材5を繋ぐ一対の連結部材18と、ガラス板Gの位置決めを行う固定部(以下「第二固定部」という)19とを備える。
一対の連結部材18は、軸部10の中心を通る軸線Oに対して線対称となるように配置される(図5参照)。第二固定部19は、合成樹脂により板状に構成されるが、この材質に限定されない。第二固定部19は、各連結部材18に固定される。一方の連結部材18に固定される第二固定部19と、他方の連結部材18に固定される第二固定部19とは、互いに対向するように配置される(図5及び図7参照)。
図5及び図7に示すように、第二固定部19は、ガラス板Gの角部EGに接触する凹部20を有する。凹部20は、第一固定部13の凹部16と同じ構成を有する。すなわち、複数の凹部20は、ホルダ2の長手方向に沿って一定の間隔(ピッチ)で形成されており、この間隔は、第一固定部13における凹部16の間隔と等しい。さらに凹部20は、ガラス板Gの角部EGに接触する斜辺部21a,21bを有する。斜辺部21a,21bは、ガラス板Gの表面MSに平行な方向に対して、所定の角度で傾斜している。斜辺部21a,21bの交差角度θ2(図7参照)は、40°以上100°以下に設定されるが、この範囲に限定されず、ガラス板Gの厚みや大きさに応じて適宜設定される。
図8に示すように、ロック部9は、ロック部材22と、このロック部材22を回動自在に支持する支持部材23とを有する。
ロック部材22は、棒状部材により構成されるが、この形状に限定されない。ロック部材22は、一端部がベース部材5のベース部材5の一辺から突出し、他端部がベース部材5の外面5bと重なるように配置される。ロック部材22は、第一保持部7を固定する姿勢(固定姿勢、図8において実線で示す)と、第一保持部7の固定を解除するように固定姿勢から退避する姿勢(退避姿勢、図8において二点鎖線で示す)とに姿勢変更可能に構成される。ロック部材22は、付勢部材23bによって、退避姿勢から固定姿勢に向かう方向に付勢されている。したがって、ロック部材22は、第一保持部7を保持していない状態であっても、固定姿勢を維持するように構成される。
ロック部材22は、第一保持部7を退避姿勢から固定姿勢へと姿勢変更する場合に当該第一保持部7の第一の部分11aに接触する傾斜面24と、第一の部分11aの開口部11cに挿入されて当該第一の部分11aを係止する係止面25と、支持部材23の一部が挿入される孔26とを備える。
傾斜面24は、第一保持部7を固定する場合に、ロック部材22を固定姿勢から退避姿勢へと姿勢変更させるための案内面である。傾斜面24は、係止面25と繋がっている。係止面25は、傾斜面24に対して所定の角度を為すように構成される面である。この構成により、係止面25と傾斜面24との間には、突起部27が形成される。
ロック部材22に形成される孔26は、ベース部材5の厚さ方向に直交する方向において、当該支持部材23を貫通するように形成される円形の孔である。
支持部材23は、ベース部材5の外面5bに固定される。支持部材23は、ロック部材22を支持する軸部23aを有する。軸部23aは、ロック部材22の孔26に挿通されている。軸部23aは、ロック部材22を付勢する付勢部材23bを支持する。付勢部材23bは、ねじりコイルばねにより構成されるが、これに限定されるものではない。付勢部材23bは、その一端部がロック部材22に接触し、その他端部がベース部材5の外面5bに接触している。付勢部材23bは、ロック部材22を退避姿勢から固定姿勢へと向かう方向に付勢する。
ホルダ2を回転させるための軸部10は、一対のベース部材5に固定される。一対の軸部10は、各ベース部材5の外面5bから突出するように設けられる。各軸部10は、電動モータその他の駆動源に接続される。駆動源によって軸部10が回転することで、ホルダ2は、当該軸部10まわりに回転(自転)する。
エッチング槽3は、ホルダ2をエッチング液Eに浸漬したときに、当該ホルダ2及び軸部10と接触しない程度の容積を有する。エッチング槽3に収容されるエッチング液Eは、処理対象のガラス板Gが上述のようなリン酸塩系ガラスである場合には、例えばアルカリ洗剤により構成される。アルカリ洗剤としては、特に限定されないが、例えば、Na、Kなどのアルカリ成分や、トリエタノールアミン、ベンジルアルコール又はグリコール等の界面活性剤や、水又はアルコール等を含有する洗剤を使用できる。
アルカリ洗剤に含まれるアルカリ成分として、アミノポリカルボン酸などのキレート剤のアルカリ塩が含まれることが好ましい。アミノポリカルボン酸のアルカリ塩としては、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ニトリロ三酢酸などのナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。これらの中でも、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、トリエチレンテトラアミン六酢酸六ナトリウム、ニトリロ三酢酸三ナトリウムが好ましく使用され、特にジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムが好ましく使用される。
冷却装置4は、ホルダ2がエッチング槽3内のエッチング液Eに浸漬された状態で、エッチング槽3の上方に配置される。冷却装置4は、エッチング槽3に収容されるエッチング液Eの液面Sに向けて冷却ガスCを噴射するように構成される。
以下、上記構成のエッチング処理装置1によって、ガラス板Gを処理する方法(エッチング方法)について説明する。
本方法は、図9に示すように、ガラス板Gをホルダ2内に収容する準備工程S1と、ガラス板Gを保持するホルダ2をエッチング槽3内のエッチング液Eに浸漬してエッチング処理を行うエッチング工程S2と、エッチング処理されたガラス板Gを洗浄する洗浄工程S3と、を主に備える。
準備工程S1では、図3に示すように、近接する二個(一対)の第一保持部7を二点鎖線で示す第二の姿勢に設定し、残りの二個の第一保持部7を第一の姿勢に設定する。このように、一部の第一保持部7が第二の姿勢となることで、ホルダ2は、その内部(一対のベース部材5の内面5a間の空間)にガラス板Gを収容することが可能な状態となる。
次に、ホルダ2内にエッチング処理の対象となるガラス板Gを収容する。ガラス板Gをホルダ2に収容するには、四角形板状のガラス板Gの一辺を、第一の姿勢となっている二個の第一保持部7に支持させるとともに、当該一辺に直交する二辺を一対の第二保持部8に支持させる。より具体的には、第一の姿勢にある第一保持部7における第一固定部13の凹部16と、一対の第二保持部8における各第二固定部19の各凹部20とによって、ガラス板Gの三辺を支持する。所定数のガラス板Gがホルダ2に収容されると、第二の姿勢とされていた二個の第一保持部7が第一の姿勢に変更される。なお、ガラス板Gは、エッチング工程S2前において、0.2mm以上の厚みを有する。ガラス板Gは、次のエッチング工程S2を経て、0.2mm以下となる。
以下、第一保持部7を第二の姿勢から第一の姿勢へと変更する場合の当該第一保持部7及びロック部9の動作について説明する。
第一保持部7が第二の姿勢(退避姿勢)にあるとき、ロック部9のロック部材22は、付勢部材23bの作用により固定姿勢となる。この状態において、第一保持部7を第一の姿勢へと姿勢変更するにあたり、第一保持部7の一部をロック部材22の傾斜面24に当接させる。
すなわち、図10Aに示すように、ロック部材22の傾斜面24は、第一保持部7を第二の姿勢から第一の姿勢に移動させる場合に、第一保持部7の第一の部分11aの一部に接触する。この状態から、第一保持部7をさらに第一の姿勢に向かうように移動させると、傾斜面24は第一保持部7に押圧されて、ベース部材5から離れるようにその姿勢を変更する(図10B参照)。さらに第一保持部7を移動させて第一の姿勢にすると、ロック部材22は退避姿勢に変更され(図8において二点鎖線で示す状態を参照)、ロック部材22の突起部27が第一保持部7の開口部11cに進入する。これにより、ロック部材22は再び固定姿勢となる。このとき、第一保持部7が付勢部材15によって第二の姿勢の位置に向かう方向に付勢されていることから、その作用により開口部11cの縁部がロック部材22の係止面25に接触する。この状態を維持することにより、ロック部材22は、第一保持部7を第一の姿勢(保持姿勢)に固定する。
上記のように第一保持部7が第一の姿勢に設定されると、当該第一保持部7における第一固定部13の凹部16(斜辺部17a,17b)に、ガラス板Gの残りの一辺が接触する。以上により、四角形状のガラス板Gの全ての辺が、第一保持部7に係る四個の第一固定部13及び第二保持部8に係る二個の第二固定部19によって支持される。この場合、各ガラス板Gは、ホルダ2における一対の軸部10を結ぶ軸線Oに対してほぼ直交する鉛直線Vに沿う直立姿勢となって、当該ホルダ2に保持される(図6参照)。これにより、複数のガラス板Gは、一定の間隔でホルダ2に支持される。この場合におけるガラス板Gの間隔は、2mm以上とされることが好ましく、より好ましくは4mm以上である。ガラス板Gの間隔が小さすぎると、ホルダ2によって支持される複数のガラス板Gのうち、最も外側に位置するガラス板Gと、その他のガラス板Gとでエッチング量に差が生じることになり、好ましくない。例えば、第一固定部13の複数の凹部16及び第二固定部19の複数の凹部20を、一つ置きに使用するなど、隣り合う二枚のガラス板Gの間に、使用しない凹部16,20を介在させることで、全ての凹部16,20を使用する場合と比較して、隣り合う二枚のガラス板Gの間隔を大きく設定することができる。以上により準備工程S1が終了し、次のエッチング工程S2が実行される。
エッチング工程S2では、ホルダ2をエッチング槽3内のエッチング液Eに浸漬する。この場合において、ガラス板Gの全体がエッチング液Eに浸漬されるように、ホルダ2全体をエッチング液Eに浸漬させることが望ましい。
その後、軸部10を駆動することにより、ホルダ2を回転させる。これにより、ガラス板Gはホルダ2とともに回転する。このとき、図11に示すように、ガラス板Gは、その表面MSに直交する軸線(一対の軸部10を結ぶ軸線O)まわりに回転する。これにより、エッチング液Eは、ガラス板Gの表面MSに沿って相対的に流動することになる。
なお、エッチング液Eをガラス板Gの表面MSに対し、相対的に流動させる速度は、10m/sec以下であることが好ましく、より好ましくは、3m/sec以下である。エッチング液Eがガラス板Gの表面MSを相対的に流動する際、このガラス板Gとホルダ2とが接触している箇所はエッチング液Eの流動が遮られるため、ガラス板Gの表面MSにおけるエッチング量が局所的にバラつきやすいが、上記のように流動速度を低速に制御することによりこのようなバラつきを抑制できる。
ガラス板Gの回転速度は、10rpm以下とされることが望ましいが、この範囲に限定されず、ガラス板Gの大きさや板厚、処理枚数等の各種条件に応じて適宜調整される。本実施形態では、ガラス板Gは、例えば一時間当たり一回転(約0.017rpm、360°/h)の速度で回転駆動される。ガラス板Gの回転は連続的に行われてもよく、間欠的に行われてもよい。
ガラス板Gを間欠的に回転させる場合は、図12に示すように、ガラス板Gを軸部10まわりに任意の回転角度θ(例えば45°)で回転させた後(実線で示す位置から二点鎖線に示す位置に回転させた後)、軸部10によるガラス板Gの回転を一時停止させ、所定時経過後に、再びガラス板Gを回転させるという動作を複数回繰り返すことが望ましい。
なお、エッチング工程S2における、ガラス板Gのエッチングレートは、0.001mm/h以上0.1mm/h以下に設定されることが望ましい。
エッチング工程S2において、冷却装置4は、エッチング液Eの液面Sに向かって冷却ガスCを噴射する(冷却工程)。冷却ガスCが液面Sに接触することで、エッチング槽3内では、エッチング液Eの液面S側の上部領域USが冷却される。すなわち、エッチング槽3内では、液面S側の上部領域USと、エッチング槽3の底部側の下部領域LSとの間で、エッチング液Eに温度差が生じる。冷却ガスCは、例えば28℃以下に冷却した空気である。
エッチング処理装置1は、冷却装置4によってエッチング液Eの上部領域USの温度を低下させることによって、ガラス板Gに、エッチング処理による偏肉が生じないように、ガラス板Gのエッチングレートを部分的に調整する。
すなわち、エッチング液E中では、エッチング処理が進行するにつれて、エッチングによってガラス板Gから除去されたガラスの粒子が沈降し、エッチング槽3の底部に沈殿する。このため、エッチング槽3内では、当該粒子の濃度差により、底部寄りの下部領域LSと液面S寄りの上部領域USとにおいて、ガラス板Gのエッチングレートが異なる。すなわち、冷却工程を実行しない場合には、下部領域LSに位置するガラス板Gの部分のエッチングが遅れ、上部領域USに位置するガラス板Gの部分のエッチングが相対的に速く進行する。
本実施形態では、エッチング液Eの上部領域USの温度を低下させ、当該上部領域USに位置するガラス板Gの部分のエッチングレートを低下させる。これにより、上部領域USに位置するガラス部分のエッチングレートと、下部領域LSに位置するガラス板Gの部分のエッチングレートとの均衡を図ることにより、ガラス板Gの表面MSに対して均一なエッチング処理を行うことが可能になる。したがって、厚さの均一なガラス板Gを形成できる。
所定時間が経過し、十分なエッチング処理が行われると、エッチング工程S2が終了し、次の洗浄工程S3が実行される。
洗浄工程S3では、ホルダ2は、エッチング槽3から取り出され、別途用意される洗浄槽に移動する。洗浄槽では、洗浄液(例えば純水)を、ノズルを通じてホルダ2に向かって噴射することで、ホルダ2に保持されているガラス板Gを洗浄する。
洗浄工程S3後、ガラス板Gは、ホルダ2から取り出される。具体的には、ガラス板Gは、四個(二対)の第一保持部7のうち、二個(一対)の第一保持部7を第一の姿勢(保持姿勢)から第二の姿勢(退避姿勢)へと変更した後、ホルダ2から取り出される。第一保持部7の姿勢を変更するにあたり、第一保持部7を固定しているロック部9におけるロック部材22の姿勢を、固定姿勢から退避姿勢へと変更する。これにより、ロック部材22の突起部27が第一保持部7の開口部11cから抜け、第一保持部7は、その固定が解除されて姿勢変更可能な状態となる。
以上説明した本実施形態に係るエッチング処理装置1及びエッチング方法によれば、エッチング工程S2中に、ガラス板Gの表面MSに直交する軸線(軸部10)まわりに当該ガラス板Gを回転させることで、ガラス板Gの表面MSに沿ってエッチング液Eを相対的に流動させることが可能になる。これにより、エッチング液Eを流動させない場合と比較して、ガラス板Gの表面MSに対して均一にエッチング処理を行うことができる。このエッチング処理によって、前工程においてガラス板Gに形成されるマイクロクラック等の欠陥を除去できる。これにより、物理研磨の場合と比較して、ガラス板Gに割れを発生させることなく当該ガラス板Gの厚みを薄くすることが可能になる。
また、各保持部7,8における各固定部13,19(凹部16,20)は、ガラス板Gの角部EGに接触することで当該ガラス板Gを保持する。したがって、ガラス板Gの表面MS及び端面ESに対して、全面的かつ均一にエッチング処理を行うことができる。これにより、エッチング工程S2後のガラス板Gを、割れが生じ難いものにできる。
ホルダ2における四個(二対)の第一保持部7が姿勢変更可能に構成されることから、準備工程S1におけるガラス板Gのホルダ2への装着作業や、エッチング工程S2後にホルダ2からガラス板Gを取り出す回収作業を、効率良く行うことができる。
図13は、ガラス板Gのエッチング方法に係る他の実施形態を示す。上記の実施形態では、ホルダ2を軸部10まわりに回転させることで、ガラス板Gのエッチング処理を行ったが、本実施形態では、エッチング液E中において、ホルダ2を回転させることなく水平に移動させる。具体的には、ホルダ2は、軸部10に対して直交する水平方向に移動する。これにより、ガラス板Gは、その表面MSに平行な方向に直線的に移動する。本実施形態においても、ガラス板Gの表面MSに沿ってエッチング液Eを相対的に流動させることができ、ガラス板Gに対するエッチング処理を好適に行うことができる。なお、ガラス板Gの移動は、連続的に行われてもよく、間欠的に行われてもよい。
図14は、エッチング処理装置の他の実施形態を示す。本実施形態に係るエッチング処理装置1は、複数(図例では四個)のホルダ2を備える。各ホルダ2は支持部材28によって一体に支持される。支持部材28は、ホルダ2を個別に支持する複数の支持部28aを有する。
各支持部28aは長尺状に構成される。各支持部28aの端部は、各ホルダ2の各ベース部材5に連結される。また、支持部材28は、その中央部に軸部29を有する。軸部29を駆動源によって回転駆動することで、エッチング処理装置1は、四個のホルダ2を同時に軸部29まわりに回転(公転)させる。これにより、エッチング処理装置1は、より多くのガラス板Gを同時に処理できる。本実施形態では、上記の回転(公転)に加え、各ホルダ2の軸部10まわりに当該ホルダ2を回転(自転)させてもよい。
図15は、エッチング方法及びエッチング処理装置の他の実施形態を示す。図1乃至図12に示す実施形態では、エッチング処理装置1のホルダ2がガラス板Gを直立姿勢で支持したが、本実施形態では、ホルダ2は、複数のガラス板Gを傾斜姿勢にて支持する。詳細には、図15に示すように、ガラス板Gは、ホルダ2に対して引かれる鉛直線V(軸部10の中心を通る軸線Oに対して直交する線)に対して所定の角度θ3で傾斜するように、ホルダ2(第一固定部13)に支持される。ガラス板Gの傾斜角度θ3は、10°以下(0°<θ3≦10°)が好ましく、より好ましくは5°以下である。本実施形態に係るエッチング方法では、上記のようにガラス板Gを傾斜姿勢で保持するホルダ2を、その軸部10が水平状となるように、エッチング液Eに浸漬し、当該軸部10を回転させることで、エッチング工程S2を実行する。
図16乃至図18は、エッチング方法及びエッチング処理装置の他の実施形態を示す。本実施形態に係るエッチング処理装置1は、ホルダ2の構造が上記の実施形態と異なる。ホルダ2は、枠体30と、この枠体30に支持されるテープ31とを備える。
枠体30は、樹脂又は金属により環状に構成される板部材である。枠体30の厚みは、0.5mm以上5mm以下であることが好ましい。枠体30は、厚み方向に貫通する開口部30aを有する。開口部30aは正面視円形状に構成されるが、この構成に限定されず、矩形状その他の種々の形状に構成され得る。
テープ31は、例えば伸縮性を有する透明UVテープで形成される。テープ31の厚みは、例えば500μm以下とされるが、この範囲に限定されない。テープ31は、厚み方向に対向する第一主表面31a及び第二主表面31bを有し、第一主表面31aが粘着面とされ、第二主表面31bが非粘着面とされている。テープ31は、その粘着面(第一主表面31a)を介して枠体30の一方の面に張り込まれる。また、テープ31の粘着面には、複数のガラス板Gが貼着される。
テープ31は円形状であり、その縁部が枠体30に貼着されて接合部32を形成している。テープ31は開口部30aの全面を覆うように枠体30に張設されことが好ましい。この場合、接合部32は開口部30aの全周囲を囲むように形成されることが好ましい。なお、テープ31の形状は特に限定されず、開口部30aの全面又は略全面を覆うことができる形状であれば、例えば矩形状(正方形や長方形)等の多角形状や楕円形状等であっても良い。
以下、本実施形態に係るエッチング方法について説明する。まず、複数のガラス板Gがテープ31の第一主表面31a(粘着面)に貼付される(準備工程S1)。この場合、各ガラス板Gの一方の主表面MS1は、テープ31の第一主表面31a(粘着面)に全面的に被覆される。テープ31に固定される複数のガラス板Gは、一定の間隔で離間されている。その後、テープ31は、伸張されるとともに、第一主表面31aの周縁部が枠体30の一方の面に重ねられる。第一主表面31aの周縁部は、枠体30の一方の面に張り付けられ、これにより接合部32が構成される。
その後、図16に示すように、ホルダ2は、テープ31を介して複数のガラス板Gを支持した状態で、エッチング槽3内のエッチング液Eに浸漬される(エッチング工程S2)。その後、ホルダ2は、エッチング液Eに対して相対的に移動(例えば回転)する。エッチング工程S2では、冷却装置4によってエッチング液Eを冷却してもよい(冷却工程)。このエッチング工程S2では、テープ31の粘着面(第一主表面31a)に被覆された各ガラス板Gの一方の主表面MS1は、エッチングされず、そのまま残存することになる。すなわち、エッチング工程では、ガラス板Gの他方の主表面MS2と、端面ESとにエッチング処理が行われる。エッチング工程S2が終了すると、次の洗浄工程S3が実行される。
図19及び図20は、エッチング方法及びエッチング処理装置の他の実施形態を示す。本実施形態では、図16乃至図18の実施形態と同様に、枠体30及びテープ31を備えるホルダ2を使用する。
ガラス板Gの表面は、第一主表面MS1と、第二主表面MS2と、第一主表面MS1と第二主表面MS2とを繋ぐ複数の端面ES1~ES4と、を含む。各端面ES1~ES4は、第一端面ES1と、第一端面ES1と対向する第二端面ES2と、第一端面ESと交差(例えば直交)する第三端面ES3と、第三端面ES3に対向する第四端面ES4と、を含む。
ガラス板Gの第一主表面MS1は、枠体30に取り付けられたシート部材としてのテープ31に貼り付けられている。これにより、第一主表面MS1は、その全面がシート部材(テープ31)によって被覆される。ガラス板Gの第二主表面MS2には、当該第二主表面MS2の全面を被覆するシート部材33が貼り付けられている。シート部材33としては、例えばポリオレフィン系の粘着フィルム(日東電工社製ELP-BM03)が好適に使用されるが、この構成に限定されない。
以下の説明では、第一主表面MS1と第二主表面MS2との距離を第一の厚みT1といい、第一端面ES1と第二端面ES2との距離を第二の幅T2という。また、第三端面ES3と第四端面ES4との距離を第三の長さT3という。第一の厚みT1は、図1乃至図12の実施形態における主表面MS間の厚みと同程度とされる。第二の幅T2及び第三の長さT3は、第一の厚みT1よりも大きな寸法を有する。
本実施形態に係るエッチング方法では、ガラス板Gを保持するホルダ2をエッチング槽3のエッチング液Eに浸漬させた場合に、当該ガラス板Gの第一主表面MS1及び第二主表面MS2は共にシート部材(テープ31、シート部材33)によってその全面が被覆されているため、これらの面MS1,MS2にエッチング液Eが接触しない。すなわち、本方法では、ガラス板Gの各端面ES1~ES4のみにエッチング液Eが接触する。本実施形態では、エッチング液Eが各端面ES1~ES4に対して相対的に流動することで、第一の厚みT1を薄くすることなく、第二の幅T2及び第三の長さT3の寸法のみを小さくすることが可能である。
なお、本実施形態に係るエッチング方法を実施する前に、大型のガラス板の第二主表面MS2にシート部材33を貼り付けておき、第二主表面MS2に切り欠きを形成して切断する(折り割る)ことで、複数のガラス板Gを形成してもよい。その後、各ガラス板Gの第一主表面MS1をテープ31に付着させることで、複数のガラス板Gを効率良く製造することができる。これに限らず、大型のガラス板を切断して複数のガラス板Gの形成した後に、シート部材33を各ガラス板Gの第二主表面MS2に貼り付けてもよい。
また、上記では各端面ES1~ES4が全てエッチング液Eと接触する構成について例示したが、各端面ES1~ES4のうち何れかをシート部材33で被覆し、特定の端面のみをエッチング可能(表面状態を変更可能)としても良い。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態に係るエッチング処理装置1では、ガラス板Gを回転させ、エッチング液Eを当該ガラス板Gの表面MSに対して相対的に流動させることでエッチング処理を行う例を示したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、ホルダ2をエッチング液E内で停止させた状態で、エッチング液Eを攪拌することで、ガラス板Gの表面MSに沿って当該エッチング液Eを相対的に流動させてもよい。
上記の実施形態では、エッチング処理の対象となるガラスに関し、ガラス板Gを例示したが、これに限定されず、ブロック状、棒状その他の各種形状のガラスに対して本発明を適用できる。
上記の実施形態では、エッチング槽3の上方に配置される冷却装置4から冷却ガスCを噴射することでエッチング液Eの上部領域USを冷却する例を示したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、冷却媒体を内部で循環可能に構成される冷却装置を、エッチング液Eの上部領域USに浸漬することで、当該エッチング液Eの冷却を行ってもよい。
上記の実施形態では、ガラス板Gの幾何学的中心(軸部10)まわりに回転させることで、エッチング工程S2を実行する例を示したが、本発明はこの構成に限定されず、ガラス板Gの幾何学的中心から偏心した回転軸心まわりにガラス板Gを回転させてもよい。
上記の実施形態では、リン酸塩系のガラス板Gにエッチング処理を施す例を示したが、これに限らず、エッチング処理装置1は、種々の材質のガラス板Gを処理できる。処理対象となるガラス板Gの材質としては、例えば、ケイ酸塩ガラス、シリカガラスが用いられ、より具体的には、ホウ珪酸ガラス、ソーダライムガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、化学強化ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。なお、無アルカリガラスとは、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)が実質的に含まれていないガラスのことであって、具体的には、アルカリ成分の重量比が3000ppm以下のガラスのことである。これらのケイ酸塩ガラス、シリカガラスを処理する場合には、エッチング液Eとしてはフッ酸等の処理液が用いられる。
上記実施形態に示した本発明に係るエッチング方法を用いることにより、従来の研磨では実現し得なかった薄肉のガラス板を得ることができる。例えば、上述した組成を有するリン酸塩系のガラス板は、珪酸塩ガラスに比べ脆く、研磨加工により0.2mm以下に薄肉化することは困難であったが、本発明のエッチング方法によれば、平均厚さを0.2mm以下、好ましくは0.07~0.15mm程度に薄肉化可能である。また、本発明のエッチング方法によれば、エッチング処理後のガラス板Gの偏肉を極めて小さくすることができ、例えば、15μm以下、好ましくは、9μm以下とすることができる。また、エッチング加工前後の偏肉の変化量は、15μm以下、好ましくは、9μm以下とすることができる。なお、偏肉は、最大肉厚と最小肉厚との差により求めることができる。
1 エッチング処理装置
2 ホルダ
3 エッチング槽
4 冷却装置
30 枠体
31 テープ
33 シート部材
C 冷却ガス
E エッチング液
G ガラス(ガラス板)
MS ガラスの表面
US エッチング液の上部領域
S エッチング液の液面
S2 エッチング工程

Claims (4)

  1. ガラスをエッチング液に浸漬してエッチング処理を行うエッチング工程を備え、
    前記エッチング工程は、前記エッチング液を前記ガラスの表面と相対的に流動させることにより、前記エッチング処理を行い、
    前記エッチング液は、エッチング槽に収容されており、
    前記エッチング工程は、前記エッチング液の上部領域を冷却する冷却工程を有することを特徴とする、ガラスのエッチング方法。
  2. 前記冷却工程では、前記エッチング液の液面に冷却ガスを接触させる、請求項に記載のガラスのエッチング方法。
  3. 前記ガラスは、組成として質量%でPを25%以上含むリン酸塩系ガラスであり、
    前記エッチング液は、アルカリ成分としてキレート剤のアルカリ塩を含む、請求項1又は2に記載のガラスのエッチング方法。
  4. エッチング液を収容するエッチング槽と、ガラスを保持するホルダと、を備えるエッチング処理装置において、
    前記ホルダは、前記エッチング液に浸漬された状態で、前記エッチング液を前記ガラスの表面と相対的に流動させるように、回転可能に構成され、
    前記ホルダは、前記ガラスを直立姿勢又は傾斜姿勢で保持するように構成され、
    前記ホルダは、前記ガラスを保持するための保持部を備え、
    前記保持部は、前記ガラスを保持可能な第一の姿勢と、前記ホルダに対する前記ガラスの出し入れを可能とすべく前記第一の姿勢から退避する第二の姿勢と、に姿勢変更可能に構成されており、
    前記エッチング槽の上方に配置され、前記エッチング液の上部領域を冷却する冷却装置をさらに備えることを特徴とする、エッチング処理装置。
JP2019539486A 2017-08-31 2018-08-27 ガラスのエッチング方法及びエッチング処理装置並びにガラス板 Active JP7173018B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017167026 2017-08-31
JP2017167026 2017-08-31
PCT/JP2018/031547 WO2019044757A1 (ja) 2017-08-31 2018-08-27 ガラスのエッチング方法及びエッチング処理装置並びにガラス板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019044757A1 JPWO2019044757A1 (ja) 2020-08-13
JP7173018B2 true JP7173018B2 (ja) 2022-11-16

Family

ID=65525749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019539486A Active JP7173018B2 (ja) 2017-08-31 2018-08-27 ガラスのエッチング方法及びエッチング処理装置並びにガラス板

Country Status (6)

Country Link
US (1) US11174195B2 (ja)
JP (1) JP7173018B2 (ja)
KR (1) KR102561431B1 (ja)
CN (1) CN110799466B (ja)
TW (1) TWI703628B (ja)
WO (1) WO2019044757A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10410883B2 (en) 2016-06-01 2019-09-10 Corning Incorporated Articles and methods of forming vias in substrates
US10794679B2 (en) 2016-06-29 2020-10-06 Corning Incorporated Method and system for measuring geometric parameters of through holes
US11078112B2 (en) 2017-05-25 2021-08-03 Corning Incorporated Silica-containing substrates with vias having an axially variable sidewall taper and methods for forming the same
US10580725B2 (en) 2017-05-25 2020-03-03 Corning Incorporated Articles having vias with geometry attributes and methods for fabricating the same
US11554984B2 (en) 2018-02-22 2023-01-17 Corning Incorporated Alkali-free borosilicate glasses with low post-HF etch roughness
KR20220038595A (ko) * 2019-04-28 2022-03-29 각코호진 오키나와가가쿠기쥬츠다이가쿠인 다이가쿠가쿠엔 서스펜딩된 나노결정 다이아몬드 상에 관통 유리 비아를 제조하는 방법
JP2020193125A (ja) * 2019-05-29 2020-12-03 日本電気硝子株式会社 ガラス板の製造方法
JP7260852B2 (ja) * 2019-07-31 2023-04-19 日本電気硝子株式会社 ガラス板のエッチング方法
KR102625135B1 (ko) * 2020-08-31 2024-01-15 (주) 엔피홀딩스 초박형 글라스의 측면 가공 방법, 글라스의 측면 가공용 지그 및 이를 포함하는 글라스 가공 설비
KR20220106900A (ko) * 2021-01-22 2022-08-01 삼성디스플레이 주식회사 기판 적재용 카세트 및 이를 이용한 기판 처리 방법
CN113219705A (zh) * 2021-05-17 2021-08-06 绍兴同芯成集成电路有限公司 一种tft-lcd面板玻璃减薄工艺
WO2023278223A1 (en) * 2021-07-01 2023-01-05 Corning Incorporated Methods of etching glass-based sheets
WO2023027972A1 (en) * 2021-08-25 2023-03-02 Corning Incorporated Methods for etching glass-based substrates

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004002205A (ja) 2001-04-12 2004-01-08 Nishiyama Stainless Chem Kk ガラス基板の化学加工方法
JP2010168262A (ja) 2008-03-31 2010-08-05 Asahi Glass Co Ltd 板状光学ガラス及び板状光学ガラスの端面処理方法
JP2012092001A (ja) 2010-10-28 2012-05-17 Samsung Mobile Display Co Ltd ガラス基板エッチング装置
JP2013237579A (ja) 2012-05-14 2013-11-28 Asahi Glass Co Ltd ガラス板エッチング装置、ガラス板保持治具およびガラス板の製造方法
CN105293934A (zh) 2014-07-11 2016-02-03 东京应化工业株式会社 玻璃加工方法、玻璃蚀刻液、及玻璃基板
JP2016050119A (ja) 2014-08-28 2016-04-11 株式会社佐藤化工機 エッチング装置およびエッチング方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2929682A1 (de) * 1979-07-04 1981-01-15 Bbc Brown Boveri & Cie Verfahren zum aetzen von silizium- substraten und substrat zur durchfuehrung des verfahrens
TWI255957B (en) * 1999-03-26 2006-06-01 Hitachi Ltd Liquid crystal display device and method of manufacturing the same
US6673195B2 (en) * 2001-03-30 2004-01-06 Industrial Technologies Research Institute Apparatus and method for etching glass panels
TW200745313A (en) * 2006-05-26 2007-12-16 Wako Pure Chem Ind Ltd Substrate etching liquid
JP4197018B2 (ja) * 2006-07-31 2008-12-17 カシオ計算機株式会社 液晶表示装置の製造方法
JP4994197B2 (ja) * 2007-11-16 2012-08-08 株式会社日立国際電気 半導体装置の製造方法及び基板処理装置
JP5423674B2 (ja) * 2008-06-25 2014-02-19 旭硝子株式会社 無アルカリガラス基板のエッチング方法及び表示デバイス
JP5886065B2 (ja) * 2012-02-03 2016-03-16 日本板硝子株式会社 光触媒膜を備えたガラス物品
CN103200791B (zh) * 2013-04-25 2016-02-10 无锡江南计算技术研究所 一种玻璃布增强ptfe材料高频板孔化电镀方法
JP2016025321A (ja) * 2014-07-24 2016-02-08 関東化學株式会社 エッチング液組成物およびエッチング方法
WO2017179283A1 (ja) * 2016-04-11 2017-10-19 日本電気硝子株式会社 赤外線吸収ガラス板及びその製造方法、並びに固体撮像素子デバイス

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004002205A (ja) 2001-04-12 2004-01-08 Nishiyama Stainless Chem Kk ガラス基板の化学加工方法
JP2010168262A (ja) 2008-03-31 2010-08-05 Asahi Glass Co Ltd 板状光学ガラス及び板状光学ガラスの端面処理方法
JP2012092001A (ja) 2010-10-28 2012-05-17 Samsung Mobile Display Co Ltd ガラス基板エッチング装置
JP2013237579A (ja) 2012-05-14 2013-11-28 Asahi Glass Co Ltd ガラス板エッチング装置、ガラス板保持治具およびガラス板の製造方法
CN105293934A (zh) 2014-07-11 2016-02-03 东京应化工业株式会社 玻璃加工方法、玻璃蚀刻液、及玻璃基板
JP2016050119A (ja) 2014-08-28 2016-04-11 株式会社佐藤化工機 エッチング装置およびエッチング方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN110799466A (zh) 2020-02-14
CN110799466B (zh) 2022-09-06
JPWO2019044757A1 (ja) 2020-08-13
TW201913805A (zh) 2019-04-01
WO2019044757A1 (ja) 2019-03-07
TWI703628B (zh) 2020-09-01
US11174195B2 (en) 2021-11-16
KR102561431B1 (ko) 2023-07-31
KR20200044725A (ko) 2020-04-29
US20200156990A1 (en) 2020-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7173018B2 (ja) ガラスのエッチング方法及びエッチング処理装置並びにガラス板
JP5066617B2 (ja) 携帯端末装置のカバーガラス用のガラス基材およびその製造方法
JP2000169166A (ja) 板ガラス製品の製造方法
CN108367966B (zh) 红外线吸收玻璃板及其制造方法、以及固体摄像元件设备
TWI753884B (zh) 紅外線吸收玻璃板及其製造方法、以及固體攝像元件裝置
JP2021514928A (ja) 静電帯電の低減のための起伏加工済みガラス表面
TW201918463A (zh) 紅外線吸收玻璃板及其製造方法、以及固體攝像元件裝置
CN111094203B (zh) 玻璃板及其制造方法
CN111149025B (zh) 带光学膜的玻璃板及其制造方法
JP7260852B2 (ja) ガラス板のエッチング方法
WO2020241041A1 (ja) ガラス板の製造方法
TWI836049B (zh) 玻璃板的蝕刻方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220415

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220613

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220805

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220906

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220906

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220913

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7173018

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150