JP2016050119A - エッチング装置およびエッチング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の端面をエッチングする際に、この端面を滑らかに仕上げる。【解決手段】基板19がその中心の周りに自転している状態で、基板19に対してエッチング液Sを基板19にほぼ平行に供給することにより、エッチング液Sで基板19の端面19aをエッチングする。これにより、エッチング液Sによる基板19の腐食能力を高め、基板19の端面19aを滑らかに仕上げることができる。しかも、エッチング液Sを基板19にほぼ平行に供給するときに、基板19がその中心の周りに自転しているので、エッチング液Sの流れの上流と下流の差をなくすことができる。その結果、基板19の端面19aの部位によってエッチング処理にばらつきが生じる事態の発生をなくし、基板19の端面19aのエッチング処理を均一に行うことできる。【選択図】図6
Description
本発明は、種々の材質(ガラス、合成樹脂、金属など)からなる基板の端面をエッチングする際に適用するのに好適なエッチング装置およびエッチング方法に関するものである。
従来、この種のエッチング装置としては、基板(被処理物)を処理槽(エッチング槽)に埋没させることにより、この基板にエッチング液(処理薬液)でエッチング処理を施すように構成されたエッチング装置が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、こうした従来のエッチング装置では、基板にエッチング処理を施す際に、この基板を処理槽に埋没させるに過ぎないため、エッチング液による基板の腐食能力が不足して、基板の端面が必ずしも滑らかに仕上がらないという課題があった。
本発明は、このような事情に鑑み、基板の端面を滑らかに仕上げることが可能なエッチング装置およびエッチング方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、基板を支持する基板支持手段と、この基板支持手段に支持された前記基板をその中心の周りに自転させる基板回転手段と、この基板回転手段によって自転させられた前記基板に対してエッチング液を供給する給液手段とを有するエッチング装置としたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記給液手段は、前記基板回転手段によって自転させられた前記基板に対して前記エッチング液を当該基板にほぼ平行に供給するように構成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の構成に加え、前記基板支持手段は、前記基板をほぼ水平に支持するように構成されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の構成に加え、前記基板支持手段は、前記基板をほぼ垂直に支持するように構成されていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成に加え、前記基板支持手段は、前記基板回転手段によって複数の前記基板が自転させられた際に、前記給液手段から供給された前記エッチング液が当該基板の端面に供給されるように、これらの基板を互いにスペーサーで離隔して支持するように構成されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の構成に加え、前記基板回転手段は、前記基板を自転させる際に、当該基板が前記基板支持手段に支持された状態で、この基板支持手段を回転させるように構成されていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の構成に加え、前記基板支持手段が複数あり、前記基板回転手段は、これらの基板支持手段を同期的に自転させるように構成されていることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、基板がその中心の周りに自転している状態で、この基板に対してエッチング液を供給することにより、このエッチング液でこの基板の端面をエッチングするエッチング方法としたことを特徴とする。
さらに、請求項9に記載の発明は、基板がその中心の周りに自転している状態で、この基板に対してエッチング液を当該基板にほぼ平行に供給することにより、このエッチング液でこの基板の端面をエッチングするエッチング方法としたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、基板の端面をエッチングする際に、基板に対してエッチング液を供給することにより、基板を単に処理槽に埋没させる場合に比べて、エッチング液による基板の腐食能力を高めることができる。したがって、基板の端面を滑らかに仕上げることが可能となる。
しかも、エッチング液を基板に供給するときに、この基板をその中心の周りに自転させることにより、エッチング液の流れの上流と下流の差を縮めることができる。その結果、基板の端面の部位(エッチング液の上流に位置するか下流に位置するかの違い)によってエッチング処理にばらつきが生じる事態の発生を抑制し、基板の端面のエッチング処理をほぼ均一に行うことが可能となる。
また、請求項2に記載の発明によれば、基板の端面をエッチングする際に、基板に対してエッチング液を基板にほぼ平行に供給することにより、基板を単に処理槽に埋没させる場合に比べて、エッチング液による基板の腐食能力を高めることができる。したがって、基板の端面を滑らかに仕上げることが可能となる。
しかも、エッチング液を基板にほぼ平行に供給するときに、この基板をその中心の周りに自転させることにより、エッチング液の流れの上流と下流の差をなくすことができる。その結果、基板の端面の部位(エッチング液の上流に位置するか下流に位置するかの違い)によってエッチング処理にばらつきが生じる事態の発生をなくし、基板の端面のエッチング処理を均一に行うことが可能となる。
また、請求項3に記載の発明によれば、基板支持手段が基板をほぼ水平に支持するように構成されているので、基板支持手段の構造を簡素化することができる。したがって、基板支持手段、ひいてはエッチング装置を低廉に構成することが可能となる。
また、請求項4に記載の発明によれば、基板支持手段が基板をほぼ垂直に支持するように構成されているので、基板の端面をエッチングした後、この基板を処理槽などから引き上げるだけで、基板上に残っているエッチング液をその自重で落として容易に払拭することができる。その結果、エッチング液の残留による種々のトラブルを未然に回避することが可能となる。
また、請求項5に記載の発明によれば、基板支持手段が複数の基板を互いにスペーサーで離隔して支持し、これらの基板がその中心の周りに自転しているときに、これらの基板の端面にエッチング液が供給されるように構成されているので、各基板の端面がエッチング液に十分さらされた状態で複数の基板の端面を同時にエッチングすることができる。その結果、複数の基板について、そのエッチング処理を効率よく実施することが可能となる。
また、請求項6に記載の発明によれば、基板回転手段が基板を自転させる際に、この基板が基板支持手段に支持された状態で、この基板支持手段を回転させるように構成されているので、基板支持手段を回転させるだけで基板を自転させることができる。したがって、エッチング装置の構造を簡素化し、その製造コストを削減することが可能となる。
また、請求項7に記載の発明によれば、基板支持手段が複数あり、これらの基板支持手段を基板回転手段が同期的に自転させるように構成されているので、複数の基板の端面を同じ条件でエッチングすることができる。その結果、複数の基板について、そのエッチング処理を効率よく実施することが可能となる。
また、請求項8に記載の発明によれば、基板の端面をエッチングする際に、基板に対してエッチング液が供給されるので、基板を単に処理槽に埋没させる場合に比べて、エッチング液による基板の腐食能力を高めることができる。したがって、基板の端面を滑らかに仕上げることが可能となる。
しかも、エッチング液を基板に供給するときに、この基板がその中心の周りに自転しているので、エッチング液の流れの上流と下流の差を縮めることができる。その結果、基板の端面の部位(エッチング液の上流に位置するか下流に位置するかの違い)によってエッチング処理にばらつきが生じる事態の発生を抑制し、基板の端面のエッチング処理をほぼ均一に行うことが可能となる。
さらに、請求項9に記載の発明によれば、基板の端面をエッチングする際に、基板に対してエッチング液が基板にほぼ平行に供給されるので、基板を単に処理槽に埋没させる場合に比べて、エッチング液による基板の腐食能力を高めることができる。したがって、基板の端面を滑らかに仕上げることが可能となる。
しかも、エッチング液を基板にほぼ平行に供給するときに、この基板がその中心の周りに自転しているので、エッチング液の流れの上流と下流の差をなくすことができる。その結果、基板の端面の部位(エッチング液の上流に位置するか下流に位置するかの違い)によってエッチング処理にばらつきが生じる事態の発生をなくし、基板の端面のエッチング処理を均一に行うことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
図1乃至図8には、本発明の実施の形態1を示す。なお、図1においては、4台のエッチング装置2のうち左側の1台が待機状態になっており、残り3台がエッチング処理可能状態になっている。
[発明の実施の形態1]
図1乃至図8には、本発明の実施の形態1を示す。なお、図1においては、4台のエッチング装置2のうち左側の1台が待機状態になっており、残り3台がエッチング処理可能状態になっている。
実施の形態1に係る基板処理設備1は、図1および図2に示すように、一直線上に並べて設置された4台のエッチング装置2を有している。これらのエッチング装置2は、図8に示すように、基板19の端面19aをエッチングして滑らかに仕上げるための装置である。これら4台のエッチング装置2の近傍には、図2に示すように、複数のコ字形のフレーム7が水平方向(図2紙面に直角な方向)に所定の間隔を置いて設置されている。これらのフレーム7には、一対のレール5がエッチング装置2の上方で水平方向(図2紙面に直角な方向)に延伸するように架け渡されている。これらのレール5には、搬送機3がエッチング装置2の上方でレール5に沿って水平方向(図2紙面に直角な方向)に移動自在に吊り下げられている。また、これらのエッチング装置2の前方(図2左方)には作業台6が設置されている。
各エッチング装置2はそれぞれ、図6に示すように、六面体箱形の処理槽9を備えており、処理槽9の内部にはエッチング液Sを貯留することができるようになっている。また、各エッチング装置2はそれぞれ、図3に示すように、ステンレス製の親治具11を有しており、この親治具11は、直方体枠形のフレーム11aと、このフレーム11aの上部に組み込まれた第1回転伝達機構11bと、この第1回転伝達機構11bによって同期的に回転駆動される4本の回転軸体11cと、フレーム11aの上側に立設された4個(2対)のフック11dと、フレーム11aの下部に形成された4個の凹部11eとを備えている。この第1回転伝達機構11bは、2個の円柱状の伝達ホイール21aと、これらの伝達ホイール21aの軸下に同心に組み込まれた2個の伝達歯車21bと、これらの伝達歯車21bに歯合する歯車列21cとから構成されている。さらに、歯車列21cは、図3(a)に示すように、4本の回転軸体11cに同心に組み込まれた4個の第1平歯車22と、これら4個すべての第1平歯車22に歯合する第2平歯車23とから構成されている。そして、親治具11の各回転軸体11cにはそれぞれ、図3に示すように、着脱自在のステンレス製のカセット(基板支持手段)12が吊り下げられて、垂直方向(図3(b)上下方向)の軸心CT1を中心として矢印M、N方向に回転自在に支持されている。
各カセット12はそれぞれ、図4に示すように、複数の基板19を水平に積み重ねて支持しうる円筒枠形のフレーム12aと、このフレーム12aの上側中央部に取り付けられた係止片12bと、フレーム12aの下側中央部に下向きに突設された棒軸12cとを備えている。そして、カセット12の係止片12bは、円筒状のカップリング(軸継手)14を介して親治具11の回転軸体11cに連結しうるようになっている。すなわち、このカップリング14は、図3(b)に示すように、親治具11の回転軸体11cの下端部の近傍に昇降自在に装着されており、カップリング14が下降すると(図3(b)の右側のカップリング14参照)、カセット12の係止片12bと親治具11の回転軸体11cとが連結した状態になるとともに、カップリング14が上昇すると(図3(b)の左側のカップリング14参照)、カセット12の係止片12bと親治具11の回転軸体11cとの連結状態が解除された状態になる。また、カセット12の棒軸12cは、その先端(下端)が親治具11の凹部11eに回転自在に嵌合しうるようになっている。
また、各エッチング装置2にはそれぞれ、図1、図6および図7に示すように、退避方式の基板回転手段13が、垂直方向の軸心CT2を中心として正逆方向に90°旋回自在に付設されている。この基板回転手段13は、駆動シリンダー18、回転用モーター15、第2回転伝達機構16から構成されている。さらに、第2回転伝達機構16は、回転用モーター15の出力軸に取り付けられた平歯車16aと、この平歯車16aに歯合する伝達歯車16bと、この伝達歯車16bの軸下に同心に組み込まれた円柱状の伝達ホイール16cとから構成されている。この基板回転手段13は、駆動シリンダー18を駆動して、垂直方向の軸心CT2を中心として正逆方向に90°旋回することにより、図1(a)に示すように、待機位置P1または稼働位置P2に位置決めされるようになっている。
そして、基板回転手段13は、図7(a)に示すように、待機位置P1に位置決めされた状態では、親治具11の昇降動作を阻害しないように処理槽9の外側に位置している。
また、基板回転手段13は、図7(b)、(c)に示すように、稼働位置P2に位置決めされた状態では、回転用モーター15の回転が親治具11の第1回転伝達機構11bに伝わるように、第2回転伝達機構16が親治具11の第1回転伝達機構11bに係合している。すなわち、基板回転手段13が稼働位置P2に位置決めされると、第2回転伝達機構16の伝達ホイール16cが親治具11の第1回転伝達機構11bの伝達ホイール21aに接触し、これらの伝達ホイール16c、21aが互いに摩擦伝達可能となる。そのため、回転用モーター15の回転は、順に第2回転伝達機構16の平歯車16a、伝達歯車16b、伝達ホイール16c、第1回転伝達機構11bの伝達ホイール21a、伝達歯車21b、歯車列21cに伝わって、最終的に親治具11の4本の回転軸体11cに伝わる。
基板処理設備1は以上のような構成を有するので、この基板処理設備1のエッチング装置2において、長方形板状のガラスからなる複数の基板19の端面19aをエッチングする際には、以下に述べるとおり、これらの基板19がその中心の周りに自転している状態で、これらの基板19に対してエッチング液Sを基板19にほぼ平行に供給することにより、このエッチング液Sでこれらの基板19の端面19aをエッチングする。
すなわち、まず基板取付工程で、エッチングすべき複数の基板19を4個のカセット12に取り付ける。それには、これらの基板19をカセット12のフレーム12a内に水平に積み重ねて設置し、ねじ(図示せず)を締め付けて基板19を上下方向に挟んで支持する。その結果、複数の基板19が4個のカセット12に取り付けられた状態となる。
このとき、これらの基板19は、図5(a)に示すように、複数のスペーサー17で互いに離隔して支持する。このスペーサー17のサイズ(縦および横の長さ)は、図5(b)に示すように、基板19のサイズより若干小さくする。例えば、基板19のサイズが縦60mm、横150mmであれば、スペーサー17のサイズを縦55mm、横145mmとする。また、このスペーサー17の厚さは、基板19の厚さより厚くする。例えば、基板19の厚さが0.5〜1mmであれば、スペーサー17の厚さを1〜2mmとする。
次いで、カセット取付工程に移行し、これら4個のカセット12を親治具11に取り付ける。それには、4個のカセット12について、その棒軸12cを親治具11の凹部11eに回転自在に嵌合させるとともに、カップリング14を下降させて係止片12bを親治具11の回転軸体11cに連結する。すると、これらのカセット12が基板19とともに親治具11に取り付けられた状態となる。
次に、基板浸漬工程に移行し、これらの基板19をエッチング液Sに浸漬する。それには、処理槽9の内部にエッチング液Sが貯留されているとともに、基板回転手段13が待機位置P1(図1(a)参照)に位置決めされている状態で、搬送機3を駆動して、図2に二点鎖線で示すように、親治具11をカセット12および基板19とともに処理槽9の上方まで水平方向に搬送した後、この処理槽9の内部に向けて下降させる。すると、親治具11は、図2に実線で示すように、処理槽9の内部に到達し、複数の基板19は、カセット12に取り付けられたままエッチング液Sに浸漬された状態になり、エッチング液Sによるエッチング処理が開始される。
このとき、基板回転手段13は、待機位置P1に位置決めされているので、親治具11の下降動作を阻害する恐れはない。したがって、親治具11の昇降動作を円滑に実施することができる。
その後、基板自転工程に移行し、これらの基板19をその中心の周りに自転させる。それには、基板回転手段13を待機位置P1から正方向に90°旋回させて稼働位置P2に位置決めし、基板回転手段13の第2回転伝達機構16を親治具11の第1回転伝達機構11bに係合させる。この状態で、基板回転手段13の回転用モーター15に通電して回転用モーター15を回転させる。すると、回転用モーター15の回転が第2回転伝達機構16および第1回転伝達機構11bを介して4本の回転軸体11cに伝わる。このとき、各回転軸体11cは各カセット12の係止片12bに連結されているので、回転軸体11cの回転に伴って、4個のカセット12が軸心CT1を中心として矢印M方向に同期的に自転する。その結果、基板19がその中心の周りに自転する。
なお、このとき、4個のカセット12は、上述したとおり、その上部にある係止片12bが親治具11の回転軸体11cに連結されているとともに、下部にある棒軸12cが親治具11の凹部11eに回転自在に嵌合しているので、カセット12の自転に伴ってカセット12が水平方向にぶれる事態の発生を未然に防止することができる。したがって、カセット12の自転作業、ひいては基板19の自転作業を円滑に実行することが可能となる。
この状態で、エッチング液供給工程に移行し、これらの自転中の基板19に対してエッチング液Sを基板19にほぼ平行に供給する。それには、ポンプ(図示せず)を駆動して、図1(a)および図6に矢印で示すように、処理槽9の内部でエッチング液Sに水平方向の流れを発生させる。すると、このエッチング液Sは、複数の基板19にほぼ平行に供給される。
最後に、基板取出工程に移行し、これらの基板19をエッチング液Sから取り出す。それには、基板回転手段13を稼働位置P2から逆方向に90°旋回させて待機位置P1に位置決めした後、搬送機3を駆動して、親治具11をカセット12および基板19とともに処理槽9から引き上げる。すると、複数の基板19は、エッチング液Sから取り出され、エッチング液Sによるエッチング処理が終了する。
ここで、基板19の端面19aに対するエッチング作業が完了する。なお、このエッチング作業が完了した後、基板19を取り出す場合には、カップリング14を上昇させてカセット12の係止片12bと親治具11の回転軸体11cとの連結状態を解除した後、カセット12を基板19とともに親治具11から取り外すとともに、このカセット12から基板19を取り外す。
このように、複数の基板19の端面19aをエッチングする際に、基板19に対してエッチング液Sが基板19にほぼ平行に供給されるので、基板19を単に処理槽9に埋没させる場合に比べて、エッチング液Sによる基板19の腐食能力を高めることができる。したがって、図8(a)、(b)にエッチング処理前後の状態を示すように、基板19の端面19aを滑らかに仕上げることが可能となる。
しかも、エッチング液Sを基板19にほぼ平行に供給するときに、この基板19がその中心の周りに自転しているので、エッチング液Sの流れの上流と下流の差をなくすことができる。その結果、基板19の端面19aの部位(エッチング液Sの上流に位置するか下流に位置するかの違い)によってエッチング処理にばらつきが生じる事態の発生をなくし、基板19の端面19aのエッチング処理を均一に行うことが可能となる。
また、すべての基板19は、上述したとおり、基板19より若干小さいスペーサー17で互いに離隔されているので(図5参照)、各基板19の端面19aがエッチング液Sに十分さらされた状態で複数の基板19の端面19aを同時にエッチングすることができる。その結果、複数の基板19について、そのエッチング処理を効率よく実施することが可能となる。
さらに、各カセット12が基板19を水平に支持するように構成されているので、各カセット12の構造を簡素化することができる。したがって、4個のカセット12、ひいてはエッチング装置2を低廉に構成することが可能となる。
また、基板回転手段13によって基板19を自転させる際には、この基板19がカセット12に支持された状態で、このカセット12を回転させるように構成されているので、カセット12を回転させるだけで基板19を自転させることができる。したがって、エッチング装置2の構造を簡素化し、その製造コストを削減することが可能となる。
その上、このエッチング装置2では、カセット12が4個あり、これらのカセット12を基板回転手段13が同期的に自転させるように構成されているので、複数の基板19の端面19aを同じ条件でエッチングすることができる。その結果、複数の基板19について、そのエッチング処理を効率よく実施することが可能となる。
[発明の実施の形態2]
図9には、本発明の実施の形態2を示す。
[発明の実施の形態2]
図9には、本発明の実施の形態2を示す。
実施の形態2に係るエッチング装置2では、図9に示すように、親治具11の第1回転伝達機構11bに第3回転伝達機構20を追加して4個のカセット12の中心を適宜ずらすことにより、基板回転手段13の回転用モーター15を回転させたときに、カセット12に支持された複数の基板19が自転すると同時に公転するように構成されている。
すなわち、この第3回転伝達機構20は、図9(b)に示すように、第1回転伝達機構11bの4個の第1平歯車22と同心に設置された4本の固定軸20aと、これらの固定軸20aの上部に同心に固定された4個の第1平歯車20bと、これらの第1平歯車20bに歯合した状態で親治具11の4本の回転軸体11cに同心に固定された4個の第2平歯車20cとから構成されている。ここで、各固定軸20aはそれぞれ、各第1平歯車22から分離しており、第1平歯車22が回転しても固定状態を維持する。また、親治具11の各回転軸体11cはそれぞれ、第1回転伝達機構11bの各第1平歯車22の中心から所定の偏心量L1だけ離れた位置でこの第1平歯車22に軸受20dを介して回転自在に貫通されている。
そのため、回転用モーター15を回転させて第1回転伝達機構11bの4個の第1平歯車22を回転させると、親治具11の4本の回転軸体11cが自転しつつ第3回転伝達機構20の固定軸20aの周りを公転する結果、カセット12に支持された複数の基板19が自転すると同時に公転することになる。
その他の構成については、上述した実施の形態1と基本的に同様であるので、同一の部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。
したがって、この実施の形態2では、上述した実施の形態1と同じ作用効果を奏する。
[発明の実施の形態3]
図10には、本発明の実施の形態3を示す。
[発明の実施の形態3]
図10には、本発明の実施の形態3を示す。
実施の形態3に係るエッチング装置2では、図10に示すように、4個のカセット12が複数の基板19をフレーム12a内に水平ではなく垂直に支持するように構成されているとともに、これらのカセット12が水平方向(図10左右方向)の軸心CT1を中心として矢印M、N方向に回転自在に支持されている。また、基板回転手段13は固定方式であり、回転用モーター15は、その出力軸が垂直方向に向くように処理槽9の内壁上部に取り付けられているとともに、第2回転伝達機構16は、回転用モーター15の出力軸に連結された駆動伝達軸16dと、この駆動伝達軸16dを回転自在に支持する2個の軸受16gと、駆動伝達軸16dの先端部に取り付けられた第1かさ歯車16eと、この第1かさ歯車16eに歯合した状態で親治具11の回転軸体11cの先端部に取り付けられた第2かさ歯車16fとから構成されている。そして、回転用モーター15を回転させると、その回転が順に駆動伝達軸16d、第1かさ歯車16e、第2かさ歯車16fを介して親治具11の回転軸体11cに伝わるように構成されている。なお、回転用モーター15の回転が伝わるのは、親治具11の4本の回転軸体11cのうち1本の回転軸体11cのみであるが、4本の回転軸体11cは歯車列21cを介して互いに連結されているので、1本の回転軸体11cに回転用モーター15の回転が伝わると、残り3本の回転軸体11cにも回転用モーター15の回転が同時に伝わる。したがって、各回転軸体11cにそれぞれカセット12の係止片12bが連結されている状態では、4個のカセット12が軸心CT1を中心として矢印M方向に同期的に自転する。
その他の構成については、上述した実施の形態1と基本的に同様であるので、同一の部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。
したがって、この実施の形態3では、上述した実施の形態1と同じ作用効果を奏する。これに加えて、各カセット12が基板19を垂直に支持するように構成されているので、基板浸漬工程、基板自転工程およびエッチング液供給工程を通じて基板19の端面19aをエッチングした後、基板取出工程で基板19を処理槽9から引き上げるだけで、基板19上に残っているエッチング液Sをその自重で落として容易に払拭することができる。その結果、エッチング液Sの残留による種々のトラブル(例えば、基板19が過度にエッチングされてしまうことなど)を未然に回避することが可能となる。
[発明のその他の実施の形態]
なお、上述した実施の形態1〜3では、長方形板状の基板19の端面19aをエッチングする場合について説明した。しかし、基板19の形状は長方形板状に限るわけではなく、例えば、円形板状の基板19の端面19aをエッチングする際に本発明を同様に適用することもできる。
[発明のその他の実施の形態]
なお、上述した実施の形態1〜3では、長方形板状の基板19の端面19aをエッチングする場合について説明した。しかし、基板19の形状は長方形板状に限るわけではなく、例えば、円形板状の基板19の端面19aをエッチングする際に本発明を同様に適用することもできる。
また、上述した実施の形態1〜3では、ガラスからなる基板19の端面19aをエッチングする場合について説明した。しかし、ガラス以外の材質(例えば、PVCなどの合成樹脂、アルミニウムなどの金属など)からなる基板19の端面19aをエッチングする際に本発明を同様に適用することも可能である。
また、上述した実施の形態1〜3では、親治具11およびカセット12の材質がいずれもステンレスである場合について説明したが、耐薬品性を備えたものであれば、ステンレス以外の材質を代用することもできる。
また、上述した実施の形態1〜3では、基板支持手段としてカセット12を用いる場合について説明したが、カセット12以外の基板支持手段を代用することも可能である。
さらに、上述した実施の形態1〜3では、4台のエッチング装置2を備えた基板処理設備1について説明したが、エッチング装置2の台数は特に限定されるわけではなく、1〜3台、5台以上でも構わない。
本発明は、種々の材質(ガラス、合成樹脂、金属など)からなる基板の端面をエッチングする際に広く適用することができる。
1……基板処理設備
2……エッチング装置
9……処理槽
10……エッチング液
11……親治具
12……カセット(基板支持手段)
13……基板回転手段
17……スペーサー
19……基板
19a……端面
S……エッチング液
2……エッチング装置
9……処理槽
10……エッチング液
11……親治具
12……カセット(基板支持手段)
13……基板回転手段
17……スペーサー
19……基板
19a……端面
S……エッチング液
Claims (9)
- 基板を支持する基板支持手段と、
この基板支持手段に支持された前記基板をその中心の周りに自転させる基板回転手段と、
この基板回転手段によって自転させられた前記基板に対してエッチング液を供給する給液手段と
を有することを特徴とするエッチング装置。 - 前記給液手段は、前記基板回転手段によって自転させられた前記基板に対して前記エッチング液を当該基板にほぼ平行に供給するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエッチング装置。
- 前記基板支持手段は、前記基板をほぼ水平に支持するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエッチング装置。
- 前記基板支持手段は、前記基板をほぼ垂直に支持するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエッチング装置。
- 前記基板支持手段は、前記基板回転手段によって複数の前記基板が自転させられた際に、前記給液手段から供給された前記エッチング液が当該基板の端面に供給されるように、これらの基板を互いにスペーサーで離隔して支持するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエッチング装置。
- 前記基板回転手段は、前記基板を自転させる際に、当該基板が前記基板支持手段に支持された状態で、この基板支持手段を回転させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエッチング装置。
- 前記基板支持手段が複数あり、前記基板回転手段は、これらの基板支持手段を同期的に自転させるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のエッチング装置。
- 基板がその中心の周りに自転している状態で、この基板に対してエッチング液を供給することにより、このエッチング液でこの基板の端面をエッチングすることを特徴とするエッチング方法。
- 基板がその中心の周りに自転している状態で、この基板に対してエッチング液を当該基板にほぼ平行に供給することにより、このエッチング液でこの基板の端面をエッチングすることを特徴とするエッチング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014174127A JP2016050119A (ja) | 2014-08-28 | 2014-08-28 | エッチング装置およびエッチング方法 |
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WO2019044757A1 (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-07 | 日本電気硝子株式会社 | ガラスのエッチング方法及びエッチング処理装置並びにガラス板 |
-
2014
- 2014-08-28 JP JP2014174127A patent/JP2016050119A/ja active Pending
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