JP7163514B2 - 圧力測定用シートセット及びその製造方法、圧力測定用シート及びその製造方法、分散液、並びに、マイクロカプセル - Google Patents

圧力測定用シートセット及びその製造方法、圧力測定用シート及びその製造方法、分散液、並びに、マイクロカプセル Download PDF

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Description

本発明は、圧力測定用シートセット及びその製造方法、圧力測定用シート及びその製造方法、分散液、並びに、マイクロカプセルに関する。
近年、製品の高機能化及び高精細化により、圧力の分布を測定する必要性が増す傾向にある。
例えば、特許文献1においては、発色剤と発色剤を溶解する溶媒とが内包されたマイクロカプセルを用いた圧力測定用シートが提案されている。
特開昭55-137992号公報
本発明者らは、特許文献1に記載された圧力測定用シートを作製して検討したところ、低温での保存安定性を改善する余地があることを知見した。詳細には、圧力測定用シートを低温にて長期間保管した後に使用した場合、加圧領域において発色剤と顕色剤との反応により生じる発色部の発色濃度が、初期濃度(言い換えると、作製直後の圧力測定用シートを使用した場合に、加圧領域において発色剤と顕色剤との反応により生じる発色部の発色濃度)に対して著しく劣化する場合があることを知見した。
そこで、本発明は、低温での保存安定性に優れた圧力測定用シートセット及びその製造方法、並びに、低温での保存安定性に優れた圧力測定用シート及びその製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、分散液及びマイクロカプセルを提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、マイクロカプセルに内包される発色剤と上記発色剤を溶解させる溶媒とを所定の組成とすることで上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
〔1〕 沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む第1層を有する第1シートと、
顕色剤を含む第2層を有する第2シートと、を備える圧力測定用シートセットであって、
上記沸点が100℃以上の溶媒が、芳香族基を含む溶媒を2種類以上含み、且つ、
上記発色剤が、芳香族基を含む発色剤を2種類以上含む、圧力測定用シートセット。
〔2〕 上記芳香族基を含む溶媒が、分子内に芳香族基を2個含む溶媒を含む、〔1〕に記載の圧力測定用シートセット。
〔3〕 上記分子内に芳香族基を2個含む溶媒の含有量が、上記芳香族基を含む溶媒の全質量に対して、50質量%以上である、〔2〕に記載の圧力測定用シートセット。
〔4〕 上記沸点が100℃以上の溶媒が、上記芳香族基を含む溶媒を4種類以上含む、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の圧力測定用シートセット。
〔5〕 上記沸点が100℃以上の溶媒が、更に、脂肪族構造を含む溶媒を含み、
上記芳香族基を含む溶媒の含有量が、上記芳香族基を含む溶媒と上記脂肪族構造を含む溶媒の総質量に対して、50~90質量%である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の圧力測定用シートセット。
〔6〕 上記第2シートに対する、上記芳香族基を含む溶媒の吸油量が、2.0~20.0g/mである、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の圧力測定用シートセット。
〔7〕 上記第1シートの算術平均粗さRaが3.0~7.0μmである、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の圧力測定用シートセット。
〔8〕 上記第2シートの算術平均粗さRaが1.2μm以下である、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の圧力測定用シートセット。
〔9〕 上記第1シート及び上記第2シートが、更に支持体を有し、
上記支持体が樹脂フィルムである、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の圧力測定用シートセット。
〔10〕 沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む第1層と、
上記第1層上に配置された、顕色剤を含む第2層と、を有する、圧力測定用シートであって、
上記沸点が100℃以上の溶媒が、芳香族基を含む溶媒を2種類以上含み、且つ、
上記発色剤が、芳香族基を含む発色剤を2種類以上含む、圧力測定用シート。
〔11〕 上記芳香族基を含む溶媒が、分子内に芳香族基を2個含む溶媒を含む、〔10〕に記載の圧力測定用シート。
〔12〕 上記分子内に芳香族基を2個含む溶媒の含有量が、上記芳香族基を含む溶媒の全質量に対して、50質量%以上である、〔11〕に記載の圧力測定用シート。
〔13〕 上記沸点が100℃以上の溶媒が、上記芳香族基を含む溶媒を4種類以上含む、〔10〕~〔12〕のいずれかに記載の圧力測定用シート。
〔14〕 上記沸点が100℃以上の溶媒が、更に、脂肪族構造を含む溶媒を含み、
上記芳香族基を含む溶媒の含有量が、上記芳香族基を含む溶媒と上記脂肪族構造を含む溶媒の総質量に対して、50~90質量%である、〔10〕~〔13〕のいずれかに記載の圧力測定用シート。
〔15〕 上記第2層に対する、上記芳香族基を含む溶媒の吸油量が、2.0~20.0g/mである、〔10〕~〔14〕のいずれかに記載の圧力測定用シート。
〔16〕 更に支持体を有し、
上記支持体が樹脂フィルムである、〔10〕~〔15〕のいずれかに記載の圧力測定用シート。
〔17〕 〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の圧力測定用シートセットの製造方法であって、
沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む第1層形成用組成物を塗布して、得られた塗膜に対して乾燥処理を施し、第1層を形成する工程を有する、圧力測定用シートセットの製造方法。
〔18〕 〔10〕~〔16〕のいずれかに記載の圧力測定用シートの製造方法であって、
沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む第1層形成用組成物を塗布して、得られた塗膜に対して乾燥処理を施し、第1層を形成する工程を有する、圧力測定用シートの製造方法。
〔19〕 圧力測定のために、顕色剤を含む層と組み合わせて使用される層を形成するために用いられる、沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む分散液であって、
上記沸点が100℃以上の溶媒が、芳香族基を含む溶媒を2種類以上含み、且つ、
上記発色剤が、芳香族基を含む発色剤を2種類以上含む、分散液。
〔20〕 上記沸点が100℃以上の溶媒が、上記芳香族基を含む溶媒を4種類以上含む、〔19〕に記載の分散液。
〔21〕 沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルであって、
上記沸点が100℃以上の溶媒が、芳香族基を含む溶媒を2種類以上含み、且つ、
上記発色剤が、芳香族基を含む発色剤を2種類以上含む、マイクロカプセル。
本発明によれば、低温での保存安定性に優れた圧力測定用シートセット及びその製造方法、並びに、低温での保存安定性に優れた圧力測定用シート及びその製造方法を提供できる。また、本発明によれば、分散液及びマイクロカプセルも提供できる。
圧力測定用シートセットの一実施形態の断面図である。 圧力測定用シートセットの使用形態を説明するための図である。 圧力測定用シートの一実施形態の断面図である。
[圧力測定用シートセット及びその製造方法、圧力測定用シート及びその製造方法、分散液、並びに、マイクロカプセル]
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本発明の圧力測定用シートセット及び圧力測定用シートの特徴点としては、沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包し、且つ下記条件X及び条件Yを満たすマイクロカプセル(以下「特定マイクロカプセル」ともいう。)を使用する点が挙げられる。
条件X:上記沸点が100℃以上の溶媒が、芳香族基を含む溶媒を2種類以上含む。
条件Y:上記発色剤が、芳香族基を含む発色剤を2種類以上含む。
上記構成を有する本発明の圧力測定用シートセット及び圧力測定用シートは、低温での保存安定性に優れる。つまり、本発明の圧力測定用シートセット及び圧力測定用シートは、低温にて長期間保管後に使用された場合であっても、加圧領域において発色剤と顕色剤との反応により生じる発色部が、初期濃度(作製直後の圧力測定用シートを使用した場合に、加圧領域において発色剤と顕色剤との反応により生じる発色部の発色濃度)と比べても遜色のない発色濃度を示す。
上記構成と効果との作用機序は明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。今般、本発明者らは、低温にて長期間保管した際にマイクロカプセルに内包される発色剤が析出することが、低温にて長期間保管後の使用の際に発色部の発色濃度が劣化する原因の一つであることを明らかとしている。
これに対して、特定マクロカプセルは、マイクロカプセルに内包される発色剤と発色剤を溶解する溶媒の組成を上述の条件X及び条件Yを満たす構成とすることで、低温での発色剤の溶媒への溶解性を高めている。この結果として、圧力測定用シートセット及び圧力測定用シートを低温にて長期間保管後に使用した場合であっても、加圧領域において、発色剤が溶媒に溶解した状態(析出が抑制された状態)で顕色剤を含む第2層に移動して上記第2層の内部へ染み込み易く、発色剤と顕色剤との発色反応が進行しやすい。すなわち、上記機構によって、発色部での発色濃度の劣化が抑制されていると推測される。
また、特定マイクロカプセル内に内包される溶媒の沸点が100℃以上である場合、特定マイクロカプセルの製造時及び/若しくは保管時、並びに/又は、圧力測定用シートセット及び圧力測定用シートの製造時及び/若しくは保管時に、溶媒の揮発が抑制されて特定マイクロカプセル内に維持され易い。この点も、圧力測定用シートセット及び圧力測定用シートを使用した際に、加圧領域における発色剤と顕色剤との発色反応がより進行しやすくなる理由の一つであると推測される。
以下、本発明の圧力測定用シートセット及び圧力測定用シートの構成について詳述する。また、併せて、それらの製造方法についても詳述する。
〔第1実施形態〕
図1は、圧力測定用シートセットの一実施形態の断面図である。
圧力測定用シートセット10は、第1支持体12及び第1支持体12上に配置された特定マイクロカプセル13を含む第1層14を有する第1シート16と、第2支持体18と第2支持体18上に配置された顕色剤を含む第2層20を有する第2シート22とを備える。
圧力測定用シートセット10を使用する際には、図2に示すように、第1シート16中の第1層14と第2シート22中の第2層20とが対向するように、第1シート16と第2シート22とを積層して使用する。得られた積層体中の第1シート16の第1支持体12側及び第2シート22の第2支持体18側の少なくとも一方側から加圧することにより、加圧された領域において特定マイクロカプセル13が壊れて、特定マイクロカプセル13に内包されている発色剤が特定マイクロカプセル13から出てきて、第2層20中の顕色剤との間で発色反応が進行する。結果として、加圧した領域において、発色が進行する。
なお、後述するように、第1シート16は第1層14を有していればよく、第1支持体12を有していてなくてもよい。また、第2シート22は第2層20を有していればよく、第2支持体18を有していてなくてもよい。
更に、図1においては、第1支持体12と第1層14とが直接積層しているが、この態様に制限されず、後述するように、第1支持体12と第1層14との間には他の層(例えば、易接着層)が配置されていてもよい。また、図1においては、第2支持体18と第2層20とが直接積層しているが、この態様に制限されず、後述するように、第2支持体18と第2層20との間には他の層(例えば、易接着層)が配置されていてもよい。
以下では、圧力測定用シートセット10を構成する第1シート16及び第2シート22の構成について詳述する。
<<第1シート>>
図1に記載の第1シート16は、第1支持体12と、特定マイクロカプセル13を含む第1層14とを有する。
以下では、各部材について詳述する。
<第1支持体>
第1支持体は、第1層を支持するための部材である。なお、第1層自体で取り扱いが可能な場合には、第1シートは第1支持体を有していなくてもよい。
第1支持体は、シート状、フィルム状、及び、板状のいずれの形状であってもよい。
第1支持体としては、樹脂フィルム、及び、合成紙が挙げられる。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン及びポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、並びに、ポリスチレンフィルムが挙げられる。
合成紙としては、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート等を二軸延伸してミクロボイドを多数形成したもの(ユポ等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及び、ポリアミド等の合成繊維を用いて作製したもの、並びに、これらを紙の一部、片面又は両面に積層したもの、等が挙げられる。
なかでも、加圧により生じる発色濃度をより高める点、及び、発色後の画質に優れる点から、樹脂フィルム、又は、合成紙が好ましく、樹脂フィルムがより好ましい。
第1支持体の厚みは特に制限されず、10~200μmが好ましい。
<第1層>
(特定マイクロカプセル)
第1層は、特定マイクロカプセルを含む。
以下、まず、特定マイクロカプセルを構成する材料について詳述する。
特定マイクロカプセルは、通常、コア部と、コア部をなすコア材(内包されるもの(内包成分ともいう。))を内包するためのカプセル壁と、を有する。
特定マイクロカプセルは、コア材(内包成分)として、沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包する。発色剤がマイクロカプセルに内包されているため、加圧されてマイクロカプセルが破壊されるまで、発色剤は安定的に存在できる。
特定マイクロカプセルは、コア材を内包するカプセル壁を有する。
特定マイクロカプセルのカプセル壁の材料(壁材)としては、感圧複写紙又は感熱記録紙の用途において発色剤を内包するマイクロカプセルの壁材として従来から使用されている公知の樹脂が挙げられる。上記樹脂としては、具体的には、ポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタンウレア、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、及び、ゼラチンが挙げられる。
特定マイクロカプセルのカプセル壁は、実質的に、樹脂で構成されることが好ましい。実質的に樹脂で構成されるとは、カプセル壁全質量に対する、樹脂の含有量が90質量%以上であることを意味し、100質量%が好ましい。つまり、特定マイクロカプセルのカプセル壁は、樹脂で構成されることが好ましい。
なお、ポリウレタンとはウレタン結合を複数有するポリマーであり、ポリオールとポリイソシアネートとを含む原料から形成される反応生成物であることが好ましい。
また、ポリウレアとはウレア結合を複数有するポリマーであり、ポリアミンとポリイソシアネートとを含む原料から形成される反応生成物であることが好ましい。なお、ポリイソシアネートの一部が水と反応してポリアミンとなることを利用して、ポリイソシアネートを用いて、ポリアミンを使用せずに、ポリウレアを合成することもできる。
また、ポリウレタンウレアとはウレタン結合及びウレア結合を有するポリマーであり、ポリオールと、ポリアミンと、ポリイソシアネートとを含む原料から形成される反応生成物であることが好ましい。なお、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させる際に、ポリイソシアネートの一部が水と反応してポリアミンとなり、結果的にポリウレタンウレアが得られることがある。
また、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂とは、メラミンとホルムアルデヒドの重縮合から形成される反応生成物であることが好ましい。
なお、上記ポリイソシアネートとは、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であり、芳香族ポリイソシアネート、及び、脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチロールプロパン等のポリオールと2官能のポリイソシアネートとのアダクト体(付加体)であってもよい。
また、上記ポリオールとは、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物であり、例えば、低分子ポリオール(例:脂肪族ポリオール、芳香族ポリオール。なお、「低分子ポリオール」とは、分子量が400以下のポリオールを意図する。)、ポリビニルアルコール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリラクトン系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、及び、水酸基含有アミン系化合物(例えば、アミノアルコールが挙げられる。アミノアルコールとしては、例えば、エチレンジアミン等のアミノ化合物のプロピレンオキサイド又はエチレンオキサイド付加物である、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン等が挙げられる。)が挙げられる。
また、上記ポリアミンとは、2つ以上のアミノ基(第1級アミノ基又は第2級アミノ基)を有する化合物であり、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3-プロピレンジアミン、及び、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族多価アミン;脂肪族多価アミンのエポキシ化合物付加物;ピペラジン等の脂環式多価アミン;3,9-ビス-アミノプロピル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ-(5,5)ウンデカン等の複素環式ジアミンが挙げられる。
特定マイクロカプセルの平均粒径は特に制限されないが、1~100μmが好ましく、3~50μmがより好ましく、5~30μmが更に好ましい。
特定マイクロカプセルの平均粒径は、特定マイクロカプセルの製造条件等を調整することにより制御できる。
上述の特定マイクロカプセルの平均粒径は、以下の方法により求められる値である。
光学顕微鏡(OLYMPUS BX60、視野の大きさ:320μm×450μm)で第1層の表面から撮影した画像を画像解析し、最も大きいマイクロカプセルから順番に30個のマイクロカプセルの長径(粒径)を計測し、これらを算術平均して平均値を求める。この操作を、第1層の任意の5か所(5視野)で実施して、各箇所で得られた平均値の平均を求めて、得られた値をマイクロカプセルの平均粒径とする。なお、長径とは、マイクロカプセルを観察した際に、最も長い径を意味する。
また、分散液に含まれるマイクロカプセルの平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA-960/HORIBA社製)により測定してもよい。
特定マイクロカプセルのカプセル壁の数平均壁厚は特に制限されないが、圧力応答性が優れる点で、0.01~2.0μmが好ましく、0.02~1.0μmがより好ましい。
なお、特定マイクロカプセルの壁厚とは、特定マイクロカプセルのカプセル粒子を形成するカプセル壁の厚み(μm)を指し、数平均壁厚とは、20個の特定マイクロカプセルの個々のカプセル壁の厚み(μm)を走査型電子顕微鏡(SEM)により求めて平均した平均値をいう。より具体的には、特定マイクロカプセルを含む第1層を有する第1シートの断面切片を作製し、その断面をSEMにより15000倍にて観察し、(特定マイクロカプセルの平均粒径の値)×0.9~(特定マイクロカプセルの平均粒径の値)×1.1の範囲の粒径を有する任意の20個の特定マイクロカプセルを選択の上、選択した個々の特定マイクロカプセルの断面を観察してカプセル壁の厚みを求めて平均値を算出する。
特定マイクロカプセルの平均粒径に対する、特定マイクロカプセルの数平均壁厚δの比(δ/Dm)は特に制限されず、0.001以上の場合が多い。なかでも、圧力に応じた発色濃度とすることに優れる点で、式(1)の関係を満たすことが好ましい。
式(1) δ/Dm>0.001
つまり、上記比(δ/Dm)は、0.001より大きいことが好ましい。また、上記比(δ/Dm)は、0.002以上であることが好ましい。上限は特に制限されないが、0.2以下が好ましい。
≪発色剤≫
特定マイクロカプセルは、発色剤を内包する。
ここで、「発色剤」とは、無色の状態から、後述する顕色剤と接することにより、発色する化合物である。発色剤としては、電子供与性の色素前駆体(発色する色素の前駆体)が好ましい。つまり、発色剤としては、電子供与性無色染料が好ましい。
特定マクロカプセルに内包される発色剤のうちの2種類以上は、芳香族基を含む発色剤(以下「特定発色剤」ともいう。)である。言い換えると、特定マイクロカプセルは、発色剤として、芳香族基を含む発色剤を2種類以上含む。
ここで、「芳香族基を含む」とは、分子内に、単環の芳香族環基及び/又は縮合多環の芳香族環基を含むことを意図する。
上記芳香族環としては、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環が挙げられる。
上記芳香族炭化水素環としては、上述のとおり、単環及び縮合多環のいずれであってもよい。また、上記芳香族炭化水素環は、置換基を有していてもよい。なお、上記芳香族炭化水素環が置換基を複数有する場合、置換基同士が互いに結合して脂環を形成していてもよい。言い換えると、上記芳香族炭化水素環は、脂環構造を含んだもの(例えば、ベンゾラクトン環等)であってもよい。
上記芳香族炭化水素環の炭素数は特に制限されないが、6~30が好ましく、6~18がより好ましく、6~10が更に好ましい。
単環の芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環が挙げられる。
縮合多環の芳香族炭化水素環としては、例えば、ナフタレン環が挙げられる。
上芳香族複素環としては、上述のとおり、単環及び縮合多環のいずれであってもよい。また、上記芳香族複素環は、置換基を有していてもよい。なお、上記芳香族複素環が置換基を複数有する場合、置換基同士が互いに結合して脂環を形成していてもよい。言い換えると、上記芳香族複素環は、脂環構造を含んだものであってもよい。
上記芳香族複素環が含むヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、及び、硫黄原子が挙げられる。芳香族複素環の環員数は特に制限されないが、5~18が好ましい。
上記芳香族複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、チオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、キサンテン環、及び、ベンゾキサンテン環が挙げられる。
特定発色剤における芳香族基の個数は特に制限されず、1個であっても、2個以上であってもよい。なお、特定発色剤が芳香族基を2個以上含む場合、上記2個の芳香族基は、各芳香族基上に存在し得る置換基が互いに結合することで多環構造(ただし、縮合多環構造を含まない)を形成していてもよい。
特定発色剤としては、芳香族基を含みさえすれば、感圧複写紙又は感熱記録紙の用途において公知のものを使用できる。
特定発色剤としては、例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、アザインドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、及び、フルオレン系化合物が挙げられる。
上記の化合物の詳細については、特開平5-257272号公報、及び、WO2009/8248[0029]~[0034]の記載を参照できる。
特定発色剤としては、低温での保存安定性がより優れる点、及び、発色濃度がより優れる点で、分子中にキサンテン環を含む発色剤であるのが好ましい。
特定発色剤の分子量は特に制限されず、300以上が好ましい。上限は特に制限されないが、1000以下が好ましい。
特定発色剤としては、3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-n-オクチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3-[2,2-ビス(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)ビニル]-3-(4-ジエチルアミノフェニル)-フタリド、2-アニリノ-6-ジブチルアミノ-3-メチルフルオラン、6-ジエチルアミノ-3-メチル-2-(2,6-キシリジノ)-フルオラン、2-(2-クロロアニリノ)-6-ジブチルアミノフルオラン、3,3-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、2-アニリノ-6-ジエチルアミノ-3-メチルフルオラン、9-[エチル(3-メチルブチル)アミノ]スピロ[12H-ベンゾ[a]キサンテン-12,1’(3’H)イソベンゾフラン]-3’-オン、及び、2’-メチル-6’-(N-p-トリル-Nエチルアミノ)スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),9’-[9H]キサンテン]-3-オン、3’,6’-ビス(ジエチルアミノ)-2-(4-ニトロフェニル)スピロ[イソインドール-1,9’-キサンテン]-3-オン、6’-(ジエチルアミノ)-1’,3’-ジメチルフルオラン等が挙げられる。また、特定発色剤としては、Pink-DCF及びOrange-DCF(いずれも、保土谷化学工業(株)製)も使用できる。
特定発色剤の含有量は、発色剤全量に対して、50~100質量%であることが好ましく、80~100質量%であることがより好ましく、90~100質量%であることが更に好ましい。
≪沸点が100℃以上の溶媒≫
特定マイクロカプセル内には、沸点が100℃以上の溶媒を内包する。なお、ここでいう「沸点」とは標準大気圧における沸点をいう。
特定マイクロカプセル内に内包される溶媒の沸点としては、なかでも、120℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましく、200℃以上が更に好ましい。なお、沸点の上限値としては特に制限されないが、例えば、400℃以下である。
特定マクロカプセルに内包される沸点が100℃以上の溶媒は、芳香族基を含む溶媒を2種類以上含む。言い換えると、特定マイクロカプセルは、沸点が100℃以上であり、且つ、芳香族基を含む溶媒(以下「特定溶媒」ともいう。)を2種類以上含む。
ここで、「芳香族基を含む」とは、分子内に、単環の芳香族環基及び/又は縮合多環の芳香族環基を含むことを意図する。
上記芳香族環基が含む芳香環としては、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環が挙げられる。
上記芳香族炭化水素環としては、上述のとおり、単環及び縮合多環のいずれであってもよい。また、上記芳香族炭化水素環は、置換基を有していてもよい。なお、上記芳香族炭化水素環が置換基を複数有する場合、置換基同士が互いに結合して脂環を形成していてもよい。言い換えると、上記芳香族炭化水素環は、脂環構造を含んだものであってもよい。
上記芳香族炭化水素環の炭素数は特に制限されないが、6~30が好ましく、6~18がより好ましく、6~10が更に好ましい。
単環の芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環が挙げられる。
縮合多環の芳香族炭化水素環としては、例えば、ナフタレン環が挙げられる。
上芳香族複素環としては、上述のとおり、単環及び縮合多環のいずれであってもよい。また、上記芳香族複素環は、置換基を有していてもよい。なお、上記芳香族複素環が置換基を複数有する場合、置換基同士が互いに結合して脂環を形成していてもよい。言い換えると、上記芳香族複素環は、脂環構造を含んだものであってもよい。
上記芳香族複素環が含むヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、及び、硫黄原子が挙げられる。芳香族複素環の環員数は特に制限されないが、5~18が好ましい。
上記芳香族複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、チオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、及び、キサンテン環が挙げられる。
特定溶媒における芳香族基の個数は特に制限されず、1個であっても、2個以上であってもよい。なお、特定溶媒が芳香族基を2個以上含む場合、上記2個の芳香族基は、各芳香族基上に存在し得る置換基が互いに結合することで多環構造(ただし、縮合多環構造を含まない)を形成していてもよい。
特定溶媒は、なかでも、低温での保存安定性がより優れる点、及び、発色濃度がより優れる点で、芳香族基を2個含む溶媒を含むことが好ましい。
分子内に芳香族基を2個含む特定溶媒の含有量の下限値としては、特定溶媒の全質量に対して、例えば、5質量%以上であり、低温での保存安定性がより優れる点、及び、発色濃度がより優れる点で、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。分子内に芳香族基を2個含む特定溶媒の含有量の上限値としては、例えば、100質量%以下である。
特定溶媒の分子量は特に制限されず、100以上の場合が多い。なかでも、150以上が好ましい。上限は特に制限されないが、1000以下が好ましく、500以下がより好ましく、300以下が更に好ましい。
特定溶媒としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられ、下記一般式(1A)~(1C)で表される化合物が好ましく、なかでも、低温での保存安定性がより優れる点、及び、発色濃度がより優れる点で、下記一般式(1A)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0007163514000001
一般式(1)中、mは、0又は1を表す。mとしては、低温での保存安定性がより優れる点、及び、発色濃度がより優れる点で、1が好ましい。
・mが0を表す場合:
が0を表す場合、Arは、-L-Rで表される置換基(以下、「置換基W」ともいう。)を有する芳香族環を表す。
Arで表される芳香族環としては、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環が挙げられる。芳香族炭化水素環及び芳香族複素環としては、既述の通りである。
置換基Wにおいて、Lは、単結合、オキシスルホニル基(*-SO-O-*)、又はスルホニルオキシ基(*-O-SO-*)を表す。なお、*は、Arとの結合位置を表し、*は、Rとの結合位置を表す。
置換基Wにおいて、Rは、1価の脂肪族炭化水素基を表す。
で表される1価の脂肪族炭化水素基としては、1価の飽和脂肪族炭化水素基及び1価の不飽和脂肪族炭化水素基のいずれであってもよい。また、直鎖状、分岐鎖状、及び、環状のいずれであってもよい。上記1価の脂肪族炭化水素基の炭素数としては特に制限されないが、例えば、1~15であり、1~10が好ましく、1~6がより好ましく、1~4が更に好ましい。上記1価の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、及び、アルキニル基が挙げられ、アルキル基が好ましい。
なお、上記1価の脂肪族炭化水素基は、更に置換基を有していてもよい。
Arで表される芳香族環は、-L-Rで表される置換基を1個有していても、2個以上有していてもよい。
・mが1を表す場合:
が1を表す場合、Ar及びArは、各々独立に、置換基を有していてもよい1価の芳香族基を表す。
Ar及びArで表される1価の芳香族基としては、1価の芳香族炭化水素基及び1価の芳香族複素環基が挙げられる。1価の芳香族炭化水素基が含む芳香族炭化水素環、及び1価の芳香族複素環基が含む芳香族複素環としては、既述の通りである。なお、1価の芳香族炭化水素基及び1価の芳香族複素環基は、上記芳香族炭化水素環及び上記芳香族複素環から水素原子を1つ除くことにより形成され得る。
Ar及びArで表される1価の芳香族基としては、なかでも、1価の芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基であるのがより好ましい。
Ar及びArで表される1価の芳香族基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基としては特に制限されないが、非芳香性の置換基が好ましく、例えば、上述した置換基W等が挙げられる。
は、単結合、2価の脂肪族炭化水素基、又は下記一般式(L)で表される2価の連結基を表す。
Figure 0007163514000002
上記一般式(L)中、Rは、置換基を有していてもよい1価の芳香族基を表す。
は、一般式(1)中、mが1を表す場合におけるAr及びAr(すなわち、置換基を有していてもよい1価の芳香族基)と同義であり、好適態様も同じである。
で表される2価の脂肪族炭化水素基としては、2価の飽和脂肪族炭化水素基及び2価の不飽和脂肪族炭化水素基のいずれであってもよい。また、直鎖状、分岐鎖状、及び、環状のいずれであってもよい。上記2価の脂肪族炭化水素基の炭素数としては特に制限されないが、例えば1~10であり、1~6が好ましく、1~4がより好ましく、1又は2が更に好ましい。上記2価の脂肪族炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基、及び、アルキニレン基が挙げられ、アルキレン基が好ましい。また、上記2価の脂肪族炭化水素基は、炭素原子が、>C=CHで表される2価の基で置換されていてもよい。
としては、なかでも、単結合又は2価の脂肪族炭化水素基が好ましい。
Figure 0007163514000003
一般式(1A)中、L11は、単結合又は2価の脂肪族炭化水素基を表す。
11で表される2価の脂肪族炭化水素基としては、一般式(1)中のLで表される2価の脂肪族炭化水素基と同義であり、好適態様も同じである。
11及びR12は、各々独立に、非芳香族性の置換基を表す。
11及びR12で表される非芳香族性の置換基としては特に制限されないが、1価の脂肪族炭化水素基が好ましく、具体的には、上述した置換基W中のRで表される1価の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。1価の脂肪族炭化水素基としては、なかでも、炭素数が1~4のアルキル基が好ましく、炭素数が1~3のアルキル基がより好ましい。
11及びn12は、各々独立に、0~5の整数を表す。n11及びn12は、0~2の整数を表すのが好ましい。なかでも、n11及びn12のうちいずれか一方が1又は2を表し、他方が0又は1を表すのが好ましい。
なお、n11及びn12が2以上の整数を表す場合、複数存在するR11同士及び複数存在するR12同士は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1A)で表される溶媒としては、具体的には、1,2-ジメチル-4-(1-フェニルエチル)ベンゼン、1,3-ジメチル-4-(1-フェニルエチル)ベンゼン、1,4-ジメチル-2-(1-フェニルエチル)ベンゼン、1-(エチルフェニル)-1-フェニルエタン、イソプロピルビフェニル(例えば、4-イソプロピルビフェニル)、ジイソプロピルビフェニル(例えば、4,4’-イソプロピルビフェニル)、及び、α-メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
Figure 0007163514000004
一般式(1B)中、L21は、単結合、オキシスルホニル基(*-SO-O-*)、又はスルホニルオキシ基(*-O-SO-*)を表す。なお、*は、一般式(1B)中に明示されるフェニル基との結合位置を表し、*は、R22との結合位置を表す。
21は、非芳香族性の置換基を表す。R21で表される非芳香族性の置換基は、一般式(1A)中のR11で表される非芳香族性の置換基と同義であり、好適態様も同じである。
21は、0~5の整数を表す。n21は、0~2の整数を表すのが好ましい。
なお、n21が2以上の整数を表す場合、複数存在するR21同士は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
22は、1価の脂肪族炭化水素基を表す。R22で表される1価の脂肪族炭化水素基としては、上述した置換基W中のRで表される1価の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
一般式(1B)で表される溶媒としては、具体的には、ベンゼンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸メチル、及び、炭素数が1~15の直鎖アルキルベンゼン等が挙げられる。
Figure 0007163514000005
一般式(1C)中、R31、R32、及び、R33は、各々独立に、非芳香族性の置換基を表す。
31、R32、及び、R33で表される非芳香族性の置換基は、一般式(1A)中のR11で表される非芳香族性の置換基と同義であり、好適態様も同じである。
31、n32、及び、n33は、各々独立に、0~5の整数を表す。n31、n32、及び、n33は、各々独立に、0~2の整数を表すのが好ましい。
なお、n31、n32、及び、n33が2以上の整数を表す場合、複数存在するR31同士、複数存在するR32同士、及び、複数存在するR33同士は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1C)で表される溶媒としては、具体的には、トリキシレニルホスフェート及びトリクレジルホスフェート等が挙げられる。
低温での保存安定性がより優れる点、及び、発色濃度がより優れる点で、芳香族基を含む溶媒に含まれる特定溶媒のいずれもが、上述した一般式(1A)で表される溶媒から選ばれるのが好ましい。
特定マイクロカプセルに内包される特定溶媒は、2種以上であり、3種以上が好ましく、4種以上がより好ましい。特定マイクロカプセルに内包される特定溶媒が4種以上である場合の組み合わせの一例としては、1,2-ジメチル-4-(1-フェニルエチル)ベンゼン、1,3-ジメチル-4-(1-フェニルエチル)ベンゼン、1,4-ジメチル-2-(1-フェニルエチル)ベンゼン、及び、1-(エチルフェニル)-1-フェニルエタンの組み合わせ等が挙げられる。
特定マイクロカプセルは、沸点が100℃以上の溶媒として、更に、脂肪族構造を含む溶媒を含むのが好ましい。脂肪族構造を含む溶媒は、後述するようにカプセル壁の形成に寄与し得る。
ここで、「脂肪族構造を含む」とは、分子内に、非芳香性の炭化水素基を含むことを意図する。なお、上記非芳香性の炭化水素基は、炭化水素基中の炭素原子が、ヘテロ原子及びカルボニル炭素等で置換されていてもよい。また、上記炭化水素基は、更に置換基を有していてもよい。
なお、脂肪族構造を含む溶媒は、芳香族基を含まない。言い換えると、脂肪族構造を含む溶媒は、分子内に芳香族環を含まない。したがって、芳香族基と脂肪族構造とを含む溶媒は、芳香族基を含む溶媒に分類される。
脂肪族構造を含む溶媒としては特に制限されず、例えば、ジエチルサクシネート、ラウリン酸メチル、及び、イソパラフィン(例えば、炭素数10以上のイソパラフィン)等の脂肪族炭化水素;大豆油、コーン油、綿実油、菜種油、オリーブ油、ヤシ油、ひまし油、及び、魚油等の天然動植物油等、並びに、鉱物油等の天然物高沸点留分等が挙げられる。
脂肪族構造を含む溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
特定マイクロカプセルが、沸点が100℃以上の溶媒として、脂肪族構造を含む溶媒を含む場合、低温での保存安定性がより優れる点、及び、発色濃度がより優れる点で、特定溶媒の含有量は、脂肪族構造を含む溶媒と特定溶媒の総質量に対して、50.0~90.0質量%であるのが好ましく、発色濃度が更により優れる点で、75.0~90.0質量%であるのがより好ましい。
特定マイクロカプセル中、沸点が100℃以上の溶媒と発色剤との質量比(沸点が100℃以上の溶媒の質量/発色剤の質量)としては、発色濃度がより優れる点で、98/2~30/70の範囲が好ましく、97/3~40/60の範囲がより好ましい。
特定マイクロカプセルは、上述した成分以外に、必要に応じて、光安定化剤、酸化防止剤、ワックス、及び、臭気抑制剤等の添加剤を1種以上内包していてもよい。
また、特定マイクロカプセルは、本発明の効果を阻害しない範囲において、沸点が100℃未満の溶媒(例えば、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、及び、イソプロピルアルコール等のアルコール類等)、及び、芳香族基を含まない発色剤を含んでいてもよい。
(特定マイクロカプセルの製造方法)
特定マイクロカプセルの製造方法は特に制限されず、例えば、界面重合法、内部重合法、相分離法、外部重合法、及び、コアセルベーション法等の公知の方法が挙げられる。なかでも、界面重合法が好ましい。
以下において、カプセル壁がポリウレア又はポリウレタンウレアである特定マイクロカプセルの製造方法を一例として、界面重合法について説明する。
界面重合法としては、発色剤、沸点が100℃以上の溶媒、及び、カプセル壁材(例えば、ポリイソシアネートと、ポリオール及びポリアミンからなる群から選択される少なくとも1種とを含む原料。なお、ポリイソシアネートと水を反応させてポリアミンを系中で製造する場合、ポリオール及びポリアミンは使用しなくてもよい。)とを含む油相を、乳化剤を含む水相に分散して乳化液を調製する工程(乳化工程)と、カプセル壁材を油相と水相との界面で重合させてカプセル壁を形成し、発色剤を内包するマイクロカプセルを形成する工程(カプセル化工程)と、を含む界面重合法が好ましい。
なお、上記原料中における、ポリオール及びポリアミンの合計量と、ポリイソシアネートの量との質量比(ポリオール及びポリアミンの合計量/ポリイソシアネートの量)は特に制限されないが、0.1/99.9~30/70が好ましく、1/99~25/75がより好ましい。
また、乳化工程において、沸点が100℃以上の溶媒は、少なくとも特定溶媒と脂肪族構造を含む溶媒とを含むのが好ましい。なお、脂肪族構造を含む溶媒は、カプセル壁の原料となるポリイソシアネートを析出させやすく、カプセル壁の形成に寄与し得る。
また、上記乳化工程で使用される乳化剤の種類は特に制限されず、例えば、分散剤、及び、界面活性剤が挙げられる。
分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコールが挙げられる。
第1層は、上述した特定マイクロカプセルを含む。
第1層中における特定マイクロカプセルの含有量は特に制限されないが、第1層全質量に対して、60~98質量%が好ましく、75~95質量%がより好ましい。
また、第1層中における発色剤の含有量は特に制限されないが、0.1~2.0g/mが好ましく、0.2~1.0g/mがより好ましい。
第1層は、上述した特定マイクロカプセル以外の他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、例えば、高分子バインダー、無機フィラー(例えば、コロイダルシリカ)、蛍光増白剤、消泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、及び、防腐剤が挙げられる。
第1層の単位面積当たりの質量(固形分塗布量)(g/m)は特に制限されないが、例えば、0.5~20.0g/mであり、0.5~10.0g/mがより好ましい。
<第1層の形成方法>
上記第1層の形成方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
例えば、特定マイクロカプセルと沸点が100℃以上の溶媒とを含む第1層形成用組成物を第1支持体上に塗布して、必要に応じて、塗膜に対して乾燥処理を施す方法が挙げられる。
第1層形成用組成物には、少なくとも特定マイクロカプセルと沸点が100℃以上の溶媒とが含まれることが好ましい。なお、上述した界面重合法によって得られるマイクロカプセル分散液を、第1層形成用組成物として用いてもよい。
第1層形成用組成物には、上述した第1層に含まれていてもよい他の成分が含まれていてもよい。
第1層形成用組成物を塗布する方法は特に制限されず、塗布の際に用いられる塗工機としては、例えば、エアーナイフコーター、ロッドコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、エクストルージョンコーター、ダイコーター、スライドビードコーター、及び、ブレードコーターが挙げられる。
第1層形成用組成物を第1支持体上に塗布後、必要に応じて、塗膜に対して乾燥処理を施してもよい。乾燥処理としては、加熱処理が挙げられる。
なお、上記では第1支持体上に第1層を形成する方法について述べたが、上記態様に制限されず、例えば、仮支持体上に第1層を形成した後、仮支持体を剥離して、第1層からなる第1シートを形成してもよい。
仮支持体としては、剥離性の支持体であれば特に制限されない。
<他の部材>
第1シートは上述した第1支持体及び第1層以外の他の部材を有していてもよい。
例えば、第1シートは、第1支持体と第1層との間に、両者の密着性を高めるための易接着層を有していてもよい。
易接着層の厚みは特に制限されず、0.005~0.2μmが好ましく、0.01~0.1μmがより好ましい。
第1シートの算術平均粗さRaは、発色濃度がより優れる点、及び画質(解像度)がより優れる点で、3.0~7.0μmであるのが好ましい。なお、第1シートの算術平均粗さRaは、圧力測定用シートセットを使用する際に、第1シートの第2シートと対向する側(接触する側)の表面の算術平均粗さRaを意図する。第1シート中の第2シートと対向する側の最表面に第1層が位置する場合、上記算術平均粗さRaは、第1層の第1支持体側とは反対側の表面の算術平均粗さRaに該当する。
なお、本明細書における第1シートの算術平均粗さRaは、JIS B 0681-6:2014で規定される算術平均粗さRaを意味する。なお、測定装置としては、光干渉方式を用いた走査型白色干渉計(詳細には、Zygo社製のNewView5020:Stichモード;対物レンズ×50倍;中間レンズ×0.5倍)を用いる。
第1シートの算術平均粗さRaが3.0μm以上である場合、発色剤が十分な量であることが多いため、より高い発色濃度が出やすい。一方、第1シートの算術平均粗さRaが7.0μm以下である場合、加圧された領域において、特定マイクロカプセルの崩壊により発色剤とともに流出する溶媒を第2シートの第2層が適切に吸収できることから、滲みが少ない良好な画質が得られる。
なお、第1シートの算術平均粗さRaは、第1層形成用組成物の固形分塗布量を調製して、第1シートの第1層中の特定マイクロカプセルの量を調整することにより、制御し得る。
<<第2シート>>
図1に記載の第2シート22は、第2支持体18と第2支持体18上に配置された顕色剤を含む第2層20とを有する。
以下では、各部材について詳述する。
<第2支持体>
第2支持体は、第2層を支持するための部材である。なお、第2層自体で取り扱いが可能な場合には、第2シートは第2支持体を有していなくてもよい。
第2支持体の態様は、上述した第1支持体の態様と同じであるため、説明を省略する。
<第2層>
第2層は、顕色剤を含む層である。
顕色剤とは、それ自身では発色機能はないが、発色剤と接触することにより発色剤を発色される性質を有する化合物である。顕色剤としては、電子受容性の化合物が好ましい。
顕色剤としては、無機化合物及び有機化合物が挙げられ、WO2009/8248[0055]~[0056]記載の無機化合物及び有機化合物が好ましく挙げられる。発色濃度および発色後の画質がより優れる点で、酸性白土、活性白土、又は、芳香族カルボン酸の金属塩が好ましい。
第2層中における顕色剤の含有量は特に制限されないが、第2層全質量に対して50~95質量%が好ましく、70~90質量%がより好ましい。
顕色剤は、1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
第2層中における顕色剤の含有量は特に制限されないが、1.0~40g/mが好ましい。顕色剤が無機化合物である場合には顕色剤の含有量は、2.0~30g/mが好ましく、3.0~20g/mがより好ましい。
第2層は、上述した顕色剤以外の他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、例えば、高分子バインダー、顔料、蛍光増白剤、消泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、及び、防腐剤が挙げられる。
高分子バインダーとしては、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、無水マレイン酸-スチレン共重合体、オレフィン樹脂、変性アクリル酸エステル共重合体、デンプン、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース又はその塩、及び、メチルセルロース等の合成高分子及び天然高分子が挙げられる。
顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、及び、二酸化チタン等が挙げられる。
第2層の厚みは特に制限されないが、0.5~30μmが好ましく、3.5~30μmがより好ましい。
また、第2層の単位面積当たりの質量(固形分塗布量)(g/m)は特に制限されないが、例えば、0.5~30g.0g/mであり、3.5~30.0g/mがより好ましい。
<第2層の形成方法>
上記第2層の形成方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
例えば、顕色剤を含む第2層形成用組成物を第2支持体上に塗布して、必要に応じて、乾燥処理を施す方法が挙げられる。
第2層形成用組成物は、顕色剤を水等に分散した分散液でもよい。顕色剤を分散した分散液は、顕色剤が無機化合物である場合は無機化合物を機械的に水に分散処理させることにより調製できる。また、顕色剤が有機化合物である場合は、有機化合物を機械的に水に分散処理するか、又は、有機溶媒に溶解することにより調製できる。
第2層形成用組成物には、上述した第2層に含まれていてもよい他の成分が含まれていてもよい。
第2層形成用組成物を塗布する方法は特に制限されず、上述した第1層形成用組成物を塗布する際に用いる塗工機を用いる方法が挙げられる。
第2層形成用組成物を第2支持体上に塗布後、必要に応じて、塗膜に対して乾燥処理を施してもよい。乾燥処理としては、加熱処理が挙げられる。
なお、上記では第2支持体上に第2層を形成する方法について述べたが、上記態様に制限されず、例えば、仮支持体上に第2層を形成した後、仮支持体を剥離して、第2層からなる第2シートを形成してもよい。
仮支持体としては、剥離性の支持体であれば特に制限されない。
<他の部材>
第2シートは上述した第2支持体及び第2層以外の他の部材を有していてもよい。
例えば、第2シートは、第2支持体と第2層との間に、両者の密着性を高めるための易接着層を有していてもよい。
易接着層の態様は、上述した第1シートが有していてもよい易接着層の態様が挙げられる。
上述したように、第1シートと第2シートとは、第1シートの第1層と第2シートの第2層とが対向するように、第1シートと第2シートとを積層させて積層体を得て、その積層体に対して加圧することにより使用される。
第2シートに対する特定溶媒の吸油量は、発色濃度がより優れる点で、2.0~20.0g/mであるのが好ましい。第2シートに対する特定溶媒の吸油量が2.0g/m以上である場合、加圧された領域において、特定マイクロカプセルの崩壊により流出した発色剤と特定溶媒とを含む溶液が第2シートの第2層に吸収され易く、より高い発色濃度が出やすい。一方で、第2シートに対する特定溶媒の吸油量が20.0g/m以下である場合、加圧された領域において、特定マイクロカプセルの崩壊により流出した発色剤と特定溶媒とを含む溶液が第2シートの第2層の深部にまで到達せず、結果として、第2層の表層領域に存在する発色剤の量が多く、より高い発色濃度が出やすい。
なお、第2シートに対する特定溶媒の吸油量は、特定溶媒を吸収させる前の第2シートの重さと、特定溶媒を吸収させた後の第2シートの重さの差分をとり、これを単位面積換算して得られる。
第2シートの算術平均粗さRaは、発色濃度がより優れる点、及び画質(解像度)がより優れる点で、1.2μm以下であるのが好ましい。なお、第2シートの算術平均粗さRaは、圧力測定用シートセットを使用する際に、第2シートの第1シートと対向する側(接触する側)の表面の算術平均粗さRaを意図する。第2シート中の第1シートと対向する側の最表面に第2層が位置する場合、上記算術平均粗さRaは、第2層の第2支持体側とは反対側の表面の算術平均粗さRaに該当する。
なお、本明細書における第2シートの算術平均粗さRaは、JIS B 0681-6:2014で規定される算術平均粗さRaを意味する。なお、測定装置としては、光干渉方式を用いた走査型白色干渉計(詳細には、Zygo社製のNewView5020:Microモード;対物レンズ×50倍;中間レンズ×0.5倍)を用いる。
<<圧力測定用シートセットの製造方法>>
圧力測定用シートセットが備える第1シート及び第2シートの製造方法としては既述の通りである。圧力測定用シートセットの製造方法としては、なかでも、沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む第1層形成用組成物を塗布して、得られた塗膜に対して乾燥処理を施し、第1層を形成する工程を有するのが好ましい。
なお、第1層形成用組成物を用いた第1層の形成方法は、第1実施形態で説明した通りである。
〔第2実施形態〕
図3は、圧力測定用シートの一実施形態の断面図である。
圧力測定用シート30は、支持体32と、顕色剤を含む第2層20と、特定マイクロカプセル13を含む第1層14とをこの順で備える。
圧力測定用シート30を使用する際には、支持体32側及び第1層14側の少なくとも一方側から加圧することにより、加圧された領域において特定マイクロカプセル13が壊れて、特定マイクロカプセル13に内包されている発色剤が特定マイクロカプセル13から出てきて、第2層20中の顕色剤との間で発色反応が進行する。結果として、加圧した領域において、発色が進行する。
なお、後述するように、圧力測定用シート30は第1層14及び第2層20を有していればよく、支持体32を有していてなくてもよい。
更に、図3においては、支持体32と第2層20とが直接積層しているが、この態様に制限されず、後述するように、支持体32と第2層20との間には他の層(例えば、易接着層)が配置されていてもよい。
また、図3においては、支持体32と、第2層20と、第1層14とをこの順で有する圧力測定用シート30を開示しているが、この態様に制限されず、支持体32と、第1層14と、第2層20とをこの順で有する圧力測定用シートであってもよい。
圧力測定用シート30中における第1層14及び第2層20は、上述した第1実施形態で説明した第1層14及び第2層20と同じ部材であるため、説明を省略する。
以下では、主に、支持体32について詳述する。
<<支持体>>
支持体は、第1層及び第2層を支持するための部材である。なお、第1層及び第2層の積層体自体で取り扱いが可能な場合には、圧力測定用シートは支持体を有していなくてもよい。
支持体の好適態様は、上述した第1支持体の好適態様と同じであるため、説明を省略する。
<<圧力測定用シートの製造方法>>
圧力測定用シートの製造方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
圧力測定用シートの製造方法としては、沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む第1層形成用組成物を塗布して、必要に応じて、得られた塗膜に対して乾燥処理を施し、第1層を形成する工程を有するのが好ましい。
圧力測定用シートの製造方法の具体的な一例としては、顕色剤を含む第2層形成用組成物を支持体上に塗布して、必要に応じて、乾燥処理を施して、支持体上に第2層を形成した後、更に、特定マイクロカプセルと沸点が100℃以上の溶媒とを含む第1層形成用組成物を第2層上に塗布して、必要に応じて、塗膜に対して乾燥処理を施して第1層を形成する方法が挙げられる。
第1層形成用組成物を用いた第1層の形成方法は、第1実施形態で説明した通りである。また、第2層形成用組成物を用いた第2層の形成方法も、第1実施形態で説明した通りである。
<<他の部材>>
圧力測定用シートは支持体、第2層及び第1層以外の他の部材を含んでいてもよい。
例えば、圧力測定用シートは、支持体と第2層との間に、両者の密着性を高めるための易接着層を有していてもよい。
易接着層の態様は、上述した第1シートが有していてもよい易接着層の態様が挙げられる。
上述したように、圧力測定用シートは、その表面に対して加圧することにより使用される。
第2層に対する特定溶媒の吸油量は、発色濃度がより優れる点で、2.0~20.0g/mであるのが好ましい。第2層に対する特定溶媒の吸油量が2.0g/m以上である場合、加圧された領域において、特定マイクロカプセルの崩壊により流出した発色剤と特定溶媒とを含む溶液が第2層に吸収され易く、より高い発色濃度が出やすい。一方で、第2層に対する特定溶媒の吸油量が20.0g/m以下である場合、加圧された領域において、特定マイクロカプセルの崩壊により流出した発色剤と特定溶媒とを含む溶液が第2層の深部にまでせず、結果として、第2層の表層領域に存在する発色剤の量が多く、より高い発色濃度が出やすい。
本開示の圧力測定用シートセット及び圧力測定用シートの用途は、特に制限されないが、例えば、電子部品の製造の際の圧力測定(液晶パネルの貼り合わせ工程における圧力測定、プリント基板へのハンダ印刷工程における圧力分布の確認、集積回路や配線の圧着工程における圧力分布の確認等)、自動車の製造の際の圧力測定(エンジンのシリンダガスケット面圧測定、各種シール部フランジ面の圧力測定、並びに、タイヤの接地及び接地圧確認)が挙げられる。
〔第3実施形態〕
第3実施形態としては、圧力測定のために、顕色剤を含む層と組み合わせて使用される層を形成するために用いられる、沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む分散液(以下、単に「第1分散液」ともいう。)(圧力測定層形成用分散液)が挙げられる。
第1分散液においては、沸点が100℃以上の溶媒が、芳香族基を含む溶媒を2種類以上含み、且つ、発色剤が、芳香族基を含む発色剤を2種類以上含む。
第1分散液に含まれる成分の詳細は、上述した通りである。
上記第1分散液としては、上述した第1層形成用組成物が挙げられる。
第1分散液には、通常、マイクロカプセルを分散するための溶媒(マイクロカプセルに内包されていない溶媒)が含まれる。第1分散液に含まれる溶媒の種類は特に制限されず、水及び有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、第1分散液の調製時に使用された沸点が100℃以上の溶媒であってもよい。
上記第1分散液は、第1層形成用組成物と同様に、圧力測定に用いられる層(上述した、第1層に相当)を形成するために用いられる。
第1分散液は、顕色剤を含む層を形成するために用いられる分散液(以下、単に「第2分散液」ともいう。)と組み合わせて使用してもよい。つまり、第1分散液と第2分散液とをセット(分散液セット)として用いてもよい。
第2分散液は、顕色剤を含む分散液である。
第2分散液としては、上述した第2層形成用組成物が挙げられる。
第2分散液に含まれる顕色剤の態様としては、第2層形成用組成物に含まれる顕色剤の態様が挙げられる。
第2分散液には、通常、溶媒が含まれる。第2分散液に含まれる溶媒の種類は特に制限されず、水及び有機溶媒が挙げられる。
なお、曲面に合わせて凹凸なく塗布できる、及び、スプレー等の塗布方式でも詰まらない等の理由により、第1分散液は粗大粒子を含まないことが好ましい。
また、上記と同様の理由により、マイクロカプセルの平均粒径は1~50μmが好ましい。
また、上記と同様の理由により、第2分散液は粗大粒子を含まないことが好ましい。
また、上記と同様の理由により、第2分散液に含まれる顕色剤としては、有機化合物が好ましい。有機化合物としては、芳香族カルボン酸の金属塩が好ましく、サリチル酸金属塩がより好ましく、サリチル酸亜鉛塩がさらに好ましい。
上記第1分散液は、圧力測定用シートセット及び圧力測定用シート等のシートでは圧力測定が困難な対象物に対しても、適用できる。より具体的には、圧力測定対象物の表面形状に左右されることなく、圧力測定対象物の圧力測定を必要とする領域に第1分散液を必要な量だけ塗布して、その領域に上記マイクロカプセルを含む層を形成することにより、圧力測定を可能としている。特に、曲面における圧力を測定する場合等に好適に適用できる。より具体的には、曲面部に対して、第1分散液を塗布して、マイクロカプセルを含む層を形成して、圧力測定を可能としている。
なお、上述したように、第1分散液より形成される層は、圧力測定のために、顕色剤を含む層と組み合わせて用いられる。そのため、第1分散液を用いた場合と同様に、圧力測定対象物の圧力測定を必要とする領域に上述した第2分散液を必要な量だけ塗布して、顕色剤を含む層とマイクロカプセルを含む層と隣接して配置することにより、圧力測定を可能としている。
なお、通常、圧力測定対象物の圧力測定を必要とする領域には、マイクロカプセルを含む層と顕色剤を含む層とが積層して配置されるが、どちらの層を圧力測定対象物側に配置してもよい。言い換えれば、圧力測定対象物の圧力測定を必要とする領域に、第1分散液及び第2分散液のどちらを先に塗布してもよい。
上記のように、第1分散液と第2分散液とが塗布された面に対して、一方側から加圧することにより、加圧された領域においてマイクロカプセルが壊れて、マイクロカプセルに内包されている発色剤がマイクロカプセルから出てきて、顕色剤と接触し、顕色剤との間で発色反応が進行する。結果として、加圧した領域において、発色が進行する。
第1分散液及び第2分散液を塗布する方法は特に制限されず、ローラー塗布、スプレー塗布、刷毛塗り、及び、ディップコートが挙げられる。
第1分散液及び第2分散液の塗布は、測定対象物の測定面に直接塗布してもよいし、フィルム及び紙等を介して塗布してもよい。
第1分散液及び第2分散液の塗布量としては、測定用途に応じて設定できるが、良好な発色及び発色分布を得る点からは、例えば、固形分換算で、2~40g/mとすること好ましい。
〔第4実施形態〕
第4実施形態としては、圧力測定のための層を形成するために用いられる、沸点が100℃以上の溶媒と発色剤を内包するマイクロカプセルと、顕色剤とを含む分散液(以下、単に「第3分散液」ともいう。)(圧力測定層形成用分散液)が挙げられる。
第3分散液においては、沸点が100℃以上の溶媒が、芳香族基を含む溶媒を2種類以上含み、且つ、発色剤が、芳香族基を含む発色剤を2種類以上含む。
第3分散液に含まれるマイクロカプセルの態様としては、第1層形成用組成物に含まれるマイクロカプセルの態様が挙げられる。
第3分散液に含まれる顕色剤の態様としては、第2層形成用組成物に含まれる顕色剤の態様が挙げられる。
第3分散液には、通常、マイクロカプセルを分散するための溶媒(マイクロカプセルに内包されていない溶媒)が含まれる。第3分散液に含まれる溶媒の種類は特に制限されず、水及び有機溶媒が挙げられる。
第3分散液は、上述した第1層形成用組成物に、顕色剤を混合した態様、及び、第1層形成用組成物に、上述した第2層形成用組成物を混合した態様、が挙げられる。
なお、曲面に合わせて凹凸なく塗布できる、及び、スプレー等の塗布方式でも詰まらない等の理由により、第3分散液は粗大粒子を含まないことが好ましい。
また、上記と同様の理由により、マイクロカプセルの平均粒径は1~50μmが好ましい。
また、上記と同様の理由により、第3分散液に含まれる顕色剤としては、有機化合物が好ましい。有機化合物としては、芳香族カルボン酸の金属塩が好ましく、サリチル酸金属塩がより好ましく、サリチル酸亜鉛塩がさらに好ましい。
第3分散液は、発色剤を内包するマイクロカプセル及び顕色剤を含むため、第3分散液を塗布して形成される層のみで圧力測定が可能となる。
つまり、第3分散液は、第1分散液及び第2分散液のように、圧力測定用シートセット及び圧力測定用シート等のシートでは圧力測定が困難な対象物に対しても、適用できる。より具体的には、圧力測定対象物の表面形状に左右されることなく、圧力測定対象物の圧力測定を必要とする領域に第3分散液を必要な量だけ塗布して、その領域に層を形成することにより、圧力測定を可能としている。
第3分散液の塗布方法及び塗布条件としては、上述した第1分散液及び第2分散液の塗布方法及び塗布条件が挙げられる。
上述した第1分散液、第2分散液、及び、第3分散液は、種々の用途に使用できる。
例えば、自動車等の車両又は航空機の製造における、各種の構成部材、ボディ等の成型加工、又は、構成部材の組み立て加工における圧力分布の確認、建材の組み立て加工における圧力分布の確認、電子製品の曲面加工等の工程における圧力分布の確認、輸送に伴い貨物に付与された衝撃力の確認、金属製品の製造における金型当たりの確認、樹脂製品の成型加工時の金型当たりの確認、医薬品における錠剤の打錠における圧力分布の確認、ソファー座面等の家具表面における圧力分布の確認、筆記具等に付与されたグリップ力の確認等の文具の圧力確認、弾性材料から構成されたボール等のスポーツ用品に付与された衝撃力の確認、及び、歯科用品における上下の歯間の隙間(クリアランス)の確認が挙げられる。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、以下において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、質量基準である。
[圧力測定用シートセットの作製]
〔実施例1〕
<発色剤内包マイクロカプセルの調製>
1,2-ジメチル-4-(1-フェニルエチル)ベンゼン、1,3-ジメチル-4-(1-フェニルエチル)ベンゼン、1,4-ジメチル-2-(1-フェニルエチル)ベンゼン、及び1-(エチルフェニル)-1-フェニルエタンの混合物(烟台金正精細化工有限公司製、SRS-101)50部に、発色剤として3’,6’-ビス(ジエチルアミノ)-2-(4-ニトロフェニル)スピロ[イソインドール-1,9’-キサンテン]-3-オン(保土谷化学工業(株)製、Pink-DCF)3部、6’-(ジエチルアミノ)-1’,3’-ジメチルフルオラン(保土谷化学工業(株)製、Orange-DCF)4部を溶解し、溶液Aを得た。次に、合成イソパラフィン(出光興産(株)、IPソルベント1620)13部、メチルエチルケトン2.5部に溶解したN,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン((株)アデカ、アデカポリエーテルEDP-300)0.3部を、攪拌している溶液Aに加えて溶液Bを得た。更に、酢酸エチル6部に溶解したトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパン付加物(DIC(株)、バーノックD-750)2.5部を、攪拌している溶液Bに加えて溶液Cを得た。そして、水140部にポリビニルアルコール(PVA-217E、(株)クラレ)7部を溶解した溶液中に上記の溶液Cを加えて、乳化分散した。乳化分散後の乳化液に水200部を加え、攪拌しながら70℃まで加温し、1時間攪拌後、冷却した。更に、水を加えて濃度を調整し、固形分濃度20質量%の発色剤内包マイクロカプセル液を得た。
得られた発色剤内包マイクロカプセルの平均粒径は、20μmであった。平均粒径は、光学顕微鏡により上述した方法で測定した。
<圧力測定用シートセットの作製>
(第1シートの作製)
得られた発色剤内包マイクロカプセル液18部、水10部、コロイダルシリカ(日産化学工業、スノーテックス30、固形分含有量30%)1.8部、カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬、セロゲン5A)の1%水溶液2部、カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬、セロゲンEP)の1%水溶液4.5部、側鎖アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩(第一工業製薬、ネオゲンT)の15%水溶液1部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエ-テル(第一工業製薬、ノイゲンLP-70)の1%水溶液0.2部、ナトリウム-ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル)-2-スルフイナトオキシスクシナート(富士フイルム、W-AHE)の1%水溶液0.2部を混合し、第1層形成用組成物を得た。
得られた第1層形成用組成物を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートの上に、乾燥後の質量が6.0g/mとなるようにバーコーターにより塗布した。次いで、得られた塗膜を80℃で乾燥させて第1層を形成し、第1シートを作製した。
(第2シートの作製)
顕色剤である活性白土(水澤化学、シルトンF-242)100部、ヘキサメタリン酸Na(日本化学工業、ヘキサメタリン酸ソーダ)0.5部、10%水酸化ナトリウム水溶液15部、及び水240部を加え、得られた分散液に対し、オレフィン樹脂(荒川化学工業、ポリマロン482、固形分濃度25質量%)30部、変性アクリル酸エステル共重合体(日本ゼオン、ニッポールLX814、固形分濃度46質量%)35部、カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬、セロゲンEP)の1%水溶液80部、アルキルベンゼンスルホン酸Na(第一工業製薬、ネオゲンT)の15%水溶液18部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエ-テル(第一工業製薬、ノイゲンLP-70)の1%水溶液20部、ナトリウム-ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル)-2-スルフイナトオキシスクシナート(富士フイルム、W-AHE)の1%水溶液20部を混合し、顕色剤を含む塗布液を調製した。
顕色剤を含む塗布液を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートの上に、固形分塗布量が7.0g/mになるように塗布した。次いで、得られた塗膜を乾燥させて第2層を形成し、第2シートを得た。
〔実施例2〕
<発色剤内包マイクロカプセルの調製>
SRS-101(烟台金正精細化工有限公司製)50部を、1,2,4-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリメチルベンゼン、1,2,3-トリメチルベンゼン、クメン、及びキシレンの混合物(JXTGエネルギー(株)製、ハイゾール100)50部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により発色剤内包マイクロカプセルを調製した。
<圧力測定用シートセットの作製>
得られた発色剤内包マイクロカプセルを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2の圧力測定用シートセットを作製した。
〔実施例3〕
<発色剤内包マイクロカプセルの調製>
Pink-DCF(保土谷化学工業(株)製)3部及びOrange-DCF(保土谷化学工業(株)製)4部を、下記構造(A)で表される化合物(山田化学工業(株)製、Red500)4部及び下記構造(B)で表される化合物(山田化学工業(株)製、Red520)4部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により発色剤内包マイクロカプセルを調製した。
構造(A)で表される化合物
Figure 0007163514000006
構造(B)で表される化合物
Figure 0007163514000007
<圧力測定用シートセットの作製>
得られた発色剤内包マイクロカプセルを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3の圧力測定用シートセットを作製した。
〔実施例4~7〕
<発色剤内包マイクロカプセルの調製>
SRS-101(烟台金正精細化工有限公司製)50部を、表1中の「芳香族基を含む溶媒」欄に記載された溶媒(表1中の「芳香族基を含む溶媒」欄の「種類」欄において、溶媒種に併記される括弧内の数値は、混合比(質量基準)を表す。)50部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により発色剤内包マイクロカプセルを調製した。
<圧力測定用シートセットの作製>
得られた発色剤内包マイクロカプセルを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例4~7の圧力測定用シートセットを作製した。
〔実施例8〕
<圧力測定用シートセットの作製>
第1シートの作製において、得られた第1層形成用組成物を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートの上に、乾燥後の質量が12.0g/mとなるようにバーコーターにより塗布し、得られた塗膜を80℃で乾燥させて第1層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例8の圧力測定用シートセットを作製した。
〔実施例9〕
<圧力測定用シートセットの作製>
第2シートの作製において、顕色剤を含む塗布液を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートの上に、固形分塗布量が3.5g/mになるように塗布し、得られた塗膜を乾燥させて第2層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例9の圧力測定用シートセットを作製した。
〔実施例10〕
<圧力測定用シートセットの作製>
第2シートの作製において、顕色剤を含む塗布液を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートの上に、固形分塗布量が1.8g/mになるように塗布し、得られた塗膜を乾燥させて第2層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例10の圧力測定用シートセットを作製した。
〔実施例11〕
<発色剤内包マイクロカプセルの調製>
SRS-101(烟台金正精細化工有限公司製)50部を47部に変更し、IPソルベント1620(出光興産(株)製)13部を16部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により発色剤内包マイクロカプセルを調製した。
<圧力測定用シートセットの作製>
得られた発色剤内包マイクロカプセルを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例11の圧力測定用シートセットを作製した。
〔比較例1〕
<発色剤内包マイクロカプセルの調製>
SRS-101(烟台金正精細化工有限公司製)50部を4-イソプロピルビフェニル47部に変更し、IPソルベント1620(出光興産(株)製)13部を16部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により発色剤内包マイクロカプセルを調製した。
<圧力測定用シートセットの作製>
得られた発色剤内包マイクロカプセルを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1の圧力測定用シートセットを作製した。
〔比較例2〕
<発色剤内包マイクロカプセルの調製>
Pink-DCF(保土谷化学工業(株)製)3部及びOrange-DCF(保土谷化学工業(株)製)4部を、Pink-DCF(保土谷化学工業(株)製)7部に変更した以外は、実施例4と同様の方法により発色剤内包マイクロカプセルを調製した。
<圧力測定用シートセットの作製>
得られた発色剤内包マイクロカプセルを用いた以外は、実施例4と同様の方法により、比較例1の圧力測定用シートセットを作製した。
[測定及び評価]
〔第2シートに対する芳香族基を含む溶媒の吸油量(g/m)の測定〕
芳香族基を含む溶媒(例えば、実施例1では「SRS-101」)を第2シート全体に浸透させた後に、シートに吸収されずに溢れた芳香族基を含む溶媒を拭き取った。次いで、芳香族基を含む溶媒を浸透させた後の第2シートの重さから、芳香族基を含む溶媒を浸透させる前の第2シートの重さを差し引いた値を求め、第2シートの1m当たりの吸油量を算出した。
〔第1シート及び第2シートの各算術平均粗さRaの測定〕
第1シートの算術平均粗さRa(第1層のPETシート側とは反対側の表面の算術平均粗さRaに該当)及び第2シートの算術平均粗さRa(第2層のPETシート側とは反対側の表面の算術平均粗さRaに該当)の測定方法は、上述した通りである。
〔発色濃度評価〕
<第2シートに形成された発色部の濃度(DA)の測定>
各実施例及び比較例にて作製した第1シートと第2シートとを使用し、圧力測定用シートセットの評価を実施した。具体的には、第1シートと、5cm×5cmのサイズに裁断した第2シートとを、第1シートの第1層の表面と第2シートの第2層の表面とを接触させて重ね合わせて積層体を得た。次に、加圧プレス機(DSF-C1-A、アイダエンジニアリング(株)製)によって1.0MPaの圧力で積層体を加圧し、発色させた。その後、積層体を構成する第1シートと第2シートを剥離し、濃度計RD-19(グレタグマクベス社製)を用いて、第2シートに形成された発色部の濃度(DA)を支持体(PETシート)面側から支持体を介して測定した。
<発色濃度ΔD1の算出>
また、これとは別に、濃度計RD-19(グレタグマクベス社製)を用いて、未使用の第2シートの初期濃度(DB)を支持体(PETシート)面側から支持体を介して測定した。そして、濃度DAから初期濃度DBを減算し、発色濃度ΔD1を求め、下記の評価基準に従って評価した。なお、「B」が実使用上許容できる範囲である。
結果を表1に示す。
<評価基準>
「A」:ΔD1が、0.7以上である(発色が明確に認められた)。
「B」:ΔD1が、0.2以上0.7未満である(発色が微かに認められた)。
「C」:ΔD1が、0.2未満である(発色がほとんど認められなかった)。
〔保存性評価〕
第1シートを-30℃の環境下で1週間保管した後、常温に戻し、上述の<第2シートに形成された発色部の濃度(DA)の測定>と同様の方法により、第2シートに形成された発色部の濃度(DA’)を測定した。
また、これとは別に、濃度計RD-19(グレタグマクベス社製)を用いて、未使用の第2シートの初期濃度(DB)を支持体(PETシート)面側から支持体を介して測定した。そして、濃度DA’から初期濃度DBを減算し、発色濃度ΔD1’を求めた。
次いで、発色濃度ΔD1から発色濃度ΔD1’を減算し、保管前後の発色濃度差ΔD2を求めた。得られたΔD2の値に基づいて、下記の評価基準に従って評価した。なお、「B」が実使用上許容できる範囲である。
結果を表1に示す。
<評価基準>
「A」:ΔD2が、0.1以下である(変化が認められなかった)。
「B」:ΔD2が、0.1超0.3以下である(わずかに変化が認められた)。
「C」:ΔD2が、0.3超である(大きな変化が認められた)。
〔画質(解像度)評価〕
未使用の第1シートの第1層の表面を光学顕微鏡で観察し、マイクロカプセルの平均粒径(マイクロカプセル径D(μm))を求めた。マイクロカプセルの平均粒径の測定方法は、上述した通りである。
また、発色後の第2シートの第2層の表面を光学顕微鏡で観察し、発色ドッドの平均ドット径(発色ドット径D’(μm))を求めた。得られた値から、マイクロカプセル径D(μm)に対する発色ドット径D’(μm)を求め、以下の評価基準に従って評価した。
なお、発色ドット径D’(μm)の具体的な測定方法は以下の通りである。
発色ドット径D’(μm):発色後の第2シートの第2層の表面を光学顕微鏡(OLYMPUS BX60、視野の大きさ:320μm×450μm)で第2層の表面から撮影した画像を画像解析し、最も大きい発色ドットから順番に30個の発色ドットの長径を計測し、これらを算術平均して平均値を求めた。この操作を、第2層の任意の5か所(5視野)で実施して、各箇所で得られた平均値の平均を求めて、得られた値を発色ドットの平均ドット径(発色ドット径D’(μm))とした。なお、長径とは、発色ドットを観察した際に、最も長い径を意味する。
結果を表1に示す。
<評価基準>
「A」:D’/Dが、50未満である(高画質)。
「B」:D’/Dが、50以上300未満である(中画質)。
「C」:D’/Dが、300以上である(低画質)。
以下に表1を示す。
表1中、「芳香族基を含む溶媒」欄の「種類」において、溶媒種に併記される括弧内の数値は、混合比(質量基準)を表す。例えば、実施例4の場合、芳香族基を含む溶媒として、4-イソプロピルビフェニルと4,4’-ジイソプロピルビフェニルとを質量比で50/50で含むことを意図する。
表1中、「芳香族基を含む溶媒」欄の「SRS-101」は、1,2-ジメチル-4-(1-フェニルエチル)ベンゼン、1,3-ジメチル-4-(1-フェニルエチル)ベンゼン、1,4-ジメチル-2-(1-フェニルエチル)ベンゼン、及び、1-(エチルフェニル)-1-フェニルエタンの混合物(烟台金正精細化工有限公司製)である。すなわち、分子内に芳香族基を2個含む溶剤を4種含む。
表1中、「芳香族基を含む溶媒」欄の「ハイゾール100」は、1,2,4-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリメチルベンゼン、1,2,3-トリメチルベンゼン、クメン、及び、キシレンの混合物(JXTGエネルギー(株)製)である。すなわち、分子内に芳香族基を1個含む溶剤を3種含む。
表1中、「発色剤」欄の「Pink-DCF」及び「Orange-DCF」(いずれも保土谷化学工業(株)製)、並びに、「Red500」及び「Red520」(いずれも山田化学工業(株)製)は、芳香族基を含む発色剤に該当する。
表1中、「芳香族基を含む溶媒の含有量(%)」とは、芳香族基を含む溶媒と脂肪族構造を含む溶媒の総質量に対する、芳香族基を含む溶媒の含有量(%)を意図する。
表1中、「分子内に芳香族基を2個含む溶媒の有無」欄において、「A」は、芳香族基を含む溶媒が、分子内に芳香族基を2個含む溶媒を含む場合であり、「B」は、芳香族基を含む溶媒が、分子内に芳香族基を2個含む溶媒を含まない場合を意図する。
表1中、「分子内に芳香族基を2個含む溶媒の含有量(%)」とは、芳香族基を含む溶媒の全質量に対する、分子内に芳香族基を2個含む溶媒の含有量(%)を意図する。
Figure 0007163514000008
表1の結果から、実施例の圧力測定用シートセットは、低温での保存安定性に優れていることが明らかである。また、実施例の圧力測定用シートセットは、発色濃度が高いことも明らかである。
また、実施例1と実施例2の対比から、芳香族基を含む溶媒が、分子内に芳香族基を2個含む溶媒を含む場合、低温での保存安定性がより優れ、且つ、発色濃度もより優れることが確認された。
また、実施例1、実施例5、実施例6、及び実施例7の対比から、分子内に芳香族基を2個含む溶媒の含有量が、芳香族基を含む溶媒の全質量に対して50質量%以上である場合、低温での保存安定性がより優れ、且つ、発色濃度もより優れることが確認された。
また、実施例1と実施例8の対比から、第1シートの第1層の単位面積当たりの質量(g/m)(表1中の「固形分塗布量g/m」欄参照)を10.0g/m以下に調整して、第1シートの算術平均粗さRaを3.0~7.0μmとした場合、第2シートに形成される発色部の画質(解像度)がより優れることが確認された。
また、実施例1、実施例9、及び、実施例10の対比から、第2シートの第2層の単位面積当たりの質量(g/m)(表1中の「固形分塗布量g/m」欄参照)を3.5g/m以上に調整して、第2シートに対する芳香族基を含む溶媒の吸油量(g/m)を2.0~20.0g/m以上とした場合、第2シートに形成される発色部の画質(解像度)がより優れることが確認された。
また、実施例1と実施例11と対比から、分子内に芳香族基を2個含む溶媒の含有量が芳香族基を含む溶媒の全質量に対して、75.0質量%以上である場合、発色濃度がより優れることが確認された。
表1の結果から、比較例の圧力測定用シートセットは、所望の要求を満たさないことが明らかとなった。
なお、上記では第1シート及び第2シートを有する圧力測定用シートセットを用いた態様について示したが、支持体上に第2層及び第1層をこの順で積層させた圧力測定用シートを作製して、上記と同様の試験を行ったところ、各実施例と同様の結果が得られた。例えば、ポリエチレンテレフタレートシートの上に、上記実施例1で作製した第2層及び第1層をこの順に配置して、支持体、第2層及び第1層をこの順で有する圧力測定用シートを作製して、上記評価(発色濃度評価、保存性評価、及び画質(解像度)評価)を実施したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
〔実施例12〕
曲面部材に分散液セットをスプレー塗布して、保存安定性評価及び発色濃度評価の評価を行った。
具体的には、上記実施例1で作製した発色剤内包マイクロカプセル液を第1分散液として用意し、上記実施例1で作製した顕色剤含有分散液を第2分散液として用意した。
<保存安定性評価及び発色濃度評価>
被塗布物である金属板(ステンレス(SUS304)製の凹面鏡/凸面鏡(R=100mm))の上に、第1分散液を刷毛塗りで塗布し、24時間乾燥して第1層を形成した後、第1層上に第2分散液を刷毛塗りで塗布して第2層を形成した。塗布した面の上から同様の金属板を、塗布領域を覆うように載せ、プレス機(製品名:H1F35-1、(株)小松製作所製)により10MPaの圧力による加圧を120秒間行なった。加圧終了後、上部に載せた金属板を取り去り、塗布領域の発色及び発色分布を目視にて確認し、視認可能な十分な濃度で発色していること、及び、十分な発色濃度差で発色分布を視認できることを確認した。
また、第1分散液を-30℃の環境下で1週間保管した後、常温に戻し、上記と同様の手順に従って、金属板を用いた加圧処理により塗布領域を発色させ、塗布領域の発色及び発色分布を目視にて確認した。その結果、低温保管しなかったものと比較して発色の変化がほとんど認められなかった。
〔実施例13〕
上記実施例1で作製した顕色剤含有分散液を3,5-ビス(α-メチルベンジル)サリチル酸亜鉛分散液(三光(株)製、LR-220、固形分濃度41質量%)を水で固形分濃度が20質量%となるように希釈したものに変更し、刷毛塗りをスプレー塗布に変更した以外は実施例12と同様にして、保存安定性評価及び発色濃度評価を行った。その結果、実施例12と同様に、視認可能な十分な濃度で発色していること、十分な発色濃度差で発色分布を視認できること、低温保管しなかったものと比較して発色の変化がほとんど認められなかったことを確認した。
〔実施例14〕
第1分散液と第2分散液の塗布順を変更した以外は、実施例13と同様に発色濃度評価を実施したところ、実施例13と同様、視認可能な十分な濃度で発色していること、十分な発色濃度差で発色分布を視認できることが確認できた。
〔実施例15〕
第1分散液と第2分散液とを事前に混合して第3分散液を作製し、第3分散液を用いて所定の位置の塗布を行った以外は、実施例13と同様に発色濃度評価を実施したところ、実施例13と同様、視認可能な十分な濃度で発色していること、十分な発色濃度差で発色分布を視認できることが確認できた。
〔比較例3〕
第1分散液を上記比較例1で作製した発色剤内包マイクロカプセル液とした以外は、実施例12と同様にして、保存安定性評価及び発色濃度評価を行った。その結果、視認可能な十分な濃度で発色していること、十分な発色濃度差で発色分布を視認できるものの、低温保管しなかったものと比較して発色が不十分であることが確認された。
10 圧力測定用シートセット
12 第1支持体
13 特定マイクロカプセル
14 第1層
16 第1シート
18 第2支持体
20 第2層
22 第2シート
30 圧力測定用シート
32 支持体

Claims (17)

  1. 沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む第1層を有する第1シートと、
    顕色剤を含む第2層を有する第2シートと、を備える圧力測定用シートセットであって、
    前記沸点が100℃以上の溶媒が、芳香族基を含む溶媒を2種類以上含み、且つ、
    前記発色剤が、芳香族基を含む発色剤を2種類以上含み、
    前記芳香族基を含む溶媒のうちの少なくとも1種類が、分子内に芳香族基を2個含む溶媒であり、
    前記分子内に芳香族基を2個含む溶媒の含有量が、前記芳香族基を含む溶媒の全質量に対して、50質量%以上である、圧力測定用シートセット。
  2. 前記沸点が100℃以上の溶媒が、前記芳香族基を含む溶媒を4種類以上含む、請求項1に記載の圧力測定用シートセット。
  3. 前記沸点が100℃以上の溶媒が、更に、脂肪族構造を含む溶媒を含み、
    前記芳香族基を含む溶媒の含有量が、前記芳香族基を含む溶媒と前記脂肪族構造を含む溶媒の総質量に対して、50~90質量%である、請求項1又は2に記載の圧力測定用シートセット。
  4. 前記第2シートに対する、前記芳香族基を含む溶媒の吸油量が、2.0~20.0g/mである、請求項1~のいずれか1項に記載の圧力測定用シートセット。
  5. 前記第1シートの算術平均粗さRaが3.0~7.0μmである、請求項1~のいずれか1項に記載の圧力測定用シートセット。
  6. 前記第2シートの算術平均粗さRaが1.2μm以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の圧力測定用シートセット。
  7. 前記第1シート及び前記第2シートが、更に支持体を有し、
    前記支持体が樹脂フィルムである、請求項1~のいずれか1項に記載の圧力測定用シートセット。
  8. 沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む第1層と、
    前記第1層上に配置された、顕色剤を含む第2層と、を有する、圧力測定用シートであって、
    前記沸点が100℃以上の溶媒が、芳香族基を含む溶媒を2種類以上含み、且つ、
    前記発色剤が、芳香族基を含む発色剤を2種類以上含み、
    前記芳香族基を含む溶媒のうちの少なくとも1種類が、分子内に芳香族基を2個含む溶媒であり、
    前記分子内に芳香族基を2個含む溶媒の含有量が、前記芳香族基を含む溶媒の全質量に対して、50質量%以上である、圧力測定用シート。
  9. 前記沸点が100℃以上の溶媒が、前記芳香族基を含む溶媒を4種類以上含む、請求項8に記載の圧力測定用シート。
  10. 前記沸点が100℃以上の溶媒が、更に、脂肪族構造を含む溶媒を含み、
    前記芳香族基を含む溶媒の含有量が、前記芳香族基を含む溶媒と前記脂肪族構造を含む溶媒の総質量に対して、50~90質量%である、請求項8又は9に記載の圧力測定用シート。
  11. 前記第2層に対する、前記芳香族基を含む溶媒の吸油量が、2.0~20.0g/mである、請求項8~10のいずれか1項に記載の圧力測定用シート。
  12. 更に支持体を有し、
    前記支持体が樹脂フィルムである、請求項8~11のいずれか1項に記載の圧力測定用シート。
  13. 請求項1~のいずれか1項に記載の圧力測定用シートセットの製造方法であって、
    沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む第1層形成用組成物を塗布して、得られた塗膜に対して乾燥処理を施し、第1層を形成する工程を有する、圧力測定用シートセットの製造方法。
  14. 請求項8~12のいずれか1項に記載の圧力測定用シートの製造方法であって、
    沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む第1層形成用組成物を塗布して、得られた塗膜に対して乾燥処理を施し、第1層を形成する工程を有する、圧力測定用シートの製造方法。
  15. 圧力測定のために、顕色剤を含む層と組み合わせて使用される層を形成するために用いられる、沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルを含む分散液であって、
    前記沸点が100℃以上の溶媒が、芳香族基を含む溶媒を2種類以上含み、且つ、
    前記発色剤が、芳香族基を含む発色剤を2種類以上含み、
    前記芳香族基を含む溶媒のうちの少なくとも1種類が、分子内に芳香族基を2個含む溶媒であり、
    前記分子内に芳香族基を2個含む溶媒の含有量が、前記芳香族基を含む溶媒の全質量に対して、50質量%以上である、分散液。
  16. 前記沸点が100℃以上の溶媒が、前記芳香族基を含む溶媒を4種類以上含む、請求項15に記載の分散液。
  17. 沸点が100℃以上の溶媒と発色剤とを内包するマイクロカプセルであって、
    前記沸点が100℃以上の溶媒が、芳香族基を含む溶媒を2種類以上含み、且つ、
    前記発色剤が、芳香族基を含む発色剤を2種類以上含み、
    前記芳香族基を含む溶媒のうちの少なくとも1種類が、分子内に芳香族基を2個含む溶媒であり、
    前記分子内に芳香族基を2個含む溶媒の含有量が、前記芳香族基を含む溶媒の全質量に対して、50質量%以上である、マイクロカプセル。
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