JPH07214896A - 感圧複写材料およびそれに用いる発色剤マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

感圧複写材料およびそれに用いる発色剤マイクロカプセルの製造方法

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JPH07214896A
JPH07214896A JP6024725A JP2472594A JPH07214896A JP H07214896 A JPH07214896 A JP H07214896A JP 6024725 A JP6024725 A JP 6024725A JP 2472594 A JP2472594 A JP 2472594A JP H07214896 A JPH07214896 A JP H07214896A
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Kunio Sugisawa
邦夫 杉沢
Takao Togami
恭男 戸上
Hiroyuki Hoshino
広行 星野
Naoya Takahashi
直哉 高橋
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子受容性顕色剤と電子供与性発色剤を溶解
した発色剤溶液とを用いる感圧複写材料において、発色
剤用溶剤として性能の優れた芳香族環を2個有する芳香
族炭化水素油を用い、かつカプセル化の際に配管の閉塞
を招く発色剤の結晶析出を防止することを目的とする。 【構成】 (a)常圧換算の沸点が260℃以上の成分
を主として含み、かつ40℃における粘度が10cSt以
下の縮合型または非縮合型の芳香族環を2個有する芳香
族炭化水素油50〜97vol%および(b)常圧換算の
沸点が300℃以上の成分を主として含み、かつ40℃
における粘度が20cSt以上の縮合型または非縮合型の
芳香族環を3個有する芳香族炭化水素油3〜50vol%
からなる溶剤組成物を発色剤用溶剤として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感圧複写材料に関するも
のである。さらに詳しくは、発色剤に対する溶解性に優
れた溶剤を用いた感圧複写材料およびそれに用いる発色
剤マイクロカプセルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、無色の電子供与性発色剤(以下
「発色剤」という)を溶液の状態でマイクロカプセル被
膜内に内蔵させて紙の一面に塗布し、他の紙の一面に前
記発色剤と反応して発色させる性質を有する酸性の無機
材料、高分子材料あるいは芳香族カルボン酸などの電子
受容性物質(以下「顕色剤」という)を塗布し、使用の
際には、これらの各面を対向させて重ね合わせ、圧力を
加えることにより複写記録をとる形式の記録材料、すな
わち感圧複写材料が知られている。この種の記録材料の
複写記録機構は、筆圧、タイプ圧等の圧力により、マイ
クロカプセルの皮膜を破壊して、発色剤溶液を放出し、
対向して配置された紙の表面に塗布された顕色剤と接触
させて発色させるものである。また、このような発色機
能を有する各塗布材料を、1枚の紙の片面に重ねて塗布
し、あるいは表裏両面にそれぞれ塗布した記録材料も知
られている。
【0003】これらの記録材料に使用する発色剤溶液
は、電子供与性発色剤を1種または2種以上の疎水性溶
剤に溶解したものである。ここで用いられる疎水性溶剤
は以下の要件を備えていることが必要である。すなわち イ.毒性がないこと、 ロ.不快臭がないこと、 ハ.無色かあるいはごく薄い色であること、 ニ.発色剤の溶解性が良く、溶液の安定性があること、 ホ.マイクロカプセル化が容易であること、 ヘ.マイクロカプセルの貯蔵安定性が良いこと、 ト.発色反応を妨げずかつ発色速度が早いこと、 チ.発色像ににじみがなく、かつ長期保存後でも鮮明な
発色像が得られること、 リ.安価であること、および ヌ.保存時の発色汚れ、すなわちスマッジが少ないこ
と、 などである。従来、この種の発色剤の溶剤としては、フ
ェニルキシリルエタン、フェニルエチルフェニルエタン
などのジアリールアルカン、ジイソプロピルナフタレン
などのアルキルナフタレン、モノイソプロピルビフェニ
ルなどのアルキルビフェニル、部分水素化ターフェニル
等の芳香族環を2個有する芳香族炭化水素油が上記要求
物性を満足させるものとして多用されている。
【0004】感圧複写材料の製造においては、発色剤を
上記の溶剤に溶解し、得られた発色剤溶液のカプセル化
を行う。一般的には発色剤溶液の発色剤濃度を高くする
ことにより、濃くかつ鮮明な発色像が得られる。しかし
発色剤は必ずしも溶解性が良いとはいえないので、より
高濃度に溶解させるために、溶剤を一旦加熱して発色剤
の高濃度溶液を調製した後カプセル化することが行われ
る。このように、発色剤溶液は溶解性の低い発色剤を高
濃度に溶解しているために、発色剤の結晶が析出する現
象を生じることがある。結晶の析出は、カプセル化の際
に溶液移送用の配管が閉塞するなどの問題を起こす。従
来の感圧複写材料における発色剤用の溶剤は、必ずしも
発色剤に対する溶解性が良好でないため上記のような問
題が起こり易く、その解決が望まれている。特に上記芳
香族環を2個有する芳香族炭化水素油を用いて、その優
れた発色剤用溶剤としての特性を生かしつつ、かつ発色
剤の結晶析出を防止すること、少なくともカプセル化の
際に配管閉塞の原因になるような結晶の析出を抑制する
ことが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の感圧
複写材料の溶剤が有する前述のような課題を解決し、特
に上記芳香族環を2個有する芳香族炭化水素油の優れた
発色剤用溶剤としての特性を生かしながら、少なくとも
カプセル化の際の配管閉塞を招くような発色剤結晶の析
出を抑制することができる感圧複写材料を提供するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
は、電子受容性顕色剤と、同顕色剤に接触して発色する
電子供与性発色剤を溶剤に溶解してなる発色剤溶液とを
用いた感圧複写材料において、上記溶液の溶剤が、
(a)常圧換算の沸点が260℃以上の成分を主として
含み、かつ40℃における粘度が10cSt以下の縮合型
または非縮合型の芳香族環を2個有する芳香族炭化水素
油50〜97vol%および(b)常圧換算の沸点が30
0℃以上の成分を主として含み、かつ40℃における粘
度が20cSt以上の縮合型または非縮合型の芳香族環を
3個有する芳香族炭化水素油3〜50vol%からなる溶
剤組成物であることを特徴とする感圧複写材料に関する
ものである。また本発明の第2は、上記(a)項の縮合
型または非縮合型の芳香族環を2個有する芳香族炭化水
素油が、ジアリールアルカン、アルキルナフタレンおよ
びアルキルビフェニルから選ばれる芳香族炭化水素であ
る感圧複写材料に関するものである。さらに本発明の第
3は、上記(a)項および(b)項の芳香族炭化水素油
からなる溶剤組成物に前記発色剤を溶解し、それをマイ
クロカプセル化してなる感圧複写材料用の発色剤マイク
ロカプセルの製造方法に関するものである。
【0007】以下に本発明をさらに詳しく説明する。上
記(a)項の縮合型または非縮合型の芳香族環を2個有
する芳香族炭化水素油は、常圧換算の沸点が260℃以
上、好ましくは260〜350℃の範囲の成分を主とし
て含むものである。260℃未満の成分は臭気が強過ぎ
るために、上記(b)項の縮合型または非縮合型の芳香
族環を3個有する芳香族炭化水素油を配合することによ
る臭気の改善が困難であり好ましくない。また、(a)
項の芳香族炭化水素油は、40℃における粘度が10c
St以下であることが必要である。40℃における粘度が
10cStを越えると、得られた感圧複写材料の初期発色
速度が小さく、また発色濃度も不十分であり好ましくな
い。なお、粘度は好ましくは8cSt以下である。具体的
には、フェニルキシリルエタン、フェニルエチルフェニ
ルエタン、フェニルクミルエタン、フェニル−sec−ブ
チルフェニルエタン、フェニル−sec−ブチルフェニル
メタン、ベンジルトルエン、ベンジルキシレンなどのジ
アリールアルカン;ジイソプロピルナフタレン、ジメチ
ルイソプロピルナフタレン、メチルジイソプロイルナフ
タレンなどのアルキルナフタレン;sec−ブチルビフェ
ニル、イソプロピルビフェニル、部分水素化ターフェニ
ル(ベンゼン環の一つが核水素添加されたもの)などの
アルキルビフェニルなどである。これらは単独または混
合して使用することができる。
【0008】また、上記(b)項の縮合型または非縮合
型の芳香族環を3個有する芳香族炭化水素油は、常圧換
算の沸点が300℃以上、好ましくは300〜450℃
の沸点範囲の成分を主として含む。沸点が300℃未満
の成分は、上記(a)項の芳香族炭化水素油と配合した
際に、後者に対する臭気改善の効果が低いので好ましく
ない。上記(b)項の芳香族炭化水素油は、40℃にお
ける粘度が20cSt以上であることが必要であり、好ま
しくは50cSt以上、さらに好ましくは50〜400c
Stである。粘度が20cSt未満では結晶析出を抑制する
効果が低く好ましくない。具体的には、ジベンジルベン
ゼン、ジベンジルトルエン、ジ(α−メチルベンジル)ベ
ンゼン、ジ(α−メチルベンジル)キシレン、ジスチレン
化ベンゼン、ジスチレン化トルエン、ジスチレン化キシ
レンなどのトリアリールアルカン;トリアリールジアル
カン;ジフェニルキシリルブタンなどのトリアリールア
ルカン;ベンジルナフタレン、α−メチルベンジルナフ
タレンなどのナフチルアリールアルカン;ベンジルテト
ラリン、α−メチルベンジルテトラリンなどのアリール
テトラリンなどである。これらは単独または混合して使
用することができる。
【0009】前記(a)項の芳香族炭化水素油と、
(b)項の芳香族炭化水素油との配合割合は、前者が5
0〜97vol%、好ましくは70〜95vol%であり、後
者は3〜50vol%、好ましくは5〜30vol%である。
このような配合割合にすることにより、(a)項の芳香
族炭化水素油の優れた発色性能を生かしつつ、発色剤結
晶の析出を抑制することができ、これによりカプセル化
工程における結晶析出による配管の閉塞などの問題の発
生を防止することが可能となる。また同時に、比較的低
分子量のために不快臭を有するものが多い(a)項の芳
香族炭化水素油の臭気が改善される。その結果、(a)
項の芳香族炭化水素油の優れた溶解性を保持しつつ、さ
らに臭気も改善された溶剤組成物が得られる。上記の配
合割合で配合することにより得られる本発明の溶剤組成
物の粘度は、40℃において、好ましくは15cSt以
下、さらに好ましくは10cSt以下である。
【0010】なお、本発明の目的を損なわない範囲で、
感圧複写材料の発色剤用溶剤として公知の他の溶剤を適
宜に任意の割合で混合し使用することもできる。例え
ば、灯油留分、水素添加された灯油留分、イソパラフィ
ン系溶剤、ノルマルパラフィン系溶剤、シクロヘキサ
ン、アルキルシクロヘキサンなどのナフテン系溶剤、直
鎖または分岐ドデシルベンゼンなどのアルキルベンゼン
系溶剤、プロピレンまたはブテンなどのオレフィンオリ
ゴマーの水素添加物からなる溶剤などが例示される。こ
れらの溶剤は、溶剤組成物全体に対して、例えば1〜5
0vol%の割合で配合することができる。
【0011】本発明における発色剤としては各種の公知
の化合物を使用することができる。具体的な発色剤の例
としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
−6−ジメチルアミノフタリド(以下「CVL」という
ことがある)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3
−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチル
インドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−
ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノ
フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−
3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルア
ミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−
3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジ
メチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2
−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等のトリフェニ
ルメタン系化合物;4,4−ビス−ジメチルアミノベン
ズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイ
コオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイ
コオーラミン等のジフェニルメタン系化合物;ローダミ
ンB−アニリノラクタム、ローダミン−(p−ニトロア
ニリノ)ラクタム、ローダミンB(p−クロロアニリノ)
ラクタム、7−ジメチルアミノ−2−メトキシフルオラ
ン、7−ジエチルアミノ−2−メトキシフルオラン、7
−ジエチルアミノ−3−メトキシフルオラン、7−ジエ
チルアミノ−3−クロロフルオラン、7−ジエチルアミ
ノ−3−クロロ−2−メチルフルオラン、7−ジエチル
アミノ−2,3−ジメチルフルオラン、7−ジエチルア
ミノ−(3−アセチルメチルアミノ)フルオラン、7−ジ
エチルアミノ−(3−メチルアミノ)フルオラン、3,7
−ジエチルアミノフルオラン、7−ジエチルアミノ−3
−(ジベンジルアミノ)フルオラン、7−ジエチルアミノ
−3−(メチルベンジルアミノ)フルオラン、7−ジエチ
ルアミノ−3−(クロロエチルメチルアミノ)フルオラ
ン、7−ジエチルアミノ−3−(ジエチルアミノ)フルオ
ラン、2−フェニルアミノ−3−メチル−6−(N−エ
チル−N−p−トリル)アミノフルオラン等のフルオラ
ン系化合物;ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニ
トロベンジルロイコメチレンブルー等のチアジン系化合
物;さらに3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−
エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3'−ジクロロ−
スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナ
フトピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキシベン
ゾ)−スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾ
ピラン等のスピロ系化合物等あるいはこれらの混合物を
挙げることができる。
【0012】また、本発明に用いられる顕色剤として
は、酸性の高分子材料、芳香族カルボン酸、その重合
体、それらの金属塩、あるいは多価金属化カルボキシル
変性テルペンフェノール樹脂もしくはその誘導体、ある
いは酸性の無機材料、例えば酸性白土、活性白土などが
用いられる。
【0013】酸性の高分子材料の例としては、パラフェ
ニルフェノール−ホルムアルデヒドポリマー、パラオク
チルフェノール−ホルムアルデヒドポリマーなどのフェ
ノール樹脂が挙げられる。なお、これらは亜鉛などの多
価金属の塩としても用いられる。さらに、フェノールア
セチレン共重合体、マレイン酸−ロジンポリマー、部分
鹸化あるいは完全鹸化したスチレン−無水マレイン酸共
重合体、部分鹸化あるいは完全鹸化したエチレン−無水
マレイン酸共重合体、カルボキシル化ポリエチレン、あ
るいは部分鹸化あるいは完全鹸化したビニルメチルエー
テル−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
【0014】顕色剤として用いられる芳香族カルボン酸
とは、芳香族環(単環、多環の何れでもよい)に直接カ
ルボキシル基が結合した有機化合物であって、このよう
な芳香族カルボン酸の例としては、サリチル酸誘導体、
例えば、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、
3−(α−メチルベンジル)−5−(α,α'−ジメチルベ
ンジル)サリチル酸、3−(4'−α,α'−ジメチルベン
ジル)フェニル−5−(α,α'−ジメチルベンジル)サリ
チル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−
ジ−tert−オクチルサリチル酸、3−シクロヘキシル−
5−(α,α'−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−フェ
ニル−5−(α,α'−ジメチルベンジル)サリチル酸、
3,5−ジ(α,α'−ジメチルベンジル)サリチル酸など
が例示される。さらにスチレン類を付加した芳香族カル
ボン酸、例えば、スチレン化サリチル酸なども含まれ
る。特に好ましい芳香族カルボン酸は、合計炭素数が1
5以上の芳香族カルボン酸である。ただし次に述べる共
縮合または共重合用のモノマーとして使用するときは特
に炭素数は限定されない。また、芳香族カルボン酸、特
にサリチル酸をコモノマーとする付加重合樹脂、縮合ま
たは共縮合樹脂、例えばサリチル酸樹脂も本発明の顕色
剤として使用することができる。このような共縮合樹脂
としては、例えば、サリチル酸とジアルコキシキシレン
との共縮合樹脂、サリチル酸とアルデヒドとの重合物な
どが例示される。これらにはさらにトリアルキルベンゼ
ンなどを共縮合モノマーとして加えることができる。ま
た、これらの芳香族カルボン酸またはその重合体の金属
塩も使用することができる。金属塩としては、例えば、
亜鉛、アルミニウム、バリウム、錫、鉄、カルシウム、
鉛などの多価金属の塩などが挙げられる。芳香族カルボ
ン酸もしくはその重合体ならびにその金属塩などは、例
えば、米国特許第4,783,521号公報に記載された
方法により製造することができる。
【0015】また、多価金属化カルボキシル変性テルペ
ンフェノール樹脂またはその誘導体は、環状モノテルペ
ン類とフェノール類とを酸性触媒の存在下に縮合して得
られる共縮合樹脂に、カルボキシル基を常法に従い導入
した生成物(カルボキシル変性テルペンフェノール樹
脂)を多価金属化する方法などにより得ることができ
る。この方法は、例えば、米国特許第4,759,797
号公報、米国特許第4,749,680号公報、ヨーロッ
パ公開特許第275,110号公報などに開示されてい
る。具体的には、フェノールとα−ピネンとを三ふっ化
ほう素触媒により縮合してなる共縮合樹脂を金属ナトリ
ウムの存在下で炭酸ガスを導入することによりカルボキ
シル化し、次いで塩化亜鉛などにより多価金属化し、多
価金属化カルボキシル変性テルペンフェノール樹脂を製
造する。この場合、多価金属としては、亜鉛、アルミニ
ウム、バリウム、錫、鉄、カルシウム、鉛などが例示さ
れるが、特に好ましいものは亜鉛である。なお、本発明
の範囲内で、多価金属化カルボキシル変性テルペンフェ
ノール樹脂またはその誘導体を、サリチル酸などの芳香
族カルボン酸またはその金属塩と溶媒または分散媒中で
混合し、あるいは溶融混合して使用することもできる。
【0016】本発明の溶剤を用いた感圧複写材料の一般
的な製造方法について、感圧複写紙を例にとり説明す
る。まず、前記発色剤を適宜に加熱した本発明の溶剤に
溶解し、発色剤溶液を調製する。発色剤濃度は、発色剤
や溶剤の種類に応じて、通常は0.1〜10重量%の範
囲から可能な限り高濃度の溶液が得られるように選択す
る。加熱溶解後、得られた発色剤溶液を直ちに冷却し、
ゼラチンおよびアラビアゴムの混合水溶液に乳化分散さ
せ、次いで乳化した油滴の周囲にコアセルベーション法
によりゼラチン膜を形成させる。最近は in−situ 重合
法、界面重合法などにより、合成樹脂膜でマイクロカプ
セル化する方法も広く用いられる。このようにして生成
した微細油滴のカプセルエマルジョンを紙に塗布し、そ
の塗布面と対向させる他の紙の面に、あるいは上記塗布
面に重ねて顕色剤を塗布することにより、感圧複写材料
を製造することができる。
【0017】
【実施例】以下実施例により本発明を詳述する。まず、
使用した溶剤の種類について述べる。 <溶剤1>芳香族環を2個有する炭化水素油としてフェ
ニルキシリルエタン(沸点290〜305℃、40℃に
おける粘度5.1cSt)92vol%と、芳香族環を3個有
する炭化水素油としてジスチレン化キシレン(沸点35
0〜400℃、40℃における粘度190cSt)8vol
%を混合し、40℃の粘度が5.9cStの混合溶剤を得
た。 <溶剤2>混合溶剤の比率を、フェニルキシリルエタン
88vol%、ジスチレン化キシレン12vol%とし、40
℃の粘度が6.4cStの混合溶剤を得た。 <溶剤3>比較例としてフェニルキシリルエタンを単独
で溶剤として使用した。
【0018】次に、発色剤の結晶析出に対する溶剤の抑
制効果を調べるために行った実験Aおよび実験B、なら
びに発色濃度を比較するために行った実験Cの各実験方
法について述べる。 <実験A>発色剤として代表的な青染料であるCVL
(クリスタルバイオレットラクトン)6重量%を100
℃で溶剤中に溶解させ、温度0℃において振動回転式
(20回/min)および静置式の2種の方法で発色剤の結
晶析出を観察する。 <実験B>発色剤として代表的な黒染料であるODB
(ワンダイブラック)を用いるほかは実験Aと同様に行
う。 <実験C>溶剤中にCVL4重量%を溶解した発色剤溶
液を、尿素、メラミンおよびホルマリンを用いて in-si
tu 重合法によりマイクロカプセル化し、得られたマイ
クロカプセルエマルジョンに糊料、保護剤を加え、マイ
ヤーバーを用いて上質紙に塗布し、感圧複写紙の上葉紙
とする。また顕色剤として3,5−ジ−(α−メチルベン
ジル)サリチル酸亜鉛を塗布した下葉紙を用意する。上
葉紙のマイクロカプセル塗布面を、下葉紙の顕色剤塗布
面と重ね合わせ、衝撃式印刷機を用いて、発色させる。
60分後に下葉紙の反射率を反射式分光光度計を用いて
測定し、発色濃度を求める。この試験は低温(−3℃)
および室温(23℃)で行う。なお、発色濃度の評価
は、比較例である溶剤3(フェニルキシリルエタン単
独)を用いた場合の発色濃度を100とし、これに対し
て発色濃度が95以上のものをA、95未満のものをB
とする。
【0019】<実施例1、2;比較例1>溶剤1から3
を用いて実験Aを行った。結果を表1に示す。表1の結
果によれば、芳香族環を3個有する炭化水素油を混合す
ると、結晶析出までの時間が長くなり、結晶析出に対す
る抑制効果が認められる。
【0020】
【表1】
【0021】<実施例3、4;比較例2>溶剤1から3
を用いて実験Bを行った。結果を表2に示す。表2の結
果によれば、芳香族環を3個有する炭化水素油を混合す
ると、実験Aの場合と同様に、結晶析出までの時間が長
くなり抑制効果が認められる。
【0022】
【表2】
【0023】<実施例5、6;比較例3>溶剤1から3
を用いて実験Cを行った。結果を表3に示す。表3の結
果から、本発明の溶剤組成物を用いた場合の発色濃度
は、溶剤としてフェニルキシリルエタンを単独で用いた
場合と同程度に優れていることが判る。
【0024】
【表3】
【0025】以上のように、本発明の溶剤組成物は発色
剤の結晶析出を抑制する効果に優れており、またこれを
用いて低温および室温の発色濃度に優れた感圧複写材料
を製造することができる。
【0026】
【発明の効果】本発明の感圧複写材料は、発色剤の結晶
析出を抑制して、カプセル化工程における配管の閉塞を
防止することができ、かつ縮合型または非縮合型の芳香
族環を2個有する芳香族炭化水素油の優れた発色性能を
保持し、さらに臭気の点においても改善されたものであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子受容性顕色剤と、該顕色剤に接触し
    て発色する電子供与性発色剤の溶液とを用いた感圧複写
    材料において、該発色剤溶液の溶剤が、 (a)常圧換算の沸点が260℃以上の成分を主として
    含み、かつ40℃における粘度が10cSt以下の縮合型
    または非縮合型の芳香族環を2個有する芳香族炭化水素
    油50〜97vol%および (b)常圧換算の沸点が300℃以上の成分を主として
    含み、かつ40℃における粘度が20cSt以上の縮合型
    または非縮合型の芳香族環を3個有する芳香族炭化水素
    油3〜50vol%からなる溶剤組成物であることを特徴
    とする感圧複写材料。
  2. 【請求項2】 前記(a)項の縮合型または非縮合型の
    芳香族環を2個有する芳香族炭化水素油が、ジアリール
    アルカン、アルキルナフタレンおよびアルキルビフェニ
    ルから選ばれた少なくとも1種の芳香族炭化水素である
    請求項1に記載の感圧複写材料。
  3. 【請求項3】 電子受容性顕色剤と接触して発色する電
    子供与性発色剤を溶解してマイクロカプセル化する際
    に、該発色剤を、 (a)常圧換算の沸点が260℃以上の成分を主として
    含み、かつ40℃における粘度が10cSt以下の縮合型
    または非縮合型の芳香族環を2個有する芳香族炭化水素
    油50〜97vol%および (b)常圧換算の沸点が300℃以上の成分を主として
    含み、かつ40℃における粘度が20cSt以上の縮合型
    または非縮合型の芳香族環を3個有する芳香族炭化水素
    油3〜50vol%からなる溶剤組成物に溶解し、次いで
    マイクロカプセル化することを特徴とする感圧複写材料
    用の発色剤マイクロカプセルの製造方法。
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CN114902026B (zh) * 2019-12-13 2024-05-07 富士胶片株式会社 压力测定用片材套组及其制造方法、压力测定用片材及其制造方法、分散液以及微胶囊

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