JP7157571B2 - 混繊糸の製造方法、混繊糸、及び織物又は編物の製造方法 - Google Patents

混繊糸の製造方法、混繊糸、及び織物又は編物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、混繊糸の製造方法、混繊糸、及び織物又は編物の製造方法に関する。
各種機械や自動車等の構造部品、圧力容器、及び管状の構造物等には、樹脂材料にガラス繊維、炭素繊維等の強化材が添加された複合材料成形体が使用されている。複合材料成形体は、軽量化と強度を両立するために、任意の形状に追従することが求められている。
複合材料成形体を構成する材料としては、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維を流体混合することによって、連続して均一に混じり合った混繊糸や混繊糸からなる布帛が提案されている(例えば、特許文献1)。混繊糸は成形時の含浸性を高めるために混繊度(繊維同士がまじりあっている度合)を高めることを主眼に混繊条件の検討が行われている(例えば特許文献2参照)。また、通常の有機繊維とは異なり、強化繊維は損傷による毛羽が生じやすいため、開繊・混合するための条件を精密にコントロールすることが必要とされている(例えば特許文献3参照)。また、強化繊維の加工を行う際に湿度が高いと嵩高くなりにくい、すなわち繊維が開きにくいことも知られている(例えば特許文献4参照)。
このように強化繊維を用いた混繊糸の製造の際には、強化繊維の損傷を抑え、混繊度を高めるという観点から、混繊中には湿気を除去するということが行われてきた。また、混繊糸に熱をかけて成形体を得る際に邪魔となる水分の吸着を抑制するという観点でも乾燥雰囲気下での取り扱いが常識とされてきた。
特開平2-112916号公報 特開平3-275729号公報 特開平4-222246号公報 特開昭59-43141号公報
しかしながら、従来知られている混繊糸や布帛は、混繊時の強化繊維の傷つきを防止すること、成形時に含浸性を高めるために混繊状態を改善することに主眼が置かれており、自動車材料等の構造材料に適用するためには更なる高強度化が求められている。
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するべく鋭意検討した結果、熱可塑性繊維と強化繊維を液体の存在下で気体によって混繊することで、成形体の高強度、高界面強度が発現することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の混繊糸の製造方法は、少なくとも熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とから構成される混繊糸の製造方法であって、液体の存在下で、かつ、気体による流体交絡法により熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とを混繊する工程を含むものである
強化繊維は液体を300質量%以下含むことが好ましい。
流体交絡法は流体攪乱法であることが好ましい。
強化繊維は、強化繊維に対して0.1~5質量%の水溶性成分を含むことが好ましい。
強化繊維の親水度指数は8度以上であることが好ましい。
別の態様として、本発明の混繊糸の製造方法は、少なくとも熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とから構成される混繊糸の製造方法であって、熱可塑性樹脂繊維、及び/又は、強化繊維を液体で処理する工程の後に、気体による流体交絡法による混繊工程を含むものである。
液体は有機物を含有していることが好ましい。
有機物を熱可塑性樹脂繊維に対して10質量%混合した場合の、熱可塑性樹脂繊維の表面張力の変化率は30%以下であることが好ましい。
流体交絡法による混繊工程で回収される液体を、液体で処理する工程中の液体に混合することが好ましい。
本発明の混繊糸は、少なくとも熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とから構成される混繊糸であって、少なくとも2種類以上の有機物を含み、この2種類以上の有機物が、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維の両方に付着しているものである。
強化繊維及び熱可塑性樹脂繊維の表面における有機物の分散度は5%以上であることが好ましい。
混繊糸の柔軟度は20度以上であることが好ましい。
混繊糸の空隙率は20%以上であることが好ましい。
有機物の合計量は混繊糸に対して2質量%未満であることが好ましい。
本発明の織物又は編物の製造方法は、少なくとも熱可塑性樹脂と強化繊維から構成される織物又は編物の製造方法であって、強化繊維の織工程における強化繊維の含液率を0.1~5質量%で行うものである。
本発明の混繊糸の製造方法や混繊糸、あるいは織物又は編物の製造方法によれば、任意の形状であって、強度に優れた繊維強化樹脂成形体を製造可能な混繊糸や織物、編物を得ることができる。
タスラン加工を説明するための概略模式図である。 実施例で用いたアルミ製の型枠に混繊糸を巻きつけた状態を示す概略模式図である。 実施例で用いた金型を示す概略模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<混繊糸>
本発明における混繊糸とは、少なくとも強化繊維と熱可塑性樹脂繊維から構成される糸のことを指す。強化繊維、及び/又は、熱可塑性樹脂繊維はマルチフィラメントであることが糸の強度や取り扱い性の観点から好ましい。強化繊維のマルチフィラメントの単糸の一部が切断されていてもよいが、強化繊維束としては連続していることが強度の観点からは好ましい。熱可塑性樹脂繊維はどのような形態でも構わないが、連続繊維の方が混繊工程の安定性の観点から好ましい。
両繊維の混合状態は特に限定されず、両繊維が引き揃えられた状態、両繊維が単糸単位で混じり合った状態、片方の繊維がもう片方の繊維の周囲をカバーした状態、合撚状態等があげられる。成形時に含浸性を高め、かつ、高強度を発現させるためには両繊維の一部分のみが単糸単位で混じり合っていることが好ましい。混じり合いが少ないほど強化繊維の直進性が高まるため高強度が発現しやすい傾向であり、最低限の混じり合い部分を有することでそこを起点としてすばやく含浸を進めることができる。強化繊維の混じり合いの割合は、0.1~20%であることが好ましく、0.2~15%であることがより好ましく、0.3~10%であることが更に好ましい。混じり合いの度合いは、強化繊維束の全本数に対する熱可塑性樹脂繊維に隣接する強化繊維の数の割合で定義され、混繊糸の任意の位置の断面を20点観察して算出する。
混繊糸における強化繊維の熱可塑性樹脂繊維に対する体積比率は、高強度ときれいな外観を達成できるという観点から50~900体積%であることが好ましく、66~400体積%であることがより好ましく、81~233体積%であることが更に好ましい。
本発明の混繊糸は少なくとも2種類以上の有機物を含み、この2種類以上の有機物は、強化繊維、及び、熱可塑性樹脂繊維の両方に付着している。強化繊維と熱可塑性樹脂繊維の両方が2種類以上の同種の有機物を有していることにより、両繊維の親和性が高まり糸としての取り扱い性に優れると共に、成形時に含浸性を高める効果が得られる。これらの効果がさらに高まりやすいことから、有機物の少なくとも1種類は水溶性であることが好ましい。また、有機物の合計量が多すぎる場合には取り扱い性が低下する場合があることから、これらの有機物の合計量は混繊糸に対して2質量%未満であることが好ましく、1.7質量%以下であることがより好ましく、1.4質量%以下であることがさらに好ましく、1.1質量%以下であることが最も好ましい。
混繊糸が付着している有機物の種類の数は、混繊糸から適切な溶媒を使用して抽出して、液体クロマトグラフィー質量分析法によって算出することができる。混繊糸中の強化繊維、及び、熱可塑性樹脂繊維に付着している有機物の量は、混繊糸から強化繊維と熱可塑性樹脂繊維を分離し、それぞれの繊維を水抽出の後、溶媒抽出しそれぞれ水溶性成分量、非水溶性成分量を定量化することができる。また、抽出分をNMR測定することによってその成分の由来、すなわち原料の強化繊維に含まれていた成分(A)、原料の熱可塑性樹脂繊維に含まれていた成分(B)、混繊に用いる液体に含まれていた成分(C)に分離することができる。強化繊維と熱可塑性樹脂繊維のそれぞれが(A)と(B)の両方の成分を含んでいることが、成形時の含浸特性と強度発現の観点から好ましい。
これらの有機物は、強化繊維や熱可塑性樹脂繊維の表面における分散度が5%以上の状態で付着していることが、成形時の含浸性と、成形体中の最終的な界面強度を高めるという観点から好ましい。分散度は10%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましい。分散度は以下のように算出することができる。混繊糸から有機物を抽出して質量を測定し、混繊糸の質量に対する有機物の質量の割合を計算する。任意の20か所について同様に測定を行い平均値と標準偏差を算出し、標準偏差を平均値で除した値を分散度とする。
混繊糸の織、編、組などの際の取り扱い性の観点から、混繊糸の柔軟度は20度以上であることが好ましく、40度以上であることがより好ましく、60度以上であることがさらに好ましく、80度以上であることが最も好ましい。混繊糸の柔軟度は、混繊糸を20cm切り取り、端と端を幅1.5cmのテープにて固定して輪を作る。テープで固定した部分を持って垂直に吊り下げる。この時垂直にならない場合には、手で軽く抑えることで垂直にする。テープの部分を持ったまま垂直方向に180度ひっくり返し、テープ部分が下で混繊糸が垂直に立つようにする。混繊糸にはさわらず1分間保持し、垂直方向に対して混繊糸が垂れ下がった角度を測定する。なお、二段階に折れ曲がった場合には角度の大きい方を採用する。
混繊糸を織、編、組などのプロセスにかける際の取り扱い性と、その後の織物、編物、組み物としての取り扱い性のバランスをとるという観点から、混繊糸の柔軟性は吸湿によって値を変化できることが好ましい。吸湿前後の混繊糸の柔軟度の変化量は30度以上であることが好ましく、40度以上であることが好ましく、50度以上であることがさらに好ましい。
混繊糸の織、編、組などの際の取り扱い性、及び、取り扱い時の損傷を抑制する観点から、混繊糸は内部に空隙を含んでいることが好ましく、空隙率は20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。空隙率は、混繊糸をシュリンクチューブで包んだ後、着色したエポキシ樹脂をチューブ内に注入、硬化させた後、切削、研磨を行い断面観察することによって求めることができる。
空隙率=空隙の面積/混繊糸の外周の内側の面積×100
空隙の面積は、混繊糸の外周より内側の着色したエポキシ樹脂の面積であり、混繊糸の外周は一番外側にある繊維を結んだ線によって描かれる図形である。
混繊糸には強化繊維、熱可塑性樹脂繊維及び有機物以外のものを含んでいても構わない。成形体を使用する環境に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、伝熱剤、熱安定剤等を添加することは好ましい。
<混繊糸の製造方法>
本発明における混繊糸は、液体の存在下で気体により強化繊維と熱可塑性樹脂繊維を混繊することで製造する。ここで液体とは加工条件の温度、圧力下で液状のものをいう。液体の種類は加工条件に応じて適宜選択すればよく、水、有機溶剤等を適宜使用できる。安定性の観点からは水が特に好ましい。気体とは、強化繊維、及び/又は、熱可塑性樹脂繊維に接触する直前に気体状であることを意味する。気体の種類は加工条件に応じて適宜選択すればよく、空気、スチーム、有機系ガスなどを適宜使用できる。安定性の観点からは空気が好ましい。
液体を積極的に加えることで混繊の時の強化繊維の損傷を抑えることができ、また、低い混合状態であっても成形時に樹脂が素早く強化繊維の間に含浸し、高い引張強度や界面強度が発現する。液体の量は特に限定されず、使用する強化繊維、熱可塑性樹脂の種類、単糸径、繊度等に応じて最適な量を調整することができる。液体の添加方法は、蒸気として加える方法、液体として加える方法があげられる。成形時の含浸性、及び、成形体の強度の観点からは液体で加えることが好ましい。強化繊維と熱可塑性樹脂繊維のどちらかが含液していればよいが、少なくとも強化繊維は含液していることが好ましく、両者が含液していることが更に好ましい。混繊を行う際に含液していることが好ましいため、混繊を行う直前に含液させる工程を含んでいることが好ましい。強化繊維と熱可塑性樹脂繊維の両方を含液させるために、両者を含液させる工程にかける必要はなく、例えば強化繊維を含液させる工程にかけた後に、熱可塑性樹脂繊維と引き揃えることで強化繊維の液体を熱可塑性樹脂繊維に移動させてもよい。
液体は有機物を含有していることが好ましい。含液させる工程で、液体に液体が含有する有機物とは異なる種類の有機物を含有していてもよい。この際の有機物は、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との親和性を高めるもの、親水性を付与することで静電気の発生を抑制するもの、成形体における着色や難燃性、耐熱性、耐候性などの機能を付与するもの、成形時の強化繊維の開繊を促進し含浸作用を高めるものなど、もともと強化繊維や熱可塑性樹脂繊維に付与しがたいものを添加することが好ましい。混繊工程後の有機物の混繊糸への残存効率を考慮すると、有機物は液体に対して微分散されていることが好ましく、水分散体であるエマルジョン状態であることがより好ましい。
短時間成形で含浸、高物性を発揮させるためには、有機物は、有機物を熱可塑性樹脂繊維に対して10質量%混合した場合に、熱可塑性樹脂繊維の表面張力の変化率を30%以下とするものであることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることが更に好ましく、10%以下であることが最も好ましい。
また、有機物と熱可塑性繊維との表面張力の差は22未満であることが好ましく、17未満であることがより好ましく、12未満であることがさらに好ましく、7未満であることが最も好ましい。表面張力は、有機物と熱可塑性樹脂繊維の融点のうち、高い方の温度より45℃高い温度にて測定したものである。
含浸後に良好な物性を発現するためには、熱可塑性樹脂繊維と有機物のSP値(溶解性パラメーター)の差は3(cal/cm)未満であることが好ましく、2未満であることがより好ましく、1.5未満であることがさらに好ましく、1未満であることが最も好ましい。
これらを満たす好ましい有機物として、熱可塑性樹脂繊維と同系のポリマーやオリゴマーは特に好ましく用いられる。ここでいう同系とは熱可塑性樹脂繊維の繰り返し単位が有する官能基を有機物が保有していることを意味する。例えば熱可塑性樹脂繊維がポリアミド66であれば、アミド結合を有する有機物が好ましく適用される。
有機物の添加量を制御する観点から、含液させる工程は有機物を含有した液体を噴霧し残量は回収する方法、流通状態の液体に浸漬し濃度管理する方法が好ましい。気体による混繊工程において余剰の液体と共に余剰の有機物が回収されるため、この回収物を含液させる工程にリサイクルすることが好ましい。
含液量は特に制限されず、上記の効果が得られる程度の量を適宜選択すればよいが、生産性を高める観点や廃液を抑制する観点から、強化繊維に対する液体の含液量は300質量%以下であることが好ましく、250質量%以下であることがより好ましく、200質量%以下であることが更に好ましく、150質量%以下であることが最も好ましい。含液量は工程が安定している状態でラインを停止し、混繊工程の手前部分を切り取って重量を測定し、その後液体を除去した状態で重量を測定することで求めることができる。
混繊糸中の強化繊維の界面せん断応力は、原料の強化繊維の界面せん断応力に対して変化することは好ましく、原料の強化繊維の界面せん断応力に対して5%以上増加することがより好ましく、10%以上増加することが更に好ましく、15%以上増加することが最も好ましい。界面せん断応力を変化させるには、液体によって強化繊維に付着している収束剤などの成分を移動させることで可能となる。界面せん断応力はマイクロドロップレット法によって測定することができる。
強化繊維の解舒方法は適宜選択でき、内取り、外取り、転がし取りなどがあげられる。糸道中での損傷を抑える観点から、解舒前の強化繊維が含液状態であることは好ましい。強化繊維を製造した際に収束剤を塗布した際に含液状態に保っていてもよいし、使用する際に含液させてから使用してもよい。含液させる方法は、所定の液体に浸漬させてもよいし、霧吹き等で液体を噴霧してもよいし、高湿度化に所定時間保持しておいてもよい。含液状態にしてから使用することが困難な場合には、強化繊維の撚りを入れずに解舒できる転がし取りが好ましい。解舒時の含液量は特に制限されないが、解舒直後の強化繊維の柔軟度を、5度以上にすることが好ましく、10度以上にすることがより好ましく、15度以上にすることが更に好ましい。柔軟度は前述の混繊糸の柔軟度と同様に測定することができる。
混繊する方法は、混繊糸の構造に応じて公知の方法を利用でき、いくつかの混繊工程を併用してもよい。以下に好ましい混繊糸の形態である強化繊維と熱可塑性樹脂繊維を混繊糸、又は強化繊維と熱可塑性樹脂繊維とが単糸単位で混合された混繊糸を製造するための方法について説明する。
例えば、静電気力や流体噴霧による圧力、ローラー等に押し付ける圧力等による外力によって開繊した後、強化繊維束と熱可塑性樹脂繊維を開繊したままの状態で合糸・引き揃える開繊合糸法、流体交絡法が挙げられる。混繊しながら気体により余剰の液体を除去することができる流体交絡法が好ましく使用される。流体交絡法とは流体の作用により繊維同士を交絡する方法であり、流体攪乱法やインターレース法(糸に対して横方向にエアーをかける)などがあげられる。強化繊維として側面からの外力によって損傷しやすい炭素繊維を用いる場合は流体攪乱法が好ましく使用され、糸の進行方向に対して同一方向にエアーをかけるタスラン(登録商標)法が特に好ましく使用される。原料となる強化繊維束の太さ、本数を適宜調整し、あわせて製造条件は調整する。
以下、本発明の好ましい形態であるタスラン加工について説明する。タスラン加工とは芯糸、浮糸より送られた糸をエアーの力によって嵩高く、ループ状に強く結束させる手法である。例えば図1に示すようにローラーの回転によって送られた芯糸、浮糸がタスランボックス内に取り付けられたノズル内を通過するときに、エアーの力で撹乱しフィラメント同士が結束する。芯糸はタスラン糸の芯となる糸で、その周りに浮糸が密に絡み付く。ローラーによる供給糸の送り量は通常芯側よりも浮側を多く設定することが好ましい。ノズルは主にハウジングとコアからできており、コア内部にあるオリフィスと呼ばれる穴からエアーが噴出し、結束させる。
芯糸、浮糸は強化繊維、熱可塑性樹脂繊維のどちらでも構わないが、強度の観点から芯糸に強化繊維、浮糸に熱可塑性樹脂繊維を用いることが好ましい。混繊糸の強度と生産性の観点から、糸速度は10~1000m/分であることが好ましく、20~700m/分であることがより好ましく、30~500m/分であることが更に好ましく、50~300m/分であることが最も好ましい。
強化繊維の送りは、糸の直線性を高めることで成形体の強度を向上させるという観点から、糸速度に対して0~10%であることが好ましく、0.1~5%であることがより好ましく、0.2~3%であることが更に好ましく、0.3~1.8%であることが最も好ましい。熱可塑性樹脂繊維の送りは、強化繊維との絡み合いを調整する観点で任意に調整すればよく、1~15%であることが好ましく、2~10%であることがより好ましく、3~7%であることが更に好ましく、4~6%であることが最も好ましい。芯糸に対する浮糸の送り量は、100~600%であることが好ましく、110~500%であることがより好ましく、150~400%であることが最も好ましい。エアー圧は強化繊維の損傷を抑え、適度な交絡状態を作り出すと共に、液体を適度に吹き飛ばすという観点から0.5~10kgf/cmであることが好ましく、1~5kgf/cmであることがより好ましく、1.5~3kgf/cmであることが更に好ましい。タスランボックスの前に強化繊維、及び/又は、熱可塑性樹脂繊維を含液させておき、エアーにより混繊しながら液体を吹き飛ばすことにより液体含有量をコントロールすることができる。
<水溶性成分について>
本発明における混繊糸は、水溶性成分を含んでいることが好ましい。水溶性成分とは23℃において100gの水に対して10g以上の溶解度を示す化合物のことを指す。例えば、水溶性高分子であるポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールやその誘導体やその共重合物、ポリアクリル酸、ポリスルホン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセトアミド、セルロース誘導体、でんぷん誘導体等、反応性基を有する低分子化合物であるエポキシ樹脂、アクリレート樹脂は好ましく使用される。
水溶性成分は混繊糸中の強化繊維、及び/又は、熱可塑性樹脂繊維に含有されていればよいが、両者に含有されていると両者の密着性が高まり、成形時に含浸しやすくなるため好ましい。また、強化繊維の表面に対しては、不均一に付着していると成形体中において強化繊維とマトリックスとなる熱可塑性樹脂との界面強度が高まりやすくなるため好ましい。含浸性と界面強度のバランスの観点から水溶性成分は、強化繊維に対して0.1~5質量%であることが好ましく、0.3~4質量%であることがより好ましく、0.5~3質量%であることが更に好ましく、1~2質量%であることが最も好ましい。
水溶性成分は原料に加えておいてもよいし、混繊を行う際に加えてもよいし、混繊糸を製造した後に加えてもよい。強化繊維の表面に対して不均一に付着させやすいという観点から原料の強化繊維に加えておくことが好ましい。強化繊維が水溶性成分を含有していると、混繊工程において液体と接触した際に水溶性成分が液体によって移動する。これにより強化繊維の表面において水溶性成分に分布が生じると共に、熱可塑性樹脂繊維にも移動する。
<強化繊維について>
強化繊維は、通常の強化繊維複合材料成形体に使用されるものを用いることができ、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維、金属繊維、セラミックス繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましいものとして挙げられる。機械的物性、熱的特性、汎用性の観点から、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維が好ましく、弾性率の観点から炭素繊維が好ましい。
強化繊維の単糸径については特に制限されないが、成形体の強度と取り扱い性の観点から1~22μmであることが好ましく、3~17μmであることがより好ましく、5~12μmであることが更に好ましい。強化繊維束としてのフィラメント数は取り扱い性に応じて適宜設定することができ、3000本、6000本、12000本、24000本のものが好ましく使用される。
強化繊維には集束剤を用いることが好ましく、強化繊維と熱可塑性樹脂の界面を形成するためのカップリング剤、強化繊維の取り扱い性を向上すると共に熱可塑性樹脂とカップリング剤の界面形成を補助するための結束剤、強化繊維の取り扱い性を向上させるための潤滑剤等が好ましく使用される。
集束剤によって強化繊維の表面状態が変化する。強化繊維が混繊工程で使用する液体と親和性の高い状態であることが、混繊糸の強度、及び、成形体の強度の観点から好ましい。ここで強化繊維が液体と親和性の高い状態であるとは、強化繊維束を5cm程度に切り出して液体槽に入れた場合に、強化繊維束が広がってバラバラになるような状態のことをいう。
集束剤は、強化繊維に均一に塗布する観点から、液状、又は、気体状として適用することが好ましい。融点、沸点が高い化合物を使用する場合は、加熱を行いながら塗布してもよいし、溶剤に溶解させて塗布してもよい。その他の成分として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、伝熱剤、熱安定剤等を含んでいてもよい。
集束剤の種類を選定する方法としては、例えば特開2015-67926号公報に記載されているようなマイクロドロップレット試験によるマトリックス樹脂との界面強度の利用があげられる。ただし、集束剤が熱によって揮発したり、変質したりする場合があるため、成形時の熱履歴をかけた上で、同試験を行うことが好ましい。先にあげた水溶性成分を集束剤として用いることは好ましい。
潤滑剤は、強化繊維の調整及び損傷防止性向上、開繊性向上に寄与する。潤滑剤としては、目的に適した通常の液体又は固体の任意の潤滑材料が使用可能であり、特に制限されないが、例えば、カルナウバワックスやラノリンワックス等の動植物系又は鉱物系のワックス;脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、芳香族系エステル、芳香族系エーテル等の界面活性剤から選択される1種以上を用いることができる。
結束剤は、強化繊維の集束性向上及び界面接着強度向上に寄与する。結束剤としては、目的に適したポリマー、熱可塑性樹脂が使用可能である。ポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;各種フェノール類とホルマリンを反応させて得られるフェノール樹脂;尿素とホルマリンを反応させて得られるユリア樹脂;メラミンとホルマリンを反応させて得られるメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。また、例えば、m-キシリレンジイソシアナート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)及びイソホロンジイソシアナート等のイソシアネートとポリエステル系やポリエーテル系のジオールとから合成されるポリウレタン樹脂も好適に使用される。
結束剤として用いられる熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、熱可塑性フッ素系樹脂、及びこれらを変性させた変性熱可塑性樹脂等が挙げられる。混繊糸を形成する熱可塑性樹脂繊維と同種の熱可塑性樹脂及び/又は変性熱可塑性樹脂であると、複合材料成形体となった後、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との接着性が向上し好ましい。
混繊工程の効率を高める観点から、本発明に用いる強化繊維の親水度指数は8度以上であることが好ましく、30度以上であることがより好ましく、60度以上であることがさらに好ましい。ここでいう親水度指数とは、本発明の混繊プロセスへの適合性のための独自の指標である。親水度指数は混繊糸の柔軟度と同様の測定を、実施例に示すような乾燥時と湿潤時に行い両者の差で表されるものである。
<熱可塑性樹脂繊維について>
熱可塑性樹脂繊維は、通常、複合材料に用いられるマトリックス樹脂を繊維化したものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエーテルケトン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルスルフォン;ポリフェニレンサルファイド;熱可塑性ポリエーテルイミド;テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体等の熱可塑性フッ素系樹脂、及びこれらを変性させた変性熱可塑性樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られた連続繊維であることが好ましい。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、及び熱可塑性フッ素系樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂が、機械的物性、汎用性の観点からより好ましく、熱的物性の観点を加えるとポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂が更に好ましい。また、繰り返し荷重負荷に対する耐久性の観点からポリアミド系樹脂がより更に好ましく、脂肪族ポリアミド系樹脂、特にポリアミド6、ポリアミド66を好適に用いることができる。
熱可塑性樹脂繊維は、潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、伝熱剤、熱安定剤等を含んでいてもよく、混繊時の液体と親和性の高い化合物を付与しておくことが、混繊効率を高め、又、この化合物を強化繊維と共有することで含浸性が高まるため好ましい。
<織物、編物について>
本発明の混繊糸を用いて布状に加工し、それを繊維強化樹脂成形体を得るための中間材料として用いることは好ましい。布の形態は特に限定されないが、混繊糸を特定の方向に引き揃えた一方向強化材、複合糸を用いた布帛、例えば織物や編物、レース、フェルト、不織布、フィルムや板状体等が挙げられる。中間材料としては、繊維強化樹脂成形体を製造する際の、金型内での形状追従性の観点から、柔軟性のある一方向強化材、織物、編物、レース、フェルト、不織布が好ましく、強化繊維の屈曲が少なく強度が出やすいことから、編物、一方向強化材、織物形状がより好ましく、形態安定性の観点から編物、織物形状が更に好ましい。
織物は二軸織物でもよいし、三軸織物でもよい。織物の織り方は特に限定されず、平織、綾織、朱子織、綟り織、紗等が挙げられる。
繊維強化樹脂成形体の強度の観点から、強化繊維のクリンプ率が低くなる綾織がより好ましい。
編物は例えば、ノンクリンプファブリックといわれるような多軸挿入編物が強度の観点から好ましく、編物のステッチはトリコット、コンビネーション等があげられる。
<織、編工程について>
布状の中間材料を得る方法は特に限定されず、用途、目的に応じて選定することができる。
例えば、織物は、シャトル織機、レピア織機、エアージェット織機、ウォータージェット織機等の製織機を用い、少なくとも一部に混繊糸を含んでいればよい。例えば、混繊糸を含む繊維を配列させた経糸に、緯糸を打ち込むことによって得る方法が好ましい方法として挙げられる。中でも強化繊維の損傷を抑え、安定的に織物を得るという観点からレピア織機が好ましい。織物のテンションを安定化させ、均一な品質の織物が得られやすいことから、レピア織機の幅は60cm以上であることが好ましく、80cm以上であることがより好ましく、100cm以上であることが更に好ましい。幅が一定以上の大きさであれば品質は安定するが、使用する糸に合わせて使いやすい幅に設定することが好ましい。強化繊維束にガラス繊維や炭素繊維を用いた場合には、幅6m以下であることが好ましく、5m以下であることがより好ましく、4m以下であることが更に好ましく、3m以下であることが最も好ましい。
編物は、丸編み機、横編み機、トリコット編み機、ラッシェル編み機等の編み機を用い、少なくとも一部に複合糸を含む繊維を編成することによって得られる。
不織布は、少なくとも一部に複合糸を含む繊維をウェブと呼ばれるシート状の繊維集合体とした後、ニードルパンチ機、ステッチボンド機、柱状流機等の物理作用やエンボスロール等による熱作用や接着剤によって繊維同士を結合させることによって得られる。
その他の中間材料の形態等については、適宜特開2015-101794号公報に記載の方法を用いることができる。
本発明において、織物、編物を得る工程は、強化繊維が含液している状態で行うことが好ましい。含液状態で取り扱うことにより、毛羽立ちの防止ができるだけでなく、織物、編物の中の強化繊維の直進状態を高めることができ、結果として成形体の強度を高めることができる。強度と取り扱い性の関係から含液率は強化繊維に対して0.1~5質量%であることが好ましく、0.2~4質量%であることがより好ましく、0.3~3質量%であることが更に好ましい。
強化繊維はどのタイミングで含液させてもよく、混繊糸を製造する工程でもよいし、混繊糸を製造し巻き取りを行った状態で行ってもよいし、巻き取りを行った後に別工程として加液工程を設けてもよい。また、織や編の準備工程として整経工程でおこなってもよいし、経通しや筬通しの段階でもよいし、緯糸を打ち込む直前に行ってもよい。混繊糸を製造する前に強化繊維を含液し、混繊時に液体量の調整を行い、織、編工程を行うことが、強度、含浸性の観点から好ましい。
本発明においては、織物、又は編物を製造した後、これらの布を液体に浸漬することによって含浸性を高め、界面強度、及び、成形体の強度を高めることもできる。この時の布は強化繊維のみから構成されていてもよいし、強化繊維と熱可塑性樹脂から構成されていてもよい。熱可塑性樹脂は、粉末状、フィルム状、織物上、繊維状のいずれの形態でも構わないが、強化繊維との距離を短くするという観点から粉末状、繊維状が好ましく、布の安定性の観点から繊維状が好ましい。繊維状の熱可塑性樹脂は、強化繊維と混繊させておいても構わないし、混織や混編の状態でも構わない。液体に浸漬した際に絞りを入れることにより、強化繊維の状態を適宜調整することができる。
<成形方法>
上述した混繊糸や、中間材料を構成材料として繊維強化樹脂成形体を製造することができる。なお、繊維強化樹脂成形体の製造方法は、以下に限定されるものではなく、種々の方法を適用することができる。
例えば、繊維強化樹脂成形体を構成する基材、好ましくは織物形状や編物形状の基材を、所望の成形体に合わせて裁断し、目的とする製品の厚みを考慮して必要枚数積層させ、金型形状にあわせてセットする。この時、上述の中間材料を用いることにより、一般的な強化繊維に樹脂が含浸された従来の複合板に比して、金型に対して自由度を高くすることができ、成形体において高低差がある場合でも、形状自由度を高く成形することができる。金型にセットする前には基材を乾燥させる工程を含んでもよい。乾燥工程は、裁断の前、及び/又は、裁断の後に行うことができる。
基材の裁断は、1枚ずつ行ってもよいし、所望の枚数を重ねてから行ってもよい。生産性の観点からは、重ねた状態で裁断することが好ましい。裁断する方法は任意の方法でよく、例えば、ウォータージェット、刃プレス機、熱刃プレス機、レーザー、プロッター等があげられる。
基材を金型にセットした後に金型を閉じて圧縮する。そして、繊維強化樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂の融点以上の温度に金型を温調して熱可塑性樹脂を溶融させ賦型する。型締め圧力に特に規定はないが、好ましくは1MPa以上、より好ましくは3MPa以上である。
繊維強化樹脂成形体の製造工程においては、金型内に中間材料をセットして金型を閉じ、加圧し、所定の時間後に、更に所定の熱可塑性樹脂組成物を射出充填して成形し、熱可塑性樹脂繊維と、所定の熱可塑性樹脂組成物とを接合させることにより、ハイブリッド成形体を製造してもよい。
<用途>
繊維強化樹脂成形体は、航空機、車、建設材料、スポーツ用品等の構造材料用途に好適に使用することができる。
車用途においては、以下に限定されるものではないが、例えば、シャーシ/フレーム、足回り、駆動系部品、内装部品、外装部品、機能部品、その他部品に使用できる。
以下に本発明の具体的な実施例及び比較例を示すが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<炭素繊維(CF)>
炭素繊維A(CF-A):
単糸径7μm、フィラメント数12000本、密度1.81g/cmの標準弾性率のPAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維に集束剤としてポリビニルピロリドン(水溶性成分)を2.9質量%付着させた。水に浸して集束剤を除去し単糸単位に分離し5cmの長さで引張試験を実施したところ破断時の荷重は6.2gであった。すなわち糸束の強度としては約2000MPaと計算された。親水度指数は80であった。
炭素繊維B(CF-B):
単糸径7μm、フィラメント数12000本、密度1.81g/cmの標準弾性率のPAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維に集束剤として水溶性成分であるビスフェノールA(ポリエチレングリコール)エーテル(ポリエチレングリコール平均繰り返し数9.3)0.11質量%、非水溶性成分である長鎖炭化水素化合物を0.1質量%を付着させた。糸束の強度は4500MPa、親水度指数は12であった。
炭素繊維C(CF-C):
集束剤のポリビニルピロリドンの量を0.08質量%とする以外は炭素繊維Aと同様の炭素繊維を用意した。親水度指数は50であった。
<熱可塑性樹脂繊維>
レオナ(登録商標)470/144BAU(旭化成せんい(株)製)、繊度470dtex、単糸数144本レオナを使用した。水溶性成分0.9%を含んでいた。
<一方向材の成形方法>
幅20mm、長さ200mm、厚み1mmをターゲットとして、以下に示す手順により試験片を得た。1度の成形にて、2個の試験片(成形体)を得た。成形機は、最大型締め力50トンの油圧成形機(株式会社ショージ)を使用した。
図2のようにアルミ製の型枠に混繊糸を巻きつけた。アルミの型枠の厚みは5mm、巻きつける回数は混繊糸の断面積の合計が20mm以上になる最小回数とした。これを図3に示すようなCOR(コア)とCAV(キャビティ)からなるクリアランス0.5mmの金型にセットした。
成形機内温度を300℃に加熱し、金型を投入し、次いで型締め力5MPaで型締めし、圧縮成形を行った。成形時間はマトリックス樹脂の主成分の融点(ポリアミド66であれば265℃)に達してから10分とし、金型を急冷したのちに金型を開放し、成形体を取り出した。
<織物の成形方法>
成形機は、最大型締め力50トンの油圧成形機(株式会社ショージ)を使用した。
縦10cm、横20cm、厚み2mmの金型に、縦9.5cm、横19.5cmに切り取った織物を所定枚数仕込んだ。なお、枚数は織物の体積が40cm以上となる最小の枚数とした。
成形機内温度を300℃に加熱し、金型を投入し、次いで型締め力5MPaで型締めし、圧縮成形を行った。成形時間はマトリックス樹脂の主成分の融点(ポリアミド66であれば265℃)に達してから10分とし、金型を急冷したのちに金型を開放し、成形体を取り出した。
<一方向材の引張強度、引張弾性率及び強度発現率>
試験片は試験前に80℃にて2日間真空乾燥させた。試験片の両端にタブ間距離が100mmになるように厚み2mm、幅20mm、長さ50mmのガラス繊維強化樹脂(GFRP)製のタブを瞬間接着剤で取り付けた。試験片中央部に歪ゲージ(共和電業製KFGS-5-120-C1-23)を取り付けた。
インストロン製の100kNの引張試験器と共和電業製の動ひずみ計を用い、引っ張り速度1mm/分にて引張試験を行った。最大荷重を引張強度(MPa)とし、歪-荷重のカーブの最大の傾きを引張弾性率とした。
以下の式により算出される理論強度に対する引張強度の実測値を一方向材の強度発現率とした。
理論強度=強化繊維束の引張強度×強化繊維の体積比率+樹脂の引張強度×樹脂の体積比率
<織物の引張強度、引張弾性率および強度発現率>
試験片は試験前に80℃にて2日間真空乾燥させた。試験片をダンベル形状(長さ100mm,平行部6mm、厚さ2mm)に切削加工した。試験片の両端にタブ間距離が50mmになるように厚み2mm、幅13mm、長さ22.5mmのガラス繊維強化樹脂(GFRP)製のタブを瞬間接着剤で取り付けた。試験片中央部に歪ゲージ(共和電業製KFGS-5-120-C1-23)を取り付けた。
インストロン製の10kNの引張試験器と共和電業製の動ひずみ計を用い、0-90度方向にて引っ張り速度1mm/分にて引張試験を行った。最大荷重を引張強度(MPa)とし、歪-荷重のカーブの最大の傾きを引張弾性率とした。
以下の式により算出される理論強度に対する引張強度の実測値を強度発現率とした。複合材は繊維方向の強度が高く、繊維直行方向の強度は低くなる。今回の実施例、比較例においては経糸緯糸の密度が同じであるため、一方向材の半分の値を織物の引張強度の理論強度とした。
理論強度=(強化繊維束の引張強度×強化繊維の体積比率+樹脂の引張強度×樹脂の体積比率)/2
<強化繊維の体積含有率>
JIS K7075の燃焼法にて測定を行った。
<未含浸率>
成形体の任意の位置から5断面を切り出し、エポキシ樹脂に包埋し、強化繊維が破損しないように注意しながら研磨を行った。マイクロスコープにより観察し、得られた画像から、繊維束、熱可塑性樹脂、空隙の占有面積を求め、全体の面積に対する空隙の面積の割合により算出した。なお、測定は1断面につき4か所行い、合計20点のデータから中央値を未含浸率とした。
<強化繊維、熱可塑性繊維、混繊糸の水溶性成分量>
繊維を3.5g採取し純水60mlに漬け込み80℃で8時間加熱した。ろ過を行い純水40mlで2回洗浄した。液は全部回収して混合することで分析液とし、凍結乾燥することにより液に溶解している成分を回収し、質量を測定することで水溶性成分の量を定量した。
<混繊糸中の強化繊維、熱可塑性樹脂繊維に付着している成分量>
混繊糸を適当な長さに切断し、強化繊維とポリアミド繊維を完全に分離した。それぞれの繊維から水抽出を行い、繊維に対する付着している水溶性成分の量を定量化した。その後、NMRを用いて強化繊維由来の成分(A)、ポリアミド繊維由来の成分(B)の比率を計算し、定量を行った。なお、強化繊維に付着している成分量については強化繊維質量に対しての百分率で、熱可塑性繊維に付着している成分量については熱可塑性繊維質量に対しての百分率で表した。
実施例2のみ原料の強化繊維が非水溶性成分を含んでいるため、水抽出の後にクロロホルムで抽出を行うことで同様に定量を行い、水溶性成分量と合算した。
実施例8のみ液体に有機成分(C)を加えている。この場合の(C)は強化繊維についてはヘキサフルオロ-2-プロパノールを用いて抽出、定量した。ポリアミド繊維については、長さ当たりの重量を測定し、原料と比較して増加した分を(C)の量とした。
<混繊糸中の強化繊維の混じり合いの割合>
混じり合いの度合いは、強化繊維束の全本数に対する熱可塑性樹脂繊維に隣接する強化繊維の数の割合で定義される。混繊糸をシュリンクチューブで包んだ状態で切断し、光学顕微鏡によって断面観察を行い、画像処理によって割合を算出した。任意の位置の断面を20点観察して平均値を計算した。
<混繊糸の空隙率>
混繊糸をシュリンクチューブで包んだ後、着色したエポキシ樹脂をチューブ内に注入、硬化させた後、切削、研磨を行い断面観察した。
空隙率=空隙の面積/混繊糸の外周の内側の面積×100
空隙の面積は、混繊糸の外周より内側の着色したエポキシ樹脂の面積であり、混繊糸の外周は一番外側にある繊維を結んだ線によって描かれる図形である。
<有機物の分散度>
溶剤を用いて混繊糸から有機物を抽出して質量を測定し、混繊糸の質量に対する有機物の質量の割合を計算した。任意の20か所について同様に測定を行い平均値と標準偏差を算出し、標準偏差を平均値で除した値を分散度とした。
<混繊糸の柔軟度、強化繊維の親水度指数>
製造直後の混繊糸を20cm切り取り、端と端を幅1.5cmのテープにて固定して輪を作った。テープで固定した部分を持って垂直に吊り下げた。この時垂直にならない場合には、手で軽く抑えることで垂直にした。テープの部分を持ったまま垂直方向に180度ひっくり返し、テープ部分が下で混繊糸が垂直に立つようにした。混繊糸にはさわらず1分間保持し、垂直方向に対して混繊糸が垂れ下がった角度を測定した。なお、二段階に折れ曲がった場合には角度の大きい方を採用した。任意の箇所20点について測定し、平均値を算出した。
強化繊維の親水度指数は、乾燥時と湿潤時の強化繊維の柔軟度を同様に測定し、差を計算した。乾燥時は、25℃で2時間真空乾燥してから測定した。湿潤時については、日本製紙製キムタオル4つ折りに蒸留水50mlを均一に散布したものを用意し、乾燥時測定が終わったサンプルをキムタオルの間に挟み込み荷重をかけない状態で10秒間静置したのちに測定した。
<表面張力、表面張力の変化率>
共和界面科学社製接触角測定装置DM500を用い、懸適法(Laplace法)にて測定した。ポリアミド66の融点が265℃であるため、310℃にて、窒素雰囲気下で液滴を形成してから1分後に測定した。溶融密度は1g/ccとして算出した。なお前処理として充分に乾燥させておく必要があるため、ポリアミド66の場合は90℃にて2日間真空乾燥をしてから測定した。
ポリアミド66(熱可塑性樹脂繊維)に対して、混合する有機物を10質量%の割合で二軸の押し出し機を用いて、低シェア条件にて混合した。同様に表面張力を測定し、表面張力の変化率を算出した。
<界面せん断応力の測定>
複合材料界面特性評価装置HM410(東栄産業(株)製)を使用し、マイクロドロップレット試験により測定した。
原料の強化繊維、又は混繊糸中の強化繊維より単糸を取り出し、複合材料界面特性評価装置にセッティングした。装置上で熱可塑性樹脂繊維の原料となる熱可塑性樹脂を溶融させたドロップを強化繊維単糸上に形成させ、室温で充分に冷却し、測定用の試料を得た。測定試料を装置に再度セッティングし、ドロップを装置ブレードで挟み、強化繊維単糸を装置上で0.06mm/分の速度で走行させ、ドロップを引き抜く際の最大引抜荷重f(N)を測定し、下記式により界面接着強度τを算出した。
界面接着強度τ=f/π・R・l
(f:最大引抜荷重(N)、R:強化繊維単糸径(m)、l:ドロップの引抜方向の粒子径(m))
界面せん断応力変化率は、原料の強化繊維の界面せん断応力に対して、混繊糸から取り出した強化繊維の界面せん断応力と原料の強化繊維の界面せん断応力の差の絶対値を百分率で算出した。
(実施例1)
炭素繊維Aを1本、ポリアミド糸を10本用いすべての糸を引き揃えた後、45ml/分の流水を通過させた。ローラーを経由したのち、タスランボックスへ導入し空気圧2.0kgf/cmにてタスラン加工を行い混繊糸を得た。巻き取りの糸速度は65m/分とし、原料の炭素繊維は66m/分、原料のポリアミド糸は68m/分にて送り込んだ。
(実施例2)
炭素繊維Bを使用する以外は実施例1と同様に混繊糸を得た。非水溶性成分は、混繊後も炭素繊維に残存していた。
(実施例3)
水の量を85ml/分とする以外は実施例1と同様に混繊糸を得た。
(実施例4)
ポリアミド糸を6本とする以外は実施例1と同様に混繊糸を得た。
(実施例5)
炭素繊維Aを1本、ポリアミド糸を10本用い、すべての糸を引き揃えた後、45ml/分の流水を通過させた。インターレース型流体交絡ノズル(京セラ製KC-AJI-L(1.5mm径、推進型))に導き、空気圧0.5kg/cm、加工速度50m/分にて混繊糸を得た。
(実施例6)
実施例1で得られた混繊糸を水槽に導入し巻き取ることでポリビニルピロリドンの量を0.08質量%まで低減させた。
(実施例7)
炭素繊維Aを湿度95%以下で3日間放置し吸湿させてから使用した。また、混繊糸製造中においても1分30秒ごとに霧吹きにて水30mlを炭素繊維ボビンを加湿しながら使用した。炭素繊維A1本を30ml/分の流水を通過させた。その後、炭素繊維をポリアミド糸を10本とを引き揃えた後、タスランボックスへ導入し空気圧2.0kgf/cmにてタスラン加工を行い混繊糸を得た。巻き取りの糸速度は65m/分とし、原料の炭素繊維は66m/分、原料のポリアミド糸は68m/分にて送り込んだ。
(実施例8)
流水の代わりにポリアミドエマルジョン(住友精化製セポルジョンPA200)を5倍に薄めて使用した以外は実施例7と同様に混繊糸を得た。
ポリアミド66の表面張力は29.9mN/m、ポリアミドエマルジョン中の固形分の表面張力は35mN/m、ポリアミド66にポリアミドエマルジョンの固形分を混ぜた際の表面張力は31.0mN/mdであり、表面張力変化率は3.7%であった。
成形時間は融点に達してから1分とした。
(実施例9)
流水量を300ml/分とし、流水に接触した直後にタスランボックスに導入した以外は実施例1と同様に混繊糸を得た。
(実施例10)
ポリアミド糸を14本使用した以外は実施例7と同様に混繊糸を得た。
(実施例11)
炭素繊維を乾燥してから使用し、巻き取り糸速度を45m/分、炭素繊維の送りを46m/分、ポリアミド糸の送りを48m/分とした以外は実施例1と同様に混繊糸を得た。解舒がスムーズでなかったため運転速度をおとした。
(比較例1)
水を使用しないこと以外は実施例1と同様に混繊糸を得た。環境中にCFの毛羽が発生した。
(比較例2)
炭素繊維Aを1本、ポリアミド糸を10本用いすべての糸を引き揃えた後、そのまま巻き取った。環境中にCFの毛羽が発生した。
(比較例3)
炭素繊維Cとポリアミド糸10本を、タスランボックスへ導入し空気圧2.0kgf/cmにてタスラン加工を行い混繊糸を得た。巻き取りの糸速度は65m/分とし、原料の炭素繊維は66m/分、原料のポリアミド糸は68m/分にて送り込んだ。環境中にCFの毛羽が発生した。
(比較例4)
炭素繊維Aを1本、ポリアミド糸を10本用いすべての糸を引き揃えた後、水を満たした水槽に導入した。水はポンプで20m/分となるように循環させ、水流によって開繊させた。開繊した繊維を重ね合わせた後、ウォータージェットノズルに導入し、10kg/cmの水を供給し乱流処理により混繊した。糸の速度は20m/分とし、炭素繊維A、ポリアミド糸ともに22m/分で送り込んだ。巻き取った後、150℃にて10時間乾燥を行った。
(実施例12)
実施例1で得られた混繊糸を、レピア織機を用いて6本/インチの密度で4-4綾織の織物を得た。織工程における炭素繊維の含水率は5質量%であった。
(比較例5)
比較例3で得られた混繊糸を用い、実施例12と同様の方法で織物を得た。
Figure 0007157571000001
Figure 0007157571000002
実施例1~11の混繊糸による試験片は、引張強度、引張弾性率及び強度発現率が優れていた。また、比較例5で得られた織物は、毛羽立ちが多く、環境中へ炭素繊維の飛散がみられ、実施例12の織物による試験片に比べて、引張強度、引張弾性率及び強度発現率が低下した。
本発明の混繊糸の製造方法、混繊糸、及び織物又は編物の製造方法によれば、各種機械や自動車等の構造部品等、高レベルでの機械的物性が要求される材料の補強材に好適に利用できる中間材料が得られ、産業上の利用可能性を有する。

Claims (8)

  1. 少なくとも熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とから構成される混繊糸の製造方法であって、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維の両者が含液している状態で、気体による流体交絡法により前記熱可塑性樹脂繊維と前記強化繊維とを混繊する工程を含み、前記気体のエアー圧が1.5~3kgf/cmである、混繊糸の製造方法。
  2. 前記強化繊維が液体を300質量%以下含む請求項1記載の混繊糸の製造方法。
  3. 前記流体交絡法が流体攪乱法である請求項1又は請求項2に記載の混繊糸の製造方法。
  4. 前記強化繊維が、該強化繊維に対して0.1~5質量%の水溶性成分を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の混繊糸の製造方法。
  5. 前記強化繊維の親水度指数が8度以上である請求項1~4のいずれか1項に記載の混繊糸の製造方法。
  6. 少なくとも熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とから構成される混繊糸の製造方法であって、前記熱可塑性樹脂繊維及び前記強化繊維との両者を含液処理する工程の後に、気体による流体交絡法による混繊工程を含み、前記気体のエアー圧が1.5~3kgf/cmである、混繊糸の製造方法。
  7. 前記液体が有機物を含有している請求項6に記載の混繊糸の製造方法。
  8. 請求項1の製造方法で得られる、少なくとも熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とから構成される混繊糸を用いた織物又は編物の製造方法であって、前記強化繊維の織工程における前記強化繊維の含液率を0.1~5質量%で行う織物又は編物の製造方法。
JP2018124045A 2017-07-05 2018-06-29 混繊糸の製造方法、混繊糸、及び織物又は編物の製造方法 Active JP7157571B2 (ja)

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