JP6227956B2 - 複合糸条 - Google Patents

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Description

本発明は複合糸条に関する。
各種機械や自動車等の構造部品や圧力容器および管状の構造物等の補強材として使用されるプリフォームの製造用材料として、または、複合材料成型体中の補強用繊維として、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が混繊された複合糸条が用いられている。複合糸条を、単独又は他の繊維と共に編織して布帛状のプリフォームとする場合や、組紐として中空パイプ状のプリフォームとする場合等がある。得られたプリフォームに圧縮加熱や内圧加熱を施して、複合糸条中の連続熱可塑性樹脂繊維を溶融させ、成形することによって複合材料成型体が得られる。また、得られたプリフォームに熱硬化性樹脂を含浸した後、加圧加熱を施して、複合材料成型体を得ることもできる。
複合材料成型体を得る際、短時間の成形によって十分な力学特性を発揮するには、複合糸条において、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が均一に分散、混合していることと、連続強化繊維が損傷を受けていないことと、の双方が達成できることが極めて重要である。また、プリフォームや複合材料成型体を得る際、連続強化繊維が損傷を受け難いよう、複合糸条は取扱い性に優れることが重要となっており、そのためには、複合糸条中で均一に分散、混合させること、及び、その状態をプリフォーム作成工程や複合材料成型体を得る工程で維持することが重要である。
連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維とを均一に分散、混合する方法として、特許文献1には混繊糸にガス(空気)を衝突させて混合する方法が、特許文献2には捲縮性を有する熱可塑性樹脂繊維束と強化繊維とをタスラン混繊する方法が、特許文献3にはそれぞれの繊維束中への集束剤付与量を特定する方法が、そして、特許文献4には電気開繊法及びインターレース法で混繊させる方法が開示されている。
また、連続強化繊維が損傷を受けないようにする方法として、特許文献5及び6には単繊維切れの発生を抑制するために繊維束を液体中で混繊する方法が、特許文献7にはたわませた繊維束に吸引空気流を作用させ幅広く開繊させた後に当該繊維束を合わせることにより混繊させる方法が開示されている。
さらに、複合糸条の取扱い性向上に関連して、特許文献8には最大乾熱収縮率差が2.5%より大きなフィラメントの組合せを絡み合わせる方法が開示されている。
特開昭60−209034号公報 特開平2−308824号公報 特開平3−33237号公報 特開平7−109640号公報 特開平2−28219号公報 特開平4−73227号公報 特開平9−324331号公報 特開平8−260276号公報
しかしながら、特許文献1〜8のいずれの方法によっても、複合糸条において、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が均一に分散、混合していることと、連続強化繊維が損傷を受けていないことと、の双方が十分に達成できておらず、また、複合糸条の取扱い性も十分なものではなかった。
具体的には、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維を分散、混合させる、特許文献1〜4に開示される方法の何れにおいても、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維を均一に混繊することは難しく、また、十分な開繊状態、混繊状態を得ようとすると連続強化繊維の単糸切れが発生しやすく、連続強化繊維本来の力学特性を得られなくなる問題があった。そして、単糸切れを防止しようとすると、十分な混繊状態を得られず、複合材料の取扱い性として、複合糸条からプリフォームを作成する際の工程性が良好で、該工程で連続強化繊維が損傷し難いことが求められるものの、取扱性に劣る、すなわち、短時間の成形で複合材料成型体とした場合に十分な力学特性を得ることができず、十分な力学特性を得るためには、10分以上の長時間の成形を行う必要があるという問題が発生していた。
特許文献5及び6に開示される、液体中で混繊する方法は、液体を除去するという余分な工程を要する問題があり、特許文献7に開示される、幅広く開繊させた繊維束を合わせることにより混繊させる方法では、開繊繊維束を合わせただけでは、合わせ部分では均一な混繊が得られるものの全体的には十分な混繊状態を得ることはできない。
また、特許文献8に開示されるように、最大乾熱収縮率差を2.5%より大きくすることにより、複合糸条を染色温度まで、また、圧縮成形するために連続熱可塑性樹脂繊維が溶融状態となるまで加熱を施すと、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が分離してしまう問題が発生していた。
本発明が解決しようとする課題は、連続強化繊維に損傷を与えることなく連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が連続して均一に混じり合い、プリフォームを得るための取扱い性に優れる複合糸条を提供することにある。また、本発明が解決しようとする課題は、複合材料成型体を得る際に、短時間の成形でも十分な力学特性を発揮し得る複合糸条を提供することにある。また、具体的には、本発明が解決しようとする課題は、複合材料成型体とする際に、染色温度まで、また、圧縮成形するために連続熱可塑性樹脂繊維を溶融状態まで加熱しても連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が分離することのない複合糸条を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が混繊された複合糸条において、複合糸条中から取り出した連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂の沸水収縮率と捲縮率とが特定の差を有する複合糸条とすることにより、本発明が解決しようとする課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が混繊された複合糸条であって、
前記複合糸条中から取り出した連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の沸水収縮率の差が0〜10%であり、かつ、前記複合糸条中から取り出した連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の捲縮率の差が0.5〜20%である、複合糸条。
〔2〕
複合糸条中から取り出した連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の沸水収縮率の差が0〜2.5%である、〔1〕に記載の複合糸条。
〔3〕
複合糸条中から取り出した連続熱可塑性樹脂繊維の沸水収縮率が0〜10%であり、かつ、複合糸条中から取り出した連続熱可塑性樹脂繊維の捲縮率が0.5〜20%である、〔1〕又は〔2〕に記載の複合糸条。
〔4〕
単糸径R(μm)と密度D(g/cm3)とした場合に、連続強化繊維の積RDが5〜100μm・g/cm3である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の複合糸条。
〔5〕
連続強化繊維をエアスプライサーによってつないだ繋ぎ糸条の引張り破断強力が連続強化繊維の引張り破断強力の50〜100%である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の複合糸条。
〔6〕
連続強化繊維の単糸に連続熱可塑性樹脂繊維を構成する樹脂を付着させて測定したマイクロドロップレット試験による界面接着強度が9〜100MPaである、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の複合糸条。
〔7〕
連続強化繊維が実質的に無撚りであり、かつ、実質的に無交絡である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の複合糸条。
〔8〕
連続強化繊維がガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維、金属繊維、及びセラミック繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の複合糸条。
〔9〕
単糸径R(μm)と密度D(g/cm3)とした場合に、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の積RDの比(連続強化繊維/連続熱可塑性樹脂繊維)が0.3〜5である、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の複合糸条。
〔10〕
連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の単糸径R(μm)の比(連続強化繊維/連続熱可塑性樹脂繊維)が0.3〜2である、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の複合糸条。
〔11〕
連続強化繊維及び連続熱可塑性樹脂繊維の総繊度が100〜20,000dtexである、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の複合糸条。
〔12〕
連続熱可塑性樹脂繊維が実質的に無撚りであり、かつ、実質的に無交絡である、〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の複合糸条。
〔13〕
連続熱可塑性樹脂繊維がポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、及び熱可塑性フッ素系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られた連続繊維である、〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の複合糸条。
〔14〕
連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が流体交絡法で混繊された、〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の複合糸条。
〔15〕
連続熱可塑性樹脂繊維が単独で、ヒートセット工程を含む仮撚加工された後、同一の装置で連続して、仮撚加工された連続熱可塑性樹脂繊維と連続強化繊維が引き揃えられて流体交絡ノズルに供給され連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が混繊された、〔14〕に記載の複合糸条。
〔16〕
連続強化繊維が単独で又は連続強化繊維と仮撚加工された連続熱可塑性樹脂繊維が引き揃えられて、流体交絡ノズルの導入穴面に実質的に垂直に供給され連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が混繊された、〔14〕に記載の複合糸条。
本発明によれば、連続強化繊維に損傷を与えることなく連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が連続して均一に混じり合い、プリフォームを得るための取扱い性に優れる複合糸条を提供することができる。また、本発明の複合糸条を用いることで、短時間の成形でも十分な力学特性を発揮し、染色温度まで、また、圧縮成形等するために連続熱可塑性樹脂繊維を溶融状態まで加熱しても連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が分離することのないプリフォームや複合材料成型体を得ることができる。
流体交絡装置の一例を示す概略側面図である。 図1に示した流体交絡装置中の流体交絡ノズルへの引き揃え糸条の供給状態の一例(実施例1、2で使用)を示す概略図である。 図1に示した流体交絡装置中の流体交絡ノズルへの引き揃え糸条の供給状態の別の一例(実施例19で使用)を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態の複合糸条は、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が混繊された複合糸条であり、複合糸条中から取り出した連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の沸水収縮率の差(以下、「沸水収縮率の差」と記載する場合がある。)が0〜10%であり、かつ、複合糸条中から取り出した連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の捲縮率の差(以下、「捲縮率の差」と記載する場合がある。)が0.5〜20%である。
沸水収縮率の差が0〜10%であり、かつ、捲縮率の差が0.5〜20%であれば、複合糸条や複合糸条を製織、製編、製紐等によってプリフォームとした複合材料成型体用の中間材料を染色する際、また、複合糸条や複合材料成型体用の中間材料を圧縮成形するために連続熱可塑性樹脂繊維を溶融状態とする際、加熱を含む工程を行っても、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が分離することがなく、混繊で得られた連続した均一な混合状態を維持することが可能である。さらに、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の両繊維の分離に伴い、連続強化繊維が屈曲し、機械的物性が低下することを抑制することが可能となる。
両繊維の分離の抑制及び混繊による連続した均一な混合の観点から、沸水収縮率の差は、好ましくは0〜7%、より好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0〜2.5%である。両繊維の分離の抑制及び混繊による連続した均一な混合の観点から、捲縮率の差は、好ましくは2〜20%、より好ましくは5〜15%である。
沸水収縮率の差を所定の範囲とするには、市販の連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維から適宜選択して混繊した複合糸条とすればよいが、一般に沸水収縮率が小さい連続強化繊維に適合するよう、連続熱可塑性樹脂繊維にヒートセット工程を行って沸水収縮率を制御することが好ましい。ヒートセット工程は、連続熱可塑性樹脂繊維の紡糸−延伸工程において行っても、紡糸−延伸後に巻き取った状態で行っても、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の混繊の前工程で行ってもよい。混繊の前工程でヒートセット工程を行う場合は、仮撚加工工程と同時に行ってもよい。連続強化繊維の種類に応じて効率的にヒートセットが可能な混繊の前工程で、単独又は仮撚加工と同時にヒートセット工程を行うことが好ましい。
ヒートセット温度は、好ましくは連続熱可塑性樹脂繊維のガラス転移温度(Tg)以上融点以下、より好ましくは(Tg+15℃)以上融点以下、さらに好ましくは(Tg+20℃)以上(融点−10℃)以下である。ヒートセット時間はヒートセット方法、ヒートセット温度に応じ、目的とする沸水収縮率となるよう適宜設定すればよいが、10秒〜60分が好ましい。
捲縮率の差を所定の範囲とするには、連続強化繊維には捲縮を与えず、連続熱可塑性樹脂繊維には捲縮を付与することが好ましい。
捲縮を付与するには、公知の方法が利用でき、例えば、異形断面、紡糸時の偏冷却、サイドバイサイド型複合紡糸、偏芯シースコア型複合紡糸、機械捲縮を付与する方法等が挙げられる。汎用性の観点から機械捲縮を付与する方法が好ましく、この場合の捲縮付与方法としては、例えば、仮撚加工法、ニットデニット法、エアースタッフィングボックス法、スチームスタッフィングボックス法等が挙げられる。仮撚加工から連続して混繊を実施でき、効率が良好な観点から、仮撚加工法で捲縮を付与することが好ましい。
仮撚加工法としては、いかなる形式の仮撚装置を用いることができるが、一般に用いられているピンタイプ、フリクションタイプ、ニップベルトタイプ、エアー加撚タイプ等の仮撚装置を用いて加工することができる。
仮撚加工はヒートセット工程と同時に行うことが好ましく、ヒートセット工程を効果的に行う点から、2ヒーター仮撚加工が好ましい。
仮撚ヒーター温度は、好ましくは連続熱可塑性樹脂繊維のガラス転移温度(Tg)以上融点以下、より好ましくは(Tg+15℃)以上融点以下、さらに好ましくは(Tg+20℃)以上(融点−10℃)以下であり、2ヒーターとする場合は、第1ヒーター温度を上記温度範囲とし、第2ヒーター温度は第1ヒーター温度に対して、−30℃〜+50℃の範囲とすることが好ましい。
本実施形態において、複合糸条から取り出した連続熱可塑性樹脂繊維の沸水収縮率(本段落において、「沸水収縮率」という。)が0〜10%であり、かつ、複合糸条から取り出した連続熱可塑性樹脂繊維の捲縮率(本段落において、「捲縮率」という。)が0.5〜20%であることが好ましい。
沸水収縮率が0〜10%であれば、複合糸条に加熱を含む工程を行っても、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が分離することを抑制できる。
捲縮率が0.5〜20%であれば、連続熱可塑性樹脂繊維同志及び/又は連続熱可塑性樹脂繊維と連続強化繊維との接触が少なくなり、繊維間の見掛けの摩擦力が低下し、開繊、混繊し易い状態となるため、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が連続して均一に混合し易くなる。さらに、連続熱可塑性樹脂繊維が捲縮を有しているために、複合糸条中で連続熱可塑性樹脂繊維が収縮しても、連続強化繊維と分離し難くなる効果も有する。
加熱を含む工程における複合糸条の寸法安定性の観点から、沸水収縮率は、より好ましくは0〜7%、さらに好ましくは0〜5%、よりさらに好ましくは0〜2.5%である。捲縮によるクッション性により、複合糸条中の連続強化繊維の損傷を抑制する観点から、捲縮率は、より好ましくは2〜20%、さらに好ましくは5〜15%である。
連続強化繊維の単糸径R(μm)と密度D(g/cm3)の積RDは、好ましくは5〜100μm・g/cm3、より好ましくは10〜50μm・g/cm3、さらに好ましくは15〜45μm・g/cm3、よりさらに好ましくは20〜45μm・g/cm3である。
連続強化繊維の積RDが5〜100μm・g/cm3であれば、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の両繊維を混繊する際に、連続強化繊維に損傷を与えることなく、連続強化繊維が開繊し易くなり、両繊維が連続して均一に混じり合うことが可能である。
連続強化繊維の積RDが5μm・g/cm3以上であれば、混繊時に連続強化繊維が損傷を受けにくく、混繊の加工工程性に優れ、複合材料成型体が十分な力学特性を発揮する。
連続強化繊維の積RDが100μm・g/cm3以下であれば、連続強化繊維が開繊しやすく、両繊維が連続して均一に混じり合いやすい。そのため、短時間の成形で、十分な力学特性を発揮した複合材料成型体が得られる。
連続強化繊維の積RDが5〜100μm・g/cm3であれば、両繊維を混繊する際に、連続強化繊維に損傷を与えることなく、連続強化繊維が開繊し易くなり、両繊維が連続して均一に混じり合うことが可能である理由は必ずしも明確ではないが、以下の理由によると推量される。すなわち、連続強化繊維に混繊するための外力が作用した際、単糸1本には周径、つまり、単糸径に比例した外力が加わると推察される。一方、単糸1本当たりの単位長さあたりの慣性質量は単糸径の自乗と密度の積に比例する。運動方程式によれば、単糸に発生する加速度は外力を慣性質量で除した値に比例するため、混繊時の連続強化繊維の単糸に発生する加速度は単糸径と密度の積RDに反比例すると推量される。従って、積RDが一定範囲より過小になると、加速度が過大となるために、連続強化繊維が損傷を受けやすくなると推量される。一方、積RDが一定範囲より過大になると、加速度が過小となるために、連続強化繊維が開繊し難くなると推量される。
本実施形態において、連続強化繊維の密度はカタログ値を用い、単糸径R(μm)は連続強化繊維の繊度T(dtex)、単糸数F(本)、密度D(g/cm3)を用い、下記式(1)で算出する。
R=20×(T/π・F・D)0.5 (1)
連続強化繊維の積RDを所定の範囲とするには、市販で入手可能な連続強化繊維について、連続強化繊維の有する密度に応じて、繊度T(dtex)及び単糸数F(本)を適宜選択すればよい。例えば、連続強化繊維としてガラス繊維を用いる場合、密度が約2.5g/cm3であるから、単糸径が2〜40μmのものを選べばよい。具体的には、ガラス繊維の単糸径が9μmである場合、繊度660dtexで単糸数400本のガラス繊維を選択することにより、積RDは、23となる。また、ガラス繊維の単糸径が17μmである場合、繊度11,500dtexで単糸数2,000本のガラス繊維を選択することにより、積RDは、43となる。連続強化繊維として炭素繊維を用いる場合、密度が約1.8g/cm3であるから、単糸径が2.8〜55μmのものを選べばよい。具体的には、炭素繊維の単糸径が7μmである場合、繊度2,000dtexで単糸数3,000本の炭素繊維を選択することにより、積RDは、13となる。連続強化繊維としてアラミド繊維を用いる場合、密度が約1.45g/cm3であるから、単糸径が3.4〜68μmのものを選べばよい。具体的には、アラミド繊維の単糸径が12μmである場合、繊度1,670dtexで単糸数1,000本のアラミド繊維を選択することにより、積RDは、17となる。
積RDを好ましい範囲とするには、例えば、ガラス繊維の単糸径が9μmであり、繊度660dtexで単糸数400本のガラス繊維を用いればよい。
〔連続強化繊維〕
<種類>
本実施形態における連続強化繊維は、通常の繊維強化複合材料として使用されるものを用いることができ、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維、金属繊維、セラミック繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。機械的物性、熱的物性、汎用性の観点から、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維が好ましく、価格の観点からガラス繊維がより好ましい。
<形態>
本実施形態に用いられる連続強化繊維は実質的に無撚りであり、かつ、実質的に無交絡であることが、後述するエアスプライサーによる繋ぎ糸の引張り破断強力向上と混繊工程における開繊性向上の観点から好ましい。実質的に無撚りとは、解舒等に伴う意図しない撚り以外の撚りが入っていない状態を意味し、撚り数が10回/m以下のことである。実質的に無交絡とは、流体交絡等通常の交絡手段による意図的な交絡が入っていない状態を意味し、交絡数が5回/m以下のことである。
連続強化繊維の単糸数は、混繊工程における開繊性、及び取扱い性の観点から30〜15,000本であることが好ましい。
<連続強化繊維をエアスプライサーによってつないだ繋ぎ糸条の引張り破断強力>
本実施形態において、連続強化繊維をエアスプライサーによってつないだ繋ぎ糸条の引張り破断強力は、連続強化繊維の引張り破断強力の50〜100%であることが好ましく、より好ましくは60〜100%、さらに好ましくは65〜100%である。エアスプライサーは空気噴射によって、糸端を開繊するとともに、糸端の単糸同士を絡ませることによって、糸端同士を繋ぐ装置である。従って、エアスプライサーによってつないだ繋ぎ糸条の引張り破断強力が前記範囲であれば、連続強化繊維の空気による開繊、混合が良好であり、損傷が少ないと判断でき、好ましい。
繋ぎ糸条は市販のエアスプライサーを用いて作製する。エアスプライサーとしては、例えば、(株)マシンテックス製ジョイントエアー110型を用いることができる。
連続強化繊維の繊度に応じて、エアスプライサーのチェンバー、チェンバーカバーを適宜選択して取り付け、好ましくは下記条件でエアスプライサー所定の手順で強化繊維を繋ぐ。
供給空気圧力 0.7MPa
空気噴射時間 調整ノブPT150の目盛4
糸はし長さ レギュレーターPT40の目盛4
得られた繋ぎ糸条及び連続強化繊維の引張り破断強力をJIS L1013に記載の方法で測定する。
連続強化繊維のエアスプライサーによってつないだ繋ぎ糸条の引張り破断強力を前記範囲とするためには、単糸径Rと密度Dの積RDを適切な範囲とするとともに、連続強化繊維の束表面に付着させる集束剤の種類、付着量を適宜選択する。集束剤は連続強化繊維が単糸にばらけることを防止し、加工工程において、連続強化繊維が損傷を受けることを防止するとともに、複合材料成型体となった後は、連続強化繊維と熱可塑性樹脂の接着性を向上させる機能を果す。本実施形態において、単糸にばらけることを防止する集束効果は混繊工程まで、連続強化繊維が損傷を受けないために必要であるが、集束効果が過大であると混繊工程で開繊、混合し難くなるため、集束剤の種類、付着量を適宜選択することが好ましい。
集束剤の種類は公知の集束剤から、連続強化繊維及び連続熱可塑性樹脂繊維の種類に応じて適宜選択すればよい。
<マイクロドロップレット試験による界面接着強度>
集束剤は連続強化繊維と熱可塑性樹脂の接着性を向上させる機能を果すため、連続強化繊維の単糸に連続熱可塑性樹脂繊維を構成する樹脂を付着させて測定したマイクロドロップレット試験による界面接着強度は、好ましくは9MPa以上、より好ましくは13MPa以上、さらに好ましくは15MPa以上である。界面接着強度は、集束剤の種類、付着量を適宜選択することにより調節できる。界面接着強度は大きいほど好ましいが、界面接着強度が大きくなりすぎると連続強化繊維の単糸が測定中に切断する等の問題が発生するので、100MPa以下とすることが好ましい。
マイクロドロップレット試験による界面接着強度は、複合材料界面特性評価装置HM410(東栄産業(株)製)を使用し、マイクロドロップレット試験により測定する。連続強化繊維より単糸を取り出し、複合材料界面特性評価装置にセッティングする。装置上で連続熱可塑性樹脂繊維の原料となる熱可塑性樹脂を溶融させたドロップを連続強化繊維単糸上に形成させ、室温で十分に冷却し、測定用の試料を得る。再度測定試料を装置にセッティングし、ドロップを装置ブレードで挟み、連続強化繊維単糸を装置上で0.06mm/分の速度で走行させ、ドロップを引き抜く際の最大引抜荷重f(N)を測定し、下記式(2)により界面接着強度τを算出する。
界面接着強度τ=f/π・R・l (2)
(f:最大引抜荷重(N)、R:連続強化繊維単糸径(m)、l:ドロップの引抜方向の粒子径(m))
<ガラス繊維の集束剤>
連続強化繊維として、ガラス繊維を選択した場合、集束剤はシランカップリング剤、潤滑剤及び結束剤からなることが好ましい。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤は、通常、ガラス繊維の表面処理剤として用いられ、界面接着強度向上に寄与する。シランカップリング剤としては、特に制限されないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及びγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類からなる群から選択される1種以上を用いることができ、中でも、アミノシラン類が好ましい。
(潤滑剤)
潤滑剤は、ガラス繊維の開繊性向上に寄与する。潤滑剤としては、目的に適した通常の液体又は固体の任意の潤滑材料が使用可能であり、特に制限されないが、例えば、カルナウバワックスやラノリンワックス等の動植物系又は鉱物系のワックス;脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、芳香族系エステル、芳香族系エーテル等の界面活性剤から選択される1種以上を用いることができる。
(結束剤)
結束剤は、ガラス繊維の集束性向上及び界面接着強度向上に寄与する。結束剤としては、目的に適したポリマー、熱可塑性樹脂が使用可能である。
ポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマー、並びにこれらの第1級、第2級及び第3級アミンとの塩等が挙げられる。また、例えば、m−キシリレンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)及びイソホロンジイソシアナート等のイソシアネートと、ポリエステル系やポリエーテル系のジオールとから合成されるポリウレタン樹脂も好適に使用される。
アクリル酸のホモポリマー及びコポリマーとしては、重量平均分子量1,000〜90,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜25,000である。
アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマーを構成する共重合性モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、水酸基及び/又はカルボキシル基を有するモノマーのうち、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びメサコン酸よりなる群から選択される1種以上が挙げられる(但し、アクリル酸のみの場合を除く)。共重合性モノマーとして、エステル系モノマーを1種以上有することが好ましい。
アクリル酸のホモポリマー及びコポリマーの第1級、第2級及び第3級アミンとの塩としては、特に制限されないが、例えば、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩やグリシン塩等が挙げられる。中和度は、他の併用薬剤(シランカップリング剤等)との混合溶液の安定性向上や、アミン臭低減の観点から、20〜90%とすることが好ましく、40〜60%とすることがより好ましい。
塩を形成するアクリル酸のポリマーの重量平均分子量は、特に制限されないが、3,000〜50,000の範囲が好ましい。ガラス繊維の集束性向上の観点から、3,000以上が好ましく、複合材料成型体とした際の特性向上の観点から50,000以下が好ましい。
結束剤として用いられる熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、熱可塑性フッ素系樹脂、及びこれらを変性させた変性熱可塑性樹脂等が挙げられる。連続熱可塑性樹脂繊維と同種の熱可塑性樹脂及び/又は変性熱可塑性樹脂が、複合材料成型体となった後ガラス繊維と熱可塑性樹脂の接着性が向上し好ましい。
さらに、一層、両繊維の接着性を向上させ、集束剤を水分散体としてガラス繊維に付着させる場合において、乳化剤成分の比率を低減、あるいは乳化剤不要とできる等の観点から、熱可塑性樹脂としては、変性熱可塑性樹脂が好ましい。ここで、変性熱可塑性樹脂とは、熱可塑性樹脂の主鎖を形成し得るモノマー成分以外に、その熱可塑性樹脂の性状を変化させる目的で、異なるモノマー成分を共重合させ、親水性、結晶性、熱力学特性等を改質したものを意味する。
変性熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、変性ポリオレフィン系樹脂、変性ポリアミド系樹脂、変性ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
変性ポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマーと不飽和カルボン酸等のオレフィン系モノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体であり、公知の方法で製造できる。オレフィン系モノマーと不飽和カルボン酸とを共重合させたランダム共重合体でもよいし、オレフィンに不飽和カルボン酸をグラフトしたグラフト共重合体でもよい。
オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等が挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
オレフィン系モノマーとオレフィン系モノマーと共重合可能なモノマーとの共重合比率としては、共重合の合計質量を100質量%として、オレフィン系モノマー60〜95質量%、オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマー5〜40質量%であることが好ましく、オレフィン系モノマー70〜85質量%、オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマー15〜30質量%であることがより好ましい。オレフィン系モノマーが60質量%以上であれば、マトリックスとの親和性が良好であり、また、オレフィン系モノマーの質量%が95重量%以下であれば、変性ポリオレフィン系樹脂の水分散性が良好で、連続強化繊維への均一付与が行いやすい。
変性ポリオレフィン系樹脂は、共重合により導入したカルボキシル基等の変性基が、塩基性化合物で中和されていてもよい。塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ類;アンモニア;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類が挙げられる。
変性ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量としては、特に制限されないが、5,000〜200,000が好ましく、50,000〜150,000がより好ましい。ガラス繊維の集束性向上の観点から5,000以上が好ましく、水分散性とする場合の乳化安定性の観点から200,000以下が好ましい。
変性ポリアミド系樹脂とは、分子鎖中にポリアルキレンオキサイド鎖や3級アミン成分等の親水基を導入した変性ポリアミド化合物であり、公知の方法で製造できる。分子鎖中にポリアルキレンオキサイド鎖を導入する場合は、例えばポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等の一部又は全部をジアミン又はジカルボン酸に変性したものを共重合して製造される。3級アミン成分を導入する場合は、例えばアミノエチルピペラジン、ビスアミノプロピルピペラジン、α−ジメチルアミノε−カプロラクタム等を共重合して製造される。
変性ポリエステル系樹脂とは、ポリカルボン酸又はその無水物とポリオールとの共重合体で、かつ末端を含む分子骨格中に親水基を有する樹脂であり、公知の方法で製造できる。親水基としては、例えば、ポリアルキレンオキサイド基、スルホン酸塩、カルボキシル基、これらの中和塩等が挙げられる。
ポリカルボン酸又はその無水物としては、芳香族ジカルボン酸、スルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、3官能以上のポリカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸等が挙げられる。
スルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸塩、5−スルホイソフタル酸塩、5−スルホオルトフタル酸塩等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸又は脂環式ジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
3官能以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
これらの中で、変性ポリエステル系樹脂の耐熱性を向上させる観点から、全ポリカルボン酸成分の40〜99モル%が芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。また、変性ポリエステル系樹脂を水分散液とする場合の乳化安定性の観点から、全ポリカルボン酸成分の1〜10モル%がスルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
ポリオールとしては、ジオール、3官能以上のポリオール等が挙げられる。ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。3官能以上のポリオールとしては、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
ポリカルボン酸又はその無水物とポリオールとの共重合比率としては、共重合成分の合計質量を100質量%として、ポリカルボン酸又はその無水物40〜60質量%、ポリオール40〜60質量%であることが好ましく、ポリカルボン酸又はその無水物45〜55質量%、ポリオール45〜55質量%がより好ましい。
変性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量としては、3,000〜100,000が好ましく、10,000〜30,000がより好ましい。ガラス繊維の集束性向上の観点から3,000以上が好ましく、水分散性とする場合の乳化安定性の観点から100,000以下が好ましい。
結束剤として用いる、前記ポリマー、熱可塑性樹脂は単独でもよいし、2種類以上を併用してもよい。結束剤の全量を100質量%として、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマー、並びにこれらの第1級、第2級及び第3級アミンとの塩より選択された1種以上のポリマーを50質量%以上、特に60質量%以上用いることが好ましい。
(組成)
ガラス繊維集束剤において、それぞれ、シランカップリング剤を0.1〜2質量%、潤滑剤を0.01〜1質量%、結束剤を1〜25質量%を含有することが好ましく、これらの成分を水で希釈し、全質量を100質重量%に調整する。
シランカップリング剤の配合量は、ガラス繊維の集束性向上及び界面接着強度向上と複合材料成型体の機械的強度向上との観点から、0.1〜2質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1質量%、さらに好ましくは0.2〜0.5質量%である。
潤滑剤の配合量は、充分な潤滑性を与えるという観点、及びエアスプライサーによる繋ぎ糸の引張り破断強力向上と混繊工程における開繊性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上であり、界面接着強度向上と複合材料成型体の機械的強度向上の観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
結束剤の配合量は、ガラス繊維の集束性制御及び界面接着強度向上と複合材料成型体の機械的強度向上との観点から、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。
(使用方法)
ガラス繊維集束剤は、使用態様に応じて、水溶液、コロイダルディスパージョンの形態、乳化剤を用いたエマルジョンの形態等、いずれの形態に調整してもよいが、集束剤の分散安定性向上、耐熱性向上の観点から、水溶液が好ましい。
本実施形態に用いるガラス繊維は、上述した集束剤を、公知のガラス繊維の製造工程において、ローラー型アプリケーター等の公知の方法を用いて、ガラス繊維に付与して製造したガラス繊維を乾燥することによって連続的に得られる。集束剤はガラス繊維100質量%に対し、シランカップリング剤、潤滑剤及び結束剤の合計質量として、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜2質量%、さらに好ましくは0.2〜1質重量%付与する。ガラス繊維の集束性制御と界面接着強度向上の観点から、集束剤の付与量が、ガラス繊維100質量%に対し、シランカップリング剤、潤滑剤及び結束剤の合計質量として0.1質量%以上であることが好ましく、エアスプライサーによる繋ぎ糸の引張り破断強力向上と混繊工程における開繊性向上の観点から3質量%以下であることが好ましい。
<炭素繊維の集束剤>
連続強化繊維として、炭素繊維を選択した場合、集束剤は潤滑剤、結束剤からなることが好ましい。
(潤滑剤)
潤滑剤は、炭素繊維集束剤の調整及び損傷防止性向上、開繊性向上に寄与する。潤滑剤としては、目的に適した通常の液体又は固体の任意の潤滑材料が使用可能であり、特に制限されないが、例えば、カルナウバワックスやラノリンワックス等の動植物系又は鉱物系のワックス;脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、芳香族系エステル、芳香族系エーテル等の界面活性剤から選択される1種以上を用いることができる。
(結束剤)
結束剤は、炭素繊維の集束性向上及び界面接着強度向上に寄与する。結束剤としては、目的に適したポリマー、熱可塑性樹脂が使用可能である。
ポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;各種フェノール類とホルマリンを反応させて得られるフェノール樹脂;尿素とホルマリンを反応させて得られるユリア樹脂;メラミンとホルマリンを反応させて得られるメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。また、例えば、m−キシリレンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)及びイソホロンジイソシアナート等のイソシアネートとポリエステル系やポリエーテル系のジオールとから合成されるポリウレタン樹脂も好適に使用される。
結束剤として用いられる熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、熱可塑性フッ素系樹脂、及びこれらを変性させた変性熱可塑性樹脂等が挙げられる。連続熱可塑性樹脂繊維と同種の熱可塑性樹脂及び/又は変性熱可塑性樹脂が、複合材料成型体となった後炭素繊維と熱可塑性樹脂の接着性が向上し好ましい。
さらに、一層、両繊維の接着性を向上させ、集束剤を水分散体として炭素繊維に付着させる場合において、乳化剤成分の比率を低減、あるいは乳化剤不要とできる等の観点から、熱可塑性樹脂としては変性熱可塑性樹脂が好ましい。ここで、変性熱可塑性樹脂とは、熱可塑性樹脂の主鎖を形成し得るモノマー成分以外に、その熱可塑性樹脂の性状を変化させる目的で、異なるモノマー成分を共重合させ、親水性、結晶性、熱力学特性等を改質したものを意味する。
変性熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、変性ポリオレフィン系樹脂、変性ポリアミド系樹脂、変性ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
変性ポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマーと、不飽和カルボン酸等のオレフィン系モノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体であり、公知の方法で製造できる。オレフィン系モノマーと不飽和カルボン酸とを共重合させたランダム共重合体でもよいし、オレフィンに不飽和カルボン酸をグラフトしたグラフト共重合体でもよい。
オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等が挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
オレフィン系モノマーとオレフィン系モノマーと共重合可能なモノマーとの共重合比率としては、共重合の合計質量を100質量%として、オレフィン系モノマー60〜95質量%、オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマー5〜40質量%であることが好ましく、オレフィン系モノマー70〜85質量%、オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマー15〜30質量%であることがより好ましい。オレフィン系モノマーのが60質量%以上であれば、マトリックスとの親和性が良好であり、また、オレフィン系モノマーの質量%が95重量%以下であれば、変性ポリオレフィン系樹脂の水分散性が良好で、連続強化繊維への均一付与が行いやすい。
変性ポリオレフィン系樹脂は、共重合により導入したカルボキシル基等の変性基が、塩基性化合物で中和されていてもよい。塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ類;アンモニア;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類が挙げられる。
変性ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量としては、特に制限されないが、5,000〜200,000が好ましく、50,000〜150,000がより好ましい。炭素繊維の集束性向上の観点から5,000以上が好ましく、水分散性とする場合の乳化安定性の観点から200,000以下が好ましい。
変性ポリアミド系樹脂とは、分子鎖中にポリアルキレンオキサイド鎖や3級アミン成分等の親水基を導入した変性ポリアミド化合物であり、公知の方法で製造できる。分子鎖中にポリアルキレンオキサイド鎖を導入する場合は、例えばポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等の一部又は全部をジアミン又はジカルボン酸に変性したものを共重合して製造される。3級アミン成分を導入する場合は、例えばアミノエチルピペラジン、ビスアミノプロピルピペラジン、α−ジメチルアミノε−カプロラクタム等を共重合して製造される。
変性ポリエステル系樹脂とは、ポリカルボン酸又はその無水物とポリオールとの共重合体で、かつ末端を含む分子骨格中に親水基を有する樹脂であり、公知の方法で製造できる。親水基としては、例えば、ポリアルキレンオキサイド基、スルホン酸塩、カルボキシル基、これらの中和塩等が挙げられる。
ポリカルボン酸又はその無水物としては、芳香族ジカルボン酸、スルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、3官能以上のポリカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸等が挙げられる。
スルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸塩、5−スルホイソフタル酸塩、5−スルホオルトフタル酸塩等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸又は脂環式ジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
3官能以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
これらの中で、変性ポリエステル系樹脂の耐熱性を向上させる観点から、全ポリカルボン酸成分の40〜99モル%が芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。また、変性ポリエステル系樹脂を水分散液とする場合の乳化安定性の観点から、全ポリカルボン酸成分の1〜10モル%がスルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
ポリオールとしては、ジオール、3官能以上のポリオール等が挙げられる。ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。3官能以上のポリオールとしては、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
ポリカルボン酸又はその無水物とポリオールとの共重合比率としては、共重合成分の合計質量を100質量%として、ポリカルボン酸又はその無水物40〜60質量%、ポリオール40〜60質量%であることが好ましく、ポリカルボン酸又はその無水物45〜55質量%、ポリオール45〜55質量%がより好ましい。
変性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量としては、3,000〜100,000が好ましく、10,000〜30,000がより好ましい。炭素繊維の集束性向上の観点から3,000以上が好ましく、水分散性とする場合の乳化安定性の観点から100,000以下が好ましい。
結束剤として用いる、前記ポリマー、熱可塑性樹脂は単独でもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(組成)
炭素繊維集束剤において、それぞれ固形分として、潤滑剤を0.01〜1質量%、結束剤を1〜25質量%含有することが好ましく、これらの成分を水で希釈し、全質量を100質量%に調整する。
潤滑剤の配合量は、充分な潤滑性を与えるという観点、及びエアスプライサーによる繋ぎ糸の引張り破断強力向上と混繊工程における開繊性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上であり、界面接着強度向上と複合材料成型体の機械的強度向上の観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
結束剤の配合量は、炭素繊維の集束性制御、界面接着強度向上及び複合材料成型体の機械的強度向上の観点から、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。
(使用方法)
炭素繊維集束剤は、使用態様に応じて、水溶液、コロイダルディスパージョンの形態、乳化剤を用いたエマルジョンの形態等、いずれの形態に調整してもよいが、集束剤の分散安定性向上、耐熱性向上の観点から、水溶液が好ましい。
本実施形態に用いる炭素繊維は、上述した集束剤を、公知の炭素繊維の製造工程において、ローラー型アプリケーター等の公知の方法を用いて、炭素繊維に付与して製造した炭素繊維を乾燥することによって連続的に得られる。集束剤は炭素繊維100質量%に対し、潤滑剤及び結束剤の合計質量として、好ましくは0.1〜8質量%、より好ましくは0.2〜5質量%、さらに好ましくは0.2〜3質量%付与する。炭素繊維の集束性制御と界面接着強度向上の観点から、集束剤の付与量が、炭素繊維100質量%に対し、潤滑剤及び結束剤の合計質量として、0.1質量%以上であることが好ましく、エアスプライサーによる繋ぎ糸の引張り破断強力向上と混繊工程における開繊性向上の観点から8質量%以下であることが好ましい。
<その他の連続強化繊維の集束剤>
連続強化繊維として、ガラス繊維、炭素繊維以外の繊維を用いる場合は、連続強化繊維の特性に応じ、ガラス繊維、炭素繊維に用いる集束剤に準じた集束剤の種類、付与量を適宜選択すればよく、炭素繊維に用いる集束剤に準じた集束剤の種類、付与量とすることがより好ましい。
〔連続熱可塑性樹脂繊維〕
<種類>
本実施形態に用いられる連続熱可塑性樹脂繊維は通常、複合材料成型体用混繊糸に用いるものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエーテルケトン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルスルフォン;ポリフェニレンサルファイド;熱可塑性ポリエーテルイミド;テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等の熱可塑性フッ素系樹脂、及びこれらを変性させた変性熱可塑性樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られた連続繊維であることが好ましい。これらの熱可塑性樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、及び熱可塑性フッ素系樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂が、機械的物性、汎用性の観点からより好ましく、熱的物性の観点を加えるとポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂がさらに好ましい。また、繰り返し荷重負荷に対する耐久性の観点からポリアミド系樹脂がよりさらに好ましく、ポリアミド66を好適に用いることができる。
<ポリエステル系樹脂>
ポリエステル系樹脂とは、主鎖に−CO−O−(エステル)結合を有する高分子化合物を意味する。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ポリエステル系樹脂としては、ホモポリエステルであってもよく、また、共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合、ホモポリエステルに適宜第3成分を共重合させたものが好ましく、第3成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分等が挙げられる。また、バイオマス資源由来の原料を用いたポリエステル系樹脂を用いることもでき、例えば、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネートアジペート等の脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリブチレンアジペートテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
<ポリアミド系樹脂>
ポリアミド系樹脂とは、主鎖に−CO−NH−(アミド)結合を有する高分子化合物を意味する。例えば、ラクタムの開環重合で得られるポリアミド、ω−アミノカルボン酸の自己縮合で得られるポリアミド、ジアミン及びジカルボン酸を縮合することで得られるポリアミド、並びにこれらの共重合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ポリアミドとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
ラクタムとしては、特に制限されないが、例えば、ピロリドン、カプロラクタム、ウンデカンラクタムやドデカラクタムが挙げられる。
ω−アミノカルボン酸としては、例えば、ラクタムの水による開環化合物であるω−アミノ脂肪酸が挙げられる。ラクタム又はω−アミノカルボン酸はそれぞれ2種以上の単量体を併用して縮合させてもよい。
ジアミン(単量体)としては、例えば、ヘキサメチレンジアミンやペンタメチレンジアミン等の直鎖状の脂肪族ジアミン;2−メチルペンタンジアミンや2−エチルヘキサメチレンジアミン等の分岐型の脂肪族ジアミン;p−フェニレンジアミンやm−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、シクロペンタンジアミンやシクロオクタンジアミン等の脂環式ジアミンが挙げられる。
ジカルボン酸(単量体)としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸やセバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸やイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
単量体としてのジアミン及びジカルボン酸はそれぞれ1種単独又は2種以上の併用により縮合させてもよい。
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド4(ポリα−ピロリドン)、ポリアミド6(ポリカプロアミド)、ポリアミド11(ポリウンデカンアミド)、ポリアミド12(ポリドデカンアミド)、ポリアミド46(ポリテトラメチレンアジパミド)、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド9T(ポリノナンメチレンテレフタルアミド)、及びポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)、並びにこれらを構成成分として含む共重合ポリアミドが挙げられる。
共重合ポリアミドとしては、例えば、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンテレフタルアミドの共重合物、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンイソフタルアミドの共重合物、並びにヘキサメチレンテレフタルアミド及び2−メチルペンタンジアミンテレフタルアミドの共重合物が挙げられる。
<形態>
本実施形態に用いられる連続熱可塑性繊維は実質的に無撚りであり、かつ、実質的に無交絡であることが、仮撚工程、混繊工程における開繊性向上の観点から好ましい。実質的に無撚りとは、解舒等に伴う意図しない撚り以外の撚りが入っていない状態を意味し、撚り数が10回/m以下のことである。実質的に無交絡とは、流体交絡等通常の交絡手段による意図的な交絡が取扱い性を維持する最低限の回数である状態を意味し、交絡数が5回/m以下のことである。
連続熱可塑性樹脂繊維の単糸数は、混繊工程における開繊性、及び取扱い性の観点から30〜20,000本であることが好ましい。
〔連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の積RDの比〕
本実施形態において、連続強化繊維の単糸径R(μm)と密度D(g/cm3)の積RD(連続強化繊維)と連続熱可塑性樹脂繊維の単糸径R(μm)と密度D(g/cm3)の積RD(連続熱可塑性樹脂繊維)の比、RD(連続強化繊維)/RD(連続熱可塑性樹脂繊維)は、好ましくは0.3〜5、より好ましくは0.5〜4、さらに好ましくは0.6〜2である。
混繊工程において、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維はお互いに開繊、混合することが好ましく、そのためには、混繊時に作用する外力により、両繊維に発生する加速度が略同等であることが好ましいと推量される。両繊維の積RDの比が前記範囲であれば、各繊維に発生する加速度が略同等になると推察され、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維がお互いに混合し易くなり好ましい。
〔連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の単糸径の比〕
本実施形態において、連続強化繊維の単糸径と連続熱可塑性樹脂繊維の単糸径の比は、好ましくは0.3〜2、より好ましくは0.5〜1.5、さらに好ましくは0.5〜1である。
混繊工程において、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維はお互いに開繊、混合することが好ましく、そのためには、混繊時に作用する外力も略同等であることが好ましいと推量される。単糸径の比が前記範囲であれば、各繊維に作用する外力が略同等になると推察され、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維がお互いに混合し易くなり、好ましい。さらに、単糸径の比が前記範囲であれば、単糸径が略同等であるために、複合糸条内での両繊維の幾何学的な分布状態が均一になり易く、熱可塑性樹脂繊維を加圧、加熱により溶融させた場合、強化繊維内に熱可塑性樹脂が含浸し易くなり、成形時間を短くでき、好ましい。
本実施形態において、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の総繊度は、好ましくは100〜20,000dtex、より好ましくは200〜10,000dtex、さらに好ましくは500〜5,000dtex、よりさらに好ましくは500〜3,000dtexである。
混繊工程における、両繊維の開繊性、均一混合性の観点、及びプリフォームを得る際の取扱い性の観点から前記範囲が好ましい。
連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維のそれぞれの含有率は、好ましくは30〜85質量%/70〜15質量%、より好ましくは40〜70質重量%/60〜30質量%である。
複合糸条に占める連続強化繊維の含有率が30質量%以上であれば、複合材料成型体の機械的強度が高く、充分な補強効果が発揮する。連続強化繊維の含有率が85質量%以下であれば、マトリックスが十分なので、複合材料成型体に空隙部が生じることを防止できる。
〔複合糸条の製造方法〕
本実施形態の複合糸条を製造するために、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維とを混繊する方法は公知の方法を利用できる。例えば、静電気力や流体噴霧による圧力、ローラー等に押し付ける圧力等による外力によって開繊した後、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維を開繊したままの状態で合糸・引き揃える開繊合糸法、流体交絡(インターレース)法が挙げられる。連続強化繊維の損傷が抑制でき、開繊性に優れ、均一に混合可能な流体交絡法が好ましく、流体交絡(インターレース)法としては、空気、窒素ガス及び水蒸気等の流体による渦流乱流帯域を糸軸とほぼ平行に2個又はそれ以上作り、該帯域に繊維を導いてループや捲縮を生じない程度の張力下で非嵩高性の糸条とする方法や、連続強化繊維のみ開繊した後、又は連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維共に開繊した後に流体交絡させる方法(開繊後流体交絡法)等が挙げられる。特に、連続熱可塑性樹脂繊維に単独でヒートセット工程を含む仮撚加工を施した後、同一の装置で連続して、流体交絡法で混繊することが好ましい。
単独でヒートセット工程及び/又は仮撚工程を施した連続熱可塑性樹脂繊維を同一の装置で連続して、開繊又は開繊せずに、開繊した又は開繊していない連続強化繊維と合糸・引き揃えて流体交絡ノズルに供給することは、連続強化繊維のみに集中的に流体による渦流乱流が作用することなく、連続強化繊維の損傷が抑制でき、好ましい。さらに、連続強化繊維単独又は上記引き揃えた繊維を、好ましくは引き揃えた繊維を流体交絡ノズルの糸条導入穴面に実質的に垂直に供給することは、連続強化繊維に屈曲による伸長力及び圧縮力が過剰に作用することなく、連続強化繊維の損傷が抑制でき、好ましい。特に、脆性材料であるガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維を連続強化繊維として用いる場合に、引き揃えた繊維を流体交絡ノズルの糸条導入穴面に実質的に垂直に供給することは損傷抑制効果が顕著で好ましい。また、圧縮力によって座屈破壊が生じ易いアラミド繊維を連続強化繊維として用いる場合に、引き揃えた繊維を流体交絡ノズルの糸条導入穴面に実質的に垂直に供給することは座屈破壊を抑制でき、好ましい。ここで、流体交絡ノズルの糸条導入穴面に実質的に垂直とは、目視によって糸道が垂直であると確認できる状態を意味する。
本実施形態の複合糸条の具体的な製造方法は、特に制限されないが、例えば、図1に概略側面図として例示する流体交絡装置を用いた流体交絡法が例示される。
図1において、11は連続強化繊維12aの回巻体、21は連続熱可塑性樹脂繊維22aの回巻体、13は連続強化繊維12a及び連続熱可塑性樹脂繊維22aを合糸・引き揃えながら、引き出すための駆動ロール、14は圧縮空気を使用した流体交絡ノズル、16は得られた複合糸条15bを巻き取るための巻き取り機、17はヒートセット用も兼ねた仮撚ヒーター、18はニップベルトタイプの仮撚ユニットである。
本装置によれば、連続熱可塑性樹脂繊維の回巻体21を回転させつつ、連続熱可塑性樹脂繊維22aを引き出し、ヒートセット用も兼ねた仮撚ヒーター17でTg以上に加熱した後、ニップベルトタイプの仮撚ユニット18で仮撚加工を施す。一方、連続強化繊維の回巻体11を回転させつつ、連続強化繊維12aを引き出し、仮撚加工を施した連続熱可塑性樹脂繊維と、駆動ロール13の直前で合糸・引き揃えた後、駆動ロール13を経て、引き揃えた糸条15aを流体交絡ノズル14に供給する。連続強化繊維の損傷を抑制する観点から、図2aに示すとおり、引き揃えた糸条15aを流体交絡ノズルの糸条導入穴面に実質的に垂直(90度)となるように供給することが好ましい。なお、連続強化繊維12a、連続熱可塑性樹脂繊維22aを、それぞれの回巻体11、21を回転させながら引き出すのは、連続強化繊維12a、連続熱可塑性樹脂繊維22aに撚りを与えないようにするためである。
流体交絡ノズル14は公知のものを使用することができ、例えば、京セラ(株)製KC−AJI−L、阿波スピンドル(株)製ASM−4522等が挙げられる。流体交絡ノズル14に、例えば、圧力1〜3kg/cm2の圧縮空気を供給し、ノズル内で2個又はそれ以上の渦流乱流帯域を作る。該帯域に引き揃えた糸条15aを導き、渦流乱流の作用によって、連続強化繊維12a、連続熱可塑性樹脂繊維22aを開繊、混合することで、ループや捲縮を生じない非嵩高性の複合糸条15bとする。得られた複合糸条15bを巻き取り機16により、矢印イの方向に巻き取る。巻き取り速度で定義される加工速度は、連続強化繊維12aへの損傷抑制と生産性を考慮して適宜決定すればよいが、例えば、10〜500m/分であることが好ましい。
流体交絡ノズル14に供給する流体は安全な気体であれば、特に制限されないが、空気、窒素、水蒸気、ヘリウム、アルゴン等が挙げられ、安価、簡便に使用できる観点から空気が好ましい。流体の圧力は1〜3kg/cm2が連続強化繊維12aに損傷を与えず、かつ、連続強化繊維12aと連続熱可塑性樹脂繊維22aが連続して均一に分散、混合する観点から好ましい。
〔複合糸条〕
本実施形態の複合糸条は連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が連続して均一に混合され、連続強化繊維の間隙に連続熱可塑性樹脂繊維が連続して略均一に分散した状態であることが好ましい。ここで、連続して略均一に分散しているとは、複合糸条の任意の横断面において、連続熱可塑性樹脂繊維の単糸と接触している連続強化繊維の単糸数をA(本)とし、また連続強化繊維の全単糸数をB(本)とし、(A/B)×100(%)で算出した連続強化繊維の分散率を、好ましくは30〜75%、より好ましくは40〜75%とすることである。
連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が連続して均一に分散、混合し、該複合糸条から短時間成形で得られる複合材料成型体が優れた力学特性を発揮する観点から、分散率は30%以上が好ましい。混繊時に連続強化繊維の損傷を抑制し、毛羽発生を防止する観点から分散率は75%以下が好ましい。
本実施形態の複合糸条は加熱しても連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が分離しないことが好ましい。ここで、加熱とは、連続熱可塑性樹脂繊維の示差走査熱量測定(DSC)によるガラス転移温度(Tg)を超える温度に30秒以上、張力がかからない状態で曝すことである。例えば、染色工程における湿熱加熱、乾燥工程における乾式加熱、成形前の予備加熱工程における赤外線ヒーターによる加熱等が挙げられる。連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が分離しないとは、染色や圧縮成形等するために加熱しても、分散率が30〜75%を維持する場合を意味する。また、分散率が加熱の前後で実質的に変化しないことも、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が分離しない上で好適である。加熱しても連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が分離しないことが、加熱後も連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が連続して均一に分散、混合し、該複合糸条から短時間成形で得られる複合材料成型体が優れた力学特性を発揮することから、好ましい。
本実施形態の複合糸条は、混繊時に連続強化繊維が損傷を受けていないことが好ましい。ここで、連続強化繊維が損傷を受けていないとは、複合糸条の引張り破断強力を連続強化繊維の引張り破断強力で除した引張り破断強力維持率が60%以上とすることである。連続強化繊維が損傷を受けておらず、毛羽発生が防止されているために、複合糸条から編織、組紐等によって、プリフォームを得るための取扱い性及び短時間成形で得られる複合材料成型体が優れた力学物性を発揮する観点から、引張り破断強力維持率は60%以上が好ましい。
以下、本発明を実施例と比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施形態に用いられる評価方法及び測定方法は以下のとおりである。
(複合糸条中から取り出した連続強化繊維及び連続熱可塑性樹脂繊維の沸水収縮率)
複合糸条より連続強化繊維及び連続熱可塑性樹脂繊維をそれぞれ約600mm取り出し、沸水収縮率をJIS L1013 熱水寸法変化率B法に準拠して常圧下で測定して、n=10の平均値によって算出した。複合糸条中から取り出した連続熱可塑性樹脂繊維の沸水収縮率から複合糸条中から取り出した連続強化繊維の沸水収縮率を差し引きいて、沸水収縮率の差を算出した。連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の分離が困難な場合は、複合糸条中の各々の繊維から単糸を取り出して、同様の手順で沸水収縮率を算出した。
(複合糸条中から取り出した連続強化繊維及び連続熱可塑性樹脂繊維の捲縮率)
複合糸条より連続強化繊維及び連続熱可塑性樹脂繊維をそれぞれ約300mm取り出し、捲縮率をJIS L1013 伸縮性A法に準拠して測定して、n=20の平均値によって算出した。複合糸条中から取り出した連続熱可塑性樹脂繊維の捲縮率から複合糸条中から取り出した連続強化繊維の捲縮率を差し引いて、捲縮率の差を算出した。連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の分離が困難な場合は、複合糸条中の各々の繊維から単糸を取り出して、同様の手順で捲縮率を算出した。
(連続強化繊維及び連続熱可塑性樹脂繊維の単糸径)
連続強化繊維及び連続熱可塑性樹脂繊維の単糸径R(μm)は、カタログ値の密度D(g/cm3)、繊度T(dtex)、単糸数F(本)を用い、下記式(1)により算出した。
R=20×(T/π・F・D)0.5 (1)
なお、一般に、連続強化繊維には、集束剤が付着されており、カタログ値としての密度Dは、カタログにおいて集束剤を含まない密度である旨等の特段の記載がされていない限り、集束剤が付着された状態の連続強化繊維としての密度を意味する。すなわち、カタログ値をそのまま密度Dとして用い、仮に、集束剤を含まない状態の連続強化繊維の密度として記載されている場合には、その値を密度Dとし、集束剤を含む状態の連続強化繊維の密度として記載されている場合には、その値を密度Dとする。
また、本実施例において、連続強化繊維に関する評価方法及び測定方法については、集束剤が付着された状態の値であってよい。
(連続強化繊維をエアスプライサーによってつないだ繋ぎ糸条及び連続強化繊維の引張り破断強力)
(株)マシンテックス製ジョイントエアー110型を用い、取扱説明書に準じて、連続強化繊維の繊度に応じたエアスプライサーのチェンバー、チェンバーカバーを選択して取り付け、下記条件でエアスプライサー所定の手順で連続強化繊維をエアスプライサーによってつないだ繋ぎ糸条を得た。
供給空気圧力 0.7MPa
空気噴射時間 調整ノブPT150の目盛4
糸はし長さ レギュレーターPT40の目盛4
得られた繋ぎ糸条及び連続強化繊維の引張り破断強力をJIS L1013に準拠して(株)オリエンテック製テンシロンにより、つかみ間隔20cm、引張り速度20cm/分で測定し、両測定値の比を算出した。
(マイクロドロップレット試験による界面接着強度)
界面接着強度は複合材料界面特性評価装置HM410(東栄産業(株)製)を使用し、マイクロドロップレット試験により測定した。
連続強化繊維より単糸を取り出し、複合材料界面特性評価装置にセッティングした。装置上で連続熱可塑性樹脂繊維の原料となる熱可塑性樹脂を溶融させたドロップを連続強化繊維単糸上に形成させ、室温で十分に冷却し、測定用の試料を得た。測定試料を装置に再度セッティングし、ドロップを装置ブレードで挟み、連続強化繊維単糸を装置上で0.06mm/分の速度で走行させ、ドロップを引き抜く際の最大引抜荷重f(N)を測定し、下記式(2)により界面接着強度τを算出した。
界面接着強度τ=f/π・R・l (2)
(f:最大引抜荷重(N)、R:連続強化繊維単糸径(m)、l:ドロップの引抜方向の粒子径(m))
(連続強化繊維の分散率)
複合糸条の長手方向の20mごとに長さ20cmを3点サンプリングし、採取した各試料ごとに横断面(糸条軸に対して垂直面)を鋭利な刃物で切断し、該切断面の全域を写真撮影した。該写真から連続熱可塑性樹脂繊維の単糸と接触若しくは連続熱可塑性樹脂繊維の単糸をその単糸径の10%だけ位置をずらせば接触するであろう連続強化繊維の単糸数を計測して、これをA(本)とした。該写真に撮影された複合糸条の横断面全域に存在する連続強化繊維の単糸数を計測し、これをB(本)とした。計測したA及びBから式(3)により、連続強化繊維の分散率%の平均値(n=3)を算出した。
分散率=(A/B)×100% (3)
(複合糸条の引張り破断強力維持率)
複合糸条及び連続強化繊維の引張り破断強力をJIS L1013に準拠して(株)オリエンテック製テンシロンにより、つかみ間隔20cm、引張り速度20cm/分、n=10の測定を行い、測定値から算術平均値を求め、両算術平均値の比を算出し、複合糸条の引張り破断強力維持率とした。
(複合糸条の染色後の分散率)
複合糸条100mを周長1mの綛巻にした測定サンプルを加熱加圧が可能な密閉容器に浴比1:100となるようにイオン交換水とともに封入する。この密閉容器を110℃のオイルバスに30分浸漬して加熱後、室温まで冷却し、密閉容器から複合糸条を取り出し、無荷重で風乾する。風乾後、分散率を算出した。
(複合材料成型体の引張り特性)
長さ30cm、幅5cmの金枠に複合糸条を2.5cm幅に一方向に揃えて、ハンドにより、複合材料成型体にした際に厚さ1mmとなるように巻いた後、真空乾燥機を用い、100℃24時間、真空乾燥した。乾燥後、熱可塑性樹脂繊維の融点+20℃にあらかじめ加熱した平板成形用の金型に、金枠とともに複合糸条を移した。金型を熱可塑性樹脂繊維の融点+20℃に加熱した熱盤を備えた卓上型プレスに移し、0.5MPa、5分間、加圧した後、25℃に水冷した冷却盤を備えた卓上型プレスに移し、0.5MPaで加圧し、熱可塑性樹脂繊維のガラス転移点以下に金型温度が達するまで冷却した。冷却後、除圧し、金型から複合材料成型体を取り出した。得られた複合材料成型体中の強化繊維の軸方向を試験片の引張り方向としてJIS K7054に準拠して引張り特性(引張り破断強力、引張り初期弾性率)を測定した。
〔実施例1〜3〕
下記集束剤Aを1.0質量%付着させた繊度660dtexで単糸数400本のガラス繊維(日本電気硝子(株)製)を連続強化繊維として用いた。
集束剤Aの組成:
・シランカップリング剤:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.6質量%〔商品名:KBE−903(信越化学工業(株)製)〕
・潤滑剤:ワックス0.1質量%〔商品名:カルナウバワックス((株)加藤洋行製)〕
・結束剤:アクリル酸/マレイン酸共重合体塩5質量%〔商品名:アクアリックTL(日本触媒(株)製)〕
ガラス繊維の繋ぎ糸条の引張り破断強力及び界面接着強度を測定した結果を表1に示す。
交絡処理を施していない沸水収縮率7%のポリアミド66繊維〔商品名:レオナ(登録商標)470/144BAU(旭化成せんい(株)製)、繊度470dtex、単糸数144本〕を連続熱可塑性樹脂繊維として用いた。該繊維に(株)石川製作所製IVF338を用いて、下記条件でヒートセット及び仮撚加工を施した。
仮撚数 1050T/m(実施例1,2) 750T/m(実施例3)
ヒーター温度 240℃(実施例1) 200℃(実施例2、3)
糸速度 30m/min(実施例1〜3)
両繊維を合糸・引き揃えた後、図2aに示すように流体交絡ノズルに実質的に垂直に供給し、下記条件で流体交絡させて、複合糸条を得た。
・流体交絡ノズル 京セラ(株)製KC−AJI−L(1.5mm径、推進型)
・空気圧 2kg/cm2
・加工速度 30m/min
得られた複合糸条の分散率及び引張り破断強力、抜き出した連続熱可塑性樹脂繊維の沸水収縮率、捲縮率を測定した結果を表1に示した。尚、ガラス繊維の沸水収縮率、捲縮率はともに0%であった。さらに、該複合糸条を用いた複合材料成型体を成形し、引張り特性を測定した結果も表1に示した。尚、成形に際し、加熱温度は280℃、冷却後取り出し時の金型温度は50℃とした。
〔比較例1〕
ガラス繊維(日本電気硝子(株)製)とポリアミド66繊維(旭化成せんい(株)製))を合糸・引き揃えたのみで、特段の混繊を施さないこと以外は実施例1と同様にして複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表1に示した。
〔比較例2〜4〕
沸水収縮率7%(比較例2)、11%(比較例3)のポリアミド66繊維(旭化成せんい(株)製))をそのまま、沸水収縮率7%のポリアミド66繊維(旭化成せんい(株)製))をヒーター温度40℃で仮撚加工して(比較例4)用いた以外は実施例1と同様にして複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果を表1に示した。
〔実施例4〕
ガラス繊維(日本電気硝子(株)製)の単糸数を100本にした以外は実施例1と同様にして、複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表1に示した。
〔実施例5〕
ガラス繊維(日本電気硝子(株)製)の単糸数を60本にした以外は実施例1と同様にして、複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表1に示した。
〔実施例6〕
上記集束剤Aを1.0質量%付着させた繊度470dtexで単糸数72本のステンレス繊維〔商品名:ナスロン(登録商標)(日本精線(株)製)〕を連続強化繊維として用いた以外は実施例1と同様にして複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表1に示した。尚、ステンレス繊維の沸水収縮率、捲縮率はともに0%であった。
〔実施例7〕
ステンレス繊維(日本精線(株)製)の単糸数を36本にした以外は実施例6と同様にして複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表1に示した。
上記表1より、実施例1と比較例1とを対比すると、単なる合糸・引き揃えのみでなく、流体交絡法等による混繊を施した場合、複合糸条は分散率が高く、連続して均一に混合されており、引張り破断強力維持率も同等以上であり、染色時の加熱によっても分離することを抑制しており、従って、複合材料成型体とした場合の力学物性に優れることを確認した。
また、実施例1〜3と比較例2〜4とを対比すると、ヒートセット及び仮撚加工を施すことにより、沸水収縮率及び捲縮率を所定の範囲とすることで、染色時の加熱によっても分離することを抑制していることを確認した。
〔実施例8〕
集束剤Aの付着量を2.0質量%にしたガラス繊維(日本電気硝子(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表2に示した。
〔実施例9〕
集束剤Aの付着量を4.0質量%にしたガラス繊維(日本電気硝子(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表2に示した。
〔実施例10〕
結束剤を固形分換算で0.5質量%としたガラス繊維(日本電気硝子(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表2に示した。
〔実施例11〕
集束剤Aの付着量を4.0質量%としたガラス繊維(日本電気硝子(株)製)を用いた以外は実施例10と同様にして、複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表2に示した。
〔実施例12〕
ガラス繊維(日本電気硝子(株)製)に50回/mの撚りを施した以外は実施例1と同様にして、複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表2に示した。
〔実施例13〕
連続熱可塑性樹脂繊維として、交絡処理を施していない沸水収縮率7%のポリアミド66繊維〔商品名:レオナ(登録商標)470/72BAU(旭化成せんい(株)製)、繊度470dtex、単糸数72本〕を用いた以外は実施例1と同様にして複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表2に示した。
〔実施例14〕
連続熱可塑性樹脂繊維として、実施例1と同様のポリアミド66繊維(旭化成せんい(株)製)を3本引き揃えて用いた以外は実施例1と同様にして複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表2に示した。
〔実施例15〕
連続熱可塑性樹脂繊維として用いられたポリアミド66繊維(旭化成せんい(株)製)には流体交絡法によって15個/mの交絡が施されていること以外は実施例1と同様にして複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表2に示した。
〔実施例16〕
連続熱可塑性樹脂繊維として、沸水収縮率6%のポリエチレンテレフタレート繊維〔Hyousung社製Type556、繊度470dtex、単糸数96本〕を用いた以外は実施例1と同様にして複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表2に示した。
〔実施例17〕
連続強化繊維、連続熱可塑性樹脂繊維をそれぞれ静電気力によって開繊した後、合糸・引き揃え、その後、再度静電気力によって開繊を施す開繊合糸法で混繊した(流体交絡は施さない)以外は実施例1と同様にして複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表2に示した。
〔実施例18〕
ガラス繊維(日本電気硝子(株)製)の繊度及び単糸数を11,500dtex及び2,000本とし、連続続熱可塑性樹脂繊維としてポリアミド66繊維(旭化成せんい(株)製)を10本引き揃えて用いた以外は実施例17と同様にして複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表2に示した。
〔実施例19〕
図2bに示すように、流体交絡ノズルへ引き揃え糸条を実質的に45度で供給する以外は実施例1と同様にして複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果等を表2に示した。
〔実施例20〕
連続強化繊維をアラミド繊維〔商品名:ケブラー(登録商標)29(東レ・デュポン(株)製)、繊度1670dtex、単糸数1000本〕を用いた以外は実施例1と同様にして複合糸条及び複合材料成型体を得た。
評価結果を表2に示した。
以上のことから、本実施形態の複合糸条は分散率、引張り破断強力維持率が高く、それ故に、力学特性に優れた複合材料成型体を製造可能であり、自動車等の構造部品等に十分適用できる。
本発明の複合糸条は、各種機械や自動車等の構造部品、圧力容器及び管状の構造物等、高レベルでの機械的物性が要求される複合材料成型体の材料として有用である。
11 連続強化繊維の回巻体
12a 連続強化繊維
21 連続熱可塑性樹脂繊維の回巻体
22a 連続熱可塑性樹脂繊維
13 駆動ロール
14 流体交絡ノズル
15a 引き揃え糸条
15b 複合糸条
16 巻き取りロ
17 仮撚ヒーター
18 仮撚ユニット

Claims (13)

  1. 連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が混繊され、
    前記複合糸条中から取り出した連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の沸水収縮率の差が0〜10%であり、かつ、前記複合糸条中から取り出した連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の捲縮率の差が0.5〜20%である複合糸条の製造方法であって、
    連続熱可塑性樹脂繊維が単独で、ヒートセット工程を含む仮撚り加工された後、同一の装置で連続して、仮撚り加工された連続熱可塑性樹脂繊維と連続強化繊維が引き揃えられて流体交絡ノズルに供給され連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維を混繊する、複合糸条の製造方法
  2. 複合糸条中から取り出した連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の沸水収縮率の差が0〜2.5%である、請求項1に記載の複合糸条の製造方法
  3. 複合糸条中から取り出した連続熱可塑性樹脂繊維の沸水収縮率が0〜10%であり、かつ、複合糸条中から取り出した連続熱可塑性樹脂繊維の捲縮率が0.5〜20%である、請求項1又は2に記載の複合糸条の製造方法
  4. 単糸径R(μm)と密度D(g/cm3)とした場合に、連続強化繊維の積RDが5〜100μm・g/cm3である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合糸条の製造方法
  5. 引き揃えられる前の連続強化繊維をエアスプライサーとして、株式会社マシンテックス製ジョイントエアー110型を用い、供給空気圧力を0.7MPa、空気噴射時間を調整ノブPT150の目盛4、糸はし長さをレギュレーターPT40の目盛4とした条件で、つないだ繋ぎ糸条の引張り破断強力が連続強化繊維の引張り破断強力の50〜100%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合糸条の製造方法
  6. 連続強化繊維の単糸に連続熱可塑性樹脂繊維を構成する樹脂を付着させて測定したマイクロドロップレット試験による界面接着強度が9〜100MPaである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合糸条の製造方法
  7. 引き揃えられる前の連続強化繊維が実質的に無撚りであり、かつ、実質的に無交絡である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合糸条の製造方法
  8. 連続強化繊維がガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維、金属繊維、及びセラミック繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合糸条の製造方法
  9. 単糸径R(μm)と密度D(g/cm3)とした場合に、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の積RDの比(連続強化繊維/連続熱可塑性樹脂繊維)が0.3〜5である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の複合糸条の製造方法
  10. 連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の単糸径R(μm)の比(連続強化繊維/連続熱可塑性樹脂繊維)が0.3〜2である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の複合糸条の製造方法
  11. 連続強化繊維及び連続熱可塑性樹脂繊維の総繊度が100〜20,000dtexである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の複合糸条の製造方法
  12. 仮撚り加工される前の連続熱可塑性樹脂繊維が実質的に無撚りであり、かつ、実質的に無交絡である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の複合糸条の製造方法
  13. 連続熱可塑性樹脂繊維がポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、及び熱可塑性フッ素系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られた連続繊維である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の複合糸条の製造方法
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