JP5993262B2 - すだれ織物 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は、以下の通りである。
[2]経糸がコードであって、下記式(1)で示す撚り係数Kが1,000〜30,000で撚糸されており、撚り強力維持率(%)が下記式(2)を満足する上記[1]に記載のすだれ織物。
K=Y×Dt0.5 (1)
(但し、式(1)において、Yは撚糸1mあたりの撚り数(回/m)であり、Dtは連続強化繊維の繊度(dtex)である。)
撚り強力維持率(%)≧100×exp(−2.5×K/105) (2)
(但し、式(2)において、Kは上記式(1)で表される撚り係数である。)
[3]経糸が撚糸数0〜100回/mのストランドであって、ストランド中の混繊糸条の任意の断面における連続強化繊維の分散率が30〜75%である上記[1]に記載のすだれ織物。
[4]連続強化繊維が無機繊維およびセルロース系繊維を除く溶融紡糸以外の紡糸方法により得られる有機繊維から選ばれた少なくとも1種である上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載のすだれ織物。
[5]無機繊維がガラス繊維、炭素繊維、金属繊維およびセラミック繊維から選ばれた少なくとも1種であり、溶融紡糸以外の紡糸方法により得られる有機繊維がアラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維およびポリケトン繊維から選ばれた少なくとも1種である上記[4]に記載のすだれ織物。
[6]連続強化繊維の積RDと連続有機繊維の積RDの比(連続強化繊維/連続有機繊維)が0.3〜5である上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のすだれ織物。
[7]連続強化繊維の単糸径と連続有機繊維の単糸径の比(連続強化繊維/連続有機繊維)が0.3〜2である、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載のすだれ織物。
[8]連続強化繊維および連続有機繊維の総繊度が100〜20、000dtexである上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載のすだれ織物。
[9]連続有機繊維が連続セルロース系繊維および/または溶融紡糸により得られる連続熱可塑性樹脂繊維である上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載のすだれ織物。
[10]連続熱可塑性樹脂繊維がポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、熱可塑性フッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られた連続繊維である上記[9]記載のすだれ織物。
[11]レゾルシン−ホルマリン−ラテックス樹脂が0.1〜10重量%付与されている上記[1]〜[10]のいずれか一項に記載のすだれ織物。
[12]緯糸がセルロース繊維である上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載のすだれ織物。
[13]連続強化繊維と連続有機繊維の混繊方法が流体交絡法である上記[1]〜[12]のいずれか一項に記載のすだれ織物。
[14]連続強化繊維と連続有機繊維を混繊するに際し、両繊維を引き揃え、かつ、流体交絡ノズルの導入穴面に実質的に垂直に供給する上記[13]に記載のすだれ織物。
[15]上記[1]〜[14]のいずれか一項に記載のすだれ織物が少なくとも一部に使用されているゴム製品。
R=20×(T/π・F・D)0.5 (4)
経糸は、(イ)〜(ニ)から選ばれた少なくとも一種、または(イ)〜(ニ)から選ばれた少なくとも一種と(ホ)および(ヘ)から選ばれた少なくとも一種から構成されていてもよい。いずれの場合も、混繊糸条は、すだれ織物における全経糸中に50重量%以上、好ましくは75重量%以上、より好ましくは90重量%以上、最も好ましくは100重量%用いられる。
混繊糸条以外の繊維としては、その割合が50重量%未満であれば特に制限はなく、用途および目的に応じ、公知の繊維を用いることができ、例えば、後述する連続有機繊維が挙げられる。
本実施形態のすだれ織物は、経糸の50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは100重量%が混繊糸条コードであることが好ましい。
K=Y×Dt0.5 (2)
(ここで、Yは撚糸1mあたりの撚り数(回/m)であり、Dtは連続強化繊維の繊度(dtex)である。)
本実施形態において、経糸に混繊糸条からなるコードを用いる場合、撚糸工程前後の糸条の強力の比である撚り強力維持率(%)が下記式(2)の範囲にあることが好ましい。
撚り強力維持率(%)≧100×exp(−2.5×K/105) (1)
(ただし、Kは前記式(1)で表される撚り係数である。)
撚り強力維持率が上記範囲以下である場合、ゴム製品の補強効果が不十分となり、必要とする強度等の特性を得るために、コードの使用量を増やす必要が生じ、軽量性・経済性に優れるすだれ織物が得られなくなる。撚り強力維持率は100%に近ければ近いほどよく、好ましくは式(3)の範囲にあることが望ましい。
撚り強力維持率(%)≧100×exp(−2.0×K/105) (3)
連続強化繊維と連続有機繊維を連続して均一に混じり合わせ、連続強化繊維同士が直接接触することを抑制することにより、撚り強力維持率を上記式(1)の範囲とすることが望ましい。
また、前記ストランド中の混繊糸条は連続強化繊維と連続有機繊維が均一に混合され、連続強化繊維の間隙に連続有機繊維が略均一に分散した状態であることが好ましい。ここで、略均一に分散しているとは、混繊糸条の任意の横断面において、連続有機繊維の単糸と接触している連続強化繊維の単糸数をA(本)とし、また連続強化繊維の全単糸数をB(本)とし、(A/B)×100(%)で算出した連続強化繊維の分散率を30〜75%、好ましくは40〜75%とすることである。連続強化繊維と連続有機繊維が均一に混合し、連続強化繊維同士が直接接触することによる繊維切断を抑制する観点から、分散率は30%以上が好ましい。混繊時に連続強化繊維の損傷を抑制し、毛羽発生を防止する観点から分散率は75%以下が好ましい。
<種類>
本実施形態における連続強化繊維は、通常ゴム製品補強に使用されるものを用いることができ、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維等の無機繊維およびアラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維等のセルロース系繊維を除く溶融紡糸以外の紡糸方法により得られる有機繊維から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。機械的物性、熱的物性、汎用性の観点から、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維がさらに好ましく、価格の観点からガラス繊維が特に好ましい。機械的物性の観点から、連続強化繊維は高ヤング率であることが好ましく、例えば、引張りヤング率が200cN/dtex以上、特に250cN/dtex以上であることが好ましい。
尚、前記、溶融紡糸以外の紡糸方法としては、液晶紡糸、ゲル紡糸、エアギャップ紡糸等の湿式紡糸および乾式紡糸等の溶剤を使用する紡糸方法が例示され、機械的物性の観点から液晶紡糸、ゲル紡糸等の湿式紡糸が好ましい。
本実施形態に用いられる連続強化繊維は実質的に無撚りであり、かつ、実質的に無交絡であることが、後述するエアスプライサーによる繋ぎ糸の引張り破断強力向上と混繊工程における開繊性向上の観点から好ましい。実質的に無撚りとは、解舒等に伴う意図しない撚り以外の撚りが入っていない状態を意味し、撚り数が10回/m以下のことである。実質的に無交絡とは、流体交絡等通常の交絡手段による意図的な交絡が入っていない状態を意味し、交絡数が5回/m以下のことである。
連続強化繊維の単糸数は、混繊工程における開繊性、及び取扱い性の観点から30〜15,000本であることが好ましい。
本実施形態において、連続強化繊維をエアスプライサーによってつないだ繋ぎ糸条の引張り破断強力が連続強化繊維原糸の引張り破断強力の50〜100%であることが好ましい。さらに好ましくは60〜100%、特に好ましくは65〜100%である。エアスプライサーは空気噴射によって、糸端を開繊するとともに、糸端の単糸同士を絡ませることによって、糸端同士を繋ぐ装置である。従って、エアスプライサーによる繋ぎ糸の引張り破断強力が前記範囲であれば、連続強化繊維の空気による開繊、混合が良好であり、損傷が少ないと判断でき、好ましい。
供給空気圧力 0.7MPa
空気噴射時間 調整ノブPT150の目盛4
糸はし長さ レギュレーターPT40の目盛4
得られた繋ぎ糸条及び連続強化繊維原糸の引張り破断強力をJIS L1013に記載の方法で測定する。
集束剤の種類は公知の集束剤から、連続強化繊維及び連続有機繊維の種類に応じて適宜選択すれば良い。
連続強化繊維として、例えば、ガラス繊維を選択した場合、集束剤はシランカップリング剤、潤滑剤および結束剤からなることが好ましい。
シランカップリング剤は、通常、ガラス繊維の表面処理剤として用いられ、ゴムとの接着強度向上に寄与する。シランカップリング剤としては、特に制限されないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよびγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類が挙げられる。上記の列挙成分から選択される1種以上であることが好ましく、中でも、アミノシラン類が特に好ましい。
潤滑剤は、μsの調整及び開繊性向上に寄与する。潤滑剤としては、目的に適した通常の液体または固体の任意の潤滑材料が使用可能である。以下に制限されないが、例えば、カルナウバワックスやラノリンワックス等の動植物系もしくは鉱物系のワックス、並びに、脂肪酸アミド、脂肪酸エステルもしくは脂肪酸エーテル、又は芳香族系エステルもしくは芳香族系エーテル等の界面活性剤が使用可能である。
結束剤は、ガラス繊維の集束性向上及びゴムおよび樹脂加工に用いられる樹脂との接着強度向上に寄与する。結束剤としては、目的に適したポリマー、熱可塑性樹脂が使用可能である。ポリマーとしては、以下に制限されないが、例えば、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマー、並びにこれらの第1級、第2級及び第3級アミンとの塩等が挙げられる。また、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、各種フェノール類とホルマリンを反応させて得られるフェノール樹脂、尿素とホルマリンを反応させて得られるユリア樹脂、メラミンとホルマリンを反応させて得られるメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。また、例えば、m−キシリレンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)およびイソホロンジイソシアナート等のイソシアネートとポリエステル系やポリエーテル系のジオールとから得られるポリウレタン樹脂も好適に使用される。
前記アクリル酸のホモポリマーとしては、重量平均分子量1,000〜90,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜25,000である。
スルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸塩、5−スルホイソフタル酸塩、5−スルホオルトフタル酸塩等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸または脂環式ジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
3官能以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
ガラス繊維集束剤において、それぞれ固形分として、シランカップリング剤を0.1〜2重量%、潤滑剤を0.01〜2重量%、結束剤を1〜25重量%を含有することが好ましく、これらの成分を水で希釈し、全重量を100重量%に調整する。
潤滑剤の配合量は、充分な潤滑性を与えるという観点、及びエアスプライサーによる繋ぎ糸の引張り破断強力向上と混繊工程における開繊性向上の観点から、0.01重量%以上、特に0.02重量%以上とすることが好ましく、接着強度向上とゴム製品の機械的強度向上とμsの調整の観点から2重量%以下、特に1重量%以下とすることが好ましい。
結束剤の配合量は、ガラス繊維の集束性制御及び接着強度向上とゴム製品の機械的強度向上との観点から、1〜25重量%が好ましく、さらに好ましくは3〜15重量%であり、特に好ましくは3〜10重量%である。
ガラス繊維集束剤は、使用態様に応じて、水溶液、コロイダルディスパージョンの形態、乳化剤を用いたエマルジョンの形態等、いずれの形態に調整しても良いが、集束剤の分散安定性向上、耐熱性向上の観点から、水溶液が好ましい。
一方、例えば、連続強化繊維として、炭素繊維を選択した場合、集束剤は潤滑剤、結束剤からなることが好ましい。
潤滑剤は、μsの調整及び損傷防止性向上、開繊性向上に寄与する。潤滑剤としては、目的に適した通常の液体または固体の任意の潤滑材料が使用可能である。以下に制限されないが、例えば、カルナウバワックスやラノリンワックス等の動植物系もしくは鉱物系のワックス、並びに、脂肪酸アミド、脂肪酸エステルもしくは脂肪酸エーテル、又は芳香族系エステルもしくは芳香族系エーテル等の界面活性剤が使用可能である。
結束剤は、炭素繊維の集束性向上及び接着強度向上に寄与する。結束剤としては、目的に適したポリマー、熱可塑性樹脂が使用可能である。ポリマーとしては、以下に制限されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、各種フェノール類とホルマリンを反応させて得られるフェノール樹脂、尿素とホルマリンを反応させて得られるユリア樹脂、メラミンとホルマリンを反応させて得られるメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。また、例えば、m−キシリレンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)およびイソホロンジイソシアナート等のイソシアネートとポリエステル系やポリエーテル系のジオールとから得られるポリウレタン樹脂も好適に使用される。
上記ポリカルボン酸またはその無水物としては、芳香族ジカルボン酸、スルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、3官能以上のポリカルボン酸等が挙げられる。
スルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸塩、5−スルホイソフタル酸塩、5−スルホオルトフタル酸塩等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸または脂環式ジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
3官能以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
炭素繊維集束剤において、それぞれ固形分として、潤滑剤を0.01〜2重量%、結束剤を1〜25重量%含有することが好ましく、これらの成分を水で希釈し、全重量を100重量%に調整する。
結束剤の配合量は、炭素繊維の集束性制御、接着強度向上およびゴム製品の機械的強度向上の観点から、1〜25重量%が好ましく、さらに好ましくは3〜15重量%であり、特に好ましくは3〜10重量%である。
炭素繊維集束剤は、使用態様に応じて、水溶液、コロイダルディスパージョンの形態、乳化剤を用いたエマルジョンの形態等、いずれの形態に調整しても良いが、集束剤の分散安定性向上、耐熱性向上の観点から、水溶液が好ましい。
また、連続強化繊維として、ガラス繊維、炭素繊維以外の繊維を用いる場合は、炭素繊維に用いる集束剤に準じた集束剤の種類、付与量とすることが好ましい。
本実施形態に用いられる連続有機繊維は連続セルロース系繊維および/または溶融紡糸により得られる連続熱可塑性樹脂繊維であり、下記に例示される繊維から選ばれた少なくとも1種の繊維を用いることが好ましい。
本実施形態に用いられる連続セルロース系繊維としては公知のものが使用することができ、例えば、ビスコース法で製造されるレーヨン、平均重合度が450以上の結晶化度が高いレーヨンであるポリノジック、高強度及び湿潤時高弾性率のレーヨンであるモダル、有機溶剤紡糸法によって得られるリヨセル、銅アンモニア法によって得られるキュプラ、酢酸セルロースであるアセテート、トリアセテート等が例示され、強度およびゴムとの接着性の観点から、レーヨン、ポリノジック、モダル、リヨセルが好ましい。
前記ポリアミド系樹脂とは、主鎖に−CO−NH−(アミド)結合を有する高分子化合物を意味する。例えば、ラクタムの開環重合で得られるポリアミド、ω−アミノカルボン酸の自己縮合で得られるポリアミド、ジアミン及びジカルボン酸を縮合することで得られるポリアミド、並びにこれらの共重合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ポリアミドとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
一方、ω−アミノカルボン酸としては、例えば、上記ラクタムの水による開環化合物であるω−アミノ脂肪酸が挙げられる。尚、前記ラクタム又は前記ω−アミノカルボン酸はそれぞれ2種以上の単量体を併用して縮合させてもよい。
上記単量体としてのジアミン及びジカルボン酸はそれぞれ1種単独又は2種以上の併用により縮合させてもよい。
本実施形態に用いられる連続有機繊維は実質的に無撚りであり、かつ、実質的に無交絡であることが、混繊工程における開繊性向上の観点から好ましい。実質的に無撚りとは、解舒等に伴う意図しない撚り以外の撚りが入っていない状態を意味し、撚り数が10回/m以下のことである。実質的に無交絡とは、流体交絡等通常の交絡手段による意図的な交絡が取扱い性を維持する最低限の回数である状態を意味し、交絡数が5回/m以下のことである。
連続有機繊維の単糸数は、混繊工程における開繊性、及び取扱い性の観点から30〜20,000本であることが好ましい。また、連続有機繊維の引張りヤング率は混繊工程における連続有機繊維自身の毛羽、断糸等の発生を抑制し、取扱い性を確保する観点、及び連続強化繊維の保護機能を果す観点から30cN/dtex以上200cN/dtex未満が好ましい。
本実施形態において、連続強化繊維の単糸径R(μm)と密度D(g/cm3)の積RD(強化繊維)と連続有機繊維の単糸径R(μm)と密度D(g/cm3)の積RD(有機繊維)の比、RD(強化繊維)/RD(有機繊維)は0.3〜5であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜4、特に好ましくは0.6〜2である。混繊工程において、連続強化繊維と連続有機繊維はお互いに開繊・混合することが好ましく、そのためには、混繊時に作用する外力により、各繊維に発生する加速度が略同等であることが好ましいと推量される。両繊維の積RDの比が前記範囲であれば、各繊維に発生する加速度が略同等になると推量され、連続強化繊維と連続有機繊維がお互いに混合し易くなり、好ましい。
<緯糸>
本実施形態のすだれ織物に用いる緯糸の種類および繊度については、μsが0.2以上となるものであれば特に制限はなく、用途および目的に応じて選定することができる。コストおよび取扱い性の観点からポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびセルロース系繊維が好ましく、加工時の裁断性の観点から綿、ポリノジック、レーヨン、キュプラ等のセルロース系繊維が特に好ましい。
すだれの形態保持能力や加工時の裁断性および経糸との摩擦特性の観点から緯糸の繊度を適当な範囲とすることが好ましく、連続繊維の場合は50〜500dtex、短繊維の場合は10〜40sが好ましい。
本実施形態のすだれ織物の性量は特に制限はなく、経糸密度、緯糸密度、すだれ織物の幅および長さ等、任意に選定することができる。経糸密度はハイエンズ、ミドルエンズ、ロウエンズのいずれであってもよいが、すだれ織物の均質性および取扱い性の観点から、経糸密度は5〜80本/5cm、緯糸密度は1〜10本/5cmであることが好ましい。
ゴムとすだれ織物との接着性を向上させるため、すだれ織物に樹脂加工を施したものを用いることが好ましい。樹脂加工に用いる樹脂の種類は特に限定されず、公知の樹脂をそのまま、あるいは組成比を適宜選択して用いることができる。中でもレゾルシン−ホルマリン−ラテックス樹脂(RFL)液を主成分とする樹脂を用いるのが一般的であり、この場合、RFL液単独で用いてもよく、必要に応じてエポキシ化合物、イソシアネート化合物およびフェノール化合物等、その他の薬液と混合して用いてもよい。すだれ織物への樹脂の付着量は特に制限はなく、用途および目的に応じて所望の量を付与すればよいが、機械的特性や工程通過性、ゴムとの接着性の観点からすだれ織物に対して0.1〜10重量%、より好ましくは1〜8重量%である。
<混繊>
本実施形態のすだれ織物を製造する最初の工程は、連続強化繊維と連続有機繊維を混繊することによる混繊糸条の製造である。混繊糸条を製造する方法は公知の方法を利用できる。例えば、静電気力や流体噴霧による圧力、ローラー等に押し付ける圧力等による外力によって開繊した後、連続強化繊維と連続有機繊維を開繊したままの状態で合糸・引き揃える開繊合糸法、空気、窒素ガスおよび水蒸気等の流体による渦流乱流帯域を糸軸とほぼ平行に2個またはそれ以上作り、該帯域に繊維を導いてループや捲縮を生じない程度の張力下で非嵩高性の糸条とする所謂流体交絡(インターレース)法、連続強化繊維のみ開繊した後、または連続強化繊維と連続有機繊維共に開繊した後に流体交絡させる開繊後流体交絡法、等が挙げられる。連続強化繊維の損傷が抑制でき、開繊性に優れ、均一に混合可能な流体交絡法、開繊後流体交絡法等の流体交絡法が好ましい。
図1において、11は連続強化繊維12aの回巻体、21は連続有機繊維22aの回巻体、13は連続強化繊維12a及び連続有機繊維22aを合糸・引き揃えながら、引き出すための駆動ロール、14は圧縮空気を使用した流体交絡ノズル、16は得られた混繊糸条15bを巻き取るための巻き取り機である。
本実施形態のすだれ織物に用いる経糸は、上記混繊糸条を撚り合わせる混繊糸条からなるコードであることができる。撚糸方法はリング撚糸機、ダブルツイスター撚糸機、アロマ撚糸機等の公知の撚糸機を用いて、混繊糸条を一旦下撚りした後、巻き取り、得られた下撚り糸を2本以上合せて上撚りする方法であっても、2本以上の混繊糸条を別々に撚糸し、得られた下撚り糸を巻き取ることなく、その後互いに上撚りする方法であってもよい。
撚糸の種類、方法、合撚本数については特に制限はなく、複合糸条の種類としては例えば、片撚り糸、もろ撚り糸、ピッコもろ撚り糸、強撚糸等が挙げられる。合撚する本数も特に制限はなく1本撚り、2本撚り、3本撚り、4本撚り、5本撚りのいずれでもよく6本以上の合撚であってもよい。
また、撚り数についても用途、使用環境に応じて任意の撚り数を選定すればよく、一般的には、上述の撚り係数Kが1、000〜30、000の範囲で撚糸される。強度、寸法安定性に優れる複合糸条を得るためには、撚糸張力を適正な範囲にすることが好ましく、下撚り張力/上撚り張力共に0.01〜0.2cN/dtexとすることが好ましい。上記範囲であれば、撚糸の際にたるみや無理な歪を生じる恐れが低く、均一な撚糸が得られ、好ましい。
中間伸度(%)≦1.5×exp(5×K/105) (6)
ここで、中間伸度とは引張り試験の応力−伸び曲線における2.0cN/dtex荷重時の伸度である。ただし、荷重は混繊糸条からなるコードに含まれる連続強化繊維の総繊度で応力を除した値であり、Kは前記式(2)で表されるコードの撚り係数である。
中間伸度が小さいほど荷重に対する寸法変化が小さく、機械的な寸法安定性に優れることを示す。一般に中間伸度は撚り係数Kが大きくなるほど大きくなるが、撚り係数が大きくなっても上記式(6)の範囲内となるように、連続強化繊維、混繊糸条の性能・混合状態や撚糸の条件を選定することが重要である。連続強化繊維としては、中間伸度が0〜1.5%、好ましくは0〜1.0%、特に好ましくは0〜0.8%であるものを選定することが望ましく、特に限定されないが、前述した種類の連続強化繊維が望ましい。また、荷重が混繊糸条に均一に負荷して、単糸あたりの荷重を実質的に低下させることで中間伸度を抑制するために、混繊糸条を、連続強化繊維に損傷を与えることなく連続強化繊維と連続有機繊維が連続して均一に混じり合う状態とすることが好ましい。
このようにして得られた混繊糸条を少なくとも一部に含むコードおよび/またはストランドを5〜80本/5cmに配列し、製織機にて緯糸を1〜10本/5cmの割合で打ち込むことによって、すだれ織物が得られる。
本実施形態のすだれ織物は、上述したように、所定の樹脂をすだれ織物に付着させることが好ましい。RFL液を用いる場合の樹脂加工工程を以下例示する。すだれ織物に濃度10〜30重量%のRFL液を付着させ、少なくとも100℃の熱をかけて固着させる、所謂浸漬処理を施す。RFL液の好ましい組成としては、レゾルシンが0.1〜10重量%、ホルマリンが0.1〜10重量%、ラテックスが1〜28重量%であり、より好ましくはレゾルシンが0.5〜3重量%、ホルマリンが0.5〜3重量%、ラテックスが10〜25重量%である。また、RFL液の乾燥温度としては好ましくは100〜250℃、より好ましくは140〜200℃であり、少なくとも10秒以上、好ましくは20〜120秒間乾燥熱処理することが望ましい。
ノルマライジングゾーンの熱処理温度および熱処理時間は、前記のヒートセット温度、時間の範囲内であることが好ましい。ノルマライジングゾーンの熱処理張力はヒートセットゾーンの熱処理張力の10〜80%とすることが好ましい。
以下、実施例及び比較例で行った評価方法について説明する。
(連続強化繊維および連続有機繊維の単糸径)
連続強化繊維および連続有機繊維の単糸径R(μm)は、カタログ値の密度D(g/cm3)、繊度T(dtex)、単糸数F(本)を用い、下記式(4)により算出した。
R=20×(T/π・F・D)0.5 (4)
株式会社マシンテックス製ジョイントエアー110型を用い、連続強化繊維の繊度に応じたエアスプライサーのチェンバー、チェンバーカバーを選択して取り付け、下記条件でエアスプライサー所定の手順で連続強化繊維の繋ぎ糸条を得た。
供給空気圧力 0.7MPa
空気噴射時間 調整ノブPT150の目盛4
糸はし長さ レギュレーターPT40の目盛4
得られた繋ぎ糸条及び連続強化繊維原糸の引張り破断強力をJIS L1013に準拠してオリエンテック社製テンシロンにより、つかみ間隔20cm、引張り速度20cm/分で測定し、両測定値の比を算出した。
混繊糸条の長手方向の20mごとに長さ20cmを3点サンプリングし、採取した各試料ごとに横断面(糸条軸に対して垂直面)を鋭利な刃物で切断し、該切断面の全域を写真撮影する。該写真から連続有機繊維の単糸と接触若しくは連続有機繊維の単糸をその単糸径の10%だけ位置をずらせば接触するであろう連続強化繊維の単糸数を計測して、これをA(本)とする。該写真に撮影された複合糸条の横断面全域に存在する連続強化繊維の単糸数を計測し、これをB(本)とする。計測したAおよびBから下式)により、連続強化繊維の分散率(%)の平均値(n=3)を算出した。
分散率(%)=(A/B)×100
混繊糸条及び連続強化繊維原糸の引張り破断強力をJIS L1013に準拠してオリエンテック社製テンシロンにより、つかみ間隔20cm、引張り速度20cm/分、n=10の測定を行い、測定値から算術平均値を求め、両算術平均値の比を算出し、維持率とした。
コード及び撚糸前の糸条の引張り破断強力をJIS L1013に準拠してオリエンテック社製テンシロンにより、つかみ間隔20cm、引張り速度20cm/分、n=10の測定を行い、測定値から算術平均値を求め、両算術平均値の比を算出し、維持率とした。
コードの引張り試験をJIS L1013に準拠してオリエンテック社製テンシロンにより、つかみ間隔20cm、引張り速度20cm/分、n=10で行い、その測定結果より、2cN/dtex時の伸度を求め、その値の算術平均値を求め、中間伸度とした。
オーブン中で150℃、30分の乾熱処理を行い、熱処理前後のコード長を、1/30cN/dtexの荷重をかけて計測して下式により求めた。
乾熱収縮率(%)=〔(Lb−La)/Lb〕×100
ただし、上式中、Lbは熱処理前のコード長、Laは熱処理後のコード長である。
上記中間伸度と上記乾熱収縮率の和を寸法安定性パラメーターとした。
樹脂加工前のすだれ織物を有幅で1(m)採取し、105℃で5時間加熱した後に、絶乾重量W1(g)を計量する。また、樹脂加工におけるすだれ織物の伸び率がLd(%)の場合、樹脂加工後のすだれ織物を(1+0.01×Ld)m採取し、105℃で5時間加熱した後に、絶乾重量W2(g)を計量し、下式からすだれ織物の樹脂付着率を求めた。
樹脂付着率(%)=(W2−W1)/W1×100
図3に示す装置を用いて測定を行う。長さ約690mの緯糸100を円筒200の周りに、綾角15°で約0.2cN/dtexの張力を掛けて巻き付ける。更に、長さ30.5cmの経糸300をこの円筒に掛ける。この時、経糸300は円筒200の上にあり、円筒の巻き付け方向と平行にする。円筒200に掛けた経糸300の片方の端に、荷重が0.1cN/dtex(対経糸)の重り400を結び、他方の端にはストレインゲージ500を連結させる。次に、円筒200を1mm/分の周速で回転させ、張力をストレインゲージ500で測定する。こうして測定した張力からμsを下記の式より求める。
μs=(1/π)×Ln(T2/T1)
上式中、T1は経糸に掛けた重り400の重さ、T2はストレインゲージにて測定した張力、Lnは自然対数、πは円周率を示す。
ゴム接着力については、天然ゴム70%、SBR15%、カーボンブラック15%配合の未加硫ゴムを用い、これにすだれ織物を1cm埋め込み、155℃、3.5MPa、30分の条件で加硫後、引抜強力T(N)をクロスヘッド速度30cm/分の条件で測定し、ゴム接着力とした。
天然ゴム70%、SBR15%、カーボンブラック15%配合の未加硫ゴム中にすだれ織物を上下2層に配列し、155℃、3.5MPa、40分の条件で加硫を行い、厚さ8mmのベルトを得た。このベルトを用いて、JIS−L1017−2.1(ファイアストン法)に従い、圧縮・曲げ疲労試験を行った(荷重:50kg、ベルト走行速度:100rpm、試験回数:20,000回、圧縮率:85%)。試験後、圧縮側のすだれ織物を取り出し、オリエンテック社製テンシロンにより、幅3cm、つかみ間隔25cm、引張り速度30cm/分で引張り破断強力を測定し、同様にして測定した疲労試験前のすだれ織物の引張り破断強力に対する強力保持率(%)を測定し、耐疲労性とした。
下記集束剤Aを1.0重量%付着させた繊度660dtexで単糸数400本のガラス繊維を連続強化繊維として用いた。なお、このガラス繊維の引張りヤング率は290cN/dtexであった。
集束剤Aの組成(固形分換算):
・シランカップリング剤:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.6重量%〔商品名:KBE−903(信越化学工業(株)製)〕
・潤滑剤:ワックス0.1重量%〔商品名:カルナウバワックス(株式会社加藤洋行製)〕
・結束剤:アクリル酸/マレイン酸共重合体塩5重量%〔商品名:アクアリックTL(日本触媒(株)製)〕
本ガラス繊維の諸特性および繋ぎ糸条の引張り破断強力を測定した結果を表1に示す。
連続有機繊維として、交絡処理を施していないポリアミド66繊維〔商品名:レオナ(登録商標)470/144BAU(旭化成せんい(株)製)、繊度470dtex、単糸数144本、単糸径19μm、単糸径と密度の積RD22μm・g/cm3〕を用いた。なお、このポリアミド66繊維の引張りヤング率は50cN/dtexであった。
・流体交絡ノズル:京セラ KC−AJI−L(1.5mm径、推進型)
・空気圧:2kg/cm2(実施例1)、4kg/cm2(実施例2)
・加工速度:30m/分
得られた混繊糸条の分散率および引張り破断強力維持率を測定した結果を表1に示した。
さらに、該混繊糸条を用い、カジ鉄工社製リング撚糸機を用いてZ方向に下撚り後これを2本合糸しS方向に上撚りして混繊糸条コードを得た。下撚り張力、上撚り張力共に0.05cN/dtex、下撚り数、上撚り数共に380回/mとした。得られた混繊糸条コードの引張り破断強力を測定し、撚り強力維持率を算出した結果および中間伸度、乾熱収縮率、寸法安定性パラメーターの測定結果も表1に示した。
さらに、得られたすだれ織物を、下記の液組成のRFL液に浸漬した後に、乾燥ゾーン(160℃、120秒の熱処理)、ヒートセットゾーン(220℃、60秒の定長熱処理)、ノルマライジングゾーン(220℃、60秒の熱処理)を通す樹脂加工を施した。
(RFL液組成)
レゾルシルン 22.0部
ホルマリン(30重量%) 30.0部
水酸化ナトリウム(10重量%) 14.0部
水 570.0部
ビニルピリジンラテックス(41重量%) 364.0部
得られたすだれ織物のRFL樹脂付着率、ゴム接着力、耐疲労性を測定した結果を表1に示した。すだれ織物は平坦で、熱収縮による歪み等は観察されず、経糸コード密度も均等で目ずれがなく、品位の優れたものであった。
ガラス繊維単独(比較例1)で特段の混繊を施さない、及びガラス繊維とポリアミド66繊維を合糸・引き揃えたのみ(比較例2)で特段の混繊を施さないこと以外は実施例1と同様にした。
比較例1では、下撚りを施した時点でガラス繊維が破断し、撚糸を得ることができなかった。
比較例2では、撚糸、製織において、毛羽が発生し、織機等に毛羽の付着が観られ、工程性に劣るものであった。樹脂加工においても毛羽が発生し、樹脂加工機やすだれ織物に毛羽の付着が観られ、工程性や織物外観品位に劣るものであった。評価結果等を表1に示した。
ガラス繊維の単糸数を100本にした以外は実施例1と同様にして、すだれ織物を得た。なお、このガラス繊維の引張りヤング率は290cN/dtexであった。
各工程での工程性やすだれ織物の品位は良好であった。評価結果等を表1に示した。
ガラス繊維の単糸数を60本にした以外は実施例1と同様にして、すだれ織物を得た。なお、このガラス繊維の引張りヤング率は290cN/dtexであった。
製織において、若干の毛羽が発生したが、停台等の問題は発生しなかった。得られたすだれ織物の品位は良好であった。評価結果等を表1に示した。
上記集束剤Aを1.0重量%付着させたステンレス繊維〔商品名:ナスロン(登録商標)(日本精線(株)製)、繊度470dtex、単糸数72本〕を連続強化繊維として用いた以外は実施例1と同様にしてすだれ織物を得た。なお、このステンレス繊維の引張りヤング率は260cN/dtexであった。
得られたすだれ織物は若干収縮斑による凹凸が観られ、品位が若干劣るものであった。評価結果等を表1に示した。
ステンレス繊維の単糸数を36本にした以外は実施例5と同様にしてすだれ織物を得た。なお、このステンレス繊維の引張りヤング率は260cN/dtexであった。
得られたすだれ織物は収縮斑による凹凸が観られ、品位が劣るものであった。評価結果等を表1に示した。
また、実施例3〜5と比較例3とを対比すると、連続強化繊維の単糸径(R)と密度(D)の積RDが特定範囲となる場合、連続強化繊維の繋ぎ糸破断強力が高く、開繊性・混繊性に優れており、混繊糸条の分散率が高く、均一に混合されており、従って、混繊糸条コードとした場合の撚り強力維持率に優れ、それ故に、すだれ織物になった際の品位、機械的特性、機械的および熱的寸法安定性、耐疲労性に優れることが確認された。
12a 連続強化繊維
21 連続有機繊維の回巻体
22a 連続有機繊維
13 駆動ロール
14 流体交絡ノズル
15a 引き揃え糸条
15b 混繊糸条
16 巻き取りロール
100 緯糸
200 測定用円筒
300 経糸
400 重り
500 ストレインゲージ
Claims (13)
- 経糸と緯糸とから構成されたすだれ織物であって、経糸を構成する繊維の50重量%以上が連続強化繊維と連続有機繊維の混繊糸条であり、該混繊糸条を構成する連続強化繊維の単糸径R(μm)と密度D(g/cm3)の積RDが5〜100μm・g/cm3であり、かつ、経糸と緯糸との繊維−繊維間静止摩擦係数が0.2以上であり、経糸が、下記式(1):
K=Y×Dt 0.5 (1)
{式中、Yは、撚糸1mあたりの撚り数(回/m)であり、そしてDtは、連続強化繊維の繊度(dtex)である。}で示す撚り係数Kが1,000〜30,000で撚糸されたコードであり、撚り強力維持率(%)が、下記式(2):
撚り強力維持率(%)≧100×exp(−2.5×K/10 5 ) (2)
{式中、Kは上記式(1)で表される撚り係数である。}を満足し、そして該混繊糸条の任意の断面において、連続有機繊維の単糸と接触している連続強化繊維の単糸数をA本とし、また連続強化繊維の全単糸数をB本としたとき、(A/B)×100で求められる連続強化繊維の分散率が、30〜75%であることを特徴とする前記すだれ織物。 - 前記連続強化繊維が、無機繊維、及びセルロース系繊維を除く溶融紡糸以外の紡糸方法により得られる有機繊維から選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載のすだれ織物。
- 前記無機繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維およびセラミック繊維からなる群かた選ばれた少なくとも1種であり、かつ、前記溶融紡糸以外の紡糸方法により得られる有機繊維が、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維およびポリケトン繊維からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項2に記載のすだれ織物。
- 前記連続強化繊維の積RDと前記連続有機繊維の積RDの比(連続強化繊維/連続有機繊維)が0.3〜5である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のすだれ織物。
- 前記連続強化繊維の単糸径と前記連続有機繊維の単糸径の比(連続強化繊維/連続有機繊維)が0.3〜2である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のすだれ織物。
- 前記連続強化繊維の総繊度と前記連続有機繊維の総繊度が100〜20、000dtexである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のすだれ織物。
- 前記連続有機繊維が、連続セルロース系繊維および/または溶融紡糸により得られる連続熱可塑性樹脂繊維である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のすだれ織物。
- 前記連続熱可塑性樹脂繊維が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、及び熱可塑性フッ素系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られた連続繊維である、請求項7に記載のすだれ織物。
- レゾルシン−ホルマリン−ラテックス樹脂が0.1〜10重量%付与されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のすだれ織物。
- 前記緯糸がセルロース繊維である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のすだれ織物。
- 連続強化繊維と連続有機繊維を流体交絡法により混繊する工程を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のすだれ織物の製造方法。
- 前記混繊工程において、連続強化繊維と連続有機繊維を、引き揃え、かつ、流体交絡ノズルの導入穴面に実質的に垂直に供給する、請求項11に記載の方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載のすだれ織物が少なくとも一部に使用されているゴム製品。
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