JP2019203208A - 複合糸 - Google Patents
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Abstract
【課題】補強材等に応用可能な高強度、高柔軟性、取り扱い性に優れたモノフィラメント状の複合糸の提供。【解決手段】マルチフィラメントである連続強化繊維の束の外周全体が熱可塑性樹脂により被覆されているモノフィラメント状の複合糸であって、該複合糸状態での複合糸中の連続強化繊維の引張強度が、複合糸から熱可塑性樹脂を除去した状態で測定した連続強化繊維の引張強度に対して99〜104%である複合糸。【選択図】なし
Description
本発明は、高強度複合糸に関する。より詳しくは、本発明は、マルチフィラメントである連続強化繊維束の外周全体を熱可塑性樹脂で被覆した形態の複合糸であって、該複合糸状態での複合糸中の連続強化繊維の引張強度が、複合糸から熱可塑性樹脂を除去した状態で測定した強化繊維の引張強度に対して99〜104%であることを特徴とする複合糸に関する。
従来から高強度繊維として高強度ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維、アラミド繊維などが知られている。通常、これらの繊維はマルチフィラメントであるが、傷つき防止、取り扱い性の観点から、組紐に加工されてモノフィラメントに近い状態にして使用される場合がある。
特許文献1、2にはコアヤーンの融点以上の加熱をしながらコート剤で一体化させる方法が開示されている。
特許文献3、4にはマルチフィラメント同士を熱により融着させる方法が開示されている。
特許文献3、4にはマルチフィラメント同士を熱により融着させる方法が開示されている。
複合糸は、様々な用途に使用することができるが、高強度、高柔軟性を両立することが重要となる。従来の技術では取り扱い性を重視するため、高強度繊維の間に他の樹脂が完全に充填された状態になったり、高強度繊維同士が融着接合された状態になったりしており、柔軟性に劣るという課題があった。また、糸の重心が偏ることでプロセス負荷が高くなるという問題もあった。
かかる従来技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、連続強化繊維の高強度を維持しながら、柔軟性でかつ取り扱い性に優れた複合糸を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、マルチフィラメントである連続強化繊維束の外周全体を熱可塑性樹脂で被覆した形態の複合糸であって、複合糸状態での複合糸中の連続強化繊維の引張強度が、複合糸から熱可塑性樹脂を除去した状態で測定した連続強化繊維の引張強度に対して99〜104%である複合糸が、糸としての高強度と高柔軟性、取り扱い性に優れることを予想外に見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]マルチフィラメントである連続強化繊維の束の外周全体が熱可塑性樹脂により被覆されているモノフィラメント状の複合糸であって、該複合糸状態での複合糸中の連続強化繊維の引張強度が、複合糸から熱可塑性樹脂を除去した状態で測定した連続強化繊維の引張強度に対して99〜104%である複合糸。
[2]前記連続強化繊維の束の内部には該熱可塑性樹脂が実質的に存在しない、前記[1]に記載の複合糸。
[3]前記複合糸の収縮率が10%未満である、前記[1]又は、[2]に記載の複合糸。
[4]前記連続強化繊維が無機繊維である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の複合糸。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた工業用織物。
[6]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた不織布。
[7]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いたスポーツ用品。
[8]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた釣り糸。
[9]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた電気機器。
[10]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた建築部材。
[11]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた圧力容器。
[12]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた生体内で使用する用具。
[13]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた線材。
[14]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いたロープ。
[15]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いたゴム用コード。
[1]マルチフィラメントである連続強化繊維の束の外周全体が熱可塑性樹脂により被覆されているモノフィラメント状の複合糸であって、該複合糸状態での複合糸中の連続強化繊維の引張強度が、複合糸から熱可塑性樹脂を除去した状態で測定した連続強化繊維の引張強度に対して99〜104%である複合糸。
[2]前記連続強化繊維の束の内部には該熱可塑性樹脂が実質的に存在しない、前記[1]に記載の複合糸。
[3]前記複合糸の収縮率が10%未満である、前記[1]又は、[2]に記載の複合糸。
[4]前記連続強化繊維が無機繊維である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の複合糸。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた工業用織物。
[6]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた不織布。
[7]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いたスポーツ用品。
[8]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた釣り糸。
[9]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた電気機器。
[10]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた建築部材。
[11]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた圧力容器。
[12]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた生体内で使用する用具。
[13]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いた線材。
[14]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いたロープ。
[15]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合糸を用いたゴム用コード。
本発明に係る複合糸は、コアとなる連続強化繊維の直線性が高く、かつ、連続強化繊維の単糸同士が動くスペースが小さい状態で熱可塑性樹脂によって被覆され、さらに熱可塑性樹脂と連続強化繊維がほとんど相互作用のない状態となっているため、連続強化繊維の強度を維持したまま、柔軟性と取り扱い性を両立することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
[モノフィラメント状の複合糸]
本実施形態の複合糸は、マルチフィラメントである連続強化繊維の束の外周全体が熱可塑性樹脂により被覆されているモノフィラメント状の複合糸であって、複合糸状態での複合糸中の連続強化繊維の引張強度が、複合糸から熱可塑性樹脂を除去した状態で測定した連続強化繊維の引張強度に対して99〜104%である。好ましくは、前記連続強化繊維の束の内部には該熱可塑性樹脂が実質的に存在しない。
本実施形態の複合糸は、マルチフィラメントである連続強化繊維の束の外周全体が熱可塑性樹脂により被覆されているモノフィラメント状の複合糸であって、複合糸状態での複合糸中の連続強化繊維の引張強度が、複合糸から熱可塑性樹脂を除去した状態で測定した連続強化繊維の引張強度に対して99〜104%である。好ましくは、前記連続強化繊維の束の内部には該熱可塑性樹脂が実質的に存在しない。
複合糸状態での複合糸中の連続強化繊維の引張強度が、複合糸から熱可塑性樹脂を除去した状態で測定した連続強化繊維の引張強度に対して99〜104%であることは、複合糸中の連続強化繊維の状態が、強化繊維単独で引張試験を行うときの状態とほぼ同一であることを意味する。すなわち、複合糸中の繊維方向に対して、強化繊維が曲がったりねじれたりが少ないこと、強化繊維が引っ張られた状態のように遊びなく密着していること、強化繊維同士が接着はしていないこと、熱可塑性樹脂が強化繊維に対して相互作用が少ない状態となっている。これにより強化繊維の強度を十分に発揮するとともに、糸としての取り扱い性が向上する。このような状態の複合糸を得るためには、例えば、図4、5に示すように、樹脂供給装置の先端に少なくとも孔Aと孔Bを備えるノズルを具備する装置を用い、ノズルの手前でガイドローラーを設置して孔AとBに対して中心部を連続繊維が通過するように調整し、孔Aには連続強化繊維のみを強化繊維にテンションをかけ、糸振動のない状態で通過させ、孔Bには、孔Aを通過した連続強化繊維と熱可塑性樹脂を同時に通過させて、連続強化繊維の太さと熱可塑性樹脂の付着量に応じて、孔Aと孔Bの大きさを調整する方法を採用することができる。孔Bの直後に冷却工程を有することは好ましい。
本明細書中、用語「連続強化繊維の束の外周全体」とは、図2に示すように、マルチフィラメントである連続強化繊維と熱可塑性樹脂との接点を結んだ線の外側の領域であって、該線の外側全体が熱可塑性樹脂により被覆されており、複合糸の表面に連続強化繊維が露出していない状態をいう。
本明細書中、用語「連続強化繊維の束の内部」とは、図2に示すように、連続強化繊維と熱可塑性樹脂との接点を結んだ線の内側の領域をいう。本実施形態の複合糸においては、連続強化繊維の束の内部には該熱可塑性樹脂は実質的に存在していない。
また、本実施形態の複合糸は、マルチフィラメントである連続強化繊維の束の外周全体を取り囲んでいる熱可塑性樹脂の被覆は、連続強化繊維の束の最外側にある連続強化繊維に接しているものの、該繊維と接着していないか又は極めて弱い力で接着している。本実施形態の複合糸では、複合糸中の連続強化繊維と熱可塑性樹脂とが実質的に未接着で接しているため、糸条としての柔軟性に優れ、その結果、製織、編成における取り扱い性にも優れるものとなる。また、かかる「実質的に未接着で接している」状態では、前記した連続強化繊維と熱可塑性樹脂との接点を結んだ線の近傍において、空隙が存在する。かかる空隙は、走査型電子顕微鏡写真により観察することができる(図3参照)。
前記したように、本実施形態の複合糸では、連続強化繊維と熱可塑性樹脂との接点を結んだ線の外側全体が熱可塑性樹脂により被覆されており、複合糸の表面に連続強化繊維が露出していない(図1〜3参照)。このような熱可塑性樹脂による均一な被覆により、連続強化繊維の露出はなく、後工程での連続強化繊維、特に、傷つきやすいガラス繊維の損傷を低減することができる。
本実施形態の複合糸は収縮率が10%未満であることが好ましく、5%未満であることがより好ましく、2%未満であることがさらに好ましく、1%未満であることが最も好ましい。取り扱い時に摩擦やこすれにより部分的に発熱する場合でも、収縮率が小さいことで安定的に使用することができる。収縮率はJIS1013の8.18.2の乾熱寸法変化率の方法に準じ、乾燥器の放置時間を5分として測定する。
本実施形態の複合糸では、該複合糸の表面粗さが 0.25μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.20μm以下であり、さらに好ましくは0.15μm以下であり、最も好ましくは0.10μm以下である。表面粗さが小さいと、糸を取り扱う際の解舒、整経、杼打ち、筬打ち、巻き取りなどの工程における機械装置の接触部位に対する摩擦が少なく、高速で安定的に取り扱うことができる。
複合糸の表面粗さは、複合糸の任意の場所を深度合成可能な光学顕微鏡を用いて糸の長手方向に沿って100μm間を測定することができる。
複合糸の表面粗さは、複合糸の任意の場所を深度合成可能な光学顕微鏡を用いて糸の長手方向に沿って100μm間を測定することができる。
また、本実施形態の複合糸は長レンジの表面粗さが6μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることが更に好ましく、3.5μm以下であることが最も好ましい。長レンジの表面粗さとは、糸の長手方向に沿って4000μmの測定により得られる。
表面粗さを小さくするためには、例えば、図4、5に示すように、樹脂供給装置の先端に少なくとも孔Aと孔Bを備えるノズルを具備する装置を用い、孔Aには連続強化繊維のみを通過させ、孔Bには、孔Aを通過した連続強化繊維と熱可塑性樹脂を同時に通過させて、連続強化繊維の太さと熱可塑性樹脂の付着量に応じて、孔Aと孔Bの大きさを調整する方法を採用することができる。
本実施形態の複合糸は、複合糸の任意の断面における複合糸の面積重心と、該複合糸中の連続強化繊維の束の面積重心との距離を、複合糸の円面積相当半径によって除した値である偏心率が12%以下であることが好ましく、11%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましく、9%以下であることが最も好ましい。
複合糸の重心と、連続強化繊維の束の重心が近いほど、高速で走行する糸道の安定性につながる。複合糸面積重心と、複合糸中の強化繊維の束の面積重心は、複合糸の任意の断面を観察することで測定することができる。具体的には複合糸の地点で切断し、その断面から液状のエポキシ樹脂を注入(例えば、エポキシ樹脂に複合糸断面を漬け込むことで毛管現象により吸引される)し硬化させた後に硬化している部分の切断断面を精密に研磨した後、透過型電子顕微鏡(SEM)の反射電子画像を撮影し、画像処理によって求めることができる。尚、面積重心と重心は、厳密には重量補正が必要であるが、強化繊維束中の強化繊維についても偏りがある場合も考えられ正確に補正するのは難しい。しかしながら、重量の大きな強化繊維側に重心がよるはずなので補正をするほど両者が近づくことになるため、面積中心が近ければ重心も近くなる。
本実施形態の複合糸では、図1に示すように該複合糸の断面における連続強化繊維の合計の断面積をA(μm2)、そして該複合糸中の該連続強化繊維の束の占有面積をB(μm2)とするとき、以下の式:
緻密指数=A/B
で表される緻密指数が0.45以上であることが好ましく、より好ましくは0.47以上、さらに好ましくは0.50以上、最も好ましくは0.53以上である。ここで、連続強化繊維の合計の断面積は断面積の写真を画像処理することによって求めることができる。連続強化繊維の束の占有面積B(μm2)は、図2に示すように、連続強化繊維と熱可塑性樹脂との接点を結んだ線により囲まれた領域の面積である。したがって、緻密指数とは、許可繊維の合計の断面積を前記占有面積Bで除した値であり、1よりも小さな値となる。緻密指数が大きいほど(1に近づくほど)複合糸中の連続強化繊維の束において、連続長強化繊維が密な状態で存在し、強化繊維の単糸の遊びがなくなるため好ましい。
緻密指数=A/B
で表される緻密指数が0.45以上であることが好ましく、より好ましくは0.47以上、さらに好ましくは0.50以上、最も好ましくは0.53以上である。ここで、連続強化繊維の合計の断面積は断面積の写真を画像処理することによって求めることができる。連続強化繊維の束の占有面積B(μm2)は、図2に示すように、連続強化繊維と熱可塑性樹脂との接点を結んだ線により囲まれた領域の面積である。したがって、緻密指数とは、許可繊維の合計の断面積を前記占有面積Bで除した値であり、1よりも小さな値となる。緻密指数が大きいほど(1に近づくほど)複合糸中の連続強化繊維の束において、連続長強化繊維が密な状態で存在し、強化繊維の単糸の遊びがなくなるため好ましい。
緻密指数を大きくするためには、連続強化繊維に熱可塑性樹脂を被覆させる際に連続強化繊維を緻密化させておくことが好ましい。かかる緻密化の方法としては、例えば、連続強化繊維にテンションをかけた状態で、これに溶融熱可塑性樹脂を接触させる方法が挙げられる。
複合糸中の連続強化繊維合計面積Bは、複合糸の任意の断面を観察することで測定することができる。具体的には複合糸の切断面から液状のエポキシ樹脂を注入(例えば、エポキシ樹脂に複合糸断面を漬け込むことで毛管現象により吸引される)し硬化させた後に硬化している部分の切断面を精密に研磨した後、図3に示すように透過型電子顕微鏡(SEM)の反射電子画像を撮影し、画像処理によって求めることができる。複合糸の樹脂、エポキシ樹脂、強化繊維を区別し、強化繊維の断面の合計面積、強化繊維の束の占有面積を算出する。この時、強化繊維の束の専有面積は熱可塑性樹脂の最内部を結んだ線により囲まれた面積となる。
本実施形態の複合糸は、単体で強度の高い糸として使用することができ、他の素材を強化するための強化繊維として用いることができ、一部を溶融させて用いることもでき、他の素材と溶融接合して強化を行うこともできる。複合糸を加工した布状とし、他の素材を強化するための強化布として用いることもでき、加熱加工を行うことで連続強化繊維樹脂成形体とすることもできる。
本実施形態の複合糸は、モノフィラメント状であるため、1本のみの形態であるが、使用時や加工時には、かかる複合糸を複数の形態で用いてもよい。撚りが入っている場合は糸が集まりやすく含浸に好ましい効果が得られる。撚りのない複合糸を使用する場合には、複合糸の傷つきを防止する観点から1本のみを使用することが好ましい。
本実施形態の複合糸は、取り扱い性の観点から、直径I(μm)は、10〜5000μmであることが好ましく、50〜2000μmであることがより好ましく、100〜1500μmであることがさらに好ましい。ここでいう直径とは円面積相当直径のことである。
連続強化繊維と、それを被覆する熱可塑性樹脂との体積比率は、糸の強度と取り扱い性、被覆層である熱可塑性樹脂の剥離を防止するという観点から、連続強化繊維:熱可塑性樹脂=10:90〜80:20であることが好ましく、20:80〜70:30であることがより好ましく、30:70〜60:40であることがさらに好ましい。
[連続強化繊維]
本実施形態の複合糸は、連続強化繊維を具備する。
連続強化繊維としては、通常の繊維強化複合成形体に使用されるものを用いることができる。
連続強化繊維としては、以下に限定されるものではないが、無機繊維であることが好ましく、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維、金属繊維、セラミックス繊維等が挙げられる。
本実施形態の複合糸は、連続強化繊維を具備する。
連続強化繊維としては、通常の繊維強化複合成形体に使用されるものを用いることができる。
連続強化繊維としては、以下に限定されるものではないが、無機繊維であることが好ましく、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維、金属繊維、セラミックス繊維等が挙げられる。
機械的特性、熱的特性、汎用性の観点からは、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維が好ましく、生産性の面からは、ガラス繊維が好ましい。繊維の安定性の観点からは、金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維が好ましい。
連続強化繊維として、ガラス繊維を選択した場合、集束剤を用いてもよく、集束剤は、シランカップリング剤、潤滑剤、及び結束剤からなることが好ましい。
連続強化繊維として、ガラス繊維を選択した場合、集束剤を用いてもよく、集束剤は、シランカップリング剤、潤滑剤、及び結束剤からなることが好ましい。
[シランカップリング剤]
シランカップリング剤は、通常、ガラス繊維の表面処理剤として用いられ、溶融した樹脂との界面接着強度向上に寄与する。
シランカップリング剤は、通常、ガラス繊維の表面処理剤として用いられ、溶融した樹脂との界面接着強度向上に寄与する。
シランカップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及びγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類等が挙げられる。
[潤滑剤]
潤滑剤は、ガラス繊維の開繊性向上に寄与する。
潤滑剤としては、目的に応じた通常の液体又は固体の任意の潤滑材料が使用可能であり、以下に限定されるものではないが、例えば、カルナウバワックスやラノリンワックス等の動植物系又は鉱物系のワックス;脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、芳香族系エステル、芳香族系エーテル等の界面活性剤等が挙げられる。
潤滑剤は、ガラス繊維の開繊性向上に寄与する。
潤滑剤としては、目的に応じた通常の液体又は固体の任意の潤滑材料が使用可能であり、以下に限定されるものではないが、例えば、カルナウバワックスやラノリンワックス等の動植物系又は鉱物系のワックス;脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、芳香族系エステル、芳香族系エーテル等の界面活性剤等が挙げられる。
[結束剤]
結束剤は、ガラス繊維の集束性向上や溶融した樹脂との界面接着強度向上に寄与する。
結束剤としては、目的に応じたポリマー、熱可塑性樹脂が使用可能である。
結束剤は、ガラス繊維の集束性向上や溶融した樹脂との界面接着強度向上に寄与する。
結束剤としては、目的に応じたポリマー、熱可塑性樹脂が使用可能である。
結束剤としてのポリマーは、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマー、これらの第1級、第2級又は第3級アミンとの塩等が挙げられる。また、例えば、m−キシリレンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、イソホロンジイソシアナート等のイソシアネートと、ポリエステル系やポリエーテル系のジオールとから合成されるポリウレタン樹脂も好適に使用される。
アクリル酸のホモポリマー、コポリマーは、重量平均分子量1,000〜90,000であるものが好ましく、より好ましくは1,000〜25,000である。
アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマーを構成する共重合性モノマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、水酸基及び/又はカルボキシル基を有するモノマーのうち、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びメサコン酸よりなる群から選択される1種以上が挙げられる(但し、アクリル酸のみの場合を除く)。共重合性モノマーとして、エステル系モノマーを1種以上有することが好ましい。
アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマーを構成する共重合性モノマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、水酸基及び/又はカルボキシル基を有するモノマーのうち、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びメサコン酸よりなる群から選択される1種以上が挙げられる(但し、アクリル酸のみの場合を除く)。共重合性モノマーとして、エステル系モノマーを1種以上有することが好ましい。
アクリル酸のホモポリマー、コポリマーの第1級、第2級又は第3級アミンとの塩としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩やグリシン塩等が挙げられる。中和度は、他の併用薬剤(シランカップリング剤等)との混合溶液の安定性向上や、アミン臭低減の観点から、20〜90%とすることが好ましく、40〜60%とすることがより好ましい。
塩を形成するアクリル酸のポリマーの重量平均分子量は、特に制限されないが、3,000〜50,000の範囲が好ましい。ガラス繊維の集束性向上の観点から、3,000以上が好ましく、複合成形体とした際の特性向上の観点から50,000以下が好ましい。
結束剤として用いられる熱可塑性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、熱可塑性フッ素系樹脂、これらを変性させた変性熱可塑性樹脂等が挙げられる。結束剤として用いられる熱可塑性樹脂は、強化繊維の周囲を被覆する樹脂と同種の熱可塑性樹脂及び/又は変性熱可塑性樹脂であると、複合成形体となった後、ガラス繊維と熱可塑性樹脂の接着性が向上し、好ましい。
尚、シランカップリング剤や結束剤と樹脂が結合するためには、両者が接した状態で一定時間の加熱を受ける必要があり、複合糸の製造におけるコーティングの場合、樹脂は溶融しているものの冷えたガラス繊維と接触するため接着力は発現しない。ガラス繊維を予め加熱しておいたとしても、コーティングにおける樹脂との接触時間が短いため接着力は発現しない。他方、成形時はガラス繊維と熱可塑性樹脂が接触した状態で加熱されるので界面の強度が高まる。
さらに、一層、連続強化繊維とそれを被覆する熱可塑性樹脂との成形時における接着性を向上させ、集束剤を水分散体としてガラス繊維に付着させる場合において、乳化剤成分の比率を低減、あるいは乳化剤不要とできる等の観点から、結束剤として用いられる熱可塑性樹脂としては、変性熱可塑性樹脂が好ましい。
ここで、変性熱可塑性樹脂とは、熱可塑性樹脂の主鎖を形成し得るモノマー成分以外に、その熱可塑性樹脂の性状を変化させる目的で、異なるモノマー成分を共重合させ、親水性、結晶性、熱力学特性等を改質したものを意味する。
結束剤として用いられる変性熱可塑性樹脂は、以下に限定されるものではないが、例えば、変性ポリオレフィン系樹脂、変性ポリアミド系樹脂、変性ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
結束剤としての変性ポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマーと不飽和カルボン酸等のオレフィン系モノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体であり、公知の方法で製造できる。オレフィン系モノマーと不飽和カルボン酸とを共重合させたランダム共重合体でもよいし、オレフィンに不飽和カルボン酸をグラフトしたグラフト共重合体でもよい。
オレフィン系モノマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等が挙げられる。これらは1種のみを単独で使用してもよく、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられ、これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
オレフィン系モノマーと、当該オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマーとの共重合比率としては、共重合の合計質量を100質量%として、オレフィン系モノマー60〜95質量%、オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマー5〜40質量%であることが好ましく、オレフィン系モノマー70〜85質量%、オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマー15〜30質量%であることがより好ましい。オレフィン系モノマーが60質量%以上であれば、マトリックスとの親和性が良好であり、また、オレフィン系モノマーの質量%が95質量%以下であれば、変性ポリオレフィン系樹脂の水分散性が良好で、連続強化繊維への均一付与が行いやすい。
結束剤として用いられる変性ポリオレフィン系樹脂は、共重合により導入したカルボキシル基等の変性基が、塩基性化合物で中和されていてもよい。塩基性化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ類;アンモニア;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類が挙げられる。結束剤として用いられる変性ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、特に制限されないが、5,000〜200,000が好ましく、50,000〜150,000がより好ましい。ガラス繊維の集束性向上の観点から5,000以上が好ましく、水分散性とする場合の乳化安定性の観点から200,000以下が好ましい。
結束剤として用いられる変性ポリアミド系樹脂とは、分子鎖中にポリアルキレンオキサイド鎖や3級アミン成分等の親水基を導入した変性ポリアミド化合物であり、公知の方法で製造できる。
分子鎖中にポリアルキレンオキサイド鎖を導入する場合は、例えば、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等の一部又は全部をジアミン又はジカルボン酸に変性したものを共重合して製造される。3級アミン成分を導入する場合は、例えばアミノエチルピペラジン、ビスアミノプロピルピペラジン、α−ジメチルアミノε−カプロラクタム等を共重合して製造される。
結束剤として用いられる変性ポリエステル系樹脂とは、ポリカルボン酸又はその無水物とポリオールとの共重合体で、かつ末端を含む分子骨格中に親水基を有する樹脂であり、公知の方法で製造できる。
親水基としては、例えば、ポリアルキレンオキサイド基、スルホン酸塩、カルボキシル基、これらの中和塩等が挙げられる。ポリカルボン酸又はその無水物としては、芳香族ジカルボン酸、スルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、3官能以上のポリカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸等が挙げられる。
スルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スルホテレフタル酸塩、5−スルホイソフタル酸塩、5−スルホオルトフタル酸塩等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸又は脂環式ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
3官能以上のポリカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
これらの中で、変性ポリエステル系樹脂の耐熱性を向上させる観点から、全ポリカルボン酸成分の40〜99モル%が芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。また、変性ポリエステル系樹脂を水分散液とする場合の乳化安定性の観点から、全ポリカルボン酸成分の1〜10モル%がスルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
変性ポリエステル樹脂を構成するポリオールとしては、ジオール、3官能以上のポリオール等が挙げられる。
ジオールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。3官能以上のポリオールとしては、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
変性ポリエステル樹脂を構成するポリカルボン酸又はその無水物とポリオールとの共重合比率としては、共重合成分の合計質量を100質量%として、ポリカルボン酸又はその無水物40〜60質量%、ポリオール40〜60質量%であることが好ましく、ポリカルボン酸又はその無水物45〜55質量%、ポリオール45〜55質量%がより好ましい。
変性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量としては、3,000〜100,000が好ましく、10,000〜30,000がより好ましい。ガラス繊維の集束性向上の観点から3,000以上が好ましく、水分散性とする場合の乳化安定性の観点から100,000以下が好ましい。
結束剤として用いる、前記ポリマー、熱可塑性樹脂は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
結束剤の全量を100質量%として、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマー、並びにこれらの第1級、第2級及び第3級アミンとの塩より選択された1種以上のポリマーを50質量%以上、60質量%以上用いることがより好ましい。
[ガラス繊維用の集束剤の組成]
連続強化繊維としてガラス繊維を用いた場合、当該ガラス繊維の集束剤においては、それぞれ、シランカップリング剤を0.1〜2質量%、潤滑剤を0.01〜1質量%、結束剤を1〜25質量%を含有することが好ましく、これらの成分を水で希釈し、全質量を100質量%に調整することが好ましい。
連続強化繊維としてガラス繊維を用いた場合、当該ガラス繊維の集束剤においては、それぞれ、シランカップリング剤を0.1〜2質量%、潤滑剤を0.01〜1質量%、結束剤を1〜25質量%を含有することが好ましく、これらの成分を水で希釈し、全質量を100質量%に調整することが好ましい。
ガラス繊維用の集束剤におけるシランカップリング剤の配合量は、ガラス繊維の集束性向上及び界面接着強度向上と複合成形体の機械的強度向上との観点から、0.1〜2質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1質量%、さらに好ましくは0.2〜0.5質量%である。
ガラス繊維用の集束剤における潤滑剤の配合量は、充分な潤滑性を与えるという観点、及びエアスプライサーによる繋ぎ糸の引張り破断強力向上と混繊工程における開繊性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上であり、界面接着強度向上と複合成形体の機械的強度向上の観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
ガラス繊維用の集束剤における結束剤の配合量は、ガラス繊維の集束性制御及び界面接着強度向上と複合成形体の機械的強度向上との観点から、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。
[ガラス繊維用の集束剤の使用態様]
ガラス繊維用の集束剤は、使用態様に応じて、水溶液、コロイダルディスパージョンの形態、乳化剤を用いたエマルジョンの形態等、いずれの形態に調製してもよいが、集束剤の分散安定性向上、耐熱性向上の観点から、水溶液の形態とすることが好ましい。
ガラス繊維用の集束剤は、使用態様に応じて、水溶液、コロイダルディスパージョンの形態、乳化剤を用いたエマルジョンの形態等、いずれの形態に調製してもよいが、集束剤の分散安定性向上、耐熱性向上の観点から、水溶液の形態とすることが好ましい。
本実施形態の複合糸及び連続強化繊維樹脂成形体を構成する連続強化繊維としてのガラス繊維は、上述した集束剤を、公知のガラス繊維の製造工程において、ローラー型アプリケーター等の公知の方法を用いて、ガラス繊維に付与して製造したガラス繊維を乾燥することによって連続的に得られる。
集束剤は、ガラス繊維100質量%に対し、シランカップリング剤、潤滑剤及び結束剤の合計質量として、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜2質量%、さらに好ましくは0.2〜1質量%付与する。
ガラス繊維の集束性制御と界面接着強度向上の観点から、集束剤の付与量が、ガラス繊維100質量%に対し、シランカップリング剤、潤滑剤及び結束剤の合計質量として0.1質量%以上であることが好ましく、エアスプライサーによる繋ぎ糸の引張り破断強力向上と混繊工程における開繊性向上の観点から3質量%以下であることが好ましい。
尚、連続強化繊維として、炭素繊維を選択した場合には、集束剤は、潤滑剤、結束剤からなることが好ましい。集束剤、潤滑剤、結束剤の種類については、特に制限はなく公知の物が使用できる。具体的材料としては、前記特許文献1(特開2015−101794号公報)に記載されている材料を使用できる。
その他の連続強化繊維を用いる場合、連続強化繊維の特性に応じ、ガラス繊維、炭素繊維に用いる集束剤の種類、付与量を適宜選択すればよく、炭素繊維に用いる集束剤に準じた集束剤の種類、付与量とすることが好ましい。
[連続強化繊維の形状]
本実施形態の複合糸を構成する連続強化繊維はマルチフィラメントである。単糸数Bは、混繊工程における開繊性、取扱い性の観点から30〜15,000本であることが好ましい。
本実施形態の複合糸を構成する連続強化繊維はマルチフィラメントである。単糸数Bは、混繊工程における開繊性、取扱い性の観点から30〜15,000本であることが好ましい。
連続強化繊維の単糸径Aは、強度の観点、及び、取り扱い性の観点から2〜30μmであることが好ましく、4〜25μmであることがより好ましく、6〜20μmであることがさらに好ましく、8〜15μmであることがさらにより好ましい。
本実施形態の複合糸の製造に使用する原材料としての連続強化繊維はどのような形態でも構わないが、撚りのあるヤーン、ケーキ、撚りのないDWR(ダイレクトワインドロービング)に巻き取ってあると、樹脂を被覆させる工程での生産性、生産安定性が高まるため好ましい。生産性の観点からはDWRが、生産安定性の観点からはヤーンが好ましい。
[熱可塑性樹脂]
本実施形態の複合糸は、上述した連続強化繊維と、当該連続強化繊維を被覆する熱可塑性樹脂を具備する。
本実施形態の複合糸は、上述した連続強化繊維と、当該連続強化繊維を被覆する熱可塑性樹脂を具備する。
熱可塑性樹脂は、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド46等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエーテルケトン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルスルフォン;ポリフェニレンサルファイド;ポリフェニレンエーテル;熱可塑性ポリエーテルイミド;ABS;アクリロニトリルスチレン樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリブタジエンスチレン樹脂などの合成ゴム系樹脂;塩化ビニル樹脂や塩化ビニリデン樹脂などの塩素系樹脂;テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等の熱可塑性フッ素系樹脂、及びこれらを変性させた変性熱可塑性樹脂が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、及び熱可塑性フッ素系樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂が、機械的物性、汎用性の観点からより好ましく、熱的物性の観点を加えるとポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂がさらに好ましい。また、繰り返し荷重負荷に対する耐久性の観点からポリアミド系樹脂がよりさらに好ましく、ポリアミド66(PA66)を好適に用いることができる。
樹脂の粘度や表面張力調整、界面強度の強化のために複数の樹脂をコンパウンドして用いることは好ましい。
[ポリエステル系樹脂]
ポリエステル系樹脂とは、主鎖に−CO−O−(エステル)結合を有する高分子化合物を意味する。
ポリエステル系樹脂とは、主鎖に−CO−O−(エステル)結合を有する高分子化合物を意味する。
熱可塑性樹脂として用いられるポリエステル系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂は、ホモポリエステルであってもよく、また、共重合ポリエステルであってもよい。
共重合ポリエステルの場合、ホモポリエステルに適宜第3成分を共重合させたものが好ましく、第3成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分等が挙げられる。
また、バイオマス資源由来の原料を用いたポリエステル系樹脂を用いることもでき、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネートアジペート等の脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリブチレンアジペートテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
[ポリアミド系樹脂]
ポリアミド系樹脂とは、主鎖に−CO−NH−(アミド)結合を有する高分子化合物を意味する。
ポリアミド系樹脂とは、主鎖に−CO−NH−(アミド)結合を有する高分子化合物を意味する。
熱可塑性樹脂として用いられるポリアミド系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラクタムの開環重合で得られるポリアミド、ω−アミノカルボン酸の自己縮合で得られるポリアミド、ジアミン及びジカルボン酸を縮合することで得られるポリアミド、並びにこれらの共重合物が挙げられる。
ポリアミド系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
ポリアミド系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
ラクタムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ピロリドン、カプロラクタム、ウンデカンラクタムやドデカラクタムが挙げられる。ω−アミノカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラクタムの水による開環化合物であるω−アミノ脂肪酸が挙げられる。ラクタム又はω−アミノカルボン酸はそれぞれ2種以上の単量体を併用して縮合させてもよい。
ジアミン(単量体)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキサメチレンジアミンやペンタメチレンジアミン等の直鎖状の脂肪族ジアミン;2−メチルペンタンジアミンや2−エチルヘキサメチレンジアミン等の分岐型の脂肪族ジアミン;p−フェニレンジアミンやm−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、シクロペンタンジアミンやシクロオクタンジアミン等の脂環式ジアミンが挙げられる。
ジカルボン酸(単量体)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アジピン酸、ピメリン酸やセバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸やイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。単量体としてのジアミン及びジカルボン酸はそれぞれ1種単独又は2種以上の併用により縮合させてもよい。
ポリアミド系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド4(ポリα−ピロリドン)、ポリアミド6(PA6、ポリカプロアミド)、ポリアミド11(ポリウンデカンアミド)、ポリアミド12(ポリドデカンアミド)、ポリアミド46(ポリテトラメチレンアジパミド)、ポリアミド66(PA66、ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド9T(ポリノナンメチレンテレフタルアミド)、及びポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)、並びにこれらを構成成分として含む共重合ポリアミドが挙げられる。
共重合ポリアミドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンテレフタルアミドの共重合物、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンイソフタルアミドの共重合物、並びにヘキサメチレンテレフタルアミド及び2−メチルペンタンジアミンテレフタルアミドの共重合物が挙げられる。
[複合糸の製造方法]
本実施形態の複合糸の製造方法は、連続強化繊維に熱可塑性樹脂を被覆する工程を有する。複合糸の製造装置は、糸の送り出し装置、樹脂を溶融させる装置、ダイ、冷却装置、検知器、巻き取り機等から構成されることが好ましく、押出式コーティング装置、ディッピング式コーティング装置等が使用できる。樹脂の厚みをコントロールしやすい押出式コーティング装置が好ましい。
本実施形態の複合糸の製造方法は、連続強化繊維に熱可塑性樹脂を被覆する工程を有する。複合糸の製造装置は、糸の送り出し装置、樹脂を溶融させる装置、ダイ、冷却装置、検知器、巻き取り機等から構成されることが好ましく、押出式コーティング装置、ディッピング式コーティング装置等が使用できる。樹脂の厚みをコントロールしやすい押出式コーティング装置が好ましい。
連続強化繊維の周囲に熱可塑性樹脂を均一に被覆するためには、熱可塑性樹脂の粘度、連続強化繊維の比重、密度、熱可塑性樹脂と連続強化繊維の親和性が重要であり、連続強化繊維を、熱可塑性樹脂を溶融させたものと圧力がかかった状態で接触すること、連続強化繊維と溶融した熱可塑性樹脂が接触し排出されるダイ部分の形状、連続強化繊維の張力、熱可塑性樹脂の溶融温度、ライン速度の調整が重要であり、特にダイの形状が重要となる。
本実施形態の複合糸の製造装置は、図4に示すように、少なくとも連続強化繊維の送り出し装置、コーティング部を備えるダイを具備する樹脂供給装置、冷却部、巻き取り機等から構成されることが好ましい。連続強化繊維の送り出し装置とコーティング部の間には、連続強化繊維の張力制御装置、誘導装置を備えることが好ましい。図5に示すように、コーティング部を備えるダイは、少なくとも孔Aと孔Bを備え、一定圧力下で溶融した樹脂を包み込むように連続強化繊維に溶融した熱可塑性樹脂を接触させながらその外周全体を被覆する構造を有することが好ましい。本実施形態の熱可塑性樹脂コーティング強化繊維複合糸の製造方法は、その先端に、孔Aと、該孔Aの開孔面積よりも大きな開孔面積し、かつ、該孔Aと同心円状に配置された孔Bとを有するダイを備えた熱可塑性樹脂供給装置を用意する工程;マルチフィラメントである連続強化繊維の束を所定の張力で前記孔Aと前記孔Bを通過させつつ、前記熱可塑性樹脂供給装置からの溶融熱可塑性樹脂を、該孔Bから所定の圧力下で供給して、該連続強化繊維の束の外周を該熱可塑性樹脂で被覆する工程;溶融熱可塑性樹脂で被覆された連続強化繊維の束を冷却し、これを巻き取る、冷却・巻き取り工程;を含むことが好ましい。前記ダイは、取扱い性やメンテナンス性の観点から2つ以上に分離できる構造でもよい。樹脂供給装置としては、押出装置、ディッピング装置等が使用できるが、樹脂の被覆厚みをコントロールしやすい押出装置が好ましい。
冷却部での冷却は空冷でもよいし、水バスに浸漬することによって行ってもよいし、冷却ローラーに巻きつけることによって行ってもよい。冷却ローラーに巻きつけると同時に水を噴霧してもよい。冷却に水を用いた場合は、必要に応じて乾燥機構を設けることが好ましい。乾燥は、空気等の流体を用いて行ってもよいし、温度をかけてもよいし、布等で物理的に水を除去してもよい。巻き取り機は自動制御で行ってもよいし、マニュアル制御をしてもよい。糸の速度は生産性と生産安定性の観点から、10〜2000m/分であることが好ましく、50〜1800m/分であることがより好ましく、100〜1500m/分であることが好ましい。
図5に示すように、連続強化繊維の束の通過方向において、前記ダイにおける孔Aの出口端と孔Bの入口端の間の距離を所定値とすることにより、該ダイ内に所定容量の溶融樹脂溜まり(樹脂滞留部)が存在していることが好ましい。これにより連続強化繊維の熱可塑性樹脂被覆からの露出を抑制することができる。孔Aの出口端と孔Bの入口端の間の距離(孔AB間の距離)は、連続強化繊維の束の通過方向において、0.5〜10mmが好ましく、1〜5mmがより好ましい。樹脂滞留部は、溶融状態の熱可塑性樹脂と連続強化繊維が接触する部分の樹脂の圧力が均一になるような設計が好ましい。また、樹脂温度が低下し、粘度が低下しダイ内圧が上昇しすぎることを抑制するためダイ及び樹脂滞留部の温度は樹脂の融点以上であることが好ましい。
前記孔Aの断面積は、前記連続強化繊維の最密充填時の前記連続強化繊維の束の断面積に対して、101%〜1000%であることが好ましく、より好ましくは110%〜800%、さらに好ましくは125%〜700%、最も好ましくは150%〜500%である。すなわち、連続強化繊維が孔Aを抵抗なく通過するため、孔Aの断面積は連続強化繊維最密時の断面積より少なくとも50%以上大きいことが好ましい。孔Aが50%以上大きいことにより孔A通過時の摩擦と抵抗が低下し連続強化繊維の傷つきと糸切れを抑制することができる。また、孔Aの内側は抵抗を低くするため、凹凸のない構造が好ましいが、孔Aが連続強化繊維の束よりも大きすぎると孔A通過時に孔A内での連続強化繊維のバタツキが大きくなるため、被覆不良が発生し複合糸の表面の凹凸が大きくなる。また最密充填時の前記連続強化繊維の束の断面積は連続強化繊維の直径をA(mm)、連続強化繊維の単糸数B(本)とした場合、下記式:
最密充填時の連続強化繊維の束の断面積(mm2)=√3πA2B/2
で表すことができる。
最密充填時の連続強化繊維の束の断面積(mm2)=√3πA2B/2
で表すことができる。
孔Bの断面積は、孔Aの断面積に対して、100%〜1000%であることが好ましく、より好ましくは101%〜600%、さらに好ましくは105%〜400%、最も好ましくは110%〜200%である。すなわち、複合糸のコーティング被覆の均一化、連続強化繊維の被覆からの露出抑制等の被覆品質の観点から、孔Bの断面積が孔A断面積より少なくとも10%以上大きいことが好ましい。このことにより連続強化繊維を均一に樹脂で被覆することが可能になり強化繊維の露出を減らすことができる。また、繊維体積含有率やダイ内圧の観点から、孔Bの断面積は、孔Aの断面積の110〜200%であることがより好ましい。
前記連続強化繊維の前記所定の張力が、0.01N〜1000Nであり、かつ、運転中の該張力の変動が少ないことが好ましく、より好ましくは0.05N〜500N、さらに好ましくは0.1N〜100N、最も好ましくは0.5N〜10Nである。複合糸の外観品質の観点から、孔Aと孔B通過時の連続強化繊維の張力を一定に保つことが好ましい。連続強化繊維に適切な張力を与えることにより、連続強化繊維束が結束し密度が高く、かつ、表面凹凸の少ない複合糸を得ることができる。すなわち、張力の制御は、連続安定運転(糸ぎれ抑制)、連続強化繊維の束の結束、緻密指数、線径減少、コーティング複合糸の表面粗さの減少、糸むら(糸径変動)の抑制等に貢献する。連続強化繊維を被覆する孔B通過時に連続強化繊維が振動すると複合糸表面の凹凸が大きくなる。
張力は、使用する連続強化繊維がロービング形態であるかヤーン形態であるかによって変動する。ガラス繊維はヤーン形態だけではなくロービング形態のガラス繊維を用いることができる。ロービング形態のガラス繊維を用いる場合はヤーン形態よりもガラス繊維が傷み易いため前記のガイドの材質や表面処理が重要となる。また、ロービング形態のガラス繊維は解舒時の張力変動がヤーン形態よりも大きいため、前記の張力制御がより重要となる。
前記所定の張力を、前記連続強化繊維の束の通過方向において、前記孔Aの手前に配置される張力制御装置によって調整することが好ましい。連続強化繊維の張力を制御するための装置は、ダイの前に配置することが好ましく、電子制御、機械制御のどちらで張力を制御してもよい。電子制御装置は特に制限されないが、例えば、ダンサーロール、ネルソンロール方式などが挙げられる。機械制御装置も特に制限されないが、例えば、板バネ、ワッシャー、ゲート、リング、パウダーブレーキ方式などが挙げられる。
前記連続強化繊維の束の通過方向において、前記孔Aの手前に配置される誘導装置によって、前記強化繊維の束を前記孔Aに誘導することが好ましい。誘導装置は、前記した張力の制御と同様に、連続安定運転(糸ぎれ抑制)、連続強化繊維の束の結束、緻密指数、線径減少、コーティング複合糸の表面粗さの減少、糸むら(糸径変動)の抑制等に貢献する。誘導装置は、特に制限されないが、例えば、円状のガイド、集合ガイド、ポール、ローラーなどが挙げられる。強化繊維の傷つき防止の観点からベアリングローラーを用いることがより好ましい。
前記張力制御装置、前記誘導装置、及び前記孔Aにおける連続強化繊維との接触する部位と、前記通過する連続強化繊維との間の動摩擦は低いことが好ましい。連続強化繊維との接触面の材質や表面処理は、連続強化繊維の材質および運転状況に適した材質や表面処理を選択することが好ましい。基本的には低摩擦の材質及び処理をすることが好ましいが接触面で連続強化繊維が傷み、粉や糸くずが発生する場合は別の材質や表面処理を選択することが好ましい。
連続安定運転、糸切れ抑制、コーティング品質向上、コーティング被覆の均一化、コーティング表面の表面粗さの減少(特に、長さ方向)、連続強化繊維の被覆からの露出抑制、コーティング量の最適制御を行うために、前記孔Bの断面積、前記連続強化繊維の最密充填時の前記連続強化繊維の束の断面積前記連続強化繊維の最密充填時の断面積、最終生成物である熱可塑性樹脂コーティング強化繊維複合糸の繊維含有率、巻取速度、樹脂吐出量を調整することが好ましい。これらの項目は相互に影響しているため、それぞれの項目で調整が必要である。
それぞれの項目を決める手順として以下のように決めることが好ましい。
(1)使用する連続強化繊維と最終生成物である熱可塑性樹脂コーティング強化繊維複合糸の繊維含有率から孔Bの断面積を決定する。
(2)生産性の観点および運転中の連続強化繊維の痛みより巻取速度を決定する。
(3)目的の繊維含有率となるように樹脂吐出量を調整する。
(1)使用する連続強化繊維と最終生成物である熱可塑性樹脂コーティング強化繊維複合糸の繊維含有率から孔Bの断面積を決定する。
(2)生産性の観点および運転中の連続強化繊維の痛みより巻取速度を決定する。
(3)目的の繊維含有率となるように樹脂吐出量を調整する。
このとき樹脂吐出量が少なすぎると、連続強化繊維の露出、コーティング被覆の不均一化、表面粗さの増加などの不良が発生する。また逆に、吐出量が多すぎると孔Aの出口端と孔Bの入口端の間の内圧が上昇しすぎるためコーティング被覆の不均一化、表面粗さの増加そして連続強化繊維の糸切れなどの不良が発生する。
連続安定運転、糸切れ抑制、コーティング品質向上、コーティング表面粗さ減少(特に長さ方向)の観点から、前記孔Bを通過する直前の溶融熱可塑性樹脂の粘度が重要である。溶融熱可塑性樹脂の粘度は孔Bの断面積、巻取速度や樹脂吐出量の運転条件に密接に関係しており最適な粘度を選択する必要がある。
前記孔Bの表面温度は、使用する熱可塑性樹脂の融点よりも、0〜100℃高いことが好ましく、より好ましくは0〜75℃、さらに好ましくは5〜50℃である。これにより、溶融熱可塑性樹脂の粘度を最適に制御することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂コーティング強化繊維複合糸の製造方法は、以下の運転開始手順:
(1)連続強化繊維の束を、800m/分以下の速度で、前記孔Aと孔Bに通過させる;
(2)前記孔Bから熱可塑性樹脂を、コーティング後の強化繊維複合糸の連続強化繊維が露出しない吐出量で供給する;
(3)連続強化繊維の束の外周に樹脂が被覆されたことを確認した後、コーティング後の強化繊維複合糸の連続強化繊維が露出しないよう、熱可塑性樹脂の吐出量を調整しながら最終生成物である熱可塑性樹脂コーティング強化繊維複合糸の巻取速度(m/分)を、引き上げる;
により運転を開始することが好ましい。
(1)連続強化繊維の束を、800m/分以下の速度で、前記孔Aと孔Bに通過させる;
(2)前記孔Bから熱可塑性樹脂を、コーティング後の強化繊維複合糸の連続強化繊維が露出しない吐出量で供給する;
(3)連続強化繊維の束の外周に樹脂が被覆されたことを確認した後、コーティング後の強化繊維複合糸の連続強化繊維が露出しないよう、熱可塑性樹脂の吐出量を調整しながら最終生成物である熱可塑性樹脂コーティング強化繊維複合糸の巻取速度(m/分)を、引き上げる;
により運転を開始することが好ましい。
前記運転開始手順は、前記(3)の手順の後に、以下の手順:
(4)冷却を開始する;
をさらに含むことが好ましい。
(4)冷却を開始する;
をさらに含むことが好ましい。
まず、樹脂供給装置は稼働させずに巻取機のみを低速で運転させ、巻取りが正常に行われていることを確認した後、連続強化繊維のみ孔Aと孔Bに通過させることが好ましい。この時の巻き取り速度は5m/分〜800m/分で運転することが好ましく、より好ましくは10m/分〜400m/分、さらに好ましくは15m/分〜200m/分、最も好ましくは20m/分〜100m/分である。
ホッパーへ材料を投入し樹脂供給装置を稼働させ、連続強化繊維に樹脂が被覆されたことを確認する。このとき樹脂はコーティング後の強化繊維複合糸の連続強化繊維が露出しない吐出量で供給することが好ましい。巻取速度変更時は強化繊維の露出や糸切れが発生し易いので、それを抑制するために樹脂が被覆されていることが重要となる。そのため通常運転時よりも樹脂供給量が多い方がより好ましい。
冷却開始は樹脂被覆後に行うことが好ましい。水冷の場合被覆前の強化繊維が水に浸漬すると繊維束が開繊し強化繊維の傷つきや糸切れが発生する。特にロービング形態の強化繊維を使用する際は開繊しやすいのでより重要となる。
巻き取り速度を上げる際はコーティング後の強化繊維複合糸の連続強化繊維が露出しないように樹脂供給量を調整することが好ましい。
速度を上げる際は糸切れを抑制するため毎分20m/分〜800m/分の範囲内で速度を調整することが好ましく、より好ましくは50m/分〜400m/分である。
[複合糸の用途]
本実施形態の複合糸は、線材として糸状で使用したり糸を巻き付けて使用したりしてもよいし、不織布として使用してもよいし、織物、編物、組物として使用してもよい。
本実施形態の複合糸は、線材として糸状で使用したり糸を巻き付けて使用したりしてもよいし、不織布として使用してもよいし、織物、編物、組物として使用してもよい。
スポーツ用品用途として、釣り糸、釣竿、ゴルフクラブシャフト、スキー、カヌー、テニス・バトミントンのラケット、ストリング等、家具・装置用途として、パネル、ハウジング、イス、机、はしご、電気機器用途として、基板、パネル、スイッチギア、絶縁機、電気製品の本体、自動車・二輪車・自転車用途として、本体、ランプハウジング、フロント・エンドパネル、バンパー、座席ハウジング、駆動軸、船舶・ボート用途として、本体、マスト、甲板、航空機、ヘリコプター用途として、一次構造材、二次構造材、内装材、座席、付属部材等に使用できる。また、パイプ、タンク、圧力容器、ブレード、テープ、ロープ、ネット、資材防護カバー、織物、編み物、補強用布帛、カイト用糸、洋弓弦、セイルクロス、幕材、防護材、防弾材として使用できる。また、医療用縫合糸、人工腱、人工筋肉など、生体内で使用する用具に用いることは好ましい。また、コンクリート構造物やモルタル構造物の部分的な剥落防止に好適なシート、セメント補強材などの建築部材に用いることができる。また、繊維強化樹脂補強材、繊維強化ゴム補強材、工作機械部品、電池セパレーター、化学フィルター、吊り下げ紐、膜モジュールや光ファイバーなどの補強材、水素ガスなどの高圧タンクの補強材等の産業用資材に適用可能である。強化繊維にガラス繊維を用いた場合には、耐衝撃性や電波透過性、絶縁性を活かせる分野での使用に好ましい。強化繊維に炭素繊維を用いた場合は、導電性、熱伝導性などを活かせる分野は特に好ましい。複合糸は巻き付けることによって補強材として使用できるし、織物、編物、組物等の形態をつくって補強材として使用することもできる。
本実施形態の複合糸は、抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤーや各種フィルターなどの抄紙用織物を始め、各種フィルターやコンベアベルト等といった各種工業用織物に好適に使用できる。高速織機の技術向上に伴い、走行するモノフィラメントと各種糸道(ローラー、ガイド、ヘルド、筬など)との擦過量が増大する傾向になっており、さらには整経や製織中にモノフィラメントが切れたり、解舒張力に異常が発生したりするなどの様々な問題が生じるようになっているが、本実施形態の複合糸は強度と柔軟性が両立しており、とくにこのようなプロセスでの取り扱い性に優れる。
本実施形態の複合糸は、スクリーン紗用モノフィラメントならびに、それから得られるスクリーン紗は高精度スクリーン印刷、メッシュに好適に用いることができる。スクリーン印刷用織物としては、シルクなどの天然繊維やステンレスなどの無機繊維からなるメッシュ織物が広く使用されてきたが、近年は、柔軟性や耐久性、コストパフォーマンスに優れる合繊メッシュが広く用いられている。モノフィラメントで寸法安定性に優れていると、スクリーン紗適正が高く、コンパクトディスクのレーベル印刷などグラフィックデザイン印刷や電子基板回路印刷などにも使用できる。近年、電子機器の高性能化やコンパクト化が著しく進行する中、電子機器を構成する電子基板のコンパクト化や基板回路の精密化の要求に応えるべく、よりハイメッシュ、かつ繊径ムラなどの織物欠点が少ないスクリーン紗への要求が高まっている。従って、これらのスクリーン紗要求特性を満足する細繊度かつ高強度であり、同時に繊径均一性の優れ、製織時にスカム等の欠点が生じない複合糸は特に好適である。
本実施形態の複合糸は、ポンプ圧送性や施工性に優れ、かつ、速硬性を有する経済的な繊維補強セメント複合材用に好適に用いることができる。使用方法に応じて適宜切断して使用できる。より高い靱性を付与するために繊維の混入量を高めた場合、繊維を水硬性セメント組成物中に均一に分散することが難しくなる。特に繊維密度が小さい場合は、繊維混入量を高めた場合、繊維のファイバーボールが生成しやすく、均一分散性に課題がある。本実施形態の複合糸は、密度調整も容易であり、かつ、表面が均一で凝集性が小さいため分散性に優れる。
本実施形態の複合糸は、建築部材の補強用として例えば、高架道路の柱や橋脚、煙突、高架道路の床版等の土木・建築構造物の補強用等に好適に用いることができる。繊維として巻き付けて使用も可能だし、織物などを形成して使用することもでき、この際の取り扱い性、耐傷つき製に優れる。また、補強としての強度に優れるだけでなく、現場での作業性に特に優れる。コンクリート柱に鉄板を巻いた上に、追加で補強を行うことで強度と靭性(粘り強さ)のバランスに優れた耐震補強を行うことができる。シートとして使用する際には、複合糸の柔軟性により柱等に巻きつける際にフィットしやすく、工事中の作業負荷とコストを軽減させることができる。
本実施形態の複合糸は、人体や動物の体内に挿置する医療装置、例えば、カテーテルや内視鏡等の補強用に好適に用いることができる。カテーテルでは柔軟性を確保しつつ、先端部とカテーテル本体との引っ張り強度を確保することが求められており、補強用の金属の網組体を有するカテーテル本体の先端に、柔軟性等を確保するため、異なる材料からなる先端部を取り付けるタイプのカテーテルが多く存在するが、異種材料間での接着性の問題や、応力集中により破断する可能性がある。金属を強化繊維として用い、樹脂を被覆した複合糸はこのような問題を解決する手段となりうる。
本実施形態の複合糸はグランドパッキンとして好適に使用することができる。グランドパッキンには漏れを止めるためのシール性、軸との接触に耐える摺動性といった、相反する性能が必要である。形態としては、繊維の編組紐に潤滑剤を処理したタイプと、膨張黒鉛シートを成形したダイモールドパッキンが知られる。前者の場合、複合糸の編組紐を作る際の作業性と強度に両立するし、後者の場合、母材と膨張黒鉛との接合部に使用することができる。
本実施形態の複合糸は、医療における固定糸として好適に使用することができる。骨折、例えば脊椎骨折の治療における整復骨の固定(癒合一体化させることをいう。)や、骨移植手術等の骨手術における骨同士の固定のためには、固定が完了するまでの間、骨同士がずれないように相互に強く保持しておく必要がある。ゆるみなく締結するためには、繊維のしなやかさと取り扱い性、強度保持が特に重要である。このような用途の場合、生態的合成のある樹脂を使用することが好ましく、強化繊維も生体適合性のあるチタン細線などが好ましい。
本実施形態の複合糸は、軽量低弛度な架空電線用に好適に使用することができる。架空送電線は、複数本の鋼線を撚り合わせた鋼心をテンションメンバとし、その外側に例えばAlやAl合金から成る送電線を撚り合わせて配置した構造になっている。そして全体を鉄塔間に高張力で張り渡して送電線路が形成される。かかる送電線に求められるのは軽量、低熱膨張、耐候性、高温での弛度抑制であり、複合糸の強化繊維と熱可塑性樹脂を適切に選択することで優れた性能を発揮する。
本実施形態の複合糸は、3Dプリンタ用の熱可塑性フィラメントとして好適に使用することができる。
本実施形態の複合糸は、海底ケーブルに好適に使用できる。海底ケーブルは導体部とその周囲に設けられた絶縁層、さらにその外側に高張力繊維をより合わせてロープとして使用される。高張力繊維には、軽量、柔軟性、耐食性、高強度が求められており、複合糸が好適に使用できる。
本実施形態の複合糸は、コイルの絶縁用素材として好適に使用できる。例えば超電導コイルは、超電導材料からなる芯とマトリクスによって構成される複合線材をコイルボビンに巻回することで構成されるが、その線材間には絶縁層が必要であり複合糸が使用できる。超電導材料はNMR、MRIといった分析機器、医療検査機器、リニアモーターカー、超電導船など輸送機器のモーター、変圧器、電力貯蔵システム(SMES)、限流器など電力エネルギー機器、半導体引上げ装置などが挙げられるが、特に交流超電導において通電が起こるクエンチが問題とされており、耐久性のある絶縁材料が求められる。
本実施形態の複合糸は網戸に好適に使用することができる。風通し、視認性、虫の侵入防止といった基本機能だけでなく、目開きや傷つきによる破損につよい網戸とすることができる。また、添加剤で消臭機能等を簡単に付与することもできる。また、畜舎用に目が粗く通気性がよく、動物の出入りを防止するための網戸にも好適である。仮に動物が無理やり突破しようとしても高強度、高耐衝撃性によって複数回耐えることが可能である。
本実施形態の複合糸は網戸に好適に使用することができる。風通し、視認性、虫の侵入防止といった基本機能だけでなく、目開きや傷つきによる破損につよい網戸とすることができる。また、添加剤で消臭機能等を簡単に付与することもできる。また、畜舎用に目が粗く通気性がよく、動物の出入りを防止するための網戸にも好適である。仮に動物が無理やり突破しようとしても高強度、高耐衝撃性によって複数回耐えることが可能である。
本実施形態の複合糸は、防弾服や保護具等に好適に使用することができる。人体に密着するためには糸の柔軟性が重要である。また、織、編、組等の工程での取り扱い性によって生産性に大きな影響を与える。単純に切創を防止するだけでなく、絶縁素材を用いることで、感電防止等の機能を持たせることもできる。
本実施形態の複合糸は、タイヤのカーカス等に使用されるゴムを繊維補強するためのゴム用コードに好適に使用することができる。剛性と耐疲労性が求められるが、同時に巻き付けるための生産性が重要である。
本実施形態の複合糸は、人工皮革に好適に使用される。人工皮革の表面は極細繊維の交絡体が使用されるが、その補強層として接着性がよく形状追従性が高い織物を組み合わせることで良好な人工皮革が得られる。
本実施形態の複合糸は、家庭用空気清浄機フィルター(特に家電機器向けフィルターユニット)やビル・工場向け空調用フィルター、住宅向け24時間換気用フィルター、病院用フィルター、車載用フィルター等の機械や機器類に好適に使用できる。空気清浄機に求められる性能には、低騒音、省電力、高集塵、高脱臭などの基本性能がある。また近年はフィルターユニットの洗浄再使用が要求されている。従来から空気清浄機にセットされるフィルター部分は、集塵部と脱臭部に分けて配置されているものが多く、一体化が求められている。一体化は洗浄の簡便性だけに限らず、フィルター交換の容易性やコスト削減に有効であるが、単に集塵部分に脱臭機能を付加しただけでは、濾材の厚みが増し、ユニットに収納できる濾材量の減少と構造圧損上昇によるユニット圧損の上昇が起こり、処理風量の低下、騒音増大、消費電力増加、捕集効率の低下などの問題が発生するため、圧損なく強度のある集塵可能な構造が必要であり、本実施形態の複合糸を不織布等の構造に加工すると好ましく使用できる。
本実施形態の複合糸は、摺動性部品に使用することができる。糸のままでもよいし、不織布や織布などにすることで、OA機器や家電機器等における摺動部に使用できる。
以下、本実施形態について、実施例と比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
まず、後述する実施例及び比較例により製造した複合糸、及び連続強化繊維樹脂成形体の特性の評価方法を示す。
まず、後述する実施例及び比較例により製造した複合糸、及び連続強化繊維樹脂成形体の特性の評価方法を示す。
(1)複合糸状態での複合糸中の連続強化繊維の引張強度、及び樹脂を除去した状態での連続強化繊維の引張強度
JIS3420に準拠して測定し引張強さを算出した。
尚、複合糸の状態で引張試験を行う場合、連続強化繊維の破断点と、樹脂の破断点の2種類が観測される場合がある。特に重要となるのが、最初に観測される連続強化繊維の破断強度であり、この強度は連続強化繊維の太さにも依存する。このため、引張試験で観測された強度を、連続強化繊維の総断面積で除した応力値に変換した値を複合糸中の連続強化繊維の引張強度として用いた。
JIS3420に準拠して測定し引張強さを算出した。
尚、複合糸の状態で引張試験を行う場合、連続強化繊維の破断点と、樹脂の破断点の2種類が観測される場合がある。特に重要となるのが、最初に観測される連続強化繊維の破断強度であり、この強度は連続強化繊維の太さにも依存する。このため、引張試験で観測された強度を、連続強化繊維の総断面積で除した応力値に変換した値を複合糸中の連続強化繊維の引張強度として用いた。
連続強化繊維の断面積は、連続強化繊維の繊度(dtex)と密度から算出した。連続強化繊維の繊度は複合糸から樹脂を除去することで測定した。任意の30箇所について測定し平均値を算出した。
断面積(mm2)=繊度(g/10000m)/密度(g/cm3)/10000
複合糸の熱可塑性樹脂のみを溶解し、連続強化繊維には影響を与えない溶媒を用いて熱可塑性樹脂を完全に除去したのちに、同様に引張試験を行うことで樹脂を除去した状態での連続強化繊維の引張強度を測定した。
熱可塑性樹脂除去後の連続強化繊維の強度に対する複合糸中の連続強化繊維の強度を比率としてあらわした。
熱可塑性樹脂除去後の連続強化繊維の強度に対する複合糸中の連続強化繊維の強度を比率としてあらわした。
(2)複合糸の表面粗さ
キーエンス製ワンショット3D形状測定機VR-3200を用いて測定した。複合糸の任意の箇所から2cmほどの大きさに切り取り、クリップで挟んで水平に配置した。12倍レンズにて、ファインモードでオートフォーカスをおこない測定した。線粗さ測定モードにて糸の長手方向に水平に糸の中心部分を100μm測定し、自動傾き補正を行った後、算術平均粗さ(Ra)を任意の場所10点で測定した。同じ糸について50か所を同様の測定を行い、その中央値を表面粗さとした。測定長を4000μmとし同様に測定を行ったものを長レンジの表面粗さとした。
キーエンス製ワンショット3D形状測定機VR-3200を用いて測定した。複合糸の任意の箇所から2cmほどの大きさに切り取り、クリップで挟んで水平に配置した。12倍レンズにて、ファインモードでオートフォーカスをおこない測定した。線粗さ測定モードにて糸の長手方向に水平に糸の中心部分を100μm測定し、自動傾き補正を行った後、算術平均粗さ(Ra)を任意の場所10点で測定した。同じ糸について50か所を同様の測定を行い、その中央値を表面粗さとした。測定長を4000μmとし同様に測定を行ったものを長レンジの表面粗さとした。
(3)複合糸の偏心率
複合糸を任意の場所で切断し液状のエポキシ樹脂を複合糸の内部に浸透させた。エポキシ樹脂が硬化した後、硬化された部分を切断し、精密研磨を行った。走査型電子顕微鏡(日立ハイテク製SU8220)を用いて観察を行い、反射電子像を得た。
複合糸を任意の場所で切断し液状のエポキシ樹脂を複合糸の内部に浸透させた。エポキシ樹脂が硬化した後、硬化された部分を切断し、精密研磨を行った。走査型電子顕微鏡(日立ハイテク製SU8220)を用いて観察を行い、反射電子像を得た。
画像処理ソフトにより強化繊維部分、熱可塑性樹脂部分、エポキシ樹脂部分の判別を行い、複合糸の全体の面積重心、及び、熱可塑性樹脂の内側の部分の面積重心を求め、両者の距離を測定した。また、複合糸の円面積相当半径を算出した。面積重心間距離を円面積相当半径で除したものを百分率で表したものを偏心率とした。任意の30箇所について測定し平均値を算出した。
(4)連続強化繊維と熱可塑性樹脂被覆との間の接着度(接着の有無)の確認方法
ハサミを用いて複合糸を任意の場所で切断した。切断箇所から1cm離れた部分の樹脂部分のみにニッパーを用いて切れ込みを入れた。切れ込みの箇所の両側を両手でもち引っ張った。100か所について同様の試験を行い、樹脂がチューブ状に抜けた場合の割合が80%を超えた場合には接着していないものとした。
ハサミを用いて複合糸を任意の場所で切断した。切断箇所から1cm離れた部分の樹脂部分のみにニッパーを用いて切れ込みを入れた。切れ込みの箇所の両側を両手でもち引っ張った。100か所について同様の試験を行い、樹脂がチューブ状に抜けた場合の割合が80%を超えた場合には接着していないものとした。
(5)複合糸中の繊維体積含有率H(Vf)
複合糸を真空乾燥して水分を除去し、重量を測定した。その後、使用している連続強化繊維の性質に合わせた適当な方法により、樹脂を除去し連続強化繊維の重量を測定した。
複合糸を真空乾燥して水分を除去し、重量を測定した。その後、使用している連続強化繊維の性質に合わせた適当な方法により、樹脂を除去し連続強化繊維の重量を測定した。
強化繊維がガラス繊維の場合、電気炉を使用し650℃で樹脂を焼き飛ばすことで樹脂を除去できる。強化繊維が炭素繊維の場合は予め、熱分析を行い炭素繊維が分解しない温度を確認した後に樹脂を焼き飛ばす。尚、完全に樹脂が分解したことを確認するため、定期的に重量測定を行い重量減少がなくなった時点の重量を測定する。測定によって得られた樹脂の重量、強化繊維の重量に対し、それぞれの密度で除すことにより体積に換算し、繊維体積含有率を計算した。
(6)緻密指数の測定方法
複合糸を任意の場所で切断し液状のエポキシ樹脂を複合糸の内部に浸透させた。エポキシ樹脂が硬化した後、硬化された部分を切断し、精密研磨を行った。走査型電子顕微鏡(日立ハイテク製SU8220)を用いて観察を行い、反射電子像を得た。
複合糸を任意の場所で切断し液状のエポキシ樹脂を複合糸の内部に浸透させた。エポキシ樹脂が硬化した後、硬化された部分を切断し、精密研磨を行った。走査型電子顕微鏡(日立ハイテク製SU8220)を用いて観察を行い、反射電子像を得た。
画像処理ソフトを用い、連続強化繊維の合計の断面積A、連続強化繊維と熱可塑性樹脂との接触点を結んだ線の形状を求めた。樹脂部分の内側の面積を連続強化繊維束の占有面積Bとした。複合糸1本につき、30断面の観察を行い、その平均値を求めた。
緻密指数=A/B
緻密指数=A/B
(7)糸の取り扱い性試験
柔軟性と糸の均質性の総合評価として製織プロセスの安定性試験を行った。複合糸を経糸と緯糸に用いてレピア織機(DORNIER社製、DORNIER RAPIER WEAVING MACHINE P1)を用い4−4綾織にて目付600g/m2となるように製織し、製織速度を20rpm単位で変えながら糸切れ等のトラブルが起こらない最大製織速度を求めた。ここでトラブルが起こらないとは連続で1時間運転した際に、設備を止めて調整必要な回数が3回以下のことを言う。尚、本実施例では、装置の保安上340rpmを上限値とした。
柔軟性と糸の均質性の総合評価として製織プロセスの安定性試験を行った。複合糸を経糸と緯糸に用いてレピア織機(DORNIER社製、DORNIER RAPIER WEAVING MACHINE P1)を用い4−4綾織にて目付600g/m2となるように製織し、製織速度を20rpm単位で変えながら糸切れ等のトラブルが起こらない最大製織速度を求めた。ここでトラブルが起こらないとは連続で1時間運転した際に、設備を止めて調整必要な回数が3回以下のことを言う。尚、本実施例では、装置の保安上340rpmを上限値とした。
次に、後述する実施例及び比較例で製造した複合糸の原材料を説明する。
[被覆用樹脂]
連続強化繊維を被覆するための熱可塑性樹脂として、以下の樹脂を用意した。
[被覆用樹脂]
連続強化繊維を被覆するための熱可塑性樹脂として、以下の樹脂を用意した。
・PA66(旭化成ケミカルズ製 1402S-011)
尚、PA66は、相対粘度45、水分0.09%であり、PA66を99.29質量部に対して、酢酸銅(一水和物)を0.03質量部、ヨウ化カリウムを0.50質量部、乳酸マンガン(II)を0.01質量部、AlStを0.12質量部、PEG400を0.06質量部加えた。この樹脂の引張強度は80MPaであった。
尚、PA66は、相対粘度45、水分0.09%であり、PA66を99.29質量部に対して、酢酸銅(一水和物)を0.03質量部、ヨウ化カリウムを0.50質量部、乳酸マンガン(II)を0.01質量部、AlStを0.12質量部、PEG400を0.06質量部加えた。この樹脂の引張強度は80MPaであった。
[連続強化繊維]
下記集束剤aを1.0質量%付着させた、繊度685dtexで単糸径9.2μm、単糸数400本のガラス繊維を連続強化繊維(A)として用いた。巻き取り形態はヤーンであった。強度は2025MPaであった。
下記集束剤aを1.0質量%付着させた、繊度2900dtexで単糸径13.4μm、単糸数800本のガラス繊維を連続強化繊維(B)として用いた。巻き取り形態はロービングであった。強度は1673MPaであった。
下記集束剤aを1.0質量%付着させた、繊度685dtexで単糸径9.2μm、単糸数400本のガラス繊維を連続強化繊維(A)として用いた。巻き取り形態はヤーンであった。強度は2025MPaであった。
下記集束剤aを1.0質量%付着させた、繊度2900dtexで単糸径13.4μm、単糸数800本のガラス繊維を連続強化繊維(B)として用いた。巻き取り形態はロービングであった。強度は1673MPaであった。
[集束剤aの組成(固形分換算)]
・シランカップリング剤:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.6質量%[商品名:KBE−903(信越化学工業(株)製)]
・潤滑剤:ワックス0.1質量%[商品名:カルナウバワックス((株)加藤洋行製)]
・結束剤:アクリル酸/マレイン酸共重合体塩5質量%[商品名:アクアリックTL(日本触媒(株)製)]
・シランカップリング剤:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.6質量%[商品名:KBE−903(信越化学工業(株)製)]
・潤滑剤:ワックス0.1質量%[商品名:カルナウバワックス((株)加藤洋行製)]
・結束剤:アクリル酸/マレイン酸共重合体塩5質量%[商品名:アクアリックTL(日本触媒(株)製)]
[実施例1]
伊藤忠システック社製ヤーンコーティング装置を使用した。糸の繰り出しは、ボビンをスタンドに固定しそのまま繰り出した。ダイの直前には連続強化繊維誘導装置としてベアリングローラー、張力制御装置として板バネ方式の張力制御装置を設置した。尚、連続強化繊維と連続強化繊維誘導装置及び張力制御装置の接触部の材質には湯浅糸道社製のYM-85Cを使用し、以下の条件で複合糸を製造した。また、運転前にデジタルフォースゲージを用いてテンサーの張力を調整した。具体的には、ダイの直前のテンサーの直後に強化繊維をデジタルフォースゲージに結びつけ、デジタルフォースゲージをゆっくり動かして、値を読み取りテンサーの強度を微調整した。
伊藤忠システック社製ヤーンコーティング装置を使用した。糸の繰り出しは、ボビンをスタンドに固定しそのまま繰り出した。ダイの直前には連続強化繊維誘導装置としてベアリングローラー、張力制御装置として板バネ方式の張力制御装置を設置した。尚、連続強化繊維と連続強化繊維誘導装置及び張力制御装置の接触部の材質には湯浅糸道社製のYM-85Cを使用し、以下の条件で複合糸を製造した。また、運転前にデジタルフォースゲージを用いてテンサーの張力を調整した。具体的には、ダイの直前のテンサーの直後に強化繊維をデジタルフォースゲージに結びつけ、デジタルフォースゲージをゆっくり動かして、値を読み取りテンサーの強度を微調整した。
[連続強化繊維]
連続強化繊維(A)
[熱可塑性樹脂(被覆樹脂)]
PA66(旭化成ケミカルズ製 1402S-011)
[被覆条件]
ガラス繊維束の本数:3本
孔Aの内径:0.55mm
孔Bの内径:0.60mm
孔AB間の距離:2.0mm
樹脂押出速度:50rpm
巻取速度:500m/分
ダイの温度(シリンダー出口と孔A、孔Bの温度):280℃
押出機のシリンダー部の設定温度:280℃
糸張力:1.0N
連続強化繊維(A)
[熱可塑性樹脂(被覆樹脂)]
PA66(旭化成ケミカルズ製 1402S-011)
[被覆条件]
ガラス繊維束の本数:3本
孔Aの内径:0.55mm
孔Bの内径:0.60mm
孔AB間の距離:2.0mm
樹脂押出速度:50rpm
巻取速度:500m/分
ダイの温度(シリンダー出口と孔A、孔Bの温度):280℃
押出機のシリンダー部の設定温度:280℃
糸張力:1.0N
[比較例1]
特許文献(特開平8−336879号公報)の実施例1を参考にし、連続強化繊維(A)を2本、ダイ温度290℃、シリンダー温度を250℃として複合糸を作製した。連続強化繊維と樹脂の体積比率が40:60となるように吐出量を調整した。
得られた複合糸の表面には、ガラス繊維が露出している箇所が存在した。
特許文献(特開平8−336879号公報)の実施例1を参考にし、連続強化繊維(A)を2本、ダイ温度290℃、シリンダー温度を250℃として複合糸を作製した。連続強化繊維と樹脂の体積比率が40:60となるように吐出量を調整した。
得られた複合糸の表面には、ガラス繊維が露出している箇所が存在した。
[比較例2]
住友精化製のセポルジョンPAを使用して連続強化繊維を処理、乾燥し、連続強化繊維の糸間をポリアミドエマルジョンで完全に含浸させた。この糸を使用して実施例1と同様に複合糸を作製した。
住友精化製のセポルジョンPAを使用して連続強化繊維を処理、乾燥し、連続強化繊維の糸間をポリアミドエマルジョンで完全に含浸させた。この糸を使用して実施例1と同様に複合糸を作製した。
[比較例3]
特許文献(特開平9−98698号公報)の実施例8を参考に1700dtexのモノフィラメント様のポリエチレン繊維を作製した。
特許文献(特開平9−98698号公報)の実施例8を参考に1700dtexのモノフィラメント様のポリエチレン繊維を作製した。
実施例では、比率が適正範囲であるため取り扱い性に優れる。
比較例1では、比率が小さすぎ、また表面滑りが悪いため取り扱い性が悪い。比較例2では比率が大きすぎ、糸が硬く取り扱い性が悪い。比較例3はモノフィラメント様ではあるが、マルチフィラメントとしての特性が強く取り扱い性に劣る。
比較例1では、比率が小さすぎ、また表面滑りが悪いため取り扱い性が悪い。比較例2では比率が大きすぎ、糸が硬く取り扱い性が悪い。比較例3はモノフィラメント様ではあるが、マルチフィラメントとしての特性が強く取り扱い性に劣る。
本発明に係る複合糸は、連続強化繊維が適正な状態で存在するため、補強材等に応用可能な高強度、高柔軟性、取り扱い性に優れたモノフィラメントである。そのため、工業用織物、不織布等に容易に加工することができ、スポーツ用品、釣り糸、電気機器、建築部材、圧力容器、生体内で使用する用具、線材、ロープ、ゴム用コード等の産業資材分野をはじめ様々な用途に応用展開することができる。
Claims (15)
- マルチフィラメントである連続強化繊維の束の外周全体が熱可塑性樹脂により被覆されているモノフィラメント状の複合糸であって、該複合糸状態での複合糸中の連続強化繊維の引張強度が、複合糸から熱可塑性樹脂を除去した状態で測定した連続強化繊維の引張強度に対して99〜104%である、複合糸。
- 前記連続強化繊維の束の内部には該熱可塑性樹脂が実質的に存在しない、請求項1に記載の複合糸。
- 前記複合糸の収縮率が10%未満である、請求項1又は2に記載の複合糸。
- 前記連続強化繊維が無機繊維である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合糸。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合糸を用いた工業用織物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合糸を用いた不織布。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合糸を用いたスポーツ用品。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合糸を用いた釣り糸。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合糸を用いた電気機器。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合糸を用いた建築部材。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合糸を用いた圧力容器。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合糸を用いた生体内で使用する用具。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合糸を用いた線材。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合糸を用いたロープ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合糸を用いたゴム用コード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018097863A JP2019203208A (ja) | 2018-05-22 | 2018-05-22 | 複合糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018097863A JP2019203208A (ja) | 2018-05-22 | 2018-05-22 | 複合糸 |
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JP2019203208A true JP2019203208A (ja) | 2019-11-28 |
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ID=68726288
Family Applications (1)
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JP2018097863A Pending JP2019203208A (ja) | 2018-05-22 | 2018-05-22 | 複合糸 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019203208A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102183249B1 (ko) * | 2020-03-09 | 2020-11-26 | 주식회사 휴비스 | 얀코팅을 이용한 섬유 보강재 및 그 제조방법 |
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2018
- 2018-05-22 JP JP2018097863A patent/JP2019203208A/ja active Pending
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KR102183249B1 (ko) * | 2020-03-09 | 2020-11-26 | 주식회사 휴비스 | 얀코팅을 이용한 섬유 보강재 및 그 제조방법 |
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