JPH03119034A - 複合繊維ロービング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は熱可塑性樹脂をマトリックスとするコンポジッ
ト用材料に関するものである。

（従来の技術） 熱可塑性樹脂を補強繊維に含浸したプリプレグが市販さ
れているが、これは剛くていわゆる曲面へのテープレイ
イングが困難である。このプリプレグを用いて、織物や
組物を作ることは困難である。また熱可塑性樹脂を繊維
状にしたり粉体にして補強繊維と混合させたフレキシブ
ルな材料も開発されているが、混合で不均一が生じやす
く、マトリックスと補強繊維とを均一に含浸し、ボイド
のない成形品を確実に得るには含浸、成形工程においで
あるレベル以上の圧力と時間を要するのでそれだけ工程
コストが高くなるという欠点がある。

（発明が解決しようとする課題） テープレイイングや製織等のテキスタイル加工に十分な
フレキシビリティ−を有し、しかも成形時の含浸が極め
て容易に速やかに、且つ確実に達成しうる熱可塑性コン
ポジット材を実現しようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明は、平均ｍ本以下の補強繊維単糸が、熱可塑性樹
脂で実質的に含浸被覆された複合単糸からなる複合繊維
ロービングであり、該ロービング中の複合単糸のｍ値の
平均が下記（Ａ）式を満足することを特徴とする複合繊
維ロービングである。

Ｅ：補強繊維の伸長弾性率でＧＰａ表示での数値 ）Ｅ：補強繊維の伸長弾性率でＧＰａｍ表示での数値 即ち、フレキシビリティを保持するため、あるレベル以
下の曲げ剛さの複合繊維単糸からなり、成形時の含浸が
極めて容易に、且つ確実に達成できるよう、個々の複合
繊維単糸では、補強繊維の各単糸が実質的に熱可塑性樹
脂マトリックスで含浸被覆されているのである。

本発明の補強繊維とは、炭素繊維、ガラス繊維、バラ型
アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等が挙げら
れるが、特にこれらに限定されるわけではない。中でも
炭素繊維の場合、単糸が微細なため一般に成形時のマト
リックスの未含浸部分が生成しやすいが、本発明では成
形時でのかかる欠点の発生が容易に押さえうるので特に
有効である。

熱可塑性樹脂としては、ナイロン６、ナイロン６６、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエーテル
イミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエー
テルケトン等が挙げられるが、特にこれらに限定される
わけではない。

本発明では、ｍ＝１の形で複合単糸を成形するのが理想
的であり、この場合、最も高度なフレキシビリティと複
合単糸中の最も完全度の高い含浸被覆が実現する。次善
の策として平均のｍが（Ａ）式の範囲内にあるとき必要
レベルのフレキシビリテである。

なお、（１）式における等価直径とは、補強繊維のめら
れるものである。

本発明の複合繊維ロービングを効率的に得るための方法
の典型例を以下に述べる。

補強繊維ロービングをテープ状にできるだけ幅広くなる
よう拡展する。この場合、望ましくは補強繊維単糸が一
つ一つ分離した状態にまでもっていく。このように拡展
するための最も有力な方法は、水中で水流の拡展力を有
効に利用することである。この場合、補強繊維ロービン
グは、過度の集束剤がつけられていないか、水中で容易
に溶解する水溶性集束剤がつけられていることが望まし
い。また補強繊維ロービングは、加熱されていないこと
が望ましい。こうして拡展された補強繊維ロービングは
、必要に応じてプライマー処理を施された後、一定周速
で回転するコーティングロール上に導かれる。コーディ
ングロール上には、熱可塑性樹脂の薄膜が形成されてお
り、その膜層中を補強繊維が一定速度で通過する。

この場合、ｍの値が（１）式の範囲内にあるように中糸
間の距離を取って複数以上の複合単糸が形成するように
する。

複合単糸において、その横断面をみた場合、熱可塑性樹
脂の含浸被覆断面の面積が平均値として複合単糸の全断
面積の１５〜８５％であることが通常必要である。８５
％以上であれば、成形後コンポジットとして十分な力学
特性が得られない。

一方１５％未満の場合、成形後のコンポジット中のマト
リックス成分が不足し、ボイドがどうしても残るので力
学物性が１５％の場合より低下する。

面積比をコントロールする手段としては、コーティング
ローラ周速ｖ１薄膜の厚みＴ１補強繊維の通過速度Ｖと
した時、ｖＴ／ｖのパラメータを変えることによって有
効に実施しうる。ただし−般にＴの値は補強繊維単糸の
直径りより大きく取る必要がある。本発明のロービング
は、そのままフィラメントワインディング、引き抜き成
形ロール成形等の成形に供することができる。また製織
、プレーディングや多軸積層布制作等のテキスタイル加
工に供することができる。こうして得られた布帛献品は
、多くの場合圧縮成形によって含浸成形が実施される。

たとえば−軸的な織物を作ってこれをテーブレイイング
した後、オートクレーブ成形してもよい。また本発明の
ロービングは、−定長にカットしつつ吹きつけてプリフ
ォームを作り、圧縮成形してもよい。また本発明のロー
ビングより一旦シートを形成し、これを圧縮成形しても
よい。また本発明のロービングをロール成形によって高
速でロッド状のものを作り、これを一定長づつ切断し射
出成形等に供してもよい。

（発明の効果） 本発明ロービングではテープレイイングや製織等のテキ
スタイル加工に十分なフレキシビリティを保持しつつ、
成形時の含浸が極めて容易に速やかに且つ確実に達成す
ることが可能である。したがってそれだけ成形コストを
さげることができる。

一般に無機系の補強繊維では折れやすく毛羽が発生しや
すく、テキスタイル加工等も低速で行う必要があるが、
本発明ロービングは熱可塑性樹脂で被覆されているので
テキスタイル加工性にも優れている。また折損で発生す
る補強繊維の空中飛散も防止できるので作業環境も良好
である。

（実施例） 以下、実施例によって本発明を説明する。

ハーキレス社製Ａｓ−４の３にのノーサイズド糸を水中
の拡流機中に導いて約４５ｍ■幅にまで拡展し、その幅
を保ちつつ乾燥し、連続的に約１０μ厚のポリエーテル
エーテルケトン薄膜を形成した回転ロール上に導き被覆
含浸した。こうして平均のｍ値が６．８である複合単糸
からなる複合繊維ロービングが得られた。約１０本の２
５ｃ■長の複合単糸の断面積と重量を実測し、これから
求まるボイド率は１．８％であった。また複合単糸内の
熱可塑性樹脂の含浸被覆断面の面積の複合単糸の全断面
積に対する割合いは平均値で３１．３％であった。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）平均ｍ本以下の補強繊維単糸が実質的に熱可塑性
   樹脂で含浸被覆された複合単糸よりなる複合繊維ロービ
   ングであり、該ロービング中の複合単糸のｍ値の平均値
   が下記（Ａ）式を満足することを特徴とする複合繊維ロ
   ービング。 １≦ｍ≦１×１０＾８／（ＥＤ＾４）…（Ａ）Ｅ：補強
   繊維の伸長弾性率でＧＰａ表示での数値 Ｄ：補強繊維の断面等価直径でμ表示での数値