JPS6356330B2 - - Google Patents
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- JPS6356330B2 JPS6356330B2 JP56137729A JP13772981A JPS6356330B2 JP S6356330 B2 JPS6356330 B2 JP S6356330B2 JP 56137729 A JP56137729 A JP 56137729A JP 13772981 A JP13772981 A JP 13772981A JP S6356330 B2 JPS6356330 B2 JP S6356330B2
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Description
本発明は、複合繊維製品に関する。さらに詳し
くは、特に高剛性の要求される高品質の繊維強化
プラスチツクス（以下FRPという）製品の強化
材として好適な複合繊維製品に関する。 現在、浄化槽、浴槽、水タンク等の建築設備、
パイプ、機器カバーなどの工業材料、船、ボート
などの各種FRP製品の強化材として各種のガラ
ス繊維製品（ガラスチヨツプドストランドマツ
ト、ガラスクロス、ガラスロービング、ガラスチ
ヨツプドストランドなど）が多量に使用されてい
る。また特に、高衝撃強度の要求されるコンクリ
ートシユターなどのFRP製品の強化材として、
ナイロン繊維ポリエステル繊維等の熱可塑性の有
機繊維糸とガラス糸を個別に又は交互に引揃えて
製織した混織クロスおよびガラス繊維束に対して
その繊維方向に上記の熱可塑性の有機繊維糸を捲
きつけたカバーリングヤーン又はロービング等が
使用されている。 これらのガラス繊維製品およびガラス繊維と熱
可塑性の有機繊維との混つた製品は弾性率があま
り高くないため、剛性を最も重じるFRP製構造
部材等の強化材として不満足の場合があつた。こ
れらの解決策として、カーボン繊維および芳香族
系のポリアミド繊維製品が、高弾性率の要求され
るゴルフシヤフト、釣り竿、ラケツトフレーム等
の一部に、強化材として使用されてきているが、
カーボン繊維および芳香族系のポリアミド繊維製
品が極めて高価であるため、高価なFRP製品を
提供しなければならないという問題点を有する。
また、これらの繊維はFRP製品のマトリツクス
として使用される樹脂との新和性がガラス繊維製
品に比べて劣るため、補強効果がガラス繊維製品
より低く、FRP製品中で、マトリツクスと基材
部の境面で剥離が生じ易いという問題点を有す
る。 ガラス繊維製品とカーボン繊維製品又は芳香族
系のポリアミド繊維製品がそれぞれ有する問題点
を解決するため内層部をカーボン繊維又は芳香族
系のポリアミド繊維で強化した２層又は多層構造
のFRP製品は、ガラス繊維製品強化部とカーボ
ン繊維又は芳香族系ポリアミド繊維強化部との境
界面にて剥離を生じやすいために、FRP製品に
高強度が期待できないという問題点を有する。ま
た、相反する熱膨脹係数を有する２種の繊維製品
で強化されているため、FRP製品が熱履歴を受
けると、２種の繊維製品で強化された部分の境面
において応力歪を生じ、その部分に微細な内部ク
ラツクが生じるという問題点も有している。この
熱膨脹係数の違いによる応力歪のための内部クラ
ツクを防止および多層構造による境界剥離の問題
点を解決しようとする複合繊維製品が特願昭55−
149465号にて出願されている。当該特許出願に示
されている複合繊維製品は、芳香族系のポリアミ
ド繊維とガラス繊維を混合撚糸した複合糸から構
成されたものであるが、ガラス繊維は主としてで
んぷんをフイルム形成剤として含むサイジング剤
を使用しているのが一般的であり、でんぷん系の
サイジング剤で表面処理したガラス繊維は耐摩耗
性、潤滑性、集束性が優れているために、撚り加
工時、製編時、または製織時に毛羽立ちが少なく
加工作業性が良好である。しかしこのガラス繊維
を用いて混合撚糸した複合糸から構成される複合
繊維製品はガラス繊維のでんぷん皮膜と使用樹脂
との親和性が悪いために、ガラス繊維に付着して
いるサイジング剤を除去（以下脱サイジングとい
う）したのち、樹脂との親和性の良好な各種のガ
ツプリング剤で再び表面処理しなければならな
い。脱サイジングの方法として広く行われている
のは、ガラス繊維製品を加熱（300〜500℃）し、
付着しているサイジング剤を分解焼却するか、水
洗により除去する方法である。しかし、分解焼却
する脱サイジング方法は、ガラス繊維が著るしく
劣化するのみならず混合撚糸した芳香族ポリアミ
ド繊維が変質又は分解してしまい使用できなくな
る。又水洗による脱サイジング剤は不完全にしか
行えず、残存しているでんぷん系処理剤が使用樹
脂との親和性に乏しいため、曲げ弾性率及び曲げ
強度は、比較的良好な特性が得られることが判明
したが、なお高弾性率及び高強度のFRP製品を
得るのに不十分であることが分つた。 本発明者は、従来の技術が有する上記問題点を
解決すべく、ガラス繊維のサイジング剤を鋭意検
討した結果、紡糸時にウレタン変性ポリエステル
樹脂又はこれをフイルム形成剤の一部として含む
サイジング剤で表面処理したガラス繊維とカーボ
ン繊維又は芳香族ポリアミド繊維を混合撚糸した
複合糸を加工して得られる複合織物、編物、複合
紐、複合スリーブなどの複合繊維製品が、水洗に
よる脱サイジング工程が不要のため安価にでき、
しかもFRP製品のマトリツクスである樹脂との
親和性が極めて良好なために、極めて高剛性の
FRP製品を提供できることを見いだし本発明に
到つた。 本発明の複合繊維製品に用いられる複合糸はカ
ーボン繊維又は芳香族ポリアミド繊維とガラス繊
維を混合撚糸したものであるが、詳細には１本ま
たは複数本の撚りのかけられたカーボン繊維又は
芳香族ポリアミド糸と１本または複数本の撚りの
かけられたガラス繊維糸とを合撚糸して得られる
複合合撚糸及びこの複合合撚糸同志をさらに合撚
した複合糸、ガラス糸およびカーボン繊維又は芳
香族ポリアミド繊維のどちらか一方を芯糸とし
て、芯糸の糸方向に他方の糸を捲きつけた複合糸
などがある。このような微視的に均一化された複
合糸を複合繊維製品の加工原糸として用いること
により、その加工作業性が大幅に向上するという
利点をも有する。 本発明の複合繊維製品の代表例としては、複合
織物、複合紐、複合編物、複合スリーブ等があ
る。 これら複合繊維製品に用いられる複合糸では高
弾性糸の混撚割合が多いほど、より剛性の高い
FRP製品を提供することができるが、複合繊維
製品が高価になるので、本発明の複合繊維製品に
用いられる複合糸の特に好ましい混撚割合はガラ
ス繊維５〜70重量％、カーボン繊維又は芳香族ポ
リアミド繊維30〜95重量％の範囲である。 本発明のカーボン繊維の代表例としては、ポリ
アクリルニトリル系炭素繊維、レーヨン系炭素繊
維、ピツチ系炭素繊維、リグニン系炭素繊維など
がある。芳香族ポリアミド繊維の代表例として
は、ポリ−Ｐ−フエニレンテレフタルアミド系繊
維、ポリ−ｍ−フエニレンイソフタルアミド系繊
維などがある。 また、本発明の複合繊維製品に用いられるガラ
ス繊維の代表例としては、Ｅ−ガラス繊維、Ｃ−
ガラス繊維、Ａ−ガラス繊維等がある。これらの
ガラス繊維に前記したウレタン変性ポリエステル
樹脂、またはウレタン変性ポリエステル樹脂と他
の樹脂をフイルム形成剤として含むサイジング剤
でサイジング処理を施したのち、複合糸の原繊と
して供される。 本発明の複合繊維製品において、複合糸の撚り
数が少ないと微視的に均一な複合繊維製品が得ら
れにくくなり、撚り数が多いほど、複合繊維製品
の含浸性が悪化する傾向にあるので、複合糸の特
に好ましい撚り数は、0.5〜15（回／25mm）の範囲
である。 また、太い複合糸を用いるほど複合繊維製品の
仕上がりが粗となるため、微視的に不均一な
FRP製品が得られるようになり、細い複合糸を
用いるほど、複合繊維製品の製造能率が低下する
ので、本発明に用いられる複合糸の太さは10〜
270テツクス（ｇ／100ｍ）の範囲が特に好まし
い。 本発明の複合繊維製品即ち、複合織物、複合
紐、複合編物および複合スリーブは、従来よりガ
ラス繊維製品の製造加工機として知られているガ
ラス繊維加工機に、複合糸を設置することにより
ガラス糸を用いた場合より容易に製造することが
できる。例えば、複合織物は、所定の複合糸を用
いて、ガラス繊維用織機で各種組織（平織、綾
織、朱子織、模紗織、変り織など）のものを織る
ことにより容易に製造することができる。 また、複合編物についても、複合織物と同様に
従来よりガラス繊維の編機として用いられてきた
ガラス繊維用編機を用いて容易に製造することが
できる。 本発明の複合繊維製品を用いてFRP製品を製
造する方法としては、従来よりガラス繊維製品を
用いたFRP製品の製造法として知られているハ
ンドレーアツプ法、プレス法、プリプレグ法、フ
イラメントワインデング法、引き抜き法、連続機
械法などの成形法があり、これらの成形法により
容易に製造することができる。 以下実施例および比較例により本発明を具体的
に説明する。 実施例 １ 前記サイジング剤で処理し、日本工業規格
（JIS）に規定された構成のガラス糸とカーボン繊
維又は芳香族ポリアミド繊維で混合撚糸した複合
糸を経糸および緯糸として用いてガラス繊維用織
機で第１表に記載した打込み密度の平織複合クロ
ス（実施例１の試料番号１および２）を調整し
た。この時の製織作業性を第１表中に示した。 このようにして調整した複合クロスにエポキシ
樹脂を塗工しプリプレグを作製した。このプリプ
レグを１ｍ×１ｍに裁断し、第１表中に記載した
枚数を重ねてFRP板用金型中に供給し、プレス
圧80Kg／cm2、金型温度160℃、加圧時間10分のプ
レス条件でFRP板を成形した。このように調整
したFRP板を100×100mmに切断し300℃のハンダ
浴中に30秒間浸漬した後の微小剥離の発生数、曲
げ強度および曲げ弾性率を測定し、その結果を第
１表中に示した。 また比較例として、前記したウレタン変性ポリ
エステル樹脂又はウレタン変性ポリエステル樹脂
と他の樹脂をフイルム形成剤として含むサイジン
グ剤でサイジング処理をしたガラス繊維だけを用
いて製織したガラスクロス、でんぷん系サイジン
グ剤でサイジング処理をしたガラス繊維と芳香族
ポリアミド繊維を混合撚糸した平織複合クロスを
水洗し、サイジング剤を除去したのち、エポキシ
ランで表面処理（付着量＝0.2％）を施した、エ
ポキシシラン処理複合クロスを用いて実施例と全
く同一条件で樹脂塗工し、プレス成形したFRP
板の100×100mmに切断した試料をハンダ浴中30秒
間浸漬したのちの微細剥離の発生数、曲げ強度お
よび曲げ弾性率を測定し、その結果を第１表中に
示した。 第１表より、本発明の実施例の試料番号１およ
び２の複合クロスの製織作業性は比較例の試料番
号２より良好であることがわかる。 また本発明の実施例の試料番号１および２の複
合クロスで強化したFRP板はカーボン繊維単独
で強化したFRP板とほとんど同等の曲げ強度、
曲げ弾性率が得られ安価に製造できることがわか
る。また、でんぷん系サイジング剤でサイジング
処理したのち水洗して脱サイジングした複合クロ
スで強化したFRP板は水洗工程が必要であり、
しかも水洗しても完全な脱サイジングが極めて困
難なために、使用樹脂との親和性が悪くなり、
FRP板の曲げ強度、曲げ弾性率が低下すること
がわかる。また、プレス成形したFRP板の100×
100mmに切断したFRP試料をハンダ浴中に30秒間
浸漬したのちの微細剥離の発生数も、本発明実施
例１の試料番号１および２の複合クロスでで強化
したFRP板は比較例の試料番号３のでんぷん系
サイジング剤処理ガラスクロスと芳香族ポリアミ
ド繊維の混撚糸からなるクロスで強化したFRP
板より極めて少ないことがわかる。 これは前記サイジング剤で処理したガラス糸と
カーボン繊維又は芳香族ポリアミド繊維で混合撚
糸した複合糸で製織した複合クロスが微視的にも
均一であり、樹脂との親和性に優れていることに
よるものである。 また前記サイジング剤で処理したガラス糸を使
うことにより従来のでんぷん系のサイジング剤で
処理したガラス糸よりも脱サイジング工程がない
ために、安価な複合繊維製品を得ることができ
た。 実施例 ２ 実施例１の試料番号１の複合糸を34本引き揃え
て、太さ2310テツクスの束状物にして円筒状に捲
き取つた複合ロービングにエポキシ樹脂を含浸せ
しめて、フイラメントワインデイング法により内
径６mm、外径９mmのFRPパイプを成形した。こ
のFRPパ
くは、特に高剛性の要求される高品質の繊維強化
プラスチツクス（以下FRPという）製品の強化
材として好適な複合繊維製品に関する。 現在、浄化槽、浴槽、水タンク等の建築設備、
パイプ、機器カバーなどの工業材料、船、ボート
などの各種FRP製品の強化材として各種のガラ
ス繊維製品（ガラスチヨツプドストランドマツ
ト、ガラスクロス、ガラスロービング、ガラスチ
ヨツプドストランドなど）が多量に使用されてい
る。また特に、高衝撃強度の要求されるコンクリ
ートシユターなどのFRP製品の強化材として、
ナイロン繊維ポリエステル繊維等の熱可塑性の有
機繊維糸とガラス糸を個別に又は交互に引揃えて
製織した混織クロスおよびガラス繊維束に対して
その繊維方向に上記の熱可塑性の有機繊維糸を捲
きつけたカバーリングヤーン又はロービング等が
使用されている。 これらのガラス繊維製品およびガラス繊維と熱
可塑性の有機繊維との混つた製品は弾性率があま
り高くないため、剛性を最も重じるFRP製構造
部材等の強化材として不満足の場合があつた。こ
れらの解決策として、カーボン繊維および芳香族
系のポリアミド繊維製品が、高弾性率の要求され
るゴルフシヤフト、釣り竿、ラケツトフレーム等
の一部に、強化材として使用されてきているが、
カーボン繊維および芳香族系のポリアミド繊維製
品が極めて高価であるため、高価なFRP製品を
提供しなければならないという問題点を有する。
また、これらの繊維はFRP製品のマトリツクス
として使用される樹脂との新和性がガラス繊維製
品に比べて劣るため、補強効果がガラス繊維製品
より低く、FRP製品中で、マトリツクスと基材
部の境面で剥離が生じ易いという問題点を有す
る。 ガラス繊維製品とカーボン繊維製品又は芳香族
系のポリアミド繊維製品がそれぞれ有する問題点
を解決するため内層部をカーボン繊維又は芳香族
系のポリアミド繊維で強化した２層又は多層構造
のFRP製品は、ガラス繊維製品強化部とカーボ
ン繊維又は芳香族系ポリアミド繊維強化部との境
界面にて剥離を生じやすいために、FRP製品に
高強度が期待できないという問題点を有する。ま
た、相反する熱膨脹係数を有する２種の繊維製品
で強化されているため、FRP製品が熱履歴を受
けると、２種の繊維製品で強化された部分の境面
において応力歪を生じ、その部分に微細な内部ク
ラツクが生じるという問題点も有している。この
熱膨脹係数の違いによる応力歪のための内部クラ
ツクを防止および多層構造による境界剥離の問題
点を解決しようとする複合繊維製品が特願昭55−
149465号にて出願されている。当該特許出願に示
されている複合繊維製品は、芳香族系のポリアミ
ド繊維とガラス繊維を混合撚糸した複合糸から構
成されたものであるが、ガラス繊維は主としてで
んぷんをフイルム形成剤として含むサイジング剤
を使用しているのが一般的であり、でんぷん系の
サイジング剤で表面処理したガラス繊維は耐摩耗
性、潤滑性、集束性が優れているために、撚り加
工時、製編時、または製織時に毛羽立ちが少なく
加工作業性が良好である。しかしこのガラス繊維
を用いて混合撚糸した複合糸から構成される複合
繊維製品はガラス繊維のでんぷん皮膜と使用樹脂
との親和性が悪いために、ガラス繊維に付着して
いるサイジング剤を除去（以下脱サイジングとい
う）したのち、樹脂との親和性の良好な各種のガ
ツプリング剤で再び表面処理しなければならな
い。脱サイジングの方法として広く行われている
のは、ガラス繊維製品を加熱（300〜500℃）し、
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する脱サイジング方法は、ガラス繊維が著るしく
劣化するのみならず混合撚糸した芳香族ポリアミ
ド繊維が変質又は分解してしまい使用できなくな
る。又水洗による脱サイジング剤は不完全にしか
行えず、残存しているでんぷん系処理剤が使用樹
脂との親和性に乏しいため、曲げ弾性率及び曲げ
強度は、比較的良好な特性が得られることが判明
したが、なお高弾性率及び高強度のFRP製品を
得るのに不十分であることが分つた。 本発明者は、従来の技術が有する上記問題点を
解決すべく、ガラス繊維のサイジング剤を鋭意検
討した結果、紡糸時にウレタン変性ポリエステル
樹脂又はこれをフイルム形成剤の一部として含む
サイジング剤で表面処理したガラス繊維とカーボ
ン繊維又は芳香族ポリアミド繊維を混合撚糸した
複合糸を加工して得られる複合織物、編物、複合
紐、複合スリーブなどの複合繊維製品が、水洗に
よる脱サイジング工程が不要のため安価にでき、
しかもFRP製品のマトリツクスである樹脂との
親和性が極めて良好なために、極めて高剛性の
FRP製品を提供できることを見いだし本発明に
到つた。 本発明の複合繊維製品に用いられる複合糸はカ
ーボン繊維又は芳香族ポリアミド繊維とガラス繊
維を混合撚糸したものであるが、詳細には１本ま
たは複数本の撚りのかけられたカーボン繊維又は
芳香族ポリアミド糸と１本または複数本の撚りの
かけられたガラス繊維糸とを合撚糸して得られる
複合合撚糸及びこの複合合撚糸同志をさらに合撚
した複合糸、ガラス糸およびカーボン繊維又は芳
香族ポリアミド繊維のどちらか一方を芯糸とし
て、芯糸の糸方向に他方の糸を捲きつけた複合糸
などがある。このような微視的に均一化された複
合糸を複合繊維製品の加工原糸として用いること
により、その加工作業性が大幅に向上するという
利点をも有する。 本発明の複合繊維製品の代表例としては、複合
織物、複合紐、複合編物、複合スリーブ等があ
る。 これら複合繊維製品に用いられる複合糸では高
弾性糸の混撚割合が多いほど、より剛性の高い
FRP製品を提供することができるが、複合繊維
製品が高価になるので、本発明の複合繊維製品に
用いられる複合糸の特に好ましい混撚割合はガラ
ス繊維５〜70重量％、カーボン繊維又は芳香族ポ
リアミド繊維30〜95重量％の範囲である。 本発明のカーボン繊維の代表例としては、ポリ
アクリルニトリル系炭素繊維、レーヨン系炭素繊
維、ピツチ系炭素繊維、リグニン系炭素繊維など
がある。芳香族ポリアミド繊維の代表例として
は、ポリ−Ｐ−フエニレンテレフタルアミド系繊
維、ポリ−ｍ−フエニレンイソフタルアミド系繊
維などがある。 また、本発明の複合繊維製品に用いられるガラ
ス繊維の代表例としては、Ｅ−ガラス繊維、Ｃ−
ガラス繊維、Ａ−ガラス繊維等がある。これらの
ガラス繊維に前記したウレタン変性ポリエステル
樹脂、またはウレタン変性ポリエステル樹脂と他
の樹脂をフイルム形成剤として含むサイジング剤
でサイジング処理を施したのち、複合糸の原繊と
して供される。 本発明の複合繊維製品において、複合糸の撚り
数が少ないと微視的に均一な複合繊維製品が得ら
れにくくなり、撚り数が多いほど、複合繊維製品
の含浸性が悪化する傾向にあるので、複合糸の特
に好ましい撚り数は、0.5〜15（回／25mm）の範囲
である。 また、太い複合糸を用いるほど複合繊維製品の
仕上がりが粗となるため、微視的に不均一な
FRP製品が得られるようになり、細い複合糸を
用いるほど、複合繊維製品の製造能率が低下する
ので、本発明に用いられる複合糸の太さは10〜
270テツクス（ｇ／100ｍ）の範囲が特に好まし
い。 本発明の複合繊維製品即ち、複合織物、複合
紐、複合編物および複合スリーブは、従来よりガ
ラス繊維製品の製造加工機として知られているガ
ラス繊維加工機に、複合糸を設置することにより
ガラス糸を用いた場合より容易に製造することが
できる。例えば、複合織物は、所定の複合糸を用
いて、ガラス繊維用織機で各種組織（平織、綾
織、朱子織、模紗織、変り織など）のものを織る
ことにより容易に製造することができる。 また、複合編物についても、複合織物と同様に
従来よりガラス繊維の編機として用いられてきた
ガラス繊維用編機を用いて容易に製造することが
できる。 本発明の複合繊維製品を用いてFRP製品を製
造する方法としては、従来よりガラス繊維製品を
用いたFRP製品の製造法として知られているハ
ンドレーアツプ法、プレス法、プリプレグ法、フ
イラメントワインデング法、引き抜き法、連続機
械法などの成形法があり、これらの成形法により
容易に製造することができる。 以下実施例および比較例により本発明を具体的
に説明する。 実施例 １ 前記サイジング剤で処理し、日本工業規格
（JIS）に規定された構成のガラス糸とカーボン繊
維又は芳香族ポリアミド繊維で混合撚糸した複合
糸を経糸および緯糸として用いてガラス繊維用織
機で第１表に記載した打込み密度の平織複合クロ
ス（実施例１の試料番号１および２）を調整し
た。この時の製織作業性を第１表中に示した。 このようにして調整した複合クロスにエポキシ
樹脂を塗工しプリプレグを作製した。このプリプ
レグを１ｍ×１ｍに裁断し、第１表中に記載した
枚数を重ねてFRP板用金型中に供給し、プレス
圧80Kg／cm2、金型温度160℃、加圧時間10分のプ
レス条件でFRP板を成形した。このように調整
したFRP板を100×100mmに切断し300℃のハンダ
浴中に30秒間浸漬した後の微小剥離の発生数、曲
げ強度および曲げ弾性率を測定し、その結果を第
１表中に示した。 また比較例として、前記したウレタン変性ポリ
エステル樹脂又はウレタン変性ポリエステル樹脂
と他の樹脂をフイルム形成剤として含むサイジン
グ剤でサイジング処理をしたガラス繊維だけを用
いて製織したガラスクロス、でんぷん系サイジン
グ剤でサイジング処理をしたガラス繊維と芳香族
ポリアミド繊維を混合撚糸した平織複合クロスを
水洗し、サイジング剤を除去したのち、エポキシ
ランで表面処理（付着量＝0.2％）を施した、エ
ポキシシラン処理複合クロスを用いて実施例と全
く同一条件で樹脂塗工し、プレス成形したFRP
板の100×100mmに切断した試料をハンダ浴中30秒
間浸漬したのちの微細剥離の発生数、曲げ強度お
よび曲げ弾性率を測定し、その結果を第１表中に
示した。 第１表より、本発明の実施例の試料番号１およ
び２の複合クロスの製織作業性は比較例の試料番
号２より良好であることがわかる。 また本発明の実施例の試料番号１および２の複
合クロスで強化したFRP板はカーボン繊維単独
で強化したFRP板とほとんど同等の曲げ強度、
曲げ弾性率が得られ安価に製造できることがわか
る。また、でんぷん系サイジング剤でサイジング
処理したのち水洗して脱サイジングした複合クロ
スで強化したFRP板は水洗工程が必要であり、
しかも水洗しても完全な脱サイジングが極めて困
難なために、使用樹脂との親和性が悪くなり、
FRP板の曲げ強度、曲げ弾性率が低下すること
がわかる。また、プレス成形したFRP板の100×
100mmに切断したFRP試料をハンダ浴中に30秒間
浸漬したのちの微細剥離の発生数も、本発明実施
例１の試料番号１および２の複合クロスでで強化
したFRP板は比較例の試料番号３のでんぷん系
サイジング剤処理ガラスクロスと芳香族ポリアミ
ド繊維の混撚糸からなるクロスで強化したFRP
板より極めて少ないことがわかる。 これは前記サイジング剤で処理したガラス糸と
カーボン繊維又は芳香族ポリアミド繊維で混合撚
糸した複合糸で製織した複合クロスが微視的にも
均一であり、樹脂との親和性に優れていることに
よるものである。 また前記サイジング剤で処理したガラス糸を使
うことにより従来のでんぷん系のサイジング剤で
処理したガラス糸よりも脱サイジング工程がない
ために、安価な複合繊維製品を得ることができ
た。 実施例 ２ 実施例１の試料番号１の複合糸を34本引き揃え
て、太さ2310テツクスの束状物にして円筒状に捲
き取つた複合ロービングにエポキシ樹脂を含浸せ
しめて、フイラメントワインデイング法により内
径６mm、外径９mmのFRPパイプを成形した。こ
のFRPパ
【表】
イプの曲げ強度をJIS K6911にしたがつて測定し
た結果、48.2Kg／mm2と極めて高いものであつた。
同様にして、太さ1150テツクスのカーボン繊維引
揃えロービングで内層部を1.5mmの肉厚に捲きつ
けて、さらに、太さ2310テツクスのガラスロービ
ングで外層部を1.5mmの肉厚に捲きつけて成形し
た内径６mm外径９mmのFRPパイプを成形し曲げ
強度を測定した結果、35.2Kg／mm2と本発明の複合
ロービングを用いたFRPパイプのそれより、大
幅に低いものであつた。この原因は、カーボン繊
維ロービングを巻きつけた内層部とガラスロービ
ングを捲きつけた外層との境界面において、剥離
が生じやすいためである。 これに対して本発明の複合ロービングの曲げ強
さが高くなつたのは、微視的に均一であり、樹脂
との親和性が優れ、剥離が起らないからである。
た結果、48.2Kg／mm2と極めて高いものであつた。
同様にして、太さ1150テツクスのカーボン繊維引
揃えロービングで内層部を1.5mmの肉厚に捲きつ
けて、さらに、太さ2310テツクスのガラスロービ
ングで外層部を1.5mmの肉厚に捲きつけて成形し
た内径６mm外径９mmのFRPパイプを成形し曲げ
強度を測定した結果、35.2Kg／mm2と本発明の複合
ロービングを用いたFRPパイプのそれより、大
幅に低いものであつた。この原因は、カーボン繊
維ロービングを巻きつけた内層部とガラスロービ
ングを捲きつけた外層との境界面において、剥離
が生じやすいためである。 これに対して本発明の複合ロービングの曲げ強
さが高くなつたのは、微視的に均一であり、樹脂
との親和性が優れ、剥離が起らないからである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 １ フイルム形成剤としてウレタン変性ポリエス
テル樹脂を含むガラス繊維サイジング剤で処理し
た、脱サイジングを必要としないガラス繊維とカ
ーボン繊維及び／又は芳香族ポリアミド繊維を混
合撚糸した複合糸から構成される複合繊維製品。 ２ 複合繊維製品がプラスチツク強化用基材であ
る特許請求の範囲第１項記載の複合繊維製品。 ３ ウレタン変性ポリエステル樹脂がイソシアネ
ート末端基を有するポリエステルとポリエチレン
グリコールとの反応生成物である特許請求範囲第
１項記載のガラス繊維用サイジング剤で処理した
ガラス繊維を混合撚糸した複合糸から構成される
特許請求の範囲第１項又は第２項記載の複合繊維
製品。 ４ 30〜95重量％のカーボン繊維又は芳香族ポリ
アミド繊維と５〜70重量％のガラス繊維を混合撚
糸した複合糸から構成される特許請求の範囲第１
項、第２項又は第３項記載の複合繊維製品。 ５ 複合糸の撚り数が0.5〜15（回／25mm）である
特許請求の範囲第１項、第２項、第３項又は第４
項記載の複合繊維製品。 ６ 複合糸の太さが10〜270テツクス（ｇ／1000
ｍ）である特許請求の範囲第１項、第２項、第３
項、第４項又は第５項記載の複合繊維製品。 ７ 複合繊維製品が複合織物である特許請求の範
囲第１項、第２項、第３項、第４項、第５項又は
第６項記載の複合繊維製品。 ８ 複合繊維製品が複合組物である特許請求の範
囲第１項、第２項、第３項、第４項、第５項又は
第６項記載の複合繊維製品。 ９ 複合繊維製品が複合編物である特許請求の範
囲第１項、第２項、第３項、第４項、第５項又は
第６項記載の複合繊維製品。 １０ 複合繊維製品が、複合スリーブである特許
請求の範囲第１項、第２項、第３項、第４項、第
５項又は第６項記載の複合繊維製品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56137729A JPS5841921A (ja) | 1981-09-03 | 1981-09-03 | 複合繊維製品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56137729A JPS5841921A (ja) | 1981-09-03 | 1981-09-03 | 複合繊維製品 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5841921A JPS5841921A (ja) | 1983-03-11 |
| JPS6356330B2 true JPS6356330B2 (ja) | 1988-11-08 |
Family
ID=15205461
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56137729A Granted JPS5841921A (ja) | 1981-09-03 | 1981-09-03 | 複合繊維製品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5841921A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003064541A (ja) * | 2001-08-22 | 2003-03-05 | Toyobo Co Ltd | 高比重複合糸 |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2588575B1 (fr) * | 1985-10-16 | 1988-02-26 | Brochier Sa | Tissu a base de fibres de verre et de carbone et articles comprenant un tel tissu |
| JP2562953B2 (ja) * | 1988-09-02 | 1996-12-11 | シルバー株式会社 | 燃焼器具用芯の耐熱部材 |
| JP2523260Y2 (ja) * | 1994-05-11 | 1997-01-22 | シルバー株式会社 | 石油ストーブ灯芯用の縫糸又は編糸 |
| JP3846236B2 (ja) * | 2001-07-24 | 2006-11-15 | 帝人テクノプロダクツ株式会社 | ハイブリッドコード及びゴム補強物 |
| CA2519393A1 (en) * | 2003-04-09 | 2004-10-21 | Nippon Sheet Glass Company, Limited | Reinforcing cord for rubber reinforcement and rubber product including the same |
| JP2017531077A (ja) * | 2014-10-08 | 2017-10-19 | オーシーヴィー インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー | ハイブリッドシート成形コンパウンド材料 |
| CN110983533A (zh) * | 2019-11-26 | 2020-04-10 | 湖南中泰特种装备有限责任公司 | 一种耐切割股线及其制备方法 |
-
1981
- 1981-09-03 JP JP56137729A patent/JPS5841921A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003064541A (ja) * | 2001-08-22 | 2003-03-05 | Toyobo Co Ltd | 高比重複合糸 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5841921A (ja) | 1983-03-11 |
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