JP2562953B2 - 燃焼器具用芯の耐熱部材 - Google Patents

燃焼器具用芯の耐熱部材

Info

Publication number
JP2562953B2
JP2562953B2 JP63220691A JP22069188A JP2562953B2 JP 2562953 B2 JP2562953 B2 JP 2562953B2 JP 63220691 A JP63220691 A JP 63220691A JP 22069188 A JP22069188 A JP 22069188A JP 2562953 B2 JP2562953 B2 JP 2562953B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
yarn
resistant
glass fiber
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63220691A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0268407A (ja
Inventor
厚夫 橋詰
義彰 西岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Silver Industries Inc
Original Assignee
Silver Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Silver Industries Inc filed Critical Silver Industries Inc
Priority to JP63220691A priority Critical patent/JP2562953B2/ja
Publication of JPH0268407A publication Critical patent/JPH0268407A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2562953B2 publication Critical patent/JP2562953B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、石油ストーブ、石油こんろ等に用いられる
燃焼器具用芯の耐熱部材に関する。
〔従来の技術〕
従来から燃焼器具用芯の耐熱部材としては、複数の厚
手耐熱布を、必要に応じて補強用中芯を中間に介して重
合し、ガラス繊維糸にて縫製一体化して形成した重合耐
熱布を用いたものや、耐熱糸を一定の太さになるよう任
意の複数本を引揃えてタテ糸群(燃焼器具用芯になった
ときもタテ糸になる)とし、複数列のタテ糸群をそれぞ
れ反復折返しつつ配列し、これらをガラス繊維糸をヨコ
糸として編綴して形成した耐熱編成布を用いたものが一
般的である。
上記ガラス繊維糸に代えて、ガラス繊維糸とレーヨン
・スフ糸との合撚糸を使用することもあるが、この合撚
糸は、レーヨン・スフ糸の表面が毛羽立っているので、
縫糸または編綴用ヨコ糸として用いた場合に、切口での
糸ほつれが起りにくい利点がある反面、タール付着を防
ぐ目的で耐熱部先端を焼成加工する際に、レーヨン・ス
フ糸成分が燃焼してしまって合撚糸自体が強度劣化し、
糸切れを起し易い。
また、上記ガラス繊維(無機繊維に属する)とは別
に、有機繊維に属するポリアミド系(ナイロン)の一種
としてアラミド繊維(全芳香族ポリアミド繊維)が耐熱
性ないし高強力を有するものとして知られている(例え
ば、繊維機械学会誌1987年Vol.40,No.4,P.159〜P.173
「高性能繊維のハイテク産業用途への応用」参照)。
なお、アラミド繊維の中でも、メタ型アラミド繊維は
特に耐熱性に優れ、パラ型アラミド繊維は高強力である
ことが知られている。
そして、例えば実開昭58−181111号、同58−194304号
公報等に示されるように、上記アラミド繊維などの抗張
力に富む有機繊維を燃焼器具用芯の耐熱部と吸上部との
芯継部の縫糸に、または編成布の編綴用ヨコ糸に用いる
ことも知られている。
ところで、上記した複数の厚手耐熱布を縫製一体化し
た耐熱部材や、耐熱糸のタテ糸を編綴した耐熱部材にお
ける、ガラス繊維糸は、それ自体、耐屈曲性が著しく弱
く機械的に脆いため、製芯工程での移動時の摩擦、引っ
掛かり、さらには重ね縫い時のミシン針による突刺し等
で比較的簡単に切れるという欠点がある。
また製芯工程で、縫糸の残糸の除去、耐熱布の先端か
らほつれかかっているヨコ糸の除去等に鋏を使用する
が、このとき、鋏の誤接触によっても縫糸や編綴用ヨコ
糸が切断し易く糸切れを起こすことが多い。
さらに、また、耐熱部材の先端を焼成加工する場合、
縫糸または編綴用ヨコ糸が耐熱性に優れたガラス繊維糸
であっても、熱の影響でガラス繊維の欠点である耐屈曲
性がさらに低下し、それ以降の製芯工程で糸切れを生じ
易い。
また、ガラス繊維糸の耐屈曲性の悪さ・機械的脆さ
は、いきおい縫糸としての可縫性の低下を招き、そのた
めミシンの回転数を上げて縫製能率を上げるといったこ
とが困難である。同様のことは編綴用ヨコ糸の場合にも
当てはまり、編成能率は良好でない。
なお、上記において、ガラス繊維に代えて、アラミド
繊維を用いたとしても、アラミド繊維はガラス繊維に競
べて、耐屈曲性では優れているものの耐熱性が劣るた
め、上記のように耐熱部材の先端焼成加工を行なうこと
ができず、また、燃焼器具用芯として器具に装着して使
用するときには空焼き燃焼で支障を生じることはもちろ
ん通常燃焼時の燃焼熱にも耐え難いといった問題を有す
る。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、上記種々の問題点を解消するもので、耐熱
布の縫製用縫糸または耐熱糸でなるタテ糸群列の編綴用
ヨコ糸として、ガラス繊維糸とアラミド繊維糸とを撚っ
た合撚糸を用いることにより、縫製時あるいは編綴時、
さらには製芯工程における糸切れ発生を大巾に低減で
き、縫製または編成能率の向上が図れ、しかも耐熱部材
先端の焼成加工にも耐えることが可能な燃焼器具用芯の
耐熱部材を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、ガラス繊維、耐炎繊維等からなる複数枚の
耐熱布を重合し、かつ、これらをガラス繊維糸とアラミ
ド繊維糸とを主体とする合撚糸を縫糸として縫製一体化
して形成した重合耐熱布からなる燃焼器具用芯の耐熱部
材にある。
また、ガラス繊維、耐炎繊維等からなる複数本の耐熱
糸を、所定の太さになるよう引揃えてタテ糸群とし、こ
のタテ糸群を反復折返しつつ配列し、これらをガラス繊
維糸とアラミド繊維糸とを主体とする合撚糸をヨコ糸と
して編綴して形成した耐熱編成布からなる燃焼器具用芯
の耐熱部材にある。
[作用] 上記構成において、縫糸としての合撚糸におけるアラ
ミド繊維は、引張強度が22〜25g/deでガラス繊維の約5g
/deの4倍以上の値を有し、かつ破断伸度が4%前後で
ほぼ両者一致しているため、両者を合撚した場合の引張
特性上のバランスが良好となる。
また、アラミド繊維糸とガラス繊維糸の合撚糸は、ガ
ラス繊維特有の耐屈曲性不良による機械的脆さをアラミ
ド繊維糸によって補うと共に、アラミド繊維の耐熱性不
足をガラス繊維糸によって補い合うという相互補完を果
すことになる。その結果、縫糸は強靭なものとなり、縫
製または編成時およびその後の製芯工程において糸切れ
不良が発生しにくいものとなる。
[実施例] 第1図、第2図に示した本発明の第1実施例に係る燃
焼器具用芯と耐熱部材について以下に説明する。
本実施例の耐熱部材は厚手耐熱布を複数枚(通常は2
枚)重合した例で、図示の状態は長手方向中心線A−
A′(これが切断線となる)を境に上下に2枚分が形成
されている製造途上のものを示している。
重合耐熱布1は、2枚の厚手耐熱布3,3を両者間に補
強用の中芯2,2を介して重合してなり、これらを本発明
の特徴とするガラス繊維糸とパラ型アラミド繊維糸とを
主体とする合撚糸でなる縫糸4,4,5,5,6,6で多本縫ミシ
ンなどを用いて縫製一体化して形成したものである。な
お、中芯2は必要に応じて用いればよい。この重合耐熱
布1を中心線A−A′に沿って切断することにより2枚
の耐熱部材7,7が得られる。
この耐熱部材7より筒芯を製造するには、第5図に示
すように、耐熱部材7の下側縁部8を吸上部材としての
木綿布(または不織布)9の上縁部10と突き合せて縫糸
11により縫合した後、木綿布9の巾に合わせて切断し、
さらに、これを円筒状に巻くとともに縫糸12により縫製
する。もって燃焼器具用芯13を得ることができる。な
お、平芯の場合は、縫糸12による縫製を行なわない。
上記の厚手耐熱布3は、ガラス繊維、耐炎繊維等の耐
熱性の良好な繊維に、必要に応じてレーヨン・スフ糸を
混紡した200〜500テックス程度の太さの糸で製織した厚
さ1〜2mm程度の織物でなり、このような材質である耐
熱布を所望の巾(生産能率および作業性から通常は2本
分の巾で、70〜80mmの巾)に裁断して帯状としたものを
用いている。
次に、縫糸4,5,6に用いた合撚糸の構成について説明
する。
合撚糸の一主要要素であるガラス繊維糸は、単繊維の
繊度が5μないしはそれ以下のものが好ましく、糸番手
は5〜70テックスのものが好ましい。また、このガラス
繊維糸は細くて強力の高い紡績糸を紡出することが困難
であるので、長繊維糸を用いればよい。
合撚糸の他の主体要素であるパラ型アラミド繊維は、
芳香族環をつなくアミド結合が互いにパラの位置にある
構造を有するアラミド重合体から形成された繊維であ
り、例えば、ポリパラフェニレンテレフタラミド(商品
名:ケブラー、デュポン社製) あるいは、ポリパラフェニレン・3,4′ジフェニルエー
テル・テレフタラミド(商品名:テクノーラ、帝人
(株)製) などを用いればよい。
パラ型アラミド繊維糸の番手は50〜400deが好まし
い。また、このパラ型アラミド繊維糸は細くて強力の高
い紡績糸を紡出することが容易であるので、紡績糸、長
繊維糸のいずれを用いてもよい。
また、ガラス繊維糸とパラ型アラミド繊維糸の合撚
は、それぞれをまず1本づつ引揃えて2本撚とし(下
撚)、次いでこれらを所定本数引揃えて上撚をかける方
法と、それぞれの必要本数を引揃えて1回で撚合せる方
法等がある。
さらに、合撚糸は、ガラス繊維糸とパラ型アラミド繊
維糸とを主体するが、他の成分として木綿糸、レーヨン
糸、炭素繊維糸等を合撚したものであってもよい。
なお、パラ型アラミド繊維が紡績糸である場合、紡績
工程で上記のような他成分の繊維をパラ型アラミド繊維
と混紡することもできる。
ここに、ガラス繊維糸とパラ型アラミド繊維糸に合撚
する他の成分の繊維糸の割合は、ガラス繊維糸およびパ
ラ型アラミド繊維糸の耐熱性、高強力性を実質的に損な
わない範囲であることが必要とされ、50%以下、好まし
くは30%以下がよい。
また、合撚糸を構成するガラス繊維糸およびパラ型ア
ラミド繊維糸が、共に長繊維糸である場合は、この合撚
糸の表面は平滑であるため、縫糸または編綴用ヨコ糸と
して用いたとき、切口での糸ほつれが起り易いが、前記
のような他成分の繊維を紡績糸として合撚することによ
り、合撚糸の表面を毛羽立たせて平滑性を失わせ、切口
での糸ほつれを防止することができる。
また、合撚糸は、縫糸4,4,5,5,6,6の全部に用いる
他、一部のみに用いてもよいが、その場合は、少なくと
も燃焼器具用芯に形成したときの耐熱部の第1糸となる
縫糸4,4には必ず用いなければならない。これは、耐熱
部の第1糸が芯の先端部の形態を安定化し、燃焼の安全
性を保証する重要な働きをするものであって、この第1
糸の糸切れ不良は極力、避けなければならないからであ
る。
次に第3図、第4図に示した本発明の第2実施例に係
る耐熱部材について説明する。
本実施例の耐熱部材は、耐熱糸をタテ糸とし編綴用ヨ
コ糸にて編成したもので、図示の状態は前述と同様に長
手方向中心線B−B′(これが切断線となる)を境に上
下に2枚分が形成されている製造途上のものを示してい
る。
耐熱編成布21は、耐熱糸を所定の太さになるように任
意の複数本を引揃えてタテ糸群28(燃焼器具用芯になっ
たときもタテ糸になる)とし、このタテ糸群の複数列を
反復折返しつつ所定の巾(耐熱部1本分ないしい複数本
分の巾)に配列し、このタテ糸群が配列された層間に必
要に応じて補強用の中芯22,22を介在させ、かつこれら
を上記と同様の素材の合撚糸でなる編綴用ヨコ糸23,23,
24,24,25,25,26,26,27,27で編綴したものである。
この耐熱編成布21はクロセット機等のラッセル編機を
用いて編成することができる。
この耐熱編成布21を図示の中心線B−B′に沿って切
断し、2枚の耐熱部材29,29が得られる。この耐熱部材2
9より燃焼器具用芯を構成するには、前述と同様に、耐
熱部材29の縁部30を吸上部材の木綿布(または不織布)
の上縁と突き合せて縫合すればよい。
ここで合撚糸は、前述と同様に編綴用ヨコ糸23,23,2
4,24,25,25,26,26,27,27の全部に用いる他、一部のみに
用いてもよく、その場合、芯に形成したときの耐熱部の
第1糸となる編綴用ヨコ糸23,23には必ず用いなければ
ならない。
上記第1、第2のいずれの実施例構成にあっても、パ
ラ型アラミド繊維糸とガラス繊維糸とを合撚した合撚糸
は、両者の各特性の相互補完作用により、その引張特
性、耐屈曲性、耐熱性に優れたものとなり、したがっ
て、縫糸4,5,6および編綴用ヨコ糸、23〜27の糸切れを
防止することができ、ひいてはミシンによる縫製、編機
による編成の速度を高めることができ、したがって生産
能率を向上することができ、また、タール付着防止のた
めに耐熱部材の先端部を高温にて焼成加工しても支障が
生じない。
なお、アラミド繊維の中でも、メタ型のものは、引張
強度が5〜6g/deと低い上、破断伸度が35〜40%と高い
ため、ガラス繊維との補完効果は小さい。
以下に、本耐熱部材の3種類の具体例について説明す
る。
(1)ガラス繊維80%およびレーヨン・スフ20%からな
る番手が325テックスである耐熱糸をタテ糸およびヨコ
糸として製織し、目付が650g/m2である厚手耐熱布を得
る。この耐熱布を巾70mmのテープ状に裁断し、2枚を重
合してその中間に硬仕上綿布からなる巾30mmの2枚の補
強用中芯を10mmの間隔で平行に介在させる。
また、100deのポリパラフェニレン・3,4′ジフェニル
エーテル・テレフタラミド繊維糸と、11テックスのガラ
ス繊維糸とをそれぞれ1本づつ引揃えて下撚を設け、こ
れらを3本引揃えて上撚をかけ合撚糸とする。
そして、前記の重合耐熱布を、多本縫ミシンを用いて
10mm間隔で、6本の合撚糸を縫糸として長さ方向に縫製
し、厚さ2.5mmの帯状重合耐熱布とする。この帯状重合
耐熱布を長さ方向に沿って中央部を裁断し、同一の2本
の耐熱部材とする。この耐熱部材を木綿布等の吸上部材
と縫合わせて燃焼器具用芯とすることができる。
(2)ガラス繊維40%、耐炎繊維40%、レーヨン・スフ
20%からなる番手が325テックスである耐熱糸をタテ糸
として、1コース当り15本、100m当り26コースの密度で
70mm巾に反復折返しつつ配列し、10mm間隔の8本のヨコ
糸にて編綴して耐熱編成布とする。
8本のヨコ糸は、中央の隣合う2本を、100deのポリ
パラフェニレン・テレフタラミド繊維糸と11テックスの
ガラス繊維糸とをそれぞれ2本づつ合撚した合撚糸と
し、残りの6本を100%ガラス繊維糸とした。
この耐熱編成布を長さ方向に沿って中央部を裁断し、
同一の2本の耐熱部材とする。この耐熱部材を木綿布等
の吸上部材と縫合わせて燃焼器具用芯とすることができ
る。
(3)ガラス80%およびレーヨン・スフ20%からなる番
手が325テックスである耐熱糸を3本撚してタテ糸と
し、単糸をヨコ糸として製織して目付けが1000g/m2であ
る耐熱布を得る。この耐熱布を巾70mmのテープ状に裁断
し、2枚を重合してその中間に硬仕上した薄手ガラスク
ロスからなる巾30mmの補強用中芯を10mmの間隔で2枚平
行に介在させる。
また100deポリパラフェニレン・3,4′ジフェニルエー
テル・テレフタラミド繊維糸と、11テックスのガラス繊
維糸とをそれぞれ1本づつ引揃えて下撚をかけ、これを
3本引揃えて上撚をかけ合撚糸とする。
そして、前記の重合耐熱布を、多本縫ミシンを用い
て、10mm間隔で長さ方向に6本の縫糸で縫製し、帯状重
合耐熱布とする。6本の縫糸のうち、中央の隣合う2本
を前記合撚糸とし、残りの4本を100%ガラス繊維糸と
した。この帯状重合耐熱布を長さ方向に沿って中央部を
裁断し、同一の2本の耐熱部材とする。
さらに、この耐熱部材の合撚糸にて縫製した側の縁部
から約20mm巾の範囲を、650℃の温度に調整した高温炉
中を通過させて焼成した。焼成後の耐熱部材の合撚糸
は、引張強度および耐屈曲性がほとんど損われていなか
った。
この耐熱部材は、その非焼成側の縁部を木綿布等の吸
上部材と縫合わせて燃焼器具用芯とすることができる。
[発明の効果] 以上説明した通り、本発明に用いた合撚糸は、耐熱性
と強靭性を兼ね備えているため、従来の100%ガラス繊
維糸を用いた場合にない次のような効果が得られる。
(1)縫糸および編綴用ヨコ糸の糸切れを防止すること
ができる。
すなわち、従来の部材における100%ガラス繊維糸
は、引張強度は4〜5.5g/deと通常のレベルにあるが、
ガラス繊維特有の機械的脆さのため、縫製または編成後
の製芯工程での移動時の摩擦、引っ掛かり、さらには重
縫い時のミシン針による突刺し等で比較的簡単に糸切れ
を起すという問題があった。それに対し、本発明におけ
る合撚糸は引張強度が約22〜25g/deで、かつ耐屈曲性が
著しく優れたパラ型アラミド繊維を用いているために、
上記のような糸切れは実質的に皆無となる。
また、製芯工程で、縫糸の残糸の除去、耐熱布の先端
からほつれかかっているヨコ糸の除去等に鋏を使用する
が、この際、従来、誤って縫糸や編綴用ヨコ糸を切断し
て糸切れ事故を起すことが多かったが、本発明における
合撚糸はパラ型アラミド繊維の強靭さによって鋏によっ
ても切断されにくく、このような糸切れも起らなくな
る。
さらには、製芯工程での糸切れ事故が解消したことに
より、糸切れチェックのための検査の労力と時間を短縮
することができる。また、検査での糸切れの見逃しの恐
れがなくなり、糸切れに係る不良品の発生が大巾に低減
され、ひいては、燃焼器具そのものの信頼性の向上に寄
与することができる。
(2)生産能率を高めることができる。
ガラス繊維糸の耐屈曲性不良による機械的脆さが補わ
れたために、耐熱布の縫糸または耐熱糸の編綴用ヨコ糸
として、合撚糸を用いることによって、ミシンの縫製速
度または編機の回転数を高めることができ、縫製能率ま
たは編成能率を向上することができる。
(3)先端焼成加工に耐え得る。
本発明の最も予測しがたい効果は、タール付着防止を
図るために、燃焼器具用芯の耐熱部材の先端部を高温
(650℃前後)の炉内を通して焼成しても、合撚糸の引
張強度および耐屈曲性が僅かしか低下せず、熱収縮もほ
とんど発生しなかったことである。これは100%ガラス
繊維糸を用いた部材の場合では得られない大きな効果で
ある。
この結果、本発明は先端焼成を行なわない燃焼器具用
芯には勿論のこと、先端焼成を行なう燃焼器具用芯にも
適用できる。
パラ型アラミド繊維は、400〜500℃で急速に熱分解と
熱収縮が進むことが知られているが、ここに、パラ型ア
ラミド繊維糸とガラス繊維糸とでなる合撚糸において、
パラ型アラミド繊維糸が、高温の先端焼成に耐えられる
理由は、焼成時間が比較的短いうえ、熱が熱伝導性の良
いガラス繊維糸を伝導して拡散するため、パラ型アラミ
ド繊維の温度上昇を低く抑えることができるためである
と考えられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例に係る燃焼器具用芯の耐熱
部材の一部破断平面図、第2図は第1図のII−II線断面
図、第3図は本発明の第2実施例に係る燃焼器具用芯の
耐熱部材の一部破断平面図、第4図は第3図のIV−IV線
断面図、第5図は本発明の耐熱部材を用いて燃焼器具用
芯を形成した例を示す斜視図である。 1……重合耐熱布、3……厚手耐熱布、4,5,6……縫
糸、7……耐熱部材、13……燃焼器具用芯、21……耐熱
編成布、23〜27……編綴用ヨコ糸、28……タテ糸群、29
……耐撚部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−41921(JP,A) 特開 昭62−90349(JP,A) 実開 昭59−18119(JP,U) 実開 昭62−88774(JP,U) 実開 昭58−119012(JP,U) 実開 昭57−165914(JP,U) 実公 昭63−19693(JP,Y2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス繊維、耐炎繊維等からなる複数枚の
    耐熱布を重合し、かつ、これらをガラス繊維糸とアラミ
    ド繊維糸とを主体とする合撚糸を縫糸として縫製一体化
    して形成した重合耐熱布からなる燃焼器具用芯の耐熱部
    材。
  2. 【請求項2】ガラス繊維、耐炎繊維等からなる複数本の
    耐熱糸を、所定の太さになるよう引揃えてタテ糸群と
    し、このタテ糸群を反復折返しつつ配列し、これらをガ
    ラス繊維糸とアラミド繊維糸とを主体とする合撚糸をヨ
    コ糸として編綴して形成した耐熱編成布からなる燃焼器
    具用芯の耐熱部材。
JP63220691A 1988-09-02 1988-09-02 燃焼器具用芯の耐熱部材 Expired - Fee Related JP2562953B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63220691A JP2562953B2 (ja) 1988-09-02 1988-09-02 燃焼器具用芯の耐熱部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63220691A JP2562953B2 (ja) 1988-09-02 1988-09-02 燃焼器具用芯の耐熱部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0268407A JPH0268407A (ja) 1990-03-07
JP2562953B2 true JP2562953B2 (ja) 1996-12-11

Family

ID=16754974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63220691A Expired - Fee Related JP2562953B2 (ja) 1988-09-02 1988-09-02 燃焼器具用芯の耐熱部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2562953B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10145549B4 (de) * 2000-09-17 2004-08-26 Gerhard Popp Docht für Feuerjonglierkeulen oder Feuerdevilsticks, Feuerpois oder sonstige Fackeln für die Feuerjonglage
DE10046066A1 (de) * 2000-09-17 2002-04-04 Gerhard Popp Docht für Feuer-Jonglierkeulen oder Feuer-Devilsticks oder Fackeln
TWI375673B (en) * 2005-04-11 2012-11-01 Abbott Lab 1h-benzimidazole-4-carboxamides substituted with a quaternary carbon at the 2-position are potent parp inhibitors

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57165914U (ja) * 1981-04-08 1982-10-19
JPS5841921A (ja) * 1981-09-03 1983-03-11 富士フアイバ−グラス株式会社 複合繊維製品
JPS58119012U (ja) * 1982-02-05 1983-08-13 シャープ株式会社 石油スト−ブ用芯
JPS5918119U (ja) * 1982-07-27 1984-02-03 名取 正 液体燃料燃焼用の芯
JPS6290349A (ja) * 1985-10-16 1987-04-24 日本毛織株式会社 防火繊維布
JPH0116779Y2 (ja) * 1985-11-18 1989-05-17
JPH0626715Y2 (ja) * 1986-07-22 1994-07-20 株式会社大林組 回転式ドア構造

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0268407A (ja) 1990-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1354085B1 (en) Fire resistant corespun yarn and fabric comprising same
DE60219422T2 (de) Verbesserte schutzkleidungsgewebe und schutzkleidung
KR20100059883A (ko) 다이아미노 다이페닐 설폰으로부터 유도된 섬유와 모드아크릴 섬유의 블렌드로부터 제조된 난연성 방적 스테이플 얀 및 그로부터 제조된 천과 의복 및 그의 제조 방법
US20210348310A1 (en) Fire and abrasion resistant yarn
JP7036006B2 (ja) 遮炎性織物
EP0385024A1 (en) Fine denier two component corespun yarn for fire resistant safety apparel and method
CN1795093A (zh) 防护服用织物和纱线
KR950004076B1 (ko) 취성세라믹사를 포함하는 탄성합성사
JP2017517651A (ja) 高強力長尺ステープル糸を有する難燃性布地
US8026189B1 (en) High-temperature and fire-resistant fabric and a method of manufacturing thereof
US20230019403A1 (en) Cloth for mattress and method for manufacturing the same
KR20100065156A (ko) 경질-막대 섬유와 다이아미노다이페닐 설폰으로부터 유도되는 섬유의 블렌드로부터 제조된 방적 스테이플 얀 및 그로부터 제조된 천과 의복 및 그의 제조 방법
JP2562953B2 (ja) 燃焼器具用芯の耐熱部材
JPH03220335A (ja) 耐火性繊維糸とその使用
KR100205907B1 (ko) 내열성이 우수한 방적사
JP2005213708A (ja) 難燃性複合糸
JP5219832B2 (ja) Pipd快適布帛およびそれから作られた物品
CN104544661B (zh) 一种激光防护面料的制作方法
EP2788537B1 (en) Yarns of polyoxadiazole and modacrylic fibers and fabrics and garments made therefrom and methods for making same
JP2523260Y2 (ja) 石油ストーブ灯芯用の縫糸又は編糸
TR2022013667T2 (tr) Ateşe ve aşinmaya dayanikli i̇pli̇k
EP4115010A1 (en) Fire and abrasion resistant yarn
JP3204773B2 (ja) 耐切創性と耐熱性を有する合成繊維糸条および織編物
JPH0268326A (ja) 耐熱性縫糸
JPH1088448A (ja) 耐摩耗性の改善された難燃性複合布帛

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees