JPH03185139A - 炭素繊維コード及びその製造方法 - Google Patents

炭素繊維コード及びその製造方法

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JPH03185139A
JPH03185139A JP2163626A JP16362690A JPH03185139A JP H03185139 A JPH03185139 A JP H03185139A JP 2163626 A JP2163626 A JP 2163626A JP 16362690 A JP16362690 A JP 16362690A JP H03185139 A JPH03185139 A JP H03185139A
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JP
Japan
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carbon fiber
thermoplastic polyurethane
polyurethane resin
twisted
cord
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JP2163626A
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English (en)
Inventor
Yoshio Takechi
武智 淑夫
Kenji Shimazaki
賢司 島崎
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Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Rayon Co Ltd
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Publication date
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、炭素繊維コード及びその製造方法に関するも
のである。本発明の炭素繊維コードは、コードとしての
みならず、伝動ベルトの補強材として好適に使用され、
特に、高強度で低伸度の伝動ベルトを製作するのに好適
であり、優れた耐屈曲疲労性を有する。ここで伝動ベル
トとは、平ベルト、平ベルト、歯付きベルト等の動力伝
達ベルトを総称する。
平ベルトでは、粉砕機、圧延機、コンプレッサー グラ
インダー、旋盤等に、平ベルトでは、電動工具、製紙マ
シン等に、歯付きベルトでは、タイプライタ−1電子計
算機、複写機、ミシン等に、それぞれ使用することがで
きるが、本発明の炭素繊維コードは、主に自転車用歯付
きベルトの補強材に好適に使用できる。
〔従来技術〕
伝動ベルトの補強材としては、従来のスチール、高強力
レーヨン、ポリエステル繊維、ガラス繊維等に代り高い
比強力を有する芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)
が使用されつつあるが、アラミド系繊維に比べ更に伸度
が低く、また、使用中に伸びてしまうこともない炭素繊
維を使用したコードが期待されている。
従来、炭素繊維コードは、炭素繊維束に各種の樹脂、例
えばエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、レゾルシン−ホ
ルマリンラテックスなどが付着されて製作され、各種の
マトリックス樹脂やゴム、例えばポリウレタン樹脂やス
チレン−ブタジェン系、ニトリル系、クロロプレン系な
どのゴムと組み合わせて、伝動ベルトとするための補強
材として、また、単独ではロープなどとして用いること
が試みられてきた。
炭素繊維の優れた力学的性質を複合材料に十分に反映さ
せるためには、マトリックス樹脂と炭素繊維とが十分に
接着し、一体化する必要があり、このために通常は電解
表面処理が施された炭素繊維を使用するのが普通である
一方、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、柔軟性、接着姓に
富みコードのマトリックスとして好適である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
コードは耐屈曲疲労性が用途上重要なファクターであり
、耐屈曲疲労性に優れていないと実用性に欠ける。
しかしながら、従来の炭素繊維コードは、これらの用途
において耐屈曲疲労性に劣るため、伝動ベルト内でコー
ドが切断し、結果的に伝動ベルトが切断し、実用に至ら
ない場合が多い。
これは、これらの伝動ベルトやロープにおいて、そこで
用いられた炭素繊維の強さがコードやロープに直ちに反
映されず、高強力の炭素縁あることも原因の一つになっ
ている。
T(%)=(b/a) x 100−−−−・−(1)
T:強力寄与率 a:炭素繊維コードから脱樹脂したのち、R7601に
て測定された強力CKg)b:炭素繊維コードの強力(
Kg) 〔発明の目的〕 」IS− 本発明の目的は、炭素繊維が熱可塑性ポリウレタン樹脂
マトリックスとの接着性に優れ、上述した炭素繊維から
なるコードの引張強力が炭を提供することにある。
他の目的は、耐屈曲疲労性に優れた炭素繊維コードを提
供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は下記の構成からなる。
(1)炭素繊維合撚糸に熱可塑性ポリウレタン樹脂を含
浸した炭素繊維コードであり、外周部に実質的に炭素繊
維が露出しないように熱可塑性ポリウレタン樹脂で被覆
された炭素繊維コードであって、しかも、炭素繊維コー
ド全体に占める熱可塑性ポリウレタン樹脂が8〜30重
量%で、かつ、見掛は密度と真密度の比が0゜35以上
である炭素繊維コード。
(2)炭素繊維合撚糸の下撚数が30〜150個/mで
あり、上撚数が30〜150個/mで、かつ、上撚と下
撚の比(上撚/下撚)が0.3〜3である請求項(1)
記載の炭素繊維コード。
(3)ポリアクリロニトリル系炭素繊維を硝酸又は硝酸
塩系電解質溶液中で電解表面処理した炭素繊維束に下撚
を施したのち複数を引揃えて加熱して合撚糸とし、該合
撚糸に熱可塑性ポリウレタン樹脂溶液又は分散液を付与
し、次いで、乾燥及びダイによる賦形を行うことを特徴
とする請求項(1)記載の炭素繊維コードの製造方法。
(4)ポリアクリロニトリル系炭素繊維を硝酸又は硝酸
塩系電解質溶液中で、ESCAにて測定される繊維の表
面酸素/炭素(OHs / C3S比)の値が0.35
以上となるまで電解表面処理をすることを特徴とする請
求項(3)記載の炭素繊維コードの製造方法。
(5)ダイによる賦形を加熱雰囲気中で行うことを特徴
とする請求項(3)記載の炭素繊維コードの製造方法。
(6)ダイによる賦形後、再度熱可塑性ポリウレタン樹
脂溶液又は分散液を付与することを特徴とする請求項(
3)記載の炭素繊維コードの製造方法。
本発明の炭素繊維コードは、高い強力寄与率と耐屈曲疲
労性をもつ炭素繊維コードであり、炭素繊維コードとし
てのみならず、低伸度伝動ベルトの補強材として好適で
ある。
本発明において、炭素繊維とは、アクリロニトリル系繊
維から通常の方法で誘導された炭素繊維であり、好まし
くは、炭素93ffi量%以上、窒素1〜7重量%を含
み、単繊維での引張弾性r+520X10″kgr/a
m’ 以上、引張強す300kgr/llm2以上、好
ましくは引張強す500kgr/ll1m2以上のIl
l繊維本数1000〜15000本、50〜300テツ
クス(繊維束の1000m当りのグラム数)のものであ
る。
炭素繊維束強度(ストランド強度)は530〜620k
gf/am ’がよい。
本発明において、熱可塑性ポリウレタン樹脂とは、完全
熱可塑性ポリウレタン樹脂又は不完全熱可塑性樹脂であ
り、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジメチ
ルホルムアミド等の有機溶媒に溶解するか、水に分散さ
れた状態で使用される。完全熱可塑性ポリウレタン樹脂
としては、クリスボンAl1500 、クリスボン85
66LV (大日本インキ化学工業(株)製〕等の商品
名で市場で入手することができる。
不完全熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、アデカボン
タイター〔旭電化工業(株)製〕、クリスボン6109
、クリスボンN−184(大日本インキ化学工業(株)
製〕等の商品名で市場で入手することができる。
本発明において、真密度は、浸漬液として純水を用いJ
IS−R7601に準拠して求められた密度である。
本発明において、見掛は密度とは、下記式(2)によっ
て求められる密度である。
p I(g/cm ” )=a/ ((b’ /4) 
x rr ×I、)・−・−C2)ρ1:見掛は密度(
g/am ” ) a :コードLc■の重量(g) b =コード直径(cm) 1、: コード長さ(c+n) 真密度と見掛は密度の比は、下記式(3)によって求め
られる。
C−ρI/ρ2・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)C:見掛
は密度と真密度の比 ρI 二見掛は密度(g/Cm” ) R2:真密度(g/el ” ) 本発明の炭素繊維コードは、上記によって求められた、
見掛は密度と真密度の比が0.35以上である。好まし
くは、0.75以上である。
0.35未満の場合、コードを構成する繊維が分離しや
すく、また、屈曲により繊維間の摩擦が生じ耐屈曲疲労
性が低くなる。
本発明における炭素繊維コードにおいて、炭素繊維コー
ド全体に占める熱可塑性ポリウレタン樹脂が8〜30重
量%であることが必要である。
8重量%未満の場合、炭素繊維コードの引張強さが低く
、また、コードの表面に繊維が露出しやすくなり、耐屈
曲疲労性が低下する。
30重量%超の場合、コードが硬くなり、柔歓性、可撓
性が低下し耐屈曲疲労性が低下すると同時に、コードが
太くなり、コードの断面積当りの強度が低くなり、好ま
しくない。
例えば、自転車用ベルトとしては、コード直径が1.3
5mm以下で、コード強力が200kg以上あることが
必要であるが、コード直径が1,35■調を超えると金
属チェーンと同じ幅で、同レベルの強さのベルトを製作
するのが難しくなる。 見掛は密度と真密度の比、及び
、熱可塑性ポリウレタン樹脂含有率と耐屈曲疲労性の関
係を示すと第1表の通りである。
注(1〉 注(2) 注(3〉 No 6〜lOは本発明例 No 1〜5は比較例 実験方法は、実施例1の方法に準じ、樹脂浴濃度を変え
ることにより、樹脂付着量を変化させてサンプルを作製
した。
耐屈曲疲労性は、以下に記載の方法によった。
第1図に示す試験機を用い、ローラーaの直径が18+
am、荷重Vを1440テックス当り4kg 、往復数
i00回1分、屈曲角度α22〜22°の条件で、円a
bの回転にょってコードCを上下させ、破断までの繰り
返し曲げ回数を測定した。
以上のように、本発明の炭素繊維コードは、高い耐屈曲
疲労性を示す。本発明における炭素繊維合撚糸は、下撚
数が30〜150個りであり、上撚数が30〜150個
lImで、かつ、上撚と下撚の比が0.3〜3であるこ
とが好ましい。
下撚数が30未満であると、コードの伸びが小さくなる
ため、耐屈曲疲労性が劣り、150個/+を超えると、
コードの強力が低くなる。
炭素繊維束の引揃え本数は、2本以上で、特に3〜7本
が好ましい。コードの太さを考慮し、かつ、性能的にみ
て、3〜4本は、最も実際的であり、望ましい本数であ
る。
上撚は、下撚とは逆方向に、撚数30〜150個/sの
範囲で付与する。上撚数と下撚数との関係は、引揃え数
3〜4本の範囲で上撚/下撚で0゜3〜3の範囲で上撚
を施すのが好適である。
−膜内には合撚糸の場合、上撚数と下撚数の比は下撚数
の5倍(n:引揃え本数)上撚を与えると糸の軸方向に
対して単繊維が近似的に平行になり、高強力の物が得ら
れるとされているが、炭素繊維コードの場合、耐屈曲疲
労性の観点から、上記範囲にて付与することが好ましい
。この範囲とすることによって、耐屈曲疲労性は高い値
を示す。
炭素繊維合撚糸の撚数と耐屈曲疲労性の関係を示すと第
2表の通りである。
第2表 注:見掛は密度と真密度との比は前掲第1表No、9に
よる。
以上述べた炭素繊維コードは、強力寄与率が55X以上
のものとなる。
本発明の炭素繊維コードは、以下のようにして製造する
ことができる。
一般に炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系、ピ
ッチ系、レーヨン系等のものが知られているが、本発明
においては、好ましくは、前記したポリアクリロニトリ
ル系炭素繊維が用いられる。
通常、炭素繊維は、その製造段階で、焼成工程を経たの
ちマトリックス樹脂との接着性等の繊維の表面特性を改
良するために、表面処理をし、また、サイズ剤処理が施
されるのが一般的である。本発明においても、このよう
な処理を施したものが通常使用される。
特に表面処理は、硝酸又は硝酸塩類の電解質溶液中で電
解表面処理を行うことが必要である。
電解表面処理時の電解質としては、一般に、硫酸、硫酸
塩、力性アルカリ、有機酸類等が知られているが、本発
明の製造方法においては、熱可塑性ポリウレタン樹脂を
マトリックスとしたコードにあっては、電解表面処理を
硝酸又は硝酸塩類の電解質溶液中で行うことが必要であ
る。
これにより、熱可塑性ポリウレタン樹脂との相乗効果が
発神されて、他の電解質を用いた場合に比較し、繊維と
樹脂の接着性が良好になり、コード強力及び耐屈曲疲労
性が向上する。
電角ダ質として、硫酸、硫酸塩、力性ソーダ、有機酸類
等を使用した場合、本発明の上記の効果は得られない。
硝酸塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニ
ウム塩が好ましい。
この場合、硝酸又は硝酸塩類の電解質溶液濃度は、硝酸
換算で0.06〜l:1ffi量%、好ましくは0.6
〜9重量%である。0.06重量%未満では電解表面処
理液に斑が生じ、液中の電気抵抗が高くなるためエネル
ギーを過度に多く必要とする。
13重量%超では、水洗浴への電解質溶液の持出量が多
くなり、後の水洗工程が困難になり、また、処理斑を生
じやすい。
電解表面処理は、電解質溶液中に炭素繊維を導入し、既
知の方法によって、炭素繊維を陽極として、電解質溶液
を陰極として通電し、20り一ロン/g以上の電気量を
付与し処理することが好ましい。特に120ク一ロン以
上が、本発明の目的には好ましい。
酸化処理の程度は、炭素繊維の表面酸素/炭素(0+ 
S/C1s )比の値を0.35以上とする。
0.35未満の場合、熱可塑性ポリウレタン樹脂との接
着性が低下する。好ましくは0.40以上である。
繊維の表面酸素/炭素(O1s/C1s比)の値とコー
ド強力及び耐屈曲疲労性の関係を示すと第3表の通りで
ある。
第 表 注: No17〜21は本発明例 No22〜24は比較例 注:見掛は密度と真密度との比は前掲第1表No 7に
よる。
ここで、表面酸素/炭素(OIs/C1s )の比の値
は、E S CA (electron 5pectr
oscopyf’or chemical analy
sis)にて測定される表面酸素/炭素(OHs/C+
 s )比の値であり、(株)島津製作所製ESCA7
50型によって得たものである。繊維方向はX線入射方
向に平行であるのを基準とし、測定雰囲気は真空度5X
lO’Pa以下、励起X線源は、MgK a 240v
(8kv、 30mA)である。
電解表面処理したのち、水洗し[躬質を除き、繊維中に
硝酸根としてLOOOppm以下となるまで浄化するこ
とが好ましい。tooo ppmを超えると、熱可塑性
ポリウレタン樹脂との接着性が低下する傾向が顕著にな
る。
表面処理した炭素繊維は、通常の方法によってサイズ剤
が付与される。サイズ剤は特に制限はされないが、通常
はエポキシ樹脂系、ウレタン変性エポキシ樹脂系、ポリ
ウレタン樹脂系、シランカップリング剤等が用いられる
。特に好ましくはポリウレタン樹脂系である。
サイズ剤の付与量は、炭素繊維重量に対し0゜5〜5重
量%好ましくは1〜2重量%である。
表面処理を経た炭素繊維に対し、熱可塑性ポリウレタン
樹脂を付与するが、熱可塑性ポリウレタン樹脂付与の前
に、下撚を施された炭素繊維束を複数本引揃え下撚とは
逆の上撚を与え、合撚糸とする。
下撚数は、30〜150個lIlとする。好ましくは、
50〜150個111である。上撚は、下撚とは逆方向
に、撚数30〜150個lIlのの範囲で付与する。上
撚数と下撚数との関係は引揃え数3〜4本の範囲で上撚
l下撚比で0.3〜3の範囲で上撚を施すのが好適であ
る。
炭素繊維束に対する熱可塑性ポリウレタン樹脂の付与は
、上述の合撚糸の状態で行われるが、全付与量の30%
以下の量を合撚前の段階で付与し、合撚後、所定量に達
するまで追加付与することもできる。
これは炭素繊維コードの芯部まで熱可塑性ポリウレタン
樹脂を含浸させ真密度と見掛は密度の差を近付けるうえ
で有効である。合撚前に付なるためダイを通す時にスト
ランドが損傷を受け、コードの耐屈曲疲労強度が低下す
る。
合撚糸に対する熱可塑性ポリウレタン樹脂の付与は、溶
液又は分散液で行われる。溶液濃度又は固形分濃度で4
5〜300g/ Q (5〜30重量%)の範囲の液で
浸漬法、スプレー法、ローラー転写法等が採用され得る
が、含浸性の観点から液浸漬法が好ましい。
浴濃度が45gIQ (5重量%)未満のとき、所定の
付与量にするのが困難である。これは単に濃度が低いの
みでなく、数回に分けて付与しても一定断面形状のコー
ドが得られ難い。浴濃度が300g/ Q (30重量
%〉を超えると、付着量が高く、しかも、付着斑が大き
くなる。また、合撚糸内部への浸透性が低く、見掛は密
度が低くなり、耐屈曲疲労性が低下する。
浴温度は通常20〜30℃とする。浴温度が20℃未満
のとき、エポキシ樹脂液の粘度が高くなり、30℃を超
えると、溶媒が揮発し易く濃度がばらつき、いずれの場
合も付着斑の原因となる。
熱可塑性ポリウレタン樹脂の付着量は、炭素繊維コード
に対し熱可塑性ポリウレタン樹脂8〜30重量%である
熱可塑性ポリウレタン樹脂付着量の調整は、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂溶液濃度、溶液含浸量、含浸回数は、後
で述べるダイによる絞り等、よく知られた調整方法によ
って行われる。
合撚糸に熱可塑性ポリウレタン樹脂溶液又は熱可塑性ポ
リウレタン樹脂分散液を付与したのち乾燥(脱溶媒)し
、繊維表面に熱可塑性ポリウレタン樹脂被膜を形成させ
る。乾燥温度は熱可塑性ポリウレタン樹脂の軟化温度以
下で常圧又は減圧下で行い、その後ダイを通して、賦形
及び含浸処理を行う。
ダイを通すことによって、コード径及び樹脂付着量のば
らつきを減少させることができる。
ダイの材質は炭素繊維によって損傷を受けないものであ
ればよく、ステンレス、セラミック等が使用できる。
ダイの形状は、コードの断面積を小さくするため円形が
好ましい。
ダイの径は目標とするコード径及び樹脂付着量により選
択される。好適な径は、目標とするコード径の0.30
〜0.95倍である。
ダイの温度は、熱可塑性ポリウレタン樹脂の軟化点以上
の温度が好ましい。
ダイによる賦形は、乾燥機にて脱溶媒後に行われるが、
この際、自体加熱されたダイを通し、また、加熱雰囲気
中に配されたダイを通し、賦形するのが好ましい。
特に乾燥機中に配されたダイによって、乾燥脱溶媒後、
ダイを通し賦形し、次いで速やかに冷却するのが好適で
みる。これによって、熱可塑性ポリウレタン樹脂の含浸
性を高める効果が得られる。
雰囲気温度は、熱可塑性ポリウレタン樹脂の軟化点以上
の温度とし、ダイの温度はこれより70℃程度高くする
とよい結果が得られる。
ダイによる賦形後、更に熱可塑性ポリウレタン樹脂液を
表面に付与し、表面に熱可塑性ポリウレタン樹脂の被膜
を形成させることは、炭素繊維コード外周に露出するの
を防ILするために一層有効である。
このようにして熱可塑性ポリウレタン樹脂の付与された
炭素繊維コードは、必要により熱処理を行う。
熱可塑性ポリウレタン樹脂が不完全熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂の場合、熱処理によって耐熱性が向上し、この炭
素繊維コードを、伝動ベルトに加工する場合も、熱可塑
性ポリウレタン樹脂が炭素繊維表面から分離せず、炭素
繊維コードの耐屈曲疲労性に対応した、高い耐屈曲疲労
性に優れた伝動ベルトが得られる。
伝動ベルトを製造する際のマトリックスとしては、熱可
塑性ポリウレタン樹脂、ABsゴム、FHNBRゴム等
が用いられるが、熱可塑性ポリウレタン樹脂を用い、溶
融含浸法によって製造することが好ましい。
以下に、本発明の炭素繊維コードの作製法の1例を示す
第2図は、本発明にかかる炭素繊維束コード製造工程の
1例として、樹脂含浸及び乾燥の工程を図示しており、
第2図において、lは合撚糸、2は炭素繊維束コード、
3は樹脂金浸浴、4は乾燥機、5はダイ、6はワインダ
ーである。
炭素繊維に必要な撚りをかけたのち、2本以上の炭素繊
維を合糸し、これに更に逆の撚りをかけて合撚糸lとし
、樹脂金浸浴3に通し熱可塑性ポリウレタン樹脂を付着
してコードを得る。
熱処理を行う場合は、ボビンに巻き取る前に行うことも
できるが、巻き取ってのち行う方が効率的である。
樹脂の付着は、熱可塑性ポリウレタン樹脂を有機溶媒に
45〜aoog/ Qの濃度に溶解又は分散させた浴3
に、合撚糸lを浸漬したのち、溶媒又は水の沸点付近の
温度以上で乾燥機4にて乾燥させ、その後、ダイ 5を
通して賦形する。
このダイ 5の径は、目標とする炭素繊維コード径の0
.30〜0.95の径が好ましい。0.30未満の場合
、コードをダイに通す時、ストランドが損傷を受けやす
くなり、また、0.95超の場合、コード径が太くなり
、細いベルトを作ることが難しくなる。
〔発明の効果〕
本発明の炭素繊維コードは高い耐屈曲疲労性を有する。
更に炭素繊維の強力寄与率が55%以上と高く、炭素繊
維コードとしてのみならず、低伸度のため伝動ベルトの
補強材として好適である。
本発明の炭素繊維コードは、特に、熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂と組み合わせてベルトに使用した場合、高い耐久
性を発揮することができる。
本発明の炭素繊維コードの製造方法において、熱可塑性
ポリウレタン樹脂をマトリックスとしたこと、及び、炭
素繊維の表面処理を硝酸又は硝酸塩系の電解質液中で電
解処理すること、並びに一連の工程の組み合わせによっ
て、上記した特性の優れた炭素繊維コードが効率的に得
られる。
〔実施例と比較例〕
以下に実施例と比較例を挙げて、更に詳細に本発明を説
明する。特に記載のない限り「部」、1%」は重量で示
す。
実施例1 炭素含有量96%、窒素含有量3.8%であり、引張弾
性率30x to” kgf’/mm’ 、引張強す5
90kgf’/+++12、単繊維本数12000 、
繊維束重量330テックスのアクリロニトリル系炭素繊
維束を硝酸6蔦、温度30℃の硝酸溶液に浸漬し、炭素
繊維束を陽極とし、硝酸溶液を陰極として、浸漬炭素繊
維に120ク一ロン/gになるごとくa電し電躬表面処
理を行い、次いで、繊維中の硝酸根が50pp−以下と
なるまで水洗した。
この繊維のOSs/C+sは0.45であった。
この炭素繊維をポリウレタン樹脂系サイズ剤にて処理し
、繊維重量に対し、サイズ剤がl、0%付与された炭素
繊維とした。
この炭素繊維束にS方向撚100回llの下撚を施し、
このもの4本を引揃えて2方向に100回/mの上撚を
施し、合撚糸とした。
この合撚糸を、第2図の工程に従って、炭素繊維コード
とした。
即ち、完全熱可塑性ポリウレタン樹脂グリスボンA I
+ 500  (不揮発分57%、大日本インキ化学工
業(株)社製、商品名310部と、メチルエチルケトン
(MEK)28部からなる樹脂浴に浸漬し含浸して乾燥
し、乾燥機の中に配された直径1.15au+の円形ダ
イを通してベルト用コードを作製した。
このときの乾燥機の温度は、30℃であり、ダイの温度
は150℃に設定した。
ダイを通してのち、直ちに屹燥機より取り出して冷却し
、ボビンに巻き取った。
このコードの直径は、1.35−厘で、外周部に炭素繊
維の露出はなく、樹脂付着fu11.3%、真密度と見
掛は密度の比は0.68であった。
また、コードの強力は310kgであり、強力寄与率は
61.5%であった。このコードについて、耐屈曲疲労
性を測定したところ、3.I XIO”であった。破断
面においてコードの割れは認められなかった。
実施例2 実施例1で用いた炭素繊維合撚糸を用い、不完全熱可塑
性ポリウレタン樹脂アデカボンタイターU−500(旭
電化工業(株)製、商品名〕の溶液を使用し、実施例1
と同様にして含浸させ、乾燥・賦形し、更に120℃で
熱処理し炭素繊維コードを作製した。このコードの直径
は、1.35■■で、樹脂付着ffi 10.5%、真
密度と見掛は密度の比は0.69であった。
また、コードの強力は290kgであり、強力寄与率は
58.0%であった。このコードについて、耐屈曲疲労
性を測定したところ、4.2XlO’であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、耐屈曲疲労試験の方法を示す概念図である。 a:ローラー     V:荷重 す二回転円盤     α:屈曲角度 C:コード 第2図は、本発明にかかる炭素繊維束コードの1製造例
における樹脂含浸及び乾燥の工程図である。 l:合撚糸       4:乾燥機 2:炭素繊維束コード  5:ダイ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素繊維合撚糸に熱可塑性ポリウレタン樹脂を含
    浸した炭素繊維コードであり、外周部に実質的に炭素繊
    維が露出しないように熱可塑性ポリウレタン樹脂で被覆
    された炭素繊維コードであって、しかも、炭素繊維コー
    ド全体に占める熱可塑性ポリウレタン樹脂が8〜30重
    量%で、かつ、見掛け密度と真密度の比が0.35以上
    である炭素繊維コード。
  2. (2)炭素繊維合撚糸の下撚数が30〜150個/mで
    あり、上撚数が30〜150個/mで、かつ、上撚と下
    撚の比(上撚/下撚)が0.3〜3である請求項(1)
    記載の炭素繊維コード。
  3. (3)ポリアクリロニトリル系炭素繊維を硝酸又は硝酸
    塩系電解質溶液中で電解表面処理した炭素繊維束に下撚
    を施したのち複数を引揃えて加熱して合撚糸とし、該合
    撚糸に熱可塑性ポリウレタン樹脂溶液又は分散液を付与
    し、次いで、乾燥及びダイによる賦形を行うことを特徴
    とする請求項(1)記載の炭素繊維コードの製造方法。
  4. (4)ポリアクリロニトリル系炭素繊維を硝酸又は硝酸
    塩系電解質溶液中で、ESCAにて測定される繊維の表
    面酸素/炭素(O_1s/C_1s比)の値が0.35
    以上となるまで電解表面処理をすることを特徴とする請
    求項(3)記載の炭素繊維コードの製造方法。
  5. (5)ダイによる賦形を加熱雰囲気中で行うことを特徴
    とする請求項(3)記載の炭素繊維コードの製造方法。
  6. (6)ダイによる賦形後、再度熱可塑性ポリウレタン樹
    脂溶液又は分散液を付与することを特徴とする請求項(
    3)記載の炭素繊維コードの製造方法。
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