JP2011241502A - ゴム補強用炭素繊維の製造方法 - Google Patents

ゴム補強用炭素繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭素繊維とゴムとの接着性が良好であり、ゴム付着性に優れ、最終製品におけるゴム中での耐疲労性が優れたゴム補強用炭素繊維の製造方法を提供すること。
【解決手段】炭素繊維束を、ウレタン樹脂を主成分とする第1浴液にて処理し、次いで多核クロロフェノール化合物を含有するRFL系接着剤からなる第2浴液にて処理するゴム補強用炭素繊維。さらには、ウレタン樹脂がエステル系であることや、RFL系接着剤を構成するラテックスとして水素添加アクリロニトリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合体ラテックスを含有していることが好ましい。また、第1浴液による処理の後に炭素繊維束に撚りを掛けることや、その撚り係数が0.5〜3.5の範囲であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明はゴム補強用炭素繊維の製造方法に関し、さらに詳しくは、ホース、ベルト等のゴム産業資材に好適に用いられるゴム補強用炭素繊維の製造方法に関する。
従来、ゴム補強用コードにより補強された繊維強化ゴム材料はベルト、ホース等の産業資材に広く使用されている。そしてこれらのゴム材料には、これまでは補強用コードとしてナイロン繊維やポリエステル繊維等の有機繊維が広く一般に用いられていた。
一方これらの有機繊維に対し、炭素繊維は、引張強度、引張弾性率、耐熱性、耐水性が良好なことから、炭素繊維を用いた繊維強化ゴム材料は、寸法安定性、耐候性等に優れることが期待されている。しかし、炭素繊維は単繊維同士の擦過によるコードの切断、コードとゴムとの界面剥離が生じやすく、耐疲労性に劣るといった問題があった。特に炭素繊維コードとゴムとの間の接着性が十分でない場合には、コード表面の炭素繊維がゴムとの擦過によってより破断しやすくなり、繊維強化ゴム材料としての十分な耐疲労性が得られないという問題があった。
こうした問題を解決する試みとして例えば特許文献1には、エポキシ化合物及びイソシアネート化合物、あるいはそれらの反応物とウレタン樹脂とを付着させた炭素繊維束からなるゴム補強用コードが提案されている。
しかしながら、上記のゴム補強用コードによっても、ベルト、ホース等の用途に用いたとき、コードとゴムとの間の接着性が十分なものとはいえず、繊維強化ゴム材料に適したゴム補強用炭素繊維としての性能は、未だ十分ではなかった。
特開2006−214043号公報
本発明の目的は、ゴムとの接着性が良好であり、ゴム付着性に優れ、最終製品におけるゴム中での耐疲労性が優れたゴム補強用炭素繊維の製造方法を提供することにある。
本発明のゴム補強用炭素繊維は、炭素繊維束を、ウレタン樹脂を主成分とする第1浴液にて処理し、次いで多核クロロフェノール化合物を含有するRFL系接着剤からなる第2浴液にて処理することを特徴とする。
さらには、ウレタン樹脂がエステル系であることや、RFL系接着剤を構成するラテックスとして水素添加アクリロニトリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合体ラテックスを含有していることが好ましい。また、第1浴液による処理の後に炭素繊維束に撚りを掛けることや、その撚り係数が0.5〜3.5の範囲であることが好ましい。
本発明によれば、ゴムとの接着性が良好であり、ゴム付着性に優れ、最終製品におけるゴム中での耐疲労性が優れたゴム補強用炭素繊維の製造方法が提供される。
耐疲労性を測定するための装置の該略図である。
本発明の製造方法は、炭素繊維束を、ウレタン樹脂を主成分とする第1浴液にて処理し、次いで多核クロロフェノール化合物を含有するRFL系接着剤からなる第2浴液にて処理する製造方法である。
本発明の製造方法に用いられる炭素繊維としては、従来公知のものを用いることができるが、特には強度に優れたPAN系炭素繊維であることが好ましい。またこの炭素繊維はフィラメントが集合して束状の糸条となっている繊維束であることが必要であり、ゴム補強用として耐疲労性に優れたものとなる。総繊度としては500dtex以上、さらには2000〜10万dtexの範囲であることが好ましい。またフィラメント数としては3000〜5万フィラメントの範囲であることが好ましく、特には5000〜25000フィラメントの範囲であることが好ましい。
フィラメント数が少なすぎる場合には、1フィラメントにかかる力が集中し、強力と耐疲労性が低下する傾向にある。逆にフィラメント数が大きすぎると、繊維束内での力の分布が不均一になるため、また処理剤が十分に炭素繊維束に含浸しないために、耐疲労性が低下する傾向にある。この炭素繊維束を構成する1本の繊維の直径としては1〜20μm、特には5〜10μmの範囲であることが好ましい。
また本発明の製造方法に用いられる炭素繊維束としては、炭素繊維束のモジュラス(弾性率)が100GPa以上であることが好ましく、より好ましくは230GPa以上であることが好ましい。炭素繊維束のモジュラスの上限としては1000GPa以下であることが、さらには400GPa以下であることが通常の範囲である。炭素繊維束のモジュラスを高めることによって、本発明の製造方法で得られるゴム補強用炭素繊維で補強した繊維強化ゴム材料は、特に寸法安定性が優れたものとなる。また炭素繊維束の強度としては2000〜10000MPaであることが、さらには3000〜6000MPaの範囲であることが好ましく、また破断時の伸度は0.2〜3.0%であることが、さらには1.5〜2.5%であることが好ましい。このような範囲とすることにより、疲労性をより向上させることが可能となる。
また本発明の製造方法に用いられる炭素繊維束は後に述べる第1処理液にて処理する段階では、工程での解舒撚り等も含めて撚りが少なく、実質的には無撚りであることが好ましく、特には無撚り状態であることが好ましい。後に述べる第1浴目の前処理剤を処理する前の炭素繊維束が実質的に無撚の糸条であることにより、前処理剤が均一に付着し、さらに疲労性が向上する。
一方、最終的なゴム補強用炭素繊維としては、炭素繊維束に撚りが掛かっているものであることが好ましい。具体的には、炭素繊維束からなる糸条を1本または複数本合糸し、撚りを加える。撚りを加えることによりゴム構造体中での糸条を構成する各単糸にかかる力を分散させるために、疲労性が向上する。
この撚りを加える工程としては、第1浴液による前処理剤を処理する前や、第2浴液による接着剤処理後でも可能ではあるが、第1浴液による処理の後、第2浴液による処理の前であることが好ましい。第1浴液による前処理が主に単糸の表面を処理するものであり、第2浴液による接着剤処理が繊維束集合体の全体を処理するものであるため、第2浴目の接着剤処理の後の撚糸では、繊維束の形態が崩れる傾向にあるためである。
このときの炭素繊維束の撚り係数としては、特には撚り係数が0.5〜3.5の範囲であることが好ましい。撚係数が小さい場合には、得られたゴム補強用炭素繊維の耐疲労性が不十分となる傾向にある。逆に、撚係数が大きすぎる場合には、引張弾性率が低い値となる傾向にあり、強力も低下する傾向にある。さらには撚係数の範囲は1以上3以下であることが好ましい。なお、ここで撚り係数は下記式により定義されるものである。
0.5≦TC≦3.5 式(1)
但し、TC=撚係数=(1/3031)×T(D)1/2
T:加えられた撚数(T/m)
D:1本または複数本の炭素繊維束の繊束(dtex)
本発明のゴム補強用炭素繊維の製造方法は、このような炭素繊維束を、ウレタン樹脂を主成分とする第1浴液にて処理し、次いで多核クロロフェノール化合物を含有するRFL系接着剤からなる第2浴液にて処理することを必須とするものである。
本発明の製造方法の第1浴液に使用するウレタン樹脂としては特に限定はないが、エステル系ポリウレタンであることが好ましい。エステル系ポリエウレタンを使用することにより、炭素繊維との接着性がより良好となり、また炭素繊維への浸透性がより優れるために樹脂がコード中心部まで含浸し、耐疲労性が向上する。
またウレタン樹脂は、炭素繊維束に対する含浸性の観点から、微粒子であることが好ましい。特に第1処理液が溶剤系ではなく、水などの溶媒に分散させた水系の場合に効果的である。微粒子の場合には、コードの中心部に樹脂組成物が十分に含浸し、単繊維同士の擦過を有効に防止し、耐疲労性が向上する。
本発明のゴム補強用炭素繊維の製造方法では、ウレタン樹脂を主成分とする第1浴液にて処理を行うが、この前処理剤用の処理液である第1浴液には、前処理剤として、エポキシ化合物およびブロックドイソシアネート化合物等を含む化合物を併用することも接着性向上のためには好ましい。
好ましく用いられるエポキシ化合物の具体例としては、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールポリソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。中でも、グリセロールポリグリシジルエーテル及びソルビトールポリグリシジルエーテルは、接着性向上に特に有効である。
またブロックドイソシアネート化合物の具体例としては、メタフェニレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートとフェノール、クレゾール、εカプロラクタムまたはアセトオキシムトの反応物等が挙げられる。
本発明で使用する第1浴液中のウレタン含有量は、固形分100重量%に対して40〜90重量%であることが好ましく、さらに好ましくは50〜80重量%である。含有量が少なすぎるとゴム補強時に炭素繊維の耐疲労性が不足することがあり、含有量が多すぎるとゴムと繊維との接着性が不足する傾向にある。
またこの本発明に使用する第1浴液は、その第1浴目の前処理剤より作製した皮膜が、強度としては0.1〜50N/mmの範囲であることが、伸度としては600〜2000%の範囲であることが、またモジュラスとしては0.1〜50N/mmでの範囲であることが好ましい。各種物性が、これらの範囲を満たす場合には、より高い耐疲労性をえることが可能となる。
本発明のゴム補強用炭素繊維の製造方法において、より具体的に炭素繊維束を処理する方法としては、例えば炭素繊維束をウレタン樹脂を主とする第1浴液に浸漬した後、加熱乾燥炉を通過させ、乾燥させる方法である。また、このウレタン樹脂を主とする第1浴目の処理液は、炭素繊維のサイジング工程で、浸漬・乾燥させることも可能である。この第1浴液を処理する際の乾燥・熱処理条件としては、温度は110〜270℃の範囲が好ましく、特には150〜220℃が好ましい。また処理時間は0.5〜10分の範囲が好ましく、特には1〜3分であることが好ましい。
そして本発明における第1浴液に起因して繊維に付着する前処理剤の好ましい付着量としては、上記炭素繊維束に、ウレタン樹脂を主とする固形分が、炭素繊維束100重量部に対して1〜50重量部付着するものであることが好ましい。さらには5〜20重量部付着していることが最適である。ウレタン樹脂を含む前処理剤の付着量が少なすぎると、単繊維間同士の擦過を防ぐ効果が不十分になる傾向にある。逆に前処理剤の付着量が多すぎると、繊維コード径が大きくなるが、これによりゴム繊維構造体中での屈曲変形による応力が大きくなるため、構造が破壊されやすく、また接着力も低下する傾向にある。
本発明の製造方法においては、炭素繊維束に上記のような前処理剤を、あらかじめ第2浴目の接着剤処理を行う前に付着させることにより、屈曲変形に対する耐疲労性さらに良好にすることができたのである。
次に本発明のゴム補強用炭素繊維の製造方法では、第1浴液にて処理された炭素繊維束は、多核クロロフェノール化合物を含有するRFL系接着剤からなる第2浴液にて処理することを必須とする。なお、このとき第2浴目の処理の前に、先に述べたように撚りを掛けることが好ましい。
本発明の製造法で用いられるRFL(レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス)系接着剤は、レゾルシンとホルマリンとをアルカリまたは酸性触媒下で反応させて得られる初期縮合物(RF)とゴムラテックスの混合物であり、レゾルシン、ホルマリン、およびゴムラテックスの配合比率については特段の制限はない。通常は、レゾルシンとホルマリンのモル比は1:0.1〜1:8、好ましくは1:0.5〜1:5で使用される。またRFの使用量は、後述するベンゼン環を複数個有するクロロフェノール化合物(以下「多核クロロフェノール化合物」とする)の使用量によっても変わるが、通常はRFと多核クロロフェノール化合物の合計量とゴムラテックスが、固形分重量比で10:1〜1:10、好ましくは3:1〜1:3にあることが望ましい。
なお、ここで用いられるゴムラテックスとしては、例えば水素添加アクリロニトリルーブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、イソプレンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、ブタジエンゴムラテックス等があり、これらを単独または併用して使用する。特には本発明のゴム補強用炭素繊維が、ホースやベルトなどに用いられる場合、水素添加アクリロニトリルーブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、イソプレンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックスの群から選ばれるいずれか一つ以上のゴムラテックスであることが好ましい。
また、このラテックスとしては、繊維強化ゴム材料のマトリックスゴムと同種のものであることが好ましく、たとえば、マトリックスゴムとして水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴムを使用する場合、本発明の製造方法におけるラテックス種類としては、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスを含有することが好ましい。ラテックス中の水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムラテックスの固形分重量比率としては、50重量%以上あることが好ましい。
本発明の製造方法において第2浴液のRFL系接着剤中の必須成分として用いられる多核クロロフェノール化合物とは、ベンゼン環を複数個有することをその特徴とするものである。より具体的な例を挙げると、クロルフェノール類、好ましくはパラクロロフェノールとレゾルシンとをホルムアルデヒドと共縮合したクロロフェノール・レゾルシン・フォルマリン共縮合物であり、ベンゼン環を複数個有するものである。なかでも下記構造式で表される、3核体(I)、5核体(II)、7核体(III)を主成分とするものや、さらには8核体以上のものを主とするクロロフェノール化合物であることが最も好ましい。またその固形分濃度としては、20〜30重量%でpH8〜10のアルカリ性水溶液の粘度が25℃雰囲気下で80〜500mPa・sの範囲内にあるものが好ましい。
Figure 2011241502
ベンゼン環を複数個有する多核クロロフェノール化合物とレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスの配合比率は、被着ゴムの配合により微妙に変化するが、一般的にはRFL/多核クロロフェノール化合物が、40/60〜80/20(固形分重量比)の範囲であることが適当である。また前述のRFと多核クロロフェノール化合物の比は、通常前者/後者(固形分重量比)が10/1〜1/10の範囲が適当である。
上記レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)、および多核クロロフェノール化合物を含む接着処理剤を、ゴム補強用炭素繊維束(コード)へ付着せしめるには、ローラーとの接触もしくはノズルからの噴霧による塗布、または処理剤中への浸漬などの任意の方法を採用することができる。該繊維に対する固形分付着量を制御するために圧接ローラーによる絞り、スクレイパー等によるかき落とし、空気吹き付けによる吹き飛ばし、吸引、ビーターによる叩き等の手段を用いてもよい。繊維束(コード)に対する固形分付着量は、固形分として0.5〜20重量%、好ましくは5〜10重量%付着せしめるのが好適である。あまり少なすぎるとゴム接着性の向上効果が期待できず、逆に多すぎても繊維束が硬くなる傾向にあり、疲労性には逆効果となる。
本発明において好ましい処理条件は、第1浴液にて処理された炭素繊維束を、第2浴液であるRFLを含む処理剤で処理後、80〜180℃で0.5〜5分間、好ましくは1〜3分間乾燥し、ついで150〜260℃、好ましくは200〜230℃の温度で0.5〜5.0分間、好ましくは1〜3分間熱処理する条件である。
このような本発明の製造方法により得られるゴム補強用炭素繊維は、高弾性率・高強度を有しながら、ゴムとの接着性が良く、屈曲変形に対する耐疲労性に優れ、特に単繊維同士の擦過による破断が発生し難い炭素繊維となる。
そして本発明の製造方法によって得られたゴム補強用炭素繊維は、補強材として用いることにより物性の非常に優れた炭素繊維強化ゴム材料を得ることが出来る。
このような炭素繊維強化ゴム材料に用いるゴムとしては、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリルーブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、多硫化ゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。特には本発明の製造方法は、水素化アクリロニトリルーブタジエン(H−NBR)ゴム用途に最適である。また上記ゴムには、主成分のゴムの他に、材料の改質等のため、カーボンブラック、シリカ等の無機充填剤、クマロン樹脂、フェノール樹脂等の有機充填剤、ナフテン系オイル等の軟化剤が含まれていてもよい。
このような炭素繊維強化ゴム材料は、例えば、上記ゴム補強用炭素繊維コードを必要本数引き揃え、これをゴムで挟み込み、さらにプレス機で加圧、加熱して成形することができるものであり、得られた炭素繊維強化ゴム材料は、屈曲変形などに対して優れた耐久性を発揮しその炭素繊維強化ゴム材料の具体例としては、ベルト、ホースなどを挙げることができる。
本発明をさらに下記実施例により具体的に説明する。またコード剥離接着力は下記の方法により測定した。
(1)炭素繊維束の強度及び弾性率
JIS R7601に準拠して測定した。
(2)接着性(剥離接着力)
25本のゴム補強用炭素繊維コードをゴムから剥離する際の接着力で評価した。評価用ゴムとしては、下記配合組成で作製したH−NBRゴムを使用した。剥離接着力が、150N以上を「3」、75〜150を「2」、75以下を「1」とした。また、剥離させたコードへのゴム付を評価した。
(配合組成)
水素化アクリロニトリルーブタジエンゴム:100部
カーボンブラック:50部
酸化亜鉛:5部
可塑剤TOTM:5部
ステアリン酸:0.5部
抗酸化剤(ナウガード445):1.5部
老化防止剤(ノクラックMBZ):1部
シリカ:8部
(3)屈曲耐疲労性(屈曲破断迄の回数)
図1に示すように、接着処理を行ったゴム補強用炭素繊維コードの一端に1.0kgの荷重を取り付け、直径10mmのローラーに掛け渡し、他端をコードの長軸方向に振幅50mm、速度100回/分で振動させることにより、コードを繰り返し屈曲させ、破断するまでの回数を測定した。屈曲破断迄の回数が、2万回以上を「3」、1〜2万回を「2」、1万回未満を「1」とした。
(4)第1浴液からなるフィルム被膜の強度及び伸度
第1浴処理液を、80℃で1時間、190℃で1分乾燥し、厚さ0.2−0.5mmの被膜を作製した。この被膜からサンプルを切り出し、引張試験機を用いて、フィルム被膜の強度、伸度及びモジュラスを求めた。
[実施例1]
炭素繊維束として総繊度4000dtexの“HTA−6K”(東邦テナックス株式会社製、フィラメント数:6000本、単繊維直径7.0μm、引張強度:3920MPa、引張弾性率:235GPa、伸度:1.7%)を用意した。
また、第1浴液として、水分散型エステル系ウレタン樹脂(スーパーフレックスE−2000、第一工業製薬株式会社製)、ブロックドイソシアネート(F−8894ENB、第一工業製薬株式会社製)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(EX614B、ナガセケムテックス株式会社製)を混合し、純水で希釈して、濃度10重量%の水分散液を調液し、前処理剤用の第1浴液(a1)とした。この第1浴液(a1)からなるフィルム被膜の強度及び伸度は、強度2.1N/mm、伸度810%、モジュラスが1.1N/mmであった。
第2浴用の接着処理液として、レゾルシン・ホルマリン:水素添加アクリロニトリルーブタジエンーメタクリル酸共重合体ラテックス(ZLX−B、日本ゼオン株式会社製):多核クロロフェノール(デナボンドAL、ナガセケムテックス株式会社製)を、1:5:4の重量割合で混合し水で希釈して、多核クロロフェノール含有のRFL接着剤からなる第2浴液(b1)を調液した。
まず総繊度4000dtexの炭素繊維束を速度10m/分で搬送し、無撚りの状態で、第1浴液(a1、10重量%)に浸漬し、温度190℃の加熱炉内を100秒通過させた。一定長さ当たりの炭素繊維重量を予め測定しておき、処理液含浸後の同一長さのコード重量を測定することで、差分から、ウレタン樹脂を含む樹脂組成物の付着量を測定した。得られた炭素繊維束をリング撚糸機で8(T/10cm)の条件で、撚りをかけた。
次に得られた炭素繊維束コードを、第2浴液(b1、RFL接着剤の割合が10重量%)に浸漬し、150℃加熱炉内を2分通過させて水分を除去し、その後200℃の加熱炉内を1分かけて熱処理し、ゴム補強用炭素繊維を作製した。RFL接着剤の付着量は炭素繊維束100重量%に対して7重量部であった。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
第1浴液として、第1浴液(a1)の水分散型エステル系ウレタン樹脂を、水分散型エーテル系ウレタン樹脂(スーパーフレックスE−4000、第一工業製薬株式会社製)に代えた以外は同様にして、前処理剤用の第1浴液(a2)とした。この第1浴液(a2)からなるフィルム被膜の強度及び伸度は、強度1.4N/mm、伸度650%、モジュラスが0.9N/mmであった。
第1浴液(a1)に代えて、上記の第1浴液(a2)を用いた以外は実施例1と同様にしてゴム補強用炭素繊維を作成した。評価結果を表1に併せて示す。
[実施例3]
第1浴液として、第1浴液(a1)の水分散型エステル系ウレタン樹脂を、水分散型カーボネート系ウレタン樹脂(スーパーフレックス460、第一工業製薬株式会社製)に代えた以外は同様にして、前処理剤用の第1浴液(a3)とした。この第1浴液(a3)からなるフィルム被膜の強度及び伸度は、強度16N/mm、伸度610%、モジュラスが1.9N/mmであった。
第1浴液(a1)に代えて、上記の第1浴液(a3)を用いた以外は実施例1と同様にしてゴム補強用炭素繊維を作成した。評価結果を表1に併せて示す。
[実施例4]
第2浴用の接着処理液として、第2浴液(b1)の水素添加アクリロニトリルーブタジエンーメタクリル酸共重合体ラテックスを、水素添加アクリロニトリルーブタジエンーメタクリル酸共重合体ラテックス(ZLX−B、日本ゼオン株式会社製)/アクリロニトリルーブタジエンーメタクリル酸共重合体ラテックス(ニッポール1562、日本ゼオン株式会社製)の75/25の混合物に代えた以外は同様にして、多核クロロフェノール含有のRFL接着剤からなる第2浴液(b2)を調液した。
第2浴液(b1)に代えて、上記の第2浴液(b2)を用いた以外は実施例1と同様にしてゴム補強用炭素繊維を作成した。評価結果を表1に併せて示す。
[実施例5]
第2浴用の接着処理液として、第2浴液(b1)の水素添加アクリロニトリルーブタジエンーメタクリル酸共重合体ラテックスを、アクリロニトリルーブタジエンーメタクリル酸共重合体ラテックス(ニッポール1562、日本ゼオン株式会社製)に代えた以外は同様にして、多核クロロフェノール含有のRFL接着剤からなる第2浴液(b3)を調液した。
第2浴液(b1)に代えて、上記の第2浴液(b3)を用いた以外は実施例1と同様にしてゴム補強用炭素繊維を作成した。評価結果を表1に併せて示す。
[比較例1]
第1浴液処理を行わなかった以外は実施例1と同様にしてゴム補強用炭素繊維を作成した。評価結果を表1に併せて示す。
[比較例2]
第2浴用の接着処理液として、第2浴液(b1)の多核クロロフェノールを抜いた配合からなる、多核クロロフェノールを含有しない第2浴液(b1’)を調液した。
第2浴液(b1)に代えて上記の多核クロロフェノールを含有しない第2浴液(b1’)を用いた以外は実施例1と同様にしてゴム補強用炭素繊維を作成した。評価結果を表1に併せて示す。
[比較例3]
第2浴用の接着処理液として、レゾルシン−ホルマリン縮合体(スミカノール700S、住友化学株式会社製):ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス(ニッポール2518FS、日本ゼオン株式会社製):スチレン−ブタジエンゴムラテックス(ニッポールLX−112、日本ゼオン株式会社製)を、7:65:28の重量割合で混合し水で希釈して、通常のRFL接着剤からなる第2浴液(b4)を調液した。
第2浴液(b1)に代えて、上記の多核クロロフェノールを含有しない第2浴液(b4)を用いた以外は実施例1と同様にしてゴム補強用炭素繊維を作成した。評価結果を表1に併せて示す。
Figure 2011241502
1、撚糸コード
2、荷重
3、ローラー
4、振動させる他端

Claims (5)

  1. 炭素繊維束を、ウレタン樹脂を主成分とする第1浴液にて処理し、次いで多核クロロフェノール化合物を含有するRFL系接着剤からなる第2浴液にて処理することを特徴とするゴム補強用炭素繊維の製造方法。
  2. ウレタン樹脂がエステル系である請求項1記載のゴム補強用炭素繊維の製造方法。
  3. RFL系接着剤を構成するラテックスとして水素添加アクリロニトリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合体ラテックスを含有している請求項1または2記載のゴム補強用炭素繊維の製造方法。
  4. 第1浴液による処理の後に炭素繊維束に撚りを掛ける請求項1〜3のいずれか1項記載のゴム補強用炭素繊維の製造方法。
  5. 撚り係数が0.5〜3.5の範囲である請求項4記載のゴム補強用炭素繊維の製造方法。
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