JP2697008B2 - 繊維強化熱可塑性コンポジットの成形方法 - Google Patents
繊維強化熱可塑性コンポジットの成形方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、繊維強化された熱可塑性コンポジットの
成形方法に関するものであり、特に補強繊維と熱可塑性
樹脂繊維との混繊糸からなる布を加熱して圧縮成形する
方法に関するものである。
成形方法に関するものであり、特に補強繊維と熱可塑性
樹脂繊維との混繊糸からなる布を加熱して圧縮成形する
方法に関するものである。
[従来の技術] 長繊維により強化したプラスチックコンポジットは、
航空宇宙用を中心としたいわゆるアドバンスドコンポジ
ットと、船舶、浴槽ユニット、自動車等に使用される汎
用FRPとに大別される。両者とも、通常、マトリックス
の樹脂としては、熱硬化型の樹脂が使用されており、前
者のコンポジットではエポキシ樹脂が、後者のコンポジ
ットでは不飽和ポリエステル樹脂が用いられている。こ
のように、マトリックス樹脂として熱硬化型樹脂を用い
た場合の共通的な欠点は、成形後に硬化処理が必要であ
ること、および靭性に欠けることである。
航空宇宙用を中心としたいわゆるアドバンスドコンポジ
ットと、船舶、浴槽ユニット、自動車等に使用される汎
用FRPとに大別される。両者とも、通常、マトリックス
の樹脂としては、熱硬化型の樹脂が使用されており、前
者のコンポジットではエポキシ樹脂が、後者のコンポジ
ットでは不飽和ポリエステル樹脂が用いられている。こ
のように、マトリックス樹脂として熱硬化型樹脂を用い
た場合の共通的な欠点は、成形後に硬化処理が必要であ
ること、および靭性に欠けることである。
マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いれば、上
記のような欠点を改良することができるが、この場合熱
可塑性樹脂を加熱溶融して連続強化繊維に含浸させなけ
ればならない。しかしながら、熱可塑性樹脂の溶融粘度
が高いことから、この含浸は技術的に大変困難なものと
なる。比較的ルーズに集合しランダムに配列させた長繊
維マットに熱可塑性樹脂を含浸してプラスチックコンポ
ジットとする方法が行なわれているが、この方法では、
補強繊維の含有率を高めることができず、また補強繊維
のシート面方向の配向度等が低いため、力学的な強度を
十分に高くすることができないという欠点があった。
記のような欠点を改良することができるが、この場合熱
可塑性樹脂を加熱溶融して連続強化繊維に含浸させなけ
ればならない。しかしながら、熱可塑性樹脂の溶融粘度
が高いことから、この含浸は技術的に大変困難なものと
なる。比較的ルーズに集合しランダムに配列させた長繊
維マットに熱可塑性樹脂を含浸してプラスチックコンポ
ジットとする方法が行なわれているが、この方法では、
補強繊維の含有率を高めることができず、また補強繊維
のシート面方向の配向度等が低いため、力学的な強度を
十分に高くすることができないという欠点があった。
このような問題を解決するため、最近では、補強繊維
と熱可塑性樹脂繊維とを混合して、混繊糸とし、この混
繊糸を織り編みなどのテキスタイル加工をして布にした
ものを加熱し圧縮成形して長繊維強化のプラスチックコ
ンポジットとする方法が試みられている。このような方
法によれば、補強繊維のまわりの熱可塑性樹脂繊維を溶
融してマトリックス樹脂とするものであるため、従来技
術的に困難な工程であった溶融樹脂の含浸が極めて容易
であり、また補強繊維の含有率を高めることができる。
と熱可塑性樹脂繊維とを混合して、混繊糸とし、この混
繊糸を織り編みなどのテキスタイル加工をして布にした
ものを加熱し圧縮成形して長繊維強化のプラスチックコ
ンポジットとする方法が試みられている。このような方
法によれば、補強繊維のまわりの熱可塑性樹脂繊維を溶
融してマトリックス樹脂とするものであるため、従来技
術的に困難な工程であった溶融樹脂の含浸が極めて容易
であり、また補強繊維の含有率を高めることができる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような従来の混繊の方法では、混
繊状態において補強繊維および熱可塑性樹脂繊維のそれ
ぞれの間に空隙が存在しており、加熱して熱可塑性樹脂
繊維を溶融させると、このような繊維間の空隙が樹脂中
に埋められたままの状態で成形されてしまうという問題
点があった。このため、補強繊維とマトリックス樹脂と
の濡れが十分ではなかったり、あるいはマトリックス樹
脂中に存在するボイドにより、本来発揮され得る十分に
高い強度を得ることができなかった。
繊状態において補強繊維および熱可塑性樹脂繊維のそれ
ぞれの間に空隙が存在しており、加熱して熱可塑性樹脂
繊維を溶融させると、このような繊維間の空隙が樹脂中
に埋められたままの状態で成形されてしまうという問題
点があった。このため、補強繊維とマトリックス樹脂と
の濡れが十分ではなかったり、あるいはマトリックス樹
脂中に存在するボイドにより、本来発揮され得る十分に
高い強度を得ることができなかった。
この発明の目的は、このような従来の問題点を解消
し、力学的強度の高い強靭な成形品を効率的に製造する
ことのできる成形方法を提供することにある。
し、力学的強度の高い強靭な成形品を効率的に製造する
ことのできる成形方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] この発明の成形方法では、補強繊維と熱可塑性樹脂繊
維との混繊糸からなる布を、減圧下で加熱し、熱可塑性
樹脂繊維が溶融流動する温度で圧縮成形する方法であ
る。
維との混繊糸からなる布を、減圧下で加熱し、熱可塑性
樹脂繊維が溶融流動する温度で圧縮成形する方法であ
る。
この発明で用いられる熱可塑性樹脂繊維としては、た
とえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ナイロン66、ポリプロピレン、全芳香族
液晶型ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどを
繊維状にしたものが挙げられる。繊維の配向度は、特に
限定されるものではなく、高度に分子配向している延伸
糸、中程度に分子配向している半延伸糸、分子配向が低
い未延伸糸などのいずれでもよい。しかしながら、次の
混繊工程の耐え得る程度の力学特性を有していることが
必要である。特に好ましい熱可塑性樹脂繊維の典型的な
具体例としては、いわゆるポリエチレンテレフタレート
の部分的配向ヤーン(Partially Oriented Yarn)が
挙げられる。補強繊維としては、プラスチックの強化材
として一般的に用いられている繊維状強化材を用いるこ
とができる。たとえば、典型的な例として、カーボン繊
維、ガラス繊維、アラミド繊維等の連続糸などが挙げら
れる。
とえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ナイロン66、ポリプロピレン、全芳香族
液晶型ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどを
繊維状にしたものが挙げられる。繊維の配向度は、特に
限定されるものではなく、高度に分子配向している延伸
糸、中程度に分子配向している半延伸糸、分子配向が低
い未延伸糸などのいずれでもよい。しかしながら、次の
混繊工程の耐え得る程度の力学特性を有していることが
必要である。特に好ましい熱可塑性樹脂繊維の典型的な
具体例としては、いわゆるポリエチレンテレフタレート
の部分的配向ヤーン(Partially Oriented Yarn)が
挙げられる。補強繊維としては、プラスチックの強化材
として一般的に用いられている繊維状強化材を用いるこ
とができる。たとえば、典型的な例として、カーボン繊
維、ガラス繊維、アラミド繊維等の連続糸などが挙げら
れる。
補強繊維と熱可塑性樹脂繊維とを混繊する方法は、こ
の発明において特に限定されるものではない。たとえ
ば、補強繊維と熱可塑性樹脂繊維とを引き揃えて静電気
的に開繊させながら両者の単繊維同士を絡合させる方法
や、引き揃えて空気噴出乱流中を通過させて開繊絡合さ
せる方法などのような従来の方法を使用することができ
る。
の発明において特に限定されるものではない。たとえ
ば、補強繊維と熱可塑性樹脂繊維とを引き揃えて静電気
的に開繊させながら両者の単繊維同士を絡合させる方法
や、引き揃えて空気噴出乱流中を通過させて開繊絡合さ
せる方法などのような従来の方法を使用することができ
る。
以上のようにして得られる混繊糸から布を形成する方
法も、この発明においては特に限定されるものではな
い。また、布の形態としては、通常の平織物、朱子織、
インターロック織物、編布や、いわゆる多軸積層布等が
挙げられる。中でも、多軸積層布が最も好ましい。多軸
積層布は、互いに異なった角度に一軸配向して引き揃え
られた糸が複数層に積層されて一体化された布である。
このような多軸積層布として、たとえば二軸を直交させ
て積層したものや、0゜/45゜/90゜/−45゜の四軸にそ
れぞれ揃えた層を積層させたもの等が知られている。こ
のような多軸積層布においては、糸が直線的に配列して
いるため、平織物等に比べて、有効に補強効果を発揮す
ることができる。また、布を立体的に賦形加工する場
合、層間の糸軸の角度を容易に変角することができ、さ
らに層内の糸の間隔を自由に拡げることができるので、
このような多軸積層布を用いれば立体賦形加工を容易に
行なうことができる。このような場合に、布の一体化に
使用するスティッチ糸は、布を溶融プレスするときに溶
融するような熱可塑性樹脂からなる糸であることが好ま
しく、さらに熱可塑性樹脂繊維と同じ樹脂のスティッチ
糸を用いることが好ましい。
法も、この発明においては特に限定されるものではな
い。また、布の形態としては、通常の平織物、朱子織、
インターロック織物、編布や、いわゆる多軸積層布等が
挙げられる。中でも、多軸積層布が最も好ましい。多軸
積層布は、互いに異なった角度に一軸配向して引き揃え
られた糸が複数層に積層されて一体化された布である。
このような多軸積層布として、たとえば二軸を直交させ
て積層したものや、0゜/45゜/90゜/−45゜の四軸にそ
れぞれ揃えた層を積層させたもの等が知られている。こ
のような多軸積層布においては、糸が直線的に配列して
いるため、平織物等に比べて、有効に補強効果を発揮す
ることができる。また、布を立体的に賦形加工する場
合、層間の糸軸の角度を容易に変角することができ、さ
らに層内の糸の間隔を自由に拡げることができるので、
このような多軸積層布を用いれば立体賦形加工を容易に
行なうことができる。このような場合に、布の一体化に
使用するスティッチ糸は、布を溶融プレスするときに溶
融するような熱可塑性樹脂からなる糸であることが好ま
しく、さらに熱可塑性樹脂繊維と同じ樹脂のスティッチ
糸を用いることが好ましい。
布は1枚または複数枚を積層させて使用することがで
きる。また、布と他の材質のシートとを積層させて成形
することもできる。この場合、成形品の平滑性向上、着
色、耐候性向上、装飾効果付与、電磁波シールド性付与
等の目的で、これらの機能を有するフイルムやシートを
積層させることができる。このようなフイルム等は予め
布の間に積層させておいてもよく、また成形の際に布の
上に積み重ね成形してもよい。熱可塑性樹脂を含有する
フィルムを用いる場合には、熱可塑性樹脂繊維と同じ材
質の樹脂のものを用いることが好ましい。
きる。また、布と他の材質のシートとを積層させて成形
することもできる。この場合、成形品の平滑性向上、着
色、耐候性向上、装飾効果付与、電磁波シールド性付与
等の目的で、これらの機能を有するフイルムやシートを
積層させることができる。このようなフイルム等は予め
布の間に積層させておいてもよく、また成形の際に布の
上に積み重ね成形してもよい。熱可塑性樹脂を含有する
フィルムを用いる場合には、熱可塑性樹脂繊維と同じ材
質の樹脂のものを用いることが好ましい。
この発明における減圧は、布が含む空気を除くことを
目的とするもので、成形機全体を減圧にしてもよいし、
金型内部だけを減圧にしてもよい。また減圧は布を加熱
する前、布を構成する繊維が軟化する温度域にまで加熱
しながら、あるいは溶融温度域まで加熱しながらかける
ことができるが、効果的に空気を除くには、布の形態を
保ちながら軟化点以下の温度に加熱して減圧するのが望
ましい。減圧レベルは、大気圧以下であればよいが、一
般には400Torr以下である。
目的とするもので、成形機全体を減圧にしてもよいし、
金型内部だけを減圧にしてもよい。また減圧は布を加熱
する前、布を構成する繊維が軟化する温度域にまで加熱
しながら、あるいは溶融温度域まで加熱しながらかける
ことができるが、効果的に空気を除くには、布の形態を
保ちながら軟化点以下の温度に加熱して減圧するのが望
ましい。減圧レベルは、大気圧以下であればよいが、一
般には400Torr以下である。
この発明において圧縮成形に使用される金型は、特に
限定されるものではないが、少なくとも溶融した熱可塑
性樹脂繊維との接触によっても問題が生じない程度の耐
熱性および耐久性を有することが必要である。好ましい
圧縮成形方法として、開放金型による成形方法を挙げる
ことができる。この方法は、布の表面に、フイルムや金
属箔等の通過性の少ないシートを載せ、気体による圧力
をかけて加圧成形する方法である。この場合、布はその
まま開放金型の上に載せて成形してよいが、成形の際金
型に沿って布に皺等ができるのを防止するためには、布
を裁断して接合し、金型の形状に添わせて金型の上に置
き成形するのが好ましい。特に、雄金型の上に載せる場
合にはこの方法が好ましい。また、テープ状に布を裁断
し、これを適当な接着剤等を介して金型の上に積層して
成形してもよい。また、バグを用いて加圧してもよい
し、マッチドダイ法で圧縮成形してもよい。
限定されるものではないが、少なくとも溶融した熱可塑
性樹脂繊維との接触によっても問題が生じない程度の耐
熱性および耐久性を有することが必要である。好ましい
圧縮成形方法として、開放金型による成形方法を挙げる
ことができる。この方法は、布の表面に、フイルムや金
属箔等の通過性の少ないシートを載せ、気体による圧力
をかけて加圧成形する方法である。この場合、布はその
まま開放金型の上に載せて成形してよいが、成形の際金
型に沿って布に皺等ができるのを防止するためには、布
を裁断して接合し、金型の形状に添わせて金型の上に置
き成形するのが好ましい。特に、雄金型の上に載せる場
合にはこの方法が好ましい。また、テープ状に布を裁断
し、これを適当な接着剤等を介して金型の上に積層して
成形してもよい。また、バグを用いて加圧してもよい
し、マッチドダイ法で圧縮成形してもよい。
この発明において布に対して行なう加熱は、たとえば
赤外線ヒータ等による外部からの加熱が考えられるが、
布を均一に昇温させるためには、布中を通電させること
によって布を自己発熱させることが特に望ましい。布を
自己発熱させるためには、たとえば布置に予め電気抵抗
線等を均一に分布させておき、この電気抵抗線等に通電
し、抵抗発熱によって昇温させる方法や、あるいは金属
粉等を布の中に添加して誘導加熱する方法や、高周波に
よる誘電加熱等の方法がある。
赤外線ヒータ等による外部からの加熱が考えられるが、
布を均一に昇温させるためには、布中を通電させること
によって布を自己発熱させることが特に望ましい。布を
自己発熱させるためには、たとえば布置に予め電気抵抗
線等を均一に分布させておき、この電気抵抗線等に通電
し、抵抗発熱によって昇温させる方法や、あるいは金属
粉等を布の中に添加して誘導加熱する方法や、高周波に
よる誘電加熱等の方法がある。
また、この発明においては、当然のことであるが、加
熱により溶融した熱可塑性樹脂繊維が補強繊維のまわり
に移動し均一化するよう圧縮成形の時間を適宜考慮する
必要がある。
熱により溶融した熱可塑性樹脂繊維が補強繊維のまわり
に移動し均一化するよう圧縮成形の時間を適宜考慮する
必要がある。
[発明の作用効果] この発明の成形方法では、布を減圧下で加熱し、布中
の空気を抜きながら圧縮成形している。このため、従来
のようなマトリックス樹脂中でのボイド欠陥を減少させ
ることができ、より高い補強効果が得られ、力学的特性
を向上させて強靭な熱可塑性コンポジットを得ることが
できる。
の空気を抜きながら圧縮成形している。このため、従来
のようなマトリックス樹脂中でのボイド欠陥を減少させ
ることができ、より高い補強効果が得られ、力学的特性
を向上させて強靭な熱可塑性コンポジットを得ることが
できる。
特に、多軸積層布を用い、熱可塑性樹脂からなるステ
ィッチ糸を使用した場合には、立体賦形加工が可能なシ
ートにすることができる。
ィッチ糸を使用した場合には、立体賦形加工が可能なシ
ートにすることができる。
また、この発明は、補強繊維と熱可塑性樹脂繊維との
混繊糸からなる布を用いているため、SMC、射出成形
品、スタンパブルシート等に比べ、補強繊維の分布状態
が均一であり、高度に制御された形態をとることができ
るので、使用目的に適合するような設計で成形品を得る
ことができる。
混繊糸からなる布を用いているため、SMC、射出成形
品、スタンパブルシート等に比べ、補強繊維の分布状態
が均一であり、高度に制御された形態をとることができ
るので、使用目的に適合するような設計で成形品を得る
ことができる。
[実施例] 実施例1 補強繊維として、直径12μmの表面処理が施されてい
るEガラス繊維の5250デニールの連続糸を用い、熱可塑
性樹脂繊維として、直径18μmのポリエチレンテレフタ
レート繊維の2270デニールの連続糸を用いて、それぞれ
の1本ずつを組合わせて混繊した。混繊方法としては、
タスラン法を用い、ポリエチレンフタレート繊維がガラ
ス繊維に対し0.3%オーバフィードされるように供給
し、流体圧力を0.5kg/cm2、混繊加工速度を100m/分とし
て混繊した。
るEガラス繊維の5250デニールの連続糸を用い、熱可塑
性樹脂繊維として、直径18μmのポリエチレンテレフタ
レート繊維の2270デニールの連続糸を用いて、それぞれ
の1本ずつを組合わせて混繊した。混繊方法としては、
タスラン法を用い、ポリエチレンフタレート繊維がガラ
ス繊維に対し0.3%オーバフィードされるように供給
し、流体圧力を0.5kg/cm2、混繊加工速度を100m/分とし
て混繊した。
得られた混繊糸を、糸軸方向0゜、45゜、90゜、−45
゜、および0゜と順次配向を変えて層状にし積層した。
各層の糸密度は5〜6本/cmとした。積層したものをポ
リエチレンテレフタレートの連続フィラメント(75D/36
フィラメント)でスティッチし、目付け2.5kg/m2の0.5m
幅の多軸積層経編布を得た。この布を230℃×5分加熱
し、熱固定処理した。
゜、および0゜と順次配向を変えて層状にし積層した。
各層の糸密度は5〜6本/cmとした。積層したものをポ
リエチレンテレフタレートの連続フィラメント(75D/36
フィラメント)でスティッチし、目付け2.5kg/m2の0.5m
幅の多軸積層経編布を得た。この布を230℃×5分加熱
し、熱固定処理した。
以上のようにして得られた布を長手方向に20cm幅で切
出し、長さ2.5m、幅0.75mのボート用の雄状開放型に、
ポリエステルベースの両面接着テープで部分的に仮留め
しながら、3層に積層した。約3cmの重なりしろを付け
ながら積層した後、さらにその上にアルミ箔を積層し
た。これをオートクレーブ内に入れ、0.01気圧まで減圧
した後、周波数10MC、出力20kwの高周波電源により誘電
加熱し、約20分かけて280℃まで昇温させた。その後、
5気圧の空気をオートクレーブ内に導入し加圧成形し
て、軽量かつ強靭なボートを得た。
出し、長さ2.5m、幅0.75mのボート用の雄状開放型に、
ポリエステルベースの両面接着テープで部分的に仮留め
しながら、3層に積層した。約3cmの重なりしろを付け
ながら積層した後、さらにその上にアルミ箔を積層し
た。これをオートクレーブ内に入れ、0.01気圧まで減圧
した後、周波数10MC、出力20kwの高周波電源により誘電
加熱し、約20分かけて280℃まで昇温させた。その後、
5気圧の空気をオートクレーブ内に導入し加圧成形し
て、軽量かつ強靭なボートを得た。
実施例2 ポリエチレンテレフタレート繊維として、単糸の直径
が18μmで、2270デニールの連続糸を用い、補強繊維と
して単糸の直径が12μmであるEガラス繊維の5250デニ
ールの連続糸を用いて、混繊糸を作製した。ガラス繊維
の表面には、予め、ビニールシランカップリング剤とポ
リエステル系接着剤をアニオン系活性剤で乳化した表面
処理剤を、ガラス繊維に対して0.4%となるように付与
している。
が18μmで、2270デニールの連続糸を用い、補強繊維と
して単糸の直径が12μmであるEガラス繊維の5250デニ
ールの連続糸を用いて、混繊糸を作製した。ガラス繊維
の表面には、予め、ビニールシランカップリング剤とポ
リエステル系接着剤をアニオン系活性剤で乳化した表面
処理剤を、ガラス繊維に対して0.4%となるように付与
している。
混繊の方法としては、タスラン加工法により混繊し
た。混繊条件は、ポリエチレンテレフタレート繊維をガ
ラス繊維に対して0.3%のオーバーフィードとなるよう
に供給し、混繊加工速度は100m/min、流体圧力は5.0kg/
cm2となるように混繊した。
た。混繊条件は、ポリエチレンテレフタレート繊維をガ
ラス繊維に対して0.3%のオーバーフィードとなるよう
に供給し、混繊加工速度は100m/min、流体圧力は5.0kg/
cm2となるように混繊した。
得られた混繊糸を糸軸方向0゜(マシン方向)、糸軸
方向45゜、糸軸方向90゜(幅方向)、糸幅方向−45゜、
および糸軸方向0゜のそれれぞれの層を形成した。各層
の糸密度は5〜6本/インチとした。これらの5層をポ
リエチレンテレフタレート連続フィラメント(75D/36フ
ィラメント)でスティッチして一体化し、目付け2.5kg/
m2の0.5m幅の多軸積層経編布を得た。布マシン方向の長
さ40cm、布幅方向の長さ20cmとなるように多軸積層布を
切出し、この多軸積層布の端部をピンで固定して、60To
rrの減圧下で160℃×30分加熱空気で加熱した後、引き
続きピンで固定したまま赤外線ヒータで280℃まで昇温
し、直ちに加圧プレスして厚み2.5mmの繊維強化ポリエ
チレンテレフタレートのシートを得た。得られたシート
について力学的特性を測定したところ、布の長手方向に
おいて、曲げ強度84kgf/mm2、曲げ弾性率3480kgf/mm2、
アイゾット衝撃値135kgf・cm/cmという値が得られた。
方向45゜、糸軸方向90゜(幅方向)、糸幅方向−45゜、
および糸軸方向0゜のそれれぞれの層を形成した。各層
の糸密度は5〜6本/インチとした。これらの5層をポ
リエチレンテレフタレート連続フィラメント(75D/36フ
ィラメント)でスティッチして一体化し、目付け2.5kg/
m2の0.5m幅の多軸積層経編布を得た。布マシン方向の長
さ40cm、布幅方向の長さ20cmとなるように多軸積層布を
切出し、この多軸積層布の端部をピンで固定して、60To
rrの減圧下で160℃×30分加熱空気で加熱した後、引き
続きピンで固定したまま赤外線ヒータで280℃まで昇温
し、直ちに加圧プレスして厚み2.5mmの繊維強化ポリエ
チレンテレフタレートのシートを得た。得られたシート
について力学的特性を測定したところ、布の長手方向に
おいて、曲げ強度84kgf/mm2、曲げ弾性率3480kgf/mm2、
アイゾット衝撃値135kgf・cm/cmという値が得られた。
Claims (1)
- 【請求項1】補強繊維と熱可塑性樹脂繊維との混繊糸か
らなる布を、前記熱可塑性樹脂繊維が溶融流動する温度
にまで加熱して圧縮成形する方法であって、 前記布を減圧下で加熱し、圧縮成形することを特徴とす
る、繊維強化熱可塑性コンポジットの成形方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63266637A JP2697008B2 (ja) | 1988-10-21 | 1988-10-21 | 繊維強化熱可塑性コンポジットの成形方法 |
CA002001142A CA2001142C (en) | 1988-10-21 | 1989-10-20 | Molding material for thermoplastic composites |
US07/424,402 US5989710A (en) | 1988-10-21 | 1989-10-20 | Molding material for thermoplastic composites |
DE3935264A DE3935264B4 (de) | 1988-10-21 | 1989-10-23 | Formmasse für thermoplastische Verbundstoffe |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63266637A JP2697008B2 (ja) | 1988-10-21 | 1988-10-21 | 繊維強化熱可塑性コンポジットの成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02112916A JPH02112916A (ja) | 1990-04-25 |
JP2697008B2 true JP2697008B2 (ja) | 1998-01-14 |
Family
ID=17433597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63266637A Expired - Fee Related JP2697008B2 (ja) | 1988-10-21 | 1988-10-21 | 繊維強化熱可塑性コンポジットの成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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