JP7156704B2 - 屋根構造 - Google Patents

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Description

本願は、断熱性能が高く、施工しやすい屋根構造を提供することを目的とする。
従来技術について、図12で説明する。
図12は、特開2017-125297号公報にて公開されている断熱下地材及び下地構造に関する技術である。図12に示した先行技術では、断熱下地材に、縦溝および横溝が形成されており、断面略ハット形状の支持材が組み合わされ、用いられている。
特開2017-125297号公報
図12に示した先行技術では、断面略ハット形状の大型である支持材を落とし込むので、上面の縦溝間、又は横溝間を広めにとり、深く溝を形成する必要がある。その結果、働き幅の狭い屋根材が取り付けにくかったり、断熱下地材の表面を削ったことによる断熱性能低下があった。また、断熱下地材がかなり削られるので、強度も低下する。その結果、断熱下地材がたわんだり、割れやすくなる。
また、図12に示した先行技術では、下面に排水・通気の手段が設けられていない。上面と同じように下面に略十字状に溝を設けるにしても、やはり断熱材をかなり削る必要があり、断熱性能が低下してしまう。下面に縦溝だけ、又は、横溝だけを設けると、屋根上に置く方向が決まってしまい、上面の縦横溝同士の間隔の違いを生かせなくなってしまう。
本願は、屋根材取付具は、ウエブ部と、そのウエブ部の両端に形成されたフランジ部とを有する断面略倒コ字状である。屋根用断熱材は、上面と下面を有する平面視略矩形状であり、対向する縁部と略平行である複数条の縦溝と、縦溝に略直交する複数条の横溝が形成されている。その縦溝、又は横溝に、屋根材取付具のフランジ部が係合される。このとき、縦溝同士の間、又は横溝同士の間に、屋根材取付具のウエブ部がかぶせられている。
また、本願は、上記の構造に加え、屋根用断熱材は、下面に、略平行である複数条の下面溝が、四方の縁部いずれとも平行でない方向に形成されている屋根構造である。
本願は、屋根用断熱材の縦溝、又は横溝に、屋根材取付具のフランジ部が係合される。そして、上記屋根用断熱材の縦溝同士の間、又は横溝同士の間に、屋根材取付具のウエブ部がかぶせられている。そのため、上面の縦溝間、又は横溝間を広めにとる必要がなく、溝も浅くて細いものでよい。その結果、働き幅の狭い屋根材が取り付けやすくなり、断熱材の表面を削る量が減るので断熱性能の低下を抑制することができる。また、屋根用断熱材を削る量が少なくて済むので、強度が低下しにくい。その結果、屋根用断熱材がたわみにくく、割れにくくなる。
本願は、下面に、略平行である複数条の下面溝が、四方の縁部いずれとも平行でない方向、すなわち斜めに形成されており、排水・通気を確保することができる。また、略十字状に溝を設けるのに比べ、屋根用断熱材を削る量が少なくて済み、断熱性能が低下しにくい。また、屋根用断熱材を削る量が少なくて済むので、強度が低下しにくい。その結果、屋根用断熱材がたわみにくく、割れにくくなる。
本願の屋根構造において使用される断面略倒コ字状の屋根材取付具の実施例(実施例A)を示す説明図である。 本願の屋根構造において使用される屋根用断熱材の実施例(実施例1)を示す説明図である。 本願の屋根構造において使用される屋根用断熱材の実施例(実施例2)を示す説明図である。 本願の屋根構造において使用される屋根用断熱材の実施例(実施例2)を示す説明図である。 本願の屋根構造において使用される屋根用断熱材の実施例(実施例2)を示す説明図である。 本願の屋根構造において使用される屋根用断熱材の実施例(実施例2)を示す説明図である。 本願の屋根構造において使用される屋根用断熱材の実施例(実施例2)を示す説明図である。 本願の屋根構造の実施例(実施例2-A)を示す説明図である。 本願の屋根構造の実施例(実施例2-A)を示す説明図である。 本願の屋根構造において使用される断面略倒コ字状の屋根材取付具の実施例(実施例B)を示す説明図である。 本願の屋根構造の実施例(実施例2-B)を示す説明図である。 従来技術の説明図である。
本願の屋根構造について、図1から図11までにより説明する。図1は、本願の屋根構造において使用される断面略倒コ字状の屋根材取付具の実施例(実施例A)を示す説明図である。図2は、本願の屋根構造において使用される屋根用断熱材の実施例(実施例1)を示す説明図である。図3から図7までは、本願の屋根構造において使用される屋根用断熱材の実施例であり、図2と異なるもの(実施例2)を示す説明図である。図8は、本願の屋根構造において、実施例2の屋根用断熱材に実施例Aの屋根材取付具を用いた実施例(実施例2-A)を示す説明図である。図9は、本願の屋根構造において、実施例2の屋根用断熱材に、断面略ハット形状の支持材や実施例Aの屋根材取付具を用いた実施例(実施例2-A)を示す説明図である。図10は、本願の屋根構造において使用される断面略倒コ字状の屋根材取付具の実施例であって、図1と異なるもの(実施例B)を示す説明図である。図11は、本願の屋根構造において、実施例2の屋根用断熱材に実施例Bの屋根材取付具を用いた実施例(実施例2-B)を示す説明図である。
図1に示す実施例は、ウエブ部C1と、このウエブ部C1の両端に形成されたフランジ部C2・C2とを有する断面略倒コ字状である。本実施例は、長尺ではないことが特徴である。フランジ部C2・C2は、ウエブ部C1に対して、90度以上開いた状態で形成されていることが望ましい。断面略倒コ字状の屋根材取付具DにくぼみC1aが形成されており、ウエブ部C1には、くぼみC1aが形成されており、そのくぼみC1aに止着具S用の孔C1bが形成されている。
まず、図2から図7までによって、本願の屋根構造に用いられる屋根用断熱材について説明する。本実施例の屋根用断熱材Dは、主として新設屋根Nの下に配置して用いる。本実施例の屋根用断熱材Dは、所定の厚みを有する平面視略矩形(平面視略長方形)である。本実施例の屋根用断熱材Dは、発泡樹脂などで構成されており、屋根に敷設され、建物内外の熱移動を抑制する役割を持つ。たとえば、本実施例の屋根用断熱材Dは、夏の暑い外気が建物内に伝わるのを抑制する働きをする。
本実施例の屋根用断熱材Dは、上面D1と下面D2を有する。上面D1は、新設屋根Nが取り付けられる表面側を指す。一方、下面D2は、建物側の面であり、鉄骨や野地板などの下地、既設屋根Oに面する側を指す。本実施例の屋根用断熱材Dは、新築時に鉄骨や野地板などの下地の上に置かれてもよいし、屋根改修時に既設屋根Oの上に置かれてもよい。
本実施例の屋根用断熱材Dは、上面D1に、対向する縁部と略平行である複数条の縦溝D11と、縦溝D11に略直交する複数条の横溝D12が形成されている。
図1のような実施例のほか、図2のように、深い深縦溝D11aおよび深横溝D12a、浅い浅縦溝D11bおよび浅横溝D12bが形成されていてもよい。こうすることによって、本実施例の屋根材取付具のほか、断面略ハット形状の支持材も使えるようになり、汎用性が高まる。したがって、縦溝D11および横溝D12の幅・深さ・条数等は、任意である。
この縦溝D11・D11同士の間隔と、横溝D12・D12同士の間隔が異なることが望ましい。このような構造にすることによって、モヤ下地M・タルキ下地Tといった屋根下地の構造材間隔と、新設屋根Nの種類・働き幅の違いで生じる多くの組合せに対応しやすくなる。縦溝D11・D11同士の間隔をx(X)、横溝D12・D12同士の間隔をy(Y)とする。本実施例の屋根用断熱材Dを縦置きした場合、屋根の流れ方向にy間隔(Y間隔)で、屋根の流れ方向にx間隔(X間隔)で、縦溝D11および横溝D12を配置することができる。本実施例の屋根用断熱材Dを横置きした場合、屋根の流れ方向にx間隔(X間隔)で、屋根の流れ方向にy間隔(Y間隔)で、縦溝D11および横溝D12を配置することができる。このように、この縦溝D11および横溝D12を使えば、モヤ下地M・タルキ下地Tといった構造材の位置、新設屋根Nを取り付けるための位置を示す墨出しの手間を軽減できる。
本実施例の屋根用断熱材Dは、図5に示すように、下面D2に、略平行である複数条の下面溝D21が、四方の縁部いずれとも平行でない方向に形成されていてもよい。本実施例の下面溝D21は、下面D2において斜め方向に形成されている。この下面溝D21は、本実施例の屋根用断熱材D表面に発生する結露水、新設屋根Nからの漏水等の排出の役割を果たす。図6に示すように、勾配屋根に縦置きしても、横置きしても、屋根の流れ方向に下面溝D21が通った向きになるので、水を軒側に流すことができる。
また、本実施例の下面溝D21は、軒側から棟側へ空気が流れる通気路の役割を果たす。図6に示すように、勾配屋根に縦置きしても、横置きしても、屋根の流れ方向に下面溝が通った向きになるので、空気を軒側から棟側に流すことができる。その結果、屋根用断熱材D表面の乾燥、屋根の温度上昇を抑制することができる。
したがって、本実施例の屋根用断熱材Dのように、上面D1に、対向する縁部と略平行である複数条の縦溝D11と、縦溝D11に略直交する複数条の横溝D12が形成されていて、縦置きおよび横置きの両方が想定される場合に、本実施例の下面溝D21が形成されている効果が大きくなる。本実施例の屋根用断熱材Dを縦置きしても、横置きしても、屋根の流れ方向に下面溝D21が通った向きになるためである。
本実施例の屋根用断熱材Dが複数並べられて設置された場合、下面溝D21の端部同士の位置は、必ずしも合っていなくともよい。図7のように、下面の縁部に斜め切り欠きD3を形成されていることによって、隣り合う屋根用断熱材D・D同士の下面D2・D2側に、屋根の流れ方向に連通する流通路が形成される。下面D2に形成された下面溝D21が、この流通路に連通されている構成となるので、下面溝D21・D21の端部同士の位置がずれていても、排水、通気を確保することができる。
本実施例の屋根用断熱材Dが複数並べられて設置された場合、上面D1の縦溝D11および横溝D12は、隣り合う屋根用断熱材D・D同士においても、同一の間隔で形成されているとよい。また、本実施例の屋根用断熱材Dが適正な位置で並べられるように、端部に係合部D4および被係合部D5を設けてもよい。
本実施例は、モヤ下地Mに横葺き屋根材が葺かれた既存屋根O上に、新設屋根Nとして縦葺き屋根材が葺かれている。本実施例は、一例であって、下地がモヤ下地Mであっても、タルキ下地Tであってもよく、新築・改修等、使用目的も問わない。本実施例では、既設屋根O上に屋根用断熱材Dが敷設され、上面D1の浅縦溝D11aに断面略倒コ字状の屋根材取付具Cが下を開口する方向に嵌め込まれている。この断面略倒コ字状の屋根材取付具Cは、ビス等の止着具Bによって鉄骨等のモヤ下地Mに止着される。この断面略倒コ字状の屋根材取付具Cを用いて、新設屋根Nである縦葺き屋根材が取り付けられている。
本実施例のように、モヤ下地M上にて、断面略倒コ字状の屋根材取付具Cが組み合わされることによって、新設屋根Nである縦葺き屋根材の働き幅は、浅縦溝D11b・D11b同士または浅横溝D12b・D12b同士の間隔の整数倍であれば対応できる。また、断面略倒コ字状の屋根材取付具Cのフランジ部C2・C2を上面の浅縦溝D11b・D11bまたは浅横溝D12b・D12b同士に嵌め込むため、フランジ部C2・C2は短くてよく、断面略倒コ字状の屋根材取付具Cの長さも短くてよい。そのため、断面略倒コ字状の屋根材取付具Cのコストをさらに低く抑えることができる。
本実施例では、断面略倒コ字状の屋根材取付具C上に、新設屋根Nの吊子が固定されている。本実施例では、屋根材取付具Cと吊子が別々の部材として構成されている。このほか、吊子機能を具備した屋根材取付具Cであってもよい。屋根材取付具Cと吊子を別々の部材とすることによって、屋根材取付具C上で、さらに吊子の取付位置を微調整することができる。
図9は、本実施例の屋根用断熱材Dの上面D1に、断面略ハット形状の支持材Hおよび断面略倒コ字状の屋根材取付具Cが、ビス等の止着具Sで止着されたものである。このように、深縦溝D11aおよび浅縦溝D11b、深横溝D12aおよび浅横溝D12bの両方を形成することで、断面略ハット形状の支持材Hおよび断面略倒コ字状の屋根材取付具Cのどちらも取り付けることができ、汎用性が高くなる。
図9に示す実施例では、断面略ハット形状の支持材Hが開口されている側を上に向けて、深縦溝D11aまたは深横溝D12aに落とし込まれる。そして、断面略ハット形状の支持材Hが、開口されている上側から底面の略中心にビス等の止着具Sが貫通されて止着されている。
図9に示す実施例では、断面略倒コ字状の屋根材取付具Cも、上側からビス等の止着具Bが貫通されて止着されている。このとき、浅縦溝D11bを2本、または浅横溝D12bを2本またぐように上面D1に被せられ、その2本の溝の両外側にある浅縦溝D11b・D11bまたは浅横溝D12b・D12bにフランジ部C2・C2が嵌め込まれる。本実施例において、2本の溝のどちらかの上に当たる位置に、断面略倒コ字状の屋根材取付具DにくぼみC1aが形成されており、そのくぼみC1aに止着具S用の孔C1bが形成されている。このくぼみC1aは、2本の溝のどちらかに組み合わされる。
図9に示す実施例で示すように、断面略倒コ字状の屋根材取付具Cの方が、断面略ハット形状の支持材Hよりも細かく位置調整することが可能である。屋根材取付具Cは、断面略倒コ字状であるために、屋根材取付具Cの幅よりも狭い幅で位置を変えることができる。
図10および図11に示す実施例(実施例2-B)では、長尺の屋根材取付具Cが用いられる。本実施例の屋根材取付具Cは、ウエブ部C1と、このウエブ部C1の両端に形成されたフランジ部C2・C2とを有する断面略倒コ字状である。本実施例は、タルキ下地Tに横葺き屋根材が葺かれた既存屋根O上に、新設屋根Nとして横葺き屋根材が葺かれている。本実施例は、一例であって、下地がモヤ下地Mであっても、タルキ下地Tであってもよく、新築・改修等、使用目的も問わない。本実施例では、既設屋根O上に屋根用断熱材Dが敷設され、上面D1の浅縦溝D11aに断面略倒コ字状の屋根材取付具Cが下を開口する方向に嵌め込まれている。この断面略倒コ字状の屋根材取付具Cは、ビス等の止着具Bによって鉄骨等のタルキ下地Tに止着される。この断面略倒コ字状の屋根材取付具Cを用いて、新設屋根Nである横葺き屋根材が取り付けられている。
本実施例のように、タルキ下地Tの上で、それに平行な向き、すなわち屋根の流れ方向に、断面略倒コ字状の屋根材取付具Cが組み合わされることによって、新設屋根Nである横葺き屋根材の働き幅は不問となる。また、断面略倒コ字状の屋根材取付具Cのフランジ部C2・C2を上面D1の浅縦溝D11bまたは浅横溝D12bに嵌め込むため、フランジ部C2・C2は短くてよい。そのため、断面略倒コ字状の屋根材取付具Cのコストを低く抑えることができる。
D 屋根用断熱材
D1 上面
D11 縦溝
D11a 深縦溝
D11b 浅縦溝
D12 横溝
D12a 深横溝
D12b 浅横溝
D2 下面
D21 下面溝
D3 斜め切り欠き
D4 係合部
D5 被係合部
C 屋根材取付具
C1 ウエブ部
C1a くぼみ
C1b 孔
C2 フランジ部
H 支持材
B 止着具
M モヤ下地
T タルキ下地
O 既設屋根
N 新設屋根

Claims (2)

  1. 屋根材取付具はウエブ部と該ウエブ部の両端に形成されたフランジ部とを有す断面略倒コ字状であり屋根用断熱材は上面と下面を有する平面視略矩形状であり対向する縁部と略平行である3条以上の縦溝が等間隔で形成され、縦溝に略直交する3条以上の横溝が等間隔で形成されており、前記フランジ部同士の間隔が、隣り合う前記縦溝同士の間隔の整数倍、又は隣り合う前記横溝同士の間隔の整数倍と略等しく形成されており、前記縦溝又は前記横溝に前記フランジ部が係合され前記縦溝同士の間又は前記横溝同士の間に前記ウエブ部がかぶせられている屋根構造。
  2. 前記屋根用断熱材は下面に略平行である複数条の下面溝が四方の縁部いずれとも平行でない方向に形成されてい請求項1の屋根構造。
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