JP7151408B2 - 電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極の製造方法に関する。
電池用の電極として、集電箔の一表面に第1の電極活物質層が形成され、当該集電箔の他表面に第2の電極活物質層が形成された両面塗工型のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。本明細書でいう第1の電極活物質層は正極活物質層または負極活物質層であり、第2の電極活物質層もまた正極活物質層または負極活物質層である。
特許文献1には、金属箔111と、当該金属箔111の両面にそれぞれ重ねられた正極活物質層112とを有する正極11、及び、金属箔121と当該金属箔121の両面にそれぞれ重ねられた負極活物質層122とを有する負極12が紹介されている。特許文献1に紹介されている上記の正極においては、一方の正極活物質層112が第1の電極活物質層であり、他方の正極活物質層112が第2の電極活物質層であるといえる。同様に、上記の負極では、一方の負極活物質層122が第1の電極活物質層であり、他方の負極活物質層122が第2の電極活物質層であるといえる。
この種の両面塗工型の電極の製造に際して、第1の電極活物質層や第2の電極活物質層等の電極活物質層を形成する際には、先ず、電極活物質層の材料となる電極合材を集電箔の表面に塗工して、集電箔上に当該電極合材の層すなわち電極合材層が形成された電極前駆体を形成するのが一般的である。当該電極前駆体をプレスすれば、上記の電極合材層が圧縮された電極活物質層を有する両面塗工型の電極が得られる。
特開2018-41645号公報
ところで、第1の電極活物質層および第2の電極活物質層の組成や、その形成方法によっては、両面塗工型の電極前駆体をプレスする際の、第1の電極活物質層の圧縮率と第2の電極活物質層の圧縮率とが異なる場合がある。圧縮率の大きな電極活物質層は、圧縮率の小さな電極活物質層よりも大きくまたは長く延びるために、この場合にはプレス後の電極に反りが生じる場合がある。
両面塗工型の電極を用いる電池の種類によっては、当該電極の反りを許容し難い場合がある。
電池における電極の形態は、巻回型及び積層型の二種に大別される。巻回型電極は、長尺のシート状をなす電極に必要に応じてセパレータを重ね、幾重にも巻回することで、電極体が第1の電極活物質層-集電箔-第2の電極活物質層-セパレータ-第1の電極活物質層-集電箔-第2の電極活物質層…の順に巻き重ねられて、電池ケースに収容される。特許文献1の〔0041〕段落、図3及び図4には、正極11、負極12及びセパレータ4の積層体22が巻回される旨が紹介されている。特許文献1に紹介されている電極は、巻回型電極であるといえる。
この種の巻回型電極は、シート状の電極を巻回して得られるものである。このため、巻回型電極においては、シート状の電極に多少反りが生じていても、巻回する際に、当該電極の一部が他の一部によって巻回方向の外側から内側に向けて順次押さえ込まれる。このため、多少の反りが生じた電極であっても、ハンドリング性には大きな影響は生じ難い。
一方、積層型電極は、カード状の電極を、必要に応じてセパレータを重ねつつ、多数積層することで、電極体が第1の電極活物質層-集電箔-第2の電極活物質層負極-セパレータ-第1の電極活物質層-集電箔-第2の電極活物質層…の順に重ねられて、電池ケースに収容される。
当該カード状の電極を製造する際には、電極前駆体及び電極を、実際に使用する大きさよりも大判のシート状に形成しておくのが一般的である。プレス工程後のシート状の電極を適切な大きさに裁断すると、多数のカード状の電極を同時に製造できるため、製造工数の低減に有効だと考えられる。以下、必要に応じて、上記したシート状の電極をシート状電極と称し、上記したカード状の電極をカード状電極と称する。
ここで、反りの生じたシート状電極を裁断して得られる多数のカード状電極は、不均一に反ったものとなる場合がある。不均一に反ったカード状電極は、ハンドリング性に著しく劣る問題がある。
つまり、積層型電極を有する積層型電池を製造するためには、当該カード状電極を複数枚積層する必要があるところ、不均一に反った複数のカード状電極を正確に重ね合わせる作業は非常に煩雑であり、困難を極める。
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものであり、反りの抑制された両面塗工型の電極を製造できる技術を提供することを目的とする。
本発明の電極の製造方法は、
集電箔、
前記集電箔の一表面に形成されている第1の電極合材層、および、
前記集電箔の他表面に形成されている第2の電極合材層をプレスして、
前記集電箔、
前記第1の電極合材層が圧縮された第1の電極活物質層、および、
前記第2の電極合材層が前記第1の電極活物質層よりも高い圧縮率で圧縮された第2の電極活物質層を有する電極を製造するプレス工程と、
前記プレス工程後に、前記第2の電極活物質層をロール芯に向けて前記電極を巻き取る巻き取り工程と、を有する、電極の製造方法である。
本発明の電極の製造方法によると、反りの抑制された両面塗工型の電極を製造することが可能である。
実施例の積層型電池の断面を模式的に説明する説明図である。 実施例の製造方法におけるプレス工程を説明する説明図である。 実施例の製造方法におけるプレス工程後の電極を説明する説明図である。 実施例の製造方法におけるプレス工程および巻き取り工程を説明する説明図である。
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「a~b」は、下限a及び上限bをその範囲に含む。そして、これらの上限値及び下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに、これらの数値範囲内から任意に選択した数値を、新たな上限や下限の数値とすることができる。
本発明の電極の製造方法は、プレス工程と巻き取り工程とを有する。
このうちプレス工程は、集電箔、第1の電極合材層および第2の電極合材層をプレスして電極を製造する工程である。
当該プレス工程には、集電箔に加えて、前記集電箔の一表面に形成されている第1の電極合材層と、前記集電箔の他表面に形成されている第2の電極合材層と、が供される。一方、当該プレス工程によって、前記集電箔と、前記第1の電極合材層が圧縮された第1の電極活物質層と、前記第2の電極合材層が前記第1の電極活物質層よりも高い圧縮率で圧縮された第2の電極活物質層と、を有する電極が得られる。
プレス工程において、第2の電極活物質層は、第1の電極活物質層よりも圧縮率高く圧縮されるため、第1の電極活物質層よりも大きく延びる。このため、電極における第2の電極活物質層側の面は、第1の電極活物質層側の面よりも大きくまたは長くなり、当該大きさまたは長さの差に起因して、プレス工程後の電極には、第2の電極活物質層側が凸形状となる反りが生じる。当該電極の反りは、上記した積層型電池の製造を煩雑にする要因となり得る。
本発明の電極の製造方法では、巻き取り工程にて、第2の電極活物質層をロール芯に向けて、プレス工程後の電極をロール芯に巻き取る。こうすることで、電極に反りとは逆向きの癖がつけられ、電極の反りが矯正される。
本発明の電極の製造方法で製造する電極は、上記したとおり両面塗工型の電極である。以下、必要に応じて、本発明の電極の製造方法を単に本発明の製造方法と称し、本発明の製造方法で得られた電極を本発明の電極と称する。また、必要に応じて、プレス工程前またはプレス工程中の電極を電極前駆体と称する。当該電極前駆体は、第1の電極活物質層と第2の電極活物質層との両方を備えるものでないものをいい、例えば、集電体と第1の電極合材層と第2の電極合材層を備えるものは当該電極前駆体に含まれる。その他、集電体と第1の電極活物質層と第2の電極合材層とを備えるもの、および、集電体と第1の電極合材層と第2の電極活物質層とを備えるものもまた電極前駆体に含まれる。以下、必要に応じて、当該電極前駆体を、本発明の電極前駆体と称する。
本発明の電極前駆体における第1の電極合材層及び第2の電極合材層、並びに、本発明の電極における第1の電極活物質層及び第2の電極活物質層の組成等は特に限定されない。
例えば、本発明の電極は、第1の電極活物質層及び第2の電極活物質層の双方が正極活物質を含む正極活物質層であっても良いし、第1の電極活物質層及び第2の電極活物質層の双方が負極活物質を含む負極活物質層であっても良い。または、第1の電極活物質層及び第2の電極活物質層の一方が正極活物質を含む正極活物質層であり、他方が負極活物質を含む負極活物質層であっても良い。
何れの場合にも、第1の電極活物質層及び第2の電極活物質層の組成が異なれば、プレス工程における第1の電極活物質層の圧縮率と第2の電極活物質層の圧縮率とが異なる場合がある。
例えば、第1の電極活物質層及び第2の電極活物質層の一方を、正極活物質を含む正極活物質層とし、他方を、負極活物質を含む負極活物質層として、本発明の電極を双極型電極とする場合には、第1の電極活物質層の組成と第2の電極活物質層の組成が大きく異なるため、プレス工程における第1の電極活物質層の圧縮率と第2の電極活物質層の圧縮率とに大きな差が生じ易い。
具体的には、正極活物質と負極活物質とでは、形状や粒径が大きく異なる場合がある。例えば、ニッケル金属水素化物電池において、正極活物質すなわち水酸化ニッケルは、一般に、球状であるが、負極活物質すなわち水素吸蔵合金は、一般に、不揃いな砕石状または砕片状である。このため、ニッケル金属水素化物電池における負極活物質は、正極活物質に比べて、高密度に圧縮することができ、プレス工程において正極活物質層と負極活物質層とに同じ外力を作用させた場合にも、負極活物質層の圧縮率は正極活物質層の圧縮率よりも高くなり得る。したがって、この場合における負極活物質層は第2の電極活物質層であり、正極活物質層は第1の電極活物質層であるといえる。
また、第1の電極活物質層及び第2の電極活物質層を塗工形成する方法によっては、第1の電極活物質層及び第2の電極活物質層の組成が同じでも、プレス工程における第1の電極活物質層の圧縮率と第2の電極活物質層の圧縮率とが異なる場合がある。
ここで、第1の電極合材層及び第2の電極合材層は、同時に形成されて、プレス工程において同時にプレスされても良いし、順次形成されて、形成された順にプレスされても良い。第1の電極合材層及び第2の電極合材層を順次形成し、形成された順にプレスする方法としては、以下の方法を例示できる。
先ず、集電箔の一表面に第2の電極合材層を形成する。そして、プレス工程における一回目のプレスにて、集電箔及び第2の電極合材層を有する電極前駆体をプレスして、第2の電極活物質層を得る。次いで、当該集電箔の他表面に第1の電極合材層を形成して、プレス工程における二回目のプレスにて、第2の電極活物質層、集電箔及び第1の電極合材層を有する電極前駆体をプレスして、第2の電極活物質層、集電箔及び第1の電極活物質層を有する電極を得る。必要に応じて、当該電極を加熱する。
上記の方法で得られた電極において、第2の電極活物質層は二度のプレスを経るのに対し、第1の電極活物質層は一度プレスされるだけであるため、第2の電極活物質層に作用する外力の累積値は、第1の電極活物質層に作用する外力の累積値よりも大きくなる。この場合には、第1の電極活物質層及び第2の電極活物質層の組成が同じ場合にも、第2の電極活物質層の圧縮率は、第1の電極活物質層の圧縮率よりも高くなる可能性がある。
しかしこのような場合にも、本発明の製造方法によると、巻き取り工程によって電極に反りとは逆向きの癖がつけられ、電極の反りが矯正される。
このように、本発明の製造方法によると、反りの抑制された両面塗工型の電極を製造することが可能である。また、本発明の製造方法で得られた本発明の電極は、反りの抑制されたものであることから、カード状電極としても容易に積層することができる。つまり、本発明の製造方法で得られた電極は、積層型電池の電極として好適である。
なお、本発明の電極は、それ自体がカード状電極であっても良いし、シート状電極であっても良い。巻き取り工程においては、カード状電極をロール芯に巻き取っても良いし、シート状電極をロール芯に巻き取っても良い。本発明の電極がシート状電極である場合には、適宜裁断することで多数のカード状電極を同時に製造できるため、製造効率が向上する利点がある。
以下、本発明の電極の製造方法に用いる電極前駆体について説明する。
電極前駆体は、集電箔と、第1の電極合材層と、第2の電極活物質層とを有する。
集電箔は、箔状をなし、本発明の電極を有する電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体をいう。ここで言う箔状とは、シート状、フィルム状、リボン状等を含む概念であり、厚さ1mm以下かつ幅及び長さが厚さよりも大きいものを指す。
集電箔の材料は、使用する活物質に適した電圧に耐え得る金属であれば特に制限はない。集電箔の材料としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電箔は公知の保護層で被覆されていても良い。集電箔の表面を公知の方法で処理したものを集電箔として用いても良い。
なお、本発明の電極を有する電池がニッケル金属水素化物電池であれば、集電箔の材料としては、ニッケル、又は、ニッケルめっきを施した金属材料が好ましい。本発明の電極を有する電池がリチウムイオン二次電池であれば、集電箔の材料としては、アルミニウム、銅、又は、ステンレス鋼を用いるのが好ましい。
集電箔の厚さとしては1μm~100μmの範囲内、3μm~70μmの範囲内、5μm~50μmの範囲内を例示できる。
上記したように、第1の電極活物質層と第2の電極活物質層とはともに正極活物質層であっても良いし、ともに負極活物質層であっても良い。或いは、第1の電極活物質層と第2の電極活物質層との一方が正極活物質層であり、他方が負極活物質層であっても良い。
したがって、第1の電極合材層に含まれる電極活物質と、第2の電極合材層に含まれる電極活物質と、もまた、同じであっても良いし、異なっていても良い。例えば、第1の電極合材層に含まれる第1の電極活物質、及び、第2の電極合材層に含まれる第2の電極活物質は、ともに正極活物質であっても良いし、ともに負極活物質であっても良い。或いは、第1の電極活物質と第2の電極活物質との一方が正極活物質であり、他方が負極活物質であっても良い。また、第1の電極活物質及び第2の電極活物質は、本発明の電極を有する電池に応じたものを用いれば良い。
本発明の電極前駆体における第1の電極合材層は、正極活物質層の前駆層である正極合材層および/または負極活物質層の前駆層である負極合材層である。本発明の電極前駆体における第2の電極合材層も同様に、正極活物質層の前駆層である正極合材層および/または負極活物質層の前駆層である負極合材層である。
以下、正極と負極とに場合分けして、第1の電極合材層及び第2の電極合材層の電極構成材料を説明する。以下、正極と負極とに共通する事項については、必要に応じて、正極合材層と負極合材層とを包括した電極合材層、正極活物質と負極活物質とを包括した電極活物質、正極活物質層と負極活物質層とを包括した電極活物質層、または、正極と負極とを包括した電極、として説明する。
<正極>
正極合材層は、正極活物質と結着剤とを含み、場合によっては溶剤を含み得る。当該正極合材層は、その他、必要に応じて導電助剤や添加剤等を含み得る。
正極活物質は、電池の種類に応じて適宜選択すれば良い。例えば本発明の電極がニッケル金属水素化物電池用の電極であれば、正極活物質としては、ニッケル金属水素化物電池の正極活物質として用いられるものであれば限定されない。具体的な正極活物質として、水酸化ニッケル、金属をドープした水酸化ニッケルを例示できる。水酸化ニッケルにドープする金属として、マグネシウム、カルシウムなどの第2族元素、コバルト、ロジウム、イリジウムなどの第9族元素、亜鉛、カドミウムなどの第12族元素を例示できる。
なお、ニッケル金属水素化物電池用の正極活物質の平均粒子径としては、1~100μmの範囲内が好ましく、3~50μmの範囲内がより好ましく、5~30μmの範囲内がさらに好ましい。本明細書において、平均粒子径とは、一般的なレーザー回折式粒度分布計を用いた測定におけるD50の値を意味する。
また、ニッケル金属水素化物電池用の正極の場合、正極活物質層に含まれる正極活物質の量としては、正極活物質層全体の質量に対して、75~99質量%の範囲、80~97質量%の範囲、85~95質量%の範囲が例示される。
本発明の電極がリチウムイオン二次電池用の電極であれば、正極活物質としては、リチウムイオン二次電池用の一般的な正極活物質を使用し得る。
リチウムイオン二次電池用の一般的な正極活物質としては、層状岩塩構造の一般式:LiNiCoMn(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはW、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Al、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)で表されるリチウム複合金属酸化物、LiMnOを挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn等のスピネル構造の金属酸化物、スピネル構造の金属酸化物と層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVO又はLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも使用可能である。
リチウムイオン二次電池用の正極の場合、正極活物質層に含まれる正極活物質の量としては、正極活物質層全体の質量に対して、60~99質量%の範囲、70~95質量%の範囲が例示される。
結着剤は、電極活物質などの電極構成材料を集電箔の表面に繋ぎ止める役割を果たすものである。結着剤は特に限定されない。具体的な結着剤として、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン及びフッ素ゴムなどのフッ素含有樹脂、ポリプロピレン及びポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリイミド及びポリアミドイミドなどのイミド系樹脂、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、スチレンブタジエンゴムなどの共重合体、並びに、(メタ)アクリル酸誘導体をモノマー単位として含有する、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸及びポリメタクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系樹脂を例示できる。
電極活物質層に含まれる結着剤の量としては、電極活物質層全体の質量に対して、0.1~15質量%、1~10質量%、2~7質量%の各範囲を例示できる。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなる。
溶剤としては、N-メチル-2-ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤は、粉末状態で活物質層に添加されてもよいし、活物質粒子の表面を被覆した状態で用いられてもよい。導電助剤としては化学的に不活性な電子伝導体であれば良い。
具体的な導電助剤としては、コバルト、ニッケル、銅などの金属、コバルト酸化物などの金属酸化物、及びコバルト水酸化物などの金属水酸化物、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維などの炭素材料が例示される。
正極活物質層に含まれる導電助剤の量としては、正極活物質層全体の質量に対して、0.1~30質量%の範囲、0.2~20質量%の範囲、0.3~15質量%の範囲が例示される。
正極添加剤は、本発明の電極を有する電池の電池特性を向上させるために正極に添加されるものである。例えばニッケル金属水素化物電池用の正極添加剤としては、Nbなどのニオブ化合物、WO、WO、LiWO、NaWO及びKWOなどのタングステン化合物、Ybなどのイッテルビウム化合物、TiOなどのチタン化合物、Yなどのイットリウム化合物、ZnOなどの亜鉛化合物、CaO、Ca(OH)及びCaFなどのカルシウム化合物、並びに、その他の希土類酸化物を例示できる。
ニッケル金属水素化物電池用の正極における正極添加剤の量としては、正極活物質層全体の質量に対して、0.1~10質量%の範囲、0.5~5質量%の範囲が挙げられる。
正極合材層は、これらの各電極構成材料を混合したスラリーを、集電箔の一表面または他表面に塗工したものである。正極合材層を形成する方法としては、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いれば良い。具体的には、正極活物質、結着剤、溶剤、並びに必要に応じて導電助剤及び添加剤を混合して正極合材スラリーにしてから、当該正極合材スラリーを集電箔の表面に塗布後、乾燥することで、正極合材層とすれば良い。必要に応じて、プレス工程を多段階で行い、当該多段階のプレス工程の一段階として、集電箔と正極合材層とを有する電極前駆体をプレスしても良い。プレス工程については後述する。
<負極>
負極合材層は、負極活物質および結着剤を含み、場合によって溶剤を含み得る。当該負極合材層は、その他、必要に応じて導電助剤や添加剤等を含み得る。結着剤、溶剤及び導電助剤については正極と同様である。なお、負極合材層は、上記した正極合材層と同様の方法で形成することができる。正極合材層を含む電極前駆体と同様に、集電箔と負極合材層とを有する電極前駆体をプレスしても良い。
負極活物質は、電池の種類に応じて適宜選択すれば良い。例えば本発明の電極がニッケル金属水素化物電池用の電極であれば、負極活物質としては、ニッケル金属水素化物電池の負極活物質、すなわち水素吸蔵合金として用いられるものであれば限定されない。水素吸蔵合金とは、基本的に、容易に水素と反応するものの、水素の放出能力に劣る金属Aと、水素と反応しにくいものの、水素の放出能力に優れる金属Bとの合金である。Aとしては、Mgなどの第2族元素、Sc、ランタノイドなどの第3族元素、Ti、Zrなどの第4族元素、V、Taなどの第5族元素、複数の希土類元素を含有するミッシュメタル(以下、Mmと略すことがある。)、Pdなどを例示できる。また、Bとしては、Fe、Co、Ni、Cr、Pt、Cu、Ag、Mn、Zn、Alなどを例示できる。
具体的な水素吸蔵合金として、六方晶CaCu型結晶構造を示すAB型、六方晶MgZn型若しくは立方晶MgCu型結晶構造を示すAB型、立方晶CsCl型結晶構造を示すAB型、六方晶MgNi型結晶構造を示すAB型、体心立方晶構造を示す固溶体型、並びに、AB型及びAB型の結晶構造が組み合わされたAB型、A型及びA19型のものを例示できる。水素吸蔵合金は、以上の結晶構造のうち、1種類を有するものでもよいし、また、以上の結晶構造の複数を有するものでもよい。
AB型水素吸蔵合金として、LaNi、CaCu、MmNiを例示できる。AB型水素吸蔵合金として、MgZn、ZrNi、ZrCrを例示できる。AB型水素吸蔵合金として、TiFe、TiCoを例示できる。AB型水素吸蔵合金として、MgNi、MgCuを例示できる。固溶体型水素吸蔵合金として、Ti-V、V-Nb、Ti-Crを例示できる。AB型水素吸蔵合金として、CeNiを例示できる。A型水素吸蔵合金として、CeNiを例示できる。A19型水素吸蔵合金として、CeCo19、PrCo19を例示できる。上記の各結晶構造において、一部の金属を、他の1種類若しくは複数種類の金属又は元素で置換してもよい。
負極活物質の表面は公知の方法で処理されてもよい。特に、負極活物質としては、アルカリ処理された水素吸蔵合金を採用するのが好ましい。アルカリ処理とは、水素吸蔵合金を、アルカリ金属水酸化物を溶解したアルカリ水溶液で処理することを意味する。
例えば、希土類元素とNiを含む水素吸蔵合金を、アルカリ金属水酸化物を溶解したアルカリ水溶液で処理すると、アルカリ水溶液に対して溶解性の高い希土類元素が水素吸蔵合金の表面から溶出することになる。ここで、Niはアルカリ水溶液に対して溶解性が低いため、結果的に、水素吸蔵合金の表面のNi濃度は、水素吸蔵合金の内部と比較して高くなる。以下、水素吸蔵合金において、Ni濃度が内部と比較して高い部分を、Ni濃縮層という。Ni濃縮層の存在に因り、負極活物質の性能が向上すると考えられる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを例示でき、中でも、水酸化ナトリウムが好ましい。アルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液を用いることで、アルカリ水溶液として水酸化リチウムや水酸化カリウムを用いる場合と比較して、本発明の双極型ニッケル金属水素化物電池の電池特性が好適化する場合がある。
ニッケル金属水素化物電池用の負極活物質は、粉末状態が好ましく、また、その平均粒子径としては1~100μmの範囲内が好ましく、3~50μmの範囲内がより好ましく、5~30μmの範囲内がさらに好ましい。
ニッケル金属水素化物電池用の負極活物質の量としては、負極活物質層全体の質量に対して、85~99質量%の範囲、90~98質量%の範囲、が例示される。
本発明の電極がリチウムイオン二次電池用の電極であれば、負極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出可能な一般的な負極活物質、すなわち、ケイ素、炭素、ゲルマニウム、錫などの14族元素、アルミニウム、インジウムなどの13族元素、亜鉛、カドミウムなどの12族元素、アンチモン、ビスマスなどの15族元素、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、銀、金などの11族元素の少なくとも1種の単体、化合物または合金を選択すれば良い。上記合金又は化合物の具体例としては、Ag-Sn合金、Cu-Sn合金、Co-Sn合金等の錫系材料、各種黒鉛などの炭素系材料、が挙げられる。また、負極活物質として、Nb、TiO、LiTi12、WO、MoO、Fe等の酸化物、又は、Li3-xN(M=Co、Ni、Cu)で表される窒化物を採用しても良い。
負極活物質としては、ケイ素を含有する負極活物質、すなわちケイ素含有負極活物質も好適である。ケイ素含有負極活物質においては、ケイ素がリチウムと合金化することでリチウムを吸蔵及び放出すると考えられる。
このようなケイ素含有負極活物質としては、ケイ素単体(金属シリコン)、ケイ素単体と二酸化ケイ素に不均化するSiO(0.3≦x≦1.6)などのケイ素系材料、ケイ素単体若しくはケイ素系材料と後述する炭素系材料等を組み合わせた複合体が挙げられる。更には、ケイ素系材料として、国際公開第2015/114692号に開示されるシリコン材料を用いることも好ましい。
ケイ素含有負極活物質は、粒子の集合体である粉末状のものが好ましい。ケイ素含有負極活物質の平均粒子径としては、1~30μmの範囲、2~20μmの範囲が例示される。
リチウムイオン二次電池用の負極活物質の量としては、負極活物質層全体の質量に対して、60~99質量%の範囲、70~95質量%の範囲が例示される。
負極添加剤は、本発明の電極を有する電池の電池特性を向上させるために負極に添加されるものである。例えばニッケル金属水素化物電池用の負極添加剤としては、ニッケル金属水素化物電池の負極添加剤として用いられるものであれば限定されない。具体的な負極添加剤として、CeF及びYFなどの希土類元素のフッ化物、Bi及びBiFなどのビスマス化合物、In及びInFなどのインジウム化合物、並びに、正極添加剤として例示した化合物を挙げることができる。
ニッケル金属水素化物電池用の負極における負極添加剤の量としては、負極活物質層全体の質量に対して、0.1~10質量%の範囲、0.5~5質量%の範囲が例示される。
本発明の製造方法において、電極前駆体に含まれる第1の電極合材層及び第2の電極合材層は、各々、上記の負極合材層または正極合材層である。
当該電極前駆体は、既述したプレス工程に供され、その後、既述した巻き取り工程に供される。
プレス工程は、一般的なプレス機によって行えば良い。例えば、プレス機としては、プレス面を有する2以上のロールによって電極前駆体を挟み込みつつ圧延するロールプレス機を用いても良い。または、プレス面を有するプレス金型が往復運動することで電極前駆体を挟み込みつつプレスするクランクプレス機等の一般的な機械式プレス機や油圧式プレス機等を用いても良い。集電箔、第1の電極合材層および第2の電極合材層を有する電極前駆体は、プレス工程を経ることで、集電箔、第1の電極活物質層および第2の電極活物質層を有する電極となる。
巻き取り工程の前、つまり、プレス工程の前、プレス工程中、またはプレス工程後に、第1の電極合材層および第2の電極合材層を乾燥させて、第1の電極合材層および第2の電極合材層に含まれる溶剤を除去するのが好ましい。このとき、必要に応じて、第1の電極合材層および第2の電極合材層を加熱しても良い。加熱温度は特に限定せず、電極合材層に含まれる溶剤の種類や結着剤の種類に応じて適宜設定すれば良い。プレス工程におけるプレス圧やプレス速度もまた、本発明の製造方法で製造すべき電極の形状や組成等に応じて適宜設定すれば良い。
プレス工程は一段階で行っても良いし多段階で行っても良い。プレス工程を一段階で行う場合には、集電箔の一方の表面に第1の電極合材層と第2の電極合材層との一方を形成し、それと同時に、またはその後、集電箔の他方の表面に第1の電極合材層と第2の電極合材層との他方を形成して、得られた集電箔と第1電極合材層と第2電極合材層との接合体を電極前駆体として用いれば良い。必要に応じて、電極前駆体を形成する過程において、第1の電極合材層および/または第2の電極合材層を適宜乾燥させても良い。
プレス工程を多段階で行う方法の一例を以下に挙げる。
先ず、集電箔の一方の表面に第1の電極合材層と第2の電極合材層との一方を形成して、電極合材層と集電箔とを有する第1の電極前駆体とする。当該第1の電極前駆体を第1のプレス工程に供することで、第1の電極前駆体における電極合材層を電極活物質層とする。次いで、第1の電極前駆体における集電箔の他方の表面に第1の電極合材層と第2の電極合材層との他方を形成して、電極活物質層と集電箔と電極合材層とを有する第2の電極前駆体とする。この第2の電極前駆体を第2のプレス工程に供することで、第2の電極前駆体における電極合材層を電極活物質層とする。第1のプレス工程および第2のプレス工程におけるプレスの条件は、同じであっても良いし異なっていても良い。
何れの場合にも、プレス工程によって第1の電極合材層および第2の電極合材層がプレスされ、集電箔の両面に、各々、第1の電極活物質および第2の電極活物質層が密着した電極が得られる。
ところで、第2の電極活物質層の圧縮率は第1の電極活物質層の圧縮率よりも高いため、プレス工程後の電極は、第2の電極活物質層側の部分が第1の電極活物質層側の部分よりも延びて、反った状態にある。本発明の製造方法では、この反った状態の電極を巻き取り工程に供する。
巻き取り工程では、第2の電極活物質層をロール芯に向けて電極を巻き取る。2つの電極活物質層のどちらが第2の電極活物質層でありどちらが第1の電極活物質層であるかは、プレス工程後の圧縮率によって判別すれば良い。具体的には、(プレス工程前の電極合材層の厚さ/プレス工程後の電極活物質層の厚さ)を、電極活物質層の圧縮率(圧縮倍率)とすれば良い。なお、電極合材層の厚さおよび電極活物質層の厚さとしては、任意の複数箇所で実測した値の平均値を用いるのが好ましい。
各電極活物質層の圧縮率は、プレス工程毎に測定しても良い。または、本発明の製造方法によって実際に製造した任意の電極における各電極活物質層の圧縮率を測定して、当該任意の電極の測定値を基に、本発明の製造方法を複数回行っても良い。
または、各電極活物質層の圧縮率の大小を、2つの電極合材層の組成や厚さから推測しても良い。更には、プレス工程後の電極を目視することで、当該電極に実際に生じた反りの方向を基に、2つの電極活物質層の圧縮率の大小を推測しても良い。
電極を巻き取るロール芯の形状や材質等は特に限定しない。例えば、ロール芯の直径の好ましい範囲として、1cm~100cmの範囲、3cm~70cmの範囲、5cm~50cmの範囲を挙げることができる。
なお、ロール芯の周長が過大であれば、ロール芯表面の曲率が過小となり、電極の反りを矯正し難くなる。この場合には、ロール芯に巻き取った電極を反りが矯正されるまでそのまま保持すれば良いが、本発明の電極の製造方法に要する時間が長くなる問題がある。ロール芯としてその直径が上記の範囲であるものを用いることで、電極の反りの矯正を効率良く行い得る。
ロール芯に巻き取った電極は、必要に応じて、加熱しても良い。このときの加熱温度は特に問わない。
その他、巻き取り工程において電極に作用する外力、巻き取ったままの電極を保持する時間等は、電極の組成、形状、電極に生じた反りの大きさ等に応じて適宜設定すれば良い。
上記の巻き取り工程によって反りの矯正された本発明の電極が得られる。当該本発明の電極がシート状電極である場合には、巻き取り工程後に、当該シート状電極を適宜裁断してカード状の電極とする裁断工程を行えば良い。裁断工程は、既知の装置を用い既知の方法で行えば良い。既知の裁断方法としては、例えば、シャー加工(シャーリング加工とも呼ばれる)や、レザースリット、シャースリット、ギャングスリット等に代表されるスリット加工、打ち抜き型を用いた打ち抜き加工等を挙げることができる。裁断工程は、これらの1種のみを用いて行っても良いし、或いは、複数種を併用して行っても良い。裁断工程では、一度だけ裁断を行っても良いし、複数回裁断を行っても良い。
上記したように、本発明の電極は、反りの矯正されたものであるため。裁断工程を経て得られた本発明のカード状電極もまた、反りの矯正されたものである。したがって当該本発明のカード状電極は、積層型電池に用いる電極として好適である。
積層型電池を製造する際には、上記の裁断工程で得られた本発明のカード状電極を、積層状態で電池ケースに収容すれば良い。この場合、本発明のカード状電極を、必要に応じて他種の電極やセパレータとともに、必要な数を積層して積層体とすれば良い。当該積層体は上記した積層型電極といえる。当該積層体は、そのまま電池ケースに収容しても良いし、リード線や端子を適宜接続した電極体の状態で電池ケースに収容しても良い。なお、当該積層体を収容する電池ケースは、缶型のものであっても良いし、ラミネート型のものであっても良い。
積層体を電池ケースに収容し、必要に応じて適宜リード線や端子を接続し、電池ケースに電解液を加えることで、積層型電池を製造することができる。
電解液は、製造対象である電池の種類に応じて適宜選択すれば良い。例えば、積層型電池がニッケル金属水素化物電池であれば、電解液としてはアルカリ金属水酸化物が溶解した水溶液を用いれば良い。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを例示できる。電解液には、1種類のアルカリ金属水酸化物を含んでいてもよいし、複数種類のアルカリ金属水酸化物を含んでいてもよい。電解液における、アルカリ金属水酸化物の濃度としては、2~10mol/Lが好ましく、3~9mol/Lがより好ましく、4~8mol/Lがさらに好ましい。
また、例えば積層型電池がリチウムイオン二次電池であれば、電解液としては、非水溶媒と当該非水溶媒に溶解されたリチウム塩とを含むものを用いれば良い。当該電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/lから1.7mol/l程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
本発明の製造方法で得られた両面塗工型の電極を用いた積層型電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部に当該電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、例えば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両に当該電池を搭載する場合には、当該電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。当該電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、当該電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例及び比較例などを示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例)
実施例の製造方法で得られる実施例の電極は、第1の電極合材層および第1の電極活物質層が正極活物質を含み、第2の電極合材層および第2の電極活物質層が負極活物質を含む、双極型電極である。
また、実施例の電極における正極活物質は水酸化ニッケルであり、負極活物質は水素吸蔵合金である。つまり、実施例の電極はニッケル金属水素化物電池用の双極型電極である。
実施例の電極の断面を模式的に表す説明図を図1に示す。実施例の製造方法におけるプレス工程を説明する説明図を図2に示す。実施例の製造方法におけるプレス工程後の電極を説明する説明図を図3に示す。実施例の製造方法におけるプレス工程および巻き取り工程を説明する説明図を図4に示す。
先ず、実施例の製造方法で得られる実施例の電極について説明する。
実施例の電極は、積層型電池に用いられる双極型電極である。図1に示すように、当該積層型電池は、積層体90と、当該積層体90を収容する電池ケース91とを有する。
積層体90は、複数のカード状電極1cと、隣り合うカード状電極1cの間に介在するセパレータ2と、積層体90における積層方向の一端部を構成する第1端末カード状電極18と、積層体90における積層方向の他端部を構成する第2端末カード状電極19と、を有する。なお、第1端末カード状電極18とこれに隣り合うカード状電極1cとの間、および、第2端末カード状電極19とこれに隣り合うカード状電極1cとの間、にも、セパレータ2が介在している。
カード状電極1cは、集電箔10、正極活物質層11および負極活物質層12を有する。集電箔10はニッケル箔である。正極活物質層11は集電箔10の一表面に形成され、負極活物質層12は集電箔10の他表面に形成されている。第1端末カード状電極18は、集電箔10と、当該集電箔10の一表面に形成された正極活物質層11と、を有する。第2端末カード状電極19は、集電箔10と、当該集電箔10の他表面に形成された負極活物質層12と、を有する。後述するように、実施例の製造方法における正極活物質層11は本発明の製造方法における第1の電極活物質層であり、負極活物質層12は本発明の製造方法における第2の電極活物質層である。また、後述する正極合材層96は本発明の製造方法における第1の電極合材層であり、負極合材層97は本発明の製造方法における第2の電極合材層である。
各カード状電極1c、セパレータ2、第1端末カード状電極18および第2端末カード状電極19は、第1端末カード状電極18の集電箔10、第1端末カード状電極18の正極活物質層11、セパレータ2、カード状電極1cの負極活物質層12、カード状電極1cの集電箔10、カード状電極1cの正極活物質層11、セパレータ2・・・カード状電極1cの集電箔10、カード状電極1cの正極活物質層11、セパレータ2、第2端末カード状電極19の負極活物質層12、第2端末カード状電極19の集電箔10の順に積層され、積層体90を形成している。積層体90は絶縁性を有する樹脂製の電池ケース91に収容されている。集電箔10の外縁部10pは、電池ケース91の内部に設けられた絶縁性の樹脂製のシール部92に保持される。当該シール部92は、隣り合う集電箔10の外縁部10p同士の間に介在するともいえる。
電池ケース91における上記積層方向の一端は金属製の蓋体93で閉じられ、他端は金属製の蓋体94で閉じられる。第1端末カード状電極18の集電箔10は、蓋体93に当接し、第2端末カード状電極19の集電箔10は蓋体94に当接する。蓋体93および蓋体94には各々図略の端子が取り付けられ、積層体90は蓋体93および蓋体94を介して当該端子に電気的に接続される。電池ケース91には、図略の電解液が満たされる。
実施例のカード状電極1cを製造する方法を以下に説明する。なお、第1端末カード状電極18および第2端末カード状電極19は、以下のカード状電極1cの製造方法に倣って製造すれば良い。
(電極前駆体準備工程)
正極活物質として水酸化ニッケル粉末を94.3質量部、導電助剤としてコバルト粉末を1質量部、結着剤としてアクリル系樹脂エマルションを固形分として3.5質量部、結着剤としてカルボキシメチルセルロースを0.7質量部、添加剤としてYを0.5質量部、及び、適量のイオン交換水を混合して、正極合材のスラリーを製造する。集電箔として厚さ20μmのニッケル箔を準備し、このニッケル箔の一表面に、ドクターブレードを用いて、上記の正極合材のスラリーを膜状に塗布することで、正極合材層を形成する。
同様に、負極活物質としてA型水素吸蔵合金を97.8質量部、結着剤としてスチレンブタジエンゴムを固形分として1.5質量部、結着剤としてカルボキシメチルセルロースを0.7質量部、及び、適量のイオン交換水を混合して、負極合材のスラリーを製造する。上記した集電箔の他表面に、ドクターブレードを用いて、上記の負極合材のスラリーを膜状に塗布することで、負極合材層を形成する。以上の工程で、集電箔、正極合材層および負極合材層を有する電極前駆体が得られる。
上記の電極前駆体を乾燥し、正極合材層および負極合材層から水を除去して、乾燥した電極前駆体を得る。当該乾燥した電極前駆体を、以下のプレス工程に供する。
(プレス工程)
プレス装置としてロールプレス機を準備し、図2に示すように、電極前駆体準備工程で得られた電極前駆体95を、ロールプレス機8の二つのロール81、82の間に挟み込んでプレスする。当該電極前駆体95の正極合材層96および負極合材層97が圧縮されて、正極活物質層11、負極活物質層12および集電箔10を有するシート状電極1sが得られる。
ここで、負極活物質である水素吸蔵合金は砕片状をなし、正極活物質である水酸化ニッケルは球状をなすため、負極合材層97は正極合材層96よりも圧縮され易い。このためプレス工程では、負極活物質層12が正極活物質層11に比べて圧縮率高く圧縮され、その結果、図3に示すように、プレス工程により得られたシート状電極1sには、負極活物質層12側が凸形状となる反りが生じる。
(巻き取り工程)
巻き取り工程では、図4に示すように、プレス工程後のシート状電極1sをロール芯98に巻き取る。このとき、シート状電極1sの負極活物質層12をロール芯98に向けることで、シート状電極1sは反りと逆方向に巻き取られ、シート状電極1sの反りが矯正される。したがって、一旦ロール芯98に巻き取ったシート状電極1sは、ロール芯98から巻き出しても、反りの矯正された平らかな形状である。
(裁断工程)
巻き取り工程後のシート状電極1sを適宜裁断することで、カード状電極1cが得られる。巻き取り工程によってシート状電極1sの反りが矯正されるため、カード状電極1cの反りもまた抑制される。
1c:電極(カード状電極) 1s:電極(シート状電極)
8:ロールプレス機 10:集電箔
11:正極活物質層(第1の電極活物質層)
12:負極活物質層(第2の電極活物質層)
81:ロールプレス機のロール 82:ロールプレス機のロール
90:積層体 91:電池ケース
95:電極前駆体 96:正極合材層(第1の電極合材層)
97:負極合材層(第2の電極合材層) 98:ロール芯

Claims (4)

  1. 集電箔、
    前記集電箔の一表面に形成されている第1の電極合材層、および、
    前記集電箔の他表面に形成されている第2の電極合材層をプレスして、
    前記集電箔、
    前記第1の電極合材層が圧縮された第1の電極活物質層、および、
    前記第2の電極合材層が前記第1の電極活物質層よりも高い圧縮率で圧縮された第2の電極活物質層を有する電極を製造するプレス工程と、
    前記プレス工程後に、前記第2の電極活物質層をロール芯に向けて前記電極を巻き取る巻き取り工程と、を有し、
    前記第1の電極活物質層と前記第2の電極活物質層との一方は正極活物質を含む正極活物質層であり、他方は負極活物質を含む負極活物質層であり、
    前記プレス工程において前記第1の電極活物質層と前記第2の電極活物質層とに同じ外力を作用させる、電極の製造方法。
  2. 前記第1の電極活物質層は正極活物質として水酸化ニッケルを含み、前記第2の電極活物質層は負極活物質として水素吸蔵合金を含む、請求項1に記載の電極の製造方法。
  3. 前記巻き取り工程後に、巻き出した前記電極を裁断する裁断工程を有する、請求項1または請求項2に記載の電極の製造方法。
  4. 請求項3に記載の電極の製造方法で製造した前記裁断工程後の電極を、積層状態で電池ケースに収容する積層工程を有する、積層型電池の製造方法。
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