印刷層を有する積層シートは、例えば、建造物、車両などの内外装の装飾フィルムとして用いられている。積層シートの技術分野では、近年、印刷パターンの多様化、短納期化、小ロット化が求められている。発明者は、かかる要求にこたえるべく、デジタルプリンタを用いて積層シートの印刷層を形成する方法を鋭意検討した。その結果、以下の知見を得た。
装飾フィルムには、政府当局、団体等により、燃焼度基準が設定されている場合がある。従来、印刷パターンの数がそれほど多くない状況下では、パターン毎にサンプルを作成して、所定の燃焼試験等を行い、試行錯誤により燃焼度基準を満たす印刷パターンを設計する等していた。しかしながら、デジタルプリンタを用いて、多様な印刷パターンを、短納期かつ小ロットで生産しようとすると、より効率の良い方法で、燃焼度基準を満たす印刷パターンを設計することが望ましい。インクジェットプリンタを用いてテクスチャ層を形成すると、テクスチャ層の厚みを制御することで、表面に多様な凹凸形状を有する積層シートを簡便に形成することができる。その場合には特に、テクスチャ層の厚みが大きくなり、燃焼度基準を満たす印刷パターンの設計を支援する必要性が高まる。
発明者は、更なる検討を行った結果、従来にない画期的な驚くべき方法を開発した。すなわち、プリンタが印刷する画像データに含まれる濃度データと、積層シートに適用される塗料(インクおよびテクスチャ)の量(堆積量、適用量等)との間には、相関がある。該相関に基づいて、画像データから、完成した積層シートに含まれる塗料の量を演算により求めることができる。塗料の量と燃焼度との間にも、相関がある。よって、演算により得られた塗料の量に基づいて、完成した積層シートが一定の燃焼度基準を満たしているか否か、すなわち、当該画像データを用いて実際に積層シートを作成し、燃焼試験を行った場合に、当該積層シートは燃焼度基準を満たす、との結果が得られる蓋然性が高いか否か、を判定できる。
かかる方法によれば、現物のサンプルを作成することなく、また実際に燃焼試験を行うことなく、簡易に、燃焼度基準の充足性を判定できる。必要とされるサンプルの作成および燃焼試験等の回数を低減でき、より効率的に、燃焼度基準を満たす製品を製造することが可能となる。
かかる方法は、インクジェットプリンタを用いた積層シートの製造と整合性も高い。例えば、多様な凹凸形状を有するテクスチャ層をインクジェットプリンタで形成する場合でも、テクスチャ層を含めた印刷層の厚みを調整することで、燃焼度基準を満たしつつ、所望の凹凸パターンを有する印刷層の設計および製造を、より効率的に行うことが可能となる。
なお、以上は、あくまで本開示に至った経緯を説明するものであり、特許請求の範囲を限定するものではない。
「画像データ」とは、印刷層を形成するための、色情報とテクスチャ情報の少なくともいずれか一方を含むデータをいう。色情報は、平面視における積層シートの色彩(色相、彩度、及び明度)分布を特定するための情報でありうる。テクスチャ情報は、平面視における積層シートの厚み分布を特定するための情報でありうる。色情報とテクスチャ情報とは、濃度データとして含まれうる。画像サイズ、解像度、作成者、ライセンス条件などの情報も含まれうる。画像データは複数のデータファイルで構成されてもよいし、単一のデータファイルで構成されてもよい。例えば、色情報を保持するデータファイル(BMPファイル、JPEGファイル等)と、テクスチャ情報を保持するデータファイル(BMPファイル、GIFファイル等)とで構成されてもよい。色情報は、例えば、RGB情報であってもよいし、CMY情報であってもよいし、CMYK情報であってもよい。
「濃度データ」は、色情報については、色相、彩度、明度に関連する情報を含むことができ、テクスチャ情報については、テクスチャ層の厚みに関連する情報を含むことができる。濃度データは、画像に含まれる単位領域(例:ピクセル)毎に特定されうる。色情報とテクスチャ情報とで解像度が異なっていてもよい。同一性のある特定領域および印刷領域について演算および判定を行うべく、領域の境界線と重複するピクセルについては、境界線によって切り分けられるピクセルの面積に応じて、適用量および燃焼度等が補正されてもよい。
「特定領域の濃度データ」とは、特定領域に含まれるすべての濃度データをいう。特定領域の濃度データは、特定領域に含まれるすべての単位領域(例:ピクセル)の濃度データを含んでもよい。特定領域とは、単一ピクセルからなる領域であってもよいし、矩形領域を構成するM×N個のピクセルからなる領域であってもよい。画像データが圧縮されている場合には、圧縮単位の濃度データであってもよい。複数ピクセルからなる領域を特定領域とする場合、例えば、当該複数ピクセルの濃度データを合計した値を当該特定領域の濃度データとし、該濃度データと当該特定領域に対応する印刷層の燃焼度(例:塗料の適用量)とを関連付けることで、画像-燃焼度変換テーブルを構成することができる。
「印刷層」とは、プリンタにより形成される層をいう。印刷層は、インク層とテクスチャ層の少なくともいずれか一方を含みうる。印刷層は、インク層とテクスチャ層の両方を含んでもよい。インク層は、濃淡を含む色彩上の効果をもたらす層である。テクスチャ層は、凹凸などの表面形状を形成する層である。ただし、両者は必ずしも排他的ではなく、インク層が表面の凹凸に寄与する場合もあるし、テクスチャ層が濃淡を含む色彩上の効果に寄与する場合もある。インク層は、画像データ中の色情報にかかる濃度データに基づいて形成されうる。テクスチャ層は、画像データ中のテクスチャ情報にかかる濃度データに基づいて形成されうる。テクスチャ層は、透明であってもよいし、透光性であってもよいし、色彩を有してもよい。印刷層は、種類の異なる複数の塗料からなっていてもよい。
「特定領域に対応する印刷層」とは、印刷層のうち、平面視において、画像データに含まれる特定領域と視覚的に対応ないし一致する部分をいう。
「燃焼度」とは、燃えやすさの程度を示す変数をいう。燃焼度は、種類の異なる塗料が燃えやすさに与える影響を共通に評価できる変数でありうる。燃焼度は、印刷層とベース層(積層シートのうち、印刷層以外の部分全体)ないし追加層(ベース層を構成するそれぞれの層:基材シート、接着剤層等)とが燃えやすさに与える影響を共通に評価できる変数であってもよい。具体的には例えば、燃焼度は、印刷層を構成する塗料の単位面積当たりの合計適用量であってもよいし、積層シートの単位面積当たりの合計重量であってもよいし、印刷層ないし積層シートの厚みであってもよいし、積層シートに含まれる単位面積当たりの塗料ないし可燃性成分(樹脂)の合計重量、合計高さ、放熱率または総放熱量であってもよい。それぞれの塗料およびシート材料の重量に、燃えやすさを評価するための係数(ファクター)を乗じて、合計された値であってもよい。
燃焼度は、単一の変数であってもよいし、複数の変数であってもよい。燃焼度が複数の変数の組み合わせである場合において、各変数は、使用される全種類のインク(C、M、Y、K等)の量を反映したものであってもよいし、使用される全種類の塗料(C、M、Y、K、テクスチャ等)の量を反映したものであってもよい。インク層が積層シートの燃焼度に与える影響が無視できる場合等において、テクスチャ層の燃焼度のみが演算されてもよい。
「変換テーブル」とは、2つ以上の変数を互いに関連付けるための規則をいう。テーブルは、例えば、メモリ上のデータテーブルであってもよいし、2つ以上の変数の関係を特定する関数であってもよい。
「画像-燃焼度変換テーブル」とは、画像データに含まれる特定領域の濃度データと当該画像データに基づき印刷が行われた場合の当該特定領域に対応する印刷層の燃焼度とを関連付ける変換テーブルをいう。濃度データと燃焼度との関連付けは、実験により経験的に求められてもよいし、プリンタの設計データから演繹的に求められてもよい。該関連付けは、プリンタメーカーから提供されてもよい。
「積層シート」とは、一層以上の層を含むシートをいい、少なくとも、印刷層と基材シートとを含み、さらに、接着剤層やその他の層を含んでもよい。一般に、装飾用シートも積層シートである。積層シートは、建造物、車両などの内外装の加飾に用いられうる。積層シートは、シートが適用された場合に、適用面上に残留する層の部分でありうる。すなわち、シートが剥離シートから剥離されて適用する場合には、積層シートは剥離シートを含まない物品と考えることができる。あるいは、積層シートの燃焼度基準が、シートが適用される部材(例えば、プラスタボード)を含めた基準になっている場合に、積層シートは該部材を含めた物品と考えることもできる。
「積層シートの印刷条件」は、画像データに基づいてプリンタにより形成される印刷層あるいは該印刷層を含む積層シートの燃焼度を特定するために必要な情報のうち、濃度データ以外のものとすることができる。印刷に関する情報(解像度、印刷領域の大きさ、重ね印刷回数等)、プリンタに関する情報(メーカー、種類、形式、型番等)、塗料に関する情報(メーカー、型番、組成、成分、可燃性成分量、単位当たりの燃焼度等)、基材シートに関する情報(メーカー、型番、組成、成分、可燃性成分量、単位当たりの燃焼度等)、基材シートに適用されている、あるいは基材シートに適用される、接着剤層に関する情報(メーカー、型番、組成、成分、可燃性成分量、単位当たりの燃焼度等)等が含まれうる。印刷条件は、印刷画像データに含まれていてもよいし、印刷画像データとは別に提供されてもよい。印刷条件の一部が印刷画像データに含まれ、かつ、残部が印刷画像データとは別に提供されてもよい。印刷条件に含まれる変数と画像-燃焼度変換テーブルに含まれる変数とは少なくとも一部重複しうる。
「印刷画像データ」とは、積層シートの印刷層を形成するための画像データをいう。印刷画像データは、典型的には200mm×200mm以上、例えば1200mm×1000mm程度の矩形であり、サンプリングエリアよりも大きいが、これに限定されるものではない。印刷画像データは、繰り返し印刷した場合における継ぎ目が目立たないような処理がされていてもよい。印刷画像データの解像度は、典型的には720dpi程度とすることができる。
「印刷層の燃焼度を演算する」とは、印刷層単体の燃焼度が演算される場合のみならず、印刷層およびベース層(積層シートのうち、印刷層以外の部分全体)の合計燃焼度あるいは印刷層および追加層の合計燃焼度が演算される場合を含む。かかる場合でも、演算される燃焼度には印刷層単体の燃焼度が含まれている。印刷層の燃焼度には、少なくとも印刷層単体の燃焼度が含まれる。
「燃焼度基準」とは、積層シートについて定められる、燃えやすさの程度に関する基準をいう。具体的には例えば、放熱率、総放熱、燃焼速度、燃焼時間、燃焼温度からなる群より選択された1または2以上の変数の基準値(上限値、下限値、平均値、標準偏差等)の組み合わせを用いて設定されうる。燃焼度基準を規定する変数(例:物理量)と、本開示において演算される燃焼度としての変数(例:物理量)とは、同一であってもよいが、必ずしも同一でなくてもよい。すなわち、演算される燃焼度は、該燃焼度の基準値と対比されることで、間接的に、燃焼度基準を満たすか否かの判定が行われてもよい。
燃焼度基準は、単一の要素(例えば、総放熱量)にかかる基準であってもよいし、複数の要素(例えば、総放熱量および放熱率)にかかる基準であってもよい。燃焼度として演算される変数の個数と、燃焼度基準を規定する要素の個数とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
「塗料」とは、印刷層を形成する材料をいう。塗料は、具体的には例えば、インクおよびテクスチャ材料を含みうる。塗料は、インクジェットプリンタの噴射液でありうる。塗料は、UV硬化性の樹脂を含有する塗料であってもよい。
「適用量」とは、プリンタが印刷層を形成する際に適用される塗料の量をいう。適用量は、噴射量ないし堆積量でありうるが、必ずしも特定の物理量である必要はない。適用量は、具体的には例えば、基材シート上に形成される印刷層に含まれる塗料の量であってもよい。適用量は、印刷層の燃焼度と一意の関係にあってもよく、印刷層の燃焼度と比例関係にあってもよい。適用量は、適用された塗料の合計重量であってもよいし、適用された塗料の合計体積であってもよいし、適用された塗料の総放熱量であってもよいし、適用された塗料の合計高さ(厚さ)であってもよい。塗料に含まれる可燃性成分(樹脂)の合計重量であってもよいし、塗料に含まれる可燃性成分の合計体積であってもよいし、塗料に含まれる可燃性成分の総放熱量であってもよい。
「サンプリングエリア」は、印刷画像データのサンプリングエリアおよびこれに対応する領域に含まれる印刷層ないし積層シートでありうる。積層シートにおけるサンプリングエリアの形状および大きさは、積層シートの燃焼度基準において燃焼試験が行われる場合の、試料の形状および大きさと一致してもよい。サンプリングエリアは印刷画像データと同じかそれよりも小さい。サンプリングエリアは、ピクセル単位で定義されてもよいし、実際の長さ(メートル、センチメートル、ミリメートル等)単位で定義されてもよい。
「基材シート情報」とは、基材シートの燃焼度を特定するための情報をいう。基材シート情報は、基材シートの燃焼度であってもよいし、個々の種類の基材シート(燃焼度に影響する仕様が同一である一群の基材シート)と一義的に対応付けられたID番号等であってもよい。ID番号と基材シートの燃焼度とを対応付けるテーブルを用いて、基材シートの燃焼度を演算、判定等に組み込むことができる。基材シート情報は、ベース層情報であってもよいし、追加層情報であってもよい。
以下、本開示の具体的な実施形態について、添付の図面を参照しつつ、例示する。なお、下記の実施形態に関する記載は、本開示を限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかる積層シート製造システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
積層シート製造システム100は、演算処理部10と、記憶部20とを備えたコンピュータ50と、プリンタ30とを備えている。
演算処理部10はプロセッサに相当する。演算処理部10としては、CPU、MPU等が例示される。演算処理部10は、集中制御を行う単独の処理部として構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御を行う複数の処理部として構成されていてもよい。
記憶部20は、演算処理部10を通信可能に接続されており、演算処理部10が読み出して実行する制御プログラム、積層シートの印刷条件、画像-燃焼度変換テーブル、印刷画像データ、燃焼度の基準値、演算された燃焼度、判定結果等を格納しうる。記憶部20としては、メインメモリ、キャッシュメモリ、RAM、ROM、ハードディスク、内部記憶装置、外部記憶装置等の記憶装置が例示される。記憶部20は、記憶する種々のデータについて共通に設けられていてもよいし、各データについて別個に記憶装置が設けられていてもよい。
プリンタ30は、演算処理部10を通信可能に接続されており、演算処理部10の制御により、印刷条件および印刷画像データに従って印刷層を形成する。プリンタ30は、特に限定されないが、例えば、インクジェットプリンタ、より具体的にはUV硬化型インクを用いて印刷することが可能なインクジェットプリンタとすることができる。該インクジェットプリンタは、UV硬化用光源を備えうる。インクジェットプリンタは、印刷画像データを基材シート上に印刷して積層シートを製造する一般的な手法として用いることができ、本システムのプリンタとしての整合性が良い。
代表的なデジタル印刷のひとつとしてインクジェット印刷があげられる。インクジェット印刷では、オンデマンド印刷や、少量多品種の印刷が可能である。また、紫外線硬化型インクを用いる場合は、比較的厚みのある印刷層を得ることや三次元的形状の様々な印刷パターンを形成することも可能である。本開示の積層シートの製造方法は、少量多品種印刷の際や燃焼性に影響を与える厚みのある印刷パターンを形成する際にも、個々の印刷ごとに、燃焼度基準を満たす積層シートを提供することができ、インクジェット印刷を行う場合に極めて有益である。
図2は、第1実施形態にかかる積層シート製造方法の概略の一例を示すフローチャートである。該方法は、積層シート製造システム100の動作方法であり、コンピュータ50が、記憶部20に記憶されたプログラムを演算処理部10により実行させることにより実現される。
積層シート製造システム100の動作が開始されると(スタート)、積層シートの印刷条件に適合する画像-燃焼度変換テーブルが特定される(ステップS101)。印刷条件は、インターネット、イントラネット、無線LAN、有線LAN等のネットワーク(以下、「ネットワーク」)、CDおよびDVD等の光ディスク、USBメモリ等の外部記録メディア(以下、「記録メディア」)を含むシステム外部から、通信装置、メディア読出装置等により取得されてもよいし、記憶部20に予め記録されていてもよいし、一部が記憶部20に予め記録されており、残部がシステム外部から取得されてもよい。
特定は、例えば、テーブルが一つしかない場合には、該テーブルが格納された場所を特定すること、該テーブルが印刷条件に適合しているか否かを確認すること等であってもよく、テーブルが複数ある場合には、印刷条件に適合しているテーブルを選択することであってもよい。特定することは、選択すること、準備すること、用意すること、作成することを含みうる。
積層シートの印刷条件が予め固定されており、画像-燃焼度変換テーブルが一つしかない場合には、記憶部20に記録されている画像-燃焼度変換テーブルが特定されてもよい。積層シートの印刷条件が外部から与えられる場合において、該印刷条件に適合する画像-燃焼度変換テーブルが、複数のテーブルの中から1つが選択されてもよい。画像-燃焼度変換テーブルは、ネットワーク、記録メディアを含むシステム外部から、通信装置、メディア読出装置等により取得されてもよいし、あらかじめ記憶部20に記録されていてもよい。
次に、積層シートの印刷層を形成するための画像データである印刷画像データが取得される(ステップS102)。印刷画像データは、ネットワーク、記録メディアを含むシステム外部から、通信装置、メディア読出装置等により取得されてもよいし、予め記憶部20に記録されていてもよい。印刷条件の一部または全部が印刷画像データに含まれる場合等において、印刷画像データの取得が、画像-燃焼度変換テーブルの特定に先立って行われてもよい。
次に、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度が演算される(ステップS103)。印刷層の燃焼度には、少なくとも印刷層単体の燃焼度が含まれる。「印刷層の燃焼度を演算する」とは、印刷層単体の燃焼度が演算される場合のみならず、印刷層およびベース層の合計燃焼度あるいは印刷層および追加層の合計燃焼度が演算される場合を含む。かかる場合でも、演算される燃焼度には印刷層単体の燃焼度が含まれている。
燃焼度の演算は、さらに、積層シートの印刷条件に基づいてもよい。例えば、印刷条件として重ね印刷の回数が含まれている場合には、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて得られた燃焼度に、該重ね印刷の回数が掛け合わされてもよい。あるいは、重ね印刷の回数は、画像-燃焼度変換テーブルに反映されていてもよい。この場合、重ね印刷の回数に応じて演算される燃焼度が増減するように、画像-燃焼度変換テーブルが作成されうる。
このように、印刷条件は、画像-燃焼度変換テーブルの特定に反映されてもよいし、燃焼度の演算時に反映されてもよいし、両者に反映されてもよい。
例えば、印刷条件にベース層の燃焼度を特定するためのベース層情報が含まれてもよい。ベース層情報はベース層の燃焼度であってもよいし、ベース層の燃焼度と一義的に対応付けられたID番号等であってもよい。ID番号とベース層の燃焼度とを対応付けるテーブルを用いて、基材シートの燃焼度を演算、判定等に組み込むことができる。ベース層の燃焼度は、画像-燃焼度変換テーブルに組み込まれていてもよい。この場合、印刷条件に応じて特定されたテーブルを用いて演算される燃焼度は、印刷層単体の燃焼度とベース層の燃焼度の合計値となり、これが印刷層の燃焼度とされてもよい。あるいはベース層の燃焼度が、テーブルを用いて演算された印刷層単体の燃焼度と合算され、これが印刷層の燃焼度とされてもよい。演算された印刷層の燃焼度は、印刷層の燃焼度の基準値(印刷層および追加層の合計燃焼度の基準値)と比較されうる。あるいはベース層の燃焼度が、積層シートの燃焼度の基準値から差し引かれて、印刷層単体の燃焼度の基準値が演算されてもよい。この場合、テーブルを用いて演算された印刷層単体の燃焼度が、印刷層単体の燃焼度の基準値と比較されうる。
印刷条件に追加層(基材シート、接着剤層等)の燃焼度を特定するための追加層情報が含まれてもよい。追加層情報は追加層の燃焼度であってもよいし、追加層の燃焼度と一義的に対応付けられたID番号等であってもよい。ID番号と追加層の燃焼度とを対応付けるテーブルを用いて、基材シートの燃焼度を演算、判定等に組み込むことができる。追加層の燃焼度は、画像-燃焼度変換テーブルに組み込まれていてもよい。この場合、印刷条件に応じて特定されたテーブルを用いて演算される燃焼度は、印刷層単体の燃焼度と追加層の燃焼度の合計値となり、これが印刷層の燃焼度とされてもよい。あるいは追加層の燃焼度が、テーブルを用いて演算された印刷層単体の燃焼度と合算され、これが印刷層の燃焼度とされてもよい。演算された印刷層の燃焼度は、印刷層の燃焼度の基準値(印刷層および追加層の合計燃焼度の基準値)と比較されうる。あるいは追加層の燃焼度が、積層シートの燃焼度の基準値から差し引かれて、印刷層単体の燃焼度の基準値が演算されてもよい。この場合、テーブルを用いて演算された印刷層の燃焼度が、印刷層単体の燃焼度の基準値と比較されうる。
燃焼度は、単一の変数であってもよいし、複数の変数であってもよい。燃焼度基準は、単一の要素(例えば、総放熱量)にかかる基準であってもよいし、複数の要素(例えば、総放熱量および放熱率)にかかる基準であってもよい。燃焼度にかかる変数の個数と、燃焼度基準にかかる要素の個数とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
次に、演算された燃焼度に基づいて、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かが判定される(ステップS104)。
演算と判定の順序は特に限定されない。例えば、印刷画像データの全体(例:全ピクセル)について、例えばピクセル毎に燃焼度の演算が行われ、その後に判定が行われてもよい。あるいは、印刷画像データのうち特定のサンプリングエリアについて燃焼度の演算および基準値との比較が行われ、その後に次のサンプリングエリアについて燃焼度の演算および基準値との比較が行われるというように、「燃焼度の演算」および「基準値との比較」が交互に行われてもよい。サンプリングエリアを用いた判定は必須ではない。印刷画像データの全部について演算された燃焼度を基準値と比較することで判定が行われてもよい。印刷画像データの全体にわたって燃焼度の演算が行われる必要は必ずしもなく、適切な判定が行われうる限り、印刷画像データの一部についてのみ燃焼度の演算が行われてもよい。
燃焼度基準を満たすか否かの判定は、演算された燃焼度と、燃焼度基準に応じて定められた基準値とを、直接的および/または間接的に比較することで実行されうる。積層シートの燃焼度が演算され、かつ、燃焼度を示す物理量ないし単位と燃焼度基準における基準値を示す物理量ないし単位とが同一である場合には、燃焼度と基準値とが直接比較されてもよい。例えば、演算される燃焼度が積層シートの厚みであり、積層シートの燃焼度基準の基準値も厚みである場合には、直接比較が行われうる。
燃焼度を表す物理量ないし単位と燃焼度基準における基準値を表す物理量ないし単位とが同一でない場合には、演算された燃焼度および燃焼度基準の基準値の少なくともいずれか一方が、両者が比較できるように変換されてもよい。例えば、演算される燃焼度が塗料の重量であり、燃焼度基準の基準値が総放熱量である場合に、(1)塗料の成分、基材シートの材料等を考慮して塗料の重量が総放熱量に換算され(ベース層、追加層等の放熱量は、塗料の放熱量に加算されうる)、換算された総放熱量が燃焼度基準の基準値と比較されてもよいし、(2)塗料の成分、基材シートの材料等を考慮して積層シートの燃焼度基準における基準値(総放熱量)が、許容可能な塗料の重量の基準値に換算され(ベース層、追加層等の放熱量は、積層シートの総放熱量から差し引かれうる)、演算された燃焼度と塗料の重量の基準値とが比較されてもよい。なお、燃焼度および基準値は必ずしも具体的な物理量である必要はなく、単位が特定される必要もない。演算された燃焼度に基づいて、積層シートの燃焼度基準が満たされるか否かの判定ができるものであれば、さまざまな演算ないし判定の手法を採用できる。
積層シートの燃焼度基準が満たされるような、印刷層の燃焼度の上限値が、実験等によりあらかじめ求められていてもよい。例えば、基材シート(および接着剤層)の燃焼度が無視できない場合には、上限値は基材シートの種類毎に異なっていてもよい。かかる上限値は、燃焼度基準における基準値を変換したものと考えることができる。あるいは逆に、テーブルを用いた演算結果を燃焼度基準の単位系に換算するための関数が、実験等によりあらかじめ求められていてもよい。この場合には、テーブルを用いて演算された結果が該関数を用いてさらに変換され、燃焼度基準における基準値と比較されうる。
判定結果は、ネットワーク、記録メディアを含むシステム外部へと、通信装置、メディア書込装置等により出力されてもよいし、プリンタ、ディスプレイ等の表示装置により表示されてもよいし、記憶部20に記録されてもよい。
なお、ステップS104でいう判定とは、燃焼試験を現実に行うことなく、演算された燃焼度に基づいて行われる、計算機上での判定、簡易判定、シミュレーションによる判定をいう。ステップS104で、積層シートが燃焼度基準を満たすと判定された場合には、当該印刷条件と当該印刷画像データとに従って積層シートが製造された場合に、製造された積層シートについて燃焼試験を行えば、燃焼度基準を満たすとの結果が得られる蓋然性が高い。蓋然性が高いとは、例えば確率として、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、99%以上、99.9%以上であることとしうる。
次に、燃焼度基準を満たすと判定された場合には、演算処理部10の指令に基づいてプリンタ30が、印刷条件および印刷画像データに従って印刷層を形成し(ステップS105)、積層シート製造システム100の動作が終了する(エンド)。
「燃焼度基準を満たすと判定された場合に」とは、「燃焼度基準を満たすと判定された場合にのみ」であってもよい。燃焼度基準を満たすと判定されなかった場合には、基準非充足処理が行われてもよい。基準非充足処理として、例えば、以下、A)ないしE)のいずれかが実行されてもよい。
A)プロセッサが、印刷画像データに判定結果を付加した判定結果付き印刷画像データを生成して出力する。
B)プロセッサが、印刷画像データにおける燃焼度の高低を示す燃焼度画像データを生成して出力する。
C)プロセッサが、印刷画像データにおいてサンプリングエリア単位の燃焼度基準を満たさないサンプリングエリアをマーキングした高燃焼度部位画像データを生成して出力する。
D)積層シートが燃焼度基準を満たすと判定された場合に、プロセッサの指令に基づいてプリンタが、印刷条件および印刷画像データに従い、印刷画像データにおいて燃焼度が最も高いサンプリングエリアにつき印刷層を形成する。
E)警告信号を出力する。
判定結果付き印刷画像データ、燃焼度画像データ、および高燃焼度部位画像データは、基準非充足処理用画像データの例である。すなわち、基準非充足処理として、プロセッサが、基準非充足処理用画像データを生成して出力することができる。
なお、ステップS104およびステップS105は必須ではない。ステップS105が省略されて、判定方法、判定装置、判定プログラム等として実行されてもよい。ステップS105およびステップS104が省略されて、演算方法、演算装置、演算プログラム等として実行されてもよい。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態にかかる積層シート製造システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
積層シート製造システム200は、CPU110と、記憶装置120と、入出力装置140とを備えたコンピュータ150と、プリンタ130と、ディスプレイ160とを備えている。
CPU110は、演算処理部10と同様の構成とすることができる。記憶装置120は、記憶部20と同様の構成とすることができる。プリンタ130はプリンタ30と同様の構成とすることができる。ディスプレイ160は、CPU110と通信可能に接続されている。ディスプレイ160として、CRT、液晶ディスプレイ、OLEDディスプレイ等を用いることができる。
図4は、第2実施形態における積層シートの断面の概略構成を示す断面図である。図4に示すように、積層シート1は、基材シート2の第1主面上にインク層3(意匠層)が配置され、インク層3の上にテクスチャ層4(表面層)が配置され、基材シート2の第2主面上に接着剤層5が配置されている。
基材シート2としては、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル-酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、及びフッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂層を用いることができる。
基材シート2は、有色であってもよく無色であってもよい。基材シート2は、不透明、半透明又は透明であってよい。基材シート2は、略平滑な表面を有してもよく、エンボスなどの表面加工により形成することのできる構造化表面を有してもよい。基材シート2の外観又は形状を上記のとおりとすることで、多様な装飾性を基材シート2に付与することができる。
一実施態様では、基材シート2は透明ポリ塩化ビニル樹脂層と、有色ポリ塩化ビニル樹脂層とを含む。この実施態様の基材シートでは、透明ポリ塩化ビニル樹脂層により有色ポリ塩化ビニル樹脂層が支持又は保護されて、伸長可能フィルムの装飾性に耐久性を付与することができる。この実施態様の伸長可能フィルムは、例えば建造物又は車両の内装材又は外装材に貼り付ける用途に好適に使用することができる。
基材シート2の厚みは、例えば約25μm以上、約50μm以上、又は約80μm以上、約5mm以下、約1mm以下、又は約0.5mm以下とすることができる。
いくつかの実施態様において、基材シート2の引張伸長率は、約10%以上、約20%以上、又は約30%以上、約400%以下、約350%以下、又は約300%以下である。基材シート2の引張伸長率は、幅25mm、長さ150mmのサンプルを用意し、引張試験機を用いて、温度20℃、引張速度300mm/分、チャック間隔100mmでサンプルを破断するまで伸長したときの、[破断時のチャック間隔(mm)-伸長前のチャック間隔(mm)(=100mm)]/伸長前のチャック間隔(mm)(=100mm)×100(%)で計算される値である。
インク層3として、塗装色、金属色などを呈するカラー層、木目、石目などの模様や、ロゴ、絵柄などを構造体に付与するパターン層などが挙げられる。インク層3は、UV硬化インクで構成されてもよい。例えば、酸化チタン、カーボンブラック、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、赤色酸化鉄などの無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料、アゾレーキ系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドンレッドなどのキナクリドン系顔料などの有機顔料、アルミニウムフレーク、蒸着アルミニウムフレーク、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク、着色アルミニウムフレークなどのアルミ光輝材、フレーク状の、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物で被覆されたマイカおよび合成マイカなどのパール光輝材などの顔料がバインダー樹脂に分散されたものを使用することができる。インク層3の厚さは様々であってよく、一般に、約5μm以上、約10μm以上、または約20μm以上、約300μm以下、約200μm以下、または約100μm以下とすることができる。
テクスチャ層4はUV硬化樹脂で構成されてもよい。テクスチャ層4として、様々な樹脂、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を含むアクリル樹脂、ポリウレタン、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、メチルメタクリレート/フッ化ビニリデン共重合体(PMMA/PVDF)などのフッ素樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)およびそのアイオノマー、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの共重合体が使用できる。耐候性の観点から、アクリル樹脂、ポリウレタン、フッ素樹脂およびポリ塩化ビニルが用いられてもよい。耐擦傷性および廃棄物として焼却したり埋め立てたりする際の環境負荷の小ささの観点から、アクリル樹脂およびポリウレタンが用いられてもよい。
テクスチャ層4は、インク層3などの上に樹脂組成物を印刷によりコーティングして形成することができる。テクスチャ層4の厚さは様々であってよいが、一般に、約1μm以上、約5μm以上、または約10μm以上、約100μm以上、約400μm以下、100μm以下、約80μm以下、または約50μm以下である。テクスチャ層の厚みは、5μm以上400μm以下、10μm以上200μm以下、20μm以上100μm以下等とすることができる。複雑な形状の基材に対して印刷層を適用する場合、テクスチャ層4は薄い方が形状追従性の観点から有利であり、例えば、約80μm以下、または約50μm以下であってもよい。一方、構造体に高い耐光性および/または耐候性を付与する場合、テクスチャ層4は厚い方が有利であり、例えば約5μm以上、または約10μm以上であってもよい。
テクスチャ層4が凹凸パターンを有していてもよい。凹凸のスケールとしては、凹凸の頂の上と谷の底との高低差が1μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、50μm以上、100μm以上、200μm以上、であってもよいし、500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、100μm以下、50μm以下、20μm以下、10μm以下であってもよい。凹凸の頂の上と谷の底との高低差は、5μm以上400μm以下、10μm以上200μm以下、20μm以上100μm以下等とすることができる。
テクスチャ層4は、必要に応じて、ベンゾトリアゾール、Tinuvin1130(BASF社製)などの紫外線吸収剤、Tinuvin292(BASF社製)などのヒンダードアミン光安定化剤(HALS)などを含んでもよい。紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定化剤などを用いることによって、装飾積層シートが意匠層などに含まれる着色材の、特に紫外線などの光に対する感受性が比較的高い有機顔料の、変色、退色、劣化などを有効に防止することができる。テクスチャ層4はハードコート材、光沢付与剤などを含んでもよく、追加のハードコート層を有してもよい。テクスチャ層4は、目的とする外観を提供するために、透明であってもよく、半透明または不透明であってもよい。
接着剤層5として、一般に使用されるアクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ゴム系などの、溶剤型、エマルジョン型、感圧型、感熱型、熱硬化型又は紫外線硬化型の接着剤を使用することができる。接着剤層の厚さは、一般に、約5μm以上、約10μm以上、又は約20μm以上、約100μm以下、約80μm以下、又は約50μm以下とすることができる。接着剤層5として、不燃材、難燃材等も使用されうる。接着剤層5の構成は、印刷条件を通じて、印刷層の燃焼度の演算ないし燃焼度基準を満たすか否かの判定に反映されうる。
接着剤層5の表面にライナーが付与されていてもよい。ライナーとして、例えば、紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、酢酸セルロースなどのプラスチック材料;このようなプラスチック材料で被覆された紙などを挙げることができる。これらのライナーは、シリコーンなどにより剥離処理した表面を有してもよい。ライナーの厚さは、一般に、約5μm以上、約15μm以上又は約25μm以上、約500μm以下、約300μm以下又は約250μm以下である。
本開示の積層シートの用途は特に限定されない。例えば、本開示の積層シートは、ビル、マンション、住宅等の建造物の壁、階段、天井、柱、仕切り等の内装材、又は外壁等の外装材として使用できる。また、鉄道車両、船舶、飛行機、二輪、四輪を含む自動車等の各種交通車両の内装又は外装として使用できる。さらに、道路標識、看板、家具、電化製品等あらゆる物品の表装材として使用することも可能である。
図5は、第2実施形態にかかる積層シート製造方法の概略の一例を示すフローチャートである。該方法は、積層シート製造システム200の動作方法であり、コンピュータ150が、記憶部120に記憶されたプログラム122をCPU110により実行させることにより実現される。
積層シート製造システム200の動作が開始されると(スタート)、積層シート基本情報142が取得される(ステップS201)。積層シート基本情報142は、印刷条件のうち積層シートの印刷層以外にかかる部分の情報であり、基材シートの単位面積当たり燃焼度、接着剤層の単位面積当たり燃焼度等を含みうる。積層シート基本情報142は、ネットワーク、記録メディアを含むシステム外部から、通信装置、メディア読出装置等を介して入出力装置140へと入力され、積層シート基本情報132として記憶装置120に記憶されている。
次に、印刷基本情報が取得される(ステップS202)。印刷基本情報144は、印刷条件のうち印刷層にかかる部分の情報であり、プリンタの種類、解像度、インクおよびテクスチャ材料の種類、重ね印刷回数等を含みうる。印刷基本情報144は、ネットワーク、記録メディアを含むシステム外部から、通信装置、メディア読出装置等を介して入出力装置140へと入力され、印刷基本情報134として記憶装置120に記憶されている。
次に、画像-燃焼度変換テーブルが特定される(ステップS203)。画像-燃焼度変換テーブル146は、入出力装置140へと入力され、画像-燃焼度変換テーブル124として記憶装置120に記憶されている。印刷基本情報(プリンタの種類、解像度、インクおよびテクスチャ材料の種類、重ね印刷回数等)に基づいて、記憶装置120に記録されている複数のテーブルの中から特定の画像-燃焼度変換テーブルが選択される。
次に、印刷画像データが取得される(ステップS204)。印刷画像データ148は、ネットワーク、記録メディアを含むシステム外部から、通信装置、メディア読出装置等を介して入出力装置140へと入力され、印刷画像データ126として記憶装置120に記憶されている。印刷画像データの解像度とプリンタの解像度とは一致する。本実施形態では、印刷画像データ126は、ピクセル毎に、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、T(テクスチャ)の4個の濃度データを有する。
次に、画像-燃焼度変換テーブル124と印刷画像データ126とから、サンプリングエリアについて印刷層の合計燃焼度(以下、「サンプリングエリアの燃焼度」)が演算され、燃焼度データ128として、記憶装置120に記録される(ステップS205)。本実施形態における「燃焼度」は、サンプリングエリアに適用されるインクおよびテクスチャ材料の合計重量である。該燃焼度は、サンプリングエリアにおけるベース層ないし追加層の燃焼度を含んでもよい。
図6A、図6B、図6Cは、第2実施形態における、印刷画像データ、サンプリングエリア、ピクセルの関係を示す模式図である。図6A、図6Bに示すように、本実施形態において、サンプリングエリア62は、印刷画像データ60の一部を切り出した領域である。例えば、印刷画像データ60は、1000mm×1000mmの矩形領域であり、サンプリングエリア62は、100mm×100mmの矩形領域である。
図6Cの拡大部64に示すように、サンプリングエリア62は複数のピクセル66のマトリクスからなる。解像度が1mmあたり100ピクセルであるとすると、印刷画像データは100000ピクセル×100000ピクセルとなり、サンプリングエリアは10000ピクセル×10000ピクセルとなる。印刷画像データ60の左上隅のピクセルの座標を(0,0)とすると、右下隅のピクセルの座標は(99999,99999)となる。サンプリングエリア62の左上隅のピクセルの座標を(x1,y1)とし、右下隅のピクセルの座標を(x2,y2)とすると、x2=x1+9999、y2=y1+9999との関係が成り立つ。
本実施形態では、例えば、(x1,y1)=(0,0)から始め、(x1,y1)=(90000,0)まで0.1mm(10ピクセル)ずつずらして、それぞれのサンプリングエリアの燃焼度を演算し、さらに、(x1,y1)=(0,10)から始め、(x1,y1)=(90000,10)まで0.1mm(10ピクセル)ずつずらして、それぞれのサンプリングエリアの燃焼度を演算するといった具合に、x方向およびy方向に0.1mm(10ピクセル)ずつずらしながら、印刷画像データの全面ないし全体において網羅的に、(x1,y1)=(90000,90000)となるまで、各サンプリングエリアの燃焼度が演算され、記憶装置120に記録される。
印刷画像データの端部に近いサンプリングエリアにおける燃焼度の演算は、印刷画像データにより形成される印刷層ないし積層シートが繰り返しタイルのように並べられる(適用される)ことを想定して、印刷画像データの反対側部分を用いて実行されてもよい。この場合には、(x1,y1)=(99990,99990)となるまで、各サンプリングエリアの燃焼度が演算され、記憶装置120に記録されうる。
印刷画像データの反対側部分を用いた燃焼度の演算において、例えば、(x1,y1)=(99990,99990)のときのサンプリングエリアの燃焼度は、印刷画像データにおいて、(99990,99990)と(99999,99999)とを左上隅および右下隅とする部分の燃焼度と、(99990,0)と(99999,9990)とを左上隅および右下隅とする部分の燃焼度と、(0,99990)と(9990,99999)とを左上隅および右下隅とする部分の燃焼度と、(0,0)と(9990,9990)とを左上隅および右下隅とする部分の燃焼度との合計とすることができる。
図7は、第2実施形態における、図6Cの拡大画像に対応する各インクおよびテクスチャ材料の濃度マトリクスを示す模式図である。図に示すように、本実施形態では、シアン濃度マトリクスACに印刷画像データのうちのシアンの濃度データが格納されており、マゼンタ濃度マトリクスAMに印刷画像データのうちのマゼンタの濃度データが格納されており、イエロー濃度マトリクスAYに印刷画像データのうちのイエローの濃度データが格納されており、テクスチャ濃度マトリクスATに印刷画像データのうちのテクスチャの濃度データが格納されている。濃度データは、0から100までのパーセントで示されている。各マトリクスの小さなセルに記載されている数値のそれぞれが濃度データである。本実施形態において、座標(x,y)におけるシアンの濃度データを、AC(x,y)、マゼンタの濃度データをAM(x,y)、イエローの濃度データをAY(x,y)、テクスチャの濃度データをAT(x,y)、と表記する。
図8は、第2実施形態における、画像-燃焼度変換テーブルを示す模式図である。本実施形態において、画像-燃焼度変換テーブルは、各インクおよびテクスチャ材料ごとに設定されている。シアン塗料の適用量BCは、画像データにおけるシアンの濃度値ACの関数である。マゼンタ塗料の適用量BMは、画像データにおけるマゼンタの濃度値AMの関数である。イエロー塗料の適用量BYは、画像データにおけるイエローの濃度値AYの関数である。テクスチャ塗料の適用量BTは、画像データにおけるテクスチャの濃度値ATの関数である。bがaの関数であるとは、ここでは、aを定めればbが一意に定まることを意味する。濃度値と適用量とは必ずしも比例関係にある必要はなく、例えば、非線型の関係にあってもよい。典型的には、適用量Bは濃度値Aについて広義の単調増加関数である。すなわち、A2>A1であればB(A2)≧B(A1)である、という関係が成立する。
図9は、第2実施形態における、サンプリングエリアの燃焼度を求める式である。上述の通り、(x1,y1)=(0,0)から始めて、(x1,y1)=(90000,90000)となるまで、順次、各サンプリングエリアの燃焼度が演算され、記憶装置120に記録される。
上述の説明では、図9に示す通り、サンプリングエリア毎に燃焼度B(x1,y1)が演算されることとしたが、全ピクセルの燃焼度が先に演算および記録され、その後に、各サンプリングエリアについて、当該サンプリングエリアに属するピクセルの燃焼度が合計されて当該サンプリングエリアの合計燃焼度が演算されてもよい。
ステップS205において、各サンプリングエリアの合計燃焼度の演算が完了すると、合計燃焼度の最も高いサンプリングエリアが特定される。
次に、合計燃焼度の最も高いサンプリングエリアの合計燃焼度が、サンプリングエリア単位の燃焼度の基準値を超えているか否かが判断される(ステップS206)。合計燃焼度が基準値を超えていなければ、積層シートは燃焼度基準を満たす、すなわち、当該積層シートについて燃焼試験を行えば、燃焼度基準を満たすとの結果が得られる蓋然性が高い、と判定される。一方、合計燃焼度が基準値を超えていれば、積層シートは燃焼度基準を満たさない、すなわち、当該積層シートについて燃焼試験を行えば、燃焼度基準を満たすとの結果が得られる蓋然性は高くない、と判定される。
合計燃焼度の最も高いサンプリングエリアの合計燃焼度に代えて、サンプリングエリアの平均燃焼度が用いられてもよい。サンプリングエリアの平均燃焼度とは、燃焼度の演算が複数のサンプリングエリアについて行われる場合において、当該複数のサンプリングエリアにおける燃焼度の平均値をいう。
本実施形態において、燃焼度の基準値は、以下のように求められうる。積層シートの燃焼度基準は、総発熱量の基準値により定められており、同一種類の基材シート、接着剤層、塗料を用いた場合に、サンプリングエリアの面積あたりに適用される塗料の合計重量について、積層シートが燃焼度基準を満たさなくなる閾値を、実験により予め求めることができる。閾値となる合計重量を、燃焼度の基準値として採用することができる。安全のため、閾値よりも一定量だけ低い合計重量を、燃焼度の基準値として採用してもよい。
ステップS206において合計燃焼度が基準値を超えていないと判断された場合(NO)には、CPU110の指令に従い、プリンタ130により、基材シート2の第1主面上にインク層3およびテクスチャ層4が印刷されて(ステップS207)、積層シート製造システム200の動作が終了する(エンド)。
ステップS206において合計燃焼度が基準値を超えていると判断された場合(YES)には、基材シート2の第1主面上にインク層3およびテクスチャ層4は印刷されずに、積層シート製造システム200の動作は停止されて(ステップS208)、該動作は終了する(エンド)。
ステップS208における動作停止に伴い、以下のように、様々な処理が実行されうる。
例えば、CPU110が、印刷画像データ148に判定結果を付加した判定結果付き印刷画像データ152を生成して出力してもよい。判定結果付き印刷画像データ152は、記憶装置120に記憶されてもよいし、入出力装置140を介してシステム外部へと出力されてもよい。図10は、第2実施形態における、判定結果付き印刷画像データの一例を示す概念図である。図の例では、印刷画像データにマージンが付加されており、該マージンに、判定結果である「NOT PASSED」の文字列が埋め込まれている。基準値を超えていないとの判定結果であれば、例えば、「PASSED」の文字列が埋め込まれてもよい。マージンは必須ではなく、デジタル透かし等を用いて、印刷画像データの画像部分に判定結果が埋め込まれてもよいし、印刷画像データファイルのヘッダ部等に判定結果が書き込まれてもよい。
CPU110が、印刷画像データ148における燃焼度の高低を示す燃焼度画像データ154を生成して出力してもよい。燃焼度画像データ154は、記憶装置120に記憶されてもよいし、入出力装置140を介してシステム外部へと出力されてもよい。図11は、第2実施形態における、燃焼度画像データの一部を拡大した燃焼度マトリクスの一例を示す概念図である。図の例では、燃焼度が0から100までの数値で表されており、印刷画像データの各ピクセルに対応する燃焼度が各ピクセルの濃度値とされている。図12は、第2実施形態における、燃焼度画像データの一例を示す概念図である。燃焼度画像データは、それ自体、印刷画像データと同一のサイズと解像度とを有するグレースケール画像データでありうる。図の例では、丸の模様部分が最も燃焼度が高くなっており、その結果、より濃い色で示されている。燃焼度が厚みである場合において、基準値を超えるピクセルが特定の色(例えば、グレースケールと異なる、赤、青等の一定以上の彩度を有する色)で示されていてもよい。
CPU110が、印刷画像データ148においてサンプリングエリア単位の燃焼度基準を満たさないサンプリングエリアをマーキングした高燃焼度部位画像データ156を生成して出力する。高燃焼度部位画像データ156は、記憶装置120に記憶されてもよいし、入出力装置140を介してシステム外部へと出力されてもよい。図13は、第2実施形態における、高燃焼度部位画像データの一例を示す概念図である。燃焼度画像データは、それ自体、印刷画像データと同一のサイズと解像度とを有する白黒2値の画像データでありうる。図の例では、丸の模様部分が最も燃焼度が高くなっている結果、当該部分を含む一定の領域がサンプリングエリア単位の燃焼度基準を満たさなくなり、黒く塗りつぶされることでマーキングされている。
ステップS208における動作停止に伴い、CPU110が入出力装置140を介して警告信号を出力してもよい。
ステップS208の動作停止に伴う上記の処理は、互いに排他的ではなく、組み合わせて実行されてもよい。例えば、警告信号が、判定結果付き印刷画像データ152等と共に出力されてもよい。
ステップS206において合計燃焼度が基準値を超えていないと判断された場合に、CPU110の指令に基づいてプリンタ130が、印刷条件および印刷画像データ148に従い、印刷画像データ148において燃焼度が最も高いサンプリングエリアにつき印刷層を形成してもよい。印刷層が形成されたサンプリングエリアを試料として用いて燃焼度試験等を行うことで、燃焼度基準を満たすことが確認されてもよい。
図14は、第2実施形態の第1変形例における、サンプリングエリアの燃焼度を求める式である。第1変形例において、演算される燃焼度は、印刷層の最大厚みCである。上述の通り、(x1,y1)=(0,0)から始めて、(x1,y1)=(90000,90000)となるまで、順次、各サンプリングエリアの燃焼度が演算され、記憶装置120に記録される。第1変形例において、画像-燃焼度変換テーブルは、各インクおよびテクスチャ材料ごとに設定されている。シアン塗料の厚みCCは、画像データにおけるシアンの濃度値ACの関数である。マゼンタ塗料の厚みCMは、画像データにおけるマゼンタの濃度値AMの関数である。イエロー塗料の厚みCYは、画像データにおけるイエローの濃度値AYの関数である。テクスチャ塗料の厚みCTは、画像データにおけるテクスチャの濃度値ATの関数である。bがaの関数であるとは、ここでは、aを定めればbが一意に定まることを意味する。濃度値と適用量とは必ずしも比例関係にある必要はなく、非直線関係にあってもよい。典型的には、厚みCは濃度値Aについて広義の単調増加関数である。すなわち、A2>A1のとき、C(A2)≧C(A1)が成立する。第1変形例では、塗料の厚みに基づいて、積層シートの燃焼度を評価することができる。サンプリングエリア毎に厚みの最大値を求めることは必須ではなく、印刷画像データ全体における厚みの最大値が求められてもよい。かかる場合は、各ピクセルをサンプリングエリアと考えることもできる。
図15は、第2実施形態の第2変形例にかかる積層シート製造方法の概略の一例を示すフローチャートである。該方法は、積層シート製造システム200の動作方法とすることができ、コンピュータ150が、記憶部120に記憶されたプログラム122をCPU110により実行させることにより実現されうる。
図15の第2変形例にかかる積層シート製造方法は、図5におけるステップS208の動作停止が、ステップS209である印刷画像データの修正に置換されている他は、図5の方法と同一とすることができる。よって、ステップS209以外のステップについては、図5と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
ステップS206において基準値を超えていると判断された場合(YES)には、基材シート2の第1主面上にインク層3およびテクスチャ層4は印刷されずに、印刷画像データの修正が行われ(ステップS209)、再度、燃焼度の演算と燃焼度が最大となるサンプリングエリアの特定へと戻る(ステップS205)。印刷画像データの修正は人間が行ってもよいし、CPU110が実行してもよいし、CPU110の支援を受けて人間が行ってもよい。
例えば、印刷画像データの修正を人間が行う場合において、修正作業の参考とするために、燃焼度画像データ、高燃焼度部位画像データ等の画像が、CPU110により入出力装置140および/またはディスプレイ160を介して出力されてもよい。
例えば、印刷画像データの修正をCPU110が行う場合において、テクスチャ層の厚み、適用量、重量等を一定割合で低減させてもよく、低減させる領域は、印刷画像データの全体にわたってもよいし、基準値を超えたサンプリングエリアのみとしてもよい。
(実験例)
本開示の目的及び利点について、以下、実験例によって更に説明する。これらの実験例に記載する特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を不当に限定するように解釈されるべきではない。特に断らないかぎり、実験例及び本明細書の他の部分における全ての部、割合(%)、比率などは、重量基準である。
[印刷条件]
プリンタは、LED方式UV硬化フラットベッドインクジェットプリンタ(長野県東御市ミマキ[Mimaki Engineering Co., Ltd.,Tomi,Nagano,Japan]製UJF3042FX)を用いた。インクは、3M製LUS200マゼンタを用いた。CMYKカラーモードの印刷画像データの調製は、Adobe製Illustrator CS5により行った。
印刷画像データの解像度は720dpiとし、厚さ47μmの白色ポリ塩化ビニルフィルム(以下、PVCフィルム)上に印刷した。印刷モードは、720x600VD 16pass Unidirectional Printとし、用紙設定(Media profile)はUV PETを使用した。
[画像-燃焼度変換テーブルの作成]
濃度データを10%刻みで10%から100%までとした単色ベタ塗りの印刷画像データを印刷して、画像-燃焼度変換テーブルを作成した。印刷層の厚みは、カッターナイフにより切断した断面をシックネスゲージ(TECLOCK製PC-465N)により測定した。印刷層の重量は、直径13mmの円形パンチで打ち抜いた試料の重量を測定して求めた。
適用量を印刷層の厚みとした場合の結果を以下の表1および図16に示す。
適用量を印刷層の単位面積当たり重量とした場合の結果を以下の表2および図17に示す。
[燃焼試験]
ISO5660-1に従い、コーン熱量計法にて試験を行った。具体的には、コーン熱量計(Toyo-Seiki製)を用いて、放熱率(HRR:Heat Release Rate、単位:kW/m2)および総放熱量(THR:Total Heat Release、単位:MJ/m2)を計測した。HRRが200kW/m2を超える時間が10秒以下であり、かつ、20分間の総放熱量が8MJ/m2以下である場合に、燃焼度基準を満たすとした。
[燃焼試験試料の作製]
酢酸エチル中にて、アクリル酸ブチル(BA):2-エチル-ヘキシル-アクリレート(2EHA):アクリロニトリル(AN):アクリル酸(AA)=58:36:2:4の割合で混合した接着剤ポリマー(Tg:-5℃、Mw:500,000、固形物:33%)と、トルエン中のビスアミド(1,1’-イソフタロイル-ビス(2-メチルアジリヂン)(固形物:5%、3M製)からなる架橋剤とを非揮発成分について100:0.2の割合で混合し、接着剤とした。該接着剤はシリコーンでコーティングされたポリエチレン積層紙(以下、ライナー)の上に、ナイフコーターを用いてコーティングされた。接着剤層は95℃にて5分間乾燥され、厚さ35μmの感圧性接着剤層が得られた。接着剤層の上にPVCフィルム(厚み:47μm)を積層し、そのさらに上、すなわちPVCフィルムの主面のうち接着剤層と接していない側、に印刷が行われた。
下記6種類のパターンで印刷層を形成し、印刷されたフィルムをプラスターボード(吉野石膏製、材料:石膏、厚み:12.5mm)に貼り付けて100mm×100mmの試料を作成し、燃焼試験に供した。
[実験例1]
濃度値が90%である、300mm×420mmの矩形ベタ塗りパターンとした。重ね印刷回数は4回とした。
プラスターボード(厚さ12.5mm、100mm×100mm)の片面にプライマー(3M製:WP246)を10g/m2で適用した。印刷済みのPVCフィルムをライナーから剥離して、プライマー上に張り付けた。
画像-燃焼度変換テーブルにより、印刷層の重量は42g/m2と計算された。
[実験例2]
濃度値が100%である、図18に示す三角の繰り返しパターンを300mm×420mmで印刷した。重ね印刷回数は8回とした。図18のパターンでは、各セルが10mm×10mmである10×10のマトリクスに、市松状に、底辺10mm、高さ10mmの三角形が等色ベタ塗りで印刷されている。印刷された部分の面積は全体の25%となる。
プラスターボード(厚さ12.5mm、100mm×100mm)の片面にプライマー(3M製:DP900N3)を10g/m2で適用した。印刷済みのPVCフィルムをライナーから剥離して、プライマー上に張り付けた。
画像-燃焼度変換テーブルにより、印刷層の重量は35g/m2と計算された。
[実験例3]
濃度値が100%である、一辺63.2mmの正方形を等色ベタ塗りで印刷した。重ね印刷回数は8回とした。印刷された部分の面積は全体の40%となる。
プラスターボード(厚さ12.5mm、100mm×100mm)の片面にプライマー(3M製:DP900N3)を10g/m2で適用した。印刷済みのPVCフィルムをライナーから剥離して、プライマー上に張り付けた。
画像-燃焼度変換テーブルにより、印刷層の重量は55g/m2と計算された。
[実験例4]
濃度値が100%である、図19に示す円の繰り返しパターンを300mm×420mmで印刷した。重ね印刷回数は8回とした。図19のパターンでは、各セルが10mm×10mmである10×10のマトリクスに、市松状に、直径10mmの円を等色ベタ塗りで印刷した。印刷された部分の面積は全体の39.25%となる。
プラスターボード(厚さ12.5mm、100mm×100mm)の片面にプライマー(3M製:DP900N3)を10g/m2で適用した。印刷済みのPVCフィルムをライナーから剥離して、プライマー上に張り付けた。
画像-燃焼度変換テーブルにより、印刷層の重量は54g/m2と計算された。
[実験例5]
濃度値が50%である、300mm×420mmの矩形ベタ塗りパターン(重ね印刷回数:4回)の上に、実施例2(図18)と同じパターン(濃度値100%、各セルが10mm×10mmである10×10のマトリクス、市松状、底辺10mm、高さ10mmの三角形、重ね印刷回数:8回)を等色ベタ塗りで印刷した。
プラスターボード(厚さ12.5mm、100mm×100mm)の片面にプライマー(3M製:DP900N3)を10g/m2で適用した。印刷済みのPVCフィルムをライナーから剥離して、プライマー上に張り付けた。
画像-燃焼度変換テーブルにより、印刷層の重量は50g/m2と計算された。
[実験例6]
濃度値が90%である、300mm×420mmの矩形ベタ塗りパターンとした。重ね印刷回数は8回とした。
プラスターボード(厚さ12.5mm、100mm×100mm)の片面にプライマー(3M製:DP900N3)を10g/m2で適用した。印刷済みのPVCフィルムをライナーから剥離して、プライマー上に張り付けた。
画像-燃焼度変換テーブルにより、印刷層の重量は84g/m2と計算された。
[結果]
燃焼試験の結果を表3に示す。
表に示すように、印刷層の重量と積層シートが燃焼度基準を満たすか否かとは相関があり、印刷層の重量を指標(燃焼度)として、燃焼度基準を満たすか否かの判定を行うことができる。
(他の実施形態)
第1実施形態にかかる、印刷層を有する積層シートの第1の製造方法は、画像データに含まれる特定領域の濃度データと当該画像データに基づき印刷が行われた場合の当該特定領域に対応する印刷層の燃焼度とを関連付けるテーブルを画像-燃焼度変換テーブルとするとき、プロセッサが、積層シートの印刷条件に適合する画像-燃焼度変換テーブルを特定することと、プロセッサが、積層シートの印刷層を形成するための画像データである印刷画像データを取得することと、プロセッサが、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度を演算することと、プロセッサが、演算された燃焼度に基づいて、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定することと、燃焼度基準を満たすと判定された場合に、プロセッサの指令に基づいてプリンタが、印刷条件および印刷画像データに従って印刷層を形成することと、を含む。
第2の製造方法は、第1の製造方法であって、印刷層が基材シート上に形成され、印刷条件には基材シート情報が含まれ、プロセッサが、基材シート情報に基づいて画像-燃焼度変換テーブルを特定し、プロセッサが、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、積層シートの燃焼度を演算し、プロセッサが、積層シートの燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する。
第3の製造方法は、第1の製造方法であって、印刷層が基材シート上に形成され、プロセッサが、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度を演算し、プロセッサが、印刷層の燃焼度を、基材シートに応じて定められた基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する。
第4の製造方法は、第1の製造方法であって、印刷層が基材シート上に形成され、プロセッサが、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データと基材シートの燃焼度とに基づいて、積層シートの燃焼度を演算し、プロセッサが、積層シートの燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する。
第5の製造方法は、第1ないし第4の製造方法であって、印刷層が積層シートの表面に凹凸を形成するためのテクスチャ層を含み、画像データがテクスチャ層を形成するためのデータを含む。
第6の製造方法は、第1ないし第5の製造方法であって、画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の濃度と、プリンタによる塗料の適用量とを関連付けたテーブルである。
第7の製造方法は、第1ないし第5の製造方法であって、画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の1ピクセル単位の濃度と、プリンタによる1ピクセル単位の塗料の適用量とを関連付けたテーブルである。
第8の製造方法は、第6または第7の製造方法であって、画像データは、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類の濃度データを含み、塗料は、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類を含む。
第9の製造方法は、第1ないし第8の製造方法であって、燃焼度を演算することは、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度を演算することであり、プロセッサが、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度に基づいて判定を行う。
第10の製造方法は、第9の製造方法であって、さらに、プロセッサの指令に基づいてプリンタが、印刷条件および印刷画像データに従い、燃焼度が最も高いサンプリングエリアにつき印刷層を形成することを含む。
第11の製造方法は、第9または第10の製造方法であって、燃焼度は、サンプリングエリアにおける塗料の適用量と対応している。
第12の製造方法は、第9ないし第11の製造方法であって、プロセッサが、印刷画像データの全面でサンプリングエリアを順次移動させ、それぞれのサンプリングエリアの燃焼度を演算する。
第13の製造方法は、第9ないし第12の製造方法であって、プロセッサが、最も燃焼度の高いサンプリングエリアの燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する。
第14の製造方法は、第9ないし第12の製造方法であって、プロセッサが、サンプリングエリアの平均燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する。
第15の製造方法は、第6、第7、第11の製造方法であって、適用量は、塗料の重量、塗料の厚さ、塗料中の樹脂の重量の少なくともいずれかである。
第16の製造方法は、第1ないし第15の製造方法であって、印刷層がインクジェットプリンタで形成される。
印刷層と接着剤層とを有する積層シートの第17の製造方法は、第1ないし第16のいずれかの製造方法で製造された印刷層を有する積層シートを取得し、積層シートの一方の面に接着剤層を形成する。
印刷層を有する積層シートの第18の製造システムは、画像データに含まれる特定領域の濃度データと当該画像データに基づき印刷が行われた場合の当該特定領域に対応する印刷層の燃焼度とを関連付けるテーブルを画像-燃焼度変換テーブルとするとき、積層シートの印刷条件に適合する画像-燃焼度変換テーブルを特定する変換テーブル特定手段と、積層シートの印刷層を形成するための画像データである印刷画像データを取得する印刷画像データ取得手段と、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度を演算する燃焼度演算手段と、演算された燃焼度に基づいて、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する判定手段と、燃焼度基準を満たすと判定された場合に、印刷条件および印刷画像データに従って印刷層を形成する印刷層形成手段と、を含む。
なお、変換テーブル特定手段は変換テーブル特定装置であってもよく、印刷画像データ取得手段は印刷画像データ取得装置であってもよく、燃焼度演算手段は燃焼度演算装置であってもよく、判定手段は判定装置であってもよく、印刷層形成手段は印刷層形成装置であってもよい(以下同様)。
第19の製造システムは、第18の製造システムであって、印刷層が基材シート上に形成され、印刷条件には基材シート情報が含まれ、変換テーブル特定手段は、基材シート情報に基づいて画像-燃焼度変換テーブルを特定し、燃焼度演算手段は、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、積層シートの燃焼度を演算し、判定手段は、積層シートの燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する。
第20の製造システムは、第18の製造システムであって、印刷層が基材シート上に形成され、燃焼度演算手段は、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度を演算し、判定手段は、印刷層の燃焼度を、基材シートに応じて定められた基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する。
第21の製造システムは、第18の製造システムであって、印刷層が基材シート上に形成され、燃焼度演算手段は、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データと基材シートの燃焼度とに基づいて、積層シートの燃焼度を演算し、判定手段は、積層シートの燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する。
第22の製造システムは、第18ないし第21の製造システムであって、印刷層が積層シートの表面に凹凸を形成するためのテクスチャ層を含み、画像データがテクスチャ層を形成するためのデータを含む。
第23の製造システムは、第18ないし第22の製造システムであって、画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の濃度と、プリンタによる適用量とを関連付けたテーブルである。
第24の製造システムは、第18ないし第22の製造システムであって、画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の1ピクセル単位の濃度と、プリンタによる1ピクセル単位の適用量とを関連付けたテーブルである。
第25の製造システムは、第23または第24の製造システムであって、画像データは、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類の濃度データを含み、塗料は、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類を含む。
第26の製造システムは、第18ないし第25の製造システムであって、燃焼度演算手段は、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度を演算するように構成され、判定手段は、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度に基づいて判定を行うように構成されている。
第27の製造システムは、第26の製造システムであって、さらに、印刷条件および印刷画像データに従い、燃焼度が最も高いサンプリングエリアにつき印刷層を形成するサンプル形成手段を含む。
なお、サンプル形成手段はサンプル形成装置であってもよい(以下同様)。
第28の製造システムは、第26または第27の製造システムであって、燃焼度は、サンプリングエリアにおける塗料の適用量である。
第29の製造システムは、第26ないし第28の製造システムであって、燃焼度演算手段は、印刷画像データの全面でサンプリングエリアを順次移動させ、それぞれのサンプリングエリアの燃焼度を演算するように構成されている。
第30の製造システムは、第26ないし第29の製造システムであって、判定手段は、最も燃焼度の高いサンプリングエリアの燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定するように構成されている。
第31の製造システムは、第26ないし第29の製造システムであって、判定手段は、サンプリングエリアの平均燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定するように構成されている。
第32の製造システムは、第23、第24、第28の製造システムであって、適用量は、塗料の重量、塗料の厚さ、塗料中の樹脂の重量の少なくともいずれかである。
第33の製造システムは、第18-第32のいずれかの製造システムであって、印刷層形成手段が、インクジェットプリンタを含む。
第34のプログラムは、画像データに含まれる特定領域の濃度データと当該画像データに基づき印刷が行われた場合の当該特定領域に対応する印刷層の燃焼度とを関連付けるテーブルを画像-燃焼度変換テーブルとするとき、積層シートの印刷条件に適合する画像-燃焼度変換テーブルを特定することと、積層シートの印刷層を形成するための画像データである印刷画像データを取得することと、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度を演算することと、演算された燃焼度に基づいて、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定することと、燃焼度基準を満たすと判定された場合に、印刷条件および印刷画像データに従って印刷層を形成することと、をコンピュータに実行させるためのものである。
なお、プログラムは、当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能かつ非一時的(non-transient)な記憶媒体としても実現されうる(以下同様)。
第35のプログラムは、第34のプログラムであって、印刷層が基材シート上に形成され、印刷条件には基材シート情報が含まれ、基材シート情報に基づいて画像-燃焼度変換テーブルが特定され、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、積層シートの燃焼度が演算され、積層シートの燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かが判定される。
第36のプログラムは、第34のプログラムであって、印刷層が基材シート上に形成され、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度が演算され、印刷層の燃焼度を、基材シートに応じて定められた基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かが判定される。
第37のプログラムは、第34のプログラムであって、印刷層が基材シート上に形成され、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データと基材シートの燃焼度とに基づいて、積層シートの燃焼度が演算され、積層シートの燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かが判定される。
第38のプログラムは、第34ないし第37のプログラムであって、印刷層が積層シートの表面に凹凸を形成するためのテクスチャ層を含み、画像データがテクスチャ層を形成するためのデータを含む。
第39のプログラムは、第34ないし第38のプログラムであって、画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の濃度と、プリンタによる適用量とを関連付けたテーブルである。
第40のプログラムは、第34ないし第38のプログラムであって、画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の1ピクセル単位の濃度と、プリンタによる1ピクセル単位の適用量とを関連付けたテーブルである。
第41のプログラムは、第39または第40のプログラムであって、画像データは、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類の濃度データを含み、塗料は、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類を含む。
第42のプログラムは、第34ないし第41のプログラムであって、燃焼度を演算することは、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度を演算することであり、判定は、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度に基づいて行われる。
第43のプログラムは、第42のプログラムであって、さらに、コンピュータに、印刷条件および印刷画像データに従い、燃焼度が最も高いサンプリングエリアにつき印刷層を形成させることを含む。
第44のプログラムは、第42または第43のプログラムであって、燃焼度は、サンプリングエリアにおける塗料の適用量と対応している。
第45のプログラムは、第42ないし第44のプログラムであって、コンピュータに、印刷画像データの全面でサンプリングエリアを順次移動させ、それぞれのサンプリングエリアの燃焼度を演算させる。
第46のプログラムは、第42ないし第45のプログラムであって、コンピュータに、最も燃焼度が高いサンプリングエリアの燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定させる。
第47のプログラムは、第42ないし第45のプログラムであって、コンピュータに、サンプリングエリアの平均燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定させる。
第48のプログラムは、第39、第40、第44のプログラムであって、適用量は、塗料の重量、塗料の厚さ、塗料中の樹脂の重量の少なくともいずれかである。
第49のプログラムは、第34-第48のプログラムであって、印刷条件および印刷画像データに従って印刷層を形成することを、インクジェットプリンタを用いて実行するためのものである。
第50の印刷層を有する積層シートは、画像データに含まれる特定領域の濃度データと当該画像データに基づき印刷が行われた場合の当該特定領域に対応する印刷層の燃焼度とを関連付けるテーブルを画像-燃焼度変換テーブルとするとき、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて演算された印刷層の燃焼度が、積層シートの燃焼度基準に係る基準を満たす。
第51の積層シートは、第50の積層シートであって、印刷層が、テクスチャ層を有している。
第52の積層シートは、第51の積層シートであって、テクスチャ層が、UV硬化樹脂を有している。
第53の積層シートは、第50ないし第52の積層シートであって、印刷層がインクジェットプリンタにより形成されている。
第54の積層シートは、第1ないし第17のいずれかに記載の製造方法により製造された積層シートである。
(さらなる実施形態)
[1A] 画像データに含まれる特定領域の濃度データと当該画像データに基づき印刷が行われた場合の当該特定領域に対応する印刷層の燃焼度とを関連付けるテーブルを画像-燃焼度変換テーブルとするとき、
プロセッサが、積層シートの印刷条件に適合する画像-燃焼度変換テーブルを特定することと、
プロセッサが、積層シートの印刷層を形成するための画像データである印刷画像データを取得することと、
プロセッサが、画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度を演算することと、を含む
方法。
[2A] さらに、プロセッサが、印刷画像データにおける燃焼度の高低を示す燃焼度画像データを生成して出力することを含む、[1A]に記載の方法。
[3A] 印刷層が積層シートの表面に凹凸を形成するためのテクスチャ層を含み、
画像データがテクスチャ層を形成するためのデータを含む、
[1A]または[2A]に記載の方法。
[4A] 画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の濃度と、プリンタによる適用量とを関連付けたテーブルである、[1A]ないし[3A]のいずれかに記載の方法。
[5A] 画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の1ピクセル単位の濃度と、プリンタによる1ピクセル単位の適用量とを関連付けたテーブルである、[1A]ないし[3A]のいずれかに記載の方法。
[6A] 画像データは、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類の濃度データを含み、
塗料は、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類を含む、[4A]または[5A]に記載の方法。
[7A] 燃焼度を演算することは、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度を演算することである、
[1A]ないし[6A]のいずれかに記載の方法。
[8A] さらに、プロセッサの指令に基づいてプリンタが、印刷条件および印刷画像データに従い、燃焼度が最も高いサンプリングエリアにつき印刷層を形成することを含む、[7A]に記載の方法。
[9A] 燃焼度は、サンプリングエリアにおける塗料の適用量である、[7A]または[8A]に記載の方法。
[10A] プロセッサが、印刷画像データの全面でサンプリングエリアを順次移動させ、それぞれのサンプリングエリアの燃焼度を演算する、[7A]ないし[9A]のいずれかに記載の方法。
[11A] 適用量は、塗料の重量、塗料の厚さ、塗料中の樹脂の重量の少なくともいずれかである、[4A]、[5A]、[9A]のいずれかに記載の方法。
[1B] 画像データに含まれる特定領域の濃度データと当該画像データに基づき印刷が行われた場合の当該特定領域に対応する印刷層の燃焼度とを関連付けるテーブルを画像-燃焼度変換テーブルとするとき、
積層シートの印刷条件に適合する画像-燃焼度変換テーブルを特定する変換テーブル特定手段と、
積層シートの印刷層を形成するための画像データである印刷画像データを取得する印刷画像データ取得手段と、
画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度を演算する燃焼度演算手段と、を含む
装置。
[2B] さらに、印刷画像データにおける燃焼度の高低を示す燃焼度画像データを生成して出力する燃焼度画像データ出力手段を含む、[1B]に記載の装置。
[3B] 印刷層が積層シートの表面に凹凸を形成するためのテクスチャ層を含み、
画像データがテクスチャ層を形成するためのデータを含む、
[1B]ないし[2B]に記載の装置。
[4B] 画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の濃度と、プリンタによる適用量とを関連付けたテーブルである、[1B]ないし[3B]のいずれかに記載の装置。
[5B] 画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の1ピクセル単位の濃度と、プリンタによる1ピクセル単位の適用量とを関連付けたテーブルである、[1B]ないし[3B]のいずれかに記載の装置。
[6B] 印刷画像データは、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類の濃度データを含み、
塗料は、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類を含む、[4B]または[5B]に記載の装置。
[7B] 燃焼度演算手段は、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度を演算するように構成されている、
[1B]ないし[6B]のいずれかに記載の装置。
[8B] さらに、印刷条件および印刷画像データに従い、燃焼度が最も高いサンプリングエリアにつき印刷層を形成するサンプル形成手段を含む、[7B]に記載の装置。
[9B] 燃焼度は、サンプリングエリアにおける塗料の適用量である、[7B]または[8B]に記載の装置。
[10B] 燃焼度演算手段は、印刷画像データの全面でサンプリングエリアを順次移動させ、それぞれのサンプリングエリアの燃焼度を演算するように構成されている、[7B]ないし[9B]のいずれかに記載の装置。
[11B] 適用量は、塗料の重量、塗料の厚さ、塗料中の樹脂の重量の少なくともいずれかである、[4B]、[5B]、[9B]のいずれかに記載の装置。
[1C] 画像データに含まれる特定領域の濃度データと当該画像データに基づき印刷が行われた場合の当該特定領域に対応する印刷層の燃焼度とを関連付けるテーブルを画像-燃焼度変換テーブルとするとき、
積層シートの印刷条件に適合する画像-燃焼度変換テーブルを特定することと、
積層シートの印刷層を形成するための画像データである印刷画像データを取得することと、
画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度を演算することと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
[2C] さらに、コンピュータに、印刷画像データにおける燃焼度の高低を示す燃焼度画像データを生成して出力させることを含む、[1C]に記載のプログラム。
[3C] 印刷層が積層シートの表面に凹凸を形成するためのテクスチャ層を含み、
画像データがテクスチャ層を形成するためのデータを含む、
[1C]または[2C]に記載のプログラム。
[4C] 画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の濃度と、プリンタによる適用量とを関連付けたテーブルである、[1C]ないし[3C]のいずれかに記載のプログラム。
[5C] 画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の1ピクセル単位の濃度と、プリンタによる1ピクセル単位の適用量とを関連付けたテーブルである、[1C]ないし[3C]のいずれかに記載のプログラム。
[6C] 画像データは、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類の濃度データを含み、
塗料は、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類を含む、[4C]または[5C]に記載のプログラム。
[7C] 燃焼度を演算することは、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度を演算することである、[1C]ないし[6C]のいずれかに記載のプログラム。
[8C] さらに、コンピュータに、印刷条件および印刷画像データに従い、燃焼度が最も高いサンプリングエリアにつき印刷層を形成させることを含む、[7C]に記載の方法。
[9C] 燃焼度は、サンプリングエリアにおける塗料の適用量である、[7C]または[8C]に記載のプログラム。
[10C] 印刷画像データの全面でサンプリングエリアを順次移動させ、それぞれのサンプリングエリアの燃焼度を演算する、[7C]ないし[9C]のいずれかに記載のプログラム。
[11C] 適用量は、塗料の重量、塗料の厚さ、塗料中の樹脂の重量の少なくともいずれかである、[4C]、[5C]、[9C]のいずれかに記載のプログラム。
[12C] [1C]ないし[11C]のプログラムを記録した非一時的(non-transient)な記録媒体。
[1D] 画像データに含まれる特定領域の濃度データと当該画像データに基づき印刷が行われた場合の当該特定領域に対応する印刷層の燃焼度とを関連付けるテーブルを画像-燃焼度変換テーブルとするとき、
積層シートの印刷条件に適合する画像-燃焼度変換テーブルを特定することと、
積層シートの印刷層を形成するための画像データである印刷画像データを取得することと、
画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度を演算することと、
演算された燃焼度に基づいて、印刷層を有する積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定することと、
判定結果を出力することと、を含む
方法。
[2D] 判定結果の出力は、以下の少なくともいずれかである、[1D]に記載の方法。
A)燃焼度基準が満たされる場合にのみ、印刷条件および印刷画像データに従って印刷層を形成する。
B)印刷画像データに判定結果を付加した判定結果付き印刷画像データを生成して出力する。
C)積層シートが燃焼度基準を満たさない場合に、警告信号を出力する。
[3D] さらに、印刷画像データにおける燃焼度の高低を示す燃焼度画像データを生成して出力することを含む、[1D]または[2D]のいずれかに記載の方法。
[4D] 印刷層が積層シートの表面に凹凸を形成するためのテクスチャ層を含み、
画像データがテクスチャ層を形成するためのデータを含む、
[1D]ないし[3D]のいずれかに記載の方法。
[5D] 画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の濃度と、プリンタによる適用量とを関連付けたテーブルである、[1D]ないし[4D]のいずれかに記載の方法。
[6D] 画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の1ピクセル単位の濃度と、プリンタによる1ピクセル単位の適用量とを関連付けたテーブルである、[1D]ないし[4D]のいずれかに記載の方法。
[7D] 画像データは、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類の濃度データを含み、
塗料は、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類を含む、[5D]または[6D]に記載の方法。
[8D] 燃焼度を演算することは、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度を演算することであり、
判定は、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度に基づいて行う、
[1D]ないし[7D]のいずれかに記載の方法。
[9D] 判定結果の出力は、印刷画像データにおいてサンプリングエリア単位の燃焼度基準を満たさないサンプリングエリアをマーキングした高燃焼度部位画像データを生成して出力することである、[8D]に記載の方法。
[10D] さらに、印刷条件および印刷画像データに従い、燃焼度が最も高いサンプリングエリアにつき印刷層を形成することを含む、[8D]または[9D]に記載の方法。
[11D] 燃焼度は、サンプリングエリアにおける塗料の適用量である、[8D]ないし[10D]のいずれかに記載の方法。
[12D] 印刷画像データの全面でサンプリングエリアを順次移動させ、それぞれのサンプリングエリアの燃焼度を演算する、[8D]ないし[11D]のいずれかに記載の方法。
[13D] 最も燃焼度の高いサンプリングエリアの燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する、[8D]ないし[12D]のいずれかに記載の方法。
[14D] サンプリングエリアの平均燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する、[8D]ないし[12D]のいずれかに記載の方法。
[15D] 適用量は、塗料の重量、塗料の厚さ、塗料中の樹脂の重量の少なくともいずれかである、[5D]、[6D]、[11D]のいずれかに記載の方法。
[1E] 画像データに含まれる特定領域の濃度データと当該画像データに基づき印刷が行われた場合の当該特定領域に対応する印刷層の燃焼度とを関連付けるテーブルを画像-燃焼度変換テーブルとするとき、
積層シートの印刷条件に適合する画像-燃焼度変換テーブルを特定する変換テーブル特定手段と、
積層シートの印刷層を形成するための画像データである印刷画像データを取得する印刷画像データ取得手段と、
画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度を演算する燃焼度演算手段と、
演算された燃焼度に基づいて、印刷層を有する積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する判定手段と、
判定結果を出力する判定結果出力手段と、を含む
装置。
[2E] 判定結果出力手段は、以下の少なくともいずれかである、[1E]に記載の装置。
A)燃焼度基準が満たされる場合にのみ、印刷条件および印刷画像データに従って印刷層を形成する印刷層形成手段。
B)印刷画像データに判定結果を付加した判定結果付き印刷画像データを生成して出力する印刷画像データ出力手段。
C)積層シートが燃焼度基準を満たさない場合に、警告信号を出力する警告出力手段。
[3E] さらに、印刷画像データにおける燃焼度の高低を示す燃焼度画像データを生成して出力する燃焼度画像データ出力手段を含む、[1E]または[2E]のいずれかに記載の装置。
[4E] 印刷層が積層シートの表面に凹凸を形成するためのテクスチャ層を含み、
画像データがテクスチャ層を形成するためのデータを含む、
[1E]ないし[3E]のいずれかに記載の装置。
[5E] 画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の濃度と、プリンタによる適用量とを関連付けたテーブルである、[1E]ないし[4E]のいずれかに記載の装置。
[6E] 画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の1ピクセル単位の濃度と、プリンタによる1ピクセル単位の適用量とを関連付けたテーブルである、[1E]ないし[4E]のいずれかに記載の装置。
[7E] 画像データは、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類の濃度データを含み、
塗料は、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類を含む、[5E]または[6E]に記載の装置。
[8E] 燃焼度演算手段は、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度を演算するように構成され、
判定手段は、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度に基づいて判定を行うように構成されている、
[1E]ないし[7E]のいずれかに記載の装置。
[9E] 判定結果出力手段は、印刷画像データにおいてサンプリングエリア単位の燃焼度基準を満たさないサンプリングエリアをマーキングした高燃焼度部位画像データを生成して出力する高燃焼度部位画像データ出力手段である、[8E]に記載の装置。
[10E] さらに、印刷条件および印刷画像データに従い、燃焼度が最も高いサンプリングエリアにつき印刷層を形成するサンプル形成手段を含む、[8E]または[9E]に記載の装置。
[11E] 燃焼度は、サンプリングエリアにおける塗料の適用量である、[8E]ないし[10E]のいずれかに記載の装置。
[12E] 燃焼度演算手段は、印刷画像データの全面でサンプリングエリアを順次移動させ、それぞれのサンプリングエリアの燃焼度を演算するように構成されている、[8E]ないし[11E]のいずれかに記載の装置。
[13E] 判定手段は、最も燃焼度が高いサンプリングエリアの燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定するように構成されている、[8E]ないし[12E]のいずれかに記載の装置。
[14E] 判定手段は、サンプリングエリアの平均燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定するように構成されている、[8E]ないし[12E]のいずれかに記載の装置。
[15E] 適用量は、塗料の重量、塗料の厚さ、塗料中の樹脂の重量の少なくともいずれかである、[5E]、[6E]、[11E]のいずれかに記載の装置。
[1F] 画像データに含まれる特定領域の濃度データと当該画像データに基づき印刷が行われた場合の当該特定領域に対応する印刷層の燃焼度とを関連付けるテーブルを画像-燃焼度変換テーブルとするとき、
積層シートの印刷条件に適合する画像-燃焼度変換テーブルを特定することと、
積層シートの印刷層を形成するための画像データである印刷画像データを取得することと、
画像-燃焼度変換テーブルと印刷画像データとに基づいて、印刷層の燃焼度を演算することと、
演算された燃焼度に基づいて、印刷層を有する積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定することと、
判定結果を出力することと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
[2F] 判定結果の出力は、以下の少なくともいずれかである、[1F]に記載のプログラム。
A)燃焼度基準が満たされる場合にのみ、印刷条件および印刷画像データに従って印刷層を形成する。
B)印刷画像データに判定結果を付加した判定結果付き印刷画像データを生成して出力する。
C)積層シートが燃焼度基準を満たさない場合に、警告信号を出力する。
[3F] さらに、コンピュータに、印刷画像データにおける燃焼度の高低を示す燃焼度画像データを生成して出力させることを含む、[1F]または[2F]のいずれかに記載のプログラム。
[4F] 印刷層が積層シートの表面に凹凸を形成するためのテクスチャ層を含み、
印刷画像データがテクスチャ層を形成するためのデータを含む、
[1F]ないし[3F]のいずれかに記載のプログラム。
[5F] 画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の濃度と、プリンタによる適用量とを関連付けたテーブルである、[1F]ないし[4F]のいずれかに記載のプログラム。
[6F] 画像-燃焼度変換テーブルは、印刷層を形成する塗料の種類毎に、画像データ上の1ピクセル単位の濃度と、プリンタによる1ピクセル単位の適用量とを関連付けたテーブルである、[1F]ないし[4F]のいずれかに記載のプログラム。
[7F] 印刷画像データは、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類の濃度データを含み、
塗料は、シアン、マゼンタ、イエロー、テクスチャの少なくとも4種類を含む、[5F]または[6F]に記載のプログラム。
[8F] 燃焼度を演算することは、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度を演算することであり、
判定は、サンプリングエリアにおける印刷層の燃焼度に基づいて行う、
[1F]ないし[7F]のいずれかに記載のプログラム。
[9F] 判定結果の出力は、印刷画像データにおいてサンプリングエリア単位の燃焼度基準を満たさないサンプリングエリアをマーキングした高燃焼度部位画像データを生成して出力することである、[8F]に記載のプログラム。
[10F] さらに、コンピュータに、印刷条件および印刷画像データに従い、燃焼度が最も高いサンプリングエリアにつき印刷層を形成させることを含む、[8F]または[9F]に記載の方法。
[11F] 燃焼度は、サンプリングエリアにおける塗料の適用量である、[8F]ないし[10F]のいずれかに記載のプログラム。
[12F] 燃焼度を演算することは、印刷画像データの全面でサンプリングエリアを順次移動させ、それぞれのサンプリングエリアの燃焼度を演算することである、[8F]ないし[11F]のいずれかに記載のプログラム。
[13F] 最も燃焼度が高いサンプリングエリアの燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する、[8F]ないし[12F]のいずれかに記載のプログラム。
[14F] サンプリングエリアの平均燃焼度を基準値と比較することにより、積層シートが燃焼度基準を満たすか否かを判定する、[8F]ないし[12F]のいずれかに記載のプログラム。
[15F] 適用量は、塗料の重量、塗料の厚さ、塗料中の樹脂の重量の少なくともいずれかである、[5F]、[6F]、[11F]のいずれかに記載のプログラム。
[16F] [1F]ないし[15F]のいずれかに記載のプログラムを記録した記録媒体。
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