JP2014132317A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱折り対象の用紙に画像データに基づき画像を形成するジョブの実行に際し、その用紙における加熱領域Haに属する全画素P11〜PzZのうち、トナー付着量が1つでも閾値を超える画素があることを判断すると、加熱領域Haに属する全画素の濃度を、画像データに基づく本来の濃度よりも低い濃度に補正する処理を画像データに施してから、当該ジョブを実行する。
【選択図】図5
Description
シート束を折る場合、単に折るだけであれば、折られた後にシート束が自然に徐々に開いて膨らんだようになり、見栄えが悪くなる。
シート束の折り部は、複数枚のシートが密接に重ねられた状態になっているので、そのうちの1枚のシート上のトナー像が溶融または軟化すると、その溶融または軟化したトナーが、隣接する別のシートの面またはその別のシート上のトナー像に接触して引っ付く、いわゆるタッキングが発生し易くなる。
このような問題は、シート束に限られず、例えば1枚のシートであっても画像の形成面を内側にして折り畳む場合にも生じる。また、トナーを用いる構成に限られず、加熱により溶融または軟化するもの、例えばインクを画像形成に用いる場合にも生じ得る。
また、前記制御手段は、低濃度に変更する領域を、前記特定領域から当該特定領域以外の外側領域に拡張し、かつ、当該外側領域に形成されるべき画像に対しては、当該特定領域からの距離が大きくなるに伴って、その濃度の低下量を小さくするとしても良い。
また、前記抑制制御は、前記特定された番号が大きくなるに伴って、前記特定領域の幅を狭くする制御であるとしても良い。
また、前記制御手段は、前記特定領域に形成されるべき画像の最大濃度が大きくなるに伴って、前記濃度の低下量を大きくするとしても良い。
ここで、前記制御手段は、前記画像の最大濃度が前記上限値を超える場合には、前記低濃度の変更を実行し、前記上限値以下の場合には、前記低濃度の変更を禁止するとしても良い。
さらに、前記制御手段は、前記特定領域に形成されるべき画像の最大濃度が閾値以下の場合、前記低濃度の変更を禁止するとしても良い。
また、前記画像形成手段は、前記制御手段により制御される、前記画像形成動作の一工程において前記画像の濃度を可変可能な制御対象部を備え、前記制御手段は、前記制御対象部の制御により、前記低濃度の変更を実行するとしても良い。
また、前記制御対象部は、像担持体上に形成された画像をシートに静電転写するための転写部材に転写バイアスを供給する転写電力供給手段であり、前記制御手段は、低濃度に変更する領域の画像が前記シートに転写されるときの転写バイアスが前記画像データに基づく本来の濃度に対する値よりも絶対値で低くなるように、前記転写電力供給手段を制御するとしても良い。
ここで、前記制御手段は、前記画像の座標位置を、前記画像の全体が前記特定領域から出る位置まで前記画像を縮小した場合の座標位置に書き換えることにより、前記外側領域への変更を実行するとしても良い。
ここで、前記制御手段は、前記画像の大きさが前記外側領域よりも大きい場合には、前記シフトよる座標位置の書き換えに代えて、前記画像の縮小とシフトの両方を行った場合の座標位置に書き換えるとしても良い。
ここで、前記ユーザーから前記加熱のキャンセルの指示を受け付ける第2受付手段を備え、前記制御手段は、前記キャンセルの指示が受け付けられると、前記第1の処理に代えて第2の処理を実行するとしても良い。
本発明に係る画像形成方法は、シートを折り、折った状態でシートの折り位置を加熱する後処理装置に、画像が形成されたシートを出力する画像形成装置における画像形成方法であって、画像データに基づきシートに画像を形成する画像形成手段を制御する制御ステップを含むステップを実行し、前記制御ステップは、前記シートにおける折り位置を含む特定領域への画像形成を、前記画像データに基づく本来の濃度よりも濃度が低くなるような条件で実行させることを特徴とする。
〔実施の形態1〕
(1)全体構成
図1は、画像形成装置1と後処理装置2の構成を示す図である。
<画像形成装置1の構成>
同図に示すように、画像形成装置1は、自動原稿搬送部3、原稿読取部4、プリント部5、制御部6、操作部7を備え、両面印刷(プリント)機能を有し、ユーザーの指示に基づいて画像形成ジョブを実行する。
自動原稿搬送部3は、ユーザーによって原稿トレイに置かれた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部4に搬送して原稿読取部4で読み取らせるものである。
プリント部5は、原稿読取部4により生成された画像データや外部端末(不図示)などからネットワークを介して送られて来た画像データに基づいて、用紙上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)色からなるカラーの画像を形成して出力するものである。
画像プロセス部10は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部10Y、10M、10C、10Kを備えている。作像部10Yは、矢印Aで示す方向に回転する感光体ドラム11Yと、その周囲に配設された帯電部12Y、露光部13Y、現像部14Y、感光体ドラム11Yの表面を清掃するためのクリーナー15Yなどを備えており、帯電、露光、現像工程を経て感光体ドラム11Y上にY色のトナー像を作像する。この構成は、他の作像部10M〜10Kについて同様である。なお、作像部10M〜10Kについては、一部の部材の符号が省略されている。
駆動ローラー22は、作像部10Y〜10Kの列設方向(同図の左右方向)の一方端側に位置し、従動ローラー23は、その他方端側に位置する。
中間転写ベルト21は、これらのローラーによって作像部10Y〜10Kの列設方向に沿って張架されており、駆動ローラー22の駆動力により同図の矢印Bで示す方向に周回駆動される。
給送部30は、給紙カセット31と、繰り出しローラー32と、搬送ローラー対33と、タイミングローラー対34を備える。
給紙カセット31は、複数枚の用紙Sを収容可能であり、繰り出しローラー32は、給紙カセット31に収容されている用紙Sを1枚ずつ搬送路39上に繰り出す。なお、給紙カセット31には、使用される用紙Sとして、異なるサイズ、例えばB5〜A3サイズの用紙を選択的に収容可能である。
定着部40は、不図示の加熱手段により加熱される定着ローラーとこれに圧接される加圧ローラーを有する。
このような構成において片面モードの画像形成ジョブを実行する場合には、感光体ドラム11Y〜11K表面が帯電部12Y〜12Kにより帯電され(帯電工程)、帯電された感光体ドラム11Y〜11K表面が露光部13Y〜13Kにより露光走査されることにより感光体ドラム11Y〜11K上に静電潜像が作像され(露光工程)、感光体ドラム11Y〜11K上の静電潜像が現像部14Y〜14Kの現像ローラー141に担持された現像剤により現像されることにより、対応する色のトナー像が形成される(現像工程)。
中間転写ベルト21上に一次転写された各色トナー像は、矢印Bで示す方向に周回走行する中間転写ベルト21により転写ニップ29に向かう。
搬送部8は、3つの搬送ローラー対8a、8b、8cを有し、排出ローラー対35から搬送されて来る用紙Sをさらに搬送して、後処理装置2に送る。
この排出ローラー対35の逆転により、用紙Sが反転して両面搬送部50の循環路59に導かれる(スイッチバック)。
この用紙Sの転写ニップ29への再送タイミングに合わせて、画像プロセス部10と中間転写部20において、その用紙Sの第2面に対する各色トナー像の作像が行われており、その用紙Sが転写ニップ29を通過する際に、中間転写ベルト21上の各色トナー像が転写ニップ29において一括して、その用紙Sの第2面に二次転写される。
操作部7は、画像形成装置1の本体正面側の、ユーザーの操作し易い位置に配置されている。操作部7には、ユーザーからの画像形成モード(片面モードと両面モード)の選択指示、ジョブの実行指示、画像形成すべき枚数(プリント枚数)の指定を受け付けるキー群、および後処理装置2で実行される後処理、ここではステープル綴じ機能と用紙折り機能の選択入力を受け付けるタッチパネル式の液晶表示部などが設けられる。操作部7が受け付けた情報は、制御部6に送られる。
また、制御部6は、ジョブ実行に際し、ユーザーにより後処理機能が選択された場合には、その旨を後処理装置2に指示すると共に、選択された後処理機能を実行させる。
<後処理装置2の構成>
後処理装置2は、後処理制御部60と、用紙搬入部61と、搬送路切換部62、63と、用紙排出部64と、綴じ処理部65と、積載トレイ部66と、用紙折り部67と、搬送モーター68などを備え、画像形成装置1から出力された用紙Sを綴じるステープル綴じ機能や、その用紙Sを折る用紙折り機能などを含む後処理を施す機能を有する。
搬送路切換部62は、用紙搬入部61からの用紙Sの搬送先を後処理制御部60の指示により搬送路2a、2bのいずれかに切り換える。用紙Sに対して後処理を行わない場合またはステープル綴じ機能を行う場合には、搬送路2bに切り換えられ、用紙折り機能を行う場合には、搬送路2aに切り換えられる。
用紙排出部64は、搬送路2bを搬送される用紙Sを機外に排出して、排出トレイ64aに収容させる。
積載トレイ部66は、ステープル綴じされた用紙束を収容する。ここでは、収容される用紙束の量が多くなるに連れて、積載トレイ部66が下降して、大容量の用紙束を収容することができるようになっている。
用紙折り部67は、搬送路2aを搬送される用紙Sを折る動作を行うものであり、折りローラー対81と、押込板82と、加熱部83と、スタッカー84と、押込板駆動モーター85と、スタッカーモーター86と、折りローラー駆動モーター87と、シフトモーター88と、用紙先端検出センサー89などを備える。
スタッカー84は、傾斜配置されており、複数枚の用紙Sが連続搬送される場合に、先行する用紙Sがスタッカー84に支持された状態で、次の用紙Sが、その先行する用紙Sの、折りローラー対81側に積み重ねられることにより、複数枚の用紙Sが用紙束の状態でスタッカー84に支持されるようになっている。
後処理制御部60は、用紙サイズが変わるごとに、そのサイズと目標の折り位置との関係に応じて予め決められた停止位置までスタッカー84の底部841を移動させて、その停止位置で静止させる。
押込板82は、搬送路2aを挟んで折りローラー対81に対向する位置に配置され、折りローラー対81の各ローラーと、その軸方向(用紙幅方向に相当)に沿う長さが同程度の長尺状になっており、搬送路2aに対して直角をなす矢印Gで示す方向に沿って移動自在に装置筐体(不図示)に支持されている。
この押込板82の押込動作と連動して、折りローラー対81が回転駆動され、目標の折り位置である部位が折りローラー対81のニップに押し込まれた用紙Sは、目標の折り位置の部位が先頭になった状態でニップに引き込まれ、ニップを通過する際に折りローラー対81の圧力により折られて折り目が付けられる。この折り動作は、1枚の用紙Sだけでなく、用紙束についても適用される。
図2は、折りローラー対81により2つに折られた用紙束Sbの先頭部Sfが加熱部83により加熱されている様子を示す模式図である。ここで、2つに折られた用紙束Sbは、内側から外側にかけてS1、S2・・S(n−1)、Snの順になっており、この数値1、2・・nは、画像形成装置1から出力された用紙Sの出力(搬送)順を示している。
発熱部92は、通電により発熱する面状発熱体である2つのヒーター921、922が上下方向に間隔をあけて対向配置されてなる。ヒーター921、922のそれぞれは、その用紙幅方向長さが最大サイズの用紙Sの幅方向長さよりも長いものが用いられている。
すなわち、加熱部83が加熱位置(実線)に存する状態で、2つに折られた用紙束Sbが折りローラー対81により搬送され、その先頭部Sfが伝熱体93の折り部931の位置に到達すると、折りローラー対81の回転が停止して用紙束Sbの搬送が停止される。
この停止状態では、伝熱体93が用紙束Sbの先頭部Sfに密着した状態で先端部Sfを包み込んだようになり、伝熱体93の熱が用紙束Sbの先頭部Sfに伝達され、先頭部Sfが加熱される。この加熱は、所定時間、例えば60〔秒〕継続される。
加熱部83が退避位置に退避されると、折りローラー対81が回転を再開し、加熱後の用紙束Sbを搬送路2d(一点鎖線)に沿って搬送して、収容トレイ67aに排出させる。これにより、2つ折りの後、加熱された用紙束Sbが収容トレイ67aに収容される。
この加熱部83の加熱制御と移動制御および加熱に伴う折りローラー対81の回転制御は、後処理制御部60により実行される。
後処理制御部60は、用紙搬入部61〜用紙折り部67、搬送モーター68などを統括的に制御して、画像形成装置1からの指示に基づき、画像形成装置1から出力された用紙Sに対する後処理、例えばステープル綴じ、用紙折りを円滑に実行させる。
そして、画像形成装置1から取得したプリント枚数(後処理すべき用紙枚数)に示される全ての枚数の用紙Sが搬送されたことを判断すると、画像形成装置1から加熱指示を受け付けた場合には、用紙折り部67を制御して、スタッカー84に支持されている1枚の用紙Sまたは用紙束Sbを2つ折りして、その後、加熱する折り動作を実行させる。一方、画像形成装置1から加熱禁止指示を受け付けた場合には、2つ折り後の加熱を行わせない制御を行う。
(2)画像形成装置1の制御部6の構成
図3は、制御部6の構成を示すブロック図である。
画像処理部105は、インターフェース部101を介して外部の端末装置から取得した画像データまたは原稿読取部4により読み取られた画像データを、Y、M、C、K色に対応する画像データに変換して、変換後の画像データをジョブ単位で画像メモリ106に格納させる。
図4は、後処理機能選択画面71の表示例を示す図であり、後処理機能選択画面71は、ステープル綴じ機能と2つ折り機能の選択を受け付ける欄72と、2つ折り後の加熱の要否の選択を受け付ける欄73を有する。
CPU102は、後処理機能選択画面71から、実行すべきジョブに対してユーザーによりステープル綴じ機能や用紙折り機能が選択された場合には、その旨と各機能に必要な情報(プリント枚数など)を後処理制御部60に指示して、選択された機能を後処理装置2に実行させる。
加熱領域特定部107は、ユーザーにより2つ折り機能が選択された場合に、画像形成されるべき用紙Sを1枚単位で、後処理装置2において2つ折りされる場合の折り位置を含む加熱領域を画像データに基づき特定する。
加熱領域Haは、折り位置CLを挟んで用紙搬送方向の上流側と下流側にそれぞれの折り位置CLから距離L(例えば、10〔mm〕)だけ離れた位置までの間の帯状領域であり、図2に示す加熱部83における加熱領域Waに相当し、予め決められている。この加熱領域Haは、2つ折りされた用紙束Sbを構成する各用紙Sに発熱部92からの熱が主に伝わる領域に相当する。なお、図5では、用紙Sに対して搬送方向に直交する方向が主走査方向、搬送方向に平行な方向が副走査方向になっている。
加熱領域Haは、主走査方向にz個の画素が並び、副走査方向にZ個の画素が並んでなる。ここでは、加熱領域Haに属する全画素に対し、主走査方向に何番目であり副走査方向に何列目に位置する画素であるかが予め番号付けされて管理されており、その番号により加熱領域Ha内の画素を特定できるようになっている。
画素の階調値とは、Y〜Kの各色共、ここでは0〜255までの範囲の数値で表され、階調値が大きくなるほど高濃度になり、小さくなるほど低濃度になって、各色ごとに256段階で階調再現を行えるようになっている。階調値とトナー付着量は、階調値が大きくなるほど高濃度になって、1画素当たりのトナー付着量(単位面積当たりの画像量)が多くなるという関係を有している。
例えば、1つの画素Pxyの階調値がDy=50、Dm=50、Dc=50、Dk=50であれば、画素Pxyのトナー付着量Dxyは、200になる。
具体的に、トナー付着量が閾値以下の場合には濃度補正処理を不要(禁止)、閾値を超える場合には濃度補正処理を必要と判断する。
図6は、トナー付着量とタッキングの程度との関係を示す図であり、加熱領域Ha内の画像のトナー付着量を段階的に変えたときにタッキングにより画質がどの程度低下するかを実験したときの結果を示している。実験は、加熱部83により用紙束を120〔℃〕で60秒間加熱することにより行われた。
タッキングの程度は、一例として、タッキングによる画質低下の程度を「5」〜「1」の5段階に分けて示している。タッキングによる画質低下の程度は、次のようにして評価された。
タッキングが発生していない場合には、一方の用紙Sの加熱領域Ha内のトナー像が他方の用紙Sの紙面に引っ付くことがなく、タッキングによりトナー像の画質が低下することはない。この場合、タッキングの程度は「5」とされた。
この画質低下の程度を、目視ではほとんど判らない場合を「4」、低下とまでは気づかない場合を「3」、ある程度、判る場合を「2」、はっきりと判る場合を「1」として、異なるトナー付着量ごとに、画質低下の程度を評価した。
そこで、濃度補正要否判断部109は、加熱領域Haに属する全ての画素のトナー付着量が閾値以下であれば、タッキングが発生することはないとして、各画素の濃度を低濃度に変更する濃度補正処理を不要と判断し、トナー付着量が閾値を超える画素が1個以上あれば、タッキングが発生する蓋然性が高くなることからそのタッキングによる画質低下を抑制すべく、濃度補正処理を必要と判断するとしている。この意味で、加熱領域Haは、形成画像の濃度を補正する必要があると想定される画像濃度補正対象領域といえる。
(3)制御部6によるジョブ実行時の画像データ出力処理の内容
図7は、ジョブ実行時の画像データ出力処理の内容を示すフローチャートであり、ジョブ実行に用いるべき画像データを画像メモリ106から読み出し、読み出した画像データに対して、必要に応じて上記の濃度補正処理を実行した後、プリント部5に出力する処理である。
加熱折りが選択されていないことを判断すると(ステップS1で「NO」)、当該ジョブの画像データを画像メモリ106から読み出してプリント部5に出力して(ステップS9)、当該処理を終了する。この場合、加熱折りが実行されないので、濃度補正処理は、実行されない。
この変数iは、ユーザーにより指定されたプリント枚数n(≧1)の用紙に対して1枚ずつ順に画像形成が実行される場合のその順番を示している。例えば、i=1は、1枚目の用紙、i=nは、n枚目の用紙を意味し、この順番が画像形成装置1から後処理装置2に用紙Sが出力される場合の出力順になる。
そして、濃度補正要否判断処理を実行する(ステップS4)。
同図に示すように、座標位置を示すxの値を「1」、yの値を「1」に設定する(ステップS11)。このx、yは、図5に示す加熱領域Haに属する画素をx軸とy軸の二次元の座標位置で特定する場合に用いる変数である。
取得した階調値Dy、Dm、Dc、Dkを全て足し合わせた値を、画素P11のトナー付着量D11として求め(ステップS13)、求めたトナー付着量D11のデータをRAM104内の所定の格納領域に記憶する(ステップS14)。この記憶は、RAM104に限られず、例えば別の記憶部内の所定の格納領域としても良い。
ここでは、変数xが値zに等しくないと判断して(ステップS15で「NO」)、現在の変数xに「1」をインクリメントした値を新たな変数xに設定し直して(ステップS16)、ステップS12に戻る。ここでは、変数xが「2」に設定される。
変数xが値zになるまで、ステップS12〜S16を繰り返し実行することにより、図5に示す1列目の画素(P11〜Pz1)のトナー付着量が記憶される。
ここでは、変数yが値Zに等しくないと判断して(ステップS17で「NO」)、現在の変数yに「1」をインクリメントした値を、ここでは「2」を新たな変数yに設定し直し(ステップS18)、さらに変数xを「1」に設定し直した後(ステップS19)、ステップS12に戻る。これにより、現在の変数xは「1」、変数yは「2」になり、階調値Dy〜Dkを取得する対象の画素は、P12になる。画素P12は、図5に示す2列目の第1番目の画素に相当する。
変数xが値zになるまで、ステップS12〜S16を繰り返し実行することにより、図5に示す2列目に属する各画素(P12〜Pz2)のトナー付着量がさらに記憶される。
変数yが値Zに等しくなると(ステップS17で「YES」)、記憶されている全画素のトナー付着量を参照して、全画素のうち、トナー付着量が閾値、ここでは125を超える画素が1以上あるか否かを判断する(ステップS20)。この閾値は、トナー付着量が当該値を超えると、タッキングによる画質低下が発生する蓋然性が高くなると想定される値であり、予め実験などにより決められる。
必要であると判断された場合には(ステップS5で「YES」)、濃度補正処理を実行して(ステップS6)、ステップS7に移る。不要であると判断された場合には(ステップS5で「NO」)、濃度補正処理を行わず(スキップして)、ステップS7に移る。
同図に示すように、まずトナー減少量決定処理を実行する(ステップS101)。このトナー減少量決定処理は、加熱領域Haに属する各画素の濃度低下量を決定するための処理である。
同図に示すように、加熱領域Haに属する全画素のトナー付着量のうち、最大値Dmaxを取得する(ステップS111)。この取得は、RAM104に格納されているトナー付着量のデータを参照することにより行われる。
そして、取得したトナー付着量の最大値Dmaxに対応するトナー減少量Tを求める(ステップS112〜S120)。
すなわち、126≦トナー付着量の最大値Dmax≦150の場合(ステップS112で「YES」)、トナー減少量Tを5〔%〕にセットして(ステップS113)、リターンする。このトナー減少量T〔%〕は、本来のトナー付着量に対する減少量を百分率で表したものである。
201≦最大値Dmax≦250の場合(ステップS116で「YES」)、トナー減少量Tを20〔%〕にセットして(ステップS117)、リターンする。
251≦最大値Dmax≦500の場合(ステップS118で「YES」)、トナー減少量Tを30〔%〕にセットして(ステップS119)、リターンする。
このようにトナー付着量(最大濃度)が大きくなるに伴って、トナー減少量T(画像濃度の低下量)も大きくする構成をとれば、トナー付着量が少なければトナー減少量Tを小さい値に設定できる。
例えば、トナー減少量T〔%〕と階調値の低下率〔%〕の関係が、トナー減少量Tがh〔%〕のとき、階調値の低下率が(係数k×h)〔%〕になるように設定されていれば、Y〜K色ごとに、画素の階調値を、画像データに基づく本来の値に対して、(k×h)〔%〕だけ低下した値に補正する処理が実行される。階調値が低下すると画像濃度も低下する関係があることから、階調値を補正することは、濃度を補正することと同義といえる。
階調値の補正は、Y〜K色ごとに、加熱領域Haに属する画素のそれぞれに対して順次、実行されるが、どの画素に対しても階調値の低下率は、(係数k×h)で一律になっている。これにより、加熱領域Haに属する全画素のY〜K色の階調値が、決定されたトナー減少量Tに応じた量、すなわち(係数k×h)〔%〕だけ低い値に補正される。
図7に戻って、ステップS7では、現在の変数iに「1」をインクリメントした値を、新たな変数iに設定し直す。上記例では、i=1であったので、i=2となる。
i>nであるということは、当該ジョブによる全枚数nの用紙Sへの画像形成に用いるべき画像データに対して、ステップS3〜S6の濃度補正要否判断と必要な濃度補正処理が完了していることになり、i>nではない、すなわちi≦nということは、まだ完了していないことになる。現在の変数iが1の場合、全枚数nが1枚であれば、i>nと判断し、全枚数nが複数枚であれば、i>nではないと判断する。
この特定方法は、1枚目の用紙Sに対する上記の方法と同様である。これ以降、ステップS4〜S6において、2枚目の用紙Sに対する濃度補正要否判断処理を実行した後、濃度補正が必要な場合には濃度補正処理を実行する。
i>nと判断されるまで、ステップS3〜S8の処理を繰り返し実行する。
これにより、1枚目〜n枚目の順に、その用紙Sの加熱領域Haへの画像形成に用いるべき画像データに対して、(a)濃度補正が必要と判断された場合には、加熱領域Haに属する各画素の階調値をトナー減少量Tの大きさに応じた低い値に補正し、(b)濃度補正が不要と判断された場合には、補正が実行されないことになる。
プリント部5は、制御部6から出力された画像データに基づき、n枚の用紙Sに対する画像形成を実行して、画像形成後のn枚の用紙Sを1枚ずつ後処理装置2に出力する。
従って、画像形成後のn枚の用紙Sが後処理装置2において用紙束Sbとして2つ折り後に加熱部83で加熱されたとしても、その用紙束Sbに加熱によるタッキングの発生を抑制することができ、濃度補正処理を実行しない構成に比べて、タッキングによる画質低下の抑制を図ることができる。
トナー付着量Dが閾値を超える画素が存在していても、その個数が少なければタッキングによる画質低下にまで至らない場合もあり得、このような場合に適している。画素の個数は、予め実験などにより適した値を決めることができる。
上記実施の形態1では、トナー付着量の最大値Dmaxの大きさに基づきトナー減少量Tの大きさを決定するとしたが、本実施の形態2では、決定されたトナー減少量Tを補正するとしており、この点で実施の形態1と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
同図に示すように、濃度補正処理は、ステップS101、S201、S102が順に実行され、実施の形態1に対して、トナー減少量補正処理(ステップS201)が追加されている。
同図に示すように、画像形成の対象である全n枚の用紙Sが用紙束Sbとして後処理装置2において2つ折りされる場合に、1〜n枚目のうち、i枚目の用紙Sが、用紙束Sbの外側から内側に向かって何番目になるのか求める(ステップS211)。
ここで、何番目とは、図2に示す2つ折り後の用紙束Sbのうち、i枚目の用紙Sが最も外側の用紙Snから最も内側の用紙S1に向かって数えて何枚目の用紙Sになるかという意味である。
図13に戻り、ステップS212では、トナー減少量Tの補正量δを求める。具体的には、(J−1)に、係数、ここでは0.5を乗算した値を補正量δとする。
補正量δが大きくなる、すなわち外側からの枚数Jの値が大きくなるほど、決定されたトナー減少量Tが小さな値になるように補正される。このように補正するのは、次の理由による。
用紙Sに熱が伝わり難くなるということは、伝熱量が少なくなり、加熱によるタッキング発生の蓋然性が低くなることを意味するので、用紙Sごとに、トナー付着量の最大値Dmaxが同じであっても、内側に位置する用紙Sほど、トナー減少量Tを小さくしても、タッキング発生を抑制することができるからである。
一方、値Taが0よりも小さい値(マイナス)になれば(ステップS214で「NO」)、トナー減少量Tを「0」に決定して(ステップS216)、リターンする。
このように用紙束Sbを構成する用紙S1〜S(n−1)の1枚ごとに、その用紙Sの加熱領域Haへの画像形成に用いるべき画像データの濃度補正が、トナー減少量補正処理(ステップS201)で補正されたトナー減少量Tに応じて実行されることになる。この意味で、トナー減少量補正処理は、濃度補正制御による画質への影響を抑制させるための抑制制御といえる。
なお、上記では、外側からの枚数Jが用紙1枚単位で増えるごとに、トナー減少量Tが0.5(=係数)ずつ少なくなる例を説明したが、これに限られない。用紙束Sbのうち、最も外側の用紙Snについては、トナー減少量Tが補正されないことを前提に、外側からの枚数Jの値が大きくなるに伴って補正量δが大きくなる構成をとることができる。
また、トナー減少量Tを補正する対象の用紙Sを、用紙束Sbのうち、最も外側の用紙Snを除く全ての(n−1)枚としたが、これに限られない。例えば、途中までの各用紙S、すなわち最も外側からの枚数が、2以上かつ(n−1)以下を満たすq枚目までの用紙Sを対象とすることもできる。
具体的には、1枚目からn枚目までの用紙Sごとに、外側からの枚数Jが大きくなるほど図10のステップS113、S115などのトナー減少量Tの値が小さくなるように、トナー減少量Tの値を切り換える構成をとることができる。
上記実施の形態1では、1枚の用紙Sごとに、加熱領域Haを画像濃度補正対象領域(以下、「補正対象領域」と略す。)として、加熱領域Haだけについて、形成画像の濃度を本来の濃度よりも低い濃度に補正することにより、2つ折り後の加熱によるタッキングの発生を抑制させる構成例を説明したが、本実施の形態3では、補正対象領域を、加熱領域Haだけでなく、これ以外の領域にも拡張するとしており、この点で実施の形態1と異なっている。
同図に示すように、副走査方向に加熱領域Haを挟む、加熱領域Ha以外の外側領域HbとHcが拡張領域になっており、領域HaとHbとHcを含む全体領域が補正対象領域になっている。なお、同図に示すLwは、用紙Sの幅(用紙幅)であり、Qは、加熱領域Haから副走査方向に沿って遠ざかる方向に進んだときの距離である。
一方、拡張領域Hb、Hcに属する各画素については、距離Qが大きくなるに伴って、トナー減少量Tを小さくする補正を行うことにより画像濃度の下げ幅を加熱領域Haよりも小さくしていく制御が実行される。
すなわち、2つ折りされた後の用紙Sが加熱される場合、加熱領域Haに付与された熱は、用紙Sごとに、1枚の用紙S内において加熱領域Haだけに留まらず、加熱領域Haからその外側にも伝導される。この加熱領域Haの外側に伝導された熱によりその外側の領域の温度も上昇すると、その上昇温度によっては、加熱領域Haの外側の領域でもタッキングが発生するおそれが生じる。
加熱領域Haの外側への伝熱量が少なくなるということは、加熱によるタッキング発生の蓋然性が低くなることを意味するので、加熱領域Haからの距離Qが大きくなるに伴ってトナー減少量Tを小さくしても、タッキング発生を抑制することができるからである。
図15は、実施の形態3に係る濃度補正処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
図16は、拡張領域のトナー減少量決定処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
この変数eは、図14に示す拡張領域Hb、Hcを複数の部分領域に分割したときのその部分領域の番号を示している。
具体的には、拡張領域Hbを副走査方向の幅が例えば1〔mm〕、主走査方向長さが用紙幅Lwの長方形からなる短冊状の複数個の部分領域Uに分割し、各部分領域Uを加熱領域Haに近いものから遠いものの順にU1(斜線部)、U2・・Umとしたときのその番号である。加熱領域Haから最も遠い部分領域がUmになる。拡張領域Hcについても同様である。
具体的には、変数eを10で除した値を補正量δとする。変数eが1であれば、補正量δは、0.1になる。
そして、トナー減少量決定処理で決定された加熱領域Haに属する各画素に対するトナー減少量T〔%〕から、補正量δを差し引いた値Tqを求める(ステップS313)。この値Tqが補正後のトナー減少量Tになる。なお、Tqが負になれば、後述のようにトナー減少量Tが0にされる。
例えば、eが1であれば、部分領域U1に属する全画素が特定され、変数eが2であれば、部分領域U1の隣の部分領域U2に属する全画素が特定される。
値Tqが0以上であれば(ステップS315で「YES」)、値Tqを、特定した全画素に対するトナー減少量Tに設定して(ステップS316)、ステップS318に移る。
なお、値Tqが負になれば(ステップS315で「NO」)、特定した全画素に対するトナー減少量Tを「0」に設定して(ステップS317)、ステップS318に移る。
ステップS318では、現在の変数eが値m以上であるか否かを判断する。
ステップS312では、現在の変数eに対する補正量δを求める。変数eが2であれば、補正量δは、0.2になる。
ステップS318で現在の変数eがm以上でないと判断すると、ステップS319で変数eに「1」をインクリメントした値が新たな変数e、例えば3に設定し直された後、再度、ステップS312に戻る。ステップS312〜S317では、部分領域U3(図14)に属する全画素に対するトナー減少量Tが、例えば9.7〔%〕に決定される。
変数eがm以上と判断されると(ステップS318で「YES」)、拡張領域Hb、Hcに属する各画素に対するトナー減少量Tの決定が完了したとして、リターンする。
同図に示すように、部分領域U1に対するトナー減少量Tが9.9〔%〕、部分領域U
2に対するトナー減少量Tが9.8になり、部分領域の番号が大きくなる、すなわち加熱領域Haからの距離Qが遠ざかるに伴ってトナー減少量Tが少なくなるように決定されることが判る。
これにより、拡張領域Hb、Hcに属する画素の階調値が、画像データに基づく本来の階調値よりも補正後のトナー減少量Tの大きさに応じた量だけ低い値に書き換えられ、その分、画像形成後の用紙Sにおける拡張領域Hb、Hc内の画像濃度も本来の濃度より低い濃度で再現されることになる。
従って、2つ折りされた用紙束Sbの加熱時の熱が1枚の用紙Sごとに加熱領域Haから拡張領域Hb、Hcに伝わり、拡張領域Hb、Hcの温度がある程度、上昇し易い構成であっても、拡張領域Hb、Hcでのタッキング発生を抑制することができる。
なお、上記では、1枚の用紙Sの片面のうち、加熱領域Haを除く全ての領域を拡張領域Hb、Hcとする構成例を説明したが、これに限られない。例えば、加熱領域Haから所定距離(10〔mm〕など)だけ離れた位置までの一部の領域を拡張領域とすることもできる。このようにすれば濃度補正の対象となる画素数を減らすことができ、制御部6による濃度補正の処理負担を軽減することができる。
さらに、拡張領域Hb、Hcを副走査方向に1〔mm〕幅の短冊状の長方形からなる複数の部分領域に分割したときの1〔mm〕幅の単位で段階的に画像濃度を補正するとしたが、これに限られない。例えば、1画素単位、または所定の複数個、例えば10画素の単位などで画像濃度を補正するとしても良い。
上記実施の形態3では、用紙Sごとに、補正対象領域を加熱領域Haよりも拡張する例を説明したが、本実施の形態4では、用紙束Sbを構成するn枚の用紙Sのうち、最も外側の用紙Snに対しては補正対象領域を加熱領域Haとし、用紙Snよりも内側に位置する用紙S1〜S(n−1)のそれぞれに対しては補正対象領域を加熱領域Haよりも縮小するとしており、この点で実施の形態3と異なっている。
同図は、用紙束Sbのうち、最も内側の用紙S1における補正対象領域αの幅Lαが加熱領域Haの幅の半分程度に縮小されている例を示している。
このように補正対象領域αを縮小するのは、次の理由による。
すなわち、上記実施の形態2で説明したように2つ折りされた用紙束Sbを加熱した場合の熱は、用紙束Sbを構成する各用紙Sに外側から内側に徐々に伝わっていくが、内側に位置する用紙Sほど熱が伝わり難く、加熱によるタッキング発生の蓋然性が低くなる。
用紙Sの、加熱領域Waに入り込む量が少なくなるということは、それだけ加熱部83により加熱される領域も少なくなることを意味する。このことは、特に、厚みの厚い用紙Sが使用される場合や用紙束Sbの用紙枚数が多い場合に顕著となる。
このようにタッキング発生の抑制効果を一定以上に得つつ、かつ、補正対象領域αを小さくするほど、画像データに基づく本来の濃度で画像形成を実行できる領域が増えることになるので、見た目の画質への影響をより少なくすることができる。
図19は、本実施の形態4に係る画像データ出力処理の内容の一部だけ抜き出して示すフローチャートである。
図20は、補正対象領域決定処理(ステップS40)のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
次に、補正量δを求める(ステップS402)。補正量δは、(外側からの枚数J−1)に係数、ここでは0.1を乗算することにより求められる。
用紙束Sbを構成する用紙Sごとに、外側からの枚数Jの値が大きくなる、すなわち補正量δが大きくなるほど、補正対象領域αの幅Lαが小さな値になるように補正される。
値Lαが0以下であれば(ステップS404で「NO」)、補正対象領域αを設けないことを決定して(ステップS406)、リターンする。
厚みW1が小さい場合には、内側の用紙Sに対して補正対象領域αの幅Lαを狭くしない方がタッキング発生の抑制効果を得られ易くなることがあり得るからである。
〔実施の形態5〕
上記実施の形態1〜4では、1枚の用紙単位でその用紙Sへの画像形成に用いるべき画像データに対して濃度補正処理を実行するとしたが、本実施の形態5では、2つ折り後の冊子状の用紙束Sbを見開き状態にしたときに折り位置CLを挟んで左側と右側の各ページ別に、そのページへの画像形成に用いるべき画像データに対して濃度補正処理を実行するとしており、この点で実施の形態1〜4と異なっている。
2つ折りされた用紙束Sbを見開き状態にしたときに偶数ページと奇数ページがページ順になるように、例えば用紙S3の第2面に第2ページと第11ページが割り付けられ、用紙S2の第1面に第3ページと第10ページが割り付けられている。
このように第2ページと第3ページは、左側と右側に並ぶ関係になるが、異なる用紙S3とS2に割り付けられるので、仮に、同図に示すように見開き状態のときに第2ページと第3ページに形成された画像500が両ページに跨るような画像であった場合、画像500の第2ページに属する画像部分50Lと第3ページに属する画像部分50Rとは、別々の用紙S2とS3に形成される。
ここで、図23(a)と(b)では、用紙Sごとに、折り位置CLを挟んで加熱領域Haを左側と右側に2等分したときに、加熱領域Haのうち、折り位置CLよりも左側の部分を左側加熱領域(左側特定領域)HaLと、折り位置CLよりも右側の部分を右側加熱領域(右側特定領域)HaRに分けて示している。
また、図23(b)に示すように、用紙S2とページ順との関係は、用紙S2の第1面の左側に第10ページが位置し、右側に第3ページが位置し、この用紙S2を裏返しにして見たときに、その第2面の左側に第4ページが位置し、右側に第9ページが位置する関係になっている。
第2ページと第3ページに跨る画像500の、第2ページの左側加熱領域HaLに属する画像部分La(斜線部)と、第3ページの右側加熱領域HaRに属する画像部分Ra(斜線部)は見開きの状態で連続する画像になっている。
例えば、画像部分Laにおけるトナー付着量の最大値Dmaxが510であれば、図10によりトナー減少量Tは50〔%〕になり、画像部分Raにおけるトナー付着量の最大値Dmaxが500であれば、トナー減少量Tは30〔%〕になる。
このような連続する画像部分LaとRaに元の濃度差よりも大きな濃度差が付けば、ユーザーが目視したときに画質低下を感じ易くなるおそれがある。
図24は、本実施の形態5に係る画像データ出力処理の内容を示すフローチャートである。同図に示すように、加熱折りが選択されたか否かを判断する(ステップS51)。この判断は、上記ステップS1と同じ方法で行われる。
加熱折りが選択されたことを判断すると(ステップS51で「YES」)、変数iを「1」に設定する(ステップS52)。変数iは、1以上の整数であり、ここでは用紙枚数ではなく、後処理装置2において用紙束Sbの状態で2つ折りされる場合の見開きページのページ数を特定するために用いられる。なお、本実施の形態5では、上記のように1枚の用紙Sの両面(第1面と第2面)に2ページずつが割り付けられるので、n枚の用紙Sからなる用紙束Sbの全ページ数は、(4×n)ページになる。
図25は、見開き濃度補正処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートであり、本実施の形態5では、濃度補正部110が当該処理の実行を担当する。
同図に示すように、第(2×i)ページ、ここではi=1として、第2ページの左側加熱領域HaLに属する画素を特定する(ステップS501)。この画素の特定は、画像メモリ106に格納されている第2ページに対応する画像データのうち、左側加熱領域HaLの画像データを参照することにより実行される。
この情報を参照することにより、第2ページが3枚目の用紙S3の第2面の左側に位置することが判り、その位置に形成すべき画像データが左側加熱領域HaLの画像データとして読み出される。
この濃度補正要否判断処理は、実施の形態1の濃度補正要否判断処理(図8)と基本的に同じであるので、説明は省略するが、図8に示すステップS17の値Zが(Z/2)に置き換えられる。なぜなら、左側加熱領域HaLが加熱領域Haを2等分したときの左側に位置する領域なので、変数yの可変範囲が1〜(Z/2)の範囲になるからである。
このトナー減少量仮決定処理は、実施の形態1のトナー減少量決定処理(図10)と基本的に同じであるので、説明は省略するが、図10に示すステップS111の「加熱領域」が「第2ページの左側加熱領域HaL」に置き換えられる。これにより、第2ページの左側加熱領域HaLに対するトナー減少量TRが仮決定される。ここで、仮決定としているのは、後述のように見開きの関係にある第3ページの右側加熱領域HaRに対するトナー減少量TLの大きさによっては変更される可能性があるからである。
ステップS506では、第(2×i+1)ページ、ここでは用紙S2の第1面の右側に位置すべき第3ページの右側加熱領域HaRに属する画素を特定する。この画素の特定は、画像メモリ106に格納されている第3ページに対応する画像データのうち、右側加熱領域HaRの画像データを参照することにより実行される。
この濃度補正要否判断処理は、上記のステップS502と同様に、実施の形態1の濃度補正要否判断処理と基本的に同じであるので、説明は省略するが、図8に示すステップS11の「y=1」が「y=Z/2」に置き換えられる。この置き換えは、右側加熱領域HaRに対する変数yの可変範囲が(Z/2)〜Zの範囲になるからである。
このトナー減少量仮決定処理は、上記のステップS504と同様に、実施の形態1のトナー減少量決定処理と基本的に同じであるので、説明は省略するが、図10に示すステップS111の「加熱領域」が「第3ページの右側加熱領域HaR」に置き換えられる。これにより、第3ページの右側加熱領域HaRに対するトナー減少量TRが仮決定される。
ステップS511では、決定されたトナー減少量TRがTL以上であるか否かを判断する。TR≧TLと判断すると(ステップS511で「YES」)、見開きの関係にある第2ページの左側加熱領域HaLと第3ページの右側加熱領域HaRの両方に対応するトナー減少量TをTRに本決定して(ステップS512)、ステップS514に移る。
このように第2ページの左側加熱領域HaLに対応するトナー減少量Tと、第3ページの右側加熱領域HaRに対応するトナー減少量T(低下率)を同じ値にするのは、見開きの状態で連続する左側加熱領域HaLと右側加熱領域HaRに跨る画像の濃度差をできるだけ付けないようにして、見た目の画質への影響をより少なくするためである。
ステップS514では、第2ページの左側加熱領域HaLに属する全画素を対象に、上記本決定されたトナー減少量Tに応じて階調値を画像データに基づく本来の値よりも低い値に補正する濃度補正を実行する。
続いて、第3ページの右側加熱領域HaRに属する全画素を対象に、本決定されたトナー減少量Tに応じて階調値を画像データに基づく本来の値よりも低い値に補正する濃度補正を実行して(ステップS515)、リターンする。
ステップS55では、変数iが最後の値であるか否かを判断する。最後の値とは、最も後ろの見開きページの偶数ページを2で除した値であり、例えば図26の例では、最も後ろの見開きページが第10ページと第11ページになるので、「5」になる。
ステップS53の見開き濃度補正処理では、変数i=2の場合に見開きページである第4ページと第5ページの両方に対して同じ値のトナー減少量Tを決定し、第4ページの左側加熱領域HaLに属する全画素および第5ページの右側加熱領域HaRに属する全画素を対象にそのトナー減少量Tに応じて濃度補正を実行する。
図27は、表紙/裏表紙濃度補正処理の内容の一部だけを抜き出して示すフローチャートである。表紙/裏表紙濃度補正処理は、見開きの関係になる表紙と裏表紙に相当する各ページ、図21の例では用紙S3の第1面の右側に位置する第1ページ(表紙)と左側に位置する第12ページ(裏表紙)に対して、同じ値のトナー減少量Tに基づき濃度補正を実行する処理である。
図27に示すように、ステップS521では、最後のページ(裏表紙に相当)、図21の例では第12ページの左側加熱領域HaLに属する画素を特定する。この画素の特定は、ステップS501と同様の方法が用いられる。すなわち、画像メモリ106に格納されている第12ページに対応する画像データのうち、左側加熱領域HaLの画像データを参照することにより実行される。
ステップS522では、第1ページ(表紙に相当)の右側加熱領域HaRに属する画素を特定する。この画素の特定は、ステップS506と同様の方法が用いられる。すなわち、画像メモリ106に格納されている第1ページに対応する画像データのうち、右側加熱領域HaRの画像データを参照することにより実行される。
これにより、上記と同様に、第1ページの右側加熱領域HaRに対するトナー減少量TRが仮決定され(ステップS507〜S510)、仮決定されたトナー減少量TRとTLのうち、大きい方がトナー減少量Tに本決定された後(ステップS511〜S513)、第1ページの右側加熱領域HaRと第12ページの左側加熱領域HaLのそれぞれに属する全画素を対象に、そのトナー減少量Tに応じて階調値を画像データに基づく本来の値よりも低い値に補正する濃度補正が実行される(ステップS514〜S515)。
上記のように1枚の用紙Sには4ページが割り付けられるので、全ページ数を4で除した値が用紙枚数nになる。プリント部5では、そのn枚の各用紙Sに対して予め割り付けられたページがページ順に並ぶように、各用紙Sの第1面と第2面に順次、両面プリントが実行される。画像形成後のn枚の用紙Sは、1枚ずつ後処理装置2に出力され、後処理装置2において、n枚からなる用紙束Sbが2つ折りされた状態で、例えばn=3の場合には図21に示す状態で、加熱された後、トレイ67aに排出される。
また、上記では1つの加熱領域Haを見開きである偶数ページの左側加熱領域HaLと奇数ページの右側加熱領域HaRに分割し、その左側加熱領域HaLに対するトナー減少量TLと右側加熱領域HaRに対するトナー減少量TRのうち、大きい方のトナー減少量を、両方の領域HaLとHaRに対する同一のトナー減少量Tとする構成例を説明したが、これに限られない。
具体的には、同一の用紙Sの同一の面に、ページ順となる偶数ページと奇数ページとが並存するページ、上記の例では第6ページと第7ページについては、左側加熱領域HaLと右側加熱領域HaRとが用紙S1の第2面に存することになるので、左側加熱領域HaLと右側加熱領域HaRに分けずに、1つの加熱領域Haを対象にしてトナー減少量Tを求めても同じ結果が得られるからである。
なお、1つの加熱領域Haを対象にしてトナー減少量Tを求めることは、用紙S3の第1面の第1ページ(表紙)と第12ページ(裏表紙)についても適用することができる。この場合も同様に、第1ページと第12ページに対しては、ステップS53、S54に代えて、ステップS3〜S7と同様の処理を適用するとしても良い。
上記実施の形態1〜5では、2つ折り後に加熱される用紙束Sbを構成する各用紙Sの加熱領域Haに属する画像濃度が低下するように、濃度補正処理において画像メモリ106に格納されている画像データの各画素の階調値を補正するとしたが、本実施の形態6では、画像データではなく、画像形成の際の制御対象、例えば露光量を可変することにより、形成画像の濃度を低下させるとしており、この点で実施の形態1〜5と異なっている。
図28に示すようにステップS601では、加熱領域Haに属する画素の1つずつに対してトナー減少量Tに応じて露光量の下降量Epを決定する処理を実行する。
図29は、露光量補正情報602の内容を示す図である。
同図に示すように露光量補正情報602は、トナー減少量T〔%〕と露光量の下降量Ep〔露光時間/画素〕とが対応付けされた情報である。
画像濃度と露光量とは、画像濃度が低くなるほど露光量が少なくなるという関係を有するので、トナー減少量Tと露光量の下降量Epは、トナー減少量Tが多くなる(濃度が低くなる)に伴って、露光量の下降量Epが大きくなる(露光量が少なくなる)という関係を満たすことになる。
加熱領域Haに属する画素の1つずつに対して露光量の下降量Epが決定されると、画素ごとに、その決定された下降量Epが対応付けされて記憶される。
実際のジョブ実行時には、加熱領域Haに属する画素の1つずつに対し、その画素の画像データに基づく本来の階調値に対して予め決められた露光量の基準値Esから、記憶されている下降量Epを差し引いた露光量Eaで露光が実行されるように、露光部13Y〜13K(制御対象部)の発光素子(不図示)が制御される。
このように画像形成動作の一工程である露光部13Y〜13Kを制御対象部として露光量を制御することにより、画像メモリ106に格納されている画像データの各画素の階調値を補正しなくても、画像形成時に加熱領域Ha内の形成画像の濃度をトナー減少量Tに応じた分だけ低下させることができ、2つ折り後の用紙束Tbを加熱する際のタッキングの発生を抑制することができる。
上記実施の形態6では、画像形成の際の制御対象として、露光量を可変制御する場合の例を説明したが、本実施の形態7では、一次転写時の転写バイアスとしており、この点で実施の形態6と異なっている。
転写バイアス、ここでは転写電圧を絶対値で低下させると、その低下分、一次転写時に感光体ドラム11Y〜11Kから中間転写ベルト21に移動するトナー量が減り、転写前のトナー像に対して転写後のトナー像の濃度を低下させることができるからである。
図30に示すようにステップS701では、i枚目の用紙Sの加熱領域Haに対するトナー減少量Tに応じて転写バイアスとしての転写電圧の下降量Fpを決定する処理を実行する。この決定は、転写電力補正情報を参照することにより行われる。
同図に示すように転写電力補正情報702は、トナー減少量T〔%〕と転写バイアスの下降量(絶対値)Fp〔V〕とが対応付けされた情報であり、トナー減少量Tが多くなるに伴って、転写バイアスの下降量Fpが大きくなるという関係を満たしている。
転写電力補正情報702は、予め実験などによりトナー減少量Tだけ濃度を低下させるのに適した転写バイアスの下降量Fpが決められて、ROM103などに格納される。
実際のジョブ実行時には、n枚の用紙Sの1枚ごとに、その用紙Sに対する画像形成動作時の一次転写工程の際に、転写バイアスが絶対値で小さくなるように、予め決められた転写バイアスの基準値Fsから、その用紙Sの加熱領域Haに対して決定された下降量Fpを差し引いた転写バイアスFaが一次転写ローラー24Y〜24Kに供給されるように、制御対象部としての転写電力供給部28が制御される。
なお、上記では、転写バイアスを転写電圧とした場合の例を説明したが、これに限られず、転写電流を用いるとしても良い。また、制御対象を一次転写時の転写バイアスとしたが、これに代えて、例えば二次転写時の転写バイアスとしても良い。さらに、これらの両方としても良い。
例えば、二次転写時の転写バイアスを可変する場合には、1枚の用紙Sにおける加熱領域Haが転写ニップNを通っている間にだけ、そのタイミングに合わせて転写バイアスを基準値Fsから下降量Fpだけ下げる制御を行うことができる。一次転写時の転写バイアスについても同様に、加熱領域Haに形成されるべき画像が中間転写ベルト21に一次転写されるときにだけ転写バイアスを下げる制御を行うことができる。
帯電電位を絶対値で低下させると、その低下分、現像後のトナー像の濃度を低下させることができるからである。帯電電位の可変は、制御対象部としての帯電部12Y〜12Kに設けられる帯電チャージャーや帯電ローラーなどの帯電部材に供給される帯電電圧を可変することに行われる。
帯電電位補正情報は、トナー減少量Tが多くなるに伴って、帯電電圧の下降量Vpが大きくなるという関係を満たす情報であり、予め実験などによりトナー減少量Tだけ濃度を低下させるのに適した帯電電圧の下降量Vpが決められる。
上記では、画像形成動作の一工程において画像濃度を可変可能な制御対象部を、露光部や転写部などとした場合の例を説明したが、これに限られない。例えば、上記に代えて、現像部14Y〜14Kを制御対象部として、現像剤担持体の一例としての現像ローラー141に供給される現像バイアス電圧を可変する構成をとることもできる。
図32は、現像バイアス電圧を用いる構成例における濃度補正処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
図33は、現像バイアス補正情報712の内容を示す図である。
同図に示すように現像バイアス補正情報712は、トナー減少量T〔%〕と現像バイアス電圧の下降量(絶対値)Dp〔V〕とが対応付けされた情報であり、トナー減少量Tが多くなるに伴って、現像バイアス電圧の下降量Dpが大きくなるという関係を満たしている。用紙束Sbを構成するn枚の用紙Sの1枚ごとに、その用紙Sにおける加熱領域Haに対する現像バイアス電圧の下降量Dpが決定される。
なお、上記では、用紙1枚単位で、その用紙Sに形成されるべき画像に対して一律に現像バイアス電圧Daを適用するとしたが、例えば1枚の用紙Sにおける加熱領域Ha以外に形成されるべき画像に対しては基準値Dsを適用し、加熱領域Haだけに対してDaを適用する構成をとることもできる。
上記実施の形態1〜7では、2つ折りされた用紙束Sbを加熱したときのタッキング発生を抑制するために、用紙Sにおける加熱領域Haに形成されるべき画像の濃度を低下させる構成としたが、本実施の形態8では、本来、加熱領域Haに属するべき画像を縮小などの処理により、加熱領域Ha以外の外側領域に形成させる構成としており、この点で実施の形態1〜7と異なっている。
「縮小前」の例では、1枚の用紙Sにおける片面の全域(画像形成可能な全体領域)を、加熱領域Haと、これ以外の領域(外側領域)HLとHRに分けたとき、形成されるべき画像領域IAが加熱領域Haとこれ以外の外側領域HRの両方に跨っている場合を示している。
これにより、「縮小後」の例に示すように、縮小後の画像領域IArの形成位置が加熱領域Haの外に変更され、変更前の形成位置である加熱領域Ha内に元の画像部分Ipが存在しなくなるので、縮小後の画像部分Iq(斜線部)に高濃度の画素が含まれていても、画像部分Iqが原因でタッキングが発生することを防止できるようになる。
縮小後の画像領域IArの主走査方向長さX2は、X11に等しく、画像領域IArの副走査方向長さY2は、Y1×(X11/X1)になり、画像領域IArの主走査方向中央の位置は、縮小前と同じXmになる。
この縮小は、縮小前の画像領域IAに属する各画素が縮小率Rdの大きさに応じて主走査方向と副走査方向のそれぞれに間引かれることにより実行される。
なお、縮小後には、加熱領域Haに画像部分Ipが存在しなくなるので、加熱領域Haのうち、画像部分Ipが属していた領域の各画素の階調値を例えば一律に0に書き換える処理も実行される。この座標位置などの書き換えは、後述のシフト処理でも実行される。
図35に示すように、画像メモリ106に格納されている画像データのうち、i枚目の用紙Sへの画像形成に用いられるべき画像データを参照して、画像が形成されるべき画像領域を判別する(ステップS801)。
判別された1以上の画像領域のうち、加熱領域Haと一部が重複する画像領域IAを特定する(ステップS802)。この重複の有無は、加熱領域Haと画像領域IAの座標位置を参照することにより判断される。
図35のステップS803では、特定した画像領域IAに対する縮小倍率Rdを決定する。縮小倍率Rdは、上記のようにX11をX1で除することにより求められる。
縮小倍率Rd〔%〕が所定値以上であることを判断すると(ステップS804で「YES」)、画像領域IAが基準位置Ycを基準に縮小倍率Rdで画像領域IArまで縮小されるように、i枚目の用紙Sに形成されるべき画像領域IAの座標位置を書き換えて(ステップS805)、リターンする。すなわち、画像領域IAの全体が加熱領域Ha(特定領域)から出る位置まで縮小させた場合の座標位置に書き換える。
なお、縮小倍率Rdは、用紙束Sbを構成する各用紙Sの外側からの枚数Jが大きくなるに伴って、(X11/X1)<Rd<1を満たす範囲内で大きくする(1により近い値にする)こともできる。この場合、縮小後の画像領域IArの一部が加熱領域Ha内に属したままになる。
図36は、画像をシフトする構成例を説明するための模式図であり、シフト前とシフト後の例をそれぞれ示している。
同図の「シフト前」の例に示すように、形成されるべき画像領域IAの一部Ip(斜線部)が加熱領域Haと重複している場合、画像領域IAの全体を加熱領域Haから副走査方向に沿って遠ざかる方向(同図の右方向)にシフトすることにより、「シフト後」の例に示すように画像領域IAの形成位置を加熱領域Haの外に変更することができる。これにより、変更前の形成位置(加熱領域Ha)に画像領域IAが存在しなくなる。
同図に示すように、i枚目の用紙Sへの画像形成に用いられるべき画像データを参照して、画像が形成されるべき画像領域を判別し(ステップS811)、加熱領域Haと一部が重複する画像領域IAを特定する(ステップS812)。このステップS811とS812は、上記のステップS801とS802と同じものである。
そして、画像領域IAの端縁Isと用紙Sの端縁Spとの間の副走査方向長さXbを求める(ステップS814)。このXbも、Xaと同様に、画像領域IAの端縁Isと用紙Sの端縁Spの各座標位置に基づき求められる。
Xa≦Xbであることを判断すると(ステップS815で「YES」)、画像領域IAが加熱領域Haから副走査方向に距離Xaだけ遠い位置までシフトされるように、画像領域IAの座標位置を書き換えて(ステップS816)、リターンする。すなわち、画像領域IAの全体が加熱領域Ha(特定領域)から出る位置までシフトさせた場合の座標位置に書き換える。
また、上記の縮小の場合と同様に、用紙束Sbを構成する各用紙Sの外側からの枚数Jが大きくなるに伴って、用紙Sごとにシフト量を、0<シフト量<Xaを満たす範囲内で小さくする構成をとることもできる。枚数Jがどの値になったときに、シフト量をXaよりもどれだけ小さくするかは、予め実験などにより決めることができる。
縮小処理2を実行するのは、次の理由による。
すなわち、Xa>Xbの場合、画像領域IAを距離Xaだけシフトしたとすれば、画像領域IAの端縁Isが用紙Sの端縁Spを越えることになり、その越えてしまう画像部分を用紙Sに形成できなくなって、画像領域IAの全体を再現できなくなる。このような場合、画像領域IAのシフトに代えて、画像領域IAを縮小することにより、画像領域IAの全体を用紙Sに再現することが可能になるからである。
このシフト処理でも、縮小処理と同様に、加熱領域Ha内に高濃度の画像が存在しなくなるようにすることが可能になり、タッキングの発生を防止することができる。
さらに、画像領域IAのシフトにより、画像領域IAが他の画像領域と重複することになる場合には、縮小処理2(ステップS817)を実行することができる。
上記の図36に示す「シフト前」の例では、画像領域IAが加熱領域Haとこれ以外の外側領域HRに跨る場合を説明したが、これに代えて、例えば外側領域HLと加熱領域Haに跨るような位置関係にある場合には、画像領域IAのシフト方向は、加熱領域Haから遠ざかる方向として、同図における左方向になる。
上記実施の形態1〜8では、ユーザーにより加熱折りが選択されると、濃度補正処理または縮小処理などを実行する構成例を説明したが、本実施の形態9では、加熱折りによりタッキングが発生する可能性があることを判断すると、その旨をユーザーに警告し、警告を受けたユーザーからの指示に従って、加熱を実行する場合と中止する場合を切り換える構成としており、この点で実施の形態1〜8と異なっている。
濃度補正が必要と判断されると(ステップS5で「YES」)、ユーザーに対する警告表示画面を操作部7の液晶表示部に表示させる(ステップS901)。
メッセージ表示欄76には、ジョブを実行すれば加熱折りによりタッキング発生の可能性がある旨の警告メッセージが表示される。
ボタン表示欄77には、ユーザーによりタッチ入力されるボタン751と752が設けられている。
ユーザーは、2つ折りの際に多少のタッキング発生の可能性があっても2つ折り後の膨らみ抑制の方を重視したいと思った場合には、ボタン752により加熱の実行を指示することができる。一方で、タッキング発生の可能性があるのであれば、2つ折り後の膨らみ抑制よりもタッキングの防止の方を重視したいと思った場合には、ボタン751により加熱のキャンセルを指示することができる。
一方、加熱がキャンセルされた場合には(ステップS902で「YES」)、画像データを出力して(ステップS9)、当該画像データ出力処理を終了する。
後処理制御部60は、その禁止指示を受け取ると、画像形成装置1から出力されたn枚の用紙Sからなる用紙束Sbに対して、加熱折りに代えて、加熱なしの2つ折り処理を施す。なお、加熱折りの指示が未だ発行されていなかった場合には、制御部6から後処理制御部60に対して加熱禁止の指示が発行される。
なお、上記では画像形成装置1の操作部7において、加熱折りをキャンセルするか否かのユーザーからの選択を受け付けるとしたが、これに限られない。
例えば、ネットワークを介してユーザーからの選択を受け付けるシステムとすることもできる。具体的には、ユーザーが端末装置からネットワークを介して画像形成装置1に対してジョブ実行を要求した場合に、そのユーザーが使用する端末装置のディスプレイに警告表示画面75を表示させる。そして、当該端末装置において、ユーザーにより加熱折りをキャンセルするか否かを選択する操作が行われると、その選択結果を当該端末装置からネットワークを介して画像形成装置1が受け付けるように構成される。
さらに、ユーザーへの警告方法としては、上記のメッセージ表示に限られず、例えば音声出力などとしても良い。
本発明は、画像形成装置に限られず、シート上における特定領域に対する画像形成を本来の濃度よりも低下させる画像形成方法であるとしても良い。また、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態1では、トナー減少量決定処理(図10)において、トナー付着量(濃度に相当)が大きくなるに伴ってトナー減少量T(濃度低下量に相当)を段階的に大きくする構成例を説明したが、これに限られない。
この構成をとれば、トナー付着量の取り得る範囲の最大値Dmaxを例えば1020としたとき、濃度補正により画像形成時のトナー付着量が、最大値Dmaxの50〔%〕、すなわち510を超えることがなくなる。
従って、最低限の画質を維持できると想定されるトナー付着量の上限値(例えば、510)を、特定領域に属する画素のトナー付着量の最大値(例えば、1020)で除した値(例えば、50〔%〕)を、トナー減少量Tとして予め決めておけば、特定領域に属する画素の階調値(濃度)の大きさに関わらず、濃度補正によりその上限値を超えることがなくなるので、必要な画質を確保しつつ、トナー減少量Tを画素単位で求める処理が不要になり、それだけ処理を簡素化できる。
さらに、特定領域の全体を低濃度に変更する領域として、濃度補正の対象としたが、これに限られず、少なくとも一部、例えば上限値を超える部分だけを低濃度に変更する領域として、上限値まで濃度が低下するように濃度補正を行う構成とすることもできる。
2つ折りされた用紙束Sbに対する加熱時の加熱領域Haの温度分布が、仮に、折り位置CLで温度が最も高く、そこから遠ざかるに伴って温度が低くなっていく特性を有する後処理装置2が用いられる場合に好適である。
例えば、加熱領域Haに形成すべき画像が存在するか存在しないかだけをまず判断し、存在しない場合には、タッキングが発生することはないので、濃度補正を不要と決める方法をとることができる。加熱領域Haにトナーが付着するべき画像が存在するか否かの判断は、例えば加熱領域Haに属する各画素の階調値を参照し、全部の画素の階調値が閾値、例えば5以下である場合に存在しないと判断する方法をとることができる。
(4)さらに、加熱領域Haに画像が存在する場合でも、その画像種類、例えば文字や写真などの違いによって、濃度補正要否判断処理を実行するか否かを判断する構成をとることもできる。例えば、文字と写真を比較すると、通常、文字画像は、再現される文字の線の部分だけにトナーが付着するが、写真画像は中間調のためにベタになることが多い。
そこで、加熱領域Haに存在する画像が文字であれば、濃度補正要否判断処理を実行せず、写真であれば、濃度補正要否判断処理を実行するように自動的に選択する方法が考えられる。文字画像であるか写真画像であるかは、公知の領域判別処理を用いることにより判別することができる。
例えば、ユーザーにより2つ折りが指示され、かつ、折り目の付きにくい塗工紙(アート紙やコート紙など)が用紙Sとして使用される場合には、ユーザーによる加熱の有無の選択に関わらず、自動的に図7のステップS2以降の処理を実行する構成が考えられる。
例えば、加熱領域Haよりも少し広い所定の大きさの領域を各用紙Sに対する特定領域に設定することもできる。発熱部92からの熱は、加熱領域Haだけに留まらず、ある程度は、加熱領域Haから外に伝わることもあるからである。
このような場合には、折り位置CLからその離れた位置までの間、すなわち上記の加熱領域Haよりも狭い所定の大きさの領域を用紙Sに対する特定領域に設定することも可能である。
(8)上記実施の形態では、用紙Sを2つ折りする場合の構成例を説明したが、2つ折りに限られない。例えば、後処理装置2で3つ折りされる場合にも適用できる。3つ折りの場合、1枚の用紙Sに対して折り位置CLが異なる2か所になる。ここで、3つ折りには、いわゆる、巻き3つ折りや外3つ折り(Z折り)などがある。
モノクロ画像のみを形成可能な画像形成装置であっても良いし、シートの片面にのみ画像形成可能な画像形成装置であっても良い。このような画像形成装置であれば、例えば、プリンター、複写機、ファクシミリ装置、MFP(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
2 後処理装置
5 プリント部
6 制御部
7 操作部
67 用紙折り部
83 加熱部
107 加熱領域特定部
108 トナー量算出部
109 濃度補正要否判断部
110 濃度補正部
CL 折り位置
Ha 加熱領域
HaL 左側加熱領域
HaR 右側加熱領域
P 画素
S 用紙
Claims (26)
- シートを折り、折った状態でシートの折り位置を加熱する後処理装置に対し、画像が形成されたシートを出力する画像形成装置であって、
画像データに基づきシートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段を制御して、前記シートにおける折り位置を含む特定領域への画像形成を、前記画像データに基づく本来の濃度よりも濃度が低くなるような条件で実行させる制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記条件は、
前記特定領域に形成されるべき画像の少なくとも一部の濃度を前記本来の濃度よりも低い低濃度に変更することであることを特徴とする請求項1に画像形成装置。 - 前記制御手段は、
低濃度に変更する領域を、前記特定領域から当該特定領域以外の外側領域に拡張し、かつ、当該外側領域に形成されるべき画像に対しては、当該特定領域からの距離が大きくなるに伴って、その濃度の低下量を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記後処理装置は、
複数枚のシートをシート束にして折り、折った状態のシート束の折り部をその周囲から加熱する構成であり、
前記制御手段は、
前記後処理装置において前記複数枚のシートがシート束の状態で折られる場合に、そのシート束を構成するそれぞれのシートについて、当該シートが最も外側のシートから内側に向かって数えて何番目のシートになるかを特定し、
それぞれのシートへの画像形成に際し、前記低濃度に変更する制御として、当該低濃度に変更する制御による画質への影響を抑制させるための抑制制御を、前記特定された番号の大きさに基づいて実行することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記抑制制御は、
前記特定された番号が大きくなるに伴って、形成されるべき画像の濃度の低下量を小さくする制御であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記抑制制御は、
前記特定された番号が大きくなるに伴って、前記特定領域の幅を狭くする制御であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記特定領域に形成されるべき画像の最大濃度が大きくなるに伴って、前記濃度の低下量を大きくすることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記特定領域に形成されるべき画像の濃度を、予め決められた上限値以下の濃度に変更することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記画像の最大濃度が前記上限値を超える場合には、前記低濃度の変更を実行し、前記上限値以下の場合には、前記低濃度の変更を禁止することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記特定領域に形成されるべき画像の画素ごとに、各画素の濃度が同じ割合だけ低下するように画素値を変更することにより、前記低濃度の変更を行うことを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記特定領域に形成されるべき画像の最大濃度が閾値以下の場合、前記低濃度の変更を禁止することを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記後処理装置は、
複数枚のシートをシート束にして冊子状に折り、折った状態のシート束の折り部を加熱する構成であり、
前記画像形成手段は、
前記シートの第1面とその裏面である第2面の両方への画像形成が可能であり、
前記制御手段は、
前記後処理装置において前記複数枚のシートがシート束の状態で折られる場合に、当該シート束を見開きの状態で前記折り位置を挟んで左側のページが第1のシートの第1面における左側半分の領域、右側のページが第2のシートの第2面における右側半分の領域に割り付けられ、
前記第1のシートの第1面における前記特定領域のうち、前記折り位置よりも左側の部分を左側特定領域、前記第2のシートの第2面における前記特定領域のうち、前記折り位置よりも右側の部分を右側特定領域としたとき、
前記左側特定領域に形成されるべき画像および前記右側特定領域に形成されるべき画像のそれぞれの濃度の低下率または低下量が同じになるように、前記低濃度の変更を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記画像データのうち、低濃度に変更する領域に対応するデータが示す階調値を書き換えることにより、前記低濃度の変更を実行することを特徴とする請求項2〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段は、
前記制御手段により制御される、前記画像形成動作の一工程において前記画像の濃度を可変可能な制御対象部を備え、
前記制御手段は、
前記制御対象部の制御により、前記低濃度の変更を実行することを特徴とする請求項2〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記制御対象部は、
帯電された像担持体表面を露光することにより当該像担持体表面に静電潜像を作像する露光手段であり、
前記制御手段は、
低濃度に変更する領域に対する露光時の露光量が前記画像データに基づく本来の濃度に対する露光量よりも低下するように、前記露光手段を制御することを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。 - 前記制御対象部は、
像担持体上に形成された画像をシートに静電転写するための転写部材に転写バイアスを供給する転写電力供給手段であり、
前記制御手段は、
低濃度に変更する領域の画像が前記シートに転写されるときの転写バイアスが前記画像データに基づく本来の濃度に対する値よりも絶対値で低くなるように、前記転写電力供給手段を制御することを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段は、像担持体を備え、
前記制御対象部は、
現像バイアス電圧が供給される現像剤担持体上に担持されている現像剤を用いて、前記像担持体表面に作像された静電潜像を現像する現像手段であり、
前記制御手段は、
前記現像を行う際の現像バイアス電圧が前記画像データに基づく本来の濃度に対する現像バイアス電圧よりも絶対値で低くなるように、前記現像手段を制御することを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。 - 前記条件は、
1枚のシートの片面における画像形成可能な全体領域内で、前記特定領域と重複している画像の形成位置を当該特定領域以外の外側領域に変更して、変更前の形成位置に前記画像を存在させなくすることであることを特徴とする請求項1に画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記画像の座標位置を、前記画像の全体が前記特定領域から出る位置まで前記画像を縮小した場合の座標位置に書き換えることにより、前記外側領域への変更を実行することを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記画像の座標位置を、前記画像の全体が前記特定領域から出る位置まで前記画像をシフトさせた場合の座標位置に書き換えることにより、前記外側領域への変更を実行することを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記画像の大きさが前記外側領域よりも大きい場合には、前記シフトよる座標位置の書き換えに代えて、前記画像の縮小とシフトの両方を行った場合の座標位置に書き換えることを特徴とする請求項20に記載の画像形成装置。 - 前記後処理装置は、
前記シートを折った後、その折り部を加熱することと加熱しないことを前記画像形成装置からの指示により切り換え可能に構成されており、
前記画像形成装置は、
前記折られたシートの折り部を加熱するか否かの選択をユーザーから受け付ける第1受付手段を備え、
前記制御手段は、
前記加熱を行うことがユーザーにより選択された場合には、前記条件に基づく画像形成と、前記後処理装置に対する加熱の指示とを含む第1の処理を実行し、
前記加熱を行わないことがユーザーにより選択された場合には、前記条件に基づく画像形成に代えて、前記画像データに基づく本来の濃度による画像形成と、前記後処理装置に対する加熱の禁止指示とを含む第2の処理を実行することを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記加熱を行うことが選択され、かつ、前記特定領域に形成されるべき画像の最大濃度が閾値を超える場合には、画像形成の前に、前記後処理装置における折り動作の後の加熱によりタッキングが発生する可能性がある旨をユーザーに警告する警告手段を備えることを特徴とする請求項22に記載の画像形成装置。
- 前記ユーザーから前記加熱のキャンセルの指示を受け付ける第2受付手段を備え、
前記制御手段は、
前記キャンセルの指示が受け付けられると、前記第1の処理に代えて第2の処理を実行することを特徴とする請求項23に記載の画像形成装置。 - 前記特定領域は、
前記シートの加熱領域全域と、前記加熱領域全域よりも狭い所定の大きさの領域とのいずれかであることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - シートを折り、折った状態でシートの折り位置を加熱する後処理装置に、画像が形成されたシートを出力する画像形成装置における画像形成方法であって、
画像データに基づきシートに画像を形成する画像形成手段を制御する制御ステップを含むステップを実行し、
前記制御ステップは、
前記シートにおける折り位置を含む特定領域への画像形成を、前記画像データに基づく本来の濃度よりも濃度が低くなるような条件で実行させることを特徴とする画像形成方法。
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