JP6761626B2 - 木質系化粧材 - Google Patents

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Description

本発明は、木質系基材の木質表面に模様が印刷された木質系化粧材に関する。
従来から、木目模様などの模様が、木質系基材の表面に印刷された木質系化粧材が利用されている。このような木質系化粧材として、たとえば、特許文献1には、木質系の木質系基材と、木質系基材の表層に形成されたインク受容層と、インク受容層の表面にインクジェットプリンタにより印刷を行った水性の樹脂製の印刷用インクからなるインク層と、インク層の表面にクリア塗装を施した表面保護層と、を備えた木質系化粧材が提案されている。
この技術によれば、インク層が形成された木質系基材の表面にクリア塗装により表面保護層を形成することにより、得られた木質系化粧材の表面の光沢性を高めるとともに、木質系化粧材の表面の耐水性および耐熱性をも高めることができる。
特開2008−93910号公報
ここで、特許文献1に示す木質系化粧材のインク層は、インク受容層の表面にインクジェットプリンタにより印刷を行った水性の樹脂製の印刷用インクからなる層であるため、印刷されたインク層は、その表面が乾燥した後、その内部が乾燥する。
この際に、乾燥の初期段階で、インク層の表面に薄膜が形成され、その内部の乾燥が進むに従って、内部からの溶媒の揮発・内部の体積収縮に起因して、その表面に微細なシワまたは空孔などが形成されると推定される。このような微細なシワや空孔が、クリア塗装された表面保護層に対してアンカー効果を期待することができるため、インク層を介して、表面保護層と木質系基材(木質表面)との密着性を確保することができると考えられる。この点は、油性の樹脂製の印刷用インクの場合も同様である。
しかしながら、水性または油性の樹脂製の印刷用インクの代わりに紫外線硬化型樹脂からなる印刷用インクを用いた場合、印刷後のインク層(を構成する樹脂)に紫外線を照射した時点で、インク層が硬化する。これにより、インク層の表面は、水性または油性の樹脂製インクを用いた場合に比べて平滑な表面(他とは異なる特有の平滑な表面)となり、表面保護層と木質系基材との密着性を十分に発揮することができないことがあった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表面に紫外線により硬化した樹脂からなるインク層が形成された木質系基材に、樹脂製の表面保護層を被覆した場合であっても、表面保護層が木質系基材から剥離することを抑えることができる木質系化粧材を提供することにある。
前記課題を鑑みて、本発明に係る木質系化粧材は、木質表面が形成された木質系基材に、模様がインク層として印刷された木質系化粧材であって、前記木質表面には、該木質表面の一部が露出するように、紫外線により硬化した第1樹脂からなる前記インク層が形成されており、前記インク層が形成された木質表面を覆うように、前記第1樹脂とは異なる第2樹脂を主剤とした可視光線を透過する表面保護層が、前記木質表面に形成されており、前記表面保護層は、前記木質表面のうち前記インク層から露出した露出表面に接触していることを特徴とする。
本発明によれば、表面保護層は、可視光線を透過する層であるので、木質系基材の木質表面に印刷されたインク層の模様を、表面保護層を介して視認することができる。ここで、インク層を構成する第1樹脂(印刷用インク)は、未硬化の状態で木質系基材の表面に付着し、その後、紫外線を照射することにより硬化した樹脂である。したがって、第1樹脂であるインク層の表面は、乾燥を伴わず硬化するので、油性および水性の樹脂製の印刷用インク等の他のインクを用いた場合に比べて平滑な表面(他のインクでは得られない特有の平滑な表面)となる。
ここで、木質系基材の木質表面の一部がインク層から露出しており、この露出した露出表面は、インク層の表面とは異なり、木材由来の表面粗さの大きい表面である。本発明では、露出した木質表面(露出表面)に表面保護層を接触させることにより、平滑な表面となったインク層と表面保護層との間で十分に確保できなかった密着力を、表面保護層と木質系基材と間で確保することができる。
なお、本発明でいう「木質系化粧材」とは、印刷される表面が木質表面を有している化粧材のことをいい、化粧材が木材からなるものに限定されない。したがって、本発明でいう「木質系基材」とは、インク層が形成される表面が木材からなる表面であればよく、樹脂材等のベース部材に突板または挽板などの木材を貼着したものも含む。
また、本発明でいう「木質表面」とは、天然の木材の表面ばかりでなく、木質繊維板などの加工された木材の表面も含む。さらに、本発明でいう「(表面保護層が)露出表面に接触している」とは、表面保護層が、木質表面のうちインク層から露出した露出表面に倣うように直接接触している場合ばかりでなく、表面保護層が、露出表面に粘着剤または接着剤を介して接触している場合も含む。
ここで、表面保護層は、例えば、上述したように粘着剤を介して木質系基材の露出表面に接触していてもよいが、より好ましい態様としては、前記表面保護層を構成する前記第2樹脂の一部が、前記露出表面からその内部に含浸されている。
この態様によれば、表面保護層を構成する第2樹脂の一部が、木質系基材の木質表面のうち露出表面からその内部に含浸されているので、木質系基材と表面保護層との密着性を高めることができる。
ここで、インク層は、木質系基材の木質表面の一部を露出させ、この露出した表面に表面保護層を接触することができるのであれば、その印刷状態は特に限定されるものではない。しかしながら、より好ましい態様としては、前記インク層は、前記第1樹脂からなる複数のインク粒子が、相互に離間するように前記木質表面に付着した層であり、前記インク粒子同士の間に、前記露出表面が形成されている。
この態様によれば、離間したインク粒子の間に露出表面が形成され、この露出表面に表面保護層が接触するので、木質系基材に対してより安定して表面保護層を密着させることができる。
さらに、木質系基材の木質表面には、木材に由来する天然の木目模様に応じた凹部(たとえば道管)が形成されており、この凹部にインク粒子を完全に埋めるようにインク粒子が木質表面に付着していてもよい。しかしながら、より好ましい態様としては、前記木質表面には、木材に由来する天然の木目模様に応じた凹部が形成されており、前記インク粒子は、前記凹部の形状を残すように前記木質表面に付着し、前記凹部に前記表面保護層の第2樹脂が充填されている。
この態様によれば、インク粒子は、木質表面に形成された凹部を残すように、木質表面に付着し、残った凹部(の空間)に表面保護層の第2樹脂が充填されているので、木質系基材と表面保護層とのアンカー効果を高めることができる。
さらに、表面保護層は、インク層が形成された木質系基材の表面に、第2樹脂を塗布することにより形成してもよいが、より好ましい態様としては、前記第1樹脂の融点は、前記第2樹脂の融点よりも高く、前記表面保護層は、熱圧成形により前記木質系基材に対して一体的に形成された層である。
この態様によれば、表面保護層は、熱圧成形により木質系基材に対して一体的に形成された層であるので、第2樹脂を塗布することにより成形した表面保護層に比べて、木質系基材の露出表面およびインク層の表面に倣うように密着した層となる。また、第1樹脂の融点が、第2樹脂の融点よりも高いので、熱圧成形により第2樹脂を軟化(変形)させることなく、表面保護層を成形することができ、インク層の滲み等が生じ難い。
本発明によれば、表面に紫外線により硬化した樹脂からなるインク層が形成された木質系基材に、樹脂製の表面保護層を被覆した場合であっても、表面保護層が木質系基材から剥離することを抑えることができる。
本実施形態に係る木質系化粧床材の模式的分解斜視図である。 本実施形態に係る木質系化粧床材を示した模式的斜視図である。 本実施形態に係る木質系化粧床材の表面近傍の拡大断面図である。 本実施形態に係る木質系化粧床材の製造方法のうち、印刷工程を説明するための模式的断面図であり、(a)は、木質系基材の表面近傍の拡大図であり、(b)は、(a)に示す木質系基材の表面に、未硬化の第1樹脂を印刷用インクとして印刷した状態を説明するための図であり、(c)は、(b)に示す状態の第1樹脂に紫外線を照射して硬化させた状態を説明するための図である。 本発明に係る木質系化粧床材の製造方法のうち、表面保護層を被覆する工程を説明するための図であり、(a)は、図4(c)に示す状態の木質系基材の表面に表面保護層用のシート材を配置した状態を説明するための図であり、(b)は、(a)に示す状態から、ホットプレスにより、表面保護層を成形することを説明するための図である。 図3に係る木質系化粧床材の変形例を示した図である。
以下に、図面を参照して、本実施形態について説明する。
1.木質系化粧床材1について
本実施形態に係る木質系化粧床材(木質系化粧材)1は、図1および図2に示すように、木質系基材2の木質表面2aに、例えば、木質表面2aの木目模様とは異なる木目模様をインク層3として印刷した床材である。さらに、木質系化粧床材1には、インク層3が形成された木質系基材2の表面を覆うように表面保護層4が形成されている。なお、本実施形態では、木質系化粧材の一例として床材を例示しているが、この他にも、壁材、階段の踏板、縁材など、特に限定されるものではない。以下に、木質系基材2、インク層3、および表面保護層4について、詳述する。
2.木質系基材2について
本実施形態では、木質系基材2は、複数プライの合板からなるベース部材21の表面に、4枚の突板23が貼着されており、隣接する突板23,23同士には継ぎ目24が形成されている。本実施形態では、木質系基材2の表面は、突板23に由来した木目模様が形成された木質表面2aであり、木質系基材2の木質表面2aは、突板23の表面23aに相当し、この木質表面2aに、後述するインク層3が形成される。
木質系基材2の木質表面2aの周縁は面取り部25が形成されており、面取り部25は、突板23の表面23aから、ベース部材21の一部(側面)に亘って形成されている。ベース部材21の側面の周縁には、雄実部22aと雌実部22bとが形成されている。
このように木質系基材2に雄実部22aと雌実部22bを設けることにより、床下地面に木質系化粧床材1を敷設する際に、木質系基材2(木質系化粧床材1)の雄実部22aとこれに隣接する木質系基材2(木質系化粧床材1)の雌実部22bを係合させることにより、木質系化粧床材1,1同士を実接合することができる。
ここで、本実施形態では、ベース部材21を構成する木材の一例として合板を挙げたが、例えば、パーティクルボード(PB)、木質繊維板(MDF・インシュレーションボード・ハードボードなど)、配向性ストランドボード(OSB)、LVL、集成材、または無垢材などの木質系のベース部材を挙げることができる。上述した突板23をその表面に貼着することができ、ベース部材21(木質系化粧床材1)の剛性および強度を確保することができるのであれば、その材質および厚さは特に限定されるものではない。
さらに、ベース部材21は、合板からなるベース部材であったが、突板23を表面に貼着し、木質系基材2の表面を木材の表面にすることができるのであれば、その材質は限定されるものではない。たとえば、ベース部材21が、樹脂と木材を混合した複合型のベース部材であってもよく、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリビニルアルコールなど)の樹脂製のベース部材であってもよい。さらに、ベース部材21は、ロックウールボードなどの無機繊維のベース部材、または、炭素繊維からなる炭素繊維のベース部材であってもよい。
突板23は、その表面23aに、突板23(木材)に由来した天然の木目模様が形成された単板であり、ベース部材21の表面を化粧する表面化粧材として用いられる単板である。突板の材料としては、例えば、ビーチ、オーク、メイプル、ケヤキ、ウォールナット、シナ、ナラ、ヤチダモ、キリ、ヒノキ、スギ、マホガニー、チーク、ローズウッド、トチ、クロガキ、シオジ、ニレ、カバ、シタン、またはコクタンなどを挙げることができる。突板23の厚さは、0.1〜1.0mmの範囲にあることが好ましい。
本実施形態では、その表面に木材に由来した天然の木目模様が形成された表面化粧材として突板23を用いた。しかしながら、例えば、突板23の代わりに、ベース部材21の表面を化粧する表面化粧材として上述した材料からなる(表面に天然の木目模様が形成された)挽板を用いてもよい。その場合には、挽板の厚さは、1mm〜3mmの範囲にあることが好ましい。
突板23をベース部材21に貼着するにあたっては、ベース部材21の表面または突板23の裏面の少なくとも一方に粘着剤を塗布し、接着剤を硬化させることにより、ベース部材21の表面に突板23を接着する。上述した雄実部22aと雌実部22bおよび面取り部25は、これらが接着された後、加工される。
さらに、突板23をベース部材21に貼着する前、または貼着した後に、突板23の表面をロールコーター等により着色剤で着色してもよい。このような着色を行うことにより、突板23の木質感を強調し、後述する木材の表面模様を強調することもできる。着色剤としては、染料着色剤、顔料着色剤、または薬品着色剤などを挙げることができる。
本実施形態では、突板23の天然の木目模様と、これに応じて形成された木質表面の凹凸が残ることを前提に、着色剤が突板23の表面23aからその表層に含浸され、その表面23aを着色する(少なくとも素材の色と異なる色にする)ことができるものであれば、着色剤の種類および着色方法は特に限定されるものではない。
なお、木質系基材2の裏面には、防音用の複数の溝が形成されていてもよく、発泡ゴムシート、発泡樹脂シートなどの衝撃緩衝材が貼着されていてもよく、紙、不織布、生地(フェルトなど)の裏打ち材などが、貼着されていてもよい。
3.インク層3について
インク層3は、木質系基材2の木質表面2aに印刷された層である。インク層3は、第1樹脂からなる層であり、紫外線を照射することにより硬化させた樹脂層である。インク層3は、後述するように、木質系基材2の木質表面2aの一部が露出するように形成されている。
インク層3となる第1樹脂は、一般的に知られた紫外線硬化型のインクであり、反応性オリゴマーまたは反応性モノマーに光重合開始剤が添加された紫外線硬化型樹脂と、着色剤とから構成された樹脂であり、紫外線の照射により硬化した状態の樹脂である。印刷用のインクに、紫外線硬化型のインクを用いたので、印刷したインクが木質系基材2の木質表面2aに殆ど含浸されず、鮮明な表面模様を得ることができる。
ここで、木質系基材2の木質表面2aの一部を露出させることができるのであれば、木質系基材2の木質表面2aの一部の領域に隙間無く模様を印刷し、その他の領域を露出させてもよい。しかしながら、本実施形態では、木質系基材2の木質表面2aの全体の領域に、突板23の木目模様とは異なる木目模様となるように、インク層3が形成されている。
図3および図4(a)に示すように、木質系基材2の木質表面2aは、突板23の表面23aの天然の木目模様に応じた凹凸形状を有しており、この木質表面2aに、第1樹脂からなる複数のインク粒子31を付着させることにより、インク層3が形成されている。
換言すると、インク層3は、第1樹脂からなる複数のインク粒子31が、木質系基材2の木質表面2aにおいて相互に離間するように付着した層であり、木質系基材2の木質表面2aには、第1樹脂からなるインク粒子31,31同士の間に、インク層3から露出した露出表面2bが形成されている。
さらに、本実施形態では、後述する製造方法からも明らかなように、木質系基材2の木質表面2aの凹部2c(例えば道管により形成された凹部)の空間は、インク粒子31で完全に埋まっていない。すなわち、インク粒子31は、凹部2cの形状を残すように木質表面2aに付着している。このように、木質系基材2の木質表面2aは、その木質表面2aの凹凸形状を残しつつ、インク層3から部分的に露出している。なお、木質表面2aの凹部2cには、表面保護層4の第2樹脂が充填されている。
このようにして、木質系化粧床材1によれば、後述する表面保護層4をさらに被覆したとしても、インク層3から露出した露出表面2bを有するので、木質系化粧床材1の表面において、突板23に由来した天然の木目模様とともに、この木目模様とは異なるインク層3の木目模様が見える。
特に、インク層3が形成された木質系基材2の木質表面2aには、天然の木目模様に応じて形成された突板23の表面23aの凹凸形状が形成されている(残っている)ので、たとえ表面保護層4を形成したとしても、木質系化粧床材1の表面に、突板23の木質感を得ることができる。
さらに、インク層3の木目模様に、従来木材の模様としては良好とされない、割れ、やに、杢、入り皮、金筋、シュガー筋、偽芯、アテ、色ムラ、てりの模様など、木材固有の模様を含めてもよい。さらに、木材を切断加工したときに形成されるノコギリの傷跡(ラフソーン)の模様、釘孔の跡の模様、を含めてもよい。これにより、これらの印刷された模様と同様の模様を有した天然の木材と、違和感なく組み合わせて利用することができる。
4.表面保護層4について
表面保護層4は、インク層3が形成された木質系基材2の木質表面2aを保護するための層であり、インク層3とともにこれを形成した木質系基材2の木質表面2aを覆うように形成されている。表面保護層4は光透過性を有しており、このような特性を有した、第1樹脂とは異なる第2樹脂を主剤とした材料からなる。
たとえば、表面保護層4は、メラミン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリビニルアルコールなど)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの光透過性を有した透明な樹脂からなってもよい。
また、表面保護層4が、可視光線を透過することができるのであれば、金属粒子、クラフト紙、不織布、またはクロスなどが含有してもよく、表面保護層4を、インク層3が形成された木質系基材2に接着・粘着させるための粘着剤または接着剤を含んでもよい。
本実施形態では、表面保護層4は、クラフト紙に、第2樹脂としてメラミン樹脂が含浸された略透明な層であり、メラミン樹脂含浸紙からなるシート材を、後述する熱圧成形することにより得ることができる。
ここで、表面保護層4は、木質系基材2の木質表面2aのうちインク層3から露出した露出表面2bに接触(接着)している。上述したように、木質系基材2の木質表面2aの一部がインク層3から露出しており、この露出した露出表面2bは、インク層3の表面とは異なり、木材由来の表面(木質繊維が露出した表面)である。このため、第1樹脂の硬化後に平滑な表面を有したインク層3(具体的にはインク粒子31)と、表面保護層4との間で十分確保できなかった密着力を、木質系基材2の露出した露出表面2bに表面保護層4を接触させることにより、表面保護層4と木質系基材2と間で確保することができる。
本実施形態では、インク粒子31は、木質表面2aに分散するように付着しており、インク粒子31同士の間には露出表面2bが形成され、露出表面2bに、表面保護層4が接触している。これにより、表面保護層4が木質表面2a(露出表面2b)に均一に接触するので、木質系基材2に対して表面保護層4を安定して密着させることができる。
さらに、本実施形態では、露出表面2bから、その内部に、表面保護層4を構成する第2樹脂の一部が含浸した含浸層32が形成されている。これにより、木質系基材2と表面保護層4との密着性を高めることができる。特に、本実施形態では、上述したようにインク粒子31は、木質表面2aに形成された凹部2cを残すように、木質表面2aに付着しており、残った凹部2c(の空間)に表面保護層4の第2樹脂が充填されている。これにより、木質系基材2と表面保護層4とのアンカー効果を高めることができる。
このようにして、本実施形態では、木質系化粧材を床材に適用したことにより、歩行者の歩行時の荷重および摩擦等が表面保護層に直接的に作用したとしても、インク層3が形成された木質系基材2から表面保護層4が剥離することを低減することができる。
5.木質系化粧床材1の製造方法について
以下に、図4(a)〜(c)および図5(a),(b)を参照しながら、本実施形態に係る木質系化粧床材1の製造方法を説明する。
5−1.印刷工程について
まず、上述した木質系基材2を準備する。本実施形態では、木質系基材2の木質表面2aは、突板23の表面23aに相当し、木質系基材2の木質表面2aには、道管等により形成された筋状の凹部2cが形成されている。
このような木質系基材2の木質表面2aに、木目模様のインク層3を印刷する。ここで、突板23の表面23aには、突板23の表面23aの天然の木目模様が形成されているので、この天然の木目模様に応じて形成された突板23の表面23aの凹凸形状を残しつつ、天然の木目模様が視認できるように、突板23の表面23aの天然の木目模様とは異なる木材のインク層3を印刷する。
本実施形態では、インク層3の木目模様は、突板23の表面とは異なる木材の表面を画像として撮影し、撮影した画像に応じた模様(木材の表面模様)を、印刷することで得ることができる。木材の木目模様の印刷はインクジェットプリンタ(図示せず)を用いて行われる。本実施形態では、インクジェットプリンタのインクは、反応性オリゴマーまたは反応性モノマーに光重合開始剤が添加された紫外線硬化型樹脂と、着色剤とを少なくとも含む。例えばイエロー、マゼンダ、シアン、およびブラックの4色の着色剤を、前記紫外線硬化型樹脂に個別に含有した4種のインクを準備し、これらのインクを用いて、木質系基材2の木質表面2aにインク層3を形成することで木目模様を印刷する。
インクジェットプリンタは、一般的な印刷に用いられるインクを収容し、上述した画像に基づいて印刷すべき木目模様に合わせて各インクを個別に噴射するヘッドと、木質系基材2を送るフィーダと、を少なくとも備えている。
このようなインクジェットプリンタを用いて、第1樹脂となる各インクを木目模様に応じて、木質系基材2の木質表面2aに対して略直交した方向からヘッドで噴射しながら、フィーダで木質系基材2を送り、木質系基材2の木質表面2aに木目模様を印刷する。
ここで、本実施形態では、従来技術とは異なり、微細な粒径のインク(未硬化の第1樹脂31’)を、木質系基材2の木質表面2aに吹き付ける。具体的には、木質系基材2の木質表面2aに吹き付けられるインクの液滴は、1〜20plの範囲にあることが好ましく、より好ましくは、3〜14plの範囲にある。
これにより、木質系基材2の木質表面2aに付着したインク粒子31’の平均直径(木質系化粧床材の平面に対して直交する方向から見たインク粒子の直径の平均値)は、15〜150μmの範囲となる(分布としては、平均直径40〜60μmが多い)。このようにして、図4(b)に示すように、木質系基材2の木質表面2aには、未硬化の第1樹脂からなるインク粒子31’が離間して付着し、インク粒子31’,31’同士の間に、インク層3から(インク粒子31)から露出した露出表面2bが形成されている。
ここで、印刷されたインク層3’は、未硬化の第1樹脂からなるインク粒子31’が分散した層である。したがって、インク層3’に紫外線を照射することにより、第1樹脂を硬化させ、図4(c)に示すように、木質系基材2の木質表面2aに、紫外線により硬化した第1樹脂からなるインク粒子31を分散させたインク層3が形成される。
このようにして、図3に示すように、木質系基材2の木質表面2a(突板23の表面23a)に、天然の木目模様に応じて形成された突板23の表面23aの凹凸形状を残しつつ(すなわち、表面23aの凹部2cの空間をインク粒子31で完全に埋めることなく)、木目模様を印刷することができる。なお、インク層3のインク粒子31には、水性または油性の樹脂製の印刷用インク等、他のインクを用いた場合に比べて特有の平滑な表面が形成される。
5−2.表面保護層4の成形工程について
図5(a)に示すように、紫外線により第1樹脂を硬化させたインク層3と、木質系基材2の露出表面2bを覆うように、表面保護層用のシート材4Aを配置する。本実施形態では、シート材4Aはメラミン樹脂含浸紙であり、クラフト紙に第2樹脂としてメラミン樹脂が含浸されたシート材を用いる。
この状態で、図5(b)に示すように、ホットプレス装置7を用いて、シート材4Aを、加熱しながら木質系基材2側に加圧することにより、インク層3が形成された木質系基材2の表面に表面保護層4を熱圧成形する。
ここで、第2樹脂であるメラミン樹脂の融点(軟化点)よりも高く、インク層3のインク粒子31を構成する第1樹脂よりも融点よりも低い温度条件で、シート材4Aを加熱する。これにより、インク粒子31は変形することなく、表面保護層4を成形することができるので、印刷時のインク層3の木目模様を保持した木質系化粧床材1を得ることができる。
このようにして、表面保護層4は、木質系基材2に対して一体的に形成される。表面保護層4は、木質系基材2の木質表面2aのうちインク層3から露出した露出表面2bに接触し、さらに、インク粒子31同士の間に形成された露出表面2bから、その内部に、表面保護層4を構成する第2樹脂の一部が含浸した含浸層32が形成される。これにより、木質系基材2と表面保護層4との密着性を確保することができる。
さらに、インク粒子31は、木質系基材2の凹部2cの形状を残すように木質表面2aに付着したので、木質系基材2の凹部2cに表面保護層4の第2樹脂を充填させることができる。これにより、木質系基材2に対する表面保護層4のアンカー効果を期待することができる。
ここで、図3に示す本実施形態に係る木質系化粧床材1は、微細なインク粒子31を、木質系基材2の木質表面2aに付着させることにより、木質系基材2の凹部2cの形状を残すようにした。
しかしながら、例えば、図6に示す本実施形態の変形例に係る木質系化粧床材1Aの如く、インク層3Aのインク粒子31Aが木質系基材2の凹部2cを埋めるように、インク粒子31Aを木質表面2aに付着させてもよい。この場合であっても、木質系基材2の木質表面2aに、露出表面2bが形成されていれば、露出表面2bに表面保護層4が接触するので、木質系基材2と表面保護層4との密着性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
本実施形態では、木質系基材の表面に突板を貼着することにより、木質系化粧床材とした。しかしながら、木質系基材に合板の代わりに無垢材を用いた場合には、無垢材の表面に、木材に由来した天然の木目模様が形成されているので、突板を省略してもよい。
1,1A:木質系化粧床材(木質系化粧材)、2:木質系基材、2a:木質表面、2b:露出表面、2c:凹部、21:ベース部材、22a:雄実部、22b:雌実部、23:突板、24:継ぎ目、25:面取り部、3,3A:インク層、31,31A:インク粒子、32:含浸層、4:表面保護層、4A:シート材、7:ホットプレス装置。

Claims (2)

  1. 木質表面が形成された木質系基材に、模様がインク層として印刷された木質系化粧材であって、
    前記木質表面には、該木質表面の一部が露出するように、紫外線により硬化した第1樹脂からなる前記インク層が形成されており、
    前記インク層が形成された木質表面を覆うように、前記第1樹脂とは異なる第2樹脂を主剤とした可視光線を透過する表面保護層が、前記木質表面に形成されており、
    前記表面保護層は、前記木質表面のうち前記インク層から露出した露出表面に接触しており、
    前記インク層は、前記第1樹脂からなる複数のインク粒子が、相互に離間するように前記木質表面に付着した層であり、前記インク粒子同士の間に、前記露出表面が形成されており、
    前記木質表面には、木材に由来する天然の木目模様に応じた凹部が形成されており、
    前記インク粒子は、前記凹部の形状を残すように前記木質表面に付着し、前記凹部に前記表面保護層の第2樹脂が充填されており、
    前記凹部の内部において、前記露出表面が形成されているとともに、前記表面保護層を構成する第2樹脂の一部が含浸した含浸層が形成されていることを特徴とする木質系化粧材。
  2. 前記第1樹脂の融点は、前記第2樹脂の融点よりも高く、前記表面保護層は、熱圧成形により前記木質系基材に対して一体的に形成された層であることを特徴とする請求項1に記載の木質系化粧材。
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